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JP2011040631A - 硬質ウエーハの研削方法 - Google Patents

硬質ウエーハの研削方法 Download PDF

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Hiroyuki Ono
博之 小野
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Abstract

【課題】 硬質ウエーハを研削して薄く加工しても割れが生じない硬質ウエーハの研削方法を提供することである。
【解決手段】 表面に複数の光デバイスが形成された硬質ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された硬質ウエーハを研削する研削手段とを備えた研削装置による硬質ウエーハの研削方法であって、粘着テープに半径方向に張力を印加しながら該粘着テープを開口部を有する環状フレームに貼着して該開口部を塞ぐとともに、該粘着テープ上に硬質ウエーハの表面側を貼着しウエーハを該環状フレームで支持するウエーハ支持工程と、該環状フレームに装着された該粘着テープ側を該チャックテーブルの保持面に接触させてウエーハを該チャックテーブルで保持するウエーハ保持工程と、該チャックテーブルに保持されたウエーハの露出した面を研削する研削工程と、を具備したことを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、サファイアウエーハ、炭化珪素ウエーハ等のモース硬度9以上の硬質ウエーハを研削する硬質ウエーハの研削方法に関する。
表面に窒化ガリウム等の窒化物半導体層が積層され、格子状に形成された分割予定ラインによって区画された各領域にそれぞれ光デバイスが形成されたサファイアウエーハは、分割予定ラインに沿ってレーザビームを照射することにより個々の光デバイスに分割され、分割された光デバイスは携帯電話、デジタルカメラ等の電子機器に利用される(例えば、特開2008−6492号公報参照)。
サファイアウエーハはエピタキシャル層の成長に適したサファイア基板上に窒化物半導体層を成長させて形成されるため、サファイア基板は光デバイスを製造する上で不可欠な素材であるが、基板上に窒化物半導体層を積層した後は電子機器の軽量化、小型化、素子特性の向上のために、研削装置によってサファイア基板の裏面が研削されて薄く加工される(例えば、特開2008−23693号公報参照)。
特開2008−6492号公報 特開2008−23693号公報
しかし、サファイアウエーハの表面に粘着テープからなる保護テープを貼着し、サファイアウエーハの裏面を研削してその厚みを100μm以下、更には50μm以下と薄くすると、サファイア基板に割れが生じるという問題がある。かかる問題は、炭化珪素基板(SiC基板)等の硬質脆性基板の研削においても同様に生じる。
この原因について考察すると、ウエーハの研削面に微小なクラックが多数生じて基板が凸状に反るのが一つの原因ではないかと推察される。基板に反りが発生すると、研削時にウエーハが横方向に引きずられ、基板に割れが発生し易い。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サファイア基板等の硬質脆性基板を研削して薄く加工しても基板の割れが生じない硬質ウエーハの研削方法を提供することである。
本発明によると、表面に複数の光デバイスが形成された硬質ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された硬質ウエーハを研削する研削手段とを備えた研削装置による硬質ウエーハの研削方法であって、粘着テープに半径方向に張力を印加しながら該粘着テープを開口部を有する環状フレームに貼着して該開口部を塞ぐとともに、該粘着テープ上に硬質ウエーハの表面側を貼着しウエーハを該環状フレームで支持するウエーハ支持工程と、該環状フレームに装着された該粘着テープ側を該チャックテーブルの保持面に接触させてウエーハを該チャックテーブルで保持するウエーハ保持工程と、該チャックテーブルに保持されたウエーハの露出した面を研削する研削工程と、を具備したことを特徴とする硬質ウエーハの研削方法が提供される。
好ましくは、硬質ウエーハはサファイアウエーハから構成される。
本発明によると、半径方向に張力を付与した粘着テープ上にウエーハを貼着し、粘着テープを介してチャックテーブルでウエーハを吸引保持してウエーハの裏面を研削するので、ウエーハを研削する際に粘着テープが捩れることがなく、ウエーハの反りを抑制でき、ウエーハを所望の厚みに研削することができる。
本発明の研削方法を実施するのに適した研削装置の外観斜視図である。 サファイアウエーハの表面側斜視図である。 粘着テープ貼着工程の説明図である。 ウエーハ支持工程の説明図である。 環状フレームに支持されたサファイアウエーハをチャックテーブルに搭載する様子を示す分解斜視図である。 チャックテーブルでサファイアウエーハを吸引保持した状態の断面図である。 研削時におけるチャックテーブルと研削ホイールとの位置関係を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の研削方法を実施するのに適した研削装置2の外観斜視図を示している。4は研削装置2のハウジング(ベース)であり、ハウジング4の後方にはコラム6が立設されている。コラム6には、上下方向に伸びる一対のガイドレール8が固定されている。
この一対のガイドレール8に沿って研削ユニット(研削手段)10が上下方向に移動可能に装着されている。研削ユニット10は、スピンドルハウジング12と、スピンドルハウジング12を保持する支持部14を有しており、支持部14が一対のガイドレール8に沿って上下方向に移動する移動基台16に取り付けられている。
研削ユニット10はスピンドルハウジング12中に回転可能に収容されたスピンドル18と、スピンドル18の先端に固定されたホイールマウント20と、ホイールマウント20にねじ締結され環状に配設された複数の研削砥石を有する研削ホイール22と、スピンドル18を回転駆動する電動モータ24を含んでいる。
研削装置2は、研削ユニット10を一対の案内レール8に沿って上下方向に移動するボールねじ28とパルスモータ30とから構成される研削ユニット移動機構32を備えている。パルスモータ30を駆動すると、ボールねじ28が回転し、移動基台16が上下方向に移動される。
ハウジング4の上面には凹部4aが形成されており、この凹部4aにチャックテーブル機構34が配設されている。チャックテーブル機構34はチャックテーブル36を有し、図示しない移動機構によりウエーハ着脱位置Aと、研削ユニット10に対向する研削位置Bとの間でY軸方向に移動される。38,40は蛇腹である。ハウジング4の前方側には、研削装置2のオペレータが研削条件等を入力する操作パネル42が配設されている。
図2を参照すると、所定の厚さに研削される前のサファイアウエーハ11の斜視図が示されている。サファイアウエーハ11はサファイア基板上に窒化ガリウム層(GaN層)を積層して構成されており、表面11aに複数のストリート13が格子状に形成されているとともに、複数のストリート13によって区画された複数の領域にLED等の光デバイス15が形成されている。
このように構成されたサファイアウエーハ11は、光デバイス15が形成されているデバイス領域17と、デバイス領域17を囲繞する外周余剰領域19を備えている。また、サファイアウエーハ11の外周には、サファイア基板の結晶方位を示すマークとしてのノッチ21が形成されている。
図3は粘着テープ貼着工程の説明図を示している。粘着テープ46の基材は塩化ビニル又はポリオレフィン等から形成されており、その表面に糊層47が配設されている。本発明の粘着テープ貼着工程では、粘着テープ46に矢印Aで示すように半径方向外側に張力を印加しながら、開口部45を有する環状フレーム44に開口部45を塞ぐように粘着テープ46を貼着する。よって、環状フレーム44に貼着された粘着テープ46には、半径方向外側に向かう張力が印加されている。
図4を参照すると、サファイアウエーハ11の表面11aを環状フレーム44に装着された粘着テープ46に貼着する様子を示す斜視図が示されている。サファイアウエーハ11が粘着テープ46に貼着されると、サファイアウエーハ11は粘着テープ46を介して環状フレーム44により支持される。
図5を参照すると、環状フレーム44で支持されたサファイアウエーハ11をチャックテーブル36上に搭載する様子を示す斜視図が示されており、図6はサファイアウエーハ11がチャックテーブル36で吸引保持された状態の縦断面図である。
チャックテーブル36は、ポーラスセラミックス等から形成されたポーラス吸引部48と、ポーラス吸引部48を囲繞する金属から形成された枠体50とから構成される。枠体50の外周部表面上には環状の永久磁石52が装着されている。
図6に最も良く示されるように、チャックテーブル36のポーラス吸引部48と枠体50に装着された環状の永久磁石52との間には、外周側が所定角度下方に傾斜した傾斜部54が形成されている。ポーラス吸引部48は枠体50に形成された吸引路56を介して図示しない吸引源に接続されている。
以下、上述したように構成された研削装置2を使用したサファイアウエーハ11の研削方法について説明する。まず、図1のAに示すウエーハ着脱位置に移動されたチャックテーブル36上に、図5に示すように環状フレーム44に支持されたサファイアウエーハ11を搭載する。
図6にはウエーハ11がチャックテーブル36上に吸引保持された状態の縦断面図が示されているが、環状フレーム44は永久磁石52に吸着されてポーラス吸引部48の保持面48aに対して下方に引き落とされ、その結果粘着テープ46は傾斜部54に沿って半径方向外側に張力が作用する。
粘着テープ46は、元々半径方向外側に張力が印加された状態で環状フレーム44に貼着されている上、環状フレーム44の引き落としによる張力が加わるため、サファイアウエーハ11は半径方向外側に張力が印加された状態で粘着テープ46を介してポーラス吸引部48に吸引保持される。
図7を参照すると、スピンドル18の先端にはホイールマウント20が固定されており、ホイールマウント20には研削ホイール22が複数のねじ25により着脱可能に装着されている。研削ホイール22は、環状基台24の自由端部に複数の研削砥石26を固着して構成されている。
チャックテーブル36に吸引保持されたサファイアウエーハ11が図7に示す研削位置に位置づけられると、チャックテーブル36を矢印a方向に例えば500rpmで回転しつつ、研削ホイール22をチャックテーブル36と同一方向に、即ち矢印b方向に例えば1000rpmで回転させるとともに、研削ユニット送り機構32を作動して研削砥石26をサファイアウエーハ11の裏面11bに接触させる。
そして、研削ホイール22を所定の研削送り速度(例えば0.1μm/s)で下方に所定量研削送りして、サファイアウエーハ11の研削を実施する。図示しない接触式又は非接触式の厚み測定ゲージによってサファイアウエーハ11の厚みを測定しながらサファイアウエーハ11を所望の厚み(例えば50μm)に仕上げる。
本実施形態の研削方法によると、サファイアウエーハ11の表面11aに貼着された粘着テープに半径方向外側に向かう張力を印加しながらサファイアウエーハ11の裏面11bの研削を遂行するので、サファイアウエーハ11を研削する際に粘着テープ46が捩れることがなくサファイアウエーハ11の反りを抑制できるため、サファイアウエーハ11を所望の厚みに研削することができる。
上述した実施形態では、サファイアウエーハの研削に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、炭化珪素ウエーハ等のモース硬度9以上の硬質ウエーハにも同様に適用可能である。
2 研削装置
10 研削ユニット
11 サファイアウエーハ
22 研削ホイール
26 研削砥石
36 チャックテーブル
44 環状フレーム
46 粘着テープ
48 ポーラス吸引部
52 永久磁石
54 傾斜部

Claims (2)

  1. 表面に複数の光デバイスが形成された硬質ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された硬質ウエーハを研削する研削手段とを備えた研削装置による硬質ウエーハの研削方法であって、
    粘着テープに半径方向に張力を印加しながら該粘着テープを開口部を有する環状フレームに貼着して該開口部を塞ぐとともに、該粘着テープ上に硬質ウエーハの表面側を貼着しウエーハを該環状フレームで支持するウエーハ支持工程と、
    該環状フレームに装着された該粘着テープ側を該チャックテーブルの保持面に接触させてウエーハを該チャックテーブルで保持するウエーハ保持工程と、
    該チャックテーブルに保持されたウエーハの露出した面を研削する研削工程と、
    を具備したことを特徴とする硬質ウエーハの研削方法。
  2. 該硬質ウエーハはサファイアウエーハから構成される請求項1記載の硬質ウエーハの研削方法。
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