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JP2010112866A - 可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム - Google Patents

可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム Download PDF

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JP2010112866A
JP2010112866A JP2008286329A JP2008286329A JP2010112866A JP 2010112866 A JP2010112866 A JP 2010112866A JP 2008286329 A JP2008286329 A JP 2008286329A JP 2008286329 A JP2008286329 A JP 2008286329A JP 2010112866 A JP2010112866 A JP 2010112866A
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Koji Amitani
幸二 網谷
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Abstract

【課題】温度測定手段を設けず、撮影可能領域を狭めることなく、放射線検出素子の温度に対応したオフセット補正値やゲイン補正値で画像データを適切に補正可能な可搬型放射線画像撮影装置を提供する。
【解決手段】可搬型放射線画像撮影装置1は、複数の放射線検出素子(x,y)と、放射線検出素子の温度Tとオフセット補正値O(x,y)またはゲイン補正値G(x,y)を対応付ける第1、第2特性テーブルLUT1、LUT2を備え、放射線画像撮影の前または後に1回以上行われるダーク読取処理の結果から算出したオフセット補正値O(x,y)に対応する上記温度Tを第1特性テーブルLUT1に基づいて推定し、オフセット補正値O(x,y)と、第2特性テーブルLUT2から割り出した推定した温度Tに対応するゲイン補正値G(x,y)とを用いて実写画像データF(x,y)を補正して最終的な画像データF(x,y)を生成する。
【選択図】図7

Description

本発明は、可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムに関するものである。
病気診断等を目的として、X線画像に代表される放射線を用いて撮影された放射線画像が広く用いられている。こうした医療用の放射線画像は、従来からスクリーンフィルムを用いて撮影されていたが、放射線画像のデジタル化を図るために輝尽性蛍光体シートを用いたCR(Computed Radiography)装置が開発され、最近では、照射された放射線を、二次元状に配置された放射線検出素子で検出して、デジタル画像データとして取得する放射線画像撮影装置が開発されている。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来はブッキー装置と一体的に形成されていた(例えば特許文献1参照)。しかし、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納して可搬とされた可搬型放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2参照)。また、このような可搬型の放射線画像撮影装置では、バッテリを内蔵し、信号やデータ等の送受信をアンテナ装置を介した電波のやりとりで行う放射線画像撮影装置が開発されている(例えば特許文献3等参照)。
また、放射線画像撮影装置では、放射線検出素子を常時駆動状態とすると素子の寿命が短くなることが知られており、放射線画像撮影を行わない場合には、放射線検出素子への電力の供給を停止して駆動が停止されるように構成されることが多い(例えば特許文献4等参照)。
特に、バッテリが内蔵された可搬型の放射線画像撮影装置では、上記のように放射線検出素子の寿命の長期化を図るとともに、さらにバッテリの消耗を避けること等を目的として、放射線検出素子等に対する電力の供給状態を、放射線検出素子等に電力を供給して放射線画像撮影を可能とする撮影可能モードと、放射線検出素子等への電力の供給を停止して必要な部材にのみ電力を供給するスリープモードとの間で切り替えることができるように構成されている場合も多い。スリープモードでは、放射線検出素子等に電力を供給しないため消費電力を抑制することができるが、放射線画像撮影を行うことはできない。
一方、いわゆる直接型および間接型の放射線画像撮影装置では、放射線画像撮影時に照射された放射線に起因して放射線検出素子内に電荷が蓄積され、それが読み出され、電気信号に変換されて画像データとして検出される。しかし、放射線検出素子内には、照射された放射線に起因する電荷だけでなくいわゆる暗電荷も蓄積される。
そして、放射線検出素子から読み出される電荷には暗電荷が含まれるため、放射線検出素子から読み出された電荷に基づく生の画像データ(以下、実写画像データFという。)には、暗電荷に起因する信号値が含まれている。そのため、照射された放射線の線量のみに起因する真の画像データFを得るためには、放射線検出素子ごとに、実写画像データFから暗電荷に対応するオフセット分であるオフセット補正値Oを差し引いて補正することが必要となる。
すなわち、複数の放射線検出素子が二次元状に配列された放射線画像撮影装置の検出部における各放射線検出素子の位置座標を(x,y)と表し、この放射線検出素子(x,y)から取得される実写画像データをF(x,y)、この放射線検出素子(x,y)についてのオフセット補正値をO(x,y)、補正されて得られる画像データをF(x,y)と表すと、最終的な画像データF(x,y)は、
(x,y)=(F(x,y)−O(x,y))×G(x,y) …(1)
の演算によって得ることができる。ここで、G(x,y)は放射線検出素子(x,y)についてのゲイン補正値である。
このように、実写画像データF(x,y)を補正して最終的な画像データF(x,y)を得るために、オフセット補正値O(x,y)やゲイン補正値G(x,y)を取得することが必要となる。そのため、放射線画像撮影装置に対してキャリブレーションを定期的に行い、ゲイン補正値G(x,y)やオフセット補正値O(x,y)、或いはその両者を更新するのが一般的である。
放射線検出素子ごとのオフセット補正値O(x,y)を得る手法としては、キャリブレーション時に、放射線画像撮影装置に対して放射線を照射しない状態で放射線検出素子に暗電荷を蓄積させ、蓄積された暗電荷を読み取る、いわゆるダーク読取処理が行われるのが一般的である。
その際、ダーク読取処理で放射線検出素子ごとに取得されるダーク読取値D(x,y)は、種々の電気ノイズで信号値にゆらぎ(ばらつき)が生じるため、ダーク読取値D(x,y)をそのままオフセット補正値O(x,y)とすることは必ずしも好ましくなく、ダーク読取処理を複数回行って各ダーク読取値D(x,y)の平均値を算出し、その平均値をオフセット補正値O(x,y)として採用することがしばしば行われる(例えば特許文献5〜7等参照)。
ところで、放射線画像撮影装置の電源がオンされた直後や、上記のように放射線検出素子等に対する電力供給状態を撮影可能モードとスリープモードとの間で切り替え可能に構成された放射線画像撮影装置で、電力供給状態がスリープモードから撮影可能モードに切り替えられた際などには、放射線検出素子等への電力の供給が開始されて放射線検出素子等の温度が上昇していく。
そして、実写画像データF(x,y)を補正するためのオフセット補正値O(x,y)算出の基礎となるダーク読取値D(x,y)は、放射線検出素子等の温度に依存して信号値が変化する。また、ゲイン補正値G(x,y)も放射線検出素子等の温度に依存してその値が変化することが知られている。
そこで、例えば特許文献8に記載の放射線画像撮影装置では、放射線検出素子が二次元状に配列された検出部等に温度センサ等の温度検出手段を取り付けておき、放射線画像撮影が行われた際の放射線検出素子等の温度を実際に測定し、測定された温度に対応するオフセット補正値O(x,y)やゲイン補正値G(x,y)を算出して実写画像データF(x,y)を補正して最終的な画像データF(x,y)を得ることが提案されている。
また、例えば特許文献9に記載の放射線画像撮影装置では、複数の放射線検出素子が二次元状に配列された検出部のうち、放射線画像撮影の際に、放射線が照射された領域の放射線検出素子から実写画像データF(x,y)等を取得し、放射線が照射されなかった領域の放射線検出素子からダーク読取値D(x,y)やオフセット補正値O(x,y)等を取得する手法が提案されている。
特開平9−73144号公報 特開2006−058124号公報 特開2003−210444号公報 特開2000−139889号公報 米国特許第5452338号明細書 米国特許第6222901号明細書 米国特許第7041955号明細書 特開平10−260487号公報 米国特許第6737654号明細書
しかしながら、特許文献8に記載の放射線画像撮影装置のように、温度検出手段を設けると、特に可搬型の放射線画像撮影装置では温度検出手段を設ける分だけ装置のサイズが大型化してしまうという問題があった。また、温度センサ等を設けると、部品点数が増えて製造コストが増大するうえ、温度センサ等を稼働させるために装置に内蔵されたバッテリの電力がより多く消費されてしまうという問題もあった。さらに、特定の部分の温度で全領域の温度を見なし制御するので、補正精度に問題があり、これに対処するために、所定の領域ごとに温度検出手段を増加すると、ますます部品点数が増加するものとなっていた。
また、特許文献9に記載の放射線画像撮影装置のように、複数の放射線検出素子が二次元状に配列された検出部で、例えば、物理的に放射線の照射から放射線検出素子を遮蔽するための遮蔽部材を設け、遮蔽部材に遮蔽された放射線検出素子からはダーク読取値等のみを取得するように構成すると、その放射線検出素子を放射線画像撮影に用いることができなくなるため、放射線画像撮影の際に放射線の照射を受けることができ、実写画像データを出力し得る放射線検出素子の領域、すなわち撮影可能領域が狭くなってしまうという問題がある。
また、そのような遮蔽部材を設けずに、実際に放射線の照射を受けた放射線検出素子から実写画像データを取得し、放射線が照射されなかった放射線検出素子からダーク読取値を取得するように構成すると、放射線検出素子が放射線の照射を受けたか否かを判定する処理構成が必要となり、制御が煩雑になる。
特に、放射線画像撮影装置をブッキー装置等に装填せずに、例えばベッド等の上に載置した状態で、その放射線入射面上に被写体(すなわち患者の患部部分等)を載せたり接近させたりして放射線画像撮影を行うような場合、放射線画像撮影装置の検出部のどの位置に放射線検出素子が放射線の照射を受け、或いは放射線の照射を受けないかが予め特定できないため、上記の判定処理が必要となるといった問題があった。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、温度測定手段を設けず、撮影可能領域を狭めることなく、放射線検出素子等の温度に対応したオフセット補正値やゲイン補正値を割り出して画像データを適切に補正可能な可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の可搬型放射線画像撮影装置は、
放射線の照射線量に応じて電荷を発生させる放射線検出素子が二次元状に配列された検出部と、
前記放射線検出素子から前記電荷を読み出して前記放射線検出素子ごとに前記電荷を実写画像データに変換するとともに、放射線を照射しない状態では前記各放射線検出素子に蓄積された暗電荷を前記放射線検出素子ごとに読み出してダーク読取値に変換可能な読み出し回路と、
前記ダーク読取値に基づいてオフセット補正値を算出するとともに、前記各放射線検出素子から読み出された電荷に基づく前記実写画像データを補正して最終的な画像データを生成する演算手段と、
前記放射線検出素子の温度と前記オフセット補正値とを対応付ける第1特性テーブルと、前記放射線検出素子の温度とゲイン補正値とを対応付ける第2特性テーブルとが保存された記憶手段と、
前記各部材に電力を供給するバッテリと、
放射線画像撮影の前または後に前記ダーク読取値を読み取るダーク読取処理を少なくとも1回行うように制御する制御手段と、
を備え、
前記演算手段は、算出した前記オフセット補正値に対応する前記放射線検出素子の温度を前記第1特性テーブルに基づいて推定し、推定した前記温度に対応する前記ゲイン補正値を前記第2特性テーブルに基づいて割り出し、前記各放射線検出素子ごとに、前記実写画像データを前記オフセット補正値および前記ゲイン補正値により補正して前記最終的な画像データを生成することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影システムは、
放射線の照射線量に応じて電荷を発生させる放射線検出素子が二次元状に配列された検出部と、
前記放射線検出素子から前記電荷を読み出して前記放射線検出素子ごとに前記電荷を実写画像データに変換するとともに、放射線を照射しない状態では前記各放射線検出素子に蓄積された暗電荷を前記放射線検出素子ごとに読み出してダーク読取値に変換可能な読み出し回路と、
前記各部材に電力を供給するバッテリと、
放射線画像撮影の前または後に前記ダーク読取値を読み取るダーク読取処理を少なくとも1回行うように制御する制御手段と、
前記実写画像データおよび前記ダーク読取値を送信可能な通信手段と、
を備える可搬型放射線画像撮影装置と、
前記実写画像データおよび前記ダーク読取値を受信可能な通信手段と、
前記放射線検出素子の温度とオフセット補正値とを対応付ける第1特性テーブルと、前記放射線検出素子の温度とゲイン補正値とを対応付ける第2特性テーブルとが、前記可搬型放射線画像撮影装置ごとに保存された記憶手段と、
が接続されたコンソールと、
を備え、
前記コンソールは、前記ダーク読取値に基づいて前記オフセット補正値を算出し、算出した前記オフセット補正値に対応する前記放射線検出素子の温度を前記第1特性テーブルに基づいて推定し、推定した前記温度に対応する前記ゲイン補正値を前記第2特性テーブルに基づいて割り出し、前記可搬型放射線画像撮影装置の前記各放射線検出素子ごとに、前記実写画像データを前記オフセット補正値および前記ゲイン補正値により補正して前記最終的な画像データを生成することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影システムは、
放射線の照射線量に応じて電荷を発生させる放射線検出素子が二次元状に配列された検出部と、
前記放射線検出素子から前記電荷を読み出して前記放射線検出素子ごとに前記電荷を実写画像データに変換するとともに、放射線を照射しない状態では前記各放射線検出素子に蓄積された暗電荷を前記放射線検出素子ごとに読み出してダーク読取値に変換可能な読み出し回路と、
前記各部材に電力を供給するバッテリと、
放射線画像撮影の前または後に前記ダーク読取値を読み取るダーク読取処理を少なくとも1回行うように制御するとともに、前記ダーク読取値に基づいてオフセット補正値を算出する制御手段と、
前記実写画像データおよび前記オフセット補正値を送信可能な通信手段と、
を備える可搬型放射線画像撮影装置と、
前記実写画像データおよび前記オフセット補正値を受信可能な通信手段と、
前記放射線検出素子の温度と前記オフセット補正値とを対応付ける第1特性テーブルと、前記放射線検出素子の温度とゲイン補正値とを対応付ける第2特性テーブルとが、前記可搬型放射線画像撮影装置ごとに保存された記憶手段と、
が接続されたコンソールと、
を備え、
前記コンソールは、受信した前記オフセット補正値に対応する前記放射線検出素子の温度を前記第1特性テーブルに基づいて推定し、推定した前記温度に対応する前記ゲイン補正値を前記第2特性テーブルに基づいて割り出し、前記可搬型放射線画像撮影装置の前記各放射線検出素子ごとに、前記実写画像データを前記オフセット補正値および前記ゲイン補正値により補正して前記最終的な画像データを生成することを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムによれば、放射線画像撮影装置に各放射線検出素子の温度を測定する温度測定手段を設けなくても、第1特性テーブルを用いてオフセット補正値から温度を推定し、第2特性テーブルを用いてその温度に対応するゲイン補正値を的確に割り出すことが可能となる。
そのため、放射線画像撮影時の各放射線検出素子の温度に的確に対応したオフセット補正値およびゲイン補正値を得ることが可能となり、それらに基づいて実写画像データを適切に補正してより高精細な画像データを生成することが可能となるとともに、温度測定手段を設ける必要がないため、可搬型の放射線画像撮影装置のサイズが大型化したり、部品点数が増えて製造コストが増大したり、温度測定手段を稼働させるために装置に内蔵されたバッテリの電力がより多く消費されるということも回避することが可能となる。
また、放射線画像撮影装置の検出部に二次元状に配列された全ての放射線検出素子を用いて被写体の放射線画像を撮影することが可能となるため、前述した従来技術のように撮影可能領域が狭くなるという問題を生じない。また、各放射線検出素子がそれぞれ放射線の照射を受けたか否かの判定を行う必要もないため、制御構成の複雑化したり煩雑化することを回避することが可能となる。
以下、本発明に係る可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の図示例のものに限定されるものではない。
なお、以下、可搬型放射線画像撮影装置を単に放射線画像撮影装置と表す。また、以下では、放射線画像撮影装置として、シンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレータ等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
[放射線画像撮影装置]
まず、本実施形態に係る放射線画像撮影装置について説明する。図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体状のハウジング2内にシンチレータ3や基板4等が収納されたカセッテ型の可搬型放射線画像撮影装置として構成されている。
ハウジング2は、少なくとも放射線の照射を受ける側の面R(以下、放射線入射面Rという。)が放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。なお、図1や図2では、ハウジング2がフレーム板2Aとバック板2Bとで形成された、いわば弁当箱型である場合が示されているが、ハウジング2を一体的に形成する、例えば特開2002−311526号公報に記載されたX線画像撮影装置のような、いわばモノコック型とすることも可能である。
ハウジング2の内部の基板4の下方側には、図2に示すように、基台31が配置されており、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。また、本実施形態では、基台31やPCB基板33の下面側には、放射線画像撮影装置1の放射線入射面R側から入射し、シンチレータ3や基板4、基台31等を透過した放射線を検出して、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されたことを検出する放射線センサ35が取り付けられている。なお、本実施形態では、基板4やシンチレータ3の放射線入射面R側には、それらを保護するためのガラス基板36が配設されている。
シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光線を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。
基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図3に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、それぞれ本実施形態では光電変換素子である放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。このように、放射線検出素子7は、基板4上に二次元状に配列されており、複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図3に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
本実施形態では、放射線検出素子7として、放射線入射面Rから入射した放射線がシンチレータ3で変換されて出力される電磁波の光量(シンチレータ3に入射した放射線の照射線量に応じて増加する。)に応じて電荷を発生させるフォトダイオードが用いられているが、この他にも、例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図3や図4の拡大図に示すように、スイッチ素子である薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、オン状態とされることにより、すなわちゲート電極8gに信号読み出し用の電圧が印加されてTFT8のゲートが開かれることにより、放射線検出素子7に蓄積された電荷を信号線6に放出させるようになっている。ここで、本実施形態における放射線検出素子7やTFT8の構造について、図5に示す断面図を用いて簡単に説明する。図5は、図4におけるX−X線に沿う断面図である。
基板4の面4a上に、AlやCr等からなるTFT8のゲート電極8gが走査線5と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極8g上および面4a上に積層された窒化シリコン(SiN)等からなるゲート絶縁層81上のゲート電極8gの上方部分に、水素化アモルファスシリコン(a−Si)等からなる半導体層82を介して、放射線検出素子7の第1電極74と接続されたソース電極8sと、信号線6と一体的に形成されるドレイン電極8dとが積層されて形成されている。
ソース電極8sとドレイン電極8dとは、窒化シリコン(SiN)等からなる第1パッシベーション層83によって分割されており、さらに第1パッシベーション層83は両電極8s、8dを上側から被覆している。また、半導体層82とソース電極8sやドレイン電極8dとの間には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたオーミックコンタクト層84a、84bがそれぞれ積層されている。以上のようにしてTFT8が形成されている。
また、放射線検出素子7の部分では、基板4の面4a上に前記ゲート絶縁層81と一体的に形成される絶縁層71の上にAlやCr等が積層されて補助電極72が形成されており、補助電極72上に前記第1パッシベーション層83と一体的に形成される絶縁層73を挟んでAlやCr、Mo等からなる第1電極74が積層されている。第1電極74は、第1パッシベーション層83に形成されたホールHを介してTFT8のソース電極8sに接続されている。
第1電極74の上には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたn層75、水素化アモルファスシリコンで形成された変換層であるi層76、水素化アモルファスシリコンにIII族元素をドープしてp型に形成されたp層77が下方から順に積層されて形成されている。なお、p層77、i層76、n層75の積層の順番は上下逆であってもよい。
p層77の上には、ITO等の透明電極とされた第2電極78が積層されて形成されており、照射された電磁波がi層76等に到達するように構成されている。以上のようにして放射線検出素子7が形成されている。なお、本実施形態では、上記のように、放射線検出素子7としてp層77、i層76、n層75が積層されて形成されたいわゆるpin型の放射線検出素子を用いる場合を説明したが、放射線検出素子7は、このようなpin型の放射線検出素子に限定されない。
また、放射線検出素子7の第2電極78の上面には、第2電極78を介して放射線検出素子7に逆バイアス電圧を印加するバイアス線9が接続されている。なお、放射線検出素子7の第2電極78やバイアス線9、TFT8側に延出された第1電極74、TFT8の第1パッシベーション層83等、すなわち放射線検出素子7とTFT8の上面部分は、その上方側から窒化シリコン(SiN)等からなる第2パッシベーション層79で被覆されている。
図3や図4に示すように、本実施形態では、それぞれ列状に配置された複数の放射線検出素子7に1本のバイアス線9が接続されており、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で1本の結線10に結束されている。バイアス線9や結線10は、電気抵抗が小さい金属線で形成されている。
本実施形態では、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図6に示すように、IC12a等のチップが組み込まれたCOF(Chip On Film)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、COF12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1の基板4部分が形成されている。
一方、図1に示すように、ハウジング2の一方側の短辺側側面部には、放射線画像撮影装置1の電源スイッチ37や各種の操作状況等を表示するインジケータ38等が設けられている。また、この側面部には、図示しない内蔵バッテリの交換用の蓋部材39が設けられており、蓋部材39には、放射線画像撮影装置1が外部装置とデータや信号等の送受信を無線方式で行うためのアンテナ装置40が埋め込まれて設けられている。
なお、アンテナ装置40を設ける箇所は、本実施形態のようにハウジング2の1つの短辺側側面部に限定されず、他の位置に設けることも可能である。また、アンテナ装置40の個数は必ずしも1つに限定されず、必要な数だけ適宜設けられる。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路図である。
前述したように、基板4の検出部Pの各放射線検出素子7は、その第2電極78がそれぞれバイアス線9および結線10に接続されており、結線10は逆バイアス電源14に接続されている。逆バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7に印加する逆バイアス電圧を供給するようになっている。また、逆バイアス電源14は制御手段22に接続されており、制御手段22は、逆バイアス電源14から各放射線検出素子7に印加する逆バイアス電圧を制御するようになっている。
各放射線検出素子7の第1電極74はTFT8のソース電極8s(図7中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図7中ではGと表記されている。)は走査駆動回路15から延びる各走査線5にそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図7中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査線5を介して走査駆動回路15からTFT8のゲート電極8gに信号読み出し用の電圧が印加されるとTFT8のゲートがオン状態とされて、放射線検出素子7に蓄積された電荷がTFT8のソース電極8sを介してドレイン電極8dから信号線6に読み出されるようになっている。
各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。なお、読み出しIC16には所定個数の読み出し回路17が設けられており、読み出しIC16が複数設けられることにより、信号線6の本数分の読み出し回路17が設けられるようになっている。
読み出し回路17は、増幅回路18と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19と、A/D変換器20とで構成されており、1本の信号線6ごとに1回路ずつ設けられているが、本実施形態では、A/D変換器20は、複数の回路で共通とされており、各相関二重サンプリング回路19から出力された各電気信号がアナログマルチプレクサ21を介して順次A/D変換器20に送信され、A/D変換器20で順次デジタル値に変換されるようになっている。
そして、読み出し回路17では、放射線検出素子7から信号線6を通じて電荷が読み出され、放射線検出素子7ごとに電荷が電荷電圧変換されて増幅される等して電気信号に変換されるようになっている。なお、相関二重サンプリング回路19は、図7中ではCDSと表記されている。
制御手段22は、CPU(Central Processing Unit)等を備えたマイクロコンピュータや専用の制御回路で構成されており、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。また、制御手段22には、RAM(Random Access Memory)等で構成される記憶手段23が接続されている。
前述したように、制御手段22は、逆バイアス電源14を制御して各放射線検出素子7に印加する逆バイアス電圧を制御したり、走査駆動回路15から信号読み出し用の電圧を印加する走査線5を切り替えたり、或いは、各読み出し回路17内の増幅回路18や相関二重サンプリング回路19等を制御して、各放射線検出素子7からの電気信号の読み出しを行うようになっている。
また、制御手段22には、前述したアンテナ装置40が接続されており、さらに、各放射線検出素子7等の各部材に電力を供給するためのバッテリ41が接続されている。このように、バッテリ41は、放射線画像撮影装置1のハウジング2内に内蔵されており、バッテリ41には、外部装置からバッテリ41に電力を供給してバッテリ21を充電する際の接続端子42が取り付けられている。また、制御手段22には、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されたことを検出する前述した放射線センサ35が接続されている。
本実施形態では、制御手段22は、操作者が電源スイッチ37(図1参照)を操作する等して手動で、或いは、アンテナ装置40を介して例えば後述する放射線画像撮影システム50のコンソールC等の外部装置から送信された切り替え信号を受信した場合にはその切り替え信号に応じて、放射線検出素子7等に対する電力供給状態を、放射線検出素子7等に電力を供給して放射線画像撮影を可能とする撮影可能モードと、制御手段22やアンテナ装置40等の必要な部材にのみ電力を供給し、放射線検出素子7への電力の供給を停止して放射線画像撮影ができないスリープモードとの間で切り替えるようになっている。
また、制御手段22は、上記のように電力供給状態を撮影可能モードに切り替えた後、放射線センサ35が予め設定された所定時間内に放射線の照射を検出しない場合には、電力供給状態を撮影可能モードからスリープモードに切り替えて、電力が無駄に消費されることを防止するようになっている。
ここで、放射線画像撮影時に、各放射線検出素子7から実写画像データを取得する際の制御手段22による制御について説明する。
なお、本実施形態では、図8に示すように、各放射線検出素子7には、その検出部P上の行方向の位置xと列方向の位置yとを成分とする位置座標(x,y)が番号としてそれぞれ割り当てられており、以下、個々の放射線検出素子7を表す場合には放射線検出素子(x,y)と表す。また、放射線検出素子(x,y)から取得された実写画像データや後述するダーク読取値等を、実写画像データF(x,y)やダーク読取値D(x,y)(またはダーク読取値D(x,y))等と放射線検出素子(x,y)の番号(x,y)を付して表す。
放射線画像撮影に先立って、制御手段22は、まず、走査駆動回路15(図7参照)から全ての走査線5に対して信号読み出し用の電圧を印加し、走査線5に接続された全てのTFT8をオン状態としてゲートを開く。また、読み出し回路17にも所定の信号を送信する。このようにして、放射線検出素子(x,y)やTFT8、読み出し回路17の増幅回路18等に蓄積された余分な電荷を下流側に放出させて、放射線検出素子(x,y)や読み出し回路17等のリセット処理を行う。続いて、制御手段22は、走査駆動回路15からの全走査線5に対する信号読み出し用の電圧の印加を停止して、各TFT8をオフ状態としてゲートを閉じる。
そして、放射線画像撮影が行われ、放射線画像撮影装置1に放射線入射面R側から放射線が照射されると、放射線画像撮影装置1では、被写体を透過した放射線がシンチレータ3に入射し、シンチレータ3で放射線が電磁波に変換されて、電磁波がその下方の放射線検出素子(x,y)に入射する。
そして、入射した電磁波が放射線検出素子(x,y)のi層76(図5参照)に到達すると、i層76内で電子正孔対が発生し、逆バイアス電圧の印加により放射線検出素子(x,y)内に形成された所定の電位勾配に従って、発生した電子と正孔のうちの一方の電荷(本実施形態では正孔)がバイアス線9側に流出し、他方の電荷(本実施形態では電子)が放射線検出素子(x,y)内に蓄積される。
放射線画像撮影が終了すると、制御手段22は、走査駆動回路15から所定の1ライン目の走査線5に信号読み出し用の電圧を印加して、その走査線5に接続されているTFT8をオン状態として、TFT8を介して各放射線検出素子(x,y)から蓄積された電荷を信号線6に放出させる。放射線検出素子(x,y)から読み出された電荷は、読み出し回路17で電荷電圧変換されて増幅される等して電気信号(この場合は実写画像データF(x,y))に変換され、アナログマルチプレクサ21を介して順次A/D変換器20に送信され、A/D変換器20で順次デジタル値に変換されて制御手段22に送信される。
制御手段22は、A/D変換器20から実写画像データF(x,y)が順次送信されてくると、それらを放射線検出素子(x,y)と対応付けながら順次記憶手段23に記憶させていく。
そして、制御手段22は、1ライン目の走査線5について処理を終了すると、走査駆動回路15から信号読み出し用の電圧を印加する走査線5を順次切り替えながら(すなわち走査しながら)、上記の処理を繰り返して、全ての放射線検出素子(x,y)から電荷を読み出し、増幅する等して実写画像データF(x,y)に変換して放射線検出素子(x,y)と対応付けながら順次記憶手段23に記憶させる。このようにして、制御手段22は、放射線画像撮影時における各放射線検出素子(x,y)からの実写画像データF(x,y)の読み出し制御を行うようになっている。
一方、制御手段22は、本実施形態では、放射線センサ35により放射線画像撮影装置1に放射線が照射されたことが検出され、放射線画像撮影が終了したと判断すると、上記のように各放射線検出素子(x,y)から実写画像データF(x,y)を読み出した後、複数回のダーク読取処理を行うようになっている。
なお、本実施形態では、このように、放射線画像撮影の後にダーク読取処理を行う場合について説明するが、放射線画像撮影の前にダーク読取処理を行うように構成することも可能である。その場合には、操作者が手動で、或いは外部装置からダーク読取処理を行うように信号を送信して行わせるように構成される。
また、本実施形態では、ダーク読取処理を複数回行い、それにより得られた複数のダーク読取値D(x,y)の平均値をオフセット補正値O(x,y)として算出する場合について説明するが、バッテリの消耗を避けるために、ダーク読取処理を1回だけ(或いは2回程度)行うように構成することも可能である。ダーク読取処理を1回程度行ってオフセット補正値O(x,y)を算出する手法については、後で説明する。
以下、ダーク読取処理について説明する。ダーク読取処理では、上記の放射線画像撮影時の実写画像データF(x,y)の取得処理の場合と同様に、制御手段22は、まず、放射線検出素子(x,y)やTFT8、読み出し回路17の増幅回路18等に蓄積された余分な電荷を放出させて、それらのリセット処理を行う。
続いて、制御手段22は、走査駆動回路15からの全走査線5に対する信号読み出し用の電圧の印加を停止して、各TFT8をオフ状態としてゲートを閉じた後、放射線画像撮影の場合とは異なり、放射線画像撮影装置1に放射線を照射させない状態に保つ(すなわち放置する)。そして、所定時間(通常は、放射線画像撮影における放射線照射時の放射線検出素子7への電荷蓄積時間と同じ時間)が経過した後、制御手段22は、放射線画像撮影時の実写画像データF(x,y)の取得処理の場合と同様にして各放射線検出素子(x,y)に蓄積された暗電荷を読み出してダーク読取値D(x,y)を取得する。
すなわち、所定時間が経過すると、制御手段22は、走査駆動回路15から所定の1ライン目の走査線5に信号読み出し用の電圧を印加して、その走査線5に接続されているTFT8をオン状態として、TFT8を介して各放射線検出素子(x,y)から蓄積された暗電荷を信号線6に放出させる。
放射線検出素子(x,y)から読み出された暗電荷は、読み出し回路17で電荷電圧変換されて増幅される等して電気信号(この場合はダーク読取値D(x,y))に変換され、アナログマルチプレクサ21を介して順次A/D変換器20に送信され、A/D変換器20で順次デジタル値に変換されて制御手段22に送信される。
制御手段22は、A/D変換器20からダーク読取値D(x,y)が順次送信されてくると、それらを放射線検出素子(x,y)と対応付けながら順次記憶手段23に記憶させていく。そして、1ライン目の走査線5について処理を終了すると、走査駆動回路15から信号読み出し用の電圧を印加する走査線5を順次切り替えながら(すなわち走査しながら)、上記の処理を繰り返して、全ての放射線検出素子(x,y)から暗電荷を読み出し、増幅する等してダーク読取値D(x,y)に変換して放射線検出素子(x,y)と対応付けながら順次記憶手段23に記憶させる。
このようにして、制御手段22は、各放射線検出素子(x,y)からのダーク読取値D(x,y)の読み出し制御を行うようになっている。
一方、制御手段22は、上記のようにして取得した複数回分のダーク読取値D(x,y)に基づいてそれらの平均値を算出する等してオフセット補正値O(x,y)を算出するとともに、算出したオフセット補正値O(x,y)に対応するゲイン補正値G(x,y)を割り出し、これらのオフセット補正値O(x,y)とゲイン補正値G(x,y)により前述した(1)式に基づいて、各放射線検出素子(x,y)から読み出された電荷に基づく実写画像データF(x,y)を補正して、最終的な画像データF(x,y)を生成する演算手段としても機能するようになっている。
以下、演算手段としての制御手段22において、算出したオフセット補正値O(x,y)に対応するゲイン補正値G(x,y)の割り出し、およびそれらに基づく実写画像データF(x,y)の補正、最終的な画像データF(x,y)の生成について説明するが、それらの説明の前に、算出したオフセット補正値O(x,y)に対応するゲイン補正値G(x,y)の割り出しに用いられる第1特性テーブルと第2特性テーブルについて説明する。
第1特性テーブルLUT1は、図9に例示するような放射線検出素子(x,y)の温度とオフセット補正値O(x,y)とを対応付けるLUT(Lookup Table)であり、第2特性テーブルLUT2は、図10に例示するような放射線検出素子(x,y)の温度とゲイン補正値G(x,y)に対する修正係数とを対応付けるLUTである。
また、これらの第1特性テーブルLUT1および第2特性テーブルLUT2は、放射線画像撮影装置1の工場出荷時等に予め作成され、記憶手段23に記憶されている。
なお、本実施形態では、図9に示す第1特性テーブルLUT1における縦軸のオフセット補正値O(x,y)は算出した値がそのまま用いられるようになっているが、図10に示すように、第2特性テーブルLUT2における縦軸には、ゲイン補正値G(x,y)そのものの値ではなく、例えば25℃における値を1とした場合の相対値が割り振られている。
そして、本実施形態では、第1特性テーブルLUT1は、各放射線検出素子(x,y)ごとに1つずつ予め作成される。また、本実施形態では、第2特性テーブルLUT2については、全ての放射線検出素子(x,y)について共通のテーブルが1つだけ予め作成される。それとともに、第2特性テーブルLUT2に基づいて割り出された温度Tに対するゲイン補正値G(x,y)の修正係数を乗算して、最終的なゲイン補正値G(x,y)を算出するための各放射線検出素子(x,y)ごとに定数が割り当てられたゲイン補正値マップが、ゲインキャリブレーション時等に作成されるようになっている。なお、このゲイン補正値マップは、ゲインキャリブレーションを行うごとに、随時更新される。
また、放射線画像撮影装置1に設けられる放射線検出素子(x,y)は多数にのぼるため、各放射線検出素子(x,y)ごとに第1特性テーブルLUT1を作成する代わりに、例えば、温度に対するオフセット補正値O(x,y)やゲイン補正値G(x,y)の変化特性が同じ或いは似通った放射線検出素子(x,y)同士をそれぞれグループにまとめ、各グループごとに第1特性テーブルLUT1を作成してもよい。
なお、より高精細な画像を得るために、第2特性テーブルLUT2についても、全ての放射線検出素子(x,y)について共通とはせず、ゲイン補正値G(x,y)の変化特性が同じ或いは似通った放射線検出素子(x,y)同士をそれぞれグループにまとめ、各グループごとに第2特性テーブルLUT2を作成しても良い。
また、放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子(x,y)の上記の変化特性が全体的に均質である場合には、全放射線検出素子(x,y)について共通の第1、第2特性テーブルLUT1、LUT2を1つずつ作成してもよい。
第1特性テーブルLUT1や第2特性テーブルLUT2の作成の際には、例えば放射線画像撮影装置1の基板4における検出部P(図2や図3等参照)の裏側、すなわち放射線入射面Rとは反対側に、図示しない複数の温度センサの端子を粘着テープ等で貼り付けて、放射線検出素子(x,y)等の温度Tを測定する。なお、非接触方式のサーモグラフィー等を使用してもよい。
そして、第1特性テーブルLUT1の作成においては、前述した放射線画像撮影の前または後に少なくとも1回行われるダーク読取処理と全く同じ要領でダーク読取値D(x,y)を取得してオフセット補正値O(x,y)を算出する。
すなわち、本実施形態の場合には、放射線画像撮影の後に複数回の行われるダーク読取処理と同じ要領で、複数回(所定回)ダーク読取処理を行い、取得した複数回分(所定回数分)のダーク読取値D(x,y)の平均値を算出して、その平均値をオフセット補正値O(x,y)として算出する。そして、テーブル上で、ダーク読取値D(x,y)を取得した際の放射線検出素子(x,y)等の温度Tに、算出したオフセット補正値O(x,y)を対応付ける。
この作業を、放射線検出素子(x,y)等の温度Tを変化させながら行い、ダーク読取値D(x,y)を取得した際の放射線検出素子(x,y)等の温度Tにオフセット補正値O(x,y)を対応付けていくことで、第1特性テーブルLUT1を作成する。
また、第2特性テーブルLUT2の作成においては、被写体が存在しない状態で放射線画像撮影装置1に一定の放射線量の放射線を所定の時間照射し、例えば特定の1つの放射線検出素子(x,y)から出力された信号値f(或いは特定の複数の放射線検出素子(x,y)から出力された信号値の平均値f)をグラフ上にプロットし、温度Tを変えながらこのプロット動作を繰り返す。
そして、例えば25℃における信号値fを基準値とした場合、各温度Tごとにf/f、すなわち各温度Tにおける信号値fに乗算して信号値をfに変換するためのゲイン補正値G(x,y)の修正係数を算出して各温度Tに対応付けていくことで、本実施形態では、ゲイン補正値G(x,y)の修正係数と温度Tとを対応付ける第2特性テーブルLUT2を作成する。
このようにして、本実施形態では、放射線検出素子(x,y)の温度Tとゲイン補正値G(x,y)の修正係数とを対応付ける1つの第2特性テーブルLUT2が算出される。
また、本実施形態の放射線画像撮影装置1では、放射線検出素子(x,y)に対する電力供給状態をスリープモードから撮影可能モードに切り替えると放射線検出素子(x,y)等の温度Tが上昇していく。そのため、第1、第2特性テーブルLUT1、LUT2の作成においては、室温から温度上昇がサチレートした状態での温度までの温度Tについては、電力供給状態のモード切り替えにより実現することができる。
また、室温以下の温度Tや、温度上昇がサチレートした状態での温度以上の温度Tについては、例えば内部温度が可変のチャンバ内に放射線画像撮影装置1を入れた状態で上記の操作を行うことにより実現することが可能である。
さらに、基板4の裏側等に貼り付けた温度センサは、第1、第2特性テーブルLUT1、LUT2等の作成が終了した時点で放射線画像撮影装置1から取り外される。
以下、制御手段22におけるオフセット補正値O(x,y)の算出、オフセット補正値O(x,y)からのゲイン補正値G(x,y)の修正係数割り出し、および最終的な画像データF(x,y)の生成について説明するとともに、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用について説明する。
放射線画像撮影装置1の制御手段22は、前述したように、放射線センサ35からの検出信号に基づいて、放射線画像撮影装置1に放射線の照射が開始され、照射が終了したと判断すると、上記のように各放射線検出素子(x,y)から実写画像データF(x,y)を読み出して記憶手段23に記憶させる。
そして、実写画像データF(x,y)の読み出しの際、蓄積された電荷が各放射線検出素子(x,y)から信号線6に全て放出されずに放射線検出素子(x,y)内に残存している場合があるため、本実施形態では、制御手段22は、各放射線検出素子(x,y)のリセット処理(いわゆる空読み出し)を短時間に繰り返して行う。
そして、所定回数の複数回のダーク読取処理を行い、所定回数分のダーク読取値D(x,y)を記憶手段23に記憶させ、それらの平均値を各放射線検出素子(x,y)ごとに算出して、各放射線検出素子(x,y)ごとのオフセット補正値O(x,y)として記憶手段23に記憶させる。
制御手段22は、続いて、各放射線検出素子(x,y)ごとに、記憶手段23に保存されている第1特性テーブルLUT1を参照して、算出したオフセット補正値O(x,y)に対応する放射線検出素子(x,y)の温度Tを推定する。この温度Tは、放射線画像撮影が行われた時点の放射線検出素子(x,y)の温度Tに相当する。
なお、放射線画像撮影が行われた時点と、その後ダーク読取処理が行われた時点では時間差があり、放射線画像撮影が行われた時点における放射線検出素子(x,y)の温度Tと、ダーク読取処理が行われた時点における放射線検出素子(x,y)の温度Tとが異なる温度になる可能性がある。そこで、それらの温度Tの差が、許容される誤差範囲内に収まるように、放射線画像撮影の終了後、長い時間が経過しないうちに所定回数のダーク読取処理が行われることが好ましい。
また、後述するようにダーク読取処理を1回だけ行うように構成すれば、ダーク読取処理の間に温度Tが変化してしまうことを防止することが可能となる。
制御手段22は、第1特性テーブルLUT1を参照して、算出したオフセット補正値O(x,y)に対応する放射線検出素子(x,y)の温度Tを推定すると、続いて、記憶手段23に保存されている第2特性テーブルLUT2と各放射線検出素子(x,y)ごとに定数が割り当てられたゲイン補正値マップとを参照して、その温度Tに対応するゲイン補正値G(x,y)の修正係数を割り出し、それと各放射線検出素子(x,y)の定数とを乗算して各放射線検出素子(x,y)の最終的なゲイン補正値G(x,y)を算出する。
そして、当該放射線検出素子(x,y)の実写画像データF(x,y)を記憶手段23から読み出し、実写画像データF(x,y)、オフセット補正値O(x,y)およびゲイン補正値G(x,y)を上記(1)式に代入して、最終的な画像データF(x,y)を算出して生成する。
制御手段22は、この演算処理を全ての放射線検出素子(x,y)について行い、それぞれ最終的な画像データF(x,y)を算出する。このようにして、制御手段22は、実写画像データF(x,y)に対してオフセット補正およびゲイン補正を行って、当該放射線画像撮影による放射線画像を生成する。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、放射線検出素子(x,y)の温度Tとオフセット補正値O(x、y)とを対応付ける第1特性テーブルLUT1と、放射線検出素子(x,y)の温度Tとゲイン補正値G(x,y)修正係数とを対応付ける第2特性テーブルLUT2とを予め作成しておく。
そして、放射線画像撮影の前または後にダーク読取値D(x,y)を読み取るダーク読取処理を少なくとも1回行い、得られたダーク読取値D(x,y)に基づいてオフセット補正値O(x,y)を算出し、第1特性テーブルLUT1を参照して算出したオフセット補正値O(x,y)に対応する放射線検出素子(x,y)の温度Tを推定する。そして、推定した温度Tに対応するゲイン補正値G(x,y)修正係数を第2特性テーブルLUT2を参照して割り出し、実写画像データF(x,y)をオフセット補正値O(x,y)およびゲイン補正値G(x,y)(修正係数と定数とを乗算した値)により補正して最終的な画像データF(x,y)を生成する。
そのため、放射線画像撮影装置1に各放射線検出素子(x,y)の温度Tを測定する温度測定手段を設けなくても、算出したオフセット補正値O(x,y)から温度Tを推定してその温度Tに対応するゲイン補正値G(x,y)を的確に割り出すことが可能となる。
また、それにより、放射線画像撮影時の各放射線検出素子(x,y)の温度Tに的確に対応したオフセット補正値O(x,y)およびゲイン補正値G(x,y)を得ることが可能となり、それらに基づいて実写画像データF(x,y)を適切に補正して、より高精細な画像データF(x,y)を生成することが可能となる。
そして、温度測定手段を設ける必要がないため、可搬型の放射線画像撮影装置1のサイズが大型化したり、部品点数が増えて製造コストが増大するという問題も回避することが可能となる。
また、放射線画像撮影装置1の検出部Pに二次元状に配列された全ての放射線検出素子(x,y)を用いて被写体の放射線画像を撮影することが可能となるため、前述した従来技術のように撮影可能領域が狭くなるという問題を生じない。また、各放射線検出素子(x,y)がそれぞれ放射線の照射を受けたか否かの判定を行う必要もないため、制御構成の複雑化したり煩雑化することを回避することが可能となる。
なお、上記のように、取得した複数回分のダーク読取値D(x,y)の平均値としてオフセット補正値O(x,y)を算出する場合、各放射線検出素子(x,y)ごとの複数回分のダーク読取値D(x,y)〜D(x,y)を全て記憶手段23に記憶させると、記憶手段23の記憶容量の使用効率が低下してしまう可能性がある。
そのような場合には、例えば、1回目のダーク読取処理で取得したダーク読取値D(x,y)を一旦記憶手段23に記憶させ、2回目のダーク読取処理でダーク読取値D(x,y)を取得すると、1回目のダーク読取値D(x,y)を読み出して2回目のダーク読取値D(x,y)を加算して、その合計値D(x,y)+D(x,y)を記憶手段23に記憶させるように制御し、その後は、K回目のダーク読取処理でダーク読取値D(x,y)を取得すると、K−1回目までのダーク読取値の合計値D(x,y)+…+DK−1(x,y)を読み出してそれにK回目のダーク読取値D(x,y)を加算して、その合計値D(x,y)+…+D(x,y)を記憶手段23に記憶させるように制御する。
そして、所定回数のダーク読取処理が終了して所定回数分のダーク読取値の合計値が記憶手段23に記憶された時点で、その合計値を所定回数で除算して平均値を算出し、オフセット補正値O(x,y)とするように構成すれば、記憶手段23の記憶容量の使用効率の低下を防止しながら、的確に複数回分のダーク読取値D(x,y)の平均値としてオフセット補正値O(x,y)を算出することが可能となる。
また、上記のように、本実施形態では放射線画像撮影の後(または前)に複数回のダーク読取処理を行い、それにより得られた複数回分のダーク読取値D(x,y)の平均値としてオフセット補正値O(x,y)を算出する場合について説明した。
これは、図11に示すように、同じ温度環境下にある場合でも、放射線検出素子(x,y)から得られるダーク読取値D(x,y)は種々の電気ノイズで信号値にゆらぎ(ばらつき)が生じるため、それらの平均値Dkave(x,y)を算出することで、各信号値のゆらぎを緩和し、若しくは相殺して、より真のオフセット補正値O(x,y)に近いオフセット補正値O(x,y)を得ることを意図したものである。なお、図中、σDk(x,y)はダーク読取値D(x,y)の分布の標準偏差を表す。
しかし、各ダーク読取値D(x,y)のゆらぎを緩和し、若しくは相殺する手法としては、必ずしもダーク読取処理を複数回行う必要はない。以下、放射線画像撮影の前または後にダーク読取処理を1回(或いは2回程度)行って、オフセット補正値O(x,y)を算出する手法について簡単に説明する。
この手法では、まず、放射線画像撮影装置1の検出部Pにおける1つの放射線検出素子(x,y)について、図12に示すように、例えば当該1つの放射線検出素子(x,y)を中心とする5×5画素の領域ra内の複数の放射線検出素子(x−2,y−2)〜(x+2,y+2)を予め対応付けておく。
なお、図13(A)〜(C)に例示するように、当該放射線検出素子(x,y)が領域raの中心にとれない場合には、当該放射線検出素子(x,y)の近傍に領域raを設定する。また、当該1つの放射線検出素子(x,y)に対応付ける他の複数の放射線検出素子は、図12や図13(A)〜(C)に示したような当該放射線検出素子(x,y)を中心とする、或いはそれを含む正方形の領域ra内に存在する放射線検出素子である必要はなく、当該放射線検出素子(x,y)から離れた位置に存在する放射線検出素子であってもよい。
また、当該1つの放射線検出素子(x,y)に対応付ける他の複数の放射線検出素子は、1つの領域ra内に存在している必要はなく、検出部Pに散在するように設定することも可能である。しかし、いずれの場合においても、1つの放射線検出素子(x,y)には、各処理において常に同じ複数の放射線検出素子が対応付けられることが必要である。
ここで、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の工場出荷時やキャリブレーション時に、予め設定された温度Tの恒温環境下でダーク読取処理を複数回(以下M回とする。)行っておき、当該1つの放射線検出素子(x,y)自体のM個のダーク読取値D(x,y)の平均値δ(x,y)(以下、時間的平均値δ(x,y)という。)を算出しておく。
その際、算出されるM個のダーク読取値D(x,y)の分布は、例えば図14のグラフのような分布となり、その分布の平均値が時間的平均値δ(x,y)となる。なお、図中、σ(x,y)はダーク読取値D(x,y)の分布の標準偏差を表す。
また、制御手段22は、上記のM回のダーク読取処理において、各ダーク読取処理ごとに、図12に示したような当該1つの放射線検出素子(x,y)とそれに対応付けられた他の複数の放射線検出素子(x−2,y−2)〜(x+2,y+2)についてそれらのダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)の平均値、すなわち、この場合は、
Figure 2010112866
を当該1つの放射線検出素子(x,y)の空間的平均値W(x,y)として算出しておく。なお、この場合、式(2)においてN=25である。
そして、その空間的平均値W(x,y)のM回分の時間的平均値ω(x,y)を算出しておく。その際、算出されるM個の空間的平均値W(x,y)の分布は、例えば図14のグラフのような分布となり、その分布の平均値が時間的平均値ω(x,y)となる。なお、図中、σ(x,y)は空間的平均値W(x,y)の分布の標準偏差を表す。
そして、当該1つの放射線検出素子(x,y)自体のM個のダーク読取値D(x,y)の平均値δ(x,y)と、空間的平均値W(x,y)のM回分の時間的平均値ω(x,y)との差分ε(x,y)、すなわち、
ε(x,y)=δ(x,y)−ω(x,y) …(3)
を算出して、差分ε(x,y)を放射線検出素子(x,y)ごとに記憶手段23に保存しておく。
なお、この差分ε(x,y)の算出は全ての放射線検出素子(x,y)について行われる。また、差分ε(x,y)はキャリブレーションを行うごとに算出されて更新される。
制御手段22は、上記のようにして予め準備処理を行う。そして、本番の放射線画像撮影の際には、その放射線画像撮影の前または後に1回(または2回程度)ダーク読取処理を行う。
そして、そのダーク読取処理で1つの放射線検出素子(x,y)とそれに対応付けられた他の複数の放射線検出素子(x−2,y−2)〜(x+2,y+2)から取得されたダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)について上記(2)式と同様の計算を行って、当該1つの放射線検出素子(x,y)の空間的平均値W(x,y)を算出する。
この場合、ダーク読取処理を放射線画像撮影の直前または直後に行えば、ダーク読取値D(x,y)が読み出される際の放射線検出素子(x,y)の温度Tは、放射線画像撮影時の温度と同一と見なすことができる。しかし、放射線画像撮影時の放射線検出素子(x,y)の温度Tは、キャリブレーション時等に差分ε(x,y)を算出した際の温度T´とは必ずしも同じでなく、寧ろ異なる温度である場合が多い。
しかし、当該1つの放射線検出素子(x,y)やそれに対応付けられた他の複数の放射線検出素子(x−2,y−2)〜(x+2,y+2)は互いに同じように温度変動すると考えられるため、仮に、放射線画像撮影時における当該1つの放射線検出素子(x,y)自体のダーク読取値D(x,y)の分布や、ダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)の空間的平均値W(x,y)の分布を考えた場合、それらの分布は、図15に示すように、図14に示したキャリブレーション時のダーク読取値D(x,y)の分布や空間的平均値W(x,y)の分布を、それぞれグラフ上でその温度差に対応するように左右に平行移動させたような分布になると考えられる。
従って、放射線画像撮影時における当該1つの放射線検出素子(x,y)自体のダーク読取値D(x,y)の分布の平均値μ(x,y)や、ダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)の空間的平均値W(x,y)の分布の平均値μ(x,y)を考えた場合、それらの平均値の差は上記差分ε(x,y)に等しくなる。すなわち、
ε(x,y)=μ(x,y)−μ(x,y) …(4)
が成り立つ。
一方、複数の各放射線検出素子(x−2,y−2)〜(x+2,y+2)から取得されるダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)は、1つの放射線検出素子(x,y)からのダーク読取値D(x,y)の場合と同様にそれぞれにゆらぎ(ばらつき)が生じ、それらの平均値である空間的平均値W(x,y)にもゆらぎが生じる。
しかし、空間的平均値W(x,y)は各ダーク読取値D(x,y)が加算され平均化されたものであるから、ダーク読取値D(x,y)のゆらぎが相殺し合って緩和されるため、図14や図15に示すように、1つの放射線検出素子(x,y)から取得されるダーク読取値D(x,y)のゆらぎの分布に比べて、空間的平均値W(x,y)の分布は標準偏差が小さい分布になる。
そこで、放射線画像撮影時に得られたダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)の空間的平均値W(x,y)は、その分布の平均値μ(x,y)にほぼ等しくなるため、
W(x,y)=μ(x,y) …(5)
とする。
また、図15におけるダーク読取値D(x,y)の分布の平均値μ(x,y)は、図11の分布と比較して分かるように、複数回行われたダーク読取処理で得られた複数のダーク読取値D(x,y)の平均値Dkave(x,y)としてのオフセット補正値O(x,y)に等しい。すなわち、
μ(x,y)=O(x,y) …(6)
が成り立つ。
そして、上記(5)、(6)式を上記(4)式に代入すると、
ε(x,y)=O(x,y)−W(x,y) …(7)
となる。
従って、今回の放射線画像撮影における1つの放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)は、当該放射線検出素子(x,y)とそれに対応付けられた他の複数の放射線検出素子(x−2,y−2)〜(x+2,y+2)から得られた各ダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)から算出される空間的平均値W(x,y)と、記憶手段23に保存されている差分ε(x,y)とを用いて、
O(x,y)=ε(x,y)+W(x,y) …(8)
に従って算出されることが分かる。
そこで、制御手段22は、上記のように、放射線画像撮影の前または後に1回(または2回程度)のダーク読取処理を行い、取得されたダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)に基づいて当該放射線検出素子(x,y)の空間的平均値W(x,y)を算出すると、記憶手段23から差分ε(x,y)を読み出して、上記(8)式に従って当該放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)を算出する。また、このオフセット補正値O(x,y)の算出を、全ての放射線検出素子(x,y)について行う。
このようにして、放射線画像撮影の前または後にダーク読取処理を1回(或いは2回程度)だけ行って、オフセット補正値O(x,y)を算出することができる。なお、このオフセット補正値O(x,y)の算出は、放射線画像撮影時だけでなく、工場出荷時等に行われる前述した第1特性テーブルLUT1の作成の際にも同様にして行われる。
[放射線画像撮影システム]
上記の実施形態の放射線画像撮影装置1では、放射線画像撮影装置1の制御手段22が演算手段として、オフセット補正値O(x,y)を算出したり、第1および第2特性テーブルLUT1、LUT2(およびゲイン補正値マップ)を参照してオフセット補正値O(x,y)から温度Tを推定してゲイン補正値G(x,y)修正係数を割り出して、実写画像データF(x,y)を補正して最終的な画像データF(x,y)を生成する場合について説明した。
しかし、放射線画像撮影装置1から実写画像データF(x,y)やダーク読取値D(x,y)、オフセット補正値O(x,y)等をコンソール等の外部装置に送信して、コンソール等で実写画像データF(x,y)を補正して最終的な画像データF(x,y)を生成するように構成することも可能である。そこで、以下、コンソールで最終的な画像データF(x,y)を生成するように構成された放射線画像撮影システムの実施形態について説明する。
本実施形態に係る放射線画像撮影システム50は、病院や医院内で行われる放射線画像撮影を想定したシステムであり、図16に示すように、複数の撮影室Rと、複数のコンソールCと、データ管理サーバS等で構成されている。
なお、図16では、撮影室がR1〜R4まで4室設けられ、コンソールがC1〜C3まで3機設けられる場合が示されているが、これに限定されない。また、本発明は、撮影室RとコンソールCとが予め1対1に対応付けられているシステムや、複数の撮影室Rに1つのコンソールCが共有に設けられているようなシステムにも適用される。
本実施形態では、図17に示すように、各撮影室Rには、前述した放射線画像撮影装置1(可搬型放射線画像撮影装置1)を装填可能なブッキー装置51や、放射線を発生させる図示しないX線管球を備える放射線発生装置52、放射線画像撮影装置1と無線通信可能な無線アンテナ53を備えた基地局54と、基地局54を介して放射線画像撮影装置1とコンソールCとが無線通信する際にこれらの通信を中継する無線アクセスポイント55等が設けられている。
本実施形態では、ブッキー装置52として、立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bが設けられている場合が想定されている。各ブッキー装置51には、放射線画像撮影装置1を所定の位置に保持するためのカセッテ保持部51aが設けられており、カセッテ保持部51aに放射線画像撮影装置1が装填できるようになっている。
また、本実施形態では、放射線画像撮影装置1に対して放射線を照射する放射線発生装置52が撮影室Rごとに1機ずつ設けられており、立位撮影用および臥位撮影用のブッキー装置51A、51Bに対して1つの放射線発生装置52が共用されるようになっている。なお、各ブッキー装置51A、51Bに、別々の放射線発生装置を対応付けて設けるように構成することも可能である。
前室Raには、放射線発生装置52からの放射線の照射開始を指示するためのスイッチ手段56等を備えた放射線の照射を制御する操作卓57が設けられている。操作卓57は、CPUを備えるコンピュータや専用のプロセッサ(processor)を備えるコンピュータで構成されている。また、操作卓57は、スイッチ手段56や放射線発生装置52と接続されるとともに、ネットワークN(図16参照)を介してコンソールCにも接続されている。
また、本実施形態では、放射線画像撮影装置1には、前述した構成のほか、図示しないRFID(Radio Frequency IDentification)タグと呼ばれるタグが用いられており、タグには、タグの各部を制御する制御回路や放射線画像撮影装置1の固有情報を記憶する記憶部がコンパクトに内蔵されている。
そして、前室Raの出入口付近には、RFIDの技術を用いて放射線画像撮影装置1と情報をやりとりするタグリーダ58(図17参照)が設置されている。タグリーダ58は、内蔵する図示しないアンテナを介して電波等に所定の指示情報を乗せて発信し、前室Raや撮影室Rに入室し或いは退室する放射線画像撮影装置1を検出するようになっている。そして、タグリーダ58は、検出した放射線画像撮影装置1のRFIDタグに記憶された固有情報を読み取り、読み取った固有情報を操作卓57に送信するようになっている。
操作卓57は、タグリーダ58から放射線画像撮影装置1の固有情報を受信すると、図示しない記憶手段に登録されている放射線画像撮影装置1のリストを参照して、リスト中に当該放射線画像撮影装置1の情報が登録されていなければ持ち込まれたものとして登録し、リスト中に当該放射線画像撮影装置1の情報が登録されていれば持ち出されたものとして当該放射線画像撮影装置1の情報をリストから抹消して、撮影室R内等に持ち込まれ或いは持ち出される放射線画像撮影装置1を把握して管理するようになっている。
また、操作卓57は、コンソールCから放射線画像撮影装置1のリストの送信要求を受信すると、そのコンソールCに対してリストを送信するようになっている。なお、タグリーダ58で検出した放射線画像撮影装置1の固有情報や撮影室RのID等をネットワークNを介してデータ管理サーバSに送信し、データ管理サーバSで撮影室R1〜R4にどの放射線画像撮影装置1が存在するかを管理するように構成することも可能である。
図16に示すように、ネットワークNには、各撮影室Rの操作卓57のほか、データ管理サーバSや複数のコンソールCが接続されており、さらに、各撮影室Rの無線アクセスポイント55を介して放射線画像撮影装置1から送信され、或いは放射線画像撮影装置1に送信されるデータや信号を送受信するための無線通信手段Iが接続されている。
データ管理サーバSは、図示しないCPUやROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータで構成されており、ROMに格納される所定のプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開してプログラムに従って各種処理を実行してデータを管理するとともに、放射線画像撮影システム50全体の制御も行うようになっている。
また、各コンソールCもコンピュータで構成されており、コンソールCで複数の撮影室R1〜R4の中から1つの撮影室Rを指定することで、当該コンソールCと指定された撮影室Rとが1対1に対応するようになっている。そして、コンソールCから指定した撮影室Rの操作卓57に対して当該撮影室Rで行われる予定の放射線画像撮影に関する情報が送信されるようになっている。
前述したように、コンソールCは、指定した撮影室Rの操作卓57に放射線画像撮影装置1のリストの送信要求を送信して、その撮影室R内に存在する放射線画像撮影装置1のリストを入手できるようになっている。
また、本実施形態では、コンソールCは、撮影室R内に存在する放射線画像撮影装置1を指定して、無線通信手段Iや無線アクセスポイント55等を介して当該放射線画像撮影装置1に覚醒信号を送信することで、アンテナ装置40を介して当該放射線画像撮影装置1に覚醒信号を受信させて、当該放射線画像撮影装置1の放射線検出素子7の電力供給状態をスリープモードから撮影可能モードに切り替えることができるようになっている。
また、前述したように、本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、電力供給状態を撮影可能モードに切り替えた後、所定時間内に放射線が照射されない場合には、自動的に電力供給状態を撮影可能モードからスリープモードに切り替えるようになっている。
しかし、放射線画像撮影装置1がこのように構成されていない場合でも、コンソールCが、放射線画像撮影装置1に対して覚醒信号を送信した後、予め設定された所定時間内に放射線が照射されない場合には、当該放射線画像撮影装置1に信号を送信して、その電力供給状態を撮影可能モードから前記スリープモードに切り替えることができるように構成することが可能である。このように構成すれば、放射線画像撮影装置1で電力が無駄に消費されることを防止することができる。
コンソールCには、それぞれHDD(Hard Disk Drive)等からなる記憶手段Mが接続されており、記憶手段Mには、前述した放射線画像撮影装置1の記憶手段23に記憶されているものと同様の、放射線検出素子(x,y)の温度Tとオフセット補正値O(x,y)とを対応付ける第1特性テーブルLUT1と、放射線検出素子(x,y)の温度Tとゲイン補正値G(x,y)とを対応付ける第2特性テーブルLUT2とが保存されている。
なお、上記の放射線画像撮影装置1の実施形態の場合と同様に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の記憶手段Mには、第2特性テーブルLUT2については、放射線検出素子(x,y)の温度Tとゲイン補正値G(x,y)の修正係数とを対応付ける第2特性テーブルLUT2と、放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子(x,y)ごとに定数が割り当てられたゲイン補正値マップとが保存されている。
この第1特性テーブルLUT1と第2特性テーブルLUT2は、それぞれ各放射線画像撮影装置1ごとに保存されていてもよいが、特に第2特性テーブルLUT2に関しては、放射線検出素子(x,y)の温度Tとゲイン補正値G(x,y)の修正係数とを対応付ける第2特性テーブルLUT2を用いる場合には、各放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子(x,y)でゲイン補正値G(x,y)の修正係数の温度依存性がほぼ等しいため、全ての放射線画像撮影装置1の全放射線検出素子(x,y)について共通の1つの第2特性テーブルLUT2を用いることができる。その場合、共通の1つの第2特性テーブルLUT2と、各放射線画像撮影装置1のゲイン補正値マップが記憶手段Mに保存される。
また、各コンソールC1〜C3の記憶手段M1〜M3にそれぞれ全ての放射線画像撮影装置1に関する第1特性テーブルLUT1と第2特性テーブルLUT2が保存されている必要はなく、いずれかの記憶手段Mに保存されていればよい。
その場合、コンソールCは、指定した放射線画像撮影装置1に関する第1特性テーブルLUT1と第2特性テーブルLUT2が自らに接続された記憶手段Mに保存されていない場合には、他のコンソールCに接続された記憶手段Mから当該放射線画像撮影装置1に関する第1および第2特性テーブルLUT1、LUT2の情報を入手するようになっている。第2特性テーブルLUT2が全放射線検出素子(x,y)共通とされている場合には、併せて当該放射線画像撮影装置1のゲイン補正マップも入手する。このように構成すれば、各コンソールCの記憶手段Mの記憶容量を効率よく活用することが可能となる。
なお、各撮影室Rに設けられた放射線発生装置52が互いに異なるメーカー製である等して、同じ放射線画像撮影装置1の同じ放射線検出素子(x,y)であっても放射線発生装置52ごとに設定されるべき定数(ゲイン補正値マップ)が異なる場合がある。そのような場合には、放射線画像撮影装置1に関する第1および第2特性テーブルLUT1、LUT2等を、さらに放射線発生装置52ごとに作成して、予め各コンソールCのいずれかの記憶手段Mに保存しておくことも可能である。
その際、第2特性テーブルLUT2が全放射線画像撮影装置1の全放射線検出素子(x,y)について共通とされている場合には、第2特性テーブルLUT2と各放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子(x,y)ごとに定数が割り当てられたゲイン補正値マップのほかに、さらに放射線発生装置52ごとの定数マップを作成し、全てまたはいずれかのコンソールCの記憶手段Mに保存しておくことが好ましい。
この場合、ゲイン補正値G(x,y)の修正係数割り出し処理においては、放射線検出素子(x,y)の温度Tから第2特性テーブルLUT2に基づいてゲイン補正値G(x,y)の修正係数を割り出し、それに各放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子(x,y)ごとの定数(ゲイン補正値マップから求められる)を乗算し、さらに、用いられた放射線発生装置52に割り当てられた定数が乗算されて、最終的なゲイン補正値G(x,y)が算出される。
また、各放射線画像撮影装置1に関する第1および第2特性テーブルLUT1、LUT2等の情報を、各コンソールCの記憶手段Mに保存しておく代わりに、データ管理サーバS等の図示しない記憶手段に保存しておくように構成することも可能である。
さらに、本実施形態では、放射線画像撮影装置1に関する第1および第2特性テーブルLUT1、LUT2等の情報を各コンソールCのいずれかの記憶手段Mに保存しておけばよいため、各放射線画像撮影装置1の記憶手段23に第1および第2特性テーブルLUT1、LUT2等の情報が保存されている必要はない。
次に、上記のように構成された放射線画像撮影システム50における処理について説明するとともに、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の作用について説明する。
放射線技師等の操作者は、コンソールC1〜C3のいずれかのコンソールCを操作して、複数の撮影室R1〜R4の中から1つの撮影室Rを指定する。すると、コンソールCから、指定した撮影室Rの操作卓57に放射線画像撮影装置1のリストの送信要求が送信され、操作卓57からその撮影室R内に存在する放射線画像撮影装置1のリストがコンソールCに送信される。
撮影室R内に存在する放射線画像撮影装置1の情報は、例えば、コンソールCの図示しない表示画面上にアイコン等の形で表示される。操作者は、使用する放射線画像撮影装置1の情報が表示されていれば、画面上でそれを選択して指定する。その際、指定すると同時に、コンソールCから当該放射線画像撮影装置1に自動的に覚醒信号を送信するように構成してもよく、操作者が改めて当該放射線画像撮影装置1に覚醒信号を送信するように操作することにより覚醒信号を送信するように構成してもよい。
また、使用する放射線画像撮影装置1の情報がコンソールCの表示画面上に表示されない場合には、操作者は当該放射線画像撮影装置1が撮影室R内に存在しないと判断し、当該放射線画像撮影装置1を撮影室R内に持参して搬入する。その際、当該放射線画像撮影装置1にコンソールCから覚醒信号を送信して覚醒させてもよいが、当該放射線画像撮影装置1を撮影室Rに持参する間に操作者が電源スイッチ37(図1参照)を操作する等して手動で容易に当該放射線画像撮影装置1を覚醒させることができる。
放射線画像撮影装置1は、覚醒信号を受信したり、電源スイッチ37が操作されることにより、放射線検出素子7の電力供給状態を、スリープモードから撮影可能モードに切り替える。
また、操作者は、放射線画像撮影装置1をブッキー装置52のカセッテ保持部51a(図17参照)に装填する等して、放射線画像撮影の準備を行う。放射線画像撮影装置1で放射線画像撮影の前に少なくとも1回のダーク読取処理を行う場合には、例えば、この段階でダーク読取が行われる。
操作者は、ブッキー装置52に放射線画像撮影装置1を装填して、患者を立位撮影用のブッキー装置51Aの所定の位置に立たせたり、臥位撮影用のブッキー装置51Bの上面上に寝かせる等して撮影位置を定めた後、前室Raに移動して操作卓57のスイッチ手段56を操作する。
その際、通常、スイッチ手段56の図示しないボタンをそのストローク方向に半分程度押し込んで、いわゆる半押しの状態にすると、その情報が操作卓57に送信され、操作卓57から放射線発生装置52に起動信号が送信される。放射線発生装置52は、起動信号を受信すると、X線管球の図示しない陽極の回転を開始する等して起動する。そして、スイッチ手段56のボタンがそのストローク方向にさらに押し込まれて、いわゆる全押しされると、その情報が操作卓57に送信され、操作卓57から放射線発生装置52に照射信号が送信される。放射線発生装置52は、照射信号を受信すると、X線管球から放射線を照射する。
操作者が、スイッチ手段56のボタンを半押しした後、全押しするまでの間には、通常、1秒程度の時間間隔があるため、その1秒程度の時間間隔の間に、放射線画像撮影装置1で放射線画像撮影の前に少なくとも1回のダーク読取処理を行うように構成することも可能である。
放射線画像撮影装置1の制御手段22(図7参照)は、前述したように、放射線センサ35からの検出信号に基づいて、放射線画像撮影装置1に放射線の照射が開始され、照射が終了したと判断すると、上記のように各放射線検出素子(x,y)から実写画像データF(x,y)を読み出して記憶手段23に記憶させる。
そして、各放射線検出素子(x,y)のリセット処理(いわゆる空読み出し)を繰り返し行って、実写画像データF(x,y)の読み出し後も各放射線検出素子(x,y)内に残存する余分な電荷を各放射線検出素子(x,y)内から除去した後、本実施形態では、少なくとも1回の所定回数のダーク読取処理を行い、所定回数分のダーク読取値D(x,y)を記憶手段23に記憶させる。なお、放射線画像撮影の前に少なくとも1回の所定回数のダーク読取処理を行う場合には、この放射線画像撮影の後のダーク読取処理は行われない。
ここで、上記の放射線画像撮影装置1の実施形態では、放射線画像撮影装置1の内部でダーク読取値D(x,y)に基づくオフセット補正値O(x,y)の算出やゲイン補正値G(x,y)の割り出し、最終的な画像データF(x,y)の生成が行われたが、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50では、これらの処理をコンソールCで行うようになっている。
その際、上記の変形例のように、放射線画像撮影の前または後に1回だけダーク読取処理を行う場合には、放射線画像撮影装置1から放射線検出素子(x,y)ごとの実写画像データF(x,y)とダーク読取値D(x,y)を送信し、コンソールCで各ダーク読取値D(x,y)に基づいて空間的平均値W(x,y)を算出し、上記(8)式に従ってオフセット補正値O(x,y)を算出するように構成することが可能である。
しかし、放射線画像撮影の前または後に複数回のダーク読取処理を行うように構成した場合に、放射線画像撮影装置1から、放射線検出素子(x,y)ごとの実写画像データF(x,y)と、複数回分のダーク読取値D(x,y)を送信すると、データの送信時間が長くなるとともに、データ送信のために放射線画像撮影装置1のバッテリ41の電力消費量が大きくなる。
そのため、そのような場合には、放射線画像撮影装置1で複数回分のダーク読取値D(x,y)に基づいてオフセット補正値O(x,y)を算出し、放射線画像撮影装置1から、放射線検出素子(x,y)ごとの実写画像データF(x,y)とオフセット値O(x,y)を送信するように構成することも可能である。
なお、その場合、複数回分のダーク読取値D(x,y)に基づいてオフセット補正値O(x,y)を算出する際にも、放射線画像撮影装置1のバッテリ41の電力が消費されるため、バッテリ41の電力消費量や、データ送信のために許容される時間等の観点から、上記のいずれの構成とするかは、適宜決められる。
上記のようにして、放射線画像撮影が終了すると、放射線画像撮影装置1から、そのアンテナ装置40を介して、放射線検出素子(x,y)ごとの実写画像データF(x,y)とダーク読取値D(x,y)のデータ、或いは実写画像データF(x,y)とオフセット値O(x,y)のデータが送信され、送信されたデータは、撮影室Rの基地局54や無線アクセスポイント55で中継され、無線通信手段Iに受信される。なお、基地局54や無線アクセスポイント55は、中継するデータに撮影室Rの撮影室IDを付加して中継する。
無線通信手段Iに受信されたデータは、一旦データ管理サーバSに送られ、データ管理サーバSで撮影室IDが確認されて、当該撮影室Rを指定したコンソールCにデータが送信される。コンソールCは、データを受信すると、そのデータを自らの記憶手段Mに格納する。なお、撮影室とコンソールが1:1に構成されている場合は、データ管理サーバSを介することなく、直接コンソールに送信されることとしてもよい。
そして、コンソールCは、送信されてきたデータが放射線画像撮影装置1の放射線検出素子(x,y)ごとの実写画像データF(x,y)と複数回分のダーク読取値D(x,y)のデータであれば、複数回分のダーク読取値D(x,y)の平均値を算出してオフセット補正値O(x,y)を算出する。
コンソールCは、続いて、当該放射線画像撮影装置1に関する第1特性テーブルLUT1や第2特性テーブルLUT2等、或いは、当該放射線画像撮影装置1に関する第1特性テーブルLUT1や第2特性テーブルLUT2等が撮影室Rの放射線発生装置52ごとに作成されている場合には当該撮影室Rの放射線発生装置52および当該放射線画像撮影装置1に関する第1特性テーブルLUT1や第2特性テーブルLUT2等が、自らの記憶手段Mに保存されているか否かを確認する。そして、保存されていなければ、他のコンソールCの記憶手段Mから当該第1および第2特性テーブルLUT1、LUT2等の情報を入手する。
そして、コンソールCは、放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子(x,y)ごとに、第1特性テーブルLUT1を参照してオフセット補正値O(x,y)に対応する放射線検出素子(x,y)の放射線画像撮影が行われた時点での温度Tを推定する。コンソールCは、続いて、第2特性テーブルLUT2を参照して(本実施形態では第2特性テーブルLUT2とゲイン補正値マップとを参照して)、その温度Tに対応する最終的なゲイン補正値G(x,y)を割り出す。
そして、当該放射線検出素子(x,y)の実写画像データF(x,y)を記憶手段Mから読み出し、実写画像データF(x,y)、オフセット補正値O(x,y)およびゲイン補正値G(x,y)を上記(1)式に代入して、最終的な画像データF(x,y)を算出して生成する。
コンソールCは、この演算処理を当該放射線画像撮影装置1の全ての放射線検出素子(x,y)について行い、それぞれ最終的な画像データF(x,y)を算出する。このようにして、コンソールCは、実写画像データF(x,y)に対してオフセット補正およびゲイン補正を行って、当該放射線画像撮影装置1を用いて行われた当該放射線画像撮影による放射線画像を生成する。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、上記の放射線画像撮影装置1で全ての処理を行う場合と同様に、放射線画像撮影装置1に各放射線検出素子(x,y)の温度Tを測定する温度測定手段を設けなくても、コンソールCで、オフセット補正値O(x,y)から温度Tを推定してその温度Tに対応する最終的なゲイン補正値G(x,y)を的確に割り出すことが可能となる。
また、それにより、放射線画像撮影時の各放射線検出素子(x,y)の温度Tに的確に対応したオフセット補正値O(x,y)およびゲイン補正値G(x,y)を得ることが可能となり、それらに基づいて実写画像データF(x,y)を適切に補正して、より高精細な画像データF(x,y)を生成することが可能となる。
そして、温度測定手段を設ける必要がないため、可搬型の放射線画像撮影装置1のサイズが大型化したり、部品点数が増えて製造コストが増大したり、温度測定手段を稼働させるために装置に内蔵されたバッテリ41の電力がより多く消費されるということも回避することが可能となる。
また、放射線画像撮影装置1の検出部Pに二次元状に配列された全ての放射線検出素子(x,y)を用いて被写体の放射線画像を撮影することが可能となるため、前述した従来技術のように放射線画像撮影装置1における撮影可能領域が狭くなるという問題を生じない。また、各放射線検出素子(x,y)がそれぞれ放射線の照射を受けたか否かの判定を行う必要もないため、システムの制御構成が複雑化したり煩雑化することを回避することが可能となる。
なお、上記の放射線画像撮影装置1や放射線画像撮影システム50の実施形態において、第2特性テーブルLUT2とともに用いられる各放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子(x,y)ごとに定数が割り当てられたゲイン補正値マップや放射線発生装置52ごとの定数マップは、放射線画像撮影装置1が工場から出荷された後、放射線画像撮影システム50内で用いられるようになった場合に行われるゲインキャリブレーション時に較正され、更新される。
ゲインキャリブレーション時には、所定の放射線発生装置52との組み合わせで各定数マップが作成されるが、この時の各放射線検出素子(x,y)からの実写画像データF(x,y)自体は、放射線発生装置52の特性影響を含んだ値である。このゲインキャリブレーション実行時の各放射線検出素子(x,y)の温度Tと実際の撮影時の温度Tとに差分が生じた場合、この温度差に基づく特性変化分の補正(修正)を施す必要がある。この温度変動に基づく各放射線検出素子(x,y)の特性変化(ゲイン値G(x,y)の変動)は、放射線発生装置52には依存せず、放射線検出素子(x,y)自体に起因するものである。
従って、上記のように、ゲイン補正値G(x,y)の修正係数として第2特性テーブルLUT2を保存しておくことで、ゲイン補正値G(x,y)の修正係数に、任意の放射線発生装置52との組み合わせでキャリブレーション時に較正された定数マップに基づく定数(特性変化度合)を乗算することで、温度特性変動を相殺した最終的なゲイン補正値G(x,y)が得られる。
なお、本発明が上記の実施形態や変形例に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
本実施形態に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図である。 図1におけるA−A線に沿う断面図である。 本実施形態に係る基板の構成を示す平面図である。 図3の基板上の小領域に形成された撮像素子と薄膜トランジスタ等の構成を示す拡大図である。 図4におけるX−X線に沿う断面図である。 COFやPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 本実施形態に係る放射線画像撮影装置の等価回路図を表す図である。 光電変換素子に割り当てられた番号を説明する図である。 本実施形態における第1特性テーブルの一例を示す図である。 本実施形態における第2特性テーブルの一例を示す図である。 同じ温度環境下でも得られるダーク読取値にゆらぎが生じることを説明するグラフである。 放射線検出素子に対応付ける複数の放射線検出素子のとり方の一例を示す図である。 (A)〜(C)は1つの放射線検出素子が正方領域の中心ではない位置に位置するように設定された領域の例を示す図である。 キャリブレーション時等の複数回のダーク読取ごとに出力されるダーク読取値の分布および空間的平均値の分布の例を示すグラフである。 放射線画像撮影の前または後に行われる1回のダーク読取で放射線検出素子から出力されるダーク読取値や空間的平均値の仮想的な分布の例を示すグラフである。 本実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。 本実施形態に係る放射線画像撮影システムにおける各撮影室の構成を示す図である。
符号の説明
1 放射線画像撮影装置(可搬型放射線画像撮影装置)
7、(x,y) 放射線検出素子
17 読み出し回路
22 制御手段(制御手段、演算手段)
23 記憶手段
40 アンテナ装置(通信手段)
41 バッテリ
50 放射線画像撮影システム
52 放射線発生装置
C コンソール
D(x,y)、D(x,y) ダーク読取値
F(x、y) 実写画像データ
(x,y) 最終的な画像データ
G(x,y) ゲイン補正値
I 無線通信手段(通信手段)
LUT1 第1特性テーブル
LUT2 第2特性テーブル
M 記憶手段
N ネットワーク
O(x,y) オフセット補正値
P 検出部
T 放射線検出素子の温度

Claims (9)

  1. 放射線の照射線量に応じて電荷を発生させる放射線検出素子が二次元状に配列された検出部と、
    前記放射線検出素子から前記電荷を読み出して前記放射線検出素子ごとに前記電荷を実写画像データに変換するとともに、放射線を照射しない状態では前記各放射線検出素子に蓄積された暗電荷を前記放射線検出素子ごとに読み出してダーク読取値に変換可能な読み出し回路と、
    前記ダーク読取値に基づいてオフセット補正値を算出するとともに、前記各放射線検出素子から読み出された電荷に基づく前記実写画像データを補正して最終的な画像データを生成する演算手段と、
    前記放射線検出素子の温度と前記オフセット補正値とを対応付ける第1特性テーブルと、前記放射線検出素子の温度とゲイン補正値とを対応付ける第2特性テーブルとが保存された記憶手段と、
    前記各部材に電力を供給するバッテリと、
    放射線画像撮影の前または後に前記ダーク読取値を読み取るダーク読取処理を少なくとも1回行うように制御する制御手段と、
    を備え、
    前記演算手段は、算出した前記オフセット補正値に対応する前記放射線検出素子の温度を前記第1特性テーブルに基づいて推定し、推定した前記温度に対応する前記ゲイン補正値を前記第2特性テーブルに基づいて割り出し、前記各放射線検出素子ごとに、前記実写画像データを前記オフセット補正値および前記ゲイン補正値により補正して前記最終的な画像データを生成することを特徴とする可搬型放射線画像撮影装置。
  2. 前記制御手段は、前記放射線検出素子に対する電力供給状態を、前記放射線検出素子に電力を供給して放射線画像撮影を可能とする撮影可能モードと、必要な部材にのみ電力を供給して前記放射線検出素子への電力の供給を停止して放射線画像撮影ができないスリープモードとの間で切り替えることを特徴とする請求項1に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  3. 前記制御手段は、前記放射線検出素子に対する電力供給状態を前記撮影可能モードに切り替えた後、予め設定された所定時間内に放射線が照射されない場合には、前記電力供給状態を前記撮影可能モードから前記スリープモードに切り替えることを特徴とする請求項2に記載の可搬型放射線画像撮影装置。
  4. 放射線の照射線量に応じて電荷を発生させる放射線検出素子が二次元状に配列された検出部と、
    前記放射線検出素子から前記電荷を読み出して前記放射線検出素子ごとに前記電荷を実写画像データに変換するとともに、放射線を照射しない状態では前記各放射線検出素子に蓄積された暗電荷を前記放射線検出素子ごとに読み出してダーク読取値に変換可能な読み出し回路と、
    前記各部材に電力を供給するバッテリと、
    放射線画像撮影の前または後に前記ダーク読取値を読み取るダーク読取処理を少なくとも1回行うように制御する制御手段と、
    前記実写画像データおよび前記ダーク読取値を送信可能な通信手段と、
    を備える可搬型放射線画像撮影装置と、
    前記実写画像データおよび前記ダーク読取値を受信可能な通信手段と、
    前記放射線検出素子の温度とオフセット補正値とを対応付ける第1特性テーブルと、前記放射線検出素子の温度とゲイン補正値とを対応付ける第2特性テーブルとが、前記可搬型放射線画像撮影装置ごとに保存された記憶手段と、
    が接続されたコンソールと、
    を備え、
    前記コンソールは、前記ダーク読取値に基づいて前記オフセット補正値を算出し、算出した前記オフセット補正値に対応する前記放射線検出素子の温度を前記第1特性テーブルに基づいて推定し、推定した前記温度に対応する前記ゲイン補正値を前記第2特性テーブルに基づいて割り出し、前記可搬型放射線画像撮影装置の前記各放射線検出素子ごとに、前記実写画像データを前記オフセット補正値および前記ゲイン補正値により補正して前記最終的な画像データを生成することを特徴とする放射線画像撮影システム。
  5. 放射線の照射線量に応じて電荷を発生させる放射線検出素子が二次元状に配列された検出部と、
    前記放射線検出素子から前記電荷を読み出して前記放射線検出素子ごとに前記電荷を実写画像データに変換するとともに、放射線を照射しない状態では前記各放射線検出素子に蓄積された暗電荷を前記放射線検出素子ごとに読み出してダーク読取値に変換可能な読み出し回路と、
    前記各部材に電力を供給するバッテリと、
    放射線画像撮影の前または後に前記ダーク読取値を読み取るダーク読取処理を少なくとも1回行うように制御するとともに、前記ダーク読取値に基づいてオフセット補正値を算出する制御手段と、
    前記実写画像データおよび前記オフセット補正値を送信可能な通信手段と、
    を備える可搬型放射線画像撮影装置と、
    前記実写画像データおよび前記オフセット補正値を受信可能な通信手段と、
    前記放射線検出素子の温度と前記オフセット補正値とを対応付ける第1特性テーブルと、前記放射線検出素子の温度とゲイン補正値とを対応付ける第2特性テーブルとが、前記可搬型放射線画像撮影装置ごとに保存された記憶手段と、
    が接続されたコンソールと、
    を備え、
    前記コンソールは、受信した前記オフセット補正値に対応する前記放射線検出素子の温度を前記第1特性テーブルに基づいて推定し、推定した前記温度に対応する前記ゲイン補正値を前記第2特性テーブルに基づいて割り出し、前記可搬型放射線画像撮影装置の前記各放射線検出素子ごとに、前記実写画像データを前記オフセット補正値および前記ゲイン補正値により補正して前記最終的な画像データを生成することを特徴とする放射線画像撮影システム。
  6. 前記可搬型放射線画像撮影装置は、前記放射線検出素子に対する電力供給状態を、前記放射線検出素子に電力を供給して放射線画像撮影を可能とする撮影可能モードと、必要な部材にのみ電力を供給して前記放射線検出素子への電力の供給を停止して放射線画像撮影ができないスリープモードとの間で切り替えることができるように構成されており、
    前記コンソールは、前記可搬型放射線画像撮影装置に覚醒信号を送信することで、当該可搬型放射線画像撮影装置の前記電力供給状態を前記スリープモードから前記撮影可能モードに切り替え可能に構成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の放射線画像撮影システム。
  7. 前記コンソールは、前記可搬型放射線画像撮影装置に対して前記覚醒信号を送信した後、予め設定された所定時間内に放射線が照射されない場合には、当該可搬型放射線画像撮影装置の前記電力供給状態を前記撮影可能モードから前記スリープモードに切り替えることを特徴とする請求項6に記載の放射線画像撮影システム。
  8. さらに、前記可搬型放射線画像撮影装置に対して放射線を照射し得る放射線発生装置を複数備え、
    前記記憶手段には、前記可搬型放射線画像撮影装置ごとの前記第1特性テーブルおよび前記第2特性テーブルが、前記放射線発生装置ごとに保存されており、
    前記コンソールは、放射線画像撮影に用いられた前記可搬型放射線画像撮影装置および前記放射線発生装置の情報を受信し、当該可搬型放射線画像撮影装置の当該放射線発生装置に対応する前記第1特性テーブルおよび前記第2特性テーブルを用いて、前記オフセット補正値から前記ゲイン補正値を割り出すことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
  9. 複数の前記コンソールおよび前記記憶手段がネットワークを介して接続されており、
    前記コンソールは、前記可搬型放射線画像撮影装置に関する前記第1特性テーブルおよび前記第2特性テーブルが自らに接続された前記記憶手段に保存されていない場合には、前記ネットワークを介して他の前記記憶手段から当該可搬型放射線画像撮影装置に関する前記第1特性テーブルおよび前記第2特性テーブルの情報を入手することを特徴とする請求項4から請求項8のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
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