JP2011146534A - コンバータトランス - Google Patents

Abstract

【課題】本発明の課題は、巻線構造を簡素化して、製造性を向上し、量産性に優れ、さらに、絶縁設計を確実にして、個々の２次巻線周囲に空隙を作り、冷却を改善させて信頼性が向上するコンバータトランスを提供することにある。
【解決手段】本発明は、２次巻線が分割巻き構成のコンバータトランスであって、穴が設けられ、前記穴の中心が同一軸上になるように絶縁スペーサを介して所定間隔で配設される複数の絶縁板と、前記各絶縁板の一方の面の前記穴の周囲に設けられた絶縁物よりなる突出部と、前記各絶縁板のそれぞれ対応した前記突出部の外周に設けられた２次巻線と、前記複数の絶縁板の穴に挿入された１次巻線と、前記１次巻線の内部に設けられた鉄心とを具備することを特徴とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、２次巻線が分割巻き構成のコンバータトランスに関するものである。

高電圧を発生させるＤＣ／ＤＣコンバータ用のトランスでは、１次−２次巻線間に耐圧のために絶縁距離が必要なため多層の絶縁紙を巻いて構成される。

大電力のコンバータトランスでは２次巻線の損失も大きく、排熱が必要となっている。

図３は従来の高電圧コンバータトランスを示す一部切欠正面図である。図３において、１１は１次巻線、１２は分割巻き構成の２次巻線、１３は内部絶縁紙、１４は外部絶縁紙、１５は鉄心（コア）、１６は空隙である。

図３に示すように、１次巻線１１及び２次巻線１２の周囲に空隙１６を作り、この空隙１６に油などを循環させることにより放熱を実施している。

しかし、トランスを小形化する設計では、十分な空隙確保は難しく、油中冷却でも油の流れによる冷却は十分ではなかった。

特開平１０−１６３０４４号公報 特開平８−２９８２１８号公報

本発明の課題は、巻線構造を簡素化して、製造性を向上し、量産性に優れ、さらに、絶縁設計を確実にして、個々の２次巻線周囲に空隙を作り、冷却を改善させて信頼性が向上するコンバータトランスを提供することにある。

上記の課題を解決するために、本発明は、２次巻線が分割巻き構成のコンバータトランスであって、穴が設けられ、前記穴の中心が同一軸上になるように絶縁スペーサを介して所定間隔で配設される複数の絶縁板と、前記各絶縁板の一方の面の前記穴の周囲に設けられた絶縁物よりなる突出部と、前記各絶縁板のそれぞれ対応した前記突出部の外周に設けられた２次巻線と、前記複数の絶縁板の穴に挿入された１次巻線と、前記１次巻線の内部に設けられた鉄心とを具備することを特徴とするものである。

本発明は、巻線構造を簡素化して、製造性を向上し、量産性に優れ、さらに、絶縁設計を確実にして、個々の２次巻線周囲に空隙を作り、冷却を改善させて信頼性が向上する効果を奏する。

（ａ）は本発明の実施形態に係るコンバータトランスを示す側面図であり、（ｂ）は同じく断面図である。 本発明の実施形態に係るコンバータトランスの一部を示す斜視図である。 従来の高電圧コンバータトランスを示す一部切欠正面図である。

以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。

図１（ａ）は本発明の実施形態に係るコンバータトランスを示す側面図、（ｂ）は同じく断面図、図２は本発明の実施形態に係るコンバータトランスの一部を示す斜視図である。図中、２１は１次巻線、２２は２次巻線、２３は鉄心（コア）、２４は絶縁板、２５は突出部、２６は絶縁スペーサ、２７は絶縁物、２８は穴である。

図１及び図２に示すように、矩形状の絶縁板２４のほぼ中央部には穴２８が設けられ、前記絶縁板２４の一方の面の前記穴２８の周囲には絶縁物よりなる突出部２５が円筒状に突出して一体に設けられる。前記絶縁板２４の前記突出部２５の外周には分割された２次巻線２２が設けられる。前記絶縁板２４の他方の面には複数の絶縁物よりなる絶縁スペーサ２６が突出して一体に設けられる。このように、穴２８が設けられた絶縁板２４に突出部２５、２次巻線２２、および絶縁スペーサ２６を設けて２次巻線分割部が構成される。

２次巻線分割部の絶縁スペーサ２６の先端部に他の２次巻線分割部の絶縁板２４の一方の面が当接するようにして、複数の２次巻線分割部が重ねられて配設される。この場合、複数の絶縁板２４は穴２８の中心が同一軸上になるように絶縁スペーサ２６を介して所定間隔で配設される。

複数の２次巻線分割部が重ねられて配設された絶縁板２４の穴２８には絶縁紙を周囲に巻いた絶縁物２７で被覆された１次巻線２１が挿入され、前記１次巻線２１の内部には絶縁されて鉄心２３が設けられる。

すなわち、トランスの２次側巻線を分割巻きとして、個々の２次巻線２２を絶縁板２４上に突出部２５を作って巻き、突出部２５、絶縁板２４、及び絶縁スペーサ２６で耐電圧を確保し、絶縁板２４を絶縁スペーサ２６で所定間隔に保って複数重ねる構造とすることにより、２次巻線２２の周囲に十分な空隙を作り、油中において排熱を改善出来る。

２次巻線２２を設けた絶縁板２４を複数枚重ねて、トランスの２次側巻線として構成する。構成した２次側巻線を、鉄心２３、１次巻線２１と組合せて、コンバータトランスを構成する。

本発明の実施形態の構成とすることにより、個々の２次巻線２２間に空隙が構成され、油中使用の高電圧コンバータトランスの排熱は、大きく改善する。排熱が改善することにより、信頼性が改善しコスト低減となる。また、巻線構造が簡素化し、製造性が向上し、量産性に優れたものとなり、低コストとなる。

本発明の実施形態は、主として、１０ｋｖ以上の高電圧を発生する高効率油冷却型高電圧用コンバータトランスで、油中で使用するものに於いて、絶縁設計を確実にし、個々の２次巻線周囲に空隙を作り、油による冷却を改善させることができる。

なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。

２１…１次巻線、２２…２次巻線、２３…鉄心（コア）、２４…絶縁板、２５…突出部、２６…絶縁スペーサ、２７…絶縁物、２８…穴。

Claims (1)

1. ２次巻線が分割巻き構成のコンバータトランスであって、
   穴が設けられ、前記穴の中心が同一軸上になるように絶縁スペーサを介して所定間隔で配設される複数の絶縁板と、
   前記各絶縁板の一方の面の前記穴の周囲に設けられた絶縁物よりなる突出部と、
   前記各絶縁板のそれぞれ対応した前記突出部の外周に設けられた２次巻線と、
   前記複数の絶縁板の穴に挿入された１次巻線と、
   前記１次巻線の内部に設けられた鉄心と
   を具備することを特徴とするコンバータトランス。

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