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JP2011040888A - 半導体電子回路、発信回路およびフリップフロップ回路 - Google Patents

半導体電子回路、発信回路およびフリップフロップ回路 Download PDF

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JP2011040888A JP2009184785A JP2009184785A JP2011040888A JP 2011040888 A JP2011040888 A JP 2011040888A JP 2009184785 A JP2009184785 A JP 2009184785A JP 2009184785 A JP2009184785 A JP 2009184785A JP 2011040888 A JP2011040888 A JP 2011040888A
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Abstract

【課題】同一のディプレッション型トランジスタから構成することによって同一プロセスにて簡易に製造できるとともに、低温で生成された場合であっても良好な出力特性を得ることができるFETを有し、高速駆動可能な半導体電子回路を提供すること。
【解決手段】デジタル回路100は、2つのディプレッション型FETから構成され、入力電圧の電圧レベルをマイナス方向にシフトするレベルシフト回路ユニット110と、2つのディプレッション型FETから構成され、レベルシフトされた入力電圧を用いて論理出力を反転させるインバータ回路ユニット120と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディプレッション型電解効果FETを用いた半導体電子回路およびそれを用いた発振回路若しくはフリップフロップ回路に関する。
近年、半導体素子に関する技術の進歩に伴って、家電製品、通信システムまたはコンピュータなど多くの電子機器においては、アナログまたはデジタル問わず、その用途に合わせて種々の半導体電子回路が用いられている。
また、最近では、上記の各電子機器は、小型化、高度化および各種の処理の高速化が求められているとともに、その低価格化も要求されており、これらの要求は、その電子機器を構成する半導体電子回路にも求められている。
特に、このような半導体電子回路においては、簡易に製造できるとともに優良な出力特性を有するものが望まれており、例えば、ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)や酸化膜TFTによって構成されるものが多くなってきている。
しかしながら、これらのTFTにおいては、ヒステリシスやバイヤスストレスの影響によって、外部電圧が印加されるゲートのしきい値電圧がマイナスになる場合がある。
通常、半導体電子回路に用いられるTFTは、0Vから電源電圧VDDの最大電圧の間の電圧がそのゲートに印加されることによって駆動するために、ゲートのしきい値電圧がマイナスになると、最小電圧である0Vが印加された場合であってもTFTが駆動することとなり、すなわち、常にTFTがオン状態となり、正常な出力特性を得ることができない。
このため、最近の半導体電子回路では、ゲートに印加する入力電圧をマイナス側にレベルシフトさせてTFTを的確に駆動させ、正常な回路特性を出力させるようになっている。
従来、このような入力電圧をマイナス側にレベルシフトさせて電界効果トランジスタ(以下、「FET(Field Effect Transistor)」という。)を的確に駆動させる半導体電子回路の一つであるカレントミラー回路が知られている(例えば、特許文献1)。
このカレントミラー回路は、FETのゲート電圧のしきい値がマイナスとなる場合に、すなわち、ディプレッション型のFET(以下、「ディプレッション型FET」という。)を有する場合に、当該ディプレッション型FETの前段に、FETとダイオードを用いて外部から入力される入力電圧をマイナス側にレベルシフトさせるようになっている。
特公平6−3851号公報
しかしながら、上述のカレントミラー回路にあっては、ゲートに印加する入力電圧をマイナス側にレベルシフトさせてTFTを動作させることはできるものの、レベルシフトを行うFETにエンハンス型を用いているため、トランジスタ製造技術においては同一プロセスにて生成することができず、当該半導体電子回路を簡易に作成することができない。
すなわち、このような半導体電子回路は、エンハンス型FETとディプレション型FETとを異なるプロセスによって構成させることになり、したがって、当該半導体電子回路を簡易にかつ低価格にて作成することが難しい。
また、熱酸化膜TFTなど、FETにおけるゲート絶縁膜がスパッタなどによって低温にて生成されている場合に、このゲート絶縁膜の膜質が低下するので、エンハンス型FETとして用いる場合には、ゲート電圧の印加の仕方によっては、正電圧における出力特性が悪くなる場合がある。
特に、印刷などによってさらに低温によって酸化膜TFTを生成する場合には、このようなエンハンス型FETは、正電圧における良好な出力特性を得ることがさらに難しくなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、同一のディプレッション型トランジスタから構成することによって同一プロセスにて簡易に製造できるとともに、低温で生成された場合であっても良好な出力特性を得ることができるFETを有し、高速駆動可能な半導体電子回路並びにそれを用いた発振回路およびフリップフロップ回路を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、一以上のトランジスタから構成され、入力電圧の電圧レベルをシフトする一以上のレベルシフト回路ユニットと、一以上のトランジスタから構成され、レベルシフトされた入力電圧を用いて所定の論理演算を実行する電子回路ユニットと、を備え、前記レベルシフト回路ユニットおよび前記電子回路ユニットに設けられた前記トランジスタのすべてがディプレッション型であるとともに、前記レベルシフトされた入力電圧が前記電子回路ユニットの少なくとも一の前記トランジスタのゲートに入力される構成を有している。
この構成により、請求項1に記載の発明は、すべてのトランジスタをディプレッション型で構成できるとともに、電子回路ユニットにおけるトランジスタのゲートにレベルシフトされた入力電圧を印加することができる。
したがって、請求項1に記載の発明は、電子回路ユニットにおけるトランジスタが適切に駆動する範囲に入力電圧の電圧レベルをシフトすることができるので、ゲートにおけるしきい値電圧がマイナスとなるディプレッション型トランジスタを電子回路ユニットに用いたとしても、入力電圧の変化に基づいて的確な論理出力を得ることができる。
この結果、請求項1に記載の発明は、同一プロセスにて簡易に製造可能であるとともに、低温で生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体電子回路において、前記レベルシフト回路ユニットが、第1トランジスタおよび第2トランジスタを有し、前記第1トランジスタが、前記入力電圧が印加されるゲートと、所定の値を有する第1電圧が印加されるドレインと、前記第2トランジスタのゲートおよびドレインに接続されるとともに、前記電子回路ユニットの入力に接続されるソースと、から構成され、前記第2トランジスタが、所定の値を有する第2電圧が印加されるソースを有する構成をしている。
この構成により、請求項2に記載の発明は、第1電圧と第2電圧とのバランスにより、入力電圧の電圧レベルをシフトすることができるので、例えば、第2電圧の変化に伴って入力電圧の電圧レベルのシフト量を変化させることができる。
したがって、請求項2に記載の発明は、電子回路ユニットにおけるトランジスタのゲートに適切にレベルシフトされた入力電圧を印加することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の半導体電子回路において、前記第2トランジスタのソースに印加される前記第2電圧の変化に伴って前記入力電圧の電圧レベルのシフト量が変化する構成を有している。
この構成により、請求項3に記載の発明は、レベルシフト回路ユニットにおけるトランジスタのゲート電圧に製造上のばらつきがあったとしても、第2電圧の電圧レベルの変化に伴って入力電圧の電圧レベルのシフト量を容易に変化させることができるので、電子回路ユニットにおけるトランジスタのゲートに適切にレベルシフトされた入力電圧を印加することができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の半導体電子回路において、前記第2トランジスタのソースに前記第2電圧の値を変化させるための複数の抵抗器が接続されている構成を有している。
この構成により、請求項4に記載の発明は、例えば、レーザなどにより抵抗器の接続を切断すれば、第2電圧の値を容易に変化させることができるので、製造後に入力電圧のシフト量を容易に変更させることができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の半導体電子回路において、前記電子回路ユニットが、n型のトランジスタによって構成されているとともに、論理出力を反転させるインバータ回路を構成する。
この構成により、請求項5に記載の発明は、低温で生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることが可能なインバータ論理回路を提供することができるとともに、n型トランジスタを用いることによってプロセスを更に簡略化することができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の半導体電子回路において、前記電子回路ユニットが、前記レベルシフト回路ユニットの出力に接続されるゲートを有し、前記レベルシフト回路ユニットから出力された出力電圧に基づいてドレインに接続された外部出力端子の電位を切り換える第3トランジスタと、ゲートと、当該ゲートと短絡接続されるとともに外部出力端子および前記第3トランジスタのドレインに接続されるソースと、所定の電圧が基準電圧として印加されるドレインと、を有し、前記基準電圧の負荷を調整するための第4トランジスタと、を備える構成を有している。
この構成により、請求項6に記載の発明は、インバータ回路における基準電圧の負荷を調整するトランジスタのゲートとソースを短絡することによって当該トランジスタのオン抵抗を高抵抗にすることができるので、この高抵抗のオン抵抗に基づいて外部出力端子の電位を決定することができる。
したがって、請求項6に記載の発明は、第3トランジスタのオン抵抗が基準電圧の負荷を調整する第4トランジスタより極めて低い場合には、第3トランジスタが駆動状態に切り替わった際に、インバータ回路の出力は、HighレベルからLowレベルに急峻するので、良好な論理回路の出力特性を得ることができる。
すなわち、請求項6に記載の発明は、インバータ回路における基準電圧の負荷を調整するトランジスタのゲート電圧をソースの電位に連動させることによって
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の半導体電子回路において、N個(Nは「0」を含まない自然数)の前記レベルシフト回路ユニットが設けられ、前記電子回路ユニットが、n型のトランジスタによって構成されているとともに、N入力の否定論理積出力を行うNAND回路を構成し、前記各レベルシフト回路ユニットの出力が前記電子回路ユニットのN入力にそれぞれに接続されている構成を有している。
この構成により、請求項7に記載の発明は、低温で生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることが可能なNAND論理回路を提供することができるとともに、n型トランジスタを用いることによってプロセスを更に簡略化することができる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の半導体電子回路において、前記電子回路ユニットが、前記各レベルシフト回路ユニットの出力にそれぞれ接続されるゲートを有し、前記レベルシフト回路ユニットから出力された出力電圧に基づいてドレインに接続された外部出力端子の電位を切り換えるN個の第3トランジスタと、ゲートと、当該ゲートと短絡接続されるとともに外部出力端子および何れか一の前記第3トランジスタのドレインに接続されるソースと、所定の電圧が基準電圧として印加されるドレインと、を有し、前記基準電圧の負荷を調整するための第4トランジスタと、を備え、前記N個の第3トランジスタが、前記第4トランジスタのソースとグラウンド基準電位との間に直列に配設されている構成を有している。
この構成により、請求項8に記載の発明は、電子回路ユニットにおける基準電圧の負荷を調整するトランジスタのゲートとソースを短絡することによって当該トランジスタのオン抵抗を高抵抗にすることができるので、この高抵抗のオン抵抗に基づいて外部出力端子の電位を決定することができる。
したがって、請求項8に記載の発明は、第3トランジスタのオン抵抗が基準電圧の負荷を調整する第4トランジスタより極めて低い場合には、インバータ回路の出力は、第3トランジスタが駆動状態に切り替わった際に、HighレベルからLowレベルに急峻するので、良好な電子回路ユニットの論理回路の出力特性を得ることができる。
この結果、請求項8に記載の発明は、良好な出力特性を得ることが可能なNAND論理回路を提供することができる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の半導体電子回路において、N個(Nは「0」を含まない自然数)の前記レベルシフト回路ユニットが設けられ、前記電子回路ユニットが、n型のトランジスタによって構成されているとともに、N入力の否定論理和出力を行うNOR回路を構成し、前記各レベルシフト回路ユニットの出力が前記電子回路ユニットのN入力にそれぞれに接続されている構成を有している。
この構成により、請求項9に記載の発明は、低温で生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることが可能なNOR論理回路を提供することができるとともに、n型トランジスタを用いることによってプロセスを更に簡略化することができる。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の半導体電子回路において、前記電子回路ユニットが、前記各レベルシフト回路ユニットの出力にそれぞれ接続されるゲートを有し、前記レベルシフト回路ユニットから出力された出力電圧に基づいてドレインに接続された外部出力端子の電位を切り換えるN個の第3トランジスタと、ゲートと、当該ゲートと短絡接続されるとともに外部出力端子およびN個の前記第3トランジスタの各ドレインに接続されるソースと、所定の電圧が基準電圧として印加されるドレインと、を有し、前記基準電圧の負荷を調整するための第4トランジスタと、を備え、前記N個の第3トランジスタが、前記第4トランジスタのドレインとグラウンド基準電位との間に並列に配設されている構成を有している。
この構成により、請求項10に記載の発明は、電子回路ユニットにおける基準電圧の負荷を調整するトランジスタのゲートとソースを短絡することによって当該トランジスタのオン抵抗を高抵抗にすることができるので、この高抵抗のオン抵抗に基づいて外部出力端子の電位を決定することができる。
したがって、請求項10に記載の発明は、第3トランジスタのオン抵抗が基準電圧の負荷を調整する第4トランジスタより極めて低い場合には、インバータ回路の出力は、第3トランジスタが駆動状態に切り替わった際に、HighレベルからLowレベルに急峻するので、良好な電子回路ユニットの論理回路の出力特性を得ることができる。
この結果、請求項10に記載の発明は、良好な出力特性を得ることが可能なNOR論理回路を提供することができる。
また、上記課題を解決するため、請求項11に記載の発明は、M個(Mは、「0」を含まない奇数の自然数)の半導体論理回路が直列に接続されるとともに、最終段に直列接続されている半導体論理回路の出力が先頭にある半導体論理回路の入力に帰還されている発信回路であって、前記半導体論理回路が、一以上のトランジスタから構成され、入力電圧の電圧レベルをシフトするレベルシフト回路ユニットと、一以上のトランジスタから構成され、レベルシフトされた入力電圧を用いて論理出力を反転させるインバータ回路ユニットと、を備え、前記レベルシフト回路ユニットおよび前記インバータ回路ユニットに設けられた前記トランジスタのすべてがディプレッション型でかつN型であるとともに、前記レベルシフトされた入力電圧が前記インバータ回路ユニットの少なくとも一の前記トランジスタのゲートに入力される構成を有している。
この構成により、請求項11に記載の発明は、すべてのトランジスタをディプレッション型で構成できるとともに、インバータ回路ユニットにおけるトランジスタのゲートにレベルシフトされた入力電圧を印加することができる。
したがって、請求項11に記載の発明は、各インバータ回路ユニットに入力される入力電圧の電圧レベルをシフトすることができるので、ゲートにおけるしきい値電圧がマイナスとなるディプレッション型トランジスタをインバータ回路ユニットに用いたとしても、入力電圧の変化に基づいて的確な出力を得ることができる。
この結果、請求項11に記載の発明は、低温で生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることが可能なリングオシレータを提供することができる。
また、上記課題を解決するため、請求項12に記載の発明は、複数のインバータ回路と、複数のNOR回路と、から構成されるフリップフロップ回路であって、前記各インバータ回路が、一以上のトランジスタから構成され、入力電圧の電圧レベルをシフトする第1レベルシフト回路ユニットと、一以上のトランジスタから構成され、レベルシフトされた入力電圧を用いて論理出力を反転させるインバータ回路ユニットと、を備え、前記レベルシフトされた入力電圧が前記インバータ回路ユニットの少なくとも一の前記トランジスタのゲートに入力されるとともに、前記各NOR回路が、入力毎に設けられ、一以上のトランジスタから構成され、入力電圧の電圧レベルをシフトする複数の第2レベルシフト回路ユニットと、N入力(Nは「0」を含まない自然数)の否定論理和出力を行うNOR回路ユニットと、を備え、前記各第2レベルシフト回路ユニットの出力が前記電子回路ユニットのN入力にそれぞれに接続され、前記複数のインバータ回路および前記複数のNOR回路に設けられた前記トランジスタのすべてがディプレッション型でかつN型である構成を有している。
この構成により、請求項12に記載の発明は、すべてのトランジスタをディプレッション型で構成できるとともに、インバータ回路ユニットおよびNOR回路ユニットにおけるトランジスタのゲートにレベルシフトされた入力電圧を印加することができる。
したがって、請求項12に記載の発明は、インバータ回路ユニットおよびNOR回路ユニットにおけるトランジスタが適切に駆動する範囲に入力される入力電圧の電圧レベルをシフトすることができるので、ゲートにおけるしきい値電圧がマイナスとなるディプレッション型トランジスタをインバータ回路ユニットおよびNOR回路ユニットに用いたとしても、入力電圧の変化に基づいて的確な論理出力を得ることができる。
この結果、請求項12に記載の発明は、低温で生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることが可能なフリップフロップ回路を提供することができる。
また、上記課題を解決するため、請求項13に記載の発明は、一以上のトランジスタから構成され、入力電圧の電圧レベルをシフトするレベルシフト回路ユニットと、一以上のトランジスタから構成され、レベルシフトされた入力電圧の反転増幅を行う増幅回路ユニットと、を備え、前記レベルシフト回路ユニットおよび前記増幅回路ユニットに設けられた前記トランジスタのすべてがディプレッション型であるとともに、前記レベルシフトされた入力電圧が前記増幅回路ユニットの少なくとも一の前記トランジスタのゲートに入力される構成を有している。
この構成により、請求項13に記載の発明は、すべてのトランジスタをディプレッション型で構成できるとともに、増幅回路ユニットにおけるトランジスタのゲートにレベルシフトされた入力電圧を印加することができる。
したがって、請求項13に記載の発明は、増幅回路ユニットにおけるトランジスタが適切に駆動する範囲に入力される入力電圧の電圧レベルをシフトすることができるので、ゲートにおけるしきい値電圧がマイナスとなるディプレッション型トランジスタを増幅回路ユニットに用いたとしても、入力電圧の変化に基づいて的確な出力を得ることができる。
この結果、請求項13に記載の発明は、低温で生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることが可能な増幅回路を提供することができる。
本発明は、電子回路ユニットにおけるトランジスタが適切に駆動する範囲に入力電圧の電圧レベルをシフトすることができるので、ゲートにおけるしきい値電圧がマイナスとなるディプレッション型トランジスタを電子回路ユニットに用いたとしても、入力電圧の変化に基づいて的確な論理出力を得ることができる。
したがって、同一プロセスにて簡易に製造可能であるとともに、低温で生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることができる。
本発明に係るデジタル回路(インバータ回路)の第1実施形態の構成を示すブロック図である。 一般的なインバータ回路の構成を示すブロック図である。 一般的なインバータ回路について説明するための図であり、(a)は、一般的なインバータ回路の入力電圧VIN−ドレイン電流Iの特性を示すグラフ、および、(b)は、一般的なインバータ回路における電圧の出力特性を示すグラフである。 本発明の課題を説明するための図(I)であり、(a)は、ゲート電圧のしきい値がマイナスにシフトした場合の一般的なインバータ回路の入力電圧VIN−ドレイン電流Iの特性を示すグラフ、および、(b)は、そのときの一般的なインバータ回路における電圧の出力特性を示すグラフである。 本発明の課題を説明するための図(II)であり、(a)は、一般的なインバータ回路における電圧の入出力特性を示すグラフ、および、(b)は、図4にゲート電圧のしきい値がマイナスにシフトした場合において、一般的なインバータ回路における電圧の入出力特性を示すグラフである。 第1実施形態のデジタル回路の電圧パルスの流れを説明するための図である。 第1実施形態のデジタル回路から出力される出力電圧VOUTおよびインバータ回路ユニットに入力される入力電圧Vmの電圧特性を示すグラフである。 第1実施形態のデジタル回路のレベルシフト回路ユニットにおけるトランジスタのサイズを調整した際の出力特性を示す図である。 第1実施形態におけるデジタル回路のブロック図のその他の例(I)である。 図8に示すデジタル回路における入出力電圧の特性を示すグラフである。 第1実施形態におけるデジタル回路において、電源電圧VSSが変化した際のレベルシフト回路ユニットにおける電圧の入出力特性を示す図である。 第1実施形態におけるデジタル回路のブロック図のその他の例(II)である。 本発明に係るデジタル回路(NAND回路)の第2実施形態の構成を示すブロック図である。 本発明に係るデジタル回路(NOR回路)の第3実施形態の構成を示すブロック図である。 本発明に係るリングオシレータ回路の実施形態(第4実施形態)の構成を示すブロック図である。 第4実施形態における5段、7段および9段の複数のデジタル回路(インバータ回路)を接続することによって構成されたリングオシレータの出力特性を示すグラフである。 本発明に係るD型フリップフロップ回路の実施形態(第5実施形態)の構成を示すブロック図である。 第5実施形態におけるD型フリップフロップ回路の入出力特性を示すグラフである。 本発明に係るアナログ回路(増幅回路)の実施形態(第6実施形態)構成を示すブロック図である。
以下、本願の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、レベルシフト回路ユニットとインバータ回路ユニットからなるデジタル回路としての電子回路、当該デジタル回路にて構成されるリングオシレータおよびD型フリップフロップ回路、並びに、増幅回路を構成するアナログ回路としての電子回路に本発明の半導体電子回路、発信回路およびフリップフロップ回路を適用した場合の実施形態である。
[第1実施形態]
はじめに、図1〜図12の各図を用いて本発明に係る電子回路(デジタル回路)の第1実施形態について説明する。
まず、図1〜図5の各図を用いて本実施形態のレベルシフト回路ユニットとインバータ回路ユニットからなるデジタル回路(インバータ回路)の概略構成とその特徴点について説明する。
なお、図1は、本実施形態におけるレベルシフト回路ユニットとインバータ回路ユニットからなるデジタル回路(インバータ回路)の構成を示すブロック図であり、図2は、一般的なインバータ回路の構成を示すブロック図である。
また、図3は、一般的なインバータ回路について説明するための図であり、(a)は、一般的なインバータ回路の入力電圧VIN−ドレイン電流Iの特性を示すグラフ、および、(b)は、一般的なインバータ回路における電圧の出力特性を示すグラフである。
さらに、図4は、本発明の課題を説明するための図(I)であり、(a)は、ゲート電圧のしきい値シフトした場合の一般的なインバータ回路の入力電圧VIN−ドレイン電流Iの特性を示すグラフ、および、(b)は、そのときの一般的なインバータ回路における電圧の出力特性を示すグラフである。
またさらに、図5は、本発明の課題を説明するための図(II)であり、(a)は、一般的なインバータ回路における電圧の入出力特性を示すグラフ、および、(b)は、図4にゲート電圧のしきい値がマイナスにシフトした場合において、一般的なインバータ回路における電圧の入出力特性を示すグラフである。
本実施形態のデジタル回路100は、図1に示すように、2つのディプレッション型FETから構成され、入力電圧の電圧レベルをマイナス方向にシフトするレベルシフト回路ユニット110と、2つのディプレッション型FETから構成され、レベルシフトされた入力電圧を用いて論理出力を反転させるインバータ回路ユニット120と、を備えている。
なお、例えば、本実施形態のレベルシフト回路ユニット110は、本発明のレベルシフト回路ユニット110を構成し、インバータ回路ユニット120は、本発明の論理回路ユニットを構成する。
通常、エンハンス型FETは、低温にて作製された場合にゲート絶縁膜の膜質が低下するとともに、印加される電圧にあっては、良好な出力特性を得ることができない。
このため、このような場合であっても、高速に駆動可能で、かつ、良好な出力特性を備えるディプレッション型FETをインバータ回路などのデジタル回路に用いることが望まれている。
しかしながら、ディプレッション型FETは、ゲート電圧のしきい値がマイナスになるので、たとえ、ゲートに的確に入力電圧が印加されたとしても電圧のかけ方によっては、当該FETにおいて良好な出力特性を得ることができない。
例えば、図2に示すインバータ回路において、図3(a)に示すように、FETのゲートにパルス状のプラスの入力電圧(例えば、最低電圧0Vで最高電圧+10Vのパルス電圧。以下、これを「0V−+10V」で表す。)が印加され、当該FETのゲートのしきい値電圧がプラス側に存在する場合には、このインバータ回路は、図3(b)に示すような出力特性を有することになる。
しかしながら、ディプレッション型トランジスタにて構成されるなど、図4(a)に示すように、このインバータ回路において、入力電圧が印加されるトランジスタのゲートのしきい値電圧がマイナス側にシフトされると、パルス状のプラスの入力電圧(0V−+10V)が入力されたとしても、FETのゲートにおけるスイッチング動作が適切に可動しなくなるので、このインバータ回路は、図4(b)に示すような出力特性を有することになり、的確に駆動しているとは言えない。
例えば、図5(a)に示すゲートのしきい値電圧がプラスのときに比べて、図5(b)に示すように、ゲートのしきい値電圧がマイナスになると、パルス状のプラスの入力電圧(0V−+10V)が印加された場合に、通常の場合と比較して良好なインバータの動特性を得ることができない。
そこで、本実施形態においては、インバータ回路ユニット120を的確に駆動させるために、当該インバータ回路ユニット120への入力電圧をゲートのしきい値電圧に合わせてマイナス側にシフトさせるレベルシフト回路ユニット110を備え、当該インバータ回路ユニット120をディプレッション型FETにて構成して高速に駆動可能で、かつ、良好な出力特性を有するデジタル回路100を提供するようになっている。
次に、図1とともに図6および図7の各図を用いて本実施形態のレベルシフト回路ユニット110およびインバータ回路ユニット120の具体的な構成およびその動作について説明する。
なお、図6は、本実施形態のデジタル回路100の電圧パルスの流れを説明するための図であり、図7は、本実施形態のデジタル回路100から出力される出力電圧VOUTおよびインバータ回路ユニット120に入力される入力電圧Vmの電圧特性を示すグラフである。
本実施形態のレベルシフト回路ユニット110は、図1に示すように、入力端子10を介して入力された入力電圧の電圧レベルをマイナス方向にシフトさせて、インバータ回路ユニット120に出力するようになっている。
また、このレベルシフト回路ユニット110は、同一プロセスにて作製可能な第1n型FET111および第2n型FET112の2つのn型FETから構成される。
第1n型FET111は、ディプレッションタイプのFETであって、ポリシリコンTFT、酸化物TFTまたは有機トランジスタによって構成され、例えば、100μmの幅と、10μmの長さを有するチャンネルを備えている。
また、この第1n型FET111は、入力端子10に接続され、入力電圧が印加されるゲートと、電源電圧VDDに接続されるドレインと、第2n型FET112のゲートおよびドレインに接続されるとともに、レベルシフト回路ユニット110における出力端子(すなわち、インバータ回路ユニット120の入力端子)に接続されるソースと、とから構成される。
なお、本実施形態においては、この電源電圧VDDは、予め定められた所定の電圧値を有し、例えば、第1n型FET111のドレインには+10Vの電圧が印加されるようになっている。
第2n型FET112は、第1n型FET111と同様に、ディプレッションタイプのFETであって、ポリシリコンTFT、酸化物TFTまたは有機トランジスタによって構成され、例えば、100μmの幅と、10μmの長さを有するチャンネルを備えている。
また、この第2n型FET112は、第1n型FETのソースに接続され、レベルシフト回路ユニット110における出力端子20に接続されるゲートと、当該ゲートおよび第1n型FET111のソースと短絡接続されるドレインと、電源電圧VSS(−6V)に接続されるソースと、から構成される。
本実施形態のインバータ回路ユニット120は、レベルシフト回路ユニット110から出力された電圧に基づいて入力端子10から入力された入力電圧に基づく論理出力を反転させて出力端子20に出力するようになっている。
また、このインバータ回路ユニット120は、レベル回路ユニットにおける第1n型FET111および第2n型FET112と同一プロセスにて作製可能な第3n型FET121および第4n型FET122の2つのn型FETから構成される。
第3n型FET121は、第1n型FET111および第2n型FET112と同様に、ディプレッションタイプのFETであって、ポリシリコンTFT、酸化物TFTまたは有機トランジスタによって構成され、例えば、100μmの幅と、10μmの長さを有するチャンネルを備えている。
また、この第3n型FET121は、レベルシフト回路ユニット110から出力された電圧が印加されるゲートと、出力端子20に接続されるドレインと、グランドに接地されるソースと、から構成される。
第4n型FET122は、第1n型FET111、第2n型FET112および第3n型FET121と同様に、ディプレッションタイプのFETであって、ポリシリコンTFT、酸化物TFTまたは有機トランジスタによって構成され、例えば、100μmの幅と、10μmの長さを有するチャンネルを備えている。
また、この第4n型FET122は、出力端子20に接続されるゲートと、電源電圧VDDに接続されるドレインと、ゲートに短絡接続され、当該ゲートとともに出力端子20に接続されるソースと、から構成される。
なお、本実施形態においては、この電源電圧VDDは、レベルシフト回路ユニット110と同様に、予め定められた所定の電圧値を有し、例えば、第4n型FET122のドレインには、+10Vの電圧がに印加されるようになっている。
また、この電源電圧VDDは、同一の電源から印加するようにしてもよいし、異なる電源から印加するようにしてもよい。
このように、本実施形態のデジタル回路100は、図6に示すように、入力電圧の電圧レベルをマイナス側にシフトさせてインバータ回路ユニット120への入力電圧の電圧レベルを下げるとともに、良好な特性を有する出力電圧パルスを出力するようになっている。
なお、図7に示すグラフは、電源電圧VDDが+10V、および、電源電圧VSSが-6Vで、0V−+10Vのパルス状の入力電圧が入力された場合のインバータ回路ユニット120の入力電圧Vmと出力端子20にて得られるデジタル回路100の出力電圧VOUTを示す。
このグラフは、インバータ回路ユニット120に入力されている入力電圧Vmのレベルがマイナス側にシフトされていること、および、出力電圧VOUTが適切なインバータ出力を有しているので、当該デジタル回路100が適切に駆動していることが示されている。
以上のように、本実施形態のデジタル回路100は、インバータ回路ユニット120におけるFET(具体的には、第3n型FET121)が適切に駆動する範囲に入力電圧の電圧レベルをシフトすることができるので、ゲートにおけるしきい値電圧がマイナスとなるディプレッション型FETをインバータ回路ユニット120に用いたとしても、入力電圧の変化に基づいて的確な出力を得ることができる。
したがって、本実施形態のデジタル回路100は、全てのFETをディプレッション型にて構成することができるので、同一プロセスにて簡易に製造可能であるとともに、高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることができる。
特に、本実施形態のデジタル回路100は、印刷などの低温によって生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることが可能であり、すべてのFETにディプレッション型でかつn型FETを用いることによってプロセスを更に簡略化することができる。
また、本実施形態のデジタル回路100は、インバータ回路ユニット120におけるFET(具体的には、第4n型FET122)のゲートとソースを短絡することによって当該トランジスタのオン抵抗を高抵抗にすることができるので、この高抵抗のオン抵抗に基づいて出力端子20の電位を決定することができる。
すなわち、本実施形態のデジタル回路100は、第3n型FETのオン抵抗が基準電圧の負荷を調整する第4nFETより極めて低くなり、デジタル回路100の出力は、第3トランジスタが駆動状態に切り替わった際に、HighレベルからLowレベルに急峻するので、良好な出力特性を得ることができる。
なお、本実施形態のレベルシフト回路ユニットにおける第2FET112のトランジスタサイズを変更することによってデジタル回路100の出力特性を調整することができる。
例えば、図8に示すように、本実施形態において、第2FET112のチャンネルを、(A)50μmの幅と10μmの長さ、(B)100μmの幅と10μm(C)150μmの幅と10μmの長さに設定した場合には、それぞれのグラフに示されるような特性を得ることができるようになっている。
次に、図9〜図12の各図を用いて本実施形態のデジタル回路100の変形例について説明する。
なお、図9は、第1実施形態におけるデジタル回路100のブロック図のその他の例(I)であり、図10は、図9に示すデジタル回路100における入出力電圧の特性を示すグラフである。
また、図11は、第1実施形態におけるデジタル回路100において、電源電圧VSSが変化した際のレベルシフト回路ユニット110における電圧の入出力特性を示す図であり、図12は、第1実施形態におけるデジタル回路100のブロック図のその他の例(II)である。
本実施形態のデジタル回路100は、インバータ回路ユニット120におけるFET、具体的には、第4n型FET123のゲートをそのソースに接続するようになっているが、図9に示すように、当該ゲートをドレインに接続してもよい。
この場合であっても、デジタル回路100は、図10に示すように、良好な出力特性を有している。ただし、この場合には、第3n型FET121は、150μmの幅と、10μmの長さを有するチャンネルを備えているとともに、第4n型FET123は、10μmの幅と、10μmの長さを有するチャンネルを備えている。
また、本実施形態においては、電源電圧VSSが−6Vに設定されているが、例えば、0V、−5V、−10Vおよび−15Vの各電圧に設定されていてもよい。
すなわち、本実施形態のデジタル回路100は、図11に示すように、第2n型FET112のソースに印加される電源電圧VSSの電圧値に基づいて、レベルシフト回路ユニット110における入出力特性が変わるので、入力電圧、電源電圧VDD並びに第1n型FET111および第2n型FET112の電圧特性に基づいて電源電圧VSSを調整するようにしてもよい。
さらに、本実施形態において、電源電圧VSSが第2n型FET112のソースに直接的に印加されるようになっているが、図12に示すように、電源電圧VSSと当該ソースとの間に複数の抵抗器R1、R2を接続し、当該レベルシフト回路ユニット110が生成された後に、生成後のレベルシフト回路ユニット110の特性に基づいて、抵抗器R1、R2における接続を変更して電源電圧VSSを調整、すなわち、抵抗器R1、R2を間引くことによって電源電圧VSSを調整するようにしてもよい。
[第2実施形態]
次に、図13を用いて本発明に係る電子回路(デジタル回路)の第2実施形態について説明する。
本実施形態のデジタル回路は、N入力(Nは「0」を含まない自然数)1出力の否定論理積出力を行うNAND回路であって、第1実施形態におけるレベルシフト回路ユニットが各入力毎に設けられているとともに、インバータ回路ユニットに代えてNAND回路ユニットが設けられている点に特徴がある。
また、本実施形態のNAND回路ユニットは、第1実施形態の第3n型FETが複数でかつ第4n型FETのソースとグラウンド基準電位との間に直列に配設されている点の他の構成については、第1実施形態のインバータ回路ユニットと同一の構成を有している。
なお、本実施形態においては、第1実施形態と同一の部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
次に、図13を用いて本実施形態のデジタル回路(NAND回路)200の構成について説明する。なお、図13は、本実施形態におけるデジタル回路(NAND回路)200の構成を示すブロック図である。
本実施形態のデジタル回路200は、図13に示すように、例えば3入力1出力の否定論理積出力を行うNAND回路であって、各入力に設けられた第1レベルシフト回路ユニット110−1、第2レベルシフト回路ユニット110−2および第3レベルシフト回路ユニット110−3と、レベルがシフトされた各入力電圧に基づいて否定論理積出力の演算を行うNAND回路ユニット130と、から構成される。
各第1、第2および第3レベルシフト回路ユニット110は、第1実施形態と同様に、第1入力端子10−1、第2入力端子10−2および第3入力端子10−3のそれぞれを介して入力された各入力電圧の入力レベルをマイナス側にシフトさせてNAND回路ユニット130に出力するようになっている。
また、各第1、第2および第3レベルシフト回路ユニット110は、第1実施形態と同様に、それぞれ、同一プロセスにて作製可能な第1n型FET111および第2n型FET112の2つのn型FETから構成される。
NAND回路ユニット130は、第1、第2および第3レベルシフト回路ユニット110から出力された各電圧に基づいて3入力の入力電圧に基づく否定論理積の演算結果を出力端子20に出力するようになっている。
また、NAND回路ユニット130は、各入力に対応した3個の第3n型FET121と、電源電圧VDDの負荷を調整するための単一の第4n型FET122と、を有している。
各第3n型FET121は、第4n型FET122のソースとグラウンド基準電位との間に直列に配設されている。
また、この各第3n型FET121は、各レベルシフト回路ユニット110の出力にそれぞれ接続されるゲートを有し、各レベルシフト回路ユニット110から出力された出力電圧に基づいて対応するドレイン−ソース間を通電するようになっている。
第4n型FET122は、ゲートと、当該ゲートと短絡接続されるとともに出力端子20および一の第3n型FET121のドレインに接続されるソースと、電源電圧VDDが基準電圧として印加されるドレインと、を有し、この電源電圧VDDの電圧の負荷を調整するために用いられている。
以上のように、本実施形態のデジタル回路200は、インバータ回路ユニット120における各FET(具体的には、各第3n型FET121)が適切に駆動する範囲に入力電圧の電圧レベルをシフトすることができるので、ゲートにおけるしきい値電圧がマイナスとなるディプレッション型トランジスタをNAND回路ユニット130に用いたとしても、入力電圧の変化に基づいて的確な論理出力を得ることができる。
したがって、本実施形態のデジタル回路200は、全てのFETをディプレッション型にて構成することができるので、同一プロセスにて簡易に製造可能であるとともに、高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることができる。
特に、本実施形態のデジタル回路200は、印刷などの低温によって生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることが可能であり、すべてのFETにディプレッション型でかつn型FETを用いることによってプロセスを更に簡略化することができる。
また、本実施形態のデジタル回路200は、インバータ回路ユニット120におけるFET(具体的には、第4n型FET122)のゲートとソースを短絡することによって当該トランジスタのオン抵抗を高抵抗にすることができるので、この高抵抗のオン抵抗に基づいて出力端子20の電位を決定することができる。
すなわち、本実施形態のデジタル回路200は、各第3n型FETのオン抵抗が基準電圧の負荷を調整する第4nFETより極めて低くなり、デジタル回路200の出力は、全ての第3トランジスタが駆動状態に切り替わった際に、HighレベルからLowレベルに急峻するので、良好な出力特性を得ることができる。
なお、本実施形態のデジタル回路200は、NAND回路ユニット130におけるFET、具体的には、第4n型FET122のゲートをそのソースに接続するようになっているが、第1実施形態と同様に、当該ゲートをドレインに接続してもよい。
[第3実施形態]
次に、図14を用いて本発明に係る電子回路(デジタル回路)の第3実施形態について説明する。
本実施形態のデジタル回路は、N入力(Nは「0」を含まない自然数)1出力の否定論理和出力を行うNOR回路であって、第1実施形態におけるレベルシフト回路ユニットが各入力毎に設けられているとともに、インバータ回路ユニットに代えてNOR回路ユニットが設けられている点に特徴がある。
なお、本実施形態のNOR回路ユニットは、第1実施形態の第3n型FET121が複数でかつ第4n型FET122のソースとグラウンド基準電位との間に並列に配設されている点の他の構成については第1実施形態のインバータ回路ユニット120と同一の構成を有している。
また、本実施形態においては、第1実施形態と同一の部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
次に、図14を用いて本実施形態のデジタル回路(NOR回路)300の構成について説明する。なお、図14は、本実施形態におけるデジタル回路(NOR回路)300の構成を示すブロック図である。
本実施形態のデジタル回路300は、図14に示すように、例えば3入力1出力の否定論理和出力を行うNOR回路であって、各入力に設けられた第1レベルシフト回路ユニット110−1、第2レベルシフト回路ユニット110−2および第3レベルシフト回路ユニット110−3と、レベルがシフトされた入力電圧に基づいて否定論理積出力の演算を行うNOR回路ユニット140と、から構成される。
各第1、第2および第3レベルシフト回路ユニット110は、第1実施形態と同様に、第1入力端子10、第2入力端子10および第3入力端子10のそれぞれを介して入力された各入力電圧の入力レベルをマイナス側にシフトさせてNOR回路ユニット140に出力するようになっている。
また、各第1、第2および第3レベルシフト回路ユニット110は、第1実施形態と同様に、それぞれ、同一プロセスにて作製可能な第1n型FET111および第2n型FET112の2つのn型FETから構成される。
NOR回路ユニット140は、第1、第2および第3レベルシフト回路ユニット110から出力された各電圧に基づいて3入力の入力電圧に基づく否定論理和の演算結果を出力端子20に出力するようになっている。
また、このNOR回路ユニット140は、各入力に対応した3個の第3n型FET121と、電源電圧VDDの負荷を調整するための単一の第4n型FET122と、を有している。
各第3n型FET121は、第4n型FET122のソースとグラウンド基準電位との間に並列に配設されている。
また、この各第3n型FET121は、各レベルシフト回路ユニット110の出力にそれぞれ接続されるゲートを有し、各レベルシフト回路ユニット110から出力された出力電圧に基づいて出力端子20とグラインド接地間を短絡するようになっている。
また、第4n型FET122は、ゲートと、当該ゲートと短絡接続されるとともに出力端子20および各第3n型FET121のドレインに接続されるソースと、電源電圧VDDが基準電圧として印加されるドレインと、を有し、この電源電圧VDDの電圧の負荷を調整するために用いられている。
以上のように、本実施形態のデジタル回路300は、NOR回路ユニット140における各FET(具体的には、各第3n型FET121)が適切に駆動する範囲に入力電圧の電圧レベルをシフトすることができるので、ゲートにおけるしきい値電圧がマイナスとなるディプレッション型トランジスタをNOR回路ユニット140に用いたとしても、入力電圧の変化に基づいて的確な論理出力を得ることができる。
したがって、本実施形態のデジタル回路300は、全てのFETをディプレッション型にて構成することができるので、同一プロセスにて簡易に製造可能であるとともに、高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることができる。
特に、本実施形態のデジタル回路300は、印刷などの低温によって生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることが可能であり、すべてのFETにディプレッション型でかつn型FETを用いることによってプロセスを更に簡略化することができる。
また、本実施形態のデジタル回路300は、インバータ回路ユニット120におけるFET(具体的には、第4n型FET122)のゲートとソースを短絡することによって当該トランジスタのオン抵抗を高抵抗にすることができるので、この高抵抗のオン抵抗に基づいて出力端子20の電位を決定することができる。
すなわち、本実施形態のデジタル回路300は、各第3n型FETのオン抵抗が基準電圧の負荷を調整する第4nFETより極めて低くなり、デジタル回路300の出力は、各第3トランジスタが駆動状態に切り替わった際に、HighレベルからLowレベルに急峻するので、良好な出力特性を得ることができる。
なお、本実施形態のデジタル回路300は、NOR回路ユニット140におけるFET、具体的には、第4n型FET122のゲートをそのソースに接続するようになっているが、第1実施形態と同様に、当該ゲートをドレインに接続してもよい。
[第4実施形態]
次に、図15および図16の各図を用いて本発明に係るリングオシレータの実施形態(第4実施形態)について説明する。
本実施形態のリングオシレータは、第1実施形態におけるデジタル回路を直列に複数接続することによって構成されている点に特徴があり、各デジタル回路においては第1実施形態と同様の構成を有している。
なお、本実施形態においては、第1実施形態と同一の部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
次に、図15および図16を用いて本実施形態のリングオシレータの構成について説明する。
なお、図15は、本実施形態におけるリングオシレータ(9段)の構成を示すブロック図であり、図16(a)、(b)および(c)は、5段、7段および9段の複数のデジタル回路(インバータ回路)を接続することによって構成されたリングオシレータの出力特性を示すグラフである。
本実施形態のリングオシレータ400回路は、図15に示すように、直列接続された奇数のデジタル回路100から構成される発信回路部410と、バッファ回路部420と、から構成される。
発信回路部410は、例えば、9個の奇数のデジタル回路100が直列に接続されることによって構成されているとともに、最終段に直列接続されているデジタル回路100−9の出力が先頭にあるデジタル回路100−1の入力に帰還されるようになっている。
特に、本実施形態の各デジタル回路100には、リングオシレータ400に入力されたまたは前段のデジタル回路100から出力された電圧が入力されるとともに、最終段に直列接続されたデジタル回路100−9は、その出力を先頭のデジタル回路100−1およびバッファ回路部420に出力するようになっている。
なお、本実施形態のリングオシレータ400は、5段または7段など奇数個のデジタル回路100が直列に接続されていればよい。
バッファ回路部420は、基本的には、第1実施形態と同様のデジタル回路100から構成されている。ただし、本実施形態のバッファ回路部420の各FETは、チャンネル幅について、第1実施形態のデジタル回路100の各FETよりも10倍程度の大きな値を有している。
なお、本実施形態のバッファ回路のFETは、第1実施形態のデジタル回路100の各FETのチャンネル幅よりも10倍程度の値を有することを必須要件としているが、基本的には、当該FETの各値が第1実施形態のデジタル回路100の各FETのチャンネル幅よりも2倍以上あれば、本実施形態のリングオシレータ400を実施することができる。
このように、本実施形態では、適切に駆動されたディプレッション型の各n型FETから構成されるインバータ回路を直列に多段接続することによってリングオシレータ400を構成するようになっている。
なお、図16(a)は、5段のインバータ回路100を接続することによって構成されたリングオシレータ400の出力特性を示すグラフ、図16(b)は、7段のインバータ回路100を接続することによって構成されたリングオシレータ400の出力特性を示すグラフ、および、図16(c)は、9段のインバータ回路100を接続することによって構成されたリングオシレータ400の出力特性を示すグラフである。
また、図16(a)、(b)および(c)のそれぞれの図は、リングオシレータ400の出力特性(A)と先頭のインバータ回路に帰還される信号の出力特性(B)を示している。
何れのリングオシレータ400であっても、HighとLowのレベルを上下するパルス波形が的確に出力されているので、本実施形態のリングオシレータが適切に駆動されていることが示されている。
以上のように、本実施形態のリングオシレータ400は、各デジタル回路100におけるインバータ回路ユニット120のFETが適切に駆動する範囲に各インバータ回路ユニット120に入力される入力電圧の電圧レベルをシフトすることができるので、ゲートにおけるしきい値電圧がマイナスとなるディプレッション型FETをインバータ回路ユニット120に用いたとしても、入力電圧の変化に基づいて的確な論理出力を得ることができる。
したがって、本実施形態のリングオシレータ400は、印刷などによって低温で生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることができる。
[第5実施形態]
次に、図17および図18の各図を用いて本発明に係るフリップフロップ回路の実施形態(第5実施形態)について説明する。
本実施形態のフリップフロップ回路は、D型フリップフロップ回路であって、第1実施形態の複数のインバータ回路と第4実施形態における複数のNOR回路によって構成されている点に特徴があり、その他の構成は、第1実施形態または第4実施形態と同様の構成を有している。
なお、本実施形態においては、第1実施形態または第4実施形態と同一の部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
次に、図17および図18を用いて本実施形態のD型フリップフロップ回路の構成について説明する。
なお、図17は、本実施形態におけるD型フリップフロップ回路の構成を示すブロック図であり、図18は、本実施形態のD型フリップフロップ回路の入出力特性を示すグラフである。
本実施形態のD型フリップフロップ回路500は、図17に示すように、6つの3入力のNOR回路300と、各入力および出力に設けられた4つのインバータ回路100と、から構成される。
第1インバータ回路100−1には、第1外部入力端子TI−1を介してフリップフロップ回路におけるデータとしての電圧が入力されるようになっており、この第1インバータ回路100−1は、その出力を第3NOR回路300−3に出力するようになっている。
第2インバータ回路100−2には、第2外部入力端子TI−2を介してフリップフロップ回路における同期信号として電圧が入力されるようになっており、この第2インバータ回路100−2は、その出力を第2NOR回路300−2に出力するようになっている。
第3インバータ回路100−3には、第3外部入力端子T−3を介してフリップフロップ回路におけるリセット信号としての電圧が入力されるようになっており、この第3インバータ回路100−3は、その出力を第1NOR回路300−1に出力するようになっている。
第1NOR回路300−1には、第1入力用インバータ回路100−1と、第3入力用インバータ回路100−3と、第2NOR回路300−2と、の出力が入力されるようになっている。
また、この第1NOR回路300−1は、第2NOR回路300−2に論理演算の結果を出力するようになっている。
第2NOR回路300−2には、第2入力用インバータ回路100−2と、第1NOR回路300−1と、第3NOR回路300−3との出力が入力されるようになっている。
また、この第2NOR回路300−2は、第6NOR回路300−6と、第1NOR回路300−1と、に論理演算の結果を出力するようになっている。
第3NOR回路300−3には、第3入力用インバータ回路100−3と、第2入力用インバータ回路100−2と、第4NOR回路300−4と、の出力が入力されるようになっている。
また、この第3NOR回路300−3は、第2NOR回路300−2と、第4NOR回路300−4と、に論理演算の結果を出力するようになっている。
第4NOR回路300−4は、グランドに接地される入力端子を有するとともに、第4NOR回路300−5には、第1NOR回路300−1と、第3NOR回路300−3との出力が入力されるようになっている。
また、この第4NOR回路300−4は、第3NOR回路300−3に論理演算の結果を出力するようになっている。
第5NOR回路300−5は、グランドに接地される入力端子を有するとともに、第5NOR回路300−5には、第3NOR回路300−3と、第6NOR回路300−6との出力が入力されるようになっている。
また、この第5NOR回路300−5は、第6NOR回路300−6に論理演算の結果を出力するようになっている。
第6NOR回路300−6には、第3インバータ回路100−3と、第2NOR回路300−2と、第5NOR回路300−5と、の出力が入力されるようになっている。
また、この第6NOR回路300−6は、第5NOR回路300−5と、出力用インバータ回路100−4に論理演算の結果を出力するようになっている。
出力インバータ回路100−4には、第6NOR回路300−6からの出力が入力されるようになっており、この出力インバータ回路100−4は、その出力を外部出力端子TOを介して外部に出力するようになっている。
このように、本実施形態では、各インバータ回路100及び各NOR回路300をディプレッション型の各n型FETによって構成するために、各インバータ回路100及び各NOR回路300の入力電圧の電圧レベルをシフトさせて各インバータ回路100内のインバータ回路ユニット120または各NOR回路300内のNOR回路ユニット140への入力電圧の電圧レベルを下げることができるようになっている。
なお、図18(a)は、同期信号のパルスを示すグラフ、図18(b)は、データのパルスを示すグラフ、図18(c)は、リセット信号のパルスを示すグラフ、および、図18(d)は、出力パルスとインバータ回路に入力されるパルスを示すグラフであり、本実施形態のD型フリップフロップ回路500が適切に駆動していることが示されている。
以上のように、本実施形態のD型フリップフロップ回路500は、各インバータ回路100および各NOR回路300におけるインバータ回路ユニット120およびNOR回路ユニット140のFETが適切に駆動する範囲に入力される入力電圧の電圧レベルをシフトすることができるので、ゲートにおけるしきい値電圧がマイナスとなるディプレッション型FETをインバータ回路ユニット120およびNOR回路ユニット140に用いたとしても、入力電圧の変化に基づいて的確な論理出力を得ることができる。
したがって、本実施形態のD型フリップフロップ回路500は、印刷などによって低温で生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることできる。
なお、本実施形態のD型フリップフロップ回路500は、インバータ回路100とNOR回路300によって構成されているが、勿論、第2実施形態のNAN100回路を用いて構成するようにしてもよい。
[第6実施形態]
次に、図19を用いて本発明に係る増幅回路を構成する電子回路(アナログ回路)の第6実施形態について説明する。
本実施形態の増幅回路は、第1実施形態においてインバータ回路100における第4n型FET122を抵抗器に変更している点およびデジタルパルスが入力される点に代えてアナログ信号(電圧)が入力される点に特徴があり、その他の構成は、第1実施形態と同様の構成を有している。
例えば、本実施形態の増幅回路は、例えば、オペアンプにおける差動増幅回路の後段に接続されるソース接地増幅回路であって、差動増幅された信号の信号レベルを増幅するようになっている。
なお、本実施形態においては、第1実施形態と同一の部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。
次に、図19を用いて本実施形態の増幅回路(ソース接地増幅回路)の構成について説明する。なお、図19は、本実施形態における増幅回路(ソース接地増幅回路)の構成を示すブロック図である。
本実施形態のアナログ回路600は、図19に示すように、例えば、オペアンプの増幅部分に用いられるソース接地増幅回路であって、オペアンプの作動増幅回路から出力された電圧が入力されるレベルシフト回路ユニット110と、レベルがシフトされた入力電圧に基づいて反転増幅を行う増幅回路ユニット610と、から構成される。
レベルシフト回路ユニット110は、第1実施形態と同様に、入力端子10を介して入力された各入力電圧の入力レベルをマイナス側にシフトさせて増幅回路ユニット610に出力するようになっている。
本実施形態の増幅回路ユニット610は、レベルシフト回路ユニット110における第1n型FET111および第2n型FET112と同一プロセスにて作製可能な第3n型FET611および増幅回路用抵抗器612から構成される。
第3n型FET611は、第1n型FET111および第2n型FET112と同様に、ディプレッションタイプのFETであって、ポリシリコンTFT、酸化物TFTまたは有機トランジスタによって構成される。
この第3n型FET611は、レベルシフト回路ユニット110から出力された電圧が印加されるゲートと、出力端子20に接続されるドレインと、グランドに接地されるソースと、から構成される。
また、増幅回路用抵抗器612は、n型拡散抵抗から構成されるとともに、電源電圧VDDと出力端子20間に接続される。
以上のように、本実施形態のアナログ回路600は、増幅回路ユニット610におけるFET(具体的には、第3n型FET611)が適切に駆動する範囲に入力電圧の電圧レベルをシフトすることができるので、ゲートにおけるしきい値電圧がマイナスとなるディプレッション型トランジスタを増幅回路ユニット610に用いたとしても、入力電圧の変化に基づいて的確な増幅を行うことができる。
したがって、本実施形態のアナログ回路600は、全てのFETをディプレッション型にて構成することができるので、同一プロセスにて簡易に製造可能であるとともに、高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることができる。
特に、本実施形態アナログ回路600は、印刷などの低温によって生成された場合であっても高速駆動が可能でかつ良好な出力特性を得ることが可能であり、すべてのFETにディプレッション型でかつn型FETを用いることによってプロセスを更に簡略化することができる。
なお、本実施形態のレベルシフト回路ユニット110は、第2n型FET112のゲートをそのドレインに短絡接続しているが、この第2n型FET112のゲートを外部に接続された第2の入力端子10に接続するようにしてもよい。
例えば、本実施形態のアナログ回路がオペアンプに用いる増幅回路の場合には、外部の任意の電源電圧に接続するようにしてもよい。
この場合には、任意の電源電圧に接続されたトランジスタ自体、すなわち、本実施形態であれば、第1n型FETが可変抵抗としても機能するので、電源電圧VSSを可変することなく増幅回路ユニット610の第3型FET611のゲートに入力される電圧を調整することができる。
R1、R2 … 抵抗器
TI … 外部入力端子
TO … 外部出力端子
10 … 入力端子
20 … 出力端子
100 … デジタル回路(インバータ回路)
110 … レベルシフト回路ユニット
111 … 第1n型FET
112 … 第2n型FET
120 … インバータ回路
121 … 第3n型FET
122、123 … 第4n型FET
130 … NAND回路ユニット
140 … NOR回路ユニット
200 … デジタル回路(NAND回路)
300 … デジタル回路(NOR回路)
400 … リングオシレータ
410 … 発信回路部
420 … バッファ回路部
500 … D型フリップフロップ回路
600 … アナログ回路(増幅回路)

Claims (13)

  1. 一以上のトランジスタから構成され、入力電圧の電圧レベルをシフトする一以上のレベルシフト回路ユニットと、
    一以上のトランジスタから構成され、レベルシフトされた入力電圧を用いて所定の論理演算を実行する電子回路ユニットと、
    を備え、
    前記レベルシフト回路ユニットおよび前記電子回路ユニットに設けられた前記トランジスタのすべてがディプレッション型であるとともに、前記レベルシフトされた入力電圧が前記電子回路ユニットの少なくとも一の前記トランジスタのゲートに入力されることを特徴とする半導体電子回路。
  2. 請求項1に記載の半導体電子回路において、
    前記レベルシフト回路ユニットが、第1トランジスタおよび第2トランジスタを有し、
    前記第1トランジスタが、
    前記入力電圧が印加されるゲートと、
    所定の値を有する第1電圧が印加されるドレインと、
    前記第2トランジスタのゲートおよびドレインに接続されるとともに、前記電子回路ユニットの入力に接続されるソースと、
    から構成され、
    前記第2トランジスタが、所定の値を有する第2電圧が印加されるソースを有することを特徴とする半導体電子回路。
  3. 請求項2に記載の半導体電子回路において、
    前記第2トランジスタのソースに印加される前記第2電圧の変化に伴って前記入力電圧の電圧レベルのシフト量が変化することを特徴とする半導体電子回路。
  4. 請求項3に記載の半導体電子回路において、
    前記第2トランジスタのソースに前記第2電圧の値を変化させるための複数の抵抗器が接続されていることを特徴とする半導体電子回路。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の半導体電子回路において、
    前記電子回路ユニットが、n型のトランジスタによって構成されているとともに、論理出力を反転させるインバータ回路を構成することを特徴する半導体電子回路。
  6. 請求項5に記載の半導体電子回路において、
    前記電子回路ユニットが、
    前記レベルシフト回路ユニットの出力に接続されるゲートを有し、前記レベルシフト回路ユニットから出力された出力電圧に基づいてドレインに接続された外部出力端子の電位を切り換える第3トランジスタと、
    ゲートと、当該ゲートと短絡接続されるとともに外部出力端子および前記第3トランジスタのドレインに接続されるソースと、所定の電圧が基準電圧として印加されるドレインと、を有し、前記基準電圧の負荷を調整するための第4トランジスタと、
    を備えることを特徴とする半導体電子回路。
  7. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の半導体電子回路において、
    N個(Nは「0」を含まない自然数)の前記レベルシフト回路ユニットが設けられ、
    前記電子回路ユニットが、n型のトランジスタによって構成されているとともに、N入力の否定論理積出力を行うNAND回路を構成し、
    前記各レベルシフト回路ユニットの出力が前記電子回路ユニットのN入力にそれぞれに接続されていることを特徴する半導体電子回路。
  8. 請求項7に記載の半導体電子回路において、
    前記電子回路ユニットが、
    前記各レベルシフト回路ユニットの出力にそれぞれ接続されるゲートを有し、前記レベルシフト回路ユニットから出力された出力電圧に基づいてドレインに接続された外部出力端子の電位を切り換えるN個の第3トランジスタと、
    ゲートと、当該ゲートと短絡接続されるとともに外部出力端子および何れか一の前記第3トランジスタのドレインに接続されるソースと、所定の電圧が基準電圧として印加されるドレインと、を有し、前記基準電圧の負荷を調整するための第4トランジスタと、
    を備え、
    前記N個の第3トランジスタが、前記第4トランジスタのソースとグラウンド基準電位との間に直列に配設されていることを特徴とする半導体電子回路。
  9. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の半導体電子回路において、
    N個(Nは「0」を含まない自然数)の前記レベルシフト回路ユニットが設けられ、
    前記電子回路ユニットが、n型のトランジスタによって構成されているとともに、N入力の否定論理和出力を行うNOR回路を構成し、
    前記各レベルシフト回路ユニットの出力が前記電子回路ユニットのN入力にそれぞれに接続されていることを特徴する半導体電子回路。
  10. 請求項9に記載の半導体電子回路において、
    前記電子回路ユニットが、
    前記各レベルシフト回路ユニットの出力にそれぞれ接続されるゲートを有し、前記レベルシフト回路ユニットから出力された出力電圧に基づいてドレインに接続された外部出力端子の電位を切り換えるN個の第3トランジスタと、
    ゲートと、当該ゲートと短絡接続されるとともに外部出力端子およびN個の前記第3トランジスタの各ドレインに接続されるソースと、所定の電圧が基準電圧として印加されるドレインと、を有し、前記基準電圧の負荷を調整するための第4トランジスタと、
    を備え、
    前記N個の第3トランジスタが、前記第4トランジスタのドレインとグラウンド基準電位との間に並列に配設されていることを特徴とする半導体電子回路。
  11. M個(Mは、「0」を含まない奇数の自然数)の半導体論理回路が直列に接続されるとともに、最終段に直列接続されている半導体論理回路の出力が先頭にある半導体論理回路の入力に帰還されている発信回路であって、
    前記半導体論理回路が、
    一以上のトランジスタから構成され、入力電圧の電圧レベルをシフトするレベルシフト回路ユニットと、
    一以上のトランジスタから構成され、レベルシフトされた入力電圧を用いて論理出力を反転させるインバータ回路ユニットと、
    を備え、
    前記レベルシフト回路ユニットおよび前記インバータ回路ユニットに設けられた前記トランジスタのすべてがディプレッション型でかつN型であるとともに、前記レベルシフトされた入力電圧が前記インバータ回路ユニットの少なくとも一の前記トランジスタのゲートに入力されることを特徴とする発信回路。
  12. 複数のインバータ回路と、複数のNOR回路と、から構成されるフリップフロップ回路であって、
    前記各インバータ回路が、
    一以上のトランジスタから構成され、入力電圧の電圧レベルをシフトする第1レベルシフト回路ユニットと、
    一以上のトランジスタから構成され、レベルシフトされた入力電圧を用いて論理出力を反転させるインバータ回路ユニットと、
    を備え、
    前記レベルシフトされた入力電圧が前記インバータ回路ユニットの少なくとも一の前記トランジスタのゲートに入力されるとともに、
    前記各NOR回路が、
    入力毎に設けられ、一以上のトランジスタから構成され、入力電圧の電圧レベルをシフトする複数の第2レベルシフト回路ユニットと、
    N入力(Nは「0」を含まない自然数)の否定論理和出力を行うNOR回路ユニットと、
    を備え、
    前記各第2レベルシフト回路ユニットの出力が前記電子回路ユニットのN入力にそれぞれに接続され、
    前記複数のインバータ回路および前記複数のNOR回路に設けられた前記トランジスタのすべてがディプレッション型でかつN型であることを特徴とするフリップフロップ回路。
  13. 一以上のトランジスタから構成され、入力電圧の電圧レベルをシフトするレベルシフト回路ユニットと、
    一以上のトランジスタから構成され、レベルシフトされた入力電圧の反転増幅を行う増幅回路ユニットと、
    を備え、
    前記レベルシフト回路ユニットおよび前記増幅回路ユニットに設けられた前記トランジスタのすべてがディプレッション型であるとともに、前記レベルシフトされた入力電圧が前記増幅回路ユニットの少なくとも一の前記トランジスタのゲートに入力されることを特徴とする半導体電子回路。
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