JP2005209398A - 誘電体バリア放電ランプおよび紫外線照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
熱膨張差によるパーティクルの発生を抑制した誘電体バリア放電ランプおよびこれを用いた紫外線照射装置を提供する。
【解決手段】
誘電体バリア放電ランプEXLは、紫外線透過性の材料からなる細長い管状をなす気密容器1と;気密容器1内に封入されたエキシマ生成ガスと;誘電体バリア放電が気密容器内にその管軸方向のほぼ全長にわたって生起するように配設された長い内部電極2と;管軸方向に沿って0.05〜1.0mmの間隙を形成しながら気密容器1の外面に配設されるとともに、内部電極2との協働によって気密容器1内に誘電体バリア放電を生起するように作用する外部電極OEと;を具備している。
【選択図】
図1
熱膨張差によるパーティクルの発生を抑制した誘電体バリア放電ランプおよびこれを用いた紫外線照射装置を提供する。
【解決手段】
誘電体バリア放電ランプEXLは、紫外線透過性の材料からなる細長い管状をなす気密容器1と;気密容器1内に封入されたエキシマ生成ガスと;誘電体バリア放電が気密容器内にその管軸方向のほぼ全長にわたって生起するように配設された長い内部電極2と;管軸方向に沿って0.05〜1.0mmの間隙を形成しながら気密容器1の外面に配設されるとともに、内部電極2との協働によって気密容器1内に誘電体バリア放電を生起するように作用する外部電極OEと;を具備している。
【選択図】
図1
Description
本発明は、誘電体バリア放電ランプおよびこれを用いた紫外線照射装置に関する。
キセノンなどの希ガスまたは希ガスのハロゲン化物などを無声放電すなわち誘電体バリア放電を行わせて、固有の単色に近い放射を発生させるエキシマ放電ランプすなわち誘電体バリア放電ランプは、数多くの文献に記載されて従来から知られている。誘電体バリア放電においては、パルス状の電流が流れる。このパルス状の電流は、高速の電子流を持ち、かつ、休止期間が多いため、キセノンなどの紫外線を出す物質を一時的に分子状態(エキシマ状態)に結合させ、それが基底状態に戻るときに再吸収の少ない短波長紫外線を効率よく放出する。なお、キセノンの場合、172nmを中心波長とする半値幅の広い分子発光を行う。波長172nmの紫外線は、そのエネルギーが低圧水銀ランプから得られる波長185nmや254nmの紫外線より大きいとともに、分解したい有機化合物の結合エネルギーより大きい。このため、波長172nmの紫外線を照射することによって、上記有機化合物の結合を切断して分解して除去することができる。さらに、波長172nmの紫外線照射を大気雰囲気中で行うことにより、大気中の酸素が分解して活性酸素を生成し、結合が切断された有機化合物が活性酸素と反応して、炭酸ガス(CO2)や水(H2O)などを生成させるので、有機化合物の除去が容易になる。したがって、誘電体バリア放電ランプは、紫外線光源として甚だ効果的である。
誘電体バリア放電ランプとして、細長い管状の気密容器を用いて誘電体バリア放電を行う誘電体バリア放電ランプが知られている(特許文献1参照。)。細長い誘電体バリア放電ランプを用いることによって大きな面積を有する被照射物に紫外線を照射することが可能になる。
また、光透過性で、しかも、細長い管状で、誘電体バリア放電の第一の誘電体を兼ねた放電容器の外面に光透過性の外部電極と、内側に長さLと直径Dの比L/Dが30以上の金属棒または金属パイプからなる内側電極とを備えた構造も提案されている(特許文献2参照。)。細長い気密容器の管軸方向に沿って内部電極と外部電極とを配設することによって管軸方向に比較的均一な紫外線照度分布が得られる。
さらに、張力の作用化で内部電極を配設したり、内部電極に位置規制子すなわちアンカーを装着したりした構成とすることによって、内部電極の垂下を抑制するようにした誘電体バリア放電ランプも本発明者らにより開発されている(特許文献3参照。)。このような内部電極を用いることにより、管軸方向の紫外線照度分布の均一性が改善される。また、特許文献3によれば、アンカーを導電性金属により構成することにより、アンカーが内部電極の一部として外部電極との間で効果的に誘電体バリア放電を生じる作用をするので、内外電極間の距離が小さくなり、始動性が向上する。
特許文献1ないし3に示されているような細長い気密容器、気密容器内の軸方向に延在する内部電極および気密容器内に封入されたエキシマ生成ガスを備えた発光管を形成し、冷却機能を有するとともに気密容器の外面の一部が嵌合するように凹窪させた灯体に、上記発光管を圧接し、かつ、両者間に箔状のアルミニウムからなる外部電極を介在させ、かつ、灯体と気密容器とで挟持することにより、気密容器の外面に外部電極を密着させて管軸方向に沿って一様な誘電体バリア放電を生起させるとともに、発光管から発生する熱を速やかに放散させて発光効率を高い状態に維持することができる。
上述した従来のこの種の誘電体バリア放電ランプを用いて紫外線照射を行う場合は、被照射物の大面積化に伴ってさらに長尺な誘電体バリア放電ランプが開発され、その有効長が1mを超えるものが用いられるようになった。
特開平11−111235号公報
特開平7−272692号公報
特開2001−084966号公報
ところが、誘電体バリア放電ランプのランプ長が500mm以下の場合のように短いのであれば上述したアルミニウム製の外部電極を灯体と気密容器とで挟持する構造でも問題がないが、ランプの有効長が例えば1mを超えるような長いものになると、以下に示す問題のあることが分かった。すなわち、誘電体バリア放電ランプの点滅に伴い各部に膨張、収縮の影響が生じる。誘電体バリア放電ランプの気密容器は、点灯時に約30〜百数十℃になる。一方、灯体は、冷媒による冷却のために温度上昇が抑制されている。気密容器の外面に密接している上記外部電極は、熱膨張率が大きいため、誘電体バリア放電ランプの点灯時には気密容器の温度上昇に伴って温度が上昇して膨張し、消灯時には灯体の温度につられて冷却されて収縮する。これに対して、気密容器は、石英ガラスなど比較的熱膨張率が小さい材料からなるので、点滅に伴う膨張、収縮が少ない。
したがって、誘電体バリア放電ランプの点滅に伴って気密容器と外部電極との間に擦れが生じる。ランプ長が1mを超えると、両者間の位置ずれは1mm以上にもなる。そして、この擦れにより外部電極が削られて粒径0.1mm程度のパーティクルが発生しやすくなる。このようなパーティクルが発生すると、これが気密容器の表面に付着して黒色付着物を形成するために紫外線照度分布に影響したり、パーティクルが被照射物に落下して被照射物を汚損したりする。
本発明は、熱膨張差によるパーティクルの発生を抑制した誘電体バリア放電ランプおよびこれを用いた紫外線照射装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、気密容器と外部電極との間の離間距離を所定の範囲内に維持しやすくして長尺の気密容器に好適な誘電体バリア放電ランプおよびこれを用いた紫外線照射装置を提供することを他の目的とする。
請求項1の発明の誘電体バリア放電ランプは、紫外線透過性の材料からなる細長い管状をなす気密容器と;気密容器内に封入されたエキシマ生成ガスと;誘電体バリア放電が気密容器内にその管軸方向のほぼ全長にわたって生起するように配設された長い内部電極と;気密容器の外面にその管軸方向に沿って0.05〜1.0mmの間隙を形成しながら気密容器の外面に配設されるとともに、内部電極との協働によって気密容器内に誘電体バリア放電を生起するように作用する外部電極と;を具備していることを特徴としている。
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
<気密容器について> 気密容器は、紫外線透過性の材料からなり、細長い放電空間が内部に形成されている。例えば、細長い管の両端が封止されて内部に円柱状の放電空間が形成された構造とすることができる。また、2重の細長い管の両端を封止することによって内部に円筒状の細長い放電空間が形成された構造とすることもできる。紫外線透過性の材料としては、一般的に合成石英ガラスを用いて製作される。しかし、本発明においては、利用しようとする波長の紫外線に対して透過性を有していればどのような材料で構成してもよい。
また、気密容器は、その径が特段限定されるものではないが、紫外線出力を多くするには、その外径を12mm以上にするとよい。また、肉厚を2mm以下、好適には0.3〜1mm程度にすることができる。これに対して、気密容器の長さは、全く制限されないのであって、所要の紫外線照射長さすなわちランプの有効長に応じて任意所望の長さに設定することができる。しかし、本発明は、ランプの有効長が1m以上のものに対して特に効果的であり、例えば2m程度の長尺体とすることができる。
さらに、気密容器は、真っ直ぐな直管であるのが好ましいが、多少湾曲していても差し支えない。実際上、細長い管を形成する際に多少の湾曲が生じやすく、例えば全長約1200mmに対して最大1mm程度以下の湾曲が形成され得る。しかし、この程度の湾曲は、ほぼ直管であるとして許容される。なお、後述するようにスペーサを配設する場合、気密容器が上記のように円弧状に湾曲している場合、円弧の背の部分がスペーサに当接するように配置することにより、気密容器と外部電極との間の離間距離を所定範囲内に規制しやすくなる。なお、管の断面形状は、円形であれば製造コストが相対的に低くなるので好ましいが、要すれば楕円形、四角形など所望の断面形状を採用することもできる。
さらにまた、気密容器を封止する前の段階において、気密容器の内部を排気してからエキシマ生成ガスを封入するための手段として、排気管を気密容器に接続することができる。この場合、排気管は、気密容器の一方の端部近傍であって、かつ、灯体から外部へ露出する部位の側面に接続することができる。なお、排気管を介して排気したら、エキシマ生成ガスを排気管から気密容器内に封入し、排気管をチップオフすることにより、排気チップオフ部が形成され、気密容器が気密に封止される。排気を気密容器の一端側に形成した排気管を経由して排気すると、特に気密容器が1m以上のように長い場合、充分な排気をするのに多少時間が長くなる傾向がある。そこで、要すれば、気密容器の両端近傍に一対の排気管を形成して、同時に排気を行うように構成してもよい。したがって、この場合には、一対の排気チップオフ部が形成される。
<エキシマ生成ガスについて> エキシマ生成ガスとしては、キセノン(Xe)、クリプトン(Kr)、アルゴン(Ar)またはヘリウム(He)などの希ガスの一種または複数種の混合あるいは希ガスハロゲン化物、例えばXeCl、KrClなどを用いることができる。なお、希ガスハロゲン化物を封入する場合、希ガスとフッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲンを封入して、気密容器の内部でハロゲン化物が生成さしれるようにてもよい。また、エキシマ生成ガスに加えてエキシマを生成しないガス、例えばネオン(Ne)などを混合することも場合によっては許容される。
さらに、エキシマ生成ガスは、20000Pa以上の圧力で封入することができる。圧力が大きくなるに伴いランプ効率が向上して紫外線出力は増大する。ただし、ランプ効率は圧力の増加に対して飽和傾向を示していく。
<内部電極について> 内部電極は、気密容器の外表面より内側に位置するように配設される。しかし、内部電極は、気密容器の内部に挿入されている態様に限定されるものではなく、例えば気密容器の内側において外部に配設された態様であってもよい。前者の態様の場合、内部電極は、放電空間内に露呈する。後者の態様の場合、例えば気密容器が2重管構造であり、内部電極は、気密容器の中心軸側に形成された筒状の壁面に沿って配設される。したがって、本発明において、内部電極とは、気密容器を外部から見た場合に相対的に気密容器の内側に配設される電極であることを意味する。
以上の説明から理解できるように、本発明において、内部電極は、気密容器の内部に、その管軸方向のほぼ全長すなわちランプの有効長の全体にわたって誘電体バリア放電を生起するように配設された長い電極であれば、その余はどのような構成であってもよい。例えば、コイル状、棒状、板状、メッシュ状など既知の種々の構成を任意所望により選択して使用することが許容される。内部電極を構成する材料は、特段限定されないが、例えばタングステン、モリブデンおよびニッケルなどの耐火性の金属を用いることができる。タングステンやニッケルは、仕事関数が相対的に小さく、電子放出しやすいから、始動電圧を低下させるのに効果的である。
次に、内部電極の好適な構成例について説明する。すなわち、この内部電極は、多数の単位メッシュ部分が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して配設された構成のメッシュ状をなしているとともに、気密容器の内部に挿入された状態で配設される構成を備えている。この内部電極を用いることにより、紫外線発生量を相対的に多くすることができる。なお、「多数の単位メッシュ部分が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して配設されたメッシュ状をなしている」とは、単位メッシュ部分が気密容器の内壁面に接近し、かつ、気密容器の軸方向に互いに空間的に離間しているが、導電的に接続している状態をいう。なお、単位メッシュ部分は、周方向に対して連続していてもよいし、分断していてもよい。したがって、この単位メッシュ部分は、具体的には例えばリング状(前者の態様)、スパイラル状またはコイル状(後者の態様)、あるいは網目状などをなしていることが許容される。なお、網目状の場合には、その網目の構成によって前者または後者に属する。
単位メッシュ部分がリング状をなしている場合には、気密容器の軸方向に延在する連結部分を備えていることによって、多数の単位メッシュ部分を所定のピッチで連結し、かつ、導電的に接続することができる。なお、連結部分を気密容器の中心軸に沿って延在するように構成することにより、内部電極の全体が多数のリングアンカー(単位メッシュ部分に相当する。)を備えた複写用ハロゲン電球のフィラメントのような形態を呈し、製造設備を流用することができて製造が容易になる。しかし、要すれば、気密容器の中心軸を外してメッシュ状部分のリングの部分に連結部分を直接接続した構成を採用してもよい。また、連結部分は、単線の直線状でもよいし、また外径が気密容器の内径に対して20%以下のコイル状をなしていてもよい。さらに、連結部分を適当な値の張力、好適には2kg以上の張力が中心軸方向に作用している状態で封装することができる。張力を作用させるには、内部電極をコイル状に形成すると好都合である。コイル状でなくても、連結部分に中心軸方向の張力を作用させることができる。連結部分がどのような形状であっても、その両端側で気密容器の両端部に封着することにより、連結部分に張力を作用させやすくなる。しかし、要すれば、連結部分を気密容器の片側にのみその一端で封着し、他端を気密容器の他端側に適当な手段たとえばアンカーワイヤによって封止部に固定することにより、連結部分に張力を作用させることもできる。
これに対して、単位メッシュ部分がスパイラル状や網目状をなしている場合には、そのスパイラルや網目の部分が連結部分としても機能して、多数の単位メッシュ部分が互いに機械的および導電的に連結する。しかし、スパイラル状や網目状の単位メッシュ部分に単一または複数の棒状体からなる連結部分を溶接するなどによって、より一層内部電極の保形性を付与することができる。あるいは棒状体の連結部分に代えて巻枠を用いてスパイラル状や網目状の単位メッシュ部分を形成すると、保形性が良好になる。なお、巻枠は、絶縁性および導電性のいずれであってもよい。メッシュ状部分に対して、上述のいずれかの構成を採用すれば、内部電極の全体に形状の安定性を付与して、その取扱いを容易にすることができる。また、内部電極は、その単位メッシュ部分の軸方向に対するピッチP(m)が後述するエキシマ生成ガスの圧力p(Pa)との積p・Pが所定の範囲に入っているように構成される。さらに、後述するようにエキシマ生成ガスの封入圧を高くしてランプ効率を向上させる場合であっても、単位メッシュ部分と気密容器の内壁面との間の距離を3mm以下にすることができる。上記距離が3mm以下であれば、ある条件下で放電維持電圧を1000V以下に抑えることができる。
次に、気密容器の外部に配設される内部電極の構成例について説明する。すなわち、気密容器は2重管形状をなしている。内部電極は、気密容器の管軸側に形成された内側管部分の外壁面に配設される。また、内部電極は、筒状をなして上記外壁面に概ね当接する。内部電極の筒状部分は、導電性材料からなる板材やメッシュ材を用いて形成される。なお、外部電極は、気密容器の外側管部分の外壁面に配設される。したがって、内部電極と外部電極との間には、放電空間の他に内側の壁面と外側の壁面とが誘電体として直列的に介在する。
次に、内部電極が石英ガラスからなる気密容器の内部に配設される場合の支持構造および給電構造について説明する。内部電極を気密容器内に封着するには、封着金属箔を用いた封着構造を採用することができる。すなわち、内部電極の端部を封着金属箔に溶接などにより接続して、内部電極を気密容器内に挿入してから、封着金属箔の上から石英ガラスをピンチシールする。そうすれば、気密容器の端部に封止部が形成されて内部電極が所定の位置に支持される。
また、内部電極に給電するには、気密容器の封止部を貫通して外部へ導出した給電部を配設する。給電部は、内部電極に対して誘電体バリア放電に必要な電流を供給するための給電端を構成するものである。なお、所望により内部電極の複数箇所から同時並行的に給電するように、内端が内部電極の管軸方向に沿って分散した両端を含む複数箇所に接続し、外端が気密容器の外部へ導出された複数の給電部を備えることもできる。また、給電部は、内部電極が延長することによって内部電極と一体に形成されていてもよいし、別体として用意された部材を内部電極に溶接、加締めなどの手段によって接続してもよい。さらに、給電部は、線状、棒状、釦状およびピン状など多様な形状をなしていることが許容される。
<外部電極について> 外部電極は、少なくともランプの有効長の部分において、気密容器の外面にその管軸方向に沿って0.05ないし1.0mm、好適には0.1〜0.9mm、より一層好適には0.5±0.3mm程度の間隙を形成しながら配設されているとともに、内部電極に対向していて、両電極の協働によって、少なくとも気密容器の一つの壁面を誘電体とする誘電体バリア放電を気密容器内に生起するように作用する。上記間隙は、気密容器のランプの有効長となる領域の全体にわたって形成されているものとする。ただし、後述するスペーサを用いる場合において、スペーサが導電性金属からなるために、外部電極としても作用するような場合には、後述するスペーサとの接触ないし上記範囲より小さな間隙を存して近接する部分は上記の条件から除外されるものとする。上記間隙が0.1〜0.5mmの範囲に限定される理由は次のとおりである。すなわち、間隙が0.1mm未満であっても外部電極との間の擦れは生じないが、気密容器の管軸方向に連続した間隙を形成することが困難になる。なぜなら、回避して製作することが困難な気密容器のわずかな曲がりのために、間隙が0.1mm未満になると、間隙の形成が困難になる。また、間隙が0.5mmを超えると、安定した誘電体バリア放電を生起させるのが困難になるとともに、誘電体バリア放電を生起させるには頗る高い電圧を印加する必要になる。このため、点灯回路や紫外線照射装置のコストアップを招く。なお、上記間隙は、空間により形成されているのが好ましいが、所望により気密容器の照射方向の表面における管軸方向に沿った紫外線照度分布に不所望な影響が生じない範囲内で絶縁体により形成されていることを許容する。
また、外部電極と気密容器との相互間を固定するために、ランプの有効長の部分から外れた端部側に位置している部分において、外部電極と気密容器との両端部を相互に固定することができる。この固定のために、外部電極の端部の一部が気密容器の外面に接触することが許容される。上記の接触によって誘電体バリア放電ランプの照射側の表面における管軸方向に沿った紫外線照度分布に対する影響が出たとしても、ランプの有効長以外の部分であるために、問題はない。
さらに、外部電極は、上記のように離間して配設される関係で、剛性を備えた構成および可とう性を備えた構成のいずれであってもよい。剛性の場合、導電性金属からなる熱容量の大きなブロック状をなした外部電極を用いることができる。したがって、従来、灯体と称していた部材を、所望によりそのまま外部電極として用いることが可能である。この場合、従来用いていたアルミニウム製の薄板からなる外部電極を灯体と気密容器との間に挟持するような構造を採用する必要がなくなる。また、誘電体バリア放電が生起している領域の気密容器部分を冷却するために、外部電極に冷却手段を配設することができる。この場合、冷却手段は、どのような構成であってもよいが、冷媒が内部に通流する冷却パイプを外部電極に付設するのが好ましい。さらに、外部電極は、連続した面状またはメッシュ状のいずれの状態をなしていてもよい。なお、メッシュ状とは、網目状、パンチング状、格子状などをなしていることをいう。
さらにまた、外部電極は、気密容器の外周の相当部分を包囲するように凹曲した曲面を備えていることが好ましい。外部電極の曲面は、気密容器外周の60〜300°程度、好適には90〜240°、最適には120〜180°の範囲内において包囲する角度範囲を選択することができる。したがって、外部電極が配設されないで気密容器が外部に露出される部分は、360°から包囲角度を差し引いた角度範囲で形成されることになり、気密容器の壁面を透過した紫外線を上記露出部分から外部へ、しかも、発光管の管軸方向に沿った比較的長い距離にわたり、照射して種々の目的のために利用することができる。そうして、外部電極が気密容器の一部の角度範囲を包囲すると、外部電極が対向する領域にのみ誘電体バリア放電が生起し、気密容器の残余の領域は紫外線の透過窓として作用する。外部電極が気密容器を包囲する角度範囲が90〜240°程度の範囲内であると、誘電体バリア放電により、比較的多量の紫外線が放射されるとともに、放射された紫外線を好ましい角度で照射することができる。また、外部電極の包囲範囲が120〜180°の範囲内であると、上記に加えて外部電極と気密容器との間の組み立ておよび分解と外部電極の製作とが容易になる。なお、外部電極の上記曲面は、紫外線反射性であってもよいし、非反射性であってもよい。
さらにまた、外部電極は、気密容器に対して着脱可能な態様および着脱不能な態様のいずれであってもよい。そして、外部電極は、内部電極にほぼ正対するような管軸方向の長さを有している。そうすれば、発光管の管軸方向に沿って誘電体バリア放電を生起させることができる。
<スペーサについて> スペーサは、少なくともランプの有効長の部分において気密容器との離間距離を気密容器の管軸方向に沿って所定範囲内に保持するために、所望により気密容器の中間部、好ましくは中央部に付設される。そして、導電性物質および絶縁物質のいずれでも形成することができる。導電性物質としてはステンレス鋼(SUS)が削られにくいので好適である。また、絶縁性物質としては、石英ガラス、セラミックスなどが削られにくいので好適である。スペーサが外部電極と気密容器との間の離間距離を所要に規制するために、スペーサは、例えば外部電極の気密容器側の曲面部に嵌合して取着される。しかし、スペーサが導電性物質から形成されている場合には、スペーサの管軸方向の幅サイズが3mm以下であるように形成すべきである。そうすれば、スペーサが外部電極に導電的に接続した状態で配設されていたとしても、スペーサの周囲に発生する強い誘電体バリア放電によって管軸方向の照度分布が不所望な程度に変化しないようになる。
また、スペーサは、気密容器の位置を外部電極に対して所定に固定するために、気密容器の外周に嵌合してそれを保持する凹部を備えているのが好ましい。これを実現するために、スペーサは、板材の一部を切欠して気密容器が嵌合する凹部を形成したり、リボン状の金属部材を湾曲することによって気密容器が嵌合する凹部を形成したりした部材により構成することができる。前者の構成のスペーサの場合、外部電極の凹曲した曲面に直交する嵌合溝を形成して、当該嵌合溝にスペーサを取り付けることができる。また、後者の構成のスペーサの場合には、外部電極の凹曲した曲面に湾曲したスペーサを貼着することにより、スペーサを取り付けることができる。スペーサの気密容器に対面する部位は、気密容器の外面に接触するか、またはわずかな隙間を形成して離間するように構成されていることを許容する。
さらに、スペーサは、その配設数が特段限定されるものではないが、気密容器の位置を所要に規制できる範囲内でなるべく少数にすべきである。例えば、目安として500〜800mm程度の間隔で気密容器がスペーサによる保持を含めて外部電極に固定ないし保持されるように構成すれば、外部電極と気密容器との間の離間距離を所定範囲内に維持することが確実になる。
<本発明の作用について> 本発明においては、以上の構成を具備していることにより、ランプの点滅に伴って気密容器と外部電極との間に膨張、収縮が生じたとしても、少なくともランプの有効長の部分において両者間に擦れが発生しなくなる。このため、ランプの有効長が1mを超えていたとしても、外部電極が擦れたときに削れて微粒子のパーティクルとなって気密容器の外面に付着したり、落下して紫外線照射装置の透光窓や透光窓がない場合に被照射物に黒色付着物を生じたりするような問題の発生が回避される。
また、気密容器と外部電極との間の離間距離が0.05〜1.0mmの範囲内に規制されているので、誘電体バリア放電を無理なく生起させることができる。したがって、点灯回路も構成が比較的簡単である。
さらに、ランプの有効長が1mを超えていたとしても、気密容器の中間部と外部電極との間にスペーサを配設することによって、気密容器と外部電極との間を0.05〜1.0mmの範囲内において離間させることが容易になる。また、加えてスペーサの管軸方向の厚さを3mm以下にすることにより、たとえ導電性物質からなる場合であっても、管軸方向の照度分布の均整度を所要の程度に維持することができる。
請求項2の発明の紫外線照射装置は、請求項1記載の誘電体バリア放電ランプと;誘電体バリヤ放電ランプを配設した紫外線照射装置本体と;誘電体バリア放電ランプを点灯する高周波点灯回路と;を具備していることを特徴としている。
本発明において、「紫外線照射装置」とは、誘電体バリア放電ランプ装置から発生する紫外線を利用するあらゆる装置を意味する。例えば、半導体ステッパー、光洗浄装置、光硬化装置および光乾燥装置などである。また、「紫外線照射装置本体」とは、紫外線照射装置から誘電体バリア放電ランプ置および高周波発生手段を除外した残余の部分を意味する。
また、誘電体バリア放電ランプは、必要に応じて1ないし複数本を使用することができる。
さらに、誘電体バリア放電ランプを点灯するためには、高周波点灯回路を用いる。高周波点灯回路は、高周波発生手段を含み、高周波電圧を発生して誘電体バリア放電ランプに、その点灯に必要な高周波電力を供給する。なお、「高周波」とは、10kHz以上の周波数をいう。しかし、好適には100kHz〜2MHzである。また、高周波点灯回路は、誘電体バリヤ放電ランプの安定点灯時に3000V程度以下、好適には1000〜2500Vの高周波電圧を印加するのが好ましい。さらに、誘電体バリア放電ランプの始動電圧は、2〜6.0kVp-pであり、高周波点灯回路の二次開放電圧を始動電圧まで高めることにより容易に始動させることができる。この場合、高周波発生手段として並列インバータを主体として構成すると、高い昇圧比を容易に得るとともに、誘電体バリア放電ランプの外部電極と内部電極との間の静電容量が、例えば外部電極の圧接状態が変化することにより、変化しても高周波出力に影響しないため、高周波点灯回路の設計が容易になるので好適である。そして、高周波出力波形が正弦波なので、誘電体バリア放電ランプを点灯する際にノイズ発生が少なくなる。しかし、要すれば、高周波点灯回路とは別に始動用パルス電圧発生手段を併用することもできる。さらにまた、誘電体バリア放電ランプと高周波点灯回路とは近接位置に配置するのが好ましいが、要すれば互いに離間した位置に配置することもできる。誘電体バリア放電ランプは、一般の放電ランプと異なり限流手段を直列に接続する必要がない。しかし、ランプ電流を所定値に調節するために、適当な値のインピーダンスを直列に接続して点灯することは、必要に応じてなすことができる。また、誘電体バリア放電ランプを高周波点灯回路に接続するに際して、外部電極を接地すると、ノイズ発生が少なくなる。
高周波点灯回路は、パルス電圧を出力するのであれば、その余の構成を問わないが、例えば矩形波出力のインバータを用いることにより、矩形波のパルスを得ることができる。しかし、正弦波出力のインバータを用いて正弦波のパルスを得る構成であってもよい。
そうして、本発明においては、誘電体バリア放電ランプからの外部電極と気密容器との擦れによる黒色付着物の発生を回避できるので、被照射物と誘電体バリア放電ランプとの間に合成石英ガラスからなる投光窓を配設する必要がないので、投光窓による紫外線の損失がなくなり、かつ、被照射物に対する照射距離が短くできるので、紫外線照度を高くできるとともに、コストダウンを実現することができる。
請求項1の発明によれば、外部電極と気密容器とが0.05〜1.0mmの範囲内で離間していることにより、ランプの点滅に伴うパーティクルの発生が抑制されるので、黒色付着物が気密容器や被照射物などに付着しないようにした誘電体バリヤ放電ランプを提供することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の効果を有する紫外線照射装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
図1ないし図5は、本発明の誘電体バリア放電ランプを実施するための第1の形態を示し、図1は誘電体バリア放電ランプの全体を管軸方向に縮尺するとともに外部電極を断面して高周波点灯回路と一緒に示す正面図、図2は発光管の一部切欠正面図、図3は発光管の支持部および給電部を示す一部切欠要部断面拡大正面図、図4はスペーサおよび吸気手段を示す拡大要部正面断面図、図5は同じく側面断面図である。本形態において、誘電体バリア放電ランプEXLは、発光管LT、外部電極OE、スペーサSおよび吸気手段AAからなり、高周波点灯回路HFIから付勢される。
<発光管LT> 発光管LTは、気密容器1、放電媒体および長い内部電極2を備え、両端に給電部3A、3Bおよび支持部5を有している。
(気密容器1) 気密容器1は、図2に示すように、紫外線透過性の材料からなり、例えば外径が18mm、内径16mmの細長い円管状の中空部1aおよび中空部1aの両端に形成された封止部1bを備えていて、長さ1300mmである。封止部1bは、内部にモリブデン箔1b1が埋設されたピンチシール構造である。なお、中空部1aには、図示しない排気チップオフ部を側面から突出して形成することができる。気密容器1の中空部1aの内部にはエキシマ生成ガスとしてキセノンが封入されている。
(長い内部電極2) 長い内部電極2は、本形態の場合、図2に示すように、気密容器1の内部に気密容器1と同軸関係に配設されていて、連結部2a、多数の単位メッシュ部分2bおよび両端直線部2cからなる。なお、図3ないし図5においては内部電極2の図示を省略している。連結部2aは、線径0.26mmのタングステン線からなる金属細線を巻回してなる例えば外径1.2mmのコイル2aを主体として構成されている。単位メッシュ部分2bは、連結部2aに例えば15mm間隔の一定ピッチで多数配設したリング状アンカーからなる。両端直線部2cは、連結部2aの両端を引き延ばして形成されている。そして、内部電極2は、約2kgの張力を作用させた状態で、気密容器1の両端に形成された封止部1bのモリブデン箔1b1の一端に両端直線部2cを溶接している。内部電極2の連結部2aは、気密容器1内に装架された状態で張力の作用によって引き延ばされている。
(給電部3A、3B) 給電部3A、3Bは、それぞれ棒状をなしていて、それらの内端が気密容器1の両端に形成された封止部1bに埋設されたモリブデン箔1b1に溶接され、基端が気密容器1の両端に形成された封止部1bから外部の管軸方向へ突出している。また、給電部3A、3Bは、後述する支持部5の内部において、それぞれ給電線4に加締め接続されている。なお、給電線4は、高周波点灯回路HFIの出力端から延在している。
(支持部5) 支持部5は、図3に示すように、有底円筒状のキャップ体5a、締付けリング5bおよび取付けアーム5cからなる。キャップ体5aは、発光管LTの端部を包囲する。そして、底部に給電線4の挿通孔5a1を有している。締付けリング5bは、キャップ体5aの開口端に配設されていて、気密容器1の端部に固定される。取付けアーム5cは、キャップ体5aの側面から図において上方へ突出していて、発光管LTを図1に示す位置出しガイド8に取り付けられる。なお、位置出しガイド8は、外部電極OEの管軸方向両端から気密容器1の端部方向へ延在して気密容器1の取り付け位置を規定する。
<外部電極OE> 外部電極OEは、図1、図3ないし図5に示すように、下面が凹形の円弧状曲面に形成されて樋状をなしたアルミニウムブロックからなり、内部電極2に対向する領域のほぼ全長にわたって、気密容器1の上半部外面に0.35±0.15mmの間隙Gを存して対向して配設されている。また、外部電極OEの管軸方向の中央部には、後述するスペーサSを収納する切込み溝6および吸気孔7が形成されているとともに、図5に示すように、両側面に冷却パイプ8が溶接されている。切込み溝6は、図4および図5に示すように、管軸に対して直交するように形成され、外部電極OEの下面に開口している。吸気孔7は、切込み溝6に跨って形成されるとともに、外部電極OEの上下を貫通している。
<スペーサS> スペーサSは、図4および図5に示すように、板厚3mmのステンレス鋼板からなり、外部電極OEの切込み溝6内に圧入により収納されているとともに、下部が外部電極OEの下面に位置する円弧状曲面からわずかに突出している。その突出量は、外部電極OEと気密容器1との間の間隙Gが所定の離間距離より小さくならないような値になっている。なお、スペーサSと気密容器1とは、図面上若干離間しているが、接触していてもよい。
<吸気手段AA> 吸気手段AAは、図4および図5に示すように、吸気孔7および図示しない排気ダクトからなる。吸気孔7は、上記のように切込み溝6に跨って形成されているので、下端の開口端がスペーサSの両側に分かれて開口している。このため、スペーサSの両側の空気は、吸気孔7に良好に吸気される。そうして、吸気孔7内を通って外部電極OEの外部へ排出された空気は、さらに排気ダクトによって紫外線照射装置の外部へ排出される。したがって、たとえスペーサSと気密容器1とが擦れてスペーサSが削れて微粒のパーティクルが生じたとしても、パーティクルは、周囲の空気と一緒に吸気手段AAによって速やかに外部へ排出されることになる。
<高周波点灯回路HFI> 高周波点灯回路HFIは、誘電体バリア放電ランプEXLの内部電極2と外部電極OEとの間に高周波電圧を印加して、誘電体バリア放電ランプEXLを付勢して点灯する。また、高周波点灯回路HFIは、並列インバータを主体として構成されており、その高周波出力は、一対の給電線4、4を介して誘電体バリア放電ランプEXLにおける発光管LTの一対の給電部3A、3Bと、外部電極OEとの間に接続されている。
<誘電体バリア放電ランプEXLの点灯動作> 誘電体バリア放電ランプEXLは、高周波点灯回路HFIの高周波出力端の一方が給電線4、4を経由して内部電極2から外部へ導出された一対の給電部3A、3Bに接続され、他方が外部電極OEの一端に給電線4を経由して接続されているので、高周波点灯回路HFIの図示しない入力電源が投入されると、高周波を発生して高周波出力が内部電極2と、これに気密容器1の壁面を介して対向している外部電極OEとの間に印加されて、誘電体バリア放電が気密容器1の内部に生起する。この誘電体バリア放電によってキセノンのエキシマにより172nmを中心波長とする真空紫外光を放射する。真空紫外光は、気密容器1の壁面を透過して外部へ導出されるので、これをそれぞれの目的に応じて利用することができる。
図6は、本発明の誘電体バリア放電ランプを実施するための第2の形態を示す側面断面図である。本形態は、誘電体バリア放電ランプEXLの発光管LTが異なる。
すなわち、発光管LTは、気密容器1が2重管構造であり、内部電極2が気密容器1の内側の外面に配設されている。気密容器1は、内部に形成される放電空間が円筒状をなしている。内部電極2は、円筒状のメッシュ構造体からなり、気密容器1の内側の円筒状をなす気密容器1の外面にほぼ密接して配設されている。外部電極OEは、第1の形態におけるのと同様の構成および気密容器1に対する配置となっている。
図7ないし図10は、本発明の紫外線照射装置を実施するための一形態としての紫外線洗浄装置を示し、図7は正面断面図、図8は底面図、図9は図8のIX−IX´線に沿う断面図、図10は高周波点灯回路の回路図である。各図において、図1ないし図5と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。紫外線照射装置UVWは、紫外線照射装置本体51、高周波点灯回路52および複数の誘電体バリア放電ランプEXLを具備している。
紫外線照射装置本体51は、全体として箱状をなし、内部が上下に紫外線照射室51aと電源室51bとに区分されている。紫外線照射室51aと電源室51bとは、一端が蝶番51cによって開閉可能に構成されている。
紫外線照射室51aには、後述するように複数の誘電体バリア放電ランプEXLが並列配置されている。複数の誘電体バリア放電ランプEXLは、それらの外部電極が単一ブロックとして形成されている。したがって、外部電極OEの凹曲した曲面が隣接状態で複数並列配置されている。また、紫外線照射室51aは、洗浄装置における被照射物の搬送手段の上部に固定的に配設されるとともに、下面が開放されていて、下面の直下を通過する被照射物(図示しない。)に真空紫外光を極めて近い位置で照射するように構成されている。なお、図8において、斜線を施した部位は、紫外線有効照射領域を示している。また、複数の誘電体バリア放電ランプEXLの一体化された外部電極の上面には、図示を省略しているが、それぞれの誘電体バリア放電ランプEXLの吸気孔に連通する排気集合ボックスが配設され、この排気集合ボックスを介して排気ダクトが接続されている。そして、排気ダクトを経由して吸気孔から吸引された気密容器1のスペーサS周辺の空気は外部へ排気されるように構成されている。
電源室51bは、その内部に高周波点灯回路52および図示を省略している制御回路を収納しており、蝶番51cを回動中心として図7において上方へ回動可能になっている。なお、51b1は、電源室51bの回動時に把持するためのハンドル、51b2は、紫外線照射装置本体51または電源室51bを運搬する際のハンドル、51b3は電源配線のプロテクタである。
高周波点灯回路52は、電源室51b内に収納され、電源配線のプロテクタ51b3を経由して電源室51b内に導入された電源を変換して高周波電圧を発生して、複数の誘電体バリア放電ランプ装置ユニットEXのそれぞれの誘電体バリア放電ランプ装置に給電する。
また、高周波点灯回路52は、図10に示す回路構成になっている。すなわち、高周波点灯回路52は、インダクタL、一対のスイッチング素子Q1、Q2、出力トランスOT、共振コンデンサC1および制御回路CCを主体として構成され、直流入力端子t1、t2、高周波出力端子t3、t4を備えた並列形インバータである。直流入力端子t1、t2は、昇圧チョッパ回路などにより出力直流電圧が可変の直流電源(図示しない。)に接続する。高周波出力端子t3、t4は、誘電体バリア放電ランプに接続する。
また、直流入力端子t1は、インダクタLを直列に介して出力トランスOTの1次巻線pw1の中点に接続している。直流入力端子t2は、一対のスイッチング素子Q1、Q2の接続点に接続している。一対のスイッチング素子Q1、Q2は、直列接続するとともに、出力トランスOTの1次巻線pw1、pw2、pw3に対して並列に接続している。出力トランスOTは、3組の1次巻線pw1、pw2、pw3、3組の2次巻線sw1、sw2、sw3、ドライブ巻線fwおよび検出巻線dwを備えている。そして、1次巻線pw1、pw2、pw3と2次巻線sw1、sw2、sw3とが対をなしている。また、1次巻線pw1、pw2、pw3は、互いに並列接続している。これに対して、2次巻線sw1、sw2、sw3は、互いに直列接続して、その両端が高周波出力端子t3、t4に接続している。共振コンデンサC1は、1次巻線pw1、pw2、pw3に並列接続している。ドライブ巻線fwおよび検出巻線dwは、後述する制御回路CCに接続する。
制御回路CCは、ドライブ回路DCおよび保護回路PCからなる。ドライブ回路DCは、その入力端がドライブ巻線fwに接続して、ドライブ信号を発生し、スイッチング素子Q1、Q2に供給する。これにより、並列インバータは、自励発振する。保護回路PCは、その入力端が検出巻線dwに接続して、誘電体バリア放電ランプEXLの始動を検出したら、例えば直流電源を制御するなどにより高周波出力電圧を低下させる。
そうして、高周波点灯回路52は、上述の回路構成を具備していることによって、誘電体バリア放電ランプEXLを始動して点灯する。そして、出力トランスOTの検出巻線dwに現れた検出電圧を保護回路PCによって監視して、始動後に高周波出力電圧が上昇すると、これを低下させてスイッチング素子Q1、Q2に印加される電圧がその耐圧をオーバーしないように保護動作をさせることができる。また、ドライブ回路DCから出力されるドライブ信号を高周波出力の程度に合わせて調節することができる。
ところで、複数の誘電体バリア放電ランプ装置ユニットEXは、紫外線照射室51a内に互いに隣接状態で配置されている。しかし、製造の容易のため、およびメンテナンスのために、所要の誘電体バリア放電ランプ装置ユニットEXごとに着脱可能になっている。
また、外部電極OEの冷却パイプに冷却水を通流させるために、その流入口には冷却水を供給するための配管を結合し、流出口には排水のための配管を結合している。
1…気密容器、2…内部電極、4…給電線、5…保持部、7…吸気孔、8…位置出しガイド、AA…吸気手段、EXL…誘電体バリア放電ランプ、G…間隙、HFI…高周波点灯回路、LT…発光管、OE…外部電極、S…スペーサ
Claims (2)
- 紫外線透過性の材料からなる細長い管状をなす気密容器と;
気密容器内に封入されたエキシマ生成ガスと;
誘電体バリア放電が気密容器内にその管軸方向のほぼ全長にわたって生起するように配設された長い内部電極と;
気密容器の外面にその管軸方向に沿って0.05〜1.0mmの間隙を形成しながら配設され内部電極との協働によって気密容器内に誘電体バリア放電を生起するように作用する外部電極と;
を具備していることを特徴とする誘電体バリア放電ランプ。 - 請求項1記載の誘電体バリア放電ランプと;
誘電体バリア放電ランプを配設した紫外線照射装置本体と;
誘電体バリア放電ランプを点灯する高周波点灯回路と;
を具備していることを特徴とする紫外線照射装置。
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