本発明は、画像をエンハンスする方法と装置に関する。画像の影領域または明るいエリアのような画像の望ましい側面は、本発明によってエンハンスされて追加の詳細を提供することができる。短波長赤外線(SWIR)カメラ、センサ、またはあらゆる他の撮像装置のような撮像装置によって取得された入力画像は、本発明によって処理されて入力画像中のピクセル強度の分布を表す入力ヒストグラムを作成する。オプションで、入力画像中の飽和および/または低いピクセルを除外することができる。ヒストグラムスタートおよびエンドポイントが決定され、所望のエンハンスメントのタイプに依って可変プラトーが計算される。プラトーは、ヒストグラムに沿って変化し得て、あらゆる望ましい形、サイズまたはプラトー領域数を取ることができる。プラトーが計算されると、ヒストグラムはそれに沿ってクリップされる。クリップされたヒストグラムから累積ヒストグラムが作成され、正規化される。入力画像はそれから、正規化累積ヒストグラムをルックアップテーブルとして使ってエンハンス出力画像に変換される。オプションの非線形演算を正規化累積ヒストグラム上で行うことができる。エンハンスメント方法は、様々な撮像装置タイプやシーン条件の変化に適応するように自動的に変化することができる。
図1は、画像をエンハンスするための、全体的に10で示される、本発明による方法を示すフローチャートである。ステップ12では、入力ヒストグラムが作成され、ここでヒストグラムのbinsは画像のピクセル強度分布を表す。オプションで、飽和(即ち、予め規定された閾値より上の強度レベルを持ったピクセル)および/または低いピクセル(即ち、予め規定された閾値より下の強度レベルを持ったピクセル)をヒストグラムから除外することができる。ユーザは、ヒストグラム処理の前に収集されるべきピクセルの最小数を指定することができることに注意すべきである。
処理ブロック14では、出力画像のゲインを制御するために自動ゲイン制御(AGC)プロセスが始動される。ステップ16aでは、画像フレームの平均ピクセル値が計算される。それから、ステップ16bでは、もし計算された平均ピクセル値が予め規定された最小または最大ピクセル値にあるかそれに近ければ、AGC処理は無力化される。これは、もしカメラが暗くされた部屋で動作し、明かりが突然点けられて飽和ピクセルが画像から除去された場合、またはもしカメラが明るく照らされた部屋で動作し、明かりが突然消されて低いピクセルが画像から除去された場合に引き起こされ得る、本発明がAGC処理条件に無限に留まることを防ぐ。収集された総ピクセル数のパーセントとして表現された飽和ピクセル数、または収集された総ピクセルのパーセントとして表現された低いピクセル数を含む、平均ピクセル値以外のパラメータをこの処理のために使うことができる。
ステップ16cでは、入力画像中の飽和ピクセルの数がカウントされる。ステップ16dでは、以下に図2を参照して説明されるように、飽和ピクセルが撮像器またはカメラのAGC調節のために使われる。ステップ16eでは、平均ヒストグラムピクセル値が計算される。そして、ステップ16fでは、以下に図2を参照して説明されるように、平均ピクセル値が撮像器またはカメラのAGC調節のために使われる。ステップ16gでは、ヒストグラムピクセルの数がカウントされる。この情報は後にステップ16hで使われ、そこでは、以下に図2を参照して説明されるように、ヒストグラムのスタートに基づいてAGC調節が行われる。
ステップ18では、ヒストグラムピクセルの数の一部(分数)を使って、ヒストグラムスタートおよびエンド値が決定される。ヒストグラムのスタートは、入力最小または「フロア」値を超える最初のbinであり、ヒストグラムのエンドは入力フロア値を超える最後のbinである。方法10が最初に行われる時には、入力フロア値は予め規定されたレベルに設定されることができ、それはユーザによってプログラムされることができる。ヒストグラムのスタートとエンドを決定する他の方法も可能である。例えば、最低ヒストグラムbinから始めて、累積ピクセルが収集されたピクセルの総数の少なくとも或るパーセント(例えば1.5%)である時に、ヒストグラムのスタートを見つけることができる。ヒストグラム中を動いて、累積ピクセルが収集されたピクセルの総数の少なくとも100%引く或るパーセント(例えば100%−1.5%=98.5%)である時に、ヒストグラムのエンドをそれから見つけることができる。この例では、ヒストグラムは、スタートからエンドまでで、収集されたピクセルの総数の約97%を含むであろう。そのような方法は、ノイズにより敏感ではないことが見出されている。別の代替案は、収集された総数の或るパーセントを使う代わりに、上述した入力フロア値をヒストグラムの各エンドにおいて必要なピクセルの数として使うことである。もっとさらには、bin毎の平均ピクセル数の分数またはbin毎の平均ピクセル値の分数を取るような、フロア値を計算する他の方法を利用することもできる。
プラトープロファイルは、それぞれ「暗い」プラトーと「明るい」プラトーに対応する、2つのプラトー(描写的にプラトー「A」と「B」)を含むことができる。「暗い」プラトーは、入力画像の影または暗い領域の詳細をエンハンスするためのクリッピングレベルを表す。「明るい」プラトーは、入力画像の明るい領域の詳細をエンハンスするためのクリッピングレベルを表す。ステップ20では、プラトー境界が計算され、それはクリッピングレベルがプラトーAからプラトーBに遷移するbinを表す。勿論、プラトーはあらゆる形を取ることができ、望ましいように変化させることができる。重要なことに、プラトーとプラトー間の遷移は入力画像の所望の領域をハイライトするのに変化させることができ、異なるカメラまたはセンサの様々な動作パラメータや変化する明かりレベルまたは他のシーン条件に調節するように自動的に変化する(例えば、電子的手段によって)こともできる。加えて、プラトープロファイルはヒストグラムのbinからbinで変化することができる。
ステップ20でプラトー境界が計算された後、ステップ22では、クリッピングレベルより上の全ての値がクリッピングレベルまで削減されるように、入力ヒストグラムがプラトーにおいてクリップされる。もし2つのプラトー(上述したプラトーAとBのような)が規定されていれば、ヒストグラムは2つのプラトーにおいてクリップされる。クリッピングの後、ステップ24では、クリップされたヒストグラムから累積ヒストグラムが作成される。累積ヒストグラム中の各binは、現行bin中のピクセルの総数プラス前のbin中のピクセル数を含む。累積ヒストグラムはよってクリップされた入力ヒストグラムによって表される分布の積分である。
ステップ26では、累積ヒストグラムが、出力画像中の出力レベルの数に正規化される。例えば、もし出力画像中に256個の可能な出力レベルがあれば、累積ヒストグラムは0から255の256個の出力値に正規化されるであろう。オプションのステップ30をそれから行うことができ、そこでは非線形関数(図3を参照して以下に説明する)が正規化累積ヒストグラムに施される。ステップ28では、入力画像のピクセルが(従来のヒストグラム等化およびプラトー等化プロセスにおいて行われるように)正規化累積ヒストグラムをルックアップテーブルとして使って変換されて、出力画像を作成する。オプションで、補間手順(図4を参照して以下で説明する)を使って出力画像を作成するのにステップ32を行うことができる。ステップ28で作成された出力画像はよって、入力画像の所望の領域中の追加の詳細を示すようにエンハンスされている。
図2は、全体的に36で示される、追加の画像エンハンスメントを提供するための本発明のエンハンス自動ゲイン制御(AGC)特徴を示すフローチャートである。上述したように、本発明は、画像中のハイライト、影中の詳細、または平均ピクセル値に基づく入力画像のノーマルなエンハンスメントを強調するべく、入力画像の様々な側面をエンハンスするのに適用することができる。ステップ38では、フレーム(飽和および低いピクセルが含まれる)の平均ピクセル値が予め規定された範囲の外であるかどうかの決定がなされる。12ビットシステムでは、好適な範囲は3より小さいかまたは4000より大きい値を含むことができる。もしポジティブな決定がなされれば、ステップ40が発動され、そこで撮像器のゲインが調節される(例えば、ノーマルなAGC機能について使われるのと同じやり方で)。そうでなければ、ステップ42では、自動ゲイン制御について所望されるエンハンスメントのタイプについて決定がなされる。もしハイライトエンハンスメントが所望されることが決定されれば、ステップ44が発動され、そこで撮像器(例えば、SWIRカメラ、センサ、またはあらゆる他の好適なタイプの装置)のゲインレベルが、入力画像中の飽和ピクセルの数に基づいて設定される。もしノーマルなエンハンスメントが所望されることが決定されれば、ステップ48が発動され、そこで撮像器ゲインレベルが、入力画像中の全てのピクセル、オプションでそれ引く飽和および/または低レベルピクセル、についての平均ピクセル値に基づいて設定される。もし、影エンハンスメントが所望されることが決定されれば、ステップ46が発動され、そこで撮像器ゲインレベルが、入力ヒストグラム(低レベルピクセルは入力ヒストグラム中に表される)のスタートに基づいて設定されて、入力画像の影領域中の詳細を強調する。ステップ状デジタルゲインをステップ52に適用することができるので、撮像器の暗いヒストグラムは追加のヒストグラムbinsをカバーするように拡大されることに注意すべきである。結果は、より高いコントラストの、より満足のいく画像である。下記のように、デジタルゲインは低い明かりモードで増加され、選ばれたAGC方法とは独立である。
一旦所望のエンハンスメントタイプが選択されて撮像器の対応するゲインが調節されると、ステップ49でゲイン調節が必要であるかどうかについての決定がなされる。もしそうでなければ、処理は終了する。もしポジティブな決定がなされれば、ステップ50が起こり、そこで撮像器が既に最大ゲインレベルに調節されているかも知れないにも拘わらず追加のゲインが要求されているかどうかについての決定がなされる。もしポジティブな決定がなされれば、オプションのステップ52が起こり、そこでエンハンスメントパラメータが低い明かりレベル条件について更に調節される。ステップ54では、撮像器のゲインがステップ44、46、または48のいずれかで設定されたか、またはオプションのステップ52で変更されたゲインレベルに調節される。
オプションのステップ56では、入力画像の所望の数のフレームについての平均AGCパラメータが決定され、望まれるとおりに調節されることができる。そのような特徴は、入力画像の特定の数のフレームに渡って追加されたエンハンスメントを提供するべく、図2に示す他のプロセスと一緒に動作することができる。図2に示すエンハンスAGC処理は、上述した図1に示す処理とは独立に、またはそれと一緒に、採用されることができることにも注意すべきである。
本発明のゲイン調節特徴は、およそ2.2のステップでのゲイン変化を許容する。撮像器の様々な電気的パラメータを設定するのに、各ゲイン範囲(動作設定または「OPR」)についてルックアップテーブルを使うことができる。もしAGCパラメータがnフレームに渡って平均化されているときにゲインが変更されると、平均化器の出力は、ステップゲイン変化に応答して直ちに変化はしない。よって、平均化器の出力において変化が現れるまで本発明がゲインを変更し続けて、AGCがオーバーシュートして探し回るか振動することを引き起こしてしまうことが可能である。本実施形態では、例えば、カメラは毎秒60フレーム(32フレームについて約0.5秒)で働き、AGCアルゴリズムは0.1秒毎に働く。この可能性に対処する一つの解決策は、ゲイン変化の後でAGCサンプルレートを低下させて、その出力を検査する前に変化が平均化器に渡って伝播するのを待つことである。
本発明のAGC特徴は、出力画像で直ちに利用可能である連続的ゲイン調節を提供するべく、1から32フレームの平均AGCデータへの「ボックスカー平均化器」の組み入れによって増大されることができる。ボックスカー平均化器は、全てのデータストリームについて共通のタイミング方式を含む。ボックスカー平均化器は、以下のステップで実装することができる:(1)ゲイン変化の後で、電気的調節が落ち着くまで第一の所定の期間(例えば、AGC周期当り0.1秒)待つ;(2)カメラハードウェアが新たなゲイン設定で少なくとも一つの新たなフレームを取得するまで第二の所定の期間(例えば、1/60秒)待って、新たなAGCパラメータを計算する;(3)新たなAGCパラメータを格納する(即ち、全てのボックスカーを新たなAGCパラメータで「満たす」);(4)ノーマルなボックスカー動作とノーマルなAGC計算を再開する。そのような実装は、32フレーム平均化で動作されたときに、振動無しで、出力画像に素早く実装されることができるゲイン変化に結果としてなることが見出されている。
図3は、図1のオプションの非線形演算ステップ30をより詳細に示すフローチャートである。オプションの非線形演算は、入力画像の追加のエンハンスメントを提供する。ステップ62では、正規化累積ヒストグラムが生成される。そして、ステップ64では、正規化累積ヒストグラム中の各binに含まれるデータの平方根が計算されて(XP演算子)正規化累積ヒストグラムに施され、累積ヒストグラムが再正規化される。ステップ66では、結果として得られる正規化累積ヒストグラムにramp関数(n+bin/[最高bin])/(n+1)、ここでbinは現行binを表し、最高binはヒストグラム中の最高binを表す、が掛けられる。ステップ64の平方根演算は、明るい光源が存在するときに画像の増加された詳細に結果としてなることが見出されている。勿論、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、あらゆる他の好適な線形または非線形演算を採用することができる。例えば、平方根処理関数は、n0.5からnp、ここでpはユーザによって指定された値である、に一般化することができる。0.5以外のp値でもっていくつかのシーンがより良く見えることが見出されている。また、(n+sin[π/2*bin/[最高bin]]/(n+1)のsin処理関数をステップ64で施すことができる。ステップ66でramp関数を使うことは、ベールをかけるぎらつき、即ち、レンズエレメントの表面間およびレンズの胴体の内部の反射によって引き起こされる光学システム中の迷光、が存在するときの動作を改善することが見出されている。しかも、上述した平方根およびsin演算の所にユーザ規定されたルックアップテーブルを施すことができる。
図4は、図1のオプションの補間ステップ36をより詳細に示すフローチャートである。補間プロセスは、正規化累積ヒストグラムが入力画像中に実際に存在するピクセルレベルの数よりも少ないbinを含むときに起こることがある量子化効果(即ち、勾配画像をより少ない数の強度または値をもつ画像に変換するときの「輪郭化」または詳細の損失)を削減するのに使うことができる。補間プロセスは、コントラストストレッチングのような他の原因から引き起こされる輪郭化を削減するのに使うこともできる。ステップ72では、与えられたピクセル値(例えば、正規化累積ヒストグラム中の最初のbin)が2nのbinディバイダー、ここでnは所望の数のbinsを作り出す整数値を表す、で割られる。例えば、12ビットピクセル(4096レベル)とn=4(2n=16)であると、binsの数は256(212/24=28)である。2nのbinディバイダーは、コンピューティングハードウェアを使って容易に決定されることが見出されているが、勿論あらゆる他の好適なbinディバイダー値を使うこともできる。ステップ72の出力は、結果と余りを作り出し、それらはn箇所分の右シフトを表す。ステップ74では、ピクセル値と、対応ヒストグラム中の差と、差binsを取り出すのに右シフトが使われる。例えば、もしピクセル値が46であれば、46/16の結果は2であり、余りは14である。正規化累積ヒストグラムのbin2についての対応するピクセル値(例えば、200)が取り出されるであろう。12ビット出力ピクセルの最上位ビット(MSBs)は200*16=3200である。そして、ステップ76では、次に高いbin(即ち、隣接するbin)についてのピクセル値が取り出される(例えば、232の値を持ち得るbin3)。bin(200の値をもつbin2)に対応するbin値と次に高いbin(232の値をもつbin3)の間の差か計算され(232−200=32)、差に余りが掛けられて、12ビット出力ピクセルの最下位ビット(LSBs)を計算する(32*14=448)。補間された12ビット出力ピクセル値はこれら2つのステップの和であろう(3200+448=3648)。結果として得られる補間されたbin(ピクセル)値は、実際のピクセル値として使われることができ、エンハンス出力画像中に含まれることができる。数学的には、計算は、(bin1+(bin2−bin1)*余り/binディバイダー)*binディバイダー=bin1*binディバイダー+(bin2−bin1)*余り、と表現することができる。
本発明の補間プロセスは、2つのルックアップテーブルを使って有利に実装することができ、ここで第一のルックアップテーブルは入力画像に対応する累積ヒストグラムデータを含み、第二のルックアップテーブルは第一のルックアップテーブル中のエントリー間の差を含む。差計算は、リアルタイムで計算することの必要を避けるように、テーブルが作り出されるにつれて行われることができる。もし入力画像の各ピクセルが長さ12ビットであれば、最上位8ビットがルックアップテーブルのためのルックアップキーとして使われるであろう。最下位4ビットに比例する数が、最上位8ビットに足されて、補間された12ビットピクセルに結果としてなる。これは数学的には以下のように表現することができる:補間された出力ピクセル値=(8ビット累積ヒストグラムbin値)*binディバイダー+(入力ピクセルの最下位4ビット)*差。小さい数のbins、例えば64については、多くの観察された状況において補間が出力画像を改善したことが見出されている。256binsについては、より少ない観察された状況において補間がまた画像を改善した。
図5a−5gは、本発明によって実装することができる可変ヒストグラムプラトーを描いたサンプルヒストグラムを描写する。有利なことに、本発明は、入力画像の所望の側面をエンハンスするべく、様々な形の多数のプラトーが規定されて入力ヒストグラムをクリップするのに利用されることを許容する。
図5aは、本発明がヒストグラムbinsに跨って水平プラトー84を実装するサンプルヒストグラムを描写する。水平プラトー84は、技術分野で既知の従来のプラトー等化を許容し、そこではbinsがプラトー84においてクリップされる(即ち、図5aにbinsの斜線部分によって描かれているように、プラトー84より上のピクセル頻度はプラトー84に引き下げられる)。有利なことに、一旦クリップされたヒストグラムを使って出力画像が生成されると、本発明のエンハンスAGC機能もまた施されて、本発明によって実装されたヒストグラムプラトーのタイプに関係なく、追加のエンハンスメントを提供することができる。
図5bは、本発明がヒストグラムbinsに跨って傾斜したまたは「先細りした」プラトー88を実装するサンプルヒストグラムを示す。傾斜したプラトー88は照明がシーンからシーンへ変化する画像の良いエンハンスメントを作成することが見出されている。図5cに示すように、オプションのオフセット92を設けることができ、そこでは傾斜したプラトー88はオフセット92において始まる。また、オプションの入力フロア93を含めることができ、そこでは全てのbinsについて予め規定された閾値の最小bin値が確立される。図5dに示すように、プラトー88は、最大閾値102とオフセット92と最大閾値102の平均を表す中点100との間に実装することができる。(図5cと5dに示されるプラトー88のような)オフセットされ先細りしたプラトーは、(図5bに示されるプラトー88のような)ヒストグラム全体に施された先細りしたプラトーよりも、より良い画像エンハンスメントに結果としてなることが見出されている。加えて、図5b−5dに示す先細りしたプラトーは、高い輝度レベルを減衰しながら低い輝度レベルを有するピクセルの強調に結果としてなることが見出されている。
図5eに示されるように、本発明は、マルチレベルプラトー108が確立されることを許容し、そこではマルチレベルプラトー108は、高いプラトー領域110、第一の遷移点112、先細りしたまたは傾斜したプラトー領域114、第二の遷移点116、低いプラトー領域118を含む。そのような配置では、入力画像の暗い領域は、画像の明るい領域の犠牲によってエンハンスされる。図5fに示されるように、マルチレベルプラトー122が低いプラトー領域124、第一の遷移点126、傾斜したまたは先細りした領域128、第二の遷移点130、高いプラトー領域122を有して作成されるように、マルチレベルプラトー108の形を変更することができる。この配置では、入力画像の明るい領域は、画像の暗い領域の犠牲によってエンハンスされる。更に、図5gに示されるように、入力画像中の暗い領域をエンハンスする第一のまたは「暗い」プラトー134と、入力画像の明るい領域をエンハンスする第二のまたは「明るい」プラトー136を含んだ、2つのプラトーを作成することができる。暗いプラトー134と明るいプラトー136の間の遷移は、図5dに示す中点100のようなオフセットと最大値の間の中点において起こることができる。あらゆる所望のサイズまたは形のあらゆるプラトーを、本発明の精神または簡易を逸脱することなく実装することができるということが理解されるべきである。
図5a−5gに示されたもののような本発明によって実装されることが可能な様々なプラトーは、ユーザによって望まれるエンハンスメントのタイプに基づいて、好適な画像処理システムによって自動的に計算されて実装されることができる。例えば、もし画像中の暗い領域のエンハンスメントが望まれれば、図5gに示したプラトーに似たプラトーが自動的に計算されることができ、画像についての入力ヒストグラムがプラトーにおいてクリップされる。しかも、シーン明かりレベルの変化を含むがそれに限定されない変化するシーン条件に基づいて、異なるプラトーが自動的に実装されることができる。
図6a−6bは、本発明の画像エンハンスメント方法の結果を描いた写真であり、そこでは明かりに照らされたシーン中で影の詳細がエンハンスされている。図6aは、元の入力画像を示し、そこではデスクランプが点けられている。描写の目的で、ボックス140内部の影領域が示されている。図6bは、入力画像に対応する、本発明の画像エンハンスメント方法によって生成された出力画像を示す。容易に見て取れるように、処理画像のボックス140中に相当量の追加の詳細を見ることができ、その詳細はそうでなければ元の画像では見えないものである。図6bに示す画像は、上述したヒストグラムスタートAGC方法と平方根後処理と共に図5gに示されここに記載されたプラトーに近似した形を有するプラトーを使って作成された。
図7a−7bは、本発明の画像エンハンスメント方法の結果を描いた写真であり、そこではノーマルな明かりレベル(デスクランプは消えている)を有するシーン中で影の詳細がエンハンスされている。図7aは、元の入力画像を示す。描写の目的で、ボックス142内部の影領域が示されている。図7bは、入力画像に対応する、本発明の画像エンハンスメント方法によって生成された出力画像を示す。容易に見て取れるように、処理画像のボックス142中に相当量の追加の詳細を見ることができ、その詳細はそうでなければ元の画像では見えないものである。図7bに示す画像は、上述したヒストグラムスタートAGC方法と平方根後処理と共に図5gに示されここに記載されたプラトーに近似した形を有するプラトーを使って作成された。
図8a−8bは、本発明の画像エンハンスメント方法の結果を描いた写真であり、そこでは画像の明るい領域のエンハンスメントが提供されている。図8aは、晴れた日に撮られた駐車場の画像であり、画像は非常に明るい領域を含む。図8bは、図8aの画像に施された本発明の明るさエンハンスメントの結果を示す。容易に見て取れるように、元の画像(図8a)では見えない相当量の詳細が、エンハンス画像(図8b)でははっきりと見ることができる。図8bに示す画像は、上述した飽和ピクセルAGC方法と平方根後処理と共に図5gに示されここに記載されたプラトーに近似した形を有するプラトーを使って作成された。
図9は、全体的に200で示された、短波長赤外線(SWIR)カメラのブロック図であり、それは本発明の画像エンハンスメント機能を含む。本発明は、あらゆる好適な撮像装置および画像処理電子機器に実装することができる。カメラ200は、撮像すべきシーンからのSWIR光210を受け取るインジウムガリウム砒素(InGaAs)焦点面アレイ212を含む。コンディショニングモジュール214は、焦点面アレイ212からの生のアナログビデオ(画像)を受け取り、反転、ゲイン調節、直流(DC)シフティングのような、数々の調節を生のアナログビデオ信号に実施する。条件アナログビデオ信号はそれからアナログ−デジタル(ADC)変換器16によって処理されて、デジタルデータバッファ218に送られる生のデジタルビデオ信号を作成する。生の信号はそれから一つ以上の画像処理モジュール220、222、224、226、228、230によって処理され、それらの各々はユーザによって選択的に調節および/またはスイッチ切り替えされることができる。モジュール220はピクセルオフセット値を調節し、ユーザによって選択的にオンにしたりオフにしたりされることができる。モジュール222は、ピクセルゲイン値を調節し、それもまたオンにしたりオフにしたりされることができる。モジュール224と230は、画像中の悪いピクセルの交換を許容し、その特徴はユーザによって選択的に起動されることができる。モジュール226は、画像のピクセルに施されるべきグローバルオフセット値を許容し、その値はユーザによって設定されることができる。モジュール228は、画像に施されるべき固定のゲインを許容し、そのゲイン値はユーザによって指定されることができる。
エンハンスメント制御モジュール234とコントラストエンハンスメントモジュール236は、画像の可変プラトーヒストグラム処理を実装するここに記載される処理ロジックを含む。エンハンス画像は、フレーム統計平均化器モジュール250に加えて、テストパターンおよびスタンプ挿入モジュール238に送られる。フレーム統計平均化器モジュール250は、統計制御モジュール248からの情報を受け取り、それはユーザに自動ゲイン制御(AGC)が施されるべきフレームを指定することを許容する。AGCモード選択モジュールとAGCモジュール252は、エンハンスAGC機能を実装するここに記載される処理ロジックを含む。
テストパターン/スタンプ挿入モジュール238は、テストモード制御モジュール240からのテストモード信号を受け取り、それはユーザにテストパターンをビデオストリーム中に挿入するかどうかを指定することを許容する。オプションのビデオルックアップモジュール244では、ガンマ訂正等のようなオプションの画像訂正機能を行うために、ルックアップテーブルを使って入力画像を変換することによってカメラ200の出力画像を作成するのにルックアップテーブルを利用することができる。出力画像はそれからビデオデュアルポートメモリ262に格納され、その後アナログビデオ信号に変換して戻すためのデジタル−アナログ(DAC)変換器264に送られる。アナログビデオ信号は、複合同期調節266を使って調節することができ、その上で調節信号はそれから使用のために利用可能となる。
カメラ200は、図9に示すビデオ処理チェーンに沿った所望の位置に対応する所望のデジタル信号を選択することをユーザに許容するためのデジタルデータソースセレクタ256を含む。例えば、ユーザは、生のデジタルビデオ(図9中の「RAW」)出力、訂正デジタルビデオ(図9中の「CORR」)出力、エンハンスデジタル出力(図9中の「ENH」)、テストパターンビデオ(図9中の「PAT」)出力、ルックアップテーブル(図9中の「LUT」)出力の間で選択することができる。所望のデジタル出力は、低電圧差動シグナリング(LVDS)チャネルリンク直列化器260に送られる。その上でデジタル信号は使用のために利用可能となる。直列化器260は、Automated Imaging Association(AIA)によって発行されたCAMERA LINK標準に適合するNational Semiconductor Inc.によって製造された好適な直列化器からなることができる。
本発明の画像エンハンスメント方法(および、特に、可変ヒストグラムプラトー特徴)は、様々なカメラデザインおよび変化する環境条件に応答して自動的に調節されることができる。例えば、時間に渡る観察の対象であるシーン中で輝度レベルが低下するにつれて、本発明は変化する明かりレベルを補償するようにカスタム化された複数のヒストグラムプラトー(各々はあらゆる所望の形またはサイズ)を自動的に生成することができる。よって、例えば、薄暗い条件が検出されたときには、従来のヒストグラムまたはプラトー等化処理が実装されることができ、そこでは本発明の後処理(例えば、xpとramp非線形プロセス)は無力化されて、直線プラトーが規定されて実装される。更に、一つ以上のユーザ規定のプラトーおよび/または後処理設定が望まれる通りにプログラムされて実装されることができる。
もし本発明が、複数の撮像システムとインターフェースすることが可能なスタンドアローンシステムに実装されれば、そのようなシステムは複数のプラトーでもってプログラムすることができ、それらの最適な一つが特定のカメラタイプまたは製品について自動的に選択されることができる。しかも、本発明は、カメラそのもの内の光学的条件を観察する一つ以上のセンサと共に動作するように適応されて、エンハンスメント方法がそのような条件に適合するよう動的に適応されるようにすることができる。
よって発明を詳細に記載したが、先の記載はその精神および範囲を限定することを意図されていないことが理解されるべきである。特許によって保護されることが望まれるものは添付の請求項に述べられる。