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JP2010257875A - 放電ランプ - Google Patents

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JP2010257875A
JP2010257875A JP2009109240A JP2009109240A JP2010257875A JP 2010257875 A JP2010257875 A JP 2010257875A JP 2009109240 A JP2009109240 A JP 2009109240A JP 2009109240 A JP2009109240 A JP 2009109240A JP 2010257875 A JP2010257875 A JP 2010257875A
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disposed
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discharge
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Yuji Oda
祐司 小田
Hidemi Orito
日出海 折戸
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Iwasaki Denki KK
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Iwasaki Denki KK
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Abstract

【課題】 様々な使用条件においても瞬時点灯が可能である良好な始動性を発揮するエキシマランプを提供する。
【解決手段】 放電ガラス容器外面上またはその近傍に対を成して対向配設された電極を備え、内部にキセノンガスが封入されると共に、前記容器の一部または全周に、始動性を高めるために放電空間距離を短くしたへこみ若しくはくびれが配設されたエキシマランプにおいて、前記へこみ若しくはくびれが配設された部位の容器内面に、容器内部の不純ガスに対してゲッターとしての役割を果たすと共に、始動パルスにとっての補助電極として作用する金属タンタルを保持する。外側主電極は前記へこみ若しくはくびれ部を含む容器外面上に配設し、始動電極は、少なくとも前記へこみ若しくはくびれの頂点に対向する部位の容器外面上またはその近傍に配設する。
【選択図】 図1

Description

本発明は特に、内部に放電ガスが封入されたガラス容器の外側に電極を配設し、この電極に高周波電圧を印加する電界結合型放電ランプ、即ちE放電ランプ(いわゆるエキシマランプ)の始動性の改良に関する。
一般的にこのような放電は、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン等の希ガスを封入した、通常合成石英管より成るガラス容器に電界結合型無電極放電を構成し、非特許文献1及び2に開示されている無電極放電を作用させてエキシマ光を放射させるエキシマランプの構成に利用されている。特にキセノンガスを封入したエキシマランプは、中心波長172nm、半値幅14nmの放射スペクトル分布を持ち、一般的に広く利用されている低圧水銀ランプから放射される波長185nmや254nmの紫外光に比べて高いエネルギーを持っているため、高効率で活性酸素やオゾンの発生を実現できることから、液晶素子やPDP素子のガラス洗浄、あるいは半導体基板のシリコンウエハーの表面加工に利用されてきた。
近年、使用されるガラス基板の大型化に伴い、より高い洗浄効率が求められるようになり、このようなエキシマ光の高出力化が望まれている。このような高照度を達成する方法としては、従来、エキシマ光が発光するエネルギー範囲、即ち可視光発光が増えない範囲で高周波入力電力を増やすこと、あるいは図1に示すような中空円筒構造の灯体1の外管1aと内管1bの寸法の適正化、更には封入される希ガスの圧力の適正化が実施されている。
一般的にこのようなエキシマランプは数MHz程度の高周波電源によって点灯されるため、高周波入力電力を増やすことは、前記高周波電源に内蔵されるトランジスタ等の回路素子の耐圧性能やコストを考慮した場合、自ずと制約が生まれてくる。
一方、図1に示される中空円筒構造の灯体1の外管1aと内管1bの寸法を、放電空間距離d1が長くなるように選ぶことにより、あるいは、封入される希ガスの圧力を増加することにより高照度を実現することができるが、その一方で電界結合型無電極放電を開始させるための始動電圧が高くなる欠点がある。
これに対して特許文献1によれば、放電ガスを封入したガラス容器の一部または全周にへこみ若しくはくびれを配設することによって、主放電域の電極間距離(主放電空間距離)は高照度が実現される長さで維持したまま、始動用放電域の電極間距離(最短放電空間距離)は短くして、電界結合型無電極放電を開始させるための始動電圧を低くすることに成功している。しかしながら、様々な条件での瞬時点灯が要求される使用環境においては、従来のランプではまだ始動時間が長過ぎ、またばらつきも大きく、始動に対する十分な信頼性が確保できないという問題があった。
特開2004−227820号公報
「無電極放電ランプの技術動向/電界結合放電E放電の解説」、照明学会誌、第77巻第5号、21ページ(1993年) O plus E,Vol.22,No.8,1022〜1024ページ(2000年)
本発明は、このような事情からなされたものであり、様々な条件においても良好な始動性をもったエキシマランプを提供することを目的とする。
本発明の放電ランプは、
器壁の少なくとも一部が互いに対向し合う部位と、外面の一部または全周にへこみ若しくはくびれが配設された部位(以下「へこみ若しくはくびれ部」という)とを有するガラス容器と、該容器の内部に封入された放電ガスとしてのキセノンガスと、前記器壁の互いに対向し合う区域の前記容器外面上またはその近傍に対を成して対向配設された電極とを備える放電ランプであって、
前記電極は、前記容器外面のうち前記へこみ若しくはくびれ部を含む面上に連続的に配設された第一の電極(外側主電極)と、前記へこみ若しくはくびれ部に対向する区域及びその隣接区域の前記容器外面近傍に、前記第一の電極に対向させ且つ灯体中央側の端部を前記へこみ若しくはくびれの頂点に対向させて連続的に配設された第二の電極(始動電極)と、前記第一の電極が配設された前記容器外面のうち前記第二の電極と対向しない区域の前記容器外面の近傍に、前記第二の電極と隔離しかつ前記第一の電極に対向させて連続的に配設された第三の電極(内側主電極)とから成り、
前記容器内面の、前記へこみ若しくはくびれ部に金属タンタルが保持されている
ことを特徴とする。
本発明によれば、放電ランプは、それを構成するガラス容器内のくびれ部に金属タンタルを保持しているので、これが不純ガスに対するゲッターとしての役割を果たし、ガラス容器内のキセノンガスの高純度化が実現され、また、この金属タンタルが始動パルスにとっての補助電極となるので、安定して高い始動性を得ることができる。
本発明の実施例のエキシマランプの概略断面図 本発明の他の実施例のエキシマランプの概略断面図 本発明の実施例のエキシマランプの点灯回路図 エキシマランプの始動または再始動時間の分布図
本発明を図面に基づき説明する。図1は、本発明を構成する電界結合型高周波エキシマランプの中心軸を含む概略断面図である。石英管に端部近傍にあらかじめくびれ加工を施してなる外管1aと、外管1aの内径よりも細い外径の内管1bの両端面がそれぞれ接合されて全体として1つの閉じた空間が形成された放電用ガラス容器、即ち灯体1が構成される。灯体1は中心部に中空部を有するいわば二重管構造となっている。
外管1aの外面上には、放射光を遮らない程度の隙間を持つ網状の外側主電極3が連続的に配設される。また、内管1bの内側には、その中空部を貫通する形でガラス製水冷管2が配設され、内管1bとガラス製水冷管2との間には狭い隙間が形成される。そして、ガラス製水冷管2の外面上には、外管1aのくびれ6と対向する位置を含む端部近傍の外面を覆う金属製の始動電極5と、それ以外の外面のほぼ全体を覆う金属製の内側主電極4とが配設される。このとき、始動電極5の端部と、内側主電極4の端部は所定距離だけ離れた構造となっている。
ここで、網状の外側主電極3は、外管1aのくびれ6のへこみ部分の外面全周を含み、外管1aの外面上に十分に接触させるように配設される。一方、内側主電極4及び始動電極5については、放電用ガラス容器(灯体1)を介して外側主電極3との距離を最短にする意味では、内管1bの内面に接触させて配設するのが好ましいが、製造上実施が容易な(電極の保持固定が容易な)形態として、便宜的にガラス製水冷管2の外面上に配設される。要するに、本発明においては、内側主電極4及び始動電極5は、外側主電極3と対向する区域の内管1bの内面近傍に配設されていればよく、内管1bの内面にできるだけ接近させて配設されるのであって、勿論何らかの手段により内管1bの内面に接触させて配設されていてもよい。
なお、図1(及び図2)では、放電用ガラス容器表面と各電極との接触の如何についての微細な描画が省略されている。
灯体1及び電極3、4、5は、ガラス製水冷管2の内部に冷却水を流通させることによって冷却する。
図1において、d1は、外管1aの外面と内管1bの内面とで形成される主電極間距離であり、d2は、外管1aの外面に形成されるくびれ6の凹底と内管1bの内面とで形成される始動電極間最短距離である。
金属タンタルは、あらかじめ、外管1aの内側に形成されるくびれ6の尖端近傍の、内管1b外面に適当な手段を用いて配設した後、容器内に残留する酸素や水素などの不純ガスを吸着するゲッターとして動作する温度(約1000℃)近辺にて加熱排気を行なう。
以下に、本発明の実施例について説明する。外管1aの材料としては、例えば外径35mm、内径33mm、長さ1310mmの石英管を、内管1bの材料としては、例えば外径18mm、内径16mm、長さ1310mmの石英管を用い、両石英管の端面をそれぞれ融着加工して接合し、二重管構造の石英ガラス容器(灯体1)を作製した。
外側主電極3は、太さ1mmのステンレス製線状部材を円筒状に構成し、外管1aの外面上に灯体1の長手方向の長さ1280mmで全体を覆うように配置した。内側主電極4と始動電極5は、いずれも厚さ1mmのステンレス製板状部材を円筒状に構成し、水冷管2の外面上を覆うように配置した。灯体1の長手方向に対する長さは、内側主電極4が1000mm、始動電極5が300mmとし、始動電極5の端部51(灯体1の中央側の端部)はくびれ6の頂点と対向する位置に配置した(図1参照)。内側主電極4の端部41と始動電極5の端部51とは20mm隔離した。この時、内側主電極4及び始動電極5と内管1b内面との間には1mm程度の間隙が生じた。
主電極間距離d1は8.5mmとし、くびれ6は灯体1の長手方向で幅略8mmに加工形成し、くびれ加工された部分の石英肉厚は略1mm、外管1aの外面に形成されるくびれ6の凹底と内管1bの内面とで形成される始動電極間最短距離d2は5mmとした。
灯体1内には融着封止前にあらかじめ金属タンタル8を配設し、1050℃で加熱排気を行った。灯体1の内部空間である放電空間7には79.8kPaの圧力のキセノンガスを封入した。
金属タンタル8をくびれ部6zに配設するための簡易的な方法としては、例えば、前記内管1bの、外管1aに施してあるくびれに略対応する位置に、保持し易くするための同様のくびれ加工を予め施しておき、そこに金属タンタル8を加工して図2に示すようにリング状に巻き付けることで実現することが可能である(図2では金属タンタル8が保持されている部位の細部の描画は省略されている)。ここで、くびれ部6zとは、図1、図2に示すように、灯体1の、くびれ6を含む環状の区域を指す。金属タンタル8は、灯体1内部のくびれ部6zに相当する区域に配置される。
このようにして構成した放電ランプを、図3に示される点灯回路構成に従って外側主電極3と内側主電極4の間に周波数約2MHz、パルスピーク電圧4kVの高周波電圧を、外側主電極3と始動電極5との間にパルスピーク電圧10kVの高電圧パルスを同時に印加すると、電界結合型無電極放電が開始される。
この放電は次のような過程を経て開始すると考えられる。まず、始動器10によって外側主電極3と始動電極5の間に印加される高電圧パルスにより、両電極間に絶縁破壊が生じ、灯体1内のくびれ6の凸面周辺に自由電子が生成される(種火放電が起きる)。このとき同時に、高周波電源9によって周波数約2MHz、パルスピーク電圧4kVの高周波電圧が外側主電極3と内側主電極4の間に印加されているが、前記寸法の放電空間距離d1に対して電界結合型無電極放電(主放電)が開始するのに十分な大きさではない。しかし、生成された自由電子が外側主電極3と内側主電極4に相挟まれた領域まで次第に拡散することにより、この電子が種火となって主放電が開始される。
ここで、図1、図2に示すように、始動電極5の灯体中央側端部(端部51)をくびれ6の頂点と対向する位置に配置しているのは、次の理由による。すなわち、外側主電極3、内側主電極4及び始動電極5の相対的な位置関係に関して、外側主電極3が近接しているくびれ6の頂点(いわば外側主電極3の突き出し部)が、始動電極5の端部51と最短距離を取り、なおかつ始動電極5の端部51と所定距離だけ隔離した内側主電極4の端部41との間でもできるだけ最短距離となるように配置することで、種火放電から主放電への移行が起こり易くするためである。くびれ6の頂点と内側主電極4との距離が離れすぎると、主放電への移行が起こり難くなる。
次に、始動/再始動時間の分布を調べたところ、図4のような結果が得られた。尚、ここでいう始動時間とは、定格点灯時における高周波電源9の1次電流値をIとした場合、電圧印加後に1次電流値が0.5Iになるまでの時間を指す。
図4から、従来のエキシマランプに比べて始動時間が1/4以下に短縮され、またその時間のばらつきも少なくすることができたことがわかる。これは、ガラス容器内のくびれ部周辺に設置した金属タンタル8が近接導体、即ち、補助電極としての役割を担い、高電圧パルスによって生成される初期自由電子量が増加し、そのことが主放電への移行時間を短縮しているためであると考えられる。こうして、本発明によれば、従来に比べて極めて良好な始動性が実現されることが確認できた。
上記実施例における各種の具体的な数値および形態はあくまでも一例であり、本発明の趣旨の範囲内で上記実施例とは別の数値および形態を適宜選択し採用することが可能である。
内部に放電ガスが封入されたガラス容器の外側に電極を配設し、この電極に高周波電圧を印加する電界結合型放電ランプ(いわゆるエキシマランプ)に好適に利用可能である。
1 灯体
1a 外管
1b 内管
2 ガラス製水冷管
3 外側主電極
4 内側主電極
5 始動電極
6 くびれ
6z くびれ部
7 放電空間
8 金属タンタル
9 高周波電源
10 始動器
41 内側主電極端部
51 始動電極端部

Claims (1)

  1. 器壁の少なくとも一部が互いに対向し合う部位と、外面の一部または全周にへこみ若しくはくびれが配設された部位(以下「へこみ若しくはくびれ部」という)とを有するガラス容器と、該容器の内部に封入された放電ガスとしてのキセノンガスと、前記器壁の互いに対向し合う区域の前記容器外面上またはその近傍に対を成して対向配設された電極とを備える放電ランプであって、
    前記電極は、前記容器外面のうち前記へこみ若しくはくびれ部を含む面上に連続的に配設された第一の電極と、前記へこみ若しくはくびれ部に対向する区域及びその隣接区域の前記容器外面近傍に、前記第一の電極に対向させ且つ灯体中央側の端部を前記へこみ若しくはくびれの頂点に対向させて連続的に配設された第二の電極と、前記第一の電極が配設された前記容器外面のうち前記第二の電極と対向しない区域の前記容器外面の近傍に、前記第二の電極と隔離しかつ前記第一の電極に対向させて連続的に配設された第三の電極とから成り、
    前記容器内面の、前記へこみ若しくはくびれ部に金属タンタルが保持されている
    ことを特徴とする放電ランプ。
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