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JP2010252527A - 積層鉄心の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】共取り方式を採用した積層鉄心の製造において、コア片の強度や磁気特性を低下させることなく、ロータコア片とステータコア片とのエアギャップを高精度に狭小化する。
【解決手段】積層鉄心の製造方法が、ロータコア片11の外形を打抜く工程と、ステータコア片2の極歯4先端に設けられ、かつ当該ステータコア片の内形の一部を構成する小歯部5の形状を打抜く工程と、これら2つの工程の間で実施される型打ち工程とを含み、型打ち工程では、小歯部を打抜く工程で打抜き除去される小歯部間の領域SP1が押圧されることにより、ロータ外形を打抜く工程でその外形が打抜かれた後のフープ材10の内周縁部21が径方向内側に延出する。
【選択図】図6

Description

本発明は、回転電機のステータやロータに用いられる積層鉄心の製造方法に関し、特に、ロータコア片の外周縁とステータコア片の内周縁との隙間(エアギャップ)を狭小化するための技術に関する。
従来、順送り金型装置による積層鉄心の製造方法では、電磁鋼板のフープ材(帯状薄鋼板)からロータコア片とステータコア片とを同心状に打抜く所謂共取り方式を採用したものが普及している。ステッピングモータ等に組み込まれるロータコア片およびステータコア片のエアギャップは、力率や回転位置決め精度の向上の観点から、極力狭く設定されることが望ましい。しかし、共取り方式を採用した場合、エアギャップを狭く設定し過ぎると、スクラップ部(打抜き後の不要部分)が破断するなどのトラブルが生じることがある。
そこで、そのようなトラブルを防止するための技術として、例えば、金属薄板からロータコア片を打抜き積層し、当該金属薄板からステータコア片の極歯を粗抜き後、極歯の一部を押圧して薄肉化することにより当該極歯をロータコア片の抜き側に展延させ、次いで、極歯の側面及び小歯を形成する打抜きを行った後に、ステータコア片の外形を抜き積層する積層鉄心の製造方法が知られている(特許文献1参照)。
また、例えば、ロータコア片を打抜いた金属薄板から、ステータコア片の極歯を打抜き、当該極歯にロータコア片の抜き側を深くした薄肉部を形成して当該極歯の先端を内形側に延出させ、ステータコア片の極歯先端部の小歯、外形を抜き積層する積層鉄心の製造方法が知られている(特許文献2参照)。
特許第2887428号公報 特許第2287430号公報
上記特許文献1,2に記載された従来技術によれば、エアギャップを狭く設定した場合でも、ステータコア片の極歯を内側に展延あるいは延出させることで、極歯先端部の打抜き代を拡大することが可能となる。しかしながら、これらの従来技術では、極歯に薄肉部が形成されるため、複数枚のステータコア片が積層されて構成されるステータコアの薄肉部において、強度の低下や磁気特性の低下(磁気損失の増大等)が生じるという問題があった。
本発明は、このような従来技術の課題を鑑みて案出されたものであり、共取り方式を採用した場合でも、コア片の強度や磁気特性を低下させることなく、エアギャップを高精度に狭小化することができる積層鉄心の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、ロータコア片(11)とステータコア片(2)とを帯状薄鋼板(10)から同心状に打抜き成形する積層鉄心の製造方法であって、前記ロータコア片の外形が前記帯状薄鋼板から打抜かれるロータ外形打抜き工程と、前記ステータコア片の極歯(4)先端に設けられ、かつ当該ステータコア片の内形の一部を構成する小歯部(5)の形状が前記帯状薄鋼板から打抜かれるステータ小歯部打抜き工程と、前記2つの工程の間で実施される型打ち工程とを含み、前記型打ち工程では、前記ステータ小歯部打抜き工程で打抜き除去される前記小歯部間の領域(SP1)が押圧されることにより、前記ロータ外形打抜き工程で前記ロータコア片の外形が打抜かれた後の前記帯状薄鋼板の内周縁部(21)が径方向内側に延出する構成とする。
上記第1の発明によれば、ロータコア片の外周縁とステータコア片の内周縁との間のエアギャップを実質的に拡大する効果が得られるとともに、ステータコア片には薄肉化された部位が生じることがないため、共取り方式を採用した場合でも、コア片の強度や磁気特性を低下させることなく、エアギャップを高精度に狭小化することができるという優れた効果を奏する。
実施形態に係る積層鉄心の製造方法により製造されるステータコアの平面図およびそのb−b断面図 実施形態に係るストリップレイアウトの一部を示す図 実施形態に係るストリップレイアウトの一部を示す図 実施形態に係るストリップレイアウトの一部を示す図 実施形態に係るストリップレイアウトの一部を示す図 図3中のX部の拡大図 図6中の型打ち部の拡大断面図 図7の型打ち部の変形例を示す拡大断面図
以下、本発明の実施形態にかかる積層鉄心の製造方法について図1〜図8を参照しながら説明する。なお、図2〜図5は、一連のストリップレイアウトを示しており、パンチによる打ち抜き領域がハッチングにより示されている。
図1に示すように、本発明に係る積層鉄心の製造方法により製造されるステータコア1は、ステッピングモータでの使用に適したものであり、所定枚数のステータコア片2が積層・固着されて構成される。各ステータコア片2は、周方向に所定の間隔で形成されたスロットS1間に画成される複数(ここでは、8個)の極歯4を有している。極歯4の先端(内周縁)には、径方向内側に向けて突設された複数(ここでは、5個)の小歯部5が周方向に略等ピッチで放射状に形成されている。各ステータコア片2におけるスロット3の外周側の領域には複数のかしめ部6が設けられており、このかしめ部6の連結により、上下に隣接するステータコア片2が互いに固着されている。
図2〜図5に示すように、ステータコア片2は、所謂共取り方式を採用した順送り金型装置(図示せず)により、電磁鋼板を素材としたフープ材10からロータコア片11とともに一括製造される。フープ材10は、順送り金型装置内で間欠送りされながら、複数の工程st1〜st12において順次加工が施される。なお、順送り金型装置は、フープ材10に対して打抜き等を実施するためのパンチおよびダイ等からなる加工手段を備えるが、本発明の製造方法に関わる部分を除いて周知の構成であるため、装置構成に関する詳細な説明については省略する。
図2に示す工程では、フープ材10に対し、パイロット孔Pの打抜き(st1)、計量用のロータコア片11(すなわち、ロータコアの最下層に位置するロータコア片11)に対する複数のかしめ計量穴Rkaの打抜き(st2)、ロータコア片11の軸孔Rdの打抜き(st3)、及び計量用以外のロータコア片11に対する複数のかしめ部(ここでは、切り起こし片)Rkbの形成(st4)が順次実施される。
続いて、図3に示す工程では、フープ材10に対し、ロータコア片11の外形RDの打抜き(st5)、及びロータコア片11の外形RDが打抜かれた後のフープ材10の内周縁部の型打ち(st6)が順次実施される。
工程st5では、打抜かれたロータコア片11が、図示しないダイ内に順次積層され、さらに、そのダイ下部のスクイズリング内へと順次押し込まれる。これにより、上下に隣接するロータコア片11同士が密接し、計量用のロータコア片11に形成されたかしめ計量穴Rkaおよび計量用以外のロータコア片11に形成されたかしめ部Rkbが互いに嵌合することで、所定枚のロータコア片11が互いに固着された積層体としてロータコア(図示せず)が形成される。ロータコア片11の外周縁部には、ステータコア片2の小歯部5に対応する複数の小歯が設けられている。
また、工程st6では、図6に示すように、ロータコア片11の外形RDが打抜かれた後の内周縁部21では、後の工程st9で打抜き除去される予定の各小歯部5間の小歯溝部(スクラップ部)SP1に対して型打ち加工が実施される。
より詳細には、小歯溝部SP1内の型打ち部SP2が、図示しないパンチにより上方から下方に向けて板厚方向に押圧される。これにより、図7に示すように、型打ち部SP2は、その上面に凹状の窪み部22が生じるように薄肉化されて塑性変形する。この型打ち部SP2の板厚方向の変形は、開放状態にある内周縁部21の径方向内側への変形をもたらす。その結果、内周縁部21が、図6中の2点鎖線(内周縁部21’)で示す位置まで径方向内側(図6中の矢印で示す方向)に延出する。
なお、上記型打ち加工では、図7に関して説明した上記方法に代わり、型打ち部SP2を上下から挟み込むように押圧する方法を採用することが可能である。この場合、型打ち部SP2は、図8に示すように、その上面および下面の対応する位置にそれぞれ凹状の窪み部23,24が生じるように薄肉化されて塑性変形する。従って、この方法によれば、図7の方法に比べて、型打ち部SP2の板厚方向の変形量がより大きくなるため、内周縁部21の延出量を大きくすることができるという利点がある。
続いて、図4に示す工程では、フープ材10に対し、ステータコア片2のスロットS1の打抜き(st7)、計量用のステータコア片2(すなわち、ステータコア1の最下層に位置するステータコア片2)に対する複数のかしめ計量穴Skaの打抜き(st8)、ステータコア片2の内周縁部21’の打抜き(st9)、及び小歯部5の形状(すなわち、小歯溝部SP1)の打抜き(st10)が順次実施される。
工程st9では、工程st6の型打ち加工により径方向内側に延出した内周縁部21’における延出片31(図6参照)が、小歯部5およびそれらの間の小歯溝部SP1の領域を残して所定の内径で打抜かれる。また、工程st10では、工程st6の型打ちにより塑性変形した型打ち部SP2が、小歯溝部SP1とともに打抜かれ、スクラップとして除去される。
続いて、図5に示す工程では、フープ材10に対し、計量用以外のステータコア片2に対する複数のかしめ部(ここでは、切り起こし片)Skbの形成(st11)、及びステータコア片2の外形SDの打抜き(st12)が順次実施される。
工程st12では、打抜かれたステータコア片2が、ロータコア片11の場合と同様に、図示しないダイ内に順次積層され、さらに、そのダイ下部のスクイズリング内へと順次押し込まれる。これにより、上下に隣接するステータコア片2同士が密接し、計量用のステータコア片2に形成されたかしめ計量穴Skaおよび計量用以外のステータコア片2に形成されたかしめ部Skbが互いに嵌合することで、所定枚のステータコア片2が互いに固着された積層体としてステータコア1が形成される。
このように、本発明に係る積層鉄心の製造方法では、ロータコア片11の外形RDを打抜く工程st5と、ステータコア片2の小歯部5の形状を打抜く工程10との間で、ロータコア片11の外形RDが打抜かれた後の内周縁部を型打ちする工程st6を実施し、内周縁部21が径方向内側に延出するようにした。これにより、共取り方式において、ロータコア片11の外周縁とステータコア片2の内周縁との間のエアギャップが小さく設定された場合でも、ステータコア片2の小歯部5の打抜き代を拡大する効果が得られる。従って、工程st9や工程st10における打抜き加工を安定的に実施することが可能となり、エアギャップを高精度に狭小化することができる。
また、工程st6において薄肉化される型打ち部SP2は、工程st10において打抜き除去される部位であるため、製造されたステータコア片2には薄肉化された部位が生じることはなく、ステータコア1の強度や磁気特性に悪影響を及ぼすこともない。
本発明を特定の実施形態に基づいて詳細に説明したが、上記実施形態はあくまでも例示であって本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。例えば、ロータコア片の外形が打抜かれた後の内周縁部の型打ち工程において、型打ち部は、後の工程で打抜き除去される各小歯部間の小歯溝部内の少なくとも一部の領域であればよく、型打ち部の形状は、小歯部の形状への影響を考慮して種々の変更が可能である。
1 ステータコア
2 ステータコア片
3 スロット
4 極歯
5 小歯部
10 フープ材
11 ロータコア片
RD ロータ外形
Rd ロータ軸孔
S1 スロット
SD ステータ外形
SP1 小歯溝部
SP2 型打ち部

Claims (1)

  1. ロータコア片とステータコア片とを帯状薄鋼板から同心状に打抜き成形する積層鉄心の製造方法であって、
    前記ロータコア片の外形が前記帯状薄鋼板から打抜かれるロータ外形打抜き工程と、
    前記ステータコア片の極歯先端に設けられ、かつ当該ステータコア片の内形の一部を構成する小歯部の形状が前記帯状薄鋼板から打抜かれるステータ小歯部打抜き工程と、
    前記2つの工程の間で実施される型打ち工程と
    を含み、
    前記型打ち工程では、前記ステータ小歯部打抜き工程で打抜き除去される前記小歯部間の領域が押圧されることにより、前記ロータ外形打抜き工程で前記ロータコア片の外形が打抜かれた後の前記帯状薄鋼板の内周縁部が径方向内側に延出することを特徴とする積層鉄心の製造方法。
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