JP2010109874A - 薄膜バラン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本実施形態に係る薄膜バランは、第1のコイル部C1及び第2のコイル部C2を備える不平衡伝送線路2と、第1のコイル部C1及び第2のコイル部C2にそれぞれ磁気結合する第3のコイル部C3及び第4のコイル部C4を備えた平衡伝送線路3と、前記第1のコイル部に接続された不平衡端子と、第3のコイル部C3に接続された第1の平衡端子T1と、第4のコイル部C4に接続された第2の平衡端子T2と、第3のコイル部C3と第1の平衡端子T1との間、及び/又は、第4のコイル部C4と第2の平衡端子T2との間に接続された補助コイル部C5とを有し、補助コイル部C5は、第1及び第2のコイル部C1,C2のコイル開口に重ならないように配置されたものである。
【選択図】図1
Description
図1に示すように、薄膜バラン1は、第1のコイル部C1と第2のコイル部C2とを備える不平衡伝送線路2と、第1のコイル部C1及び第2のコイル部C2にそれぞれ磁気結合する第3のコイル部C3及び第4のコイル部C4を備えた平衡伝送線路3とを有する。また、薄膜バラン1は、第1のコイル部C1に接続された不平衡端子T0と、第3のコイル部C3に接続された第1の平衡端子T1と、第4のコイル部C4に接続された第2の平衡端子T2とを有する。そして、第4のコイル部C4と第2の平衡端子T2との間には、補助コイル部C5が設けられている。
上記の薄膜バラン1では、不平衡端子T0に不平衡信号が入力されると、不平衡信号は第1のコイル部C1及び第2のコイル部C2を伝播する。そして、第1のコイル部C1においては第3のコイル部C3と磁気結合し、第2のコイル部C2においては第4のコイル部C4と磁気結合することによって、不平衡信号は位相が180°異なる2つの平衡信号に変換され、この2つ平衡信号が第1及び第2の平衡端子T1,T2から出力される。なお、平衡信号から不平衡信号の変換動作は、上述した動作を逆にしたものである。
図2〜図6は、実施例1の薄膜バラン1の各配線層の平面図である。このうち、図2は第1配線層10の平面図であり、図3は第2配線層20の平面図であり、図4は第3配線層30の平面図であり、図5は第4配線層40の平面図であり、図6は第5配線層50の平面図である。第1配線層10が最下層の配線層であり、第5配線層50が最上層の配線層である。なお基板は図示していないが、最下層である第1配線層10の下に位置している。つまり基板上に薄膜バランが形成された構成をとっている。
言うまでもないが、補助コイルは2段の階層に限らず第4の階層や第3の階層にのみ1段で形成しても良い。所望の特性にあわせ設計可能である。
実施例2では、補助コイル部C5が第1及び第2のコイル部C1,C2のコイル開口及びコイル導体に重ならないように配置されている例である。図7及び図8は、このような実施例2の薄膜バラン1の第4配線層40及び第5配線層50を示す平面図である。なお、実施例2の薄膜バラン1の第1乃至第3配線層10〜30の構成は、第1実施例と同様である。
図9は、比較例1の薄膜バランの等価回路図を示す。比較例1の薄膜バラン100は、第4のコイル部C4と第2の平衡端子T2との間に補助コイル部C5を有さない。具体的には、図3に示す第2配線層20のコイル導体22の端部22aを第2の平衡端子T2に接続し、図5及び図6に示す第4配線層40及び第5配線層50のコイル導体41,42,51を設けないことにより、比較例1の薄膜バランが構成される。
比較例2では、補助コイル部C5のコイル導体が、第2のコイル部C2及び第4のコイル部C4のコイル開口に重なって配置されている例である。図10及び図11は、このような比較例2の薄膜バラン1の第4配線層40及び第5配線層50を示す平面図である。なお、比較例2の薄膜バラン1の第1乃至第3配線層10〜30の構成は、第1実施例と同様である。
比較例3では、補助コイル部C5のコイル導体及びコイル開口が、第2のコイル部及び第4のコイル部のコイル開口A2,A4に重なって配置されている例である。図12及び図13は、このような比較例3の薄膜バラン1の第4配線層40及び第5配線層50を示す平面図である。なお、比較例3の薄膜バラン1の第1乃至第3配線層10〜30の構成は、第1実施例と同様である。
上記の実施例1〜2及び比較例1〜3の構造について、平衡特性をシミュレーションにより求めた。対象とする信号周波数は、2400−2500MHzとした。図14は、位相バランスの測定結果を示す図であり、図15は出力(振幅)バランスの測定結果を示す図である。図14、15では、E1は実施例1の結果、E2は実施例2の結果、R1は比較例1の結果、R2は比較例2の結果、R3は比較例3の結果を示す。
実施例3は、第3配線層30及び第4配線層40により補助コイル部C5を形成した例である。図16及び図17は、実施例3の薄膜バラン1の第3配線層30及び第4配線層40を示す平面図である。なお、実施例3の薄膜バラン1の第1乃至第2配線層10〜20の構成は、第1実施例と同様である。また、実施例3では、実施例1の第5配線層50は必要ない。
上記の実施例3の構造を評価すべく、実施例1、3及び比較例1の構造について平衡特性をシミュレーションにより求めた。対象とする信号周波数は、2400−2500MHzとした。図18は、位相バランスの測定結果を示す図であり、図19は出力(振幅)バランスの測定結果を示す図である。図18、19では、E1は実施例1の結果、E3は実施例3の結果、R1は比較例1の結果を示す。
実施例4は、ミアンダ型のコイルからなる補助コイル部C5の例である。図20は、実施例4の薄膜バラン1の第3配線層30を示す平面図である。なお、実施例4では、下層の第1配線層のコイル導体の巻数が1つ増えており、第2配線層のコイル導体の巻数が1つ減っている点を除いて、第1配線層10及び第2配線層10〜20の構成は、第1実施例とほぼ同じである。また、実施例4では、実施例1の第4配線層40及び第5配線層50は必要ない。
実施例5は、ミアンダ型の補助コイル部C5の領域を広げた例である。図21は、実施例5の薄膜バラン1の第3配線層30を示す平面図である。
実施例6は、1つの第3配線層30のみにより補助コイル部C5を形成した例である。図22は、実施例6の薄膜バラン1の第3配線層30を示す平面図である。なお、実施例6の薄膜バラン1の第1乃至第2配線層10〜20の構成は、第1実施例と同様である。また、実施例6では、実施例1の第4配線層40及び第5配線層50は必要ない。
比較例4は、実施例6の補助コイル部C5をコイル開口に重なるように変形させた例である。図23は、比較例4の薄膜バラン1の第3配線層30を示す平面図である。
上述した実施例4〜6及び比較例4の構造について平衡特性をシミュレーションにより求めた。対象とする信号周波数は、2400−2500MHzとした。図24は、位相バランスの測定結果を示す図であり、図25は出力(振幅)バランスの測定結果を示す図である。図24、25では、E4は実施例4の結果、E5は実施例5の結果、E6は実施例6の結果、R4は比較例4の結果を示す。
Claims (4)
- 第1のコイル部及び第2のコイル部を備える不平衡伝送線路と、
前記第1のコイル部及び前記第2のコイル部にそれぞれ磁気結合する第3のコイル部及び第4のコイル部を備えた平衡伝送線路と、
前記第1のコイル部に接続された不平衡端子と、
前記第3のコイル部に接続された第1の平衡端子と、
前記第4のコイル部に接続された第2の平衡端子と、
前記第3のコイル部と前記第1の平衡端子との間、及び/又は、前記第4のコイル部と前記第2の平衡端子との間に接続された補助コイル部と、
を有し、
前記補助コイル部は、前記第1乃至第4のコイル部のコイル開口に重ならないように配置された、
薄膜バラン。 - 前記補助コイル部は、前記第4のコイル部と前記第2の平衡端子との間に接続された、
請求項1に記載の薄膜バラン。 - 前記補助コイル部が、前記第1及び第3のコイル部のコイル導体に対向する領域、並びに前記第2及び第4のコイル部のコイル導体に対向する領域のうち少なくともいずれか一方に配置された、
請求項1又は2に記載の薄膜バラン。 - 前記補助コイル部が、前記第2及び第4のコイル部のコイル導体に対向する領域に配置された、
請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜バラン。
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