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JP2010135473A - 発光ダイオード駆動用電源装置 - Google Patents

発光ダイオード駆動用電源装置 Download PDF

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JP2010135473A JP2008308360A JP2008308360A JP2010135473A JP 2010135473 A JP2010135473 A JP 2010135473A JP 2008308360 A JP2008308360 A JP 2008308360A JP 2008308360 A JP2008308360 A JP 2008308360A JP 2010135473 A JP2010135473 A JP 2010135473A
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Abstract

【課題】平滑コンデンサを使用することなく入力電流の波形をほぼ正弦波形にすることが可能な発光ダイオード駆動用電源装置を提供する。
【解決手段】商用交流電源電圧を整流する整流手段(2〜5)を有し、直列接続した発光ダイオードの群(10)を整流手段(2〜5)の出力電圧を用いて駆動する電源装置である。整流手段(2〜5)の出力電圧が所定の値に到達するまでの第1の期間および所定の値から減少する第2の期間において、発光ダイオード群(10)における発光ダイオードの直列接続数を減少変更する手段(14a、14b、100)と、整流手段(2〜5)と発光ダイオード群(10)との間に介在され、手段(2〜5)の瞬時入力電流が瞬時入力電圧の波形に相似な波形をもつように発光ダイオード群(10)への供給電流を制御する電流制御手段(7、17)と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、商用交流を電源とする発光ダイオード駆動用電源装置に関し、より詳しくは、入力高調波を抑制するための技術に関するものである。
図9に従来例に係る発光ダイオード駆動用電源装置の回路構成を示す。この電源装置は、商用交流電源1の出力を整流するダイオード2〜5からなるブリッジ整流回路、コンデンサ6、半導体スイッチング素子7、ダイオード8およびインダクタ9を備え、直列接続された発光ダイオード(以下、LEDと略称する)群ユニット10を駆動する。
この電源装置において、交流電源1から入力される電圧Vinは、ダイオード2〜5で整流された後、コンデンサ6で平滑されて直流に変換される。半導体スイッチング素子7がオンすると、コンデンサ6→LED群ユニット10→インダクタ9→半導体スイッチング素子7→コンデンサ6の経路で電流が流れて、LED群ユニット10が点灯する。
コンデンサ6の両端電圧Edは、LED群ユニット10の順電圧合計値Vfより大きく設定されている。したがって、上記経路を流れる電流は、半導体スイッチング素子7のオン後、インダクタ9に電気エネルギーを蓄えながら次第に増加することになる。
半導体スイッチング素子7をオフすると、インダクタ9に蓄えられた電気エネルギーにより、インダクタ9→ダイオード8→LED群ユニット10→インダクタ9の経路で電流が流れる。このとき、インダクタ9のエネルギーがLED群ユニット10で消費されるので、上記経路を流れていた電流は次第に減少する。
半導体スイッチング素子7は、高周波(一般には、数10〜数100kHz)でオン・オフされる。そのさい、半導体スイッチング素子7のオン時比率を制御することによってLED群ユニット10に流れる電流、つまり、該LED群ユニット10の光度を所望の大きさに調整することができる。
ダイオード2〜5とコンデンサ6とからなる整流・平滑回路においては、周知のように、入力電圧Vinが正弦波電圧であっても、入力電流Iinは正弦波電流にならない。これは、図10に示すように、入力電圧Vinの絶対値がコンデンサ6の両端電圧Edを超えているときのみ入力電流Iinがこの整流・平滑回路に流入するためである。この場合、入力電流Iinが図示したような歪の大きい波形となり、これが電源系統に有害な影響をもたらすことがある。
そこで、非特許文献1は、入力電流Iinを正弦波電流にするための手段を備えた発光ダイオード駆動用電源装置を提案している。
図11に示すように、この発光ダイオード駆動用電源装置は、ダイオード2〜5からなるブリッジ整流回路の正出力と平滑用のコンデンサ6との間にインダクタ11およびダイオード13を直列に介装し、かつ、インダクタ11とダイオード13の直列接続点と上記ブリッジ整流回路の負出力との間に半導体スイッチング素子12を介装した構成を有する。
上記インダクタ11を流れる電流は、半導体スイッチング素子12のオン時比率に依存する。そこで、この発光ダイオード駆動用電源装置によれば、インダクタ11の平均電流が正弦波半波状となるように半導体スイッチング素子12のオン時比率を制御することによって、入力電流Iinをほぼ正弦波にすることが可能である。
トランジスタ技術編集部編、「高輝度/パワーLEDの活用テクニック」、CQ出版株式会社、2008年5月、p.100(図7−11)
しかし、図11に示す発光ダイオード駆動用電源装置は、以下のような問題点を有する。
(1)半導体スイッチング素子12を含むスイッチング回路が追加されるため、変換損失が大きい。
なお、上記文献1には、スイッチング素子7とスイッチング素子12の役割を兼用する単一のスイッチング素子を用いた回路構成も示されている。しかし、その回路構成では、上記単一のスイッチング素子が結果的に2つのスイッチング素子7、12分の電流責務を負うことになるので、同様に損失が大きくなる。
(2)起動時、充電されていない状態のコンデンサ6にいきなり整流された電圧が印加されるので、過大な突入電流を生じる。なお、この突入電流は、図8に示した回路構成の電源装置においても同様に生じる。
過大な突入電流は、下記初期充電手段を用いることによって抑制することができる。
・ 起動時におけるコンデンサ6の充電電流を抵抗等の電流制限素子で制限し、該コンデンサ6の充電終了後、損失防止のために上記電流制限素子を短絡する。
・ 温度上昇に伴って電気抵抗が小さくなる温度依存抵抗素子(サーミスタ等)をコンデンサ6の充電路に挿入する。起動時には、上記抵抗素子の抵抗値が大きいために充電電流が制限される。また運転時には、自己発熱によって上記抵抗素子の抵抗値が小さくなることにより損失が抑制される。
しかし、このような初期充電手段は部品の追加を伴うので、規模が更に拡大されることになる。
(3)上記初期充電手段を設けても、交流電源1が電圧低下後短時間で復帰する、いわゆる「瞬断」が生じた場合には、上記電流制限素子の短絡解除が間に合わないため、あるいは上記温度依存抵抗素子の温度が低下しないため、電圧復帰の際に突入電流を生じる。このため、「瞬断」の発生しやすい環境下で適用した場合に、突入電流により装置の内外に損傷を受ける恐れがある。
(4)コンデンサ6として、キャパシタンスの大きいものが必要となる。したがって、実用的には、コンデンサ6として電解コンデンサが用いられる。電解コンデンサは、有寿命部品である。このため、LED等の他部品が長寿命であっても、装置全体の寿命がコンデンサ6によって短く制限される場合がある。
入力電圧Vinのピーク値に対して、上記順電圧合計値Vfを十分小さくすれば、すなわち、LED群ユニット10におけるLEDの直列接続数を小さくすれば、入力電流Iinを流せる期間が増加する。したがって、その期間におけるスイッチング素子7のスイッチングによって電流瞬時値を制御すれば、入力電流を概ね正弦波とすることができる。
しかし、同一の光度を得るためには、LED群ユニット10におけるLEDの並列接続数を増やす必要があるので、スイッチング素子7、ダイオード8およびインダクタ9に流れる電流が大きくなる。これは、これらの部品として電流容量の大きなもの、つまり、形状が大でコストの高いものを使用しなければならないという不都合をもたらし、また損失を増大させるという新たな問題ももたらす。
本発明は、このような状況に鑑み、平滑コンデンサを使用することなく入力電流の波形をほぼ正弦波形にすることが可能な発光ダイオード駆動用電源装置を提供することを目的とする。
本発明は、商用交流電源電圧を整流する整流手段を有し、直列接続した発光ダイオードの群を前記整流手段の出力電圧を用いて駆動する電源装置であって、前記整流手段の出力電圧が所定の値に到達するまでの第1の期間および該所定の値から減少する第2の期間において、前記発光ダイオード群における発光ダイオードの直列接続数を減少変更する手段と、前記整流手段と前記発光ダイオード群との間に介在され、前記整流手段の瞬時入力電流が瞬時入力電圧の波形に相似な波形をもつように前記発光ダイオード群への供給電流を制御する電流制御手段と、を備えることによって上記目的を達成している。
1つの実施形態において、前記電流制御手段は、前記発光ダイオード群に直列接続されたスイッチング素子およびインダクタと、前記整流手段の正負出力端間に介在させたコンデンサと、前記整流手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電圧と前記出力電流に対応する電圧との差に基づいて前記スイッチング素子のオン時比率を制御する手段と、を備えるように構成される。
別の実施形態において、前記電流制御手段は、前記発光ダイオード群に直列接続された電流制御素子と、前記整流手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電圧と前記出力電流に対応する電圧との差に基づいて前記電流制御素子を制御する手段と、を備えるように構成される。
前記発光ダイオードの直列接続数を減少変更する手段は、前記発光ダイオード群の一部を短絡するように構成することができる。
すなわち、例えば、前記発光ダイオード群を、互いに同数の発光ダイオードを有する第1の群と第2の群とを直列接続することによって構成し、前記第1の群と第2の群のいずれか一方を短絡するように構成することができる。
この場合、前記第1の期間において前記第1の群を短絡し、前記第2の期間において前記第2の群を短絡するようにすれば、第1の群と第2の群の負担が平均化される。
前記直列接続数の減少変更は、前記第1の群に前記第2の群を並列接続することによっても実現することができる。
本発明は、商用交流電源電圧を整流する整流手段を有し、直列接続した発光ダイオードの群を前記整流手段の出力を用いて駆動する電源装置であって、前記整流手段の出力電圧が所定の値に到達するまでの第1の期間において、前記発光ダイオード群における該発光ダイオードの直列接続数を段階的に増加させ、前記整流手段の出力電圧が前記所定の値から減少する第2の期間において、前記発光ダイオード群における該発光ダイオードの直列接続数を段階的に減少させる手段を含む形態も含む。
この電源装置では、前記整流回路の瞬時入力電流が瞬時入力電圧の波形に相似する波形をもつように前記発光ダイオードの直列接続数が増減される。
前記直列接続数の増減は、例えば、前記発光ダイオード群をN個(Nは2以上の整数)の発光ダイオード群ユニットを直列接続することによって構成し、このN個の発光ダイオード群ユニットを選択的に短絡することによって実現することができる。
なお、前記整流手段と前記発光ダイオード群との間には、必要に応じて電流制限用のインダクタもしくは抵抗器が介在される。
本発明によれば、スイッチング素子を増設することなく、かつ、平滑コンデンサを使用することなく整流手段の入力電流をほぼ正弦波にすることが可能である。
したがって、スイッチング素子を増設することによる損失がなく、また、瞬断時を含め、突入電流を生じないことから、初期充電回路も不要になる。さらに、平滑コンデンサとしての電解コンデンサが使用されないので、長寿命化を図ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1に本発明の第1の実施形態に係る発光ダイオード駆動用電源装置の回路図を示す。なお、この図1では、図9、図11に示した従来例の構成要素と同一の要素に対して共通する符号を付してある。
図1において、ダイオード2〜5はブリッジ整流回路を構成している。このブリッジ整流回路の正負出力端間には、発光ダイオード(以下、LEDと略称する)群10、インダクタ9、半導体スイッチング素子(本実施形態では、MOSFETが使用されている)7および電流検出センサ19が直列に介装されている。
LED群10は、直列接続されたLED群ユニット10a、10bを有している。LED群ユニット10a、10bは、それぞれ所定個数のLEDを直列接続した構成を有する。LED群ユニット10a、10bにおけるLEDの直列数は、各LED群ユニット10a、10bの通電時の両端電圧をそれぞれVf/2とすると、電圧Vfの値が整流回路の出力電圧Vr(入力電圧Vinの絶対値を有する電圧と見なすことができる)のピーク値よりも小さくなるように設定される。
LED群10には、インダクタ9を介してダイオード8が並列接続され、また、LED群ユニット10aおよび10bには、それぞれスイッチ14aおよび14bが並列接続されている。
スイッチ14a(14b)は、図2に示すように、例えばフォトカプラ101(102)と、抵抗103、105(104、106)と、NPN型トランジスタ107(108)とによって構成され、後述のスイッチ制御回路100によって制御される。
フォトカプラ101(102)がオフされている時には、抵抗103、105(104、106)を介してトランジスタ107(108)にべ一ス電圧が印加されるので、該トランジスタ107(108)がオンする。つまり、スイッチ14a(14b)がオンする。スイッチ14a(14b)がオンした場合には、LED群ユニット10a(10b)が短絡されることになる。
一方、フォトカプラ101(102)がオンされている時には、上記べ一ス電圧が消失するので、トランジスタ107(108)がオフ、つまり、スイッチ14a(14b)がオフすることになる。
図1に示すコンデンサ18は、ブリッジ整流回路の正出力端とダイオード8とを結ぶラインにその一端が接続され、電流検出センサ19と半導体スイッチング素子7とを結ぶラインにその他端が接続されている。後述するように、このコンデンサ18は平滑に使用するものではないので、小容量のものが使用される。
スイッチ14a、14bを制御するスイッチ制御回路100と、半導体スイッチング素子7を制御するゲート制御回路17については後述する。
次に、本実施形態に係る発光ダイオード駆動用電源装置の動作について説明する。
上記ダイオード2〜5からなるブリッジ整流回路は、交流電源1から入力した交流電圧Vinを全波整流して、該電圧Vinの絶対値に対応する電圧Vrを出力する。
スイッチ制御回路100は、電圧Vrを基準電圧と比較する手段と、電圧Vrの増減を検出する手段とを備えている。
上記基準電圧は、本実施形態において、スイッチ14aおよび14bが共にオフしているときのLED群10の順電圧合計値(直列接続されたLED群ユニット10a、10bの順電圧合計値)Vfに設定されている。また、上記電圧Vrの増減を検出する手段は、例えば、上記電圧Vrを微分し、その微分結果の極性を判別することによって上記電圧Vrの増減を検出するように構成される。
スイッチ制御回路100は、「Vr<Vf」という条件および「電圧Vrが増加」という条件が成立している期間(図3の期間T1)においてスイッチ14aおよび14bをそれぞれオフおよびオンさせる。
この場合、LED群ユニット10bが短絡されることから、LED群ユニット10aが点灯可能な状態におかれる。LED群ユニット10aの順電圧は、Vf/2である。したがって、LED群ユニット10aは、期間T1において電圧VrがVf/2≦Vr<Vfの大きさを示しているときに単独点灯することになる。
また、スイッチ制御回路100は、「Vr≧Vf」という条件が成立している期間(図3の期間T2)においてスイッチ14aおよび14bを共にオフさせる。
この場合、直列接続されたLED群ユニット10a、10bが点灯可能な状態におかれる。直列接続されたLED群ユニット10a、10bの順電圧合計値は、前記したようにVfである。したがって、直列接続されたLED群ユニット10a、10bは、電圧VrがVr≧Vfの大きさを示しているときに同時点灯することになる。
さらに、スイッチ制御回路100は、「Vr<Vf」という条件および「電圧Vrが減少」という条件が成立している期間(図3の期間T3)においてスイッチ14aおよび14bをそれぞれオンおよびオフさせる。
この場合、LED群ユニット10aが短絡されることから、LED群ユニット10bが点灯可能な状態におかれる。LED群ユニット10bの順電圧は、Vf/2である。したがって、LED群ユニット10bは、期間T3において電圧VrがVf/2≦Vr<Vfの大きさを示しているときに単独点灯することになる。
電流検出センサ19は、ブリッジ整流回路に流入する電流Irを検出し、この電流Irに対応する電圧Viを出力する機能を有し、例えば、抵抗器によって構成される。
ゲート制御回路17は、上記ブリッジ整流回路の出力電圧Vrと上記電流検出センサ19の出力電圧Viとの差を演算する回路、この差を増幅する回路、この増幅回路の出力に対応するオン時比率をもたらすゲート信号(例えば、数10〜数100kHzのキャリヤ周波数に基づくPWM信号)を形成する回路等を備え、以下のように動作する。
LED群10に流れる電流が増大すると、コンデンサ18に充電された電荷が放電されるので、このコンデンサ18を充電するために電流Ir、つまり、電圧Viが増大される。電圧Viの増大は、電圧Vr、Viの差の減少をもたらす。そこで、ゲート制御回路17は、LED群10に流れる電流が減少されるように半導体スイッチング素子7のオン時比率を減少させる。逆に、LED群10に流れる電流が減少した場合には、LED群10に流れる電流が増大されるように半導体スイッチング素子7のオン時比率が増加される。これにより、入力電流Iinに対応する電圧Viが入力電圧Vinに対応する電圧Vrに類似した形態で変化すること、換言すれば、図3に点線で示すように、入力電流Iinが略正弦波状に変化することになる。
本実施形態に係る電源装置は、上記したスイッチ制御回路100によるスイッチ14a、14bの制御によって、図3の期間T1およびT3においてもLED群10に電流を流すことが可能になる。具体的には、期間T1においてLED群ユニット10aに電流を流し、期間T3においてLED群ユニット10bに電流を流すことができる。そして、上記したゲート制御回路17による半導体スイッチング素子7のオン時比率の制御によって、図3に点線で示すように、入力電流Iinを入力電圧Vinに類似した形態で変化させること、つまり、略正弦波状に変化させることが可能である。
本実施形態に係る電源装置によれば、半導体スイッチング素子を増設することなく、かつ、平滑コンデンサを使用することなく入力電流Iinをほぼ正弦波にすることが可能である。したがって、スイッチング素子を増設することによる損失がなく、また、瞬断時を含め、突入電流を生じないことから、初期充電回路も不要になる。さらに、電解コンデンサを使用することが多い平滑コンデンサが不要であるので、経年劣化が早いというこの電解コンデンサの持つ問題も発生しない。
ところで、本実施形態では、図3に示した期間T1およびT3においてそれぞれLED群ユニット10bおよび10aを短絡させているが、この期間T1、T3において一方のLED群ユニット(例えば、LED群ユニット10b)のみを短絡させるようにしても、LED群10におけるLEDの直列接続数を減少変更するという目的、つまり、LED群10の順電圧をVfからVf/2に低下させるという目的は達成される。
しかし、そのようにすると、期間T1、T3において点灯されるLED群ユニットが固定されるため、LED群ユニット10a、10bの点灯時間が不均一になる。したがって、LED群ユニット10a、10bの負担の均等化を図る上では、期間T1およびT3において一方および他方のLED群ユニットをそれぞれ短絡させることが望ましい。
図4に本発明の第2の実施形態に係る発光ダイオード駆動用電源装置の回路図を示す。
本実施形態の電源装置は、LED群10のLED群ユニット10a、10bがダイオード16を介して直列接続されている点と、スイッチ14aがLED群ユニット10aのアノード側端とLED群ユニット10bのアノード側端間に介装されている点と、スイッチ14bがLED群ユニット10aのカソード側端とLED群ユニット10bのカソード側端間に介装されている点と、スイッチ制御回路200を備えている点とにおいて、図1に示す電源装置と相違している。
スイッチ制御回路200は、電圧Vrを基準電圧Vfと比較する手段を備え、Vr<Vfである図6のT1、T3期間(図3のT1、T3期間に相当)においてスイッチ14aとスイッチ14bを共にオンさせるとともに、Vr≧Vfである図6の期間T2(図3の期間T2に相当)においてスイッチ14aとスイッチ14bを共にオフさせるように構成されている。
図5にこのスイッチ制御回路200とスイッチ14a、14bの具体的な接続形態を示す。
次に、この第2の実施形態に係る電源装置の動作について説明する。
図6の期間T1、T3ではスイッチ14aと14bが共にオンされる。この場合、LED群ユニット10a、10bが並列接続されるので、それら双方が点灯可能な状態におかれる。LED群ユニット10a、10bの順電圧はVf/2である。したがって、LED群ユニット10a、10bは、期間T1、T3において電圧VrがVf/2≦Vr<Vfの大きさを示しているときに同時に点灯することになる。
また、図6の期間T2では、スイッチ14aと14bが共にオフされる。この場合、直列接続されたLED群ユニット10a、10bが同時点灯することになる。
一方、ゲート制御回路17は、図1の実施形態におけるゲート制御回路17と同様に動作する。したがって、この実施形態においても、入力電流Iinに対応する電圧Viが入力電圧Vinに対応する電圧Vrに類似した形態で変化すること、換言すれば、図6に点線で示すように、入力電流Iinが略正弦波状に変化することになる。
以上のように動作する本実施形態に係る電源装置は、前記第1の実施形態に係る電源装置の効果と同様な効果をもたらす。
なお、上記第1の実施形態および第2の実施形態においては、半導体スイッチング素子7をスイッチング動作させることによってLED群10に流れる電流を制御しているが、半導体スイッチング素子7に使用しているMOSFETを電圧Vrと電圧Viの差に基づいてアナログ的に制御するようにしても、LED群10に流れる電流を同様に制御することが可能である。この場合、インダクタ9が使用されないので、ダイオード9も不要になる。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る電源装置を示している。図1および図4に示す実施形態では、半導体スイッチング素子7が使用されているが、本実施形態では、この半導体スイッチング素子7が使用されない。
すなわち、本実施形態においては、ブリッジ整流回路の正出力端がインダクタ15を介してLED群10のアノード側端に接続され、また、ブリッジ整流回路の負出力端がLED群10のカノード側端に接続されている。
LED群10は、4つLED群ユニット10a〜10dに分割されている。LED群ユニット10a〜10dは直列接続され、かつ、それぞれに対してスイッチ14a〜14dが並列接続されている。
スイッチ14a、14bは図2に示すような構成を有し、また、スイッチ14c、14dはスイッチ14a、14bと同等な構成を有する。
スイッチ制御回路300は、電圧Vrの増減を検出する手段と、電圧Vrが増加する第1の期間において、オン状態のスイッチ14a〜14dを順次オフさせるとともに、電圧Vrが減少する第2の期間において、オフ状態のスイッチ14a〜14dを順次オンさせる手段とを内蔵している。
上記電圧Vrの増減を検出する手段は、例えば、電圧Vrを微分し、その微分結果の極性を判別することによって上記増減を検出するように構成される。
次に、この第3の実施形態に係る電源装置の動作について説明する。
LED群ユニット10a〜10dは、それぞれの順電圧がVf/4である。しかし、電圧Vrが0のときには、スイッチ14a〜14dが全てオンされるので、つまり、LED群ユニット10a〜10dが全て短絡されるので、LED群10の端子電圧は0である。
上記第1の期間においては、この状態からスイッチ14a〜14dが順次オフされるので、図8に示すように、LED群ユニット10a〜10dが順次オン状態に移行し、その結果、LED群10の端子電圧がVf/4のステップで0からVfまで増加する。また、上記第2の期間においては、全てオフされた状態にあるスイッチ14a〜14dが順次オンされるので、図8に示すように、LED群ユニット10a〜10dが順次オフ状態に移行し、その結果、LED群10の端子電圧がVf/4のステップでVfから0まで減少する。
かくして、LED群10の端子電圧は、概ね正弦波状を呈するように階段状に変化されることになる。それゆえ、インダクタ15の両端間の電圧(電圧VrとLED群10の端子電圧との差電圧)は、正弦波同士の差電圧とみなすことができ、これは、インダクタ15に流れる電流が概ね正弦波状になること、つまり、入力電流Iinが概ね正弦波状になることを意味している。
本実施形態に係る電源装置は、前記第1、第2の実施形態による効果に加えて、半導体スイッチング素子および該半導体スイッチング素子を制御する手段が不要になるという利点が得られる。
なお、上記インダクタ15は、電圧Vrの波形(真の正弦波形)と真の正弦波形ではないLED群10の端子電圧の波形との差異により生じる電流の高周波成分を抑制する作用を持つ。したがって、LED群10の分割数を本実施形態における4よりも増加して、LED群10の端子電圧をより正弦波形に近づくように細かく調整すれば、インダクタ15としてインダクタンスのより小さいものを用いることが可能になる。
また、整流回路の出力電圧Vrに対して、LED群10の端子電圧の基本波の位相をわずかに遅らせて、電圧VrとLED群10の端子電圧の差の電圧の位相が電圧Vrに対し90°進みとなるように制御すれば、インダクタンスの電圧と電流の関係から、インダクタ15に流れる電流の位相が90°遅れて電圧Vrと同相となる。この原理により、入力電流Iinを入力電圧Vinと同位相とすることができる。
損失があまり問題にならない場合には、インダクタ15に代えて抵抗器を用いることもできる。たとえば、LED群10の分割数が十分に多くて、電圧VrとLED群10の端子電圧の差の電圧を常に十分小さく調節できる場合がこれに相当する。この場合には、電圧VrとLED群10の端子電圧Vfとを同位相とし、電圧Vrに対して電圧Vfの基本波の振幅をわずかに小さくすることによって入力電流Iinをほぼ正弦波とすることができる。
なお、LED群10の端子電圧は、上記のように均等なステップ(例えばVf/4)で変化させる必要はない。すなわち、LED群10の端子電圧をより正弦波に近似した形態で変化させるために、LED群10の端子電圧を不均等なステップで変化させてもよい。この場合、当然、LED群ユニット10a〜10dにおけるLEDの接続個数が不均等になる。
本発明の第1の実施形態に係る発光ダイオード駆動用電源装置を示す回路図である。 第1の実施形態におけるスイッチの構成例および接続態様を示す回路図である。 第1の実施形態に係る電源装置の作用を説明するための波形図である。 本発明の第2の実施形態に係る発光ダイオード駆動用電源装置を示す回路図である。 第2の実施形態におけるスイッチの構成例および接続態様を示す回路図である。 第2の実施形態に係る電源装置の作用を説明するための波形図である。 本発明の第3の実施形態に係る発光ダイオード駆動用電源装置を示す回路図である。 第3の実施形態に係る電源装置の作用を説明するための波形図である。 従来例に係る発光ダイオード駆動用電源装置を示す回路図である。 従来例に係る電源装置の作用を説明するための波形図である。 従来例に係る他の発光ダイオード駆動用電源装置を示す回路図である。
符号の説明
1 交流電源
2〜5 ダイオード
7 半導体スイッチング素子
8 ダイオード
9 インダクタ
10 発光ダイオード群
10a〜10d 発光ダイオード群ユニット
14a〜14d スイッチ
15 インダクタ
16 ダイオード
17 ゲート制御回路
100、200、300 スイッチ制御回路

Claims (10)

  1. 商用交流電源電圧を整流する整流手段を有し、直列接続した発光ダイオードの群を前記整流手段の出力電圧を用いて駆動する電源装置であって、
    前記整流回路の出力電圧が所定の値に到達するまでの第1の期間および該所定の値から減少する第2の期間において、前記発光ダイオード群における発光ダイオードの直列接続数を減少変更する手段と、
    前記整流手段と前記発光ダイオード群との間に介在され、前記整流手段の瞬時入力電流が瞬時入力電圧の波形に相似な波形をもつように前記発光ダイオード群への供給電流を制御する電流制御手段と、
    を備えることを特徴とする発光ダイオード駆動用電源装置。
  2. 前記電流制御手段は、
    前記発光ダイオード群に直列接続されたスイッチング素子およびインダクタと、
    前記整流手段の正負出力端間に介在させたコンデンサと、
    前記整流手段の出力電流を検出する電流検出手段と、
    前記出力電圧と前記出力電流に対応する電圧との差に基づいて前記スイッチング素子のオン時比率を制御する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード駆動電源装置。
  3. 前記電流制御手段は、
    前記発光ダイオード群に直列接続された電流制御素子と、
    前記整流手段の出力電流を検出する電流検出手段と、
    前記出力電圧と前記出力電流に対応する電圧との差に基づいて前記電流制御素子を制御する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード駆動電源装置。
  4. 前記発光ダイオードの直列接続数を減少変更する手段は、前記発光ダイオード群の一部を短絡するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード駆動電源装置。
  5. 前記発光ダイオード群が、互いに同数の発光ダイオードを有する第1の群と第2の群とを直列接続した構成を有し、
    前記発光ダイオードの直列接続数を減少変更する手段は、直列接続された前記第1の群と第2の群のいずれか一方を短絡するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の発光ダイオード駆動電源装置。
  6. 前記発光ダイオードの直列接続数を減少変更する手段は、前記第1の期間において前記第1の群を短絡し、前記第2の期間において前記第2の群を短絡するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の発光ダイオード駆動電源装置。
  7. 前記発光ダイオード群が、互いに同数の発光ダイオードを有する第1の群と第2の群とを直列接続した構成を有し、
    前記発光ダイオードの直列接続数を減少変更する手段は、前記第1の群に前記第2の群を並列接続するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード駆動電源装置。
  8. 商用交流電源電圧を整流する整流手段を有し、直列接続した発光ダイオードの群を前記整流手段の出力を用いて駆動する電源装置であって、
    前記整流手段の出力電圧が所定の値に到達するまでの第1の期間において、前記発光ダイオード群における該発光ダイオードの直列接続数を段階的に増加させ、前記整流手段の出力電圧が前記所定の値から減少する第2の期間において、前記発光ダイオード群における該発光ダイオードの直列接続数を段階的に減少させる手段を備え、
    前記発光ダイオードの直列接続数の増減によって、前記整流手段の瞬時入力電流の波形を瞬時入力電圧の波形に相似させるようにしたことを特徴とする発光ダイオード駆動電源装置。
  9. 前記発光ダイオード群が、N個(Nは2以上の整数)の発光ダイオード群ユニットを直列接続した構成を有し、
    前記発光ダイオードの直列接続数を増減する手段は、前記N個の発光ダイオード群ユニットを選択的に短絡することによって前記直列接続数を増減するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の発光ダイオード駆動電源装置。
  10. 前記整流手段と前記発光ダイオード群との間に電流制限用のインダクタもしくは抵抗器を介在させたことを特徴とする請求項8に記載の発光ダイオード駆動電源装置。
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