Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2010216588A - 位相角付与回転装置 - Google Patents

位相角付与回転装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010216588A
JP2010216588A JP2009065005A JP2009065005A JP2010216588A JP 2010216588 A JP2010216588 A JP 2010216588A JP 2009065005 A JP2009065005 A JP 2009065005A JP 2009065005 A JP2009065005 A JP 2009065005A JP 2010216588 A JP2010216588 A JP 2010216588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
phase
rotation
angle
rotating plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009065005A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Kuroki
信幸 黒木
Yoshiyuki Kitamura
義之 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2009065005A priority Critical patent/JP2010216588A/ja
Publication of JP2010216588A publication Critical patent/JP2010216588A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)

Abstract

【課題】回転板上のテーブルに保持されたワークに対して、回転板の高速回転中でも、常に一方向に位相角を次々と制限なく付与することと、微細かつ高精度に位相角を付与することが可能な位相角付与回転装置を提供すること。
【解決手段】複数のテーブル23を回転可能に支持する回転板22と、テーブル23のそれぞれを中心軸回りに自転させる位相歯車35とを備えた位相角付与回転装置10であって、回転板22及び位相歯車35を同一角速度で同方向に回転させるよう、主回転駆動源22から回転駆動力を伝達する回転駆動伝達手段と、位相回転源36から所定の回転角度を回転板20又は位相歯車35の一方に回転のみで伝達する回転角度伝達手段とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、位相角付与回転装置に関し、より詳細には、複数のテーブルを自身の軸心回りに回転可能に支持する回転板と、テーブルのそれぞれに連結された歯車と噛合し、テーブルのそれぞれを中心軸回りに自転させる位相歯車とを備え、回転板と位相歯車との間に回転位相差を生じさせることでテーブルのそれぞれを任意な角度に自転させて、テーブルに保持されたワークに位相角を付与する位相角付与回転装置に関するものである。
従来、例えば石英板や高分子樹脂板等の基板に超小型の溝流路が作成されて構成された検査チップがある。採取した血液や、試薬及び洗浄液等が内部に入れられた検査チップに遠心力を与えて血液を血球と血漿成分とに分離させ、その後遠心力が与えられた状態で検査チップを所定角度だけ自転させることにより、血漿成分等を遠心力で溝流路に沿って移送させる位相角付与回転装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この位相角付与回転装置は、回転板と位相歯車とを備えて構成されている。回転板は、自身の回転中心軸上で回転駆動源の回転出力軸とカップリングにより連結されており、また、回転中心軸の回りに複数のテーブルを自転するように回転可能に支持する。これら複数のテーブルは位相歯車と噛合する歯車を有するとともに検査チップを保持する。回転板の回転中心にはスプラインが形成され、これにシャフトの一端が係合しているため、シャフトは軸方向(上下方向)に沿っての移動は自由だが、回転方向に沿っての移動は拘束されている。シャフトの他端には螺子が形成されており、位相歯車にその回転中心と同軸となるように固定されたナットと旋合している。
この構成により、直動アクチュエータで軸方向に沿ってシャフトを直動させると、シャフトの螺子とナットとの直動/回転変換作用により、ナットが固定された位相歯車は回転板の回転中心軸回りに相対的に回転することになり、回転板と位相歯車との間に回転位相差が生じる。
この位相歯車の回転は、噛合する歯車を介してテーブルのそれぞれに伝えられるので、複数のテーブルのそれぞれを中心軸回りに回転板上で自転させることができる。そして、このようにテーブルを所定角度自転させることで、テーブル上に保持された検査チップに位相角を付与することができていた。
特開2005−241617公報
ところが、上述したような従来の位相角付与回転装置では、シャフトをその軸方向に沿って直動させ、シャフトの螺子とナットとの直動/回転変換作用で位相歯車を回転板に対して相対的に回転させることによりテーブルを所定角度自転させて、検査チップに位相角を付与していた。そのために、検査チップ内の溝流路の関係で、途中から逆方向には位相角は付与できず、一方向のみに位相角を次々と付与せねばならない時には、シャフトの螺子と位相歯車に固定されたナットとの旋合範囲、すなわち螺子形成部のシャフト軸方向の長さが付与可能な位相角の範囲を定めることとなり、付与できる位相角の範囲に制限があった。
この場合、付与可能な位相角の範囲を大きくするには、シャフトの螺子形成部の長さを大きくする必要があるが、それでは装置の大型化を招来してしまうし、常に一方向のみに位相角を付与する装置は実現できないことになる。
また上述したような位相角付与回転装置を、微細で高精度な位相角が求められる検査チップに適用しようとすると、螺子がシャフト回りに1周するストローク、すなわちリード角を大きくして旋合部での直動/回転変換率を大きくし、大きなシャフトの直動移動量で小さな位相歯車の回転角度がえられるようにする必要がある。
しかしながらリード角を大きくしていくと、必要な位相角を得るためには直動移動量が大きくする必要があり、大きさの限られた装置には限界がある。すなわち、従来の位相角付与回転装置では、直動/回転変換で位相歯車を回転させることで検査チップに位相角を付与しているので、付与する位相角の微細度や高精度化に制限があった。
以上、従来の位相角付与回転装置は、常に一方向にのみ位相角を次々と付与することが求められる検査チップや、微細で高精度な位相角の付与が必須の検査チップには適用できず、ひいては検査チップの最適溝流路設計の障害となって、高性能な検査チップの実現を阻んでいるという欠点があった。
本発明は、上記実情に鑑みて、回転板上のテーブルに保持されたワークに対して、回転板の高速回転中であっても、常に一方向に位相角を次々と制限なく付与することや、微細かつ高精度に位相角を付与することが可能な位相角付与回転装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る位相角付与回転装置は、複数のテーブルを自身の軸心回りに回転可能に支持する回転板と、前記テーブルのそれぞれに連結された歯車と噛合し、前記テーブルのそれぞれを中心軸回りに自転させる位相歯車とを備え、前記回転板と前記位相歯車との間に回転位相差を生じさせることで、前記テーブルのそれぞれを任意な角度に自転させて該テーブルに保持されたワークに位相角を付与する位相角付与回転装置であって、前記回転板及び前記位相歯車を同一の角速度で同方向に回転させるように主回転駆動源からの回転駆動力を伝達する回転駆動伝達手段と、前記回転駆動伝達手段による回転駆動力の伝達経路外に独立して設けられた位相回転源と、前記回転板と前記位相歯車との間に回転位相差を生じるように、前記位相回転源から付与する所定の回転角度を、前記回転板又は前記位相歯車に回転のみで伝達する回転角度伝達手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る発明は、上述した請求項1において、前記回転駆動伝達手段及び前記回転角度伝達手段は、共通の差動歯車ユニットを備え、前記差動歯車ユニットは、複数のかさ歯車の噛み合いにより構成されたものであることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る発明は、上述した請求項2において、前記差動歯車ユニットは、太陽歯車、遊星歯車及び内歯歯車の噛み合いにより構成されたものであることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る発明は、上述した請求項2において、前記差動歯車ユニットは、歯数の異なる内歯歯車と外歯歯車とから成る歯車列の噛み合いにより構成されたものであることを特徴とする。
本発明によれば、回転板及び位相歯車を同一の角速度で同方向に回転させるよう、主回転駆動源から回転駆動力を伝達する回転駆動伝達手段と、位相回転源から付与する所定の回転角度を回転板又は位相歯車に回転のみで伝達して、回転板と位相歯車との間に回転位相差を生じさせる回転角度伝達手段とを設けたので、回転板の高速回転中であっても、回転板上の複数のテーブルに保持されたワークのそれぞれに対して、常に一方向に位相角を次々と制限なく付与することができる。また微細かつ高精度に回転角度を伝達する構成を有しているので、微細かつ高精度な位相角の付与が、回転板の高速回転中であっても可能であるという効果も奏する。
本発明の位相角付与回転装置は上記のような優れた効果を奏するので、いかなる検査チップを用いた検査に適用できるとともに、検査チップの溝流路設計の最適化を可能として、高性能な検査チップの実現化を促進する。
図1は、本発明の実施の形態1である位相角付与回転装置を示す縦断面図であり、上方から見た場合に回転板の中心を通る平面で切断して示す中央縦断面図である。 図2は、図1に示した検査チップを示す説明図である。 図3は、図1に示した位相角付与回転装置において、主回転駆動源から回転駆動力が与えられた場合の動作について説明する説明図である。 図4は、図1に示した回転板及びテーブルの回転の様子を模式的に示す平面図である。 図5は、図1に示した回転板及びテーブルの回転の様子を模式的に示す平面図である。 図6は、図1に示した回転板及びテーブルの回転の様子を模式的に示す平面図である。 図7は、図1に示した回転板の平面図である。 図8は、図1に示した検査チップを示す説明図である。 図9は、図1に示した位相角付与回転装置において、位相回転源から位相回転駆動力が与えられた場合の動作について説明する説明図である。 図10は、図1に示した回転板の平面図である。 図11は、図1に示した検査チップを示す説明図である。 図12は、図1に示した回転板の平面図である。 図13は、図1に示した検査チップを示す説明図である。 図14は、本発明の実施の形態2である位相角付与回転装置を示す縦断面図であり、上方から見た場合に回転板の中心を通る平面で切断して示す中央縦断面図である。 図15は、図14に示した位相角付与回転装置において、主回転駆動源から回転駆動力が与えられた場合の動作について説明する説明図である。 図16は、図14に示した位相角付与回転装置において、位相回転源から位相回転駆動力が与えられた場合の動作について説明する説明図である。 図17は、本発明の実施の形態3である位相角付与回転装置を示す縦断面図であり、上方から見た場合に回転板の中心を通る平面で切断して示す中央縦断面図である。 図18は、図17に示した波動歯車の構成を示す説明図である。 図19は、図17に示した位相角付与回転装置において、主回転駆動源から回転駆動力が与えられた場合の動作について説明する説明図である。 図20は、図17に示した位相角付与回転装置において、位相回転源から位相回転駆動力が与えられた場合の動作について説明する説明図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る位相角付与回転装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である位相角付与回転装置を示す縦断面図であり、上方から見た場合に回転板の中心を通る平面で切断して示す中央縦断面図である。ここで例示する位相角付与回転装置10は、回転板20、差動歯車ユニット30等を備えて構成してある。
回転板20は、円形の板状体であり、軸部材21を介して例えばモータ等の主回転駆動源22に連結してある。ここで軸部材21は、上下方向に沿って延在する長尺状のものであり、主回転駆動源22から与えられる回転駆動力を回転板20の中心部に伝達する。これにより、回転板20は、自身の中心部、すなわち軸部材21の中心軸を軸心として、その軸心回りに回転可能となる。
この回転板20は、複数のテーブル23を支持する。より詳細に説明すると、回転板20には、周方向に沿って複数の支持孔20aが形成してある。これら支持孔20aのそれぞれにはベアリング等の軸受部材23bが固定されている。この軸受部材23bに、上端がテーブル23と連結されたロッド状の連結部材23aが、その軸心回りに回転自在、かつ上下方向に沿っての移動が拘束された態様で支持されている。テーブル23は、回転板20よりも遙かに小径な円形の板状体であり、その上面に載置された検査チップ(ワーク)100を保持するためのものである。上記の軸受部材23bを貫通している連結部材23aの下端には、テーブル歯車24が連結されている。このように回転板20は、複数のテーブル23を自身の軸心回りに回転可能に支持している。以上の連結されているテーブル23、連結部材23a、テーブル歯車24は、一体となって連結部材23aの中心軸回りに、回転板20上で自在に回転する。
テーブル23上に保持される検査チップ100は、図2に示すように、例えば石英板や高分子樹脂板等の基板に超小型の溝流路や検査部101が作成されて構成されたものである。この検査チップ100の内部には、採取した血液110、試薬111〜115及び洗浄液116が予め内装されている。このような検査チップ100は、従来公知なものであり、その詳細な説明は割愛する。
再び図1を見ると、差動歯車ユニット30は複数の歯車列により構成されており、構成要素として入力側かさ歯車31、ピニオンギア34、出力側かさ歯車32及びリンクギア33を備えている。
入力側かさ歯車31はその下部で、挿通している軸部材21に軸受を介して回転自在、かつ上下方向に沿っての移動が拘束された態様で保持されており、軸部材21の中心軸を軸心としてその軸心回りに軸部材21とは独立して回転可能となるものである。この入力側かさ歯車31の下部には逆転機構40を構成する中間歯車43が一体的に設けられており、この中間歯車43と噛合可能な位置に逆転歯車41が設けてある。逆転機構40は、上記した中間歯車43と、逆転歯車41と、逆転歯車41に軸材を介して一体的に連結されている従プーリ45と、従プーリ45の外周面に一定ピッチで備えた歯に係合する伝達ベルト42と、伝達ベルト42に係合して軸部材21の回転駆動力を伝達する主プーリ44とを備えて構成したものである。主プーリ44は、軸部材21に挿通する態様で連結固定されており、その外周面に一定ピッチで歯を設けてある。逆転歯車41は、図示しない保持装置により、各々の中心軸回りに回転自在、かつ上下方向に沿っての移動が拘束された態様で保持されている。以上の構成によって逆転機構40は、軸部材21の回転力、すなわち主回転駆動源22による回転駆動力を、主プーリ44、伝達ベルト42、従プーリ45、逆転歯車41、中間歯車43を経て、入力側かさ歯車31に伝達して、入力かさ歯車31を軸部材21の回転方向と逆方向に回転させる。
出力側かさ歯車32は、入力側かさ歯車31の上方側であって回転板20の下方側となる領域に、軸部材21が挿通された態様で配設してある。出力側かさ歯車32はその上部で、軸部材21に軸受を介して回転自在、かつ上下方向に沿っての移動が拘束された態様で保持されているので、軸部材21の中心軸を軸心としてその軸心回りに軸部材21とは独立して回転可能となる。
この出力側かさ歯車32は、軸部材21に対して対称に配置された一対のピニオンギア34を介して入力側かさ歯車31に連係している。より詳細には、出力側かさ歯車32は、入力側かさ歯車31と噛合可能に配設された2個のピニオンギア34のそれぞれと噛合可能に設けてある。
また、出力側かさ歯車32の上部には、軸部材21と軸心が一致するように位相歯車35が一体的に設けてある。位相歯車35は、テーブル歯車24のそれぞれと噛合可能な位置に配設してある。このような位相歯車35は、自身の軸心、すなわち軸部材21の中心軸回りに一体的に設けられているかさ歯車32と同時に、軸部材21とは独立して回転する。
この位相歯車35の回転により、位相歯車35と噛合しているテーブル歯車24のそれぞれが、軸部材21と連結している回転板20とは無関係に軸心回りに回転し、テーブル23のそれぞれが自転する。その一方、位相歯車35は自身が回転せずに静止固定された状態であっても、回転板20が軸心回りに回転することにより、テーブル歯車24のそれぞれを軸心回りに回転させて、テーブル23のそれぞれを自転させることもできる。つまり、位相歯車35は、テーブル23のそれぞれに連結された歯車と噛合し、テーブル23のそれぞれを中心軸回りに自転させるものである。
リンクギア33は、出力側かさ歯車32と位相歯車35を一体的にした部材に挿通された状態で、軸受を介して回転自在、かつ上下方向に沿っての移動が拘束された態様で配設されており、上記軸部材21の中心軸を軸心としてその軸心回りに回転可能となるものである。このリンクギア33は、上述した一対のピニオンギア34を回転自在に軸支持している。
またリンクギア33に噛合可能となる位置に、位相回転源36に位相シャフト36aを介して連結された位相かさ歯車37が設けてある。位相回転源36は、例えばモータ等の回転軸を有して、それを任意の回転角度だけ随意に回転することができるものであり、制御指令によって任意のタイミングで、連結している位相シャフト36aを介して位相かさ歯車37に、その中心軸回りに任意の回転角度を付与する。更に位相回転源36はその構成上、一方向に回転角度を次々と制限なく付与することができ、エンコーダ等を具備して、微細かつ高精度に回転角度を付与することもできる。また位相回転源36は、所定の回転角度を付与する以外の時は、機械的に静止固定しているので、これに連結している位相シャフト36a、位相かさ歯車37も静止固定している。
図3は、上述した構成を有する位相角付与回転装置10において、主回転駆動源22から駆動力が与えられた場合の動作について説明する説明図である。尚、この図3においては、主回転駆動源22により回転駆動力が与えられて動作する部材にハッチングを施している。この図3を用いて位相角付与回転装置10の動作について説明する。
まず主回転駆動源22から与えられた回転駆動力により、軸部材21が自身の軸心回りに、例えば上方から見て時計回り方向に回転すると、軸部材21に一体的に連結される回転板20及び主プーリ44も時計回り方向に回転する。主プーリ44の回転は伝達ベルト42により従プーリ45に伝達され、従プーリ45は自身の中心軸回りに時計回り方向に回転する。従プーリ45の時計回り方向の回転によって、これと連結している逆転歯車41も自身の軸心回りに時計回り方向に回転する。逆転歯車41の時計回り方向の回転は、逆転歯車41と噛合可能な関係にある中間歯車43に伝達され、中間歯車43とこれに一体的に設けられている入力側かさ歯車31を逆方向、すなわち反時計回り方向に回転させる。
入力側かさ歯車31の自身の軸心回りの反時計回り方向の回転により、入力側かさ歯車31と噛合可能に配置された一対のピニオンギア34が回転し、更に一対のピニオンギア34の回転はこれと噛合可能となっている出力側かさ歯車32に伝達されて、出力側かさ歯車32を自身の中心軸、すなわち軸部材21の中心軸回りに時計回り方向に回転させる。この時、リンクギア33は、回転せずに静止固定されており、リンクギア33に軸支持されるピニオンギア34が、自身の軸心回りに回転するだけである。
出力側かさ歯車32は自身の軸心回りに時計回り方向に回転するので、出力側かさ歯車32と一体的に設けられた位相歯車35も、上方から見て時計回り方向に回転する。位相歯車35の角速度が回転板20の各速度と同一になるよう、逆転機構40及び差動歯車ユニット30を構成する各歯車とプーリの歯数が予め調整してあり、これにより位相歯車35は、回転板20と同方向である時計回り方向に同一の角速度で回転する。この結果、位相歯車35と、これに噛合するテーブル歯車24と、これに連結されたテーブル23は、回転板20と「一体となって」同一の角速度で軸部材21の中心軸回りに回転する。
回転板20の角速度w20と、位相歯車35の角速度w35とを同一とするための、各歯車やプーリの歯数の調整は次のようにして行う。まず主回転駆動源22から与えられた回転駆動力を回転板20及び位相歯車35に伝達するのに関与する主プーリ44、従プーリ45、逆転歯車41、中間歯車43、入力側かさ歯車31、ピニオンギア34、出力側かさ歯車32の歯数をそれぞれN44、N45、N41、N43、N31、N34、N32とする。主回転駆動源22に連結している軸部材21は回転板20にも連結しているので、軸部材21は角速度w20で回転すると、軸部材21に連結している主プーリ44も同じ角速度で回転し、位相歯車35の角速度w35=w20×(N44/N45)×(N41/N43)×(N31/N34)×(N34/N32)と表される。従って、回転板20の角速度w20と、位相歯車35の角速度w35とを同一とするには、α1=(N44/N45)×(N41/N43)×(N31/N34)×(N34/N32)が1となるように、主プーリ44、従プーリ45、逆転歯車41、中間歯車43、入力側かさ歯車31、ピニオンギア34、出力側かさ歯車32の歯数を選定して調整する。
ここで複数のテーブル23が回転板20と「一体となって」回転することについて説明する。図4〜図6は、それぞれ回転板20及びテーブル23の回転の様子を模式的に示す平面図である。これら図4〜図6を適宜用いながら複数のテーブル23が回転板20と「一体となって」回転することについて述べる。
図4の(a)及び(b)に示すように、回転板20を停止固定させた状態で、位相歯車35を例えば時計回り方向に回転させると、位相歯車35と噛合可能な関係にあるテーブル歯車24は、それぞれ反時計回り方向に回転し、これによりテーブル歯車24に連結されて一体的な関係にあるテーブル23は、反時計回り方向に自転する。
一方、図5の(a)及び(b)に示すように、位相歯車35を停止固定させた状態で、回転板20を例えば時計回り方向に回転させると、テーブル歯車24は固定された位相歯車35と噛合いながら時計回り方向に回転し、これによりテーブル歯車24と一体的な関係にあるテーブル23は、時計回り方向に自転する。
従って、回転板20と位相歯車35とが同じ角速度で同方向に回転すると、図6の(a)及び(b)に示すように、図4に示したテーブル23の自転と、図5に示したテーブル23の自転は、互いに相殺されることになるので、テーブル23は自転しない。これにより、テーブル23は回転板20と「一体となって」回転することになる。以上のことは、テーブル23、テーブル歯車24を保持している回転板20と、位相歯車35が、軸部材21の軸心回りに同一の角速度で同方向に回転し、両者間に相対速度差がないということからもいえる。
図7に示すように、テーブル23が自転せずに回転板20と一体となって回転すると、テーブル23に保持された検査チップ100には遠心力が作用し、検査チップ100は図2に示す初期状態から図8に示す状態に変わる。すなわち、洗浄液116が移動して検査部101の洗浄が行われたり、血液110が移送されて、血球110aと血漿成分110bへの分離が行われたり、更に各試薬111〜115の移送、混合等が行われる。
このように主回転駆動源22からの回転駆動力によりテーブル23と回転板20とが一体となって回転している状態で、位相回転源36から回転角度が与えられる時の位相角付与回転装置10の動作について、図9を用いて説明する。
図9は、位相角付与回転装置10の軸部材21の中心での概略縦断面図であるが、位相回転源36により回転角度が与えられた時に相対的に動作する部材にハッチングを施している。尚、この図9において相対的な動作を説明する便宜上、ハッチングが施されていない部材は停止しているものとして説明する。
まず位相回転源36から、位相シャフト36aを介して位相かさ歯車37に回転角度θ37だけ、例えば位相かさ歯車37から位相回転源36に向かう方向に見て時計回り方向に付与する。位相かさ歯車37が自身の軸心回りに時計回り方向に回転角度θ37だけ回転することにより、位相かさ歯車37と噛合可能な関係にあるリンクギア33も自身の軸心、すなわち軸部材21の中心軸回りに、上方からみて時計回り方向に回転角度θ33=θ37×N37/N33だけ回転する。ここで、N37、N33はそれぞれ位相かさ歯車37、リンクギア33の歯数である。このようにリンクギア33が回転角度θ33だけ時計回り方向に回転すると、リンクギア33に軸支持されたピニオンギア34は、停止固定された状態にある入力側かさ歯車31に対しては軸部材21回りに相対的に回転移動しながら、入力側かさ歯車31と噛合って自身の軸回りに自転する。このようにピニオンギア34が軸部材21の中心軸回りに回転、すなわち公転しながら、自身の軸回りに自転する結果、噛合可能な関係にある出力側かさ歯車32を軸部材21の中心軸心回りに上方から見て時計回り方向に回転角度θ32=2×θ33だけ回転させる。すなわち、位相回転源36から付与された回転角度が出力側かさ歯車32に伝達されたことになる。
これにより出力側かさ歯車32と一体的に設けられた位相歯車35は、回転角度θ32だけ回転板20に対して相対的に時計回り方向に回転することになり、両者の間に回転角度θ32だけの位相差が生じる。このように回転位相差が生じると、位相歯車35と噛合可能な関係にあるテーブル歯車24は連結部材23aの軸心回りに反時計回り方向に回転角度θ24=θ32×N35/N24だけ回転、すなわち自転する。ここでN35、N24はそれぞれ位相歯車35、テーブル歯車24の歯数である。これによりテーブル歯車24と連結しているテーブル23も、図10に示すように、テーブル歯車24と同方向である反時計回り方向に同じ回転角度θ24だけ回転すなわち自転し、検査チップ100に回転角度θ24の位相角を付与する。ここで、検査チップ100に付与される位相角である回転角度θ24は任意に定めることができ、上述したよう位相回転源36から付与された位相かさ歯車37の回転角度θ37に比例して、θ24=θ37×N37/N33×2×N35/N24となる。
このようにしてテーブル23が所定の回転角度だけ自転する結果、テーブル23に保持された検査チップ100は反時計回り方向に位相角が付与され、図8に示す状態から例えば図11に示す状態に変わる。すなわち、検査チップの姿勢が変わることに伴って、遠心力の作用により血液110から分離した血漿成分110bの分取りと試薬111との混合や、残りの試薬112〜115の移送がステップ的に行われる。
その後次の処理のために、所定時間後に例えば位相回転源36から、位相シャフト36aを介して位相かさ歯車37に、位相かさ歯車37から位相回転源36に向かう方向に見て反時計回り方向に回転角度θ37だけ付与すると、先ほどとは逆方向に回転角度θ37が、リンクギア33及びピニオンギア34を通じて出力側かさ歯車32に伝達される。その結果、出力側かさ歯車32と一体的に設けられた位相歯車35は反時計回り方向に回転角度θ32だけ回転板20と相対的に回転する。これによって、位相歯車35と噛合可能な関係にあるテーブル歯車24とこれに連結しているテーブル23は、図12に示すよう時計回り方向に回転角度θ24だけ自転し、検査チップ100に時計回り方向に回転角度θ24の位相角を付与する。
このようにしてテーブル23が所定の回転角度だけ自転する結果、テーブル23に保持された検査チップ100は図13に示す姿勢を保持し、混合させた血漿成分110bと試薬111との混合液を、検査部101を通過させたり、試薬112〜115等をステップ移送させたりする等の処理が行われる。
本発明の実施の形態1である位相角付与回転装置10においては、軸部材21、逆転機構40、入力側かさ歯車31、ピニオンギア34及び出力側かさ歯車32が、回転板20及び位相歯車35を同一の角速度で同方向に回転させるように主回転駆動源22から回転駆動力を伝達する回転駆動伝達手段を構成している。また、位相シャフト36a、位相かさ歯車37、リンクギア33、ピニオンギア34及び出力側かさ歯車32が、回転駆動伝達手段による回転駆動力の伝達経路外に独立して設けられている位相回転源36から付与された所定の回転角度を、回転のみで位相歯車35に伝達する回転角度伝達手段を構成している。
以上説明したように本発明の実施の形態1である位相角付与回転装置10によれば、位相回転源36から付与された所定の回転角度を、回転角度伝達手段を通じて位相歯車35に伝達し、回転板20と位相歯車35との間に回転位相差を生じさせる結果、位相歯車35と噛合したテーブル歯車24が自転し、テーブル歯車24と連結したテーブル23に保持された検査チップ100を任意な位相角だけ回転させることができる。また回転角度伝達手段を構成する位相シャフト36a、入力側かさ歯車31、ピニオンギア34、出力側かさ歯車32、位相かさ歯車37、リンクギア33がそれぞれ回転することのみによって、位相回転源36から所定の回転角度を伝達する。位相回転源36は、一方向に無制限に次々と回転角度を付与できるのであるから、その回転角度を回転伝達手段で回転により次々伝えることによって、テーブル23に保持された検査チップ100に対して、常に一方向に任意な位相角を次々と制限なく付与することが可能となる。また、位相回転源36から微細かつ高精度に回転角度を付与することができるので、検査チップ100に対して微細かつ高精度に位相角を付与することができる。更に、回転角度伝達手段を構成する各歯車要素の歯数を調整することによって位相回転源36から付与される回転角度をより微細にすることもできるので、超微細かつ超高精度に検査チップ100に位相角を付与することができる。
この検査チップ100への任意な位相角の付与は、主回転駆動源22の回転駆動力を回転板20及び位相歯車35に伝達する回転駆動伝達手段とは別の回転角度伝達手段を通じて行われるので、回転板20を回転中に、しかも回転速度や回転方向に関係なく行うことができる。検査チップ100の方向や姿勢を変えるために回転板20の回転を停止させる必要がないので、回転によって一方向に移動中の検査チップ100の内部の液が回転停止時に別方向に拡散してしまう虞れがない。しかも回転板20の回転の停止や起動がないので、処理時間の短縮化を図ることができるとともに、騒音や振動の軽減化も図ることができる。
また、上記位相角付与回転装置10によれば、主回転駆動源22及び位相回転源36が回転板20の回転域外に設置でき、駆動電力や信号線等の接続が容易になる。
<実施の形態2>
図14は、本発明の実施の形態2である位相角付与回転装置11を示す縦断面図であり、上方から見た場合に回転板の中心を通る平面で切断して示す中央縦断面図である。尚、上述した実施の形態1である位相角付与回転装置10と同一の構成を有するものには、同一の符号を付してその説明を適宜省略する。ここで例示する位相角付与回転装置11は、回転板20、位相歯車50等を備えて構成してある。
回転板20は、円形の板状体であり、軸部材21を介して差動歯車ユニット60に連結してある。この回転板20は、自身の中心部、すなわち軸部材21の中心軸を軸心として、その軸心回りに回転可能となる。
また回転板20には、位相角付与回転装置10と全く同じ構成で、複数のテーブル23、テーブル歯車24、連結部材23a、支持孔20a、軸受部材23bが備えられている。ここで検査チップ100を保持するテーブル23には連結部材23aを介してテーブル歯車24が連結されており、自身の軸心回りに回転可能に回転板20に支持されている。
差動歯車ユニット60は、太陽歯車63、遊星歯車61、内歯歯車64よりなる複数の歯車列とキャリアプーリ62とにより構成されたものである。遊星歯車61は、キャリアプーリ62に回転自在、かつ上下方向に沿っての移動が拘束された態様で軸支持されており、太陽歯車63及び内歯歯車64に噛合可能な位置に配設してある。内歯歯車64は、軸部材21の下端に連結して固定されており、該軸部材21の軸心回りに回転可能に配設してある。この内歯歯車64は、回転板20と一体的に回転することになる。
太陽歯車63は、位相シャフト36aを介して位相回転源36に連結してあり、位相シャフト36aの中心軸を軸心としてその軸心回りに回転する。
キャリアプーリ62は、上記位相シャフト36aに挿通された状態で、これに回転自在、かつ上下方向に沿っての移動が拘束された態様で保持されており、位相シャフト36aの中心軸を軸心としてその軸心回りに回転可能となっている。このキャリアプーリ62は外周部に噛合する歯を一定ピッチで有するものであり、同様に外周部に噛合する歯を一定ピッチ有する第1プーリP1に歯付きの伝達ベルト65を介して連結している。従って、第1プーリP1の回転駆動力が伝達ベルト65からキャリアプーリ62に伝達される。
第1プーリP1は、主シャフト22aに挿通された態様で該主シャフト22aに一体的に配設してある。ここで主シャフト22aは、上下方向に沿って延在する長尺状のものであり、連結する主回転駆動源22から与えられる回転駆動力により、自身の中心軸を軸心としてその軸心回りに回転する。つまり、第1プーリP1は、主シャフト22aとともに、主シャフト22aの軸心回りに回転する。
位相歯車50は、軸部材21に挿通された状態で、軸部材21を上下端に各々ある軸受を介して回転自在、かつ上下方向に沿っての移動を拘束した態様で保持している。位相歯車50自体はその外形部が、図示されていない保持装置により軸部材21の軸心回りに回転自在、かつ上下方向に沿っての移動が拘束された態様で保持されているとともに、その上部がテーブル歯車24のそれぞれと噛合可能な位置に配設されている。また位相歯車50の下部には、外周部に伝達ベルト25と係合する歯を一定ピッチで有する第3プーリP3が一体的に設けられており、位相歯車50は第3プーリP3と一体となって軸部材21の軸心回りに回転可能となる。ここで第3プーリP3は、主シャフト22aと一体的に形成された第2プーリP2に歯付きの伝達ベルト25を介して連結している。尚、第2プーリP2は、その外周部に伝達ベルト25と係合する歯を一定ピッチで備える。第2プーリP2が主シャフト22aともに回転することにより、その回転駆動力が伝達ベルト25を介して第3プーリP3に伝達されて、第3プーリP3と位相歯車50が軸部材21の軸心回りに回転することになる。
この位相歯車50は、自身の軸心、すなわち軸部材21の中心軸回りに回転することにより、テーブル歯車24のそれぞれを、回転板20の回転状態とは無関係に軸心回りに回転させることができる。その結果、テーブル歯車24と連結部材23aを介して連結されているテーブル23もそれぞれの軸心回りで自転する。その一方、位相歯車50は自身が静止固定された状態であっても、回転板20が軸部材21の軸心回りに回転すると、テーブル歯車24のそれぞれも軸部材21の軸心回りに位相歯車50と噛合した状態で回転するので、テーブル歯車24とこれに連結しているテーブル23のそれぞれはその軸心回りに自転する。
図15は、上述した構成を有する位相角付与回転装置11において、主回転駆動源22から回転駆動力が与えられた場合の動作について説明する説明図である。尚、この図15においては、主回転駆動源22による回転駆動力が与えられて動作する部材にハッチングを施している。この図15を用いて位相角付与回転装置11の動作について説明する。
まず主回転駆動源22から与えられた回転駆動力により、主シャフト22aが自身の軸心回りに、例えば上方から見て時計回り方向に回転すると、主シャフト22aに一体的に設けられた第1プーリP1及び第2プーリP2も時計回り方向に回転する。第1プーリP1の回転は伝達ベルト65を介してキャリアプーリ62に伝達され、キャリアプーリ62は自身の軸心、すなわち位相シャフト36aの中心軸回りに時計回り方向に回転する。キャリアプーリ62の回転により、キャリアプーリ62に回転自在に軸支持されている遊星歯車61は、静止固定された状態にある太陽歯車63と内歯歯車64の両歯車と噛合して自身の軸心回りに時計回り方向に回転、すなわち自転しながら、位相シャフト36aの中心軸回りに時計回り方向に回転、すなわち公転する。この遊星歯車61の自転と公転によって、これと噛合する内歯歯車64は、自身の軸心、すなわち軸部材21の中心軸回りに時計回り方向に回転することになる。その結果、内歯歯車64と軸部材21を介して一体的に連結された回転板20も軸部材21の中心軸回りに時計回り方向に回転する。
一方、主シャフト22aに第1プーリP1とともに一体的に設けられた第2プーリP2の時計回り方向の回転は、伝達ベルト25を介して第3プーリP3に伝達され、第3プーリP3と一体的に設けられた位相歯車50も軸部材21の軸心回りに時計回り方向に回転する。位相歯車50と回転板20とは同方向に回転するが同一の角速度で回転するように、位相歯車50と回転板20とのそれぞれに回転駆動力を伝達する各歯車やプーリの歯数が予め調整してある。この結果、位相歯車50と、これに噛合するテーブル歯車24と、これに連結されたテーブル23とは、回転板20と一体となって同一の角速度で、軸部材21の中心軸回りに回転する。
回転板20の角速度w20と、位相歯車50の角速度w50とを同一とするための、各歯車やプーリの歯数の調整は次のようにして行う。まず主回転駆動源22から与えられた回転駆動力を回転板20及び位相歯車50に伝達するのに関与する第2プーリP2、第3プーリP3、第1プーリP1、キャリアプーリ62、遊星歯車61、太陽歯車63、内歯歯車64の歯数をそれぞれNP2、NP3、NP1、N62、N61、N63、N64とする。主回転駆動源22に直結している主シャフト22aの角速度をw22aとすると、回転板20の角速度w20=w22a×(NP1/N62)×(1+N63/N64)、位相歯車50の角速度w50=w22a×(NP2/NP3)と表されるので、回転板20の角速度w20と、位相歯車50の角速度w50を同一とするには、(NP1/N62)×(1+N63/N64)=NP2/NP3となるように、第2プーリP2、第3プーリP3、第1プーリP1、キャリアプーリ62、太陽歯車63、内歯歯車64の歯数を選定して調整する。
次に図16は、上述した構成を有する位相角付与回転装置11において、位相回転源36から回転角度が与えられた時の動作について説明する説明図である。この図16においては、位相回転源36により回転角度が与えられた時に相対的に動作する部材にハッチングを施している。なおこの図16において相対的な動作を説明する便宜上、ハッチングが施されていない部材は停止しているものとして説明する。
まず位相回転源36から、位相シャフト36aを介して太陽歯車63に、例えば上方から見て時計回り方向に回転角度θ63だけ付与する。この太陽歯車63が自身の軸心回りに時計回り方向に回転角度θ63だけ回転することによって、太陽歯車63と噛合可能な関係にある遊星歯車61が自身の軸心回りに反時計回り方向に回転角度θ61=θ63×N63/N61だけ回転する。ここでN63、N61はそれぞれ太陽歯車63、遊星歯車61の歯数である。
この遊星歯車61の回転により内歯歯車64が軸部材21とともにその軸心回りに反時計回り方向に回転角度θ64=θ61×N61/N64だけ回転するので、軸部材21に一体的に連結された回転板20も回転角度θ64だけ反時計回り方向に回転する。ここでN64は内歯歯車64の歯数である。
従って、太陽歯車63の回転角度θ63に比例して、回転板20が位相歯車50に対して反時計回り方向に回転角度θ64=θ63×N63/N64だけ回転することになり、これにより回転板20と位相歯車50との間には、回転角度θ64だけ回転位相差が生じることになる。
このように回転板20と位相歯車50との間に回転位相差が生じると、位相歯車50と噛合可能な関係にあるテーブル歯車24が回転板20とともに軸部材21の軸心回りに反時計回り方向に回転角度θ64だけ回転するとともに、連結部材23aの軸心回りに反時計回り方向に回転角度θ24=θ64×N50/N24だけ自転する。ここでN50、N24はそれぞれ位相歯車50、テーブル歯車24の歯数である。
このテーブル歯車24の自転により、これと連結しているテーブル23もテーブル歯車24と同方向に同じ回転角度θ24だけ自転し、テーブル23上に保持している検査チップ100に回転角度θ24の位相角を付与したことになる。ここで、検査チップ100に付与される位相角である回転角度θ24は任意に定めることができ、具体的には上記したように位相回転源36から付与された太陽歯車63の回転角度θ63に比例して、θ24=θ63×N63/N64×N50/N24となる。
本発明の実施の形態2である位相角付与回転装置11においては、主シャフト22a、第2プーリP2、伝達ベルト25、第3プーリP3、並びに第1プーリP1、伝達ベルト65、キャリアプーリ62、遊星歯車61、内歯歯車64、軸部材21が、回転板20及び位相歯車50を同一の角速度で同方向に回転させるよう、主回転駆動源22から回転駆動力を伝達する回転駆動伝達手段を構成している。また、位相シャフト36a、太陽歯車63、遊星歯車61、内歯歯車64及び軸部材21が、位相回転源36から付与された所定の回転角度を回転板20に回転のみで伝達する回転角度伝達手段を構成している。
以上説明したように本発明の実施の形態2である位相角付与回転装置11によれば、位相回転源36から付与される所定の回転角度を、回転角度伝達手段を通じて回転板20に伝達し、回転板20と位相歯車50との間に回転位相差を生じさせる結果、位相歯車50と噛合したテーブル歯車24が自転し、テーブル歯車24と連結したテーブル23に保持された検査チップ100を任意な位相角だけ回転させることができる。また回転角度伝達手段を構成する位相シャフト36a、太陽歯車63、遊星歯車61、内歯歯車64及び軸部材21がそれぞれ自身の軸心回りに回転することのみによって、位相回転源36から所定の回転角度を伝達する。位相回転源36は、一方向に無制限に次々と回転角度を付与できるのであるから、その回転角度を回転伝達手段で回転により次々伝えることによって、テーブル23に保持された検査チップ100に対して、常に一方向に任意な位相角を次々と制限なく付与することが可能となる。また、位相回転源36から微細かつ高精度に回転角度を付与することができるので、検査チップ100に対して微細かつ高精度に位相角を付与することができる。また、回転角度伝達手段を構成する各歯車要素の歯数を調整することによって位相回転源36から付与される回転角度をより微細にすることもできるので、超微細かつ超高精度に検査チップ100に位相角を付与することができる。
この検査チップ100への任意な位相角の付与は、主回転駆動源22の回転駆動力を回転板20及び位相歯車50に伝達する回転駆動伝達手段とは別の回転角度伝達手段を通じて行われるので、回転板20を回転中に、しかも回転速度や回転方向に関係なく行うことができる。検査チップ100の方向や姿勢を変えるために、回転板20の回転を停止させる必要がないので、回転によって一方向に移動中の検査チップ100の内部の液が回転停止時に別方向に拡散してしまう虞れがない。しかも回転板20の回転の停止や起動がないので、処理時間の短縮化を図ることができとともに、騒音や振動の軽減化も図ることができる。
また、上記位相角付与回転装置11によれば、主回転駆動源22及び位相回転源36が回転板20の回転域外に設置でき、駆動電力や信号線等の接続が容易になる。
<実施の形態3>
図17は、本発明の実施の形態3である位相角付与回転装置12を示す縦断面図であり、上方から見た場合に回転板の中心を通る平面で切断して示す中央縦断面図である。尚、上述した実施の形態1である位相角付与回転装置10及び実施の形態2である位相角付与回転装置11と同一の構成を有するものには、同一の符号を付してその説明を適宜省略する。ここで例示する位相角付与回転装置12は、回転板20、差動歯車ユニット70等を備えて構成してある。
回転板20には、位相角付与回転装置10と同様に軸部材21を介して主回転駆動源22が連結されており、主回転駆動源22から与えられる回転駆動力によって、回転板20は、自身の中心部、すなわち軸部材21の中心軸を軸心として、その軸心回りに回転する。
また回転板20には、位相角付与回転装置10,11と全く同じ構成で、複数のテーブル23、テーブル歯車24、連結部材23a、支持孔20a、軸受部材23bが備えられている。ここで検査チップ100を保持するテーブル23には連結部材23aを介してテーブル歯車が連結されており、自身の軸心回りに回転可能に回転板20に支持されている。
差動歯車ユニット70は、主として波動歯車71、出力側歯車74、補正歯車72、入力側歯車73よりなる複数の歯車列で構成したものである。波動歯車71は、ハーモニックドライブ(商標登録)と称されて株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズより販売されているもので、図18に示す構成を有する。すなわち波動歯車71は、楕円形状のカム715の外周に薄肉のボールベアリング712をはめこんだウェーブジェネレータ711と、薄肉のカップ形状の外周面に外歯が形成された外歯歯車であるフレクスプライン713と、内周面に内歯が形成された中空の円筒形状の内歯歯車であるサーキュラスプライン714とから構成される。
ウェーブジェネレータ711の楕円形状のカム715はボールベアリング712の図示されていない内輪に固定されており、カム715が回転するとボールベアリング712のボールを介して、図示されていない外輪が弾性変形する。すなわちウェーブジェネレータ711はその最外周面がカム715の回転によってラグビーボールのような楕円形状物を回転させるように変形するのであるから、「ウェーブジェネレータ711を回転させる」という表現は、楕円形をその中心軸回りに回転させるのと同義とする。ウェーブジェネレータ711はまた、その最外周面がボールベアリング712の外輪であるので、カム715が固定されたボールベアリング712の内輪に対して相対的に回転可能であるという特性も有する。フレクスプライン713はその外周面が自在に弾性変形可能であり、その外歯はサーキュラスプライン714の内周面に形成された内歯と噛合する。標準的にはフレクスプライン713の外歯の歯数は、サーキュラスプライン714の内歯の歯数よりも2枚少なくしている。ウェーブジェネレータ711を回転させると、これに応じてフレクスプライン713の外周面も変形し、楕円形の長軸となる付近でフレクスプライン713の外歯がサーキュラスプライン714の内歯に押し付けられて両者が噛合し、フレクスプライン713がウェーブジェネレータ711に対して相対的に回転可能となる。
この波動歯車71では、サーキュラスプライン714を固定し、ウェーブジェネレータ711を1回転させた場合には、フレクスプライン713はウェーブジェネレータ711の回転方向と逆方向に2枚の歯数分だけ回転する。これを一般化するために、フレクスプライン713の外歯の歯数をN713、サーキュラスプライン714の内歯の歯数をN714とすると、ウェーブジェネレータ711を回転角度θ711だけ回転させると、フレクスプライン713はそれとは逆方向にθ713=θ711×(N714−N713)/N713の回転角度だけ回転する。
一方、ウェーブジェネレータ711を固定し、サーキュラスプライン714を1回転させた場合には、フレクスプライン713はサーキュラスプライン714の回転方向と同方向に、1回転にサーキュラスプライン714とフレクスプライン713の歯数の差、例えば2枚の歯数分を加算した分だけ回転する。この場合のフレクスプライン713の回転角度θ713は、サーキュラスプライン714の回転角度をθ714とすると、θ713=θ714×(1+(N714−N713)/N713)で表される。
再び図17を見ると、波動歯車71を構成するウェーブジェネレータ711のカム715には、位相シャフト36aが挿通する態様で固定されている。位相シャフト36aは位相回転源36に連結してあるので、ウェーブジェネレータ711には、位相回転源36から所定の回転角度を付与することができる。
サーキュラスプライン714は、入力側歯車73に連結してある。この入力側歯車73は、上記位相シャフト36aに挿通された態様で、軸受を介して回転自在、かつ上下方向に沿っての移動が拘束された態様で保持されているので、位相シャフト36aの中心軸回りに回転可能である。従って入力側歯車73に連結されているサーキュラスプライン714も位相シャフト36aの中心軸回りに回転可能となる。入力側歯車73はまた、軸部材21に一体的に配設された軸歯車211に噛合可能な位置に配置されている。
フレクスプライン713は、そのカップ形状の底面部分を出力側歯車74に連結してある。この出力側歯車74は、上記位相シャフト36aに挿通された状態で、軸受を介して回転自在、かつ上下方向に沿っての移動が拘束された態様で保持されているので、位相シャフト36aの中心軸回りに回転可能である。従って出力側歯車74に連結されているフレクスプライン713もシャフト36aの中心軸回りに回転可能となる。出力側歯車74は、補正歯車72に噛合可能な位置に配置されている。
補正歯車72は、軸部材21に挿通された態様で位相歯車75の下部に一体的に配設してあり、軸部材21の中心軸を軸心としてその軸心回りに回転可能となるものである。この補正歯車72は、波動歯車71のフレクスプライン713の回転により生じる出力側歯車74との間の回転比を補正、調製する役目を有する。
補正歯車72を一体的に配設された位相歯車75は、軸部材21に挿通された状態で、軸部材21に上下端に各々ある軸受を介して回転自在、かつ上下方向に沿っての移動が拘束された態様で保持されている。位相歯車75はまた、テーブル歯車24のそれぞれと噛合可能な位置に配設されている。このような位相歯車75は、自身の軸心、すなわち軸部材21の中心軸回りに回転することにより、テーブル歯車24のそれぞれを、回転板20の回転状態とは無関係に軸心回りに回転させることができる。その結果、テーブル歯車24と連結部材23aを介して連結されているテーブル23もそれぞれの軸心回りで自転する。その一方、位相歯車75は自身が静止固定された状態であっても、回転板20が軸部材21の軸心回りに回転すると、テーブル歯車24のそれぞれも軸心回りに位相歯車75と噛合した状態で回転するので、テーブル23のそれぞれはその軸心回りに自転する。
図19は、上述した構成を有する位相角付与回転装置12において、主回転駆動源22から回転駆動力が与えられた場合の動作について説明する説明図である。尚、この図19においては、回転主駆動源22により回転駆動力が与えられて動作する部材にハッチングを施している。この図19を用いて位相角付与回転装置12の動作について説明する。
主回転駆動源22から与えられた回転駆動力により、軸部材21が自身の軸心回りに、例えば上方から見て時計回り方向に回転すると、軸部材21に連結される回転板20も時計回り方向に回転する。この軸部材21の時計回り方向の回転力、すなわち主回転駆動源22の回転駆動力は、軸歯車211から入力側歯車73と波動歯車71にも伝達され、入力側歯車73と波動歯車71のサーキュラスプライン714を反時計回り方向に回転させる。
波動歯車71側では、位相回転源36が停止固定しているので、これに連結する位相シャフト36aは静止固定しており、従って位相シャフト36aにカム715で連結されているウェーブジェネレータ711も静止固定している。静止固定しているウェーブジェネレータ711のカム715の楕円形の長軸線上付近で、サーキュラスプライン714の内歯とフレクスプライン713の外歯とが2つの接点で噛み合っており、この状態で入力側歯車73とともにサーキュラスプライン714が反時計回り方向に回転すると、フレクスプライン713も位相シャフト36aの中心軸心回りに反時計回り方向に回転する。フレクスプライン713の回転は、これに連結している出力側歯車74に伝達され、出力側歯車74は、自身の軸心、すなわち位相シャフト36aの中心軸回りに反時計回り方向に回転する。
出力側歯車74の回転は、これと噛合可能な位置に配置された補正歯車72に伝達され、補正歯車72を軸部材21の中心軸回りに時計回り方向に回転させる。補正歯車72の回転は、補正歯車72と一体的に設けられた位相歯車75にそのまま伝えられ、位相歯車75は軸部材21の中心軸回りに時計回り方向に回転する。すなわち主回転駆動源22の時計回り方向の回転駆動力は、位相歯車75に伝達されて、位相歯車75を時計回り方向に回転させる。ここで軸歯車211、入力側歯車73、サーキュラスプライン714、フレクスプライン713、出力側歯車74、補正歯車72のそれぞれの歯数をN211、N73、N714、N713、N74、N72とし、回転板20の角速度をw20、位相歯車75の角速度をw75とすれば、w75=w20×(N211/N73)×(N714/N713)×(N74/N72)と表される。従って角速度比α2=(N211/N73)×(N714/N713)×(N74/N72)が1となるように各歯車の歯数を選定して、位相歯車75と回転板20とを同方向に同一の角速度で回転するようにする。この結果、位相歯車75と、これに噛合するテーブル歯車24と、これに連結されたテーブル23は、回転板20と一体となって軸部材21の中心軸回りに回転する。
このように主回転駆動源22からの回転駆動力によりテーブル23が回転板20と一体となって回転している時に位相回転源36から回転角度が与えられると、位相角付与回転装置12は次のように動作する。
図20は、上述した構成を有する位相角付与回転装置12において、位相回転源36から回転角度が与えられた時の動作について説明する説明図である。この図20においては、位相回転源36により回転角度が与えられた時に相対的に動作する部材にハッチングを施している。尚、この図20において相対的な動作を説明する便宜上、ハッチングが施されていない部材は停止しているものとして説明する。
位相回転源36から位相シャフト36aを介して波動歯車71を構成するウェーブジェネレータ711に、例えば上方から見て時計回り方向に回転角度θ711だけ付与する。ウェーブジェネレータ711が自身の軸心回りに時計回り方向に回転角度θ711だけ回転することにより、ウェーブジェネレータ711のカム715の楕円形が長軸となる軸線上でフレクスプライン713の外歯とサーキュラスプライン714の内歯とが噛み合って、フレクスプライン713はサーキュラスプライン714との歯数差(N714−N713)に比例して、θ713=θ711×(N714−N713)/N713の回転角度だけ反時計回り方向に回転する。これに伴って、フレクスプライン713に連結された出力側歯車74も、フレクスプライン713と同じ回転角度θ713だけ反時計回り方向に回転する。
この出力側歯車74の反時計回り方向の回転によって、補正歯車72が時計回り方向に回転角度θ72=θ713×N74/N72だけ回転する。ここでN74、N72はそれぞれ出力側歯車74、補正歯車72の歯数である。これにより補正歯車72と一体的に設けられた位相歯車75は、回転角度θ72だけ回転板20と相対的に時計回り方向に回転することになり、両者の間に回転角度θ72だけの回転位相差が生じることになる。このように回転位相差が生じると、位相歯車75と噛合可能な関係にあるテーブル歯車24は連結部材23aの軸心回りに反時計回り方向に回転角度θ24=θ72×N75/N24だけ回転、すなわち自転する。ここでN75、N24はそれぞれ位相歯車75、テーブル歯車24の歯数である。これによりテーブル歯車24と連結しているテーブル23もテーブル歯車24と同方向に同じ回転角度θ24だけ自転し、検査チップ100に回転角度θ24の位相角を付与する。ここで、検査チップ100に付与される位相角である回転角度θ24は任意に定めることができ、上述したようには位相回転源36から付与されたウェーブジェネレータ711の回転角度θ711に比例して、θ24=θ711×(N714−N713)/N713×N74/N72×N75/N24となる。
本発明の実施の形態3である位相角付与回転装置12においては、軸部材21、軸歯車211、入力側歯車73、波動歯車71、出力側歯車74及び補正歯車72が、回転板20及び位相歯車75を同一の角速度で同方向に回転させるよう、主回転駆動源22から回転駆動力を伝達する回転駆動伝達手段を構成している。また、位相シャフト36a、波動歯車71、出力側歯車74及び補正歯車72が、位相回転源36から付与された所定の回転角度を位相歯車75に回転のみで伝達する回転角度伝達手段を構成している。
以上説明したように本発明の実施の形態3である位相角付与回転装置12によれば、位相回転源36から付与される所定の回転角度を、回転角度伝達手段を通じて位相歯車75に伝達し、回転板20と位相歯車75との間に回転位相差を生じさせる結果、位相歯車75と噛合したテーブル歯車24が自転し、テーブル歯車24と連結したテーブル23に保持された検査チップ100を任意な位相角だけ回転させることができる。また回転角度伝達手段を構成する波動歯車71、出力側歯車74、補正歯車72、位相シャフト36aがそれぞれ自身の軸心回りに回転することのみによって、位相回転源36から所定の回転角度を伝達する。位相回転源36は、一方向に無制限に次々と回転角度を付与できるのであるから、その回転角度を回転伝達手段で回転により次々伝えることによって、テーブル23に保持された検査チップ100に対して、常に一方向に任意な位相角を次々と制限なく付与することが可能となる。また、位相回転源36から微細かつ高精度に回転角度を付与することができるので、検査チップ100に対して微細かつ高精度に位相角を付与することができる。更に、回転角度伝達手段を構成する各歯車要素の歯数を調整することによって位相回転源36から付与される回転角度をより微細にすることもできるので、超微細かつ超高精度に検査チップ100に位相角を付与することができる。
この検査チップ100への任意な位相角の付与は、主回転駆動源22の回転駆動力を回転板20及び位相歯車75に伝達する回転駆動伝達手段とは別の回転角度伝達手段を通じて行われるので、回転板20を回転中に、しかも回転速度や回転方向に関係なく行うことができる。検査チップ100の方向や姿勢を変えるために、回転板20の回転を停止させる必要がないので、回転によって一方向に移動中の検査チップ100の内部の液が回転停止時に別方向に拡散してしまう虞れがない。しかも回転板20の回転の停止や起動がないので、処理時間の短縮化を図ることができるとともに、騒音や振動の軽減化も図ることができる。
また、上記位相角付与回転装置12によれば、回転主駆動源22及び位相回転源36が回転板20の回転域外に設置でき、駆動電力源や信号線等の接続が容易になる。
10,11,12 位相角付与回転装置
20 回転板
21 軸部材
211 軸歯車
22 主回転駆動源
22a 主シャフト
23 テーブル
23a 連結部材
23b 軸受部材
24 テーブル歯車
25 伝達ベルト
30,60,70 差動歯車ユニット
31 入力側かさ歯車
32 出力側かさ歯車
33 リンクギア
34 ピニオンギア
35,50,75 位相歯車
36 位相回転源
36a 位相シャフト
37 位相かさ歯車
40 逆転機構
41 逆転歯車
42 伝達ベルト
43 中間歯車
44 主プーリ
45 従プーリ
60 差動歯車ユニット
61 遊星歯車
62 キャリアプーリ
63 太陽歯車
64 内歯歯車
65 伝達ベルト
70 差動歯車ユニット
71 波動歯車
711 ウェーブジェネレータ
712 ボールベアリング
713 フレクスプライン
714 サーキュラスプライン
715 カム
72 補正歯車
73 入力側歯車
74 出力側歯車
100 検査チップ
101 検査部
110 血液
110a 血球
110b 血漿成分
111〜115 試薬
116 洗浄液
P1 第1プーリ
P2 第2プーリ
P3 第3プーリ

Claims (4)

  1. 複数のテーブルを自身の軸心回りに回転可能に支持する回転板と、
    前記テーブルのそれぞれに連結された歯車と噛合し、前記テーブルのそれぞれを中心軸回りに自転させる位相歯車と
    を備え、前記回転板と前記位相歯車との間に回転位相差を生じさせることで、前記テーブルのそれぞれを任意な角度に自転させて該テーブルに保持されたワークに位相角を付与する位相角付与回転装置であって、
    前記回転板及び前記位相歯車を同一の角速度で同方向に回転させるように主回転駆動源からの回転駆動力を伝達する回転駆動伝達手段と、
    前記回転駆動伝達手段による回転駆動力の伝達経路外に独立して設けられた位相回転源と、
    前記回転板と前記位相歯車との間に回転位相差を生じるように、前記位相回転源から付与する所定の回転角度を、前記回転板又は前記位相歯車に回転のみで伝達する回転角度伝達手段と
    を備えたことを特徴とする位相角付与回転装置。
  2. 前記回転駆動伝達手段及び前記回転角度伝達手段は、共通の差動歯車ユニットを備え、
    前記差動歯車ユニットは、複数のかさ歯車の噛み合いにより構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の位相角付与回転装置。
  3. 前記差動歯車ユニットは、太陽歯車、遊星歯車及び内歯歯車の噛み合いにより構成されたものであることを特徴とする請求項2に記載の位相角付与回転装置。
  4. 前記差動歯車ユニットは、歯数の異なる内歯歯車と外歯歯車とから成る歯車列の噛み合いにより構成されたものであることを特徴とする請求項2に記載の位相角付与回転装置。
JP2009065005A 2009-03-17 2009-03-17 位相角付与回転装置 Withdrawn JP2010216588A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009065005A JP2010216588A (ja) 2009-03-17 2009-03-17 位相角付与回転装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009065005A JP2010216588A (ja) 2009-03-17 2009-03-17 位相角付与回転装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010216588A true JP2010216588A (ja) 2010-09-30

Family

ID=42975642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009065005A Withdrawn JP2010216588A (ja) 2009-03-17 2009-03-17 位相角付与回転装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010216588A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014002144A1 (ja) 2012-06-29 2014-01-03 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ 遊星差動減速装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014002144A1 (ja) 2012-06-29 2014-01-03 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ 遊星差動減速装置
US8864617B2 (en) 2012-06-29 2014-10-21 Harmonic Drive Systems, Inc. Planetary differential reduction device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7552664B2 (en) Harmonic drive gear assembly with asymmetrical wave generator and associated flexspline
US9574637B2 (en) Epicyclic gear train
CN101681083A (zh) 叶片驱动装置和光学装置
KR200450505Y1 (ko) 감속기
US10781933B2 (en) Regulating valve with planetary gear transmission
JP2010216588A (ja) 位相角付与回転装置
KR101322587B1 (ko) 회전 전달 기구, 반송장치 및 구동장치
WO2021015165A1 (ja) 波動歯車装置
JP2017007080A (ja) 加工装置
JP6568381B2 (ja) 多方向より動力を取り出すことができるギヤ機構およびハンド機構
JP2013002601A (ja) ウォームギア減速機構の減速比を備えるエピサイクリック歯車列の変速装置
JP2005214218A (ja) ボールねじ・ボールスプライン機構を備えた直動・回転機構
JP2020203363A5 (ja)
JP5887955B2 (ja) 減速機およびロボット
JP4818818B2 (ja) 内接揺動噛合型遊星歯車減速機
JP2007263254A (ja) 減速機
US20160252160A1 (en) Angular speed reduction device
JP2010007787A (ja) 回転伝達機構または直交型減速機。
JP4463409B2 (ja) 搬送装置及び真空処理装置
US10759047B1 (en) Speed reducer and robot
JP2007315581A (ja) 減速装置
CN108458059A (zh) 新型行星减速器
JPH10257716A (ja) ボールスクリュースプライン軸の駆動方法
US20190264786A1 (en) Device for the Angular Positioning of a Shaft
JP5770498B2 (ja) 回転駆動装置及び搬送装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120605