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JP2010125291A - 眼科撮影装置 - Google Patents

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JP2010125291A JP2008306862A JP2008306862A JP2010125291A JP 2010125291 A JP2010125291 A JP 2010125291A JP 2008306862 A JP2008306862 A JP 2008306862A JP 2008306862 A JP2008306862 A JP 2008306862A JP 2010125291 A JP2010125291 A JP 2010125291A
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Abstract

【課題】 確認したい被検眼の断層画像(光切断面)を被検眼正面画像から自由に設定することができ、組織や疾患の状態をより詳細に確認できる眼科撮影装置を提供すること。
【解決手段】 低コヒーレント長の光を発する光源と,該光源から発せられた測定光を被検眼の所定部位上で走査させる走査手段と,該光源から発せられた光によって生成される参照光と被検眼の所定部位に照射された前記測定光による反射光との合成により得られる干渉光を受光する受光素子とを有する干渉光学系を持ち,該受光素子の受光信号に基づいて被検眼の所定部位における断層画像を得る眼科撮影装置において、前記被検眼眼底の神経線維の走行として光切断ラインを規定するための走行規定手段と、該走行規定手段により規定された前記光切断ラインに対して対応する断層画像を取得する断層画像取得手段と、を備えること。
【選択図】 図3

Description

本発明は、被検眼の所定部位の断層画像を撮影する眼科撮影装置に関する。
被検眼の所定部位の断層画像を非侵襲で得ることができる眼科撮影装置として、低コヒーレント光を用いた光断層干渉計(Optical Coherence Tomography:OCT)が知られている。このような眼科撮影装置は断層画像を得るために被検眼眼底の正面画像をモニタに表示させ、撮影したい断層画像の位置(光切断ライン)を設定し、設定した光切断位置における断層像を取得している(特許文献1 参照)。
特開2008−29467号公報
しかしながら、従来の断層画像を得る眼科撮影装置は、断層画像の位置を得る光切断の方向が装置によって決められており(例えば、水平方向や垂直方向)、検者が必要とする位置の断層像を効率よく得ることが難しい。特に、眼底においては、組織や疾患の状態をより詳細に知る上で神経線維の走行に沿った断層画像を得ることが望まれる。
上記従来技術の問題点に鑑み、確認したい被検眼の断層画像(光切断面)を被検眼正面画像から自由に設定することができ、組織や疾患の状態をより詳細に確認できる眼科撮影装置を提供することを技術課題とする。また、眼底においては、神経線維の走行に対応した断層画像を効率よく得ることのできる眼科撮影装置を提供することを技術課題とする。
(1) 低コヒーレント長の光を発する光源と,該光源から発せられた測定光を被検眼の所定部位上で走査させる走査手段と,該光源から発せられた光によって生成される参照光と被検眼の所定部位に照射された前記測定光による反射光との合成により得られる干渉光を受光する受光素子とを有する干渉光学系を持ち,該受光素子の受光信号に基づいて被検眼の所定部位における断層画像を得る眼科撮影装置において、前記被検眼眼底の神経線維の走行として光切断ラインを規定するための走行規定手段と、該走行規定手段により規定された前記光切断ラインに対して対応する断層画像を取得する断層画像取得手段と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)の眼科撮影装置は、前記走査手段の2次元走査により前記被検眼眼底の3次元断層画像を取得するとともに、該3次元断層画像を記憶する記憶手段を持ち、前記断層画像取得手段は前記記憶手段に記憶された前記3次元断層画像から前記走行規定手段によって規定された前記光切断ラインに対応する部分の断層画像を繋ぎ合わせることにより1枚の断層画像を形成することを特徴とする。
(3) (2)の眼科撮影装置において、前記走行規定手段はモニタに表示された前記被検眼の眼底画像上の少なくとも1点を指定する指定手段を有するとともに,該指定手段により指定された前記指定点を通る神経線維の走行を演算により規定することを特徴とする。
(4) (3)の眼科撮影装置において、前記眼底画像は前記記憶された3次元画像と対応付けられていることを特徴とする。
(5) 低コヒーレント長の光を発する光源と,該光源から発せられた測定光を被検眼の所定部位上で走査させる走査手段と,該光源から発せられた光によって生成される参照光と被検眼の所定部位に照射された前記測定光による反射光との合成により得られる干渉光を受光する受光素子とを有する干渉光学系を持ち,該受光素子の受光信号に基づいて被検眼の所定部位における断層画像を得る眼科撮影装置において、前記走査手段の2次元走査により前記被検眼の3次元断層画像を取得するとともに、該3次元断層画像を記憶する記憶手段を持ち、該記憶手段に記憶された前記3次元断層画像に対応付けられた被検眼の正面画像をモニタに表示させる表示制御手段と、該表示制御手段によりモニタに表示された前記正面画像に対して任意の点を複数指定する指定手段と、該指定手段により指定された複数の前記指定点を繋ぎ合わせることにより得られるラインに対応する断層画像を前記3次元断層画像から得るための断層画像取得手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、確認したい被検眼の断層画像(光切断面)を被検眼正面画像から自由に設定することができ、組織や疾患の状態をより詳細に確認できる。また、眼底においては、神経線維の走行に対応した断層画像を得ることができる。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の眼科撮影装置の光学系及び制御系を示す図である。なお、本実施形態においては、被検眼の奥行き方向をZ方向(光軸L1方向)、水平方向をX方向、鉛直方向をY方向として説明する。
図1において、その光学系は、被検眼眼底の断層画像を光干渉の技術を用いて非侵襲で得るための干渉光学系(以下、OCT光学系とする)200と、赤外光を用いて被検眼の眼底を照明し観察するためのSLO眼底像を取得するスキャニングレーザオフサルモスコープ(SLO)光学系300と、に大別される。なお、OCT光学系200には、フーリエ・ドメイン型のOCT光学系が使用されている。
なお、光分割部材としてのダイクロイックミラー40は、OCT光学系200に用いられる測定光源27から発せられる測定光(例えば、λ=840nm付近)を反射し、SLO光学系300に用いられる光出射部61から発せられるレーザ光(光源27とは異なる波長の光(例えば、λ=780nm付近)を透過する特性を有する。この場合、ダイクロイックミラー40は、OCT光学系200の測定光軸L2とSLO光学系300の測定光軸L1とを同軸にする。
まず、ダイクロイックミラー40の反射側に設けられたOCT光学系200の構成について説明する。OCT光源27は、OCT光学系200の測定光及び参照光として用いられる低コヒーレントな光を発する光源であり、例えばSLD光源等が用いられる。OCT光源27には、例えば、中心波長840nmで50nmの帯域を持つ光源が用いられる。ファイバーカップラー26は、光分割部材と光結合部材としての役割を兼用する。OCT光源27から発せられた光は、導光路としての光ファイバ38aを介して、ファイバーカップラー26によって参照光と測定光とに分割される。測定光は光ファイバ38bを介して被検眼Eへと向かい、参照光は光ファイバ38cを介して参照ミラー31へと向かう。
測定光を被検眼Eへ向けて出射する光路には、測定光を出射する光ファイバ38bの端部39b、被検眼の屈折誤差に合わせて光軸方向に移動可能なフォーカシングレンズ24、走査駆動機構51の駆動により眼底上でXY方向に測定光を走査させることが可能な2つのガルバノミラーの組み合せからなる走査部(走査手段)23と、リレーレンズ22が配置されている。ダイクロイックミラー40及び対物レンズ10は、OCT光学系200からのOCT測定光を被検眼眼底へと導光する導光光学系としての役割を有する。なお、本実施形態の走査部23では、2つのガルバノミラーによって測定光の反射角度を任意に調整することにより、眼底上に走査させる測定光の走査方向を任意に設定できるような構成となっている。よって、被検眼眼底の任意の領域の断層画像を得ることが可能となる。なお、光ファイバ38bの端部39bは、被検眼眼底と共役となるように配置される。また、走査部23の2つのガルバノミラーは、被検眼瞳孔と略共役な位置に配置される。
光ファイバ38bの端部39bから出射した測定光は、フォーカシングレンズ24を介して走査部23に達し、2つのガルバノミラーの駆動により反射方向が変えられる。そして、走査部23で反射された測定光は、リレーレンズ22を介してダイクロイックミラー40で反射された後、対物レンズ10を介して、被検眼眼底に集光される。
そして、眼底で反射された測定光は、対物レンズ10を介してダイクロイックミラー40で反射され、OCT光学系200に向かう。測定光は、リレーレンズ22、走査部23の2つのガルバノミラー、フォーカシングレンズ24を介して、光ファイバ38bの端部39bに入射される。端部39bに入射した測定光は、光ファイバ38b、ファイバーカップラー26、光ファイバ38dを介して、光ファイバ38dの端部84aに達する。
一方、参照光を参照ミラー31に向けて出射する光路には、参照光を出射する光ファイバ38cの端部39c、コリメータレンズ29、参照ミラー31が配置されている。参照ミラー31は、参照光の光路長を変化させるべく、参照ミラー駆動機構50により光軸方向に移動可能な構成となっている。
光ファイバー38cの端部39cから出射された参照光は、コリメータレンズ29で平行光束とされ、参照ミラー31で反射された後、コリメータレンズ29により集光されて光ファイバ38cの端部39cに入射される。端部39cに入射した参照光は、光ファイバ38cを介して、ファイバーカップラー26に達する。
そして、光源27から発せられた光によって前述のように生成される参照光と被検眼眼底に照射された測定光とによる眼底反射光は、ファイバーカップラー26にて合成され干渉光とされた後、光ファイバ38dの端部84aから出射される。分光光学系800(スペクトロメータ部)は、周波数毎の干渉信号を得るために干渉光を周波数成分に分光する役割を持つ。分光光学系800は、コリメータレンズ80、グレーティング(回折格子)81、集光レンズ82、受光素子83を備える。受光素子83には、赤外域に感度を有する一次元受光素子(ラインセンサ)を用いられる。
ここで、端部84aから出射された干渉光は、コリメータレンズ80にて平行光とされた後、グレーティング81にて周波数成分に分光される。そして、周波数成分に分光された干渉光は、集光レンズ82により受光素子83の受光面に集光される。これにより、受光素子83で干渉縞のスペクトル情報が記録されることとなる。このスペクトル情報が制御手段である制御部70へと入力され、フーリエ変換を用いて解析されることで、被験者眼の深さ方向における情報(Aスキャン信号)が計測可能とされる。ここで、制御部70は、走査部23により測定光を眼底上で所定の横断方向に走査することにより断層画像を取得できる。例えば、X方向もしくはY方向に走査することにより、被検眼眼底のXZ面もしくはYZ面における断層画像を取得できる(なお、本実施形態においては、このように測定光を眼底に対して1次元走査し、断層画像を得る方式をBスキャンとする)。なお、取得された断層画像は、制御部70に接続されたメモリ72に記憶される。さらに、測定光をXY方向に2次元的に走査することにより、被検眼眼底の3次元断層画像を取得することも可能である。なお、本実施形態におけるOCT画像の取得は、走査部23に設けられた2つのガルバノミラーによって行われる。
次に、ダイクロイックミラー40の透過方向に配置されたSLO光学系(共焦点光学系)300について説明する。SLO光学系300は、被検眼眼底を照明する照明光学系と、該照明光学系によって照明された眼底反射光を受光素子により受光する受光光学系とに大別され、受光素子から出力される受光信号に基づいて被検眼眼底の正面画像を得る。
光出射部61は、赤外域の波長の光(例えば、λ=780nm)を発する第1の光源(SLO光源)61aと可視域の波長の光(例えば、λ=630nm)を発する第2の光源(固視光源)61b、ミラー100、ダイクロイックミラー101とを有する。なお、第1の光源61aと第2の光源61bには、輝度が高く、指向性の高い光を発する光源(レーザダイオード光源、SLD光源等)が用いられる。第1の光源61aを出射した赤外光は、ダイクロイックミラー101を透過し、光出射部61を出てビームスプリッタ62に進む。第2の光源61bを出射した可視光は、ミラー100にて折り曲げられた後、ダイクロイックミラー101にて反射して第1の光源61aから出射した光と同軸とされる。第1の光源61aは観察用の正面眼底画像を得るために用いられ、第2の光源61bは被検眼の視線方向を誘導させるために用いられる。
光出射部61から発せられるレーザ光を被検眼Eに向けて出射する光路には、被検眼Eの屈折誤差に合わせて光軸方向に移動可能なフォーカシングレンズ63、走査駆動機構52の駆動により眼底上でXY方向に測定光を高速で走査させることが可能なガルバノミラーとポリゴンミラーとの組み合せからなる走査部64、リレーレンズ65、対物レンズ10が配置されている。また、走査部64のガルバノミラー及びポリゴンミラーの反射面は、被検眼瞳孔と略共役な位置に配置される。
また、光出射部61とフォーカシングレンズ63との間には、ビームスプリッタ62が配置されている。そして、ビームスプリッタ62の反射方向には、共焦点光学系を形成するための集光レンズ66と、眼底に共役な位置に置かれる共焦点開口67と、SLO画像用の受光素子68とが設けられている。
ここで、光出射部61から発せられたレーザ光(測定光又は固視光束)は、ビームスプリッタ62を透過した後、フォーカシングレンズ63を介して走査部64に達し、ガルバノミラー及びポリゴンミラーの駆動により反射方向が変えられる。そして、走査部64で反射されたレーザ光は、リレーレンズ65を介してダイクロイックミラー40を透過した後、対物レンズ10により被検眼眼底に集光される。
眼底で反射されたレーザ光(測定光)は、対物レンズ10、リレーレンズ65、走査部64のガルバノミラー及びポリゴンミラー、フォーカシングレンズ63を経て、ビームスプリッタ62にて反射される。そして、集光レンズ66にて集光された後、共焦点開口67を介して、受光素子68に集光されて検出されることとなる。受光素子68にて検出された受光信号は制御部70へと入力される。制御部70は受光素子68にて得られた受光信号に基づいて被検眼眼底の正面画像を取得する。取得された正面画像は表示モニタ75に表示される。なお、SLO画像(SLO光学系を用いて取得される正面画像)は、走査部64に設けられたガルバノミラーによるレーザ光の縦方向の走査(副走査)とポリゴンミラーによるレーザ光の横方向の走査(主走査)により取得される。
なお、制御部70は、表示モニタ75に接続され、その表示画像を制御する表示制御手段を兼ねる。また、制御部70には、メモリ(記憶手段)72、各種操作を行うための操作部74、走査駆動機構51、走査駆動機構52、参照ミラー駆動機構50、フォーカシングレンズ63を光軸方向に移動させるための第1駆動機構63a、フォーカシングレンズ24を光軸方向に移動させるための第2駆動機構24a、等が接続されている。
また、検者によって操作される操作部74には、各種操作に用いられる操作部材としてのマウス(ポインティングデバイス)74a、撮影スイッチ74b、キーボード等が設けられている。なお、マウス74aは、モニタ75上の表示と連動され、測定光の走査位置の設定、固視標位置の設定、等に用いられる。なお、上記制御部70、記憶部72、操作部74、モニタ75においては、装置として専用の部材を用いるようにしてもよいし、パーソナル・コンピュータ(PC)を用いるようにしてもよい。
以上のような構成を備える装置において、その動作について説明する。以下では、被検眼眼底の3次元断層画像を取得した後、眼底正面画像にて設定する任意の断層画像を得る方法について説明する。
はじめに、検者はSLO光学系300を用いて被検眼眼底の正面画像をリアルタイムで取得し、これを観察画像として装置の位置を合わせる(アライメントしておく)。被検眼に対する装置の位置合わせが完了した後、所定の走査位置調整部及び所定の固視位置調整部を用いて、3次元断層画像を得る眼底上の領域を図示なき設定スイッチを用いて設定し、撮影スイッチ74bを押す。これにより、OCT光学系200及び制御部70による3次元断層画像の取得が開始される。なお、3次元断層画像は、走査部23の駆動によって測定光が眼底上で2次元的(XY方向)に走査されたときに受光素子83から出力される受光信号に基づいて制御部70により取得される。また、本実施形態では、3次元断層画像の取得時においては、OCT光源27を点灯させ、SLO光源61aを消灯させておく。
3次元断層画像を得るための測定光の走査が完了されると、制御部70は、受光素子83から出力される信号に対してフーリエ解析を行い、被検眼眼底の3次元断層画像を得て、これをメモリ72に記憶させる。また、制御部70は、3次元断層画像が形成される前段階において、受光素子83から出力される受光信号の生データ(RAWデータ)から干渉信号を抽出し(定常的な参照光成分を除去し)、この信号をAスキャン毎に加算して並べる。そして、3次元画像取得時のOCT光学系200による眼底正面画像(以下、OCT眼底画像とする)を得ておき、OCT眼底画像をモニタ75に表示させる(図2参照)。このように取得されたOCT眼底画像はメモリ72に記憶されている3次元断層画像と関連づけられていることとなる。以上のようにして、制御部70のよる被検眼の眼底正面画像の表示制御が行われる。
なお、前述したOCT眼底像は、フーリエ解析が行われる前の受光信号に基づいて形成される画像のため、画像作成時間(演算処理時間)が短くてすむが、3次元断層画像取得時の眼底正面画像を得る場合、上記手法に限るものではなく、取得された3次元断層画像と関連付けられている眼底正面画像であればよい。例えば、受光素子83から出力される撮影時に受光された干渉信号に基づいてOCT眼底画像が取得されるものでもよく、フーリエ解析を経て得られた3次元画像を深さ方向に積算したときの積算画像がOCT眼底像として取得されるようにしてもよい。また、OCT画像とは別に取得された観察画像(本実施形態ではSLO画像)を画層処理によりOCT眼底画像と対応付けることにより、観察画像と3次元断層画像とを関連付けることも可能である。
図3に示すように、表示モニタ75に表示されたOCT眼底画像に対して断層画像を見たい(確認したい)ライン上に複数の指定点400を設定する。指定点400は、マウス74aを用いて表示モニタ75に表示されているカーソル410を動かし、OCT眼底画像上の任意の箇所をクリックすることにより設定される。本実施形態では、指定点400a〜400fの6点を設定するものとしているが、これに限るものではなく、少なくとも2点が指定されていればよい。また、指定点400の設定はマウスによる操作に限るものではなく、スイッチ操作等の他の操作手段による設定であってもよい。このような指定点400は、例えば神経線維の走行(走向)に沿って設定されることが好ましいが、必ずしも神経線維の走行に一致するように設定する必要はなく、検者が断層画像を確認したいとするライン上に設定することにより、便宜上の神経線維の走行が規定されていてもよい。
このように表示モニタ75に表示されたOCT眼底画像上に複数の指定点400が設定された後、図示なき完了スイッチを用いて指定点400の設定を完了させる。完了スイッチが使用されると、制御部70は設定された指定点400(400a〜400f)間をつなぎ合わせて指定ライン(光切断ライン)420とする。このように、マウス74a、モニタ75、制御部70により指定手段(走行指定手段)が形成される。この指定ライン420に対応するAスキャン情報をメモリ72に記憶された3次元断層画像から取り出し、繋ぎ合わせることにより、制御部70は指定ライン420に対応する断層画像を取得する。得られた断層画像はモニタ75に表示される(図4参照)。なお、指定ライン420は各指定点400a〜400fを繋ぎ合わせることにより形成されたラインであり、曲線もしくは指定点間を結ぶ直線が結合されたラインとなるが、断層画像の形成の際には、指定ライン420全体を直線に伸ばした状態としてAスキャン情報を繋ぎ合わせるようにしている。
以上説明したように、本実施形態では検者が確認したい眼底の断層画像(光切断面)を眼底正面画像から自由に設定することができ、網膜や疾患の状態をより詳細に確認することが可能となる。
なお、本実施形態では、眼底において所望する領域の断層画像を得るために、事前に3次元断層画像を得るものとしているが、これに限るものではなく、被検眼の眼底画像上に曲線からなる指定ライン(例えば、神経線維の走行を規定するライン)を設定し、設定した指定ライン対して対応する断層画像が取得できる構成であればよい。例えば、観察光学系にて取得される眼底正面画像上に前述した曲線である指定ラインを設定し、設定した指定ライン上を断層画像を得るための測定光が走査されるようにOCT光学系の走査手段を制御することも可能である。なお、この場合、神経線維の走行に対応した断層画像を得ることができる。
また、本実施形態では検者が複数の指定点を眼底正面画像に設定して指定ラインを形成するものとしたが、これに限るものではなく、偏光感受型のOCT光学系を用いることにより、眼底正面画像の任意の1点を設定するだけで、指定点に対する神経線維の走行(ライン)を制御部70により自動的に規定し、規定したラインに対応する断層画像を得ることも可能である。また、眼底正面画像における視神経乳頭又は黄斑部を基準点とし、検者が指定した指定点と基準点とで、指定ラインを形成し、指定ラインに対応する断層画像をモニタに表示させる構成としてもよい。
図5は、偏光感受型のOCT光学系500の構成を示す概略図であり、図1に示したOCT光学系200と同機能を有する部材には同符号を付し、詳細な説明は省略する。
図示する偏光感受型のOCT光学系500は、OCT光源27、偏光素子501、偏光変調器502、レンズ503、端部504、偏光ビームスプリッタ505、受光素子506,507、及び図1に示したOCT光学系に用いられる各種光学部材を備えている。なお、偏光変調器502、受光素子506,507は、図示なき制御部に接続されている。OCT光源27から発せられた光は、偏光素子501により直線偏光とされた後、偏光変調器502を経てレンズ503により端部504に集光される。偏光変調器502は直線偏光となった光を走査部23のBスキャン走査に同期して連続的に変調し、ファイバーカップラー26に送る。変調された光はファイバーカップラー26にて参照光と測定光に分割され、測定光は光ファイバ38b、走査部23等を介して図1に示す光学系と同様に被検眼Eへと向かい、参照光は光ファイバ38cを介して参照ミラー31へと向かう。参照光と被検眼眼底に照射された測定光による眼底反射光は、ファイバーカップラー26にて合成され干渉光とされた後、光ファイバ38dを通じて端部84aから出射される。端部84aから出射されあた干渉光は、コリメータレンズ80、グレーティング(回折格子)81、集光レンズ82を経た後、偏光ビームスプリッタ505により、水平偏光成分と垂直偏光成分に分けられ、受光素子506,507に各々受光される。受光素子506,507により、互いに垂直な直線偏光電場成分EaとEbが検出されると、以下で式(1)で定義されるstokes parametetr(p)及びその3次元表示Poincare Sphere(ポアンカレ球)により、偏光に関する状態を表現することができる。
ここで、Iは式(2)、Qは式(3)、Uは式(4)、Vは式(5)で表される。
ここで、iは虚数を示す。また、γは楕円偏光の方位、Xは式(6)で定義される楕円偏光の楕円率を表す。
前述したような偏光感受型のOCT光学系500を用いて、3次元断層画像を取得する。取得した3次元断層画像における全ての領域は、式(1)にて定義されるstokes parametetr(p)によって、偏光方位が明らかとなっている。したがって、3次元断層像に対応付けられる眼底正面画像の任意の一点を設定するだけで、図示なき制御部は設定した指定点に対する神経線維の走行(ライン)を自動的に規定し、規定したラインに対応する断層画像を得ることも可能である。
なお、以上の説明では、眼底の断層像を取得する場合を例にとって説明したが、これに限るものではなく、OCTの原理を応用した光干渉光学系を用いて被検眼の所定部位の断層像(例えば、前眼部断層像)を撮影する眼科撮影装置であれば、本発明の適用は可能である。
本実施形態の眼科撮影装置の光学系及び制御系を示す図である。 OCT光学系による眼底正面画像を示す図である。 OCT眼底画像上で指定ラインを指定する様子を示す図である。 指定ラインに対応した断層画像を示す図である。 偏光感受型のOCT光学系500の構成を示す概略図である。
符号の説明
200 OCT光学系
300 SLO光学系
400 指定点
410 カーソル
420 指定ライン
500 偏光感受型のOCT光学系

Claims (5)

  1. 低コヒーレント長の光を発する光源と,該光源から発せられた測定光を被検眼の所定部位上で走査させる走査手段と,該光源から発せられた光によって生成される参照光と被検眼の所定部位に照射された前記測定光による反射光との合成により得られる干渉光を受光する受光素子とを有する干渉光学系を持ち,該受光素子の受光信号に基づいて被検眼の所定部位における断層画像を得る眼科撮影装置において、
    前記被検眼眼底の神経線維の走行として光切断ラインを規定するための走行規定手段と、
    該走行規定手段により規定された前記光切断ラインに対して対応する断層画像を取得する断層画像取得手段と、
    を備えることを特徴とする眼科撮影装置。
  2. 請求項1の眼科撮影装置は、前記走査手段の2次元走査により前記被検眼眼底の3次元断層画像を取得するとともに、該3次元断層画像を記憶する記憶手段を持ち、前記断層画像取得手段は前記記憶手段に記憶された前記3次元断層画像から前記走行規定手段によって規定された前記光切断ラインに対応する部分の断層画像を繋ぎ合わせることにより1枚の断層画像を形成することを特徴とする眼科撮影装置。
  3. 請求項2の眼科撮影装置において、前記走行規定手段はモニタに表示された前記被検眼の眼底画像上の少なくとも1点を指定する指定手段を有するとともに,該指定手段により指定された前記指定点を通る神経線維の走行を演算により規定することを特徴とする眼科撮影装置。
  4. 請求項3の眼科撮影装置において、前記眼底画像は前記記憶された3次元画像と対応付けられていることを特徴とする眼科撮影装置。
  5. 低コヒーレント長の光を発する光源と,該光源から発せられた測定光を被検眼の所定部位上で走査させる走査手段と,該光源から発せられた光によって生成される参照光と被検眼の所定部位に照射された前記測定光による反射光との合成により得られる干渉光を受光する受光素子とを有する干渉光学系を持ち,該受光素子の受光信号に基づいて被検眼の所定部位における断層画像を得る眼科撮影装置において、
    前記走査手段の2次元走査により前記被検眼の3次元断層画像を取得するとともに、該3次元断層画像を記憶する記憶手段を持ち、該記憶手段に記憶された前記3次元断層画像に対応付けられた被検眼の正面画像をモニタに表示させる表示制御手段と、
    該表示制御手段によりモニタに表示された前記正面画像に対して任意の点を複数指定する指定手段と、
    該指定手段により指定された複数の前記指定点を繋ぎ合わせることにより得られるラインに対応する断層画像を前記3次元断層画像から得るための断層画像取得手段と、
    を備えることを特徴とする眼科撮影装置。
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