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JP2010505019A - 水性2成分または多成分エポキシ樹脂プライマー組成物 - Google Patents

水性2成分または多成分エポキシ樹脂プライマー組成物 Download PDF

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JP2010505019A JP2009529708A JP2009529708A JP2010505019A JP 2010505019 A JP2010505019 A JP 2010505019A JP 2009529708 A JP2009529708 A JP 2009529708A JP 2009529708 A JP2009529708 A JP 2009529708A JP 2010505019 A JP2010505019 A JP 2010505019A
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Abstract

本発明は、第一の成分、第二の成分、および、任意の少なくとも1つの追加の成分を含む2成分または多成分水性エポキシ樹脂プライマー組成物に関する。第一の成分、少なくとも水、および、エポキシ樹脂Aを含み、第2の成分は、少なくとも1つのポリアミンBを含む。組成物は、また、カーボンブラック、および/または、少なくとも1つのエポキシシランES、および/または、少なくとも1つのエポキシシロキサンESx、および/または、少なくとも1つのアミノシランAS、および/または、少なくとも1つのアミノシロキサンASx、および/または、少なくとも1つのメルカプトシランMSを含む。水性エポキシ樹脂プライマー組成物は、様々なベースにおいて、吸湿硬化ポリウレタン接着剤または封止剤の接着を向上する。

Description

本発明は、2成分または多成分水性エポキシ樹脂プライマー組成物の分野に関する。
プライマーは既に長きに亘り、接着剤、および、封止剤の様々な基板への接着の向上のために用いられてきた。エポキシ樹脂組成物は、非常に幅広い種類の基板に対して、比較的良好な接着範囲を有することが知られてきた。故に、かなりの長きに渡り、エポキシ樹脂組成物はプライマーとして知られている。これらのエポキシ樹脂プライマーはエポキシ樹脂に基づいており、1成分組成物であり、典型的には溶媒を含む。通例、これらのプライマーは、溶媒の蒸発によりポリマーフィルムを形成することにより、物理的に硬化する。
しかし、特にポリウレタン接着剤に関しては、純粋に物理的手段により硬化するこれらのプライマーは多くの欠点を有する。
樹脂成分およびアミン成分を有する2成分エポキシ樹脂組成物は、既に長きに亘り、接着剤およびコーティングとして使用されてきた。溶媒の使用の問題、特に、VOC(揮発性有機化合物)に関する規制のために、市場は、職業的衛生および安全性の観点から、次第に、溶媒を含まないプライマーを要求する傾向にある。しかし、この種のプライマー系は配合が難しい。
エポキシ樹脂成分と、ポリアミド成分から構成される2成分水性組成物は、すでに、コーティング、または、エポキシ樹脂セメントモルタル組成物の一部として、例えば、欧州特許出願0567831号に開示される通り、使用されている。これらは、また、エポキシ樹脂接着剤またはエポキシ樹脂コーティングと、コンクリートの結合またはコーティングのためのプライマーとしても用いられる。
しかし、今まで、この種の2成分水性プライマー組成物は、多くの場合、特に、高温多湿条件での貯蔵後の適切な接着性に欠けるため、長年に亘り、吸湿硬化接着剤のためのプライマーとしては用いられたことはなかった。
欧州特許出願0567831号明細書
故に、本発明の目的は、吸湿硬化ポリウレタン接着剤の向上した接着を可能とし、とりわけ、高温多湿条件での貯蔵後の接着を向上させる水性エポキシ樹脂プライマー組成物を提供することである。
驚くことに、この目的は、請求項1に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物により達成されることが分かった。
とりわけ、接着は、カーボンブラック、および/または、エポキシシラン、および/または、エポキシシロキサン、および/または、アミノシラン、および/または、アミノシロキサン、および/または、メルカプトシランの添加により大きく向上することが分かった。
追加として、特に、固体エポキシ樹脂を有するプライマー組成物が、著しい向上に至ることが分かった。
本発明のさらなる態様は、これらの2成分または多成分水性プライマー組成物の、ポリウレタン接着剤、および/または、ポリウレタン封止剤のためのプライマー組成物としての使用、並びに、接着性結合または封止の方法、および、結果として得られる物品を含む。
好ましい実施態様は従属請求項の発明特定事項として記載される。
本発明は、第一の成分K1、第二の成分K2、および、必要に応じ、少なくとも1つの追加の成分から構成される2成分または多成分水性プライマー組成物に関する。
成分K1は、少なくとも水、および、エポキシ樹脂Aを含む。
成分K2は、少なくとも1つのポリアミンBを含む。
2成分または多成分水性プライマー組成物は、エポキシシランES、および/または、エポキシシロキサンESxが存在する場合には、これ/これらは、任意に存在するアミノシランAS、および/または、アミノシロキサンASxと同じ成分中に存在しないという条件の下、カーボンブラック、および/または、少なくとも1つのエポキシシランES、および/または、少なくとも1つのエポキシシロキサンESx、および/または、少なくとも1つのアミノシランAS、および/または、少なくとも1つのアミノシロキサンASx、および/または、少なくとも1つのメルカプトシランMSをさらに含む。
エポキシ樹脂Aは好ましくは分子当たり1より多いエポキシ基を含み、好ましくは、液体エポキシ樹脂または固体エポキシ樹脂である。用語「固体エポキシ樹脂」は、エポキシについての当業者には非常によく知られており、「液体エポキシ樹脂」に対比して用いられる。固体樹脂のガラス転移温度は室温より高い、すなわち、室温においても自由に流動する粉末である。
好ましい液体エポキシ樹脂は、以下の式(IX)を有する
Figure 2010505019
この式において、置換基R’およびR’’は、お互いに独立して、HまたはCHのいずれかを表す。さらに、指数sは、0から1の値を表す。好ましくは、sは0.2未満の値を表す。
これらは、故に、好ましくは、ビスフェノールA(DGEBA)、ビスフェノールF、および、ビスフェノールA/F(記号「A/F」は、ここで、その調製において用いられる反応物である、ホルムアルデヒドとアセトンの混合物を示す。)のグリシジルエーテルである。この種の液体樹脂は、例えば、Araldite(登録商標)GY 250, Araldite(登録商標) PY 304, Araldite(登録商標)GY 282 (Huntsman)、または、D.E.R.(登録商標)330若しくはD.E.R.(登録商標)331 (Dow)、または、Epikote 828 (Resolution)として利用可能である。
好ましい固体エポキシ樹脂、は以下の式(X)を有する
Figure 2010505019
この式において、置換基R’’’およびR’’’’は、お互いに独立して、HまたはCHのいずれかを表す。さらに、指数rは、1.5>rである値を表し、好ましくは、2から12の値を表す。
この種のエポキシ樹脂は、純粋な固体または水性分散物として、例えば、Dow社、または、Huntsman社、または、Resolution社から商業的に入手可能である。
より好ましくは、エポキシ樹脂Aは固体エポキシ樹脂Aである。固体エポキシ樹脂は、液体エポキシ樹脂に対して、以下の大きな利点を有する、すなわち、固体エポキシ樹脂を用いて製造された2成分または多成分水性プライマー組成物は、顕著により速くべとつきを有さなくなる。そして、この利点は、もちろん、プライマーの適用と、プライマーへの接着剤または封止剤の適用との間の待ち時間を大幅に短縮することを可能とするため、そのプライマーとしての利用のための実質的な利点である。
第1に、さらに適切なエポキシ樹脂Aは、N-グリシジル基を有するエポキシ樹脂、例えは、以下の式:
Figure 2010505019
を有するものであって、Huntsman社によるAraldite(登録商標)MY 721, MY 722, MY 720, MY 9512, 若しくは, MY 510、または、Shell社によるEpon HPT 1072として商業的に利用可能である形態にあるものである。
第2に、さらに適切なエポキシ樹脂Aは、脂肪酸グリシジルエーテルに基づくものであり、例えば、以下の2つの式のエポキシ樹脂を含む。:
Figure 2010505019
[式中、Raは、直鎖または分枝を有するアルキル基であって、とりわけ4〜8のC原子を有するものを表す]
さらに、さらに適切なエポキシ樹脂Aは、以下の式を有するエポキシ樹脂Aである。:
Figure 2010505019
[式中、R1は、Hまたはメチルであり、zは0〜7である]
とりわけ、これらは、フェノールまたはクレゾールノボラックである(R2=CH2)。
この種のエポキシ樹脂は、Huntsman社より、商標EPNまたはECN、および、Tactix(登録商標) 556として商業的に入手可能であり、様々なEPNおよびECNの等級もまた、Huntsman社から水中の分散物として提供される。
追加として、さらに適切なエポキシ樹脂Aは、グリシジルエーテルであって、例えば、Aralite(登録商標)PT190またはPY184であって、Huntsman社からのものである。
最も適切であると証明されたエポキシ樹脂Aは、固体ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂であって、とりわけ、700と750g/eqの間のエポキシ等量(EEW)を有するものである。
第一の成分K1における重量の比率としてのエポキシ樹脂Aの割合は、好ましくは、80〜30重量%、とりわけ、65〜50重量%である。
第一の成分K1はさらに水を含む。水は既知の方法でエポキシ樹脂Aと混合され、適切な場合には、さらに、第一の成分の構成成分と混合される。使用されるエポキシ樹脂に依存して、エマルションまたは分散物が形成される。分散物が好ましく用いられる。この種のエポキシ樹脂分散物は、とりわけ、エポキシ樹脂Aが固体エポキシ樹脂Aであり、1μm未満、より好ましくは0.25μmと0.75μmの間、さらには、0.4μmと0.6μmの間の体積平均径を有することが好ましいことが分かった。
当業者にとって、商業的に利用可能なエポキシ樹脂エマルションまたはエポキシ樹脂分散物も同様に、成分K1またはその一部として使用されることは明らかである。さらに好ましいのは、Cognis社より、Waterpoxy(登録商標)1422、または、Air Products社より、Ancarez 550(登録商標) AR 550 水性エポキシ樹脂として販売される種類のエポキシ樹脂分散物である。
所望であるなら、引き続いて、成分K1の追加の成分をこのエポキシ樹脂エマルションまたは分散物と混合することも可能である。
適切である場合には、第一の成分K1が、さらなる構成成分であって、既に、当業者が水性エポキシ樹脂エマルションまたは分散物の調製するために用いるのに既知であるもの、例えば、溶媒、乳化剤、共乳化剤、消泡剤、殺虫剤、色素、充填剤、反応賦形剤、または触媒を含むことが必要であるか、または、有利である。
第一の成分K1における重量の比率としての、水の割合は、好ましくは20〜70重量%、とりわけ、35〜50重量%である。
成分K1は、特に、25℃において、Broookfield法による測定により、50mPaと8000mPasの間、好ましくは、90mPaと6000mPasの間、とりわけ、90mPaと1000mPasの間の粘度を有する。
第二の成分K2は、少なくとも1つのポリアミンBを含む。ポリアミドは、常に、複数のアミノ基、つまり、2以上のアミノ基を有する。ポリアミンBは、とりわけ、反応生成物であり、さらにとりわけ、アミドアミン、ポリアミド、またはエポキシ樹脂/ポリアミン付加物である。
第一の実施態様においては、ポリアミンBはアミドアミンである。例えば、これらは、カルボン酸とポリアミンの縮合生成物である。一つの可能性としては、脂肪酸とポリアルキルアミンのモノアミドである。
第二の実施態様においては、ポリアミンBはポリアミドである。これらのポリアミドは2つ以上のアミド基と2つ以上のアミノ基を同時に含む。一つの可能性としては、ポリカルボン酸と、ポリアミンの縮合生成物である。
第三の実施態様においては、ポリアミンBはエポキシ樹脂/ポリアミン付加物である。この種のエポキシ樹脂/ポリアミン付加物は、例えば、当業者にとって既知である、多くの考えられるポリアミンとポリアミンから得られ、とりわけ、ビスフェノールAジグリシジルエーテルから得られる。この目的のために好ましいポリアミンは、エチレンジアミン、ポリエチレンジアミン、または、ポリオキシアルキレンジアミン若しくはトリアミンであり、とりわけ、Huntsman社により、Jeffamine(登録商標)の名称で販売される種類のものである。特に、反応生成物は、ビスフェノールAおよび/またはビスフェノールFのジグリシジルエーテルと、ポリオキシアルキレンジアミンまたはポリオキシアルキレントリアミン、とりわけ、ポリオキシアルキレンジアミンの反応生成物であることが望ましい。1つの特に適切なエポキシ樹脂/ポリアミド付加物は、欧州特許出願0567831号明細書に記載されるものであり、ビス(ジアミン)−ジエポキシ付加物として名付けられるものである。
第二の成分K2における重量の比率としての、ポリアミンBの成分は、典型的には、5〜90%であり、好ましくは、5〜70%、とりわけ、10〜60%である。
さらに、もし第二の成分K2が水を含むなら、典型的には20〜95重量%、好ましくは、20〜70重量%、とりわけ、35〜50重量%の量を含むことが有利である。
当業者にとって、商業的に利用可能な水性ポリアミンも成分K2またはその一部として用いられることは明らかである。とりわけ、販売される種類のポリアミンであって、例えば、Cognis社より、Waterpoxy(登録商標)751として、または、Air Products社より、商品名Anquamine(登録商標)の系列として販売されるもの、とりわけ、Anquamine(登録商標)419、若しくは、Anquamine401(登録商標)が好ましい。
適切な場合には、第二の成分K2が、さらなる構成成分であって、既に、当業者にとって水性ポリアミン組成物の調製のために既知であるもの、例えば、溶媒、乳化剤、共乳化剤、消泡剤、殺虫剤、色素、充填剤、または触媒を含むことが必要であるか、または、有利である。
特に、乳化剤、および、共乳化剤が有利に使用され、ある実施態様においては、欧州特許出願0567831号明細書において、ビス(ジアミン)−ジエポキシ付加物として名付けられるエポキシ樹脂/ポリアミン付加物のポリアミンBが使用される。第二の成分K2がポリオキシアルキレンジアミン構造を有する乳化剤、および/または、ポリ(アルキレン)ポリアミン構造を有する共乳化剤を含むことが有利である。
1の好ましい実施態様においては、第一の成分K1、および/または、第二の成分K2は、少なくとも1つの乳化剤、および/または、界面活性剤を含む。
さらに好ましい実施態様においては、エポキシ樹脂Aは、第一の成分K1中の水中における分散物として存在し、かつ、ポリアミンBは、第二の成分K2中の水中におけるエマルションまたは分散物として存在する。
水性ポリマー組成物は、さらに、カーボンブラック、および/または、少なくとも1つのエポキシシランES、および/または、少なくとも1つのエポキシシロキサンESx、および/または、少なくとも1つのアミノシランAS、および/または、少なくとも1つのアミノシロキサンASx、および/または、少なくとも1つのメルカプトシランMSをさらに含む。
特に、産業的に製造されるカーボンブラックがより好ましい。
本書類において、用語「シラン」は、より狭い意味での有機シロキサン化合物であって、一方では、少なくとも1つ、典型的には2つまたは3つの加水分解可能な基、とりわけ、アルコキシまたはアシロキシ基が珪素原子に(Si-O結合を介して)結合した化合物、および、もう一方で、珪素原子に(Si-C結合を介して)直接結合した少なくとも1つの有機基を含む化合物を意味する。加水分解可能な基を含むシランは、水分に接触して加水分解をする特性を有する。このことにより、有機シラノール、すなわち、1以上のシラノール基(Si-OH基)を含む珪素−有機(silico-organic)化合物が形成される。当業者にとって、慣習として、シランには常に、加水分解され、または、部分的に加水分解されたシラン、すなわち、シラノールが存在することが知られている。従って、本明細書においては、シラノールはまた、広い意味での「シラン」と考えられる場合もある。従って、本明細書における、広い意味での「シラン」は、一方では、少なくとも1つ、習慣的には2つまたは3つの加水分解可能な基、とりわけ、アルコキシもしくはアシロキシ基または水酸基が、珪素原子に(Si-O結合を介して)結合した有機珪素化合物、および、もう一方で、珪素原子に(Si-C結合を介して)直接結合した少なくとも1つの有機基を含む有機珪素化合物を意味する。
続いて起こる縮合反応の結果、シロキサンはシランから形成され、これらのシロキサンは1以上のシロキサン基(Si-O-Si結合)、および、直接珪素にSi−C結合で結合した少なくとも2つの有機基を含む珪素−有機(silico-organic)化合物である。
エポキシ基は、オキシラン構造要素、すなわち、
Figure 2010505019
を有する。
「アミノシラン」、「メルカプトシラン」、および、「エポキシシラン」は、それぞれ、その有機基が少なくとも1つアミノ基、メルカプト基、またはエポキシ基を含むシランである。「アミノシロキサン」、および、「エポキシシロキサン」は、それぞれ、その有機基が少なくとも1つのアミノ基、または、少なくとも1つのエポキシ基を含むシロキサンである。
本明細書におけるアミノ基とは、第一級、第二級、および第三級アミノ基と考えられる。
エポキシシランESはエポキシ基を有する。2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、および、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランがエポキシシランの例である。
エポキシシランESの追加の例は、グリシジル基を含むエポキシシランである。
好ましくは、エポキシシランESは、式(I)
Figure 2010505019
を有する。
この式において、R1は、1〜6のC原子を有する直鎖または分枝を有するアルキレン基、とりわけ、プロピレンである。
さらに、R2はHまたは1〜4のC原子を有するアルキル基、またはアシル基、および、R3はHまたは1〜10のC原子を有するアルキル基であり、最後に、aは0,1または2である。
もし、R2がアシル基ならば、アセチル基が好ましい。R2は好ましくはメチルまたはエチルであり、最も好ましくはメチルである。好ましくはaは0であり、もし、aが1または2なら、R3はメチルが好ましい。
最も好ましいエポキシシランESは、3-グリシジルオキシ-プロピルトリエトキシシラン、および、3-グリシジルオキシ-プロピルトリメトキシシラン、とりわけ、3-グリシジルオキシ-プロピルトリエトキシシランである。
アミノシランASは、好ましくは、少なくとも1つの第一級および/または第二級アミノ基を含む。好ましくは、アミノシランは、少なくとも1つの第一級アミノ基を含む。とりわけ好まれるのは、式(II),(III),または(IV):
Figure 2010505019
のアミノシランASである。
この式において、R4は、1〜6のC原子を有する直鎖または分枝を有するアルキレン基、とりわけ、プロピレンである。
さらに、R5はHまたは1〜4のC原子を有するアルキル基、またはアシル基であり、および、R6はHまたは1〜10のC原子を有するアルキル基であり、最後に、bは0,1または2である。
もし、R5がアシル基ならば、アセチル基が好ましい。R5は好ましくはメチルまたはエチルであり、最も好ましくはメチルである。好ましくはbは0であり、もし、bが1または2なら、R6はメチルが好ましい。
この種のアミノシランASの例としては、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシメチルシラン、3-アミノ-2-メチルプロピルトリメトキシシラン、4-アミノブチルトリメトキシシラン、4-アミノブチルジメトキシメチルシラン、4-アミノ-3-メチルブチルトリメトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルトリメトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、2-アミノエチルトリメトキシシラン、2-アミノエチルジメトキシメチルシラン、アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルジメトキシメチルシラン、アミノメチルメトキシジメチルシラン、N-(2- アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、および、珪素上のメトキシ基の代りにエトキシまたはイソプロポキシ基を有するこれらの類似体が挙げられる。
好ましいアミノシランASは、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2- アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、および3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシランである。
最も好ましいアミノシランASは、N-(2- アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランである。
1の実施態様において、アミノシランは、式(II),(III),または(IV)のアミノシランの1つと、少なくとも1つのエポキシシランES、とりわけ式(I)のエポキシシランの反応生成物である。
これらの反応生成物は式(V)のアミノアルコール構造を有する。
Figure 2010505019
前記アミノシランが第一級アミノシランであれば、式(VI)の構造要素がしばしば生じる。
Figure 2010505019
式(V)および(VI)の構造要素が同時に存在してもよい。
これらのアミノシランASの例は式(VII)のものであり、これは式(II)のアミノシランと、式(I)のエポシキキランの可能な生成物である。
Figure 2010505019
メルカプトシランMSは、少なくとも1つのメルカプト基を含む。好ましくは、メルカプトシランは、シランの有機基として、3-メルカプトプロピルを含む。特に好ましいメルカプトシランMSは、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、および、3-メルカプトプロピルトリエトキシシランである。最も好ましいメルカプトシランMSは3-メルカプトプロピルトリメトキシシランである。
アミノシロキサンASxは、特に、アミノシランASと追加のシランの縮合により、少なくとも1つのシロキサン結合の形成と共に調製してもよい。追加のシランはアミノシランASであってもよい。とりわけ、アミノシロキサンASxはアミノ含有シルセスキオキサンである。これらのシルセスキオキサンは、とりわけ、(IXa)、(IXb)、または(IXc)のアミノ含有有機基を含む。
Figure 2010505019
特に好ましいアミノシロキサン、特に、アミノ含有シルセスキオキサンは、一つまたは複数のアミノ基と共に、フェニル基または1〜10のC原子を含むアルキル基、好ましくはメチルであって、SiC結合を介して直接珪素に結合するものを含むものである。
適切なアミノシロキサンASxの追加の例は、Degussa社により、Dynasylan(登録商標)HYDROSIL、特に、HYDROSIL1151、HYDROSIL2775、HYDROSIL2776、HYDROSIL2809、またはHYDROSIL2929として販売される種類のものである。
エポキシシロキサンESxは、特に、エポキシシランESと追加のシランの縮合により、少なくとも1つのシロキサン結合の形成と共に調製してもよい。追加のシランはエポキシシランESであってもよい。
とりわけ、エポキシシロキサンESxはエポキシ含有シルセスキオキサンである。これらのシルセスキオキサンは、とりわけ、式(IXa’)のエポキシ含有有機基を含む。
Figure 2010505019
特に好ましいエポキシシロキサン、特に、エポキシ含有シルセスキオキサンは、一つまたは複数のエポキシ基に加えて、フェニル基または1〜10のC原子を含むアルキル基、好ましくはメチルであって、SiC結合を介して直接珪素に結合するものを含むものである。
適切なエポキシシロキサンESxの1つの例は、Degussa社により、Dynasylan(登録商標)HYDROSIL2926として販売されるものである。
カーボンブラックは、成分K1またはK2の一部であってよく、または、追加の成分、若しくは追加の成分の一部であってよい。カーボンブラックは第一の成分K1の一部でないことが好ましい。これは、カーボンブラックが第一の成分K1の一部である場合、エポキシ樹脂分散物またはエマルションの安定性が悪影響を受けるからことが分かっているからである。好ましくは、カーボンブラックは第二の成分K2の一部である。
エポキシシランES、および/または、エポキシシロキサンESxは、有利なものとしては、第一の成分K1または追加の成分の一部である。しかし、反応が開始してしまうのを防ぐため、この追加の成分はアミノシランAS、および/または、アミノシロキサンASx、および/または、メルカプトシランMSを含まないものでなければならない。
アミノシランASは、成分K1またはK2の一部であってよく、または、追加の成分、若しくは、追加の成分の一部であってよい。安定性の観点より、アミノシランは第一の成分K1の一部でないことが有利である。好ましくは、アミノシランASは第二の成分K2の一部である。
アミノシロキサンASxは、成分K1またはK2の一部であってよく、または、追加の成分、若しくは、追加の成分の一部であってよい。安定性の観点より、アミノシロキサンは第一の成分K1の一部でないことが有利である。好ましくは、アミノシロキサンASxは第二の成分K2の一部である。
メルカプトシランMSは、成分K1またはK2の一部であってよく、または、追加の成分、若しくは、追加の成分の一部であってよい。好ましくは、メルカプトシランMSは第二の成分K2の一部である。
アミノシランAS、および/または、アミノシロキサンASx、および/または、メルカプトシランMSの混合物は、追加の成分、または、追加の成分の一部であることが有利である。
適切な場合には、追加の成分が、さらなる構成成分、例えば、水、溶媒、乳化剤、共乳化剤、消泡剤、殺虫剤、色素、充填剤、または触媒を含むことが必要であるか、または、有利である。
1の実施態様において、2成分または多成分水性プライマー組成物は3成分を含み、第三の成分K3が、カーボンブラック、および/または、エポキシシランES、および/または、エポキシシロキサンESx、および/または、アミノシランAS、および/または、アミノシロキサンASx、および/または、メルカプトシランMSを含む。
追加の実施態様において、2成分または多成分水性プライマー組成物は2成分を含み、アミノシランAS、および/または、アミノシロキサンASx、および/または、メルカプトシランMSは第二の成分の一部である。エポキシシランES、および/または、エポキシシロキサンESxが存在するならば、第一の成分K1の一部に存在する。
2成分または多成分水性プライマー組成物の重量に対する比率としての、カーボンブラックの割合は、有利なものとしては、0〜20重量%、好ましくは、0〜10重量%、とりわけ、3〜10重量%である。
2成分または多成分水性プライマー組成物の重量に対する比率としての、エポキシシランESの割合は、有利なものとしては、0〜5重量%、好ましくは、0〜2重量%、とりわけ、0.5〜2重量%である。
2成分または多成分水性プライマー組成物の重量に対する比率としての、エポキシシロキサンESxの割合は、有利なものとしては、0〜5重量%、好ましくは、0〜2重量%、とりわけ、0.05〜2重量%である。
2成分または多成分水性プライマー組成物の重量に対する比率としての、アミノシランASの割合は、有利なものとしては、0〜5重量%、好ましくは、0〜2重量%、とりわけ、0.5〜2重量%である。
2成分または多成分水性プライマー組成物の重量に対する比率としての、アミノシロキサンASxの割合は、有利なものとしては、0〜5重量%、好ましくは、0〜2重量%、とりわけ、0.05〜2重量%である。
2成分または多成分水性プライマー組成物の重量に対する比率としての、メルカプトシランMSの割合は、有利なものとしては、0〜5重量%、好ましくは、0〜2重量%、とりわけ、0.5〜2重量%である。
有利には、2成分または多成分水性プライマー組成物の重量に対する比率としての、エポキシシランES、および、エポキシシロキサンESx、および、アミノシランAS、および、アミノシロキサンASx、および、メルカプトシランMSの重量の和の割合は、0〜10重量%、好ましくは、0〜5重量%、より好ましくは、0.5〜3重量%である。
2成分または多成分水性プライマー組成物は、任意に存在するエポキシシランES、および/または、エポキシシロキサンESx、および/または、アミノシランAS、および/または、アミノシロキサンASx、および/または、メルカプトシランMS、並びに、加水分解により形成されるアルコールの他には、VOC(揮発性有機化合物)と規定される有機化合物、すなわち、以下のもののいずれか:すなわち、
EU法令2004/42ECに基づき、101.3kPaの標準圧力の下で、250℃以下の沸点を有するもの;
揮発性有機化合物についての課税に関するスイス法令に基づいて、20℃において少なくとも0.1mbarの蒸気圧を有し、1013.25mbarにおいて240℃以下の沸点を有するもの;
を含まないことが有利である。
これらの調製に引き続き、これらの個々の成分は、有利なものとしては、不透過性のパックに詰められる。それぞれが分離して、2以上の成分は保存に際して安定である。保存期間を通じて、温度は出来る限り5℃以下、とりわけ、0℃以下にならないことが確実とするべきである。これらの温度においては、エマルション、および/または、分散物の安定性はもはや確保されない。同様に、温度は60℃以上とするべきではない。
2成分または多成分水性プライマー組成物はプライマーとして、とりわけ、ポリウレタン接着剤、および/または、ポリウレタン封止剤のためのプライマーとして用いることができる。記載される水性接着促進組成物は、とりわけプライマー、好ましくは接着剤または封止剤のためのプライマーとして適切である。これらのプライマーを使用することにより接着性が向上する。
これらの接着性結合または封止の方法は、以下の工程を含む、
i)上述の2成分または多成分水性プライマー組成物の2以上の成分を混合する工程;
ii)混合したプライマー組成物を、結合または封止される基板S1に適用する工程;
iii)プライマー組成物をフラッシュオフ(flash off)する工程;
iv)基板S1上にあるフラッシュオフされた組成物に、接着剤または封止剤を適用する工程;
v)接着剤または封止剤を第二の基板S2と接触させる工程;

または、
i’)上述の2成分または多成分水性プライマー組成物の2以上の成分を混合する工程;
ii’)混合したプライマー組成物を、結合または封止される基板S1に適用する工程;
iii’)接着剤または封止剤を第二の基板S2の表面に適用する工程;
iv’)接着剤または封止剤を、基板S1上にあるフラッシュオフされた組成物に接触させる工程;

または、
i’’)上述の2成分または多成分水性プライマー組成物の2以上の成分を混合する工程;
ii’’)混合したプライマー組成物を、結合または封止される基板S1に適用する工程;
iii’’)プライマー組成物をフラッシュオフする工程;
iv’’)接着剤または封止剤を基板S1およびS2の表面の間に適用する工程;ここで、第二の基板S2は、基板S1と同一かまたは異なる材質により構成されている。
2以上の成分の混合は、様々な方法で行われてもよい。
適切な場合には、フラッシュオフ(flash off)は、上昇した温度、および/または、気体を吹きつけながら、フラッシュオフ時間の短縮に至りうる一定の環境において行われる。
通例、工程v),iv’),またはiv’’)の後に、接着剤または封止剤を硬化させる工程vi)が引き続いて行われる。
混合2成分または多成分水性プライマー組成物は、布、フエルト、ローラー、スプレー、スポンジ、ブラシ、ディップコート等により適用してもよく、手作業またはロボットで行ってもよい。
接着剤と封止剤は非常に類似したものである。両者はその機能を最高に発揮するために、基板に対して良好に接着することを必要とする。しかし、接着材の場合には、接着に対する要求、および、基板と接着剤の間に伝達されなければならない力に関する要求は、封止剤に対するものに比べて一層高い。故に、とりわけ、接着材が好ましい。
接着剤としては、原理的には、いかなる接着剤も使用可能である。最も好ましい接着剤は、水分硬化性接着剤であって、接着剤の硬化が水分、特に、大気の水分で発生するものである。一方、これらは、シラン基末端を有するポリマーであって、当業者にとって「MSポリマー」の名称において知られている種類のものに基づくもの、または、シラン基末端を有するポリウレタンであって、当業者に「SPUR(Silane Terminated Polyurethanes)」の名称において知られる種類のものに基づくものである。しかし、接着における有利な向上は、特に、ポリウレタン接着剤またはポリウレタン封止剤、特に、イソシアネート基を含有するポリウレタンプレポリマーを含むポリウレタン接着剤においてみられる。これらのポリウレタン接着剤は、特に、Sika Schweis AG社により、Sikaflex (登録商標)の名称において、商業的に広く利用されている。
接着剤は典型的には1mmより大きく、好ましくは2と8mmの間の厚みを有する。
基板S1および/またはS2は様々な種類のものであってよい。好ましくは、少なくとも1つの基板、S1またはS2は、無機基板または金属基板である。とりわけ、適切な金属基板は、金属および合金、特に、鋼鉄、アルミニウム、および鉄を含まない合金、並びにこれらの合金である。
適切な無機基板は、コンクリート、モルタル、および煉瓦に加え、とりわけ、ガラスまたはガラスセラミックを含む。
他の非常に適切な基板は、多孔質基板、例えば、木材、または、ポリスチレンであって、特に絶縁板の形態のものである。
必要な場合には、基板は、2成分または多成分水性プライマー組成物、または、封止剤あるいは接着剤を適用する前に、前処理してもよい。これらの前処理は、特に、物理的および/または化学的清浄工程、例えば、研磨、サンドブラスト、ブラッシング等、例えば、洗剤または溶剤での処理を含む。
例えば、塗装された基板、特に自動車のトップコートの場合には、塗布された多成分水性プライマー組成物の上に、塗装への接着のために最適化された追加のプライマーを使用することが有利であってよい。
2成分または多成分水性プライマー組成物は、乗り物の艶出しに特に適している。特に、この用途のために、通常、塗装フランジは塗装プライマーで前処理される一方で、ガラスシートは、少なくとも、通常ガラスセラミックが塗布されるそのシートの端部において2成分または多成分水性プライマー組成物によって処理される。こうして前処理されたシートは、1成分ポリウレタン接着剤により、適切な場合には前処理された塗装されたシートフランジに結合されることにより、不浸透性の、力により適合する結合が形成される。
上記に記載された接着接合方法または封止方法により物品が製造される。
これらの物品は非常に多様な種類を有する。とりわけ、これらは、産業における製造業、または、建築、あるいは、土木工学の物品である。これらの物品は、組み立てられた構造物、とりわけ、建築または土木工学の組み立てられた構造物であってよく、または、移送の手段、水上、または、陸上、あるいは空中における車両、とりわけ、自動車、バス、トラック、列車、または船、あるいは、その内部またはそこに設置される構成材であってよい。弾性を有する結合は、とりわけ、乗り物の構造、例えば、部品の接着による取り付け、例えば、プラスチック被覆、飾り紐(trim strips)、フランジ、バンパー、運転室、または他の構成材であって、移送の手段の塗装された車体に設置されるもの等において適切である。車両の例は、自動車、トラック、バス、鉄道車両、および船を含む。
特に好ましくは、物品は移送の手段、とりわけ、自動車、バス、トラック、鉄道車両、船、または飛行機である。
本発明の組成物では、適用された接着剤の接着に悪影響を及ぼすことなく、適用される前に2成分が混合された後、それらを適用する前に、何時間にも渡って待つことが可能になる。故に、本発明の組成物は、通例、長時間、とりわけ、10時間以上の容器中での寿命を有する。長い容器中での寿命は、適用に際して非常に有利である。
本発明の組成物によると、とりわけ、高温多湿条件での貯蔵後の接着における急激な向上を達成することが可能であることが分かった。
追加として、本発明の組成物では、様々な基板への組成物の塗布の後、接着剤をそこに適用する前に、そこに適用される接着剤の接着に悪影響を及ぼすことなく、非常に長い時間の間待つことが可能になることが分かった。故に、本発明の組成物は、通例、何カ月もの、とりわけ、120日以上のオープンタイム(open time)を有する。長いオープンタイムは、適用のために非常に有利である。
本発明の組成物では、とりわけ高温多湿条件での貯蔵後の接着における急激な向上を達成できることが分かった。
追加として、2成分または多成分水性プライマー組成物がカーボンブラックを含む時、容器寿命(pot time)はフラッシュオフ時間なしで大きく延長するか、または、加工時間が延長し、そして特に接着が損なわれることはないことが分かった。
[エポキシ樹脂成分K1]
Air Products社による水性エポキシ樹脂(Ancarez 550)(「AR 550」)、及び、Cognis社による、Waterpoxy(登録商標)1422(「1422」)を使用した。
Ancarez 550(登録商標) AR 550は、固体ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂の固体エポキシ樹脂分散物(エポキシ等量(EEW)=700〜750g/eq)である。この固体エポキシ樹脂分散物は乳白色で55重量%の固体含量、1300g/egのエポキシ等量、100mPasの粘度(25℃)(Broookfield)、および0.5μmの体積平均径(Dv)を有する。
Waterpoxy(登録商標)1422は、固体ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂の固体エポキシ樹脂分散物(エポキシ等量(EEW)=500〜700g/eq)である。この固体エポキシ樹脂分散物は乳白色で54重量%の固体含量、1200g/egのエポキシ等量、2000〜6000 mPasの粘度(25℃)(ASTM D 1824-65)を有する。
適切な場合には、表1に基づいて、これらのエポキシ樹脂分散物に追加の成分を添加した。
[ポリアミン成分K2]
水性ポリアミン(WB)
Air Products社による、Anquamine(登録商標)419、ポリアミン/エポキシ樹脂付加物(活性成分H等量(AHEW)284 g/eq,水含量15%)(「419」)
Cognis社による、Waterpoxy(登録商標)751、ポリアミン/エポキシ樹脂付加物、含量58.5重量% - 61.5 重量%、アミン数174-192mg KOH/g (「751」)
適切な場合には、表1に基づいて、これらの水性ポリアミンに追加の成分を添加した。
Figure 2010505019
Figure 2010505019
二つの成分はお互いに混合され、組成物に浸したフエルトを用いて、それぞれの基板に適用された。適用された組成物は60分間フラッシュオフされ、SikaTack(登録商標) Ultrafast (「STUF」)、Sikaflex(登録商標)-250 DM-2 (「DM-2」)、またはSikaflex(登録商標) HMV-2(「HMV-2」)の三角形のビーズを、押し出しカートリッジとノズルを用いて60℃、50%相対湿度において適用した。これらの全ては、一成分系であり、イソシアナート基を含有するポリウレタンプレポリマーを含む水分硬化ポリウレタン接着剤であり、Sika Schweis AG社により商業的に利用可能である。
[基板]
-フロートガラス、ドイツRocholl社によるもの (「ガラス」)
-ESGセラミック、Ferro 14251、ドイツRocholl社によるもの (「ESG」)
-電解酸化アルミニウム(Eloxed aluminum)、ドイツRocholl社によるもの (「AL-elox」)
-セラミックの端部を有するオリジナル光沢シート、接着試験はセラミック上で行われた。
シート1:Mazda 323, Safevue (「シート1」)
シート2:VW, Transport T4, Safevue (「シート2」)
シート3:Toyota Corolla, Pilkington (「シート3」)
電解酸化アルミニウムをScotch-Brite(3M社)を用いて、使用直前に研磨した。
組成物の適用前に、全ての基板をイソプロパノールで浸したセルロース布で拭い、10分間表面乾燥した。
接着試験は、人口気象室(「CS」)(23℃、50%相対湿度)における7日間の硬化時間の後、また、引き続く23℃の水中(「CS」)での保存の後、並びに、引き続く70℃、100%相対湿度高温多湿保存(「HS」)での7日間の保存の後に行われた。
接着の接着性は、「ビーズテスト(bead test)」により試験された。この試験においては、ビーズは、接着面の真上における端部において切開される。ビーズの切開された端部を、先が丸くなったピンセットでつまみ、ピンセットで基板から引き剥がす。引き剥がしは、ビーズをピンセットの先で注意深く巻き取りながら、かつ、切り口を、裸の基板に対するビーズを引っ張り方向に垂直に向けながら行う。ビーズの除去の速度は、約3秒毎に切り取りが行われるようにする。試験の長さは、少なくとも8cmに亘って行わなければならない。ビーズが剥がされた後の基板に残された接着剤(付着断片)を評価する。接着特性は接着面の付着断片より視覚的に判断した。
評価における「P」は基板からプライマーが分離することを意味する。
評価における「PB」はプライマー中に付着断片が存在することを意味する。
付着断片の成分が多い程、接着結合の評価は高い。付着断片が50%未満、特に40%未満の結果は、通例、不十分と考えられる。
接着結果を、表2、3、4、5、6、および7に記載する。
Figure 2010505019
Figure 2010505019
Figure 2010505019
表2、3、および4の結果より、本発明の組成物が、とりわけ、高温多湿条件での貯蔵後の接着剤の接着性を大きく向上させることを示す。
表5および6においては、2つの成分が混合された後、組成物がガラスに適用される前に、異なる待ち時間が存在する。容器寿命(pot life)として当業者に参照される時間は接着がもはや生じなくなる時間をいう。つまり、表5において利用された組成物は10時間より長い容器寿命を有する。
Figure 2010505019
表5より、発明性を有する実施例が、比較例と比較して、高温多湿条件での貯蔵後、非常に短い待ち時間の後でさえ大きく向上した接着性を有することが明白である。
表6においては、さらに長い待ち時間が観察された。これらの結果より、第一に、高温多湿条件での貯蔵後の接着性は大きく向上し、かつ、第二に、本発明の組成物は顕著により長い容器寿命を有することが明白である。このことは、カーボンブラックを含む組成物について特に当てはまる。
表7においては、組成物がガラスに塗布された後、接着材を塗布する前に、異なる待ち時間を設定した。オープンタイムとして当業者に参照される時間は、接着がもはや起こらない時間である。つまり、表5において利用される組成物は120日以上のオープンタイム(Open time)を有する。
Figure 2010505019
Figure 2010505019
表7より、発明性を有する実施例が、比較例と比較して、高温多湿条件での貯蔵後、非常に短い待ち時間の後でさえ大きく向上した接着性を有することが明白である。

Claims (27)

  1. −少なくとも水、
    −少なくとも1つのエポキシ樹脂A
    を含む第一の成分K1、
    −少なくとも1つのポリアミンB
    を含む第二の成分K2、および、
    必要に応じ、少なくとも1つの追加の成分
    から構成される2成分または多成分水性プライマー組成物であって、
    エポキシシランES、および/または、エポキシシロキサンESxが存在する場合には、これ/これらは、任意に存在するアミノシランAS、および/または、アミノシロキサンASxと同じ成分中に存在しないという条件の下、
    カーボンブラック、および/または、少なくとも1つのエポキシシランES、および/または、少なくとも1つのエポキシシロキサンESx、および/または、少なくとも1つのアミノシランAS、および/または、少なくとも1つのアミノシロキサンASx、および/または、少なくとも1つのメルカプトシランMSを含む2成分または多成分水性プライマー組成物。
  2. 第二の成分K2は水を含むことを特徴とする請求項1に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  3. 2成分を有し、かつ、カーボンブラックは第二の成分K2の一部であることを特徴とする請求項1または2に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  4. 2成分を有し、かつ、エポキシシランES、および/または、エポキシシロキサンESxは第一の成分K1の一部であることを特徴とする請求項1または2または3に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  5. 2成分を有し、かつ、アミノシランAS、および/または、アミノシロキサンASx、および/または、メルカプトシランMSは第二の成分K2の一部であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  6. 3成分を有し、かつ、第三の成分K3が、カーボンブラック、および/または、エポキシシランES、および/または、エポキシシロキサンESx、および/または、アミノシランAS、および/または、アミノシロキサンASx、および/または、メルカプトシランMSを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  7. エポキシ樹脂Aは固体エポキシ樹脂Aであることを特徴とする2成分または多成分水性プライマー組成物。
  8. 固体エポキシ樹脂Aは、固体ビスフェノールAグリシジルエーテル樹脂であって、とりわけ、700と750g/eqの間のエポキシ等量を有するものであることを特徴とする請求項7に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  9. 固体エポキシ樹脂Aが、1μm未満、とりわけ0.25μmと0.75μmの間の体積平均径を有することを特徴とする請求項7または8に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  10. ポリアミンBは反応生成物、とりわけ、アミドアミン、ポリアミド、またはエポキシ樹脂/ポリアミン付加物であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  11. ポリアミンBは、ビスフェノールAおよび/またはビスフェノールFのジグリシジルエーテルと、ポリオキシアルキレンジアミンまたはポリオキシアルキレントリアミン、とりわけ、ポリオキシアルキレンジアミンの反応生成物であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  12. エポキシシランESは、式(I)
    Figure 2010505019
    [式中、R1は、1〜6のC原子を有する直鎖または分枝を有するアルキレン基、とりわけ、プロピレンであり、R2はHまたは1〜4のC原子を有するアルキル基、またはアシル基であり、R3はHまたは1〜10のC原子を有するアルキル基であり、および、aは0,1または2である]
    を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  13. アミノシランASは、式(II),(III),または(IV):
    Figure 2010505019
    [式中、R4は、1〜6のC原子を有する直鎖または分枝を有するアルキレン基、とりわけ、プロピレンであり、R5はHまたは1〜4のC原子を有するアルキル基、またはアシル基であり、R6はHまたは1〜10のC原子を有するアルキル基であり、および、bは0,1または2である]
    を有することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  14. アミノシランASは、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項12に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  15. 第一の成分K1、および/または、第二の成分K2は、少なくとも1つの乳化剤、および/または、界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  16. 第二の成分K2がポリアミンBに加えて、さらに、
    ポリオキシアルキレンジアミン構造を有する少なくとも1つの乳化剤、および、
    ポリ(アルキレン)ポリアミン構造を有する少なくとも1つの共乳化剤を含むことを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  17. エポキシ樹脂Aは、第一の成分K1中の水中における分散物として存在し、かつ、ポリアミンBは、第二の成分K2中の水中におけるエマルションまたは分散物として存在することを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  18. アミノシロキサンASxは、アミノシランASと追加のシランの縮合により、少なくとも1つのシロキサン結合の形成と共に生成されることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  19. それぞれ、2成分または多成分水性プライマー組成物の重量に対して、
    カーボンブラックの割合は、0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%、とりわけ3〜10重量%であり、
    エポキシシランESの割合は、0〜5重量%、好ましくは0〜2重量%、とりわけ0.5〜2重量%であり、
    エポキシシロキサンESxの割合は、0〜5重量%、好ましくは0〜2重量%、とりわけ0.05〜2重量%であり、
    アミノシランASの割合は、0〜5重量%、好ましくは0〜2重量%、とりわけ0.5〜2重量%であり、
    アミノシロキサンASxの割合は、0〜5重量%、好ましくは0〜2重量%、とりわけ0.05〜2重量%であり、
    メルカプトシランMSの割合は、0〜5重量%、好ましくは0〜2重量%、とりわけ0.5〜2重量%であることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物。
  20. 請求項1から19のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物の、ポリウレタン接着剤、および/または、ポリウレタン封止剤のためのプライマーとしての使用。
  21. i) 請求項1から19のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物の2以上の成分を混合する工程;
    ii)混合したプライマー組成物を、結合または封止される基板S1に適用する工程;
    iii)プライマー組成物をフラッシュオフする工程;
    iv)接着剤または封止剤を基板S1上にあるフラッシュオフされた組成物に適用する工程;
    v)接着剤または封止剤を第二の基板S2と接触させる工程;
    または、
    i’) 請求項1から19のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物の2以上の成分を混合する工程;
    ii’)混合したプライマー組成物を、結合または封止される基板S1に適用する工程;
    iii’)接着剤または封止剤を第二の基板S2の表面に適用する工程;
    iv’)接着剤または封止剤を、基板S1上にあるフラッシュオフされた組成物に接触させる工程;
    または、
    i’’) 請求項1から19のいずれか一項に記載の2成分または多成分水性プライマー組成物の2以上の成分を混合する工程;
    ii’’)混合したプライマー組成物を、結合または封止される基板S1に適用する工程;
    iii’’)プライマー組成物をフラッシュオフする工程;
    iv’’)接着剤または封止剤を基板S1およびS2の表面の間に適用する工程;ここで、第二の基板S2は、基板S1と同一かまたは異なる材質により構成されている
    を含む、接着性結合または封止の方法。
  22. 工程v),iv’),またはiv’’)の後に、接着剤または封止剤を硬化させる工程vi)が引き続いて行われることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 接着剤または封止剤は、ポリウレタン接着剤または封止剤、とりわけ、イソシアネート基を含有するポリウレタンプレポリマーを含むポリウレタン接着剤であることを特徴とする請求項21または22に記載の方法。
  24. 接着剤の厚みは1mmより大きく、とりわけ2と8mmの間であることを特徴とする請求項21または22または23に記載の方法。
  25. 基板S1またはS2の少なくとも1つは、無機基板または金属基板、とりわけ、ガラスまたはガラスセラミックであることを特徴とする請求項21から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. その製造の際に、請求項21から25のいずれか一項に記載の方法が実施される物品。
  27. 物品は移送の手段、とりわけ、自動車、バス、トラック、鉄道車両、船、または飛行機であることを特徴とする請求項26に記載の物品。
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