JP2011140521A - タキサンにより惹起される神経毒性を予防又は軽減するための薬剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】癌患者に、タキサン系抗腫瘍剤、化学的保護剤(2,2’−ジチオビスエタンスルホネート)及び白金類似体系抗腫瘍剤を、この順序で投与し、癌患者の治療期間を短縮する。
【選択図】なし
Description
このような状況の下、本発明者らは、ジチオエーテル類のなかでも2,2’−ジチオビスエタンスルホネートについて鋭意検討した。その結果、本発明者らは、ジメスナ(dimesna)及び/又はBNP7787としても知られている2,2’−ジチオビスエタンスルホネート(ジナトリウム塩としてか又は遊離酸としてのいずれかである)、特に特定の用量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む医薬製剤が、(1)上述のタキサン系抗腫瘍剤に関連する神経毒性(特に、末梢神経系の感覚異常)の軽減とともに実質的に安全かつ効果的な予防を可能にすること;(2)神経毒性に伴う治療の遅延、タキサン投与量(用量)の低減、及び化学療法の中止を回避することにより、タキサン系抗腫瘍剤を用いてより有効な治療期間を可能にすること、ならびに(3)本発明が、抗腫瘍薬物投薬サイクルの平均回数について、以前に可能であったよりもはるかに多くの回数の安全かつ効果的な投与を可能にすることを見いだした。本発明者らの研究の結果として、本発明者らはまた、付加的な毒性なしに化学療法の用量を増加させることも同様に可能であること、及び結果的にこのような治療によって患者の利益が実質的に向上し得ることを確信している。本発明から得られる患者の利益についての証拠は、癌の完全な消滅を経ることを期待されていなかった2名の患者によって明白に示される(そのうちの1名は、推定の転移性非小細胞肺癌を脳に有し、かつ1年より長い間完全に緩解(remission)状態にあった患者であり、他方の患者は、3月未満のタキサンに基づく化学療法において胆管癌が完全に緩解を受けていた患者である)。さらに、タキサンに基づく化学療法と組み合わせてこの新規な化学的保護剤(chemoprotectant)を受けた多くの他の患者は、数月間持続して主要な抗腫瘍応答を経験していた。これらの患者のうち、化学療法による治療を9サイクルまで受けた患者を含め、タキサンにより惹起される深刻な神経毒性を経験した者は誰もいなかった。さらなる研究に基づいて、本発明者らは本発明を完成させた。
1)タキサン系抗腫瘍剤により惹起又は媒介される末梢神経系の障害又は毒性障害を軽減又は予防するための薬剤(又は予防及び軽減するための薬剤)であって、有効量のジスルフィド系化学的保護剤(又は有効量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネート)を含む、薬剤;
2)タキサン系抗腫瘍剤により惹起される末梢神経系の感覚障害又は運動障害を予防、軽減するための薬剤であって、有効量のジスルフィド化学療法:
1.医師が、タキサンの注入的投与期間を短縮でき、それによって患者の利便性をより大きくし、かつ病院費をより安くできるジスルフィド系化学的保護剤の投与;
2.医師が、治療の遅延、治療の中止の原因となる、タキサンにより惹起される神経毒性の可能性を低減でき、かつ癌患者に、より高い用量及び/又はより短い間隔でタキサンを投与するタキサン治療を可能にするジスルフィド系化学的保護剤の投与;
3.先在の神経障害の存在に起因して禁忌でない限り、癌患者がタキサンを用いる化学療法を受けることを可能にするであろう任意の原因(糖尿病、アルコール中毒、他の薬物(例えば、エタンブトール、ジランチン、ビンクリスチン、テグレトール(tegretol)、エポチロン(epothilone)など)により惹起される神経障害、栄養性神経障害など)に由来する軽度乃至中程度の神経毒性を有するか又は有さない癌患者への、ジスルフィド系化学的保護剤の投与
を含む、薬剤;タキサン系抗腫瘍剤により惹起される末梢神経系の感覚異常障害を予防及び軽減するための薬剤であって、有効量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む、薬剤;
3)タキサン系抗腫瘍治療においてタキサン系抗腫瘍剤を用いる注入期間及び/又は治療間隔を短縮(又はタキサン系抗腫瘍剤による治療期間を短縮)するための薬剤であって、有効量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む、薬剤;
4)治療期間が、タキサン系抗腫瘍剤の特定の投薬期間及びタキサン系抗腫瘍剤の投薬休止期間からなる上記3)記載の薬剤;
5)治療期間が、少なくとも3回連続したクールを含み、各クールが、タキサン系抗腫瘍剤の特定の投薬期間及びタキサン系抗腫瘍剤の投薬休止期間からなる上記4)記載の薬剤;
6)タキサン系抗腫瘍治療においてタキサン系抗腫瘍剤の投薬休止期間(又はタキサン系抗腫瘍剤の投与を一時的に休止するために、次のタキサン系抗腫瘍剤投薬までの期間)を短縮するための薬剤であって、有効量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む、薬剤;
7)タキサン系抗腫瘍剤の投薬間隔(又は投薬休止期間)が1日〜2.5週間又は1日〜4週間である上記4)〜6)のいずれかに記載の薬剤;
8)タキサン系抗腫瘍剤の投薬間隔(又は投薬休止期間)が1日〜2週間である上記4)〜6)のいずれかに記載の薬剤;
9)タキサン系抗腫瘍剤の投薬間隔(又は投薬休止期間)が1日〜1.5週間である上記4)〜6)のいずれかに記載の薬剤;
10)タキサン系抗腫瘍剤の投薬間隔(又は投薬休止期間)が1日〜1.0週間である上記4)〜6)のいずれかに記載の薬剤;
11)タキサン系抗腫瘍治療においてタキサン系抗腫瘍剤を用いる治療(又はタキサン系抗腫瘍剤による治療)のクールの回数(又は各クールがタキサン系抗腫瘍剤の投薬期間1回及び前記タキサン系抗腫瘍剤の投薬休止期間1回で構成されるクールの回数)を増加するための薬剤であって、有効量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む、薬剤;
12)タキサン治療が2又はそれ以上の治療クールで構成される上記11)記載の薬剤;治療が4又はそれ以上のクールで構成される上記11)記載の薬剤;
13)タキサン治療が5又はそれ以上のクールで構成される上記11)記載の薬剤;
14)タキサン治療が6又はそれ以上のクールで構成される上記11)記載の薬剤;
15)タキサン治療が7又はそれ以上のクールで構成される上記11)記載の薬剤;
16)タキサン治療が8又はそれ以上のクールで構成される上記11)記載の薬剤;
17)タキサン治療が9又はそれ以上のクールで構成される上記11)記載の薬剤;
18)クールが連続している上記11)〜17)のいずれかに記載の薬剤;
19)タキサン系抗腫瘍剤に関連する副作用(有害作用)を軽減するための薬剤であって、上記1)〜18)のいずれかに記載の要素(element)から選択された構成(member)を複数又はすべて含む、薬剤;
20)2,2’−ジチオビスエタンスルホネートが、医薬製剤全体に対して5〜70重量%で配合される上記1)〜19)のいずれかに記載の薬剤;
21)2,2’−ジチオビスエタンスルホネートが、10〜50重量%で配合される上記1)〜19)のいずれかに記載の薬剤;
22)2,2’−ジチオビスエタンスルホネートの配合量が、用量あたり4.1g/m2〜80.0g/m2(体表面積)(又は1日あたり4.1〜41.0g/m2(体表面積))を投与するための量である上記1)〜21)のいずれかに記載の薬剤;
23)静脈内又は経口投与経路用の薬剤である、上記1)〜22)のいずれかに記載の薬剤;
24)静脈内又は経口投与経路用の薬剤が、溶液又は懸濁液の液体形態、凍結乾燥物形態及び固体形態のいずれか(又は液体、凍結乾燥物及び固体のいずれかの形態)である上記23)記載の薬剤;
25)タキサン系抗腫瘍剤がパクリタキセルである上記1)〜24)のいずれかに記載の薬剤;
26)タキサン系抗腫瘍剤がドセタキセルである上記1)〜24)のいずれかに記載の薬剤;
27)白金類似体系抗腫瘍剤治療と組み合わせて用いるタキサン系抗腫瘍剤治療用の薬剤である上記1)〜26)のいずれかに記載の薬剤;
28)白金類似体系抗腫瘍剤がシスプラチンである上記27)記載の薬剤;
29)白金類似体系抗腫瘍剤がカルボプラチンである上記27)記載の薬剤;
30)タキサン系抗腫瘍剤との併用投与のための医薬組成物であって、タキサン系抗腫瘍剤により惹起される末梢神経系の障害を軽減するのに有効な量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む、医薬組成物;
31)タキサン系抗腫瘍剤との併用投与のための医薬組成物であって、タキサン系抗腫瘍剤により惹起される末梢神経系の感覚異常障害を軽減するのに有効な量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む、医薬組成物;
32)タキサン系抗腫瘍剤との併用投与のための医薬組成物であって、タキサン系抗腫瘍治療においてタキサン系抗腫瘍剤を用いる治療期間を短縮するのに有効な量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む、医薬組成物;
33)タキサン系抗腫瘍剤との併用投与のための医薬組成物であって、任意のタキサン含有抗腫瘍治療においてタキサン系抗腫瘍剤の投薬間隔(又は投薬休止期間)を短縮するのに有効な量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む、医薬組成物;
34)タキサン系抗腫瘍剤との併用投与のための医薬組成物であって、タキサン系抗腫瘍治療においてタキサン系抗腫瘍剤を用いる治療のクールの回数を増加するのに有効な量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む、医薬組成物;
35)タキサン系抗腫瘍剤との併用投与のための医薬組成物であって、
1.タキサン系抗腫瘍剤に関連する末梢神経系の障害を軽減する活性(作用)、
2.タキサン系抗腫瘍剤に関連する末梢神経系の感覚異常障害を軽減する活性(作用)、
3.タキサン系抗腫瘍剤治療の期間を短縮する活性(作用)、
4.タキサン系抗腫瘍剤治療の間におけるタキサン系抗腫瘍剤の投薬間隔の短縮(又は投薬休止期間を短縮する活性)、及び
5.タキサン系抗腫瘍剤治療の間におけるタキサン系抗腫瘍剤投薬のクールの回数を増加する活性(作用)、
からなる群より選択された複数の又はすべての活性(作用)を発揮するのに有効な量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む、医薬組成物;
36)2,2’−ジチオビスエタンスルホネートが、医薬製剤全体に対して5〜70より多い重量%で配合されている上記30)〜35)のいずれかに記載の医薬組成物;2,2’−ジチオビスエタンスルホネートが、医薬製剤全体に対して5〜70重量%で配合されている上記30)〜35)のいずれかに記載の医薬組成物;
37)2,2’−ジチオビスエタンスルホネートが、0.10〜50重量%で配合されている上記30)〜35)のいずれかに記載の医薬組成物;2,2’−ジチオビスエタンスルホネートが、10〜50重量%で配合されている上記30)〜35)のいずれかに記載の医薬組成物;
38)2,2’−ジチオビスエタンスルホネートの配合量が、用量あたり4.1〜80.0g/m2(体表面積)を投与するための量である上記30)〜35)のいずれかに記載の医薬組成物;
39)静脈内又は経口投与経路用の組成物である、上記30)〜38)のいずれかに記載の医薬組成物;
40)静脈内又は経口投与経路用の薬剤が、液体、凍結乾燥物及び固体のいずれかの形態である上記39)記載の医薬組成物;
41)タキサン系抗腫瘍剤がパクリタキセルである上記30)〜40)のいずれかに記載の医薬組成物;
42)タキサン系抗腫瘍剤がドセタキセルである上記30)〜40)のいずれかに記載の医薬組成物;
43)白金類似体系抗腫瘍剤治療と組み合わせて用いるタキサン系抗腫瘍剤治療用の組成物である上記30)〜42)のいずれかに記載の医薬組成物;
44)白金類似体系抗腫瘍剤がシスプラチンである上記43)記載の医薬組成物;
45)白金類似体系抗腫瘍剤がカルボプラチンである上記43)記載の医薬組成物;
46)有効量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む、タキサン系抗腫瘍剤との併用投与のための薬剤であって、下記:
(1)1クールが、以下の投与スケジュール:
タキサン系抗腫瘍剤が、1日〜5週間の投与間隔で、1日につき1回投与され、かつ2,2’−ジチオビスエタンスルホネートが、タキサン系抗腫瘍剤の投与日と同じ日に投与される、スケジュールを含むように設定されること、及び
(2)前記投薬が、少なくとも4クール、好ましくは7クール又はそれ以上繰り返されること
を許容するための包装物(pack)又は処方物(formulation)の形態である、薬剤;
47)抗腫瘍剤と2,2’−ジチオビスエタンスルホネートとの重量比が1:10〜1:2500である上記46)記載の薬剤;
48)2,2’−ジチオビスエタンスルホネートの投与量が、4.1〜80.0g/m2(体表面積)(又は1日あたり4.1〜41.0g/m2(体表面積))である上記46)記載の薬剤;
49)タキサン系抗腫瘍剤の単回(単一回)投与量(single dose)が、パクリタキセルについて1日あたり60〜300mg/m2(体表面積)又はドセタキセルについて1日あたり30〜240mg/m2(体表面積)である上記46)〜48)のいずれかに記載の薬剤;
50)クールが、少なくとも8回又はそれ以上繰り返される上記46)〜49)のいずれかに記載の薬剤;
51)抗腫瘍剤が、(a)1日〜4週間、(b)1日〜3週間、又は(c)1日〜2週間の間隔で投与される上記46)〜50)のいずれかに記載の薬剤;
52)抗腫瘍剤が、1日〜1.5週間の間隔で投与される上記46)〜50)のいずれかに記載の薬剤;
53)(1)タキサン系抗腫瘍剤に関連する末梢神経系の障害を軽減する活性、
(2)タキサン系抗腫瘍剤に関連する末梢神経系の感覚異常障害を軽減する活性、
(3)タキサン系抗腫瘍剤治療の期間を短縮する活性、
(4)タキサン系抗腫瘍剤治療の間におけるタキサン系抗腫瘍剤の投薬休止期間を短縮する活性、及び
(5)タキサン系抗腫瘍剤治療の間におけるタキサン系抗腫瘍剤投薬のクールの回数を増加する活性
からなる群より選択される少なくとも1つの、複数の、又はすべての活性を発揮する上記46)〜52)のいずれかに記載の薬剤;
54)有効量の2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む、タキサン系抗腫瘍剤との併用投与のための薬剤であって、下記:
(1)1クールが、以下の投与スケジュール:
タキサン系抗腫瘍剤が、1日〜6週間(又は0.5〜6週間)の投与間隔で1日につき1回投与され、さらに白金類似体系抗腫瘍剤が前記タキサン系抗腫瘍剤の投与日と同じ日に投与され、かつ2,2’−ジチオビスエタンスルホネートが、前記抗腫瘍剤の投与日と同じ日に投与される、スケジュールを含むように設定されること、及び
(2)前記投薬が、少なくとも4クール、好ましくは7クール又はそれ以上繰り返されること
を許容するための包装物又は処方物の形態である、薬剤;
55)タキサン系抗腫瘍剤と2,2’−ジチオビスエタンスルホネートとの重量比が1:10〜1:2500である上記54)記載の薬剤;
56)2,2’−ジチオビスエタンスルホネートの投与量が、4.1〜80.0g/m2(体表面積)である上記54)記載の薬剤;
57)タキサン系抗腫瘍剤の単回投与量が、パクリタキセルについて1日あたり60〜300mg/m2(体表面積)又はドセタキセルについて1日あたり30〜240mg/m2(体表面積)である上記54)〜56)のいずれかに記載の薬剤;
58)白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン又はカルボプラチンである上記54)〜56)のいずれかに記載の薬剤;
59)クールが、少なくとも8回又はそれ以上繰り返される上記54)〜58)のいずれかに記載の薬剤;
60)抗腫瘍剤が、(a)1日〜5週間、(b)1日〜4週間、又は(c)1日〜3週間の間隔で投与される上記54)〜59)のいずれかに記載の薬剤;
61)抗腫瘍剤が、2.5〜5週間の間隔で投与される上記54)〜59)のいずれかに記載の薬剤;
62)(1)タキサン系抗腫瘍剤に関連する末梢神経系の障害を予防又は軽減する活性、
(2)タキサン系抗腫瘍剤に関連する末梢神経系の感覚異常障害を予防又は軽減する活性、
(3)タキサン系抗腫瘍剤治療の期間を短縮する活性、
(4)タキサン系抗腫瘍剤治療の間におけるタキサン系抗腫瘍剤の投薬休止期間を短縮する活性、及び
(5)タキサン系抗腫瘍剤治療の間におけるタキサン系抗腫瘍剤投薬のクールの回数を増加する活性(又は増加活性)
からなる群より選択される少なくとも1つの、複数の、又はすべての活性を発揮する上記54)〜61)のいずれかに記載の薬剤;
63)タキサン系抗腫瘍剤に関連する副作用を軽減するための薬剤として作用する上記46)〜62)のいずれかに記載の薬剤;
64)2,2’−ジチオビスエタンスルホネートが、タキサン系抗腫瘍剤の投薬と組み合わせた投薬セットとして併用投与可能である上記30)〜45)のいずれかに記載の医薬組成物;
65)白金類似体系抗腫瘍剤が、投薬セットとして併用投与可能である64)記載の医薬組成物。
パクリタキセルにより惹起される温覚異常に対する2,2’−ジチオビスエタンスルホネートの抑制効果
<方法>
ウィスター(Wistar)系雌性ラット(1群あたり8匹)に対し、パクリタキセルを、6mg/kgの用量で1日1回静脈内投与した(初回投与日を投与0日目とした)。処置を、隔日で5回繰り返した。
表1から明らかなように、パクリタキセルを単独で投与された群について、パクリタキセルの投与開始前(処置前)の潜時は、9.4±1.0秒であったのに対して、9日目、10日目及び11日目(処置後)の潜時は、それぞれ18.9±1.4秒、19.9±2.2秒及び19.4±2.4秒であった。同時に測定した対照群の潜時と比較して、このようなパクリタキセル投与に関する潜時は、有意に延長されていることが認められる(p<0.01;Student’s t検定又はMann-Whitney U検定)。
未知由来の腺癌を患う34歳の女性患者は、下垂体性の塊ならびに鎖骨上及び縦隔にリンパ節を示した。この患者は、3週間毎に以下の治療計画を受けた:3時間かけてIV(静脈内)投与されたパクリタキセルの単回投与(175mg/m2)、シスプラチン投与前における1時間の生理食塩水による水分補給(500mL 0.9%NaCl)、15分かけてIV投与されたBNP7787の単回投与(18.4g/m2)、その後すみやかに1時間かけてIV投与されたシスプラチンの単回投与(75mg/m2)、そしてその後、シスプラチン投与後における30分間の生理食塩水による水分補給(250mL 0.9%NaCl)。この患者は、合計6サイクルの研究治療を受け、そして4サイクル目〜6サイクル目の間に末梢神経障害(NCI−CTC評価2)を経験した。この患者は、2サイクル目の後に完全緩解を経験し、これは4サイクル目及び6サイクル目の後に確認された。この患者は、完全緩解のために研究治療を中止し、そして追跡調査が続けられた。
胃由来の腺癌を患う43歳の女性患者は、3週間毎に以下の治療計画を受けた:3時間にわたりIV投与されたパクリタキセルの単回投与(175mg/m2)、1時間のシスプラチン投与前における生理食塩水による水分補給(500mL 0.9%NaCl)、15分にわたりIV投与されたBNP7787の単回投与(18.4g/m2)、その後すみやかに1時間にわたりIV投与されたシスプラチンの単回投与(75mg/m2)、そしてその後、30分間のシスプラチン投与後における生理食塩水による水分補給(250mL 0.9%NaCl)。この患者は、末梢神経障害をもたらすことなく合計5サイクルの研究治療を受けた。この患者は、2サイクル目〜4サイクル目に安定な疾患を経験し、そしてその後、この研究は、5サイクル目の後の進行性の疾患が原因で中止された。
未知由来の腺癌を患う46歳の女性患者は、腹膜後及び肺に塊を示した。この患者は、3週間毎に以下の治療計画を受けた:3時間かけてIV投与されたパクリタキセルの単回投与(175mg/m2)、シスプラチン投与前における30分間の生理食塩水による水分補給(250mL 0.9%NaCl)、15分かけてIV投与されたBNP7787の単回投与(18.4g/m2)、その後すみやかに1時間かけてIV投与されたシスプラチンの単回投与(75mg/m2)、そしてその後、シスプラチン投与後における30分間の生理食塩水による水分補給(250mL 0.9%NaCl)。この患者は、合計6サイクルの研究治療を受け、そして1サイクル目の2日目から評価1のしびれ(感)及び刺痛(末梢神経障害)を経験し、これらの障害は5日目になくなった。この患者は、4サイクル目の間に再び評価1の末梢神経障害を経験した。この患者は、2サイクル目の後に部分的な緩解を、そして6サイクル目の後に完全緩解を経験した。この患者は、完全緩解のために研究治療を中止し、そして追跡調査が続けられた。
肺の腺癌を患う69歳の男性患者は、3週間毎に以下の治療計画を受けた:3時間かけてIV投与されたパクリタキセルの単回投与(175mg/m2)、シスプラチン投与前における1時間の生理食塩水による水分補給、その後すみやかに30分かけてIV投与されたBNP7787の単回投与(18.4g/m2)、1時間かけてIV投与されたシスプラチンの単回投与(75mg/m2)、そしてその後、シスプラチン投与後における1.5時間の生理食塩水による水分補給。この患者は、合計3サイクルの研究治療を受けたが、末梢神経毒性を経験しなかった。この患者は、2サイクル目及び3サイクル目の後に部分的な緩解を経験し、そしてあらかじめ規定された回数の治療サイクルを完了した後、この研究を打ち切った。
肺の腺癌を患う52歳の女性患者は、3週間毎に以下の治療計画を受けた:3時間かけてIV投与されたパクリタキセルの単回投与(175mg/m2)、シスプラチン投与前における1時間の生理食塩水による水分補給、その後すみやかに30分かけてIV投与されたBNP7787の単回投与(18.4g/m2)、1時間かけてIV投与されたシスプラチンの単回投与(75mg/m2)、そしてその後、シスプラチン投与後における1.5時間の生理食塩水による水分補給。この患者は、合計3サイクルの研究治療を受け、そして3サイクル目の6日目から評価1の末梢性の神経毒性を経験し、この毒性は、3サイクル目の20日目になくなった。この患者は、2サイクル目及び3サイクル目の後に部分的な緩解を経験し、そしてあらかじめ規定された回数の治療サイクルを完了した後、この研究を打ち切った。
肺の大細胞癌を患う53歳の男性患者は、3週間毎に以下の治療計画を受けた:3時間かけてIV投与されたパクリタキセルの単回投与(175mg/m2)、シスプラチン投与前における1時間の生理食塩水による水分補給、その後すみやかに30分かけてIV投与されたBNP7787の単回投与(18.4g/m2)、1時間かけてIV投与されたシスプラチンの単回投与(75mg/m2)、そしてその後、シスプラチン投与後における1.5時間の生理食塩水による水分補給。この患者は、合計3サイクルの研究治療を受け、そして2サイクル目の5日目から評価1の末梢性の神経毒性を経験した。この患者は、安定な疾患を有し、そしてあらかじめ規定された回数の治療サイクルを完了した後、この研究を打ち切った。
Claims (54)
- タキサン系抗腫瘍剤による癌患者の治療期間を短縮するための化学的保護剤を含む医薬組成物であって、化学的保護剤として2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含み、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(2)さらに、白金類似体系抗腫瘍剤を含み、前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤、前記化学的保護剤及び前記白金類似体系抗腫瘍剤が、この順序で投与される、医薬組成物。 - タキサン系抗腫瘍剤による癌患者の治療での投与サイクルを、7以上の前記抗腫瘍剤の投与サイクルに増大させるための化学的保護剤を含む医薬組成物であって、化学的保護剤が2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含み、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(2)さらに、白金類似体系抗腫瘍剤を含み、前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤、前記化学的保護剤及び前記白金類似体系抗腫瘍剤が、この順序で投与される、医薬組成物。 - 糖尿病、アルコール及び/又は薬物により惹起される神経障害、栄養性神経障害に由来する軽度乃至中程度の神経毒性を有するか又は有さない癌患者を、化学的保護剤がない場合に患者に対して投与する投与量よりも多い投与量のタキサン系抗腫瘍剤で治療するための化学的保護剤を含む医薬組成物であって、前記化学的保護剤が2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含み、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(2)さらに、白金類似体系抗腫瘍剤を含み、前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤、前記化学的保護剤及び前記白金類似体系抗腫瘍剤が、この順序で投与される、医薬組成物。 - タキサン系抗腫瘍剤により治療可能な癌患者に対して、患者の治療クールにおいてタキサン系抗腫瘍剤の投与量を増加させるための化学的保護剤を含む医薬組成物であって、前記化学的保護剤が2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含み、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(2)さらに、白金類似体系抗腫瘍剤を含み、前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤、前記化学的保護剤及び前記白金類似体系抗腫瘍剤が、この順序で投与される、医薬組成物。 - タキサン系抗腫瘍剤の使用により治療可能な癌患者に対するタキサン系抗腫瘍剤の投与に関連して生じる治療遅延の可能性を回避又は低減するための化学的保護剤を含む医薬組成物であって、前記化学的保護剤が2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含み、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(2)さらに、白金類似体系抗腫瘍剤を含み、前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤、前記化学的保護剤及び前記白金類似体系抗腫瘍剤が、この順序で投与される、医薬組成物。 - タキサン系抗腫瘍剤の投与により治療可能な癌患者に対して、治療を中断することなく、より連続様式で、タキサン系抗腫瘍剤の投与を許容する化学的保護剤を含む医薬組成物であって、前記化学的保護剤が2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含み、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(2)さらに、白金類似体系抗腫瘍剤を含み、前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤、前記化学的保護剤及び前記白金類似体系抗腫瘍剤が、この順序で投与される、医薬組成物。 - 化学的保護剤組成物と併用して投与され、かつ化学的保護剤組成物なしに投与されるタキサン系抗腫瘍剤の投与量よりも多い投与量でタキサン系抗腫瘍剤を投与することにより癌患者を治療可能な化学的保護剤を含む医薬組成物であって、前記化学的保護剤組成物が2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含み、
(a)前記化学的保護剤組成物が1回の投与あたりの投与量4.1〜80.0g/m2(体表面積)で投与され、
(b)前記タキサン系抗腫瘍剤の投与間の間隔が、少なくとも1日〜3週間より短い期間であり、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(2)さらに、白金類似体系抗腫瘍剤を含み、前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤、前記化学的保護剤及び前記白金類似体系抗腫瘍剤が、この順序で投与される、医薬組成物。 - (i)タキサン系抗腫瘍剤による癌患者の治療期間の短縮、
(ii)タキサン系抗腫瘍剤の癌患者への投薬休止期間の短縮、
(iii)タキサン系抗腫瘍剤の癌患者への投与量の増大、
(iv)タキサン系抗腫瘍剤による癌患者の治療での投与サイクルの7以上への増大、
(v)タキサン系抗腫瘍剤の使用により治療可能な癌患者に対するタキサン系抗腫瘍剤の投与に関連して生じる治療遅延の可能性の回避又は低減、及び
(vi)タキサン系抗腫瘍剤の投与により治療可能な癌患者に対して、治療を中断することなく、より連続様式でのタキサン系抗腫瘍剤の投与の許容
からなる群より選択される少なくとも一種のための化学的保護剤を含む医薬組成物であって、化学的保護剤として2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含み、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(2)さらに、白金類似体系抗腫瘍剤を含み、前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤、前記化学的保護剤及び前記白金類似体系抗腫瘍剤が、この順序で投与される、医薬組成物。 - (4)タキサン系抗腫瘍剤が末梢神経毒性又は末梢神経障害を伴い、前記末梢神経毒性又は末梢神経障害が、感覚異常;四肢又は手足に関して、しびれ又は無感覚、刺痛又はうずき、焼けつくような痛み、又は遠位感覚消失を含む異常な感覚;虚弱;麻痺;関節痛;筋(肉)痛;および末梢神経系の感覚障害並びに運動障害からなる群から選択された1又はそれ以上の症状で少なくとも特徴づけられる請求項1〜8のいずれかに記載の医薬組成物。
- (5)治療期間が、繰り返される治療クールで構成され、このクールが、前記タキサン系抗腫瘍剤及び化学的保護剤の投薬期間と、前記タキサン系抗腫瘍剤の投薬休止期間とで構成され、ここで、前記投薬休止期間が、3週間より短い期間、1日〜2.5週間の期間、1日〜2週間の期間、1日〜1.5週間の期間、及び1日〜1週間の期間からなる群より選択される請求項1〜9のいずれかに記載の医薬組成物。
- 治療期間が、少なくとも3回のクールを含み、各クールが、タキサン系抗腫瘍剤及び化学的保護剤の投薬期間と、タキサン系抗腫瘍剤及び化学的保護剤の投薬休止期間からなる請求項1〜10のいずれかに記載の医薬組成物。
- タキサン系抗腫瘍剤の投薬休止期間を、抗腫瘍剤だけの投薬休止期間よりも短い期間にする請求項1〜11記載の医薬組成物。
- 投薬休止期間が3週間より短い請求項1〜12のいずれかに記載の医薬組成物。
- 投薬休止期間が1日〜2.5週間である請求項1〜13のいずれかに記載の医薬組成物。
- 投薬休止期間が1日〜2週間である請求項1〜14のいずれかに記載の医薬組成物。
- 投薬休止期間が1日〜1.5週間である請求項1〜15のいずれかに記載の医薬組成物。
- 投薬休止期間が1日〜1週間である請求項1〜16のいずれかに記載の医薬組成物。
- 化学的保護剤を用いることなく投与した投与量に比べて、化学的保護剤と組み合わせて投与したタキサン系抗腫瘍剤の量が多い請求項1〜17のいずれかに記載の医薬組成物。
- 化学的保護剤の投与前又は投与と同じ日に、タキサン系抗腫瘍剤を投与する請求項1〜18のいずれかに記載の医薬組成物。
- 2,2’−ジチオビスエタンスルホネートとして、1回の投与あたりの投与量が4.1〜80.0g/m2(体表面積)である請求項1〜19のいずれかに記載の医薬組成物。
- 2,2’−ジチオビスエタンスルホネートとして、1回の投与あたりの投与量が8.2〜41.0g/m2(体表面積)である請求項1〜20のいずれかに記載の医薬組成物。
- 2,2’−ジチオビスエタンスルホネートとして、1回の投与あたりの投与量が12.3〜27.6g/m2(体表面積)である請求項1〜21のいずれかに記載の医薬組成物。
- 2,2’−ジチオビスエタンスルホネートとして、1回の投与あたりの投与量が18.4g/m2(体表面積)である請求項1〜22のいずれかに記載の医薬組成物。
- 2,2’−ジチオビスエタンスルホネートがジナトリウム塩である請求項1〜23のいずれかに記載の医薬組成物。
- 少なくとも5サイクルのタキサン系抗腫瘍剤の投与とともに、1日から3週間より短い間隔で、タキサン系抗腫瘍剤を投与する請求項1〜24のいずれかに記載の医薬組成物。
- 少なくとも7サイクルのタキサン系抗腫瘍剤の投与とともに、1日から3週間より短い間隔で、タキサン系抗腫瘍剤を投与する請求項1〜25のいずれかに記載の医薬組成物。
- タキサン系抗腫瘍剤及び/又は化学的保護剤を、静脈内又は経口投与する請求項1〜26のいずれかに記載の医薬組成物。
- 肺癌が非小細胞肺癌である請求項1〜27のいずれかに記載の医薬組成物。
- タキサン系抗腫瘍剤が、パクリタキセル及びドセタキセルからなる群から選択された少なくとも一種である請求項1〜28のいずれかに記載の医薬組成物。
- 溶液又は懸濁液の液体の形態、凍結乾燥物形態又は固体形態である請求項1〜29のいずれかに記載の医薬組成物。
- タキサン系抗腫瘍剤と2,2’−ジチオビスエタンスルホネートとが重量比1:10〜1:2500で投与される請求項1〜30のいずれかに記載の医薬組成物。
- 治療が、下記(a)及び(b)で構成されている請求項1〜31のいずれかに記載の医薬組成物。
(a)1回の投与あたり、タキサン系抗腫瘍剤として、パクリタキセルについて60〜300mg/m2(体表面積)又はドセタキセルについて30〜240mg/m2(体表面積)と、1回の投与あたり4.1〜80.0g/m2(体表面積)の化学的保護剤とを患者に投与するための投薬期間と、タキサン系抗腫瘍剤および化学的保護剤の投薬休止期間とで構成された治療クール、および
(b)1日〜2.5週間の投薬休止期間 - 治療においてタキサン系抗腫瘍剤の投与量を増大させる請求項1〜32のいずれかに記載の医薬組成物。
- 治療クールが、(a)4又はそれ以上、(b)5又はそれ以上、(c)6又はそれ以上、(d)7又はそれ以上、(e)8又はそれ以上、又は(f)9又はそれ以上繰り返される請求項1〜33のいずれかに記載の医薬組成物。
- 治療クールが、連続して繰り返される請求項1〜34のいずれかに記載の医薬組成物。
- タキサン系抗腫瘍剤が1日1回投与される請求項1〜35のいずれかに記載の医薬組成物。
- 抗腫瘍剤による癌患者の治療期間を短縮するために併用する医薬製剤であって、タキサン系抗腫瘍剤を含む第1の製剤と、白金類似体系抗腫瘍剤を含む第2の製剤と、化学的保護剤としての2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む第3の製剤とで構成され、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(3)前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記第1の製剤、前記第3の製剤及び前記第2の製剤が、この順序で投与される、併用医薬製剤。 - (i)タキサン系抗腫瘍剤による癌患者の治療期間の短縮、
(ii)タキサン系抗腫瘍剤の癌患者への投薬休止期間の短縮、
(iii)タキサン系抗腫瘍剤の癌患者への投与量の増大、
(iv)タキサン系抗腫瘍剤による癌患者の治療での投与サイクルの7以上への増大、
(v)タキサン系抗腫瘍剤の使用により治療可能な癌患者に対するタキサン系抗腫瘍剤の投与に関連して生じる治療遅延の可能性の回避又は低減、及び
(vi)タキサン系抗腫瘍剤の投与により治療可能な癌患者に対して、治療を中断することなく、より連続様式でのタキサン系抗腫瘍剤の投与の許容
からなる群より選択される少なくとも一種のために併用する医薬製剤であって、タキサン系抗腫瘍剤を含む第1の製剤と、白金類似体系抗腫瘍剤を含む第2の製剤と、化学的保護剤としての2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む第3の製剤とで構成され、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(3)前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記第1の製剤、前記第3の製剤及び前記第2の製剤が、この順序で投与される、併用医薬製剤。 - (4)前記タキサン系抗腫瘍剤が末梢神経毒性又は末梢神経障害を伴い、前記末梢神経毒性又は末梢神経障害が、感覚異常;四肢又は手足に関して、しびれ又は無感覚、刺痛又はうずき、焼けつくような痛み、又は遠位感覚消失を含む異常な感覚;虚弱;麻痺;関節痛;筋(肉)痛;および末梢神経系の感覚障害並びに運動障害からなる群から選択された1又はそれ以上の症状で少なくとも特徴づけられ請求項37又は38記載の併用医薬製剤。
- 治療期間が、繰り返される治療クールで構成され、このクールが、前記2種類の抗腫瘍剤の投薬期間と、これらの抗腫瘍剤の投薬休止期間とで構成され、2,2’−ジチオビスエタンスルホネートを含む前記第3の製剤が、(a)投薬休止期間を短縮及び/又は(b)少なくともタキサン系抗腫瘍剤の投与量を増大させる請求項37〜39のいずれかに記載の併用医薬製剤。
- 投薬休止期間が、1日〜2.5週間である請求項37〜40のいずれかに記載の併用医薬製剤。
- 第3の製剤の投与前又は投与と同じ日に、第1の製剤を投与し、第3の製剤の投与後又は投与と同じ日に、第2の製剤を投与する請求項37〜41のいずれかに記載の併用医薬製剤。
- 第3の製剤を、2,2’−ジチオビスエタンスルホネートとして、1回の投与あたり投与量4.1〜80.0g/m2(体表面積)で投与する請求項37〜42のいずれかに記載の併用医薬製剤。
- 2,2’−ジチオビスエタンスルホネートがジナトリウム塩である請求項37〜43のいずれかに記載の併用医薬製剤。
- 治療クールが、(e)8又はそれ以上、又は(f)9又はそれ以上繰り返される請求項37〜44のいずれかに記載の併用医薬製剤。
- タキサン系抗腫瘍剤が、パクリタキセル及びドセタキセルからなる群から選択された少なくとも一種である請求項37〜45のいずれかに記載の併用医薬製剤。
- 末梢神経毒性又は末梢神経障害が、感覚障害及び/又は運動障害で特徴づけられる請求項37〜46のいずれかに記載の併用医薬製剤。
- 投薬セット又はキットである請求項37〜47のいずれかに記載の併用医薬製剤。
- 末梢神経系の毒性障害又は末梢神経系の感覚異常障害を惹起するタキサン系抗腫瘍剤による癌患者の治療期間を短縮するための薬剤の製造における2,2’−ジチオビスエタンスルホネートの使用であって、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤が、白金類似体系抗腫瘍剤と組み合わせて用いられ、前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤、前記化学的保護剤及び前記白金類似体系抗腫瘍剤が、この順序で投与される、使用。 - 末梢神経系の毒性障害又は末梢神経系の感覚異常障害を惹起するタキサン系抗腫瘍剤の癌患者への投薬休止期間を短縮するための薬剤の製造における2,2’−ジチオビスエタンスルホネートの使用であって、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤が、白金類似体系抗腫瘍剤と組み合わせて用いられ、前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤、前記化学的保護剤及び前記白金類似体系抗腫瘍剤が、この順序で投与される、使用。 - 末梢神経系の毒性障害又は末梢神経系の感覚異常障害を惹起するタキサン系抗腫瘍剤の癌患者への投与量を増大させるための薬剤の製造における2,2’−ジチオビスエタンスルホネートの使用であって、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤が、白金類似体系抗腫瘍剤と組み合わせて用いられ、前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤、前記化学的保護剤及び前記白金類似体系抗腫瘍剤が、この順序で投与される、使用。 - (i)タキサン系抗腫瘍剤による癌患者の治療期間の短縮、
(ii)タキサン系抗腫瘍剤の癌患者への投薬休止期間の短縮、
(iii)タキサン系抗腫瘍剤の癌患者への投与量の増大、
(iv)タキサン系抗腫瘍剤による癌患者の治療での投与サイクルの7以上への増大、
(v)タキサン系抗腫瘍剤の使用により治療可能な癌患者に対するタキサン系抗腫瘍剤の投与に関連して生じる治療遅延の可能性の回避又は低減、及び
(vi)タキサン系抗腫瘍剤の投与により治療可能な癌患者に対して、治療を中断することなく、より連続様式でのタキサン系抗腫瘍剤の投与の許容
からなる群より選択される少なくとも一種のための薬剤の製造における2,2’−ジチオビスエタンスルホネートの使用であって、
(1)前記癌が、乳癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、食道癌、腺癌、又は胆管癌であり、
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤が、白金類似体系抗腫瘍剤と組み合わせて用いられ、前記白金類似体系抗腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される少なくとも一種であり、かつ
(3)前記タキサン系抗腫瘍剤、前記化学的保護剤及び前記白金類似体系抗腫瘍剤が、この順序で投与される、使用。 - (4)前記タキサン系抗腫瘍剤が末梢神経毒性又は末梢神経障害を伴い、前記末梢神経系の毒性障害又は末梢神経系の感覚異常障害が、感覚異常;四肢又は手足に関して、しびれ又は無感覚、刺痛又はうずき、焼けつくような痛み、又は遠位感覚消失を含む異常な感覚;虚弱;麻痺;関節痛;筋(肉)痛;および末梢神経系の感覚障害並びに運動障害からなる群から選択された1又はそれ以上の症状で少なくとも特徴づけられる請求項49〜52のいずれかに記載の使用。
- (5)治療期間が、繰り返される治療クールで構成され、このクールが、前記タキサン系抗腫瘍剤及び化学的保護剤の投薬期間と、前記タキサン系抗腫瘍剤の投薬休止期間とで構成され、ここで、前記投薬休止期間が、3週間より短い期間、1日〜2.5週間の期間、1日〜2週間の期間、1日〜1.5週間の期間、及び1日〜1週間の期間からなる群より選択される請求項49〜53のいずれかに記載の使用。
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