JP2010179429A - クランプシリンダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クランプシリンダ1において、ピストンロッド7とクランプアーム13とを第1、第2リンク21,23で連結し、ピストンロッド7の収縮動作に伴い、第1、第2リンク21,23を介してクランプアーム13をアンクランプ位置へ回転させると共に、ピストンロッド7内に、第1リンク21をクランプアーム13のアンクランプ位置側へ回転付勢する付勢手段(プッシュロッド29及びコイルバネ30)を設けた。
【選択図】図2
Description
また、ロッドカバーにおけるクランプアームの軸着部位には、クランプアームをアンクランプ位置に付勢してアンクランプの際の対象物との干渉を回避するトーションスプリングが設けられている。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、リンク機構を、ピストンロッドへ回転可能に設けられた軸部材の端部に基端を連結した第1リンクと、その第1リンクの先端に一端が連結され、他端がクランプアームに連結される第2リンクとから形成する一方、付勢手段を、軸部材の偏心部位に形成された押圧部に対して進退動可能に設けられるプッシュロッドと、そのプッシュロッドを軸部材側へ押圧する弾性部材とで形成したことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、ロッドカバーに、ピストンロッドが摺接し、クランプアームのクランプ位置でピストンロッドを挟んでクランプアームの反対側に位置する保持部を形成したことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、保持部におけるピストンロッドの摺接面を、ピストンロッドと直交する軸を中心とした円弧軌跡に沿って膨出する曲面としたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、ピストンロッドの伸長側端部に、ピストンロッドの伸長動作に伴ってクランプアームをクランプ位置へ押圧する先細り傾斜状のクサビ面と、そのクサビ面よりも先端側に位置してクサビ面よりも大きい傾斜角度を有し、アンクランプ位置でクランプアームが当接する面取部とを形成したことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、クランプアームにおけるピストンロッドとの当接部分を、クランプアームの揺動軸と平行な軸を中心とした円弧軌跡に沿って膨出する曲面部としたことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかの構成において、クランプアームにおけるピストンロッドとの当接部分に、ピストンロッドの伸縮動作に伴って回転し、ピストンロッドの伸長側端部を相対的に摺動するキーを設けたことを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7の構成において、キーをクランプアームのアンクランプ位置での摺動位置に付勢する回転付勢手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項3乃至8の何れかの構成において、ロッドカバーに、クランプ位置のピストンロッドにおける保持部との当接部位をアンクランプ位置のピストンロッドに対して潤滑する潤滑部材を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ピストンロッド内で切粉や切削油等の影響を受けにくい付勢手段が簡単に得られる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、クランプ状態でのピストンロッドの倒れ防止が図られる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加えて、ピストンロッドが傾くようなことがあっても、保持部のエッジにピストンロッドが接触することがなく、ピストンロッドに損傷が生じない。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、クサビ面による楔効果でクランプ力が増力されると共に、クランプ位置でのクランプアーム保持(ロック)の確実性が高まる一方、アンクランプ位置ではクランプアームが面取部に当接してその退避量が大きくなるので、クランプアームとワークとの干渉が効果的に回避される。また、クランプアームの動作もスムーズとなると共に、面取部との接触面圧が低くなるため、クランプアームの摩耗が抑えられる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、クランプ高さ(ワークの高さ)のばらつきに対応してクサビ面と確実に係合可能となり、クランプの信頼性がより高くなる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れかの効果に加えて、ピストンロッドの摩耗を抑えることができると共に、クランプ位置の高さのばらつきにも対応可能となる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7の効果に加えて、回転付勢手段の採用により、クランプアームの動作をスムーズに行うことができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項3乃至8の何れかの効果に加えて、潤滑部材の採用により、ピストンロッドにおける保持部との当接部位を確実に潤滑でき、摩耗を少なくすることができる。
[形態1]
図1,2に示すクランプシリンダ1は、工作機械のテーブル等に設置されるロッドカバー2の下面に、有底筒状のシリンダボディ3をボルト4,4で固定して、内部にシリンダ室5を形成している。シリンダ室5には、ピストン6が図2の上下方向へ移動可能に設けられて、その上部へ一体に形成されたピストンロッド7が、ロッドカバー2を貫通して上方へ突出している。また、ロッドカバー2の上部後方(図1の右側を前方とする。)には、ピストンロッド7の後方側面に当接してピストンロッド7の伸縮動作をガイドする保持部8が形成されている。この保持部8におけるピストンロッドの摺接面9は、図5に示すように、ピストンロッド7と直交する軸を中心とした円弧軌跡に沿って膨出する曲面となっている。10は、ロッドカバー2におけるピストンロッド7の貫通部上面に設けられたダストシール、11は、潤滑剤保持機能を有する潤滑部材としての潤滑剤保持リング(合成繊維をゴム弾性体で融合した繊維集合素材にグリス等の油分を含浸させたもの)である。
また、ピストンロッド7の上部には、図3,4に示すように、左右方向に貫通孔18が形成されてその貫通孔18内に軸部材19が回転可能に収容されて、軸部材19の両端に突設された断面正方形状の嵌合部20,20に、左右一対の第1リンク21,21の下端が夫々嵌着されて、両第1リンク21,21が軸部材19と一体に回転可能となっている。軸部材19の下面中央には、偏心部位で面取され、第1リンク21が鉛直姿勢となる状態で貫通孔18との隙間が後方へ向けて開く格好で傾斜する押圧部22が形成されている。
ピストンロッド7の上端前面には、上方へ行くに従って後退する傾斜状のクサビ面25と、そのクサビ面25の上端から連続し、クサビ面25よりも傾斜角度が大きい面取部26とが形成されて、対するクランプアーム13の上端後面には、揺動軸15と平行な軸を中心とした円弧軌跡に沿って膨出する曲面部27が形成されている。ピストンロッド7が伸長した際には、この曲面部27にクサビ面25が当接することで、クランプアーム13が前方へ押圧されて右回転することになる。
なお、ピストンロッド7において、アンクランプ位置でロッドカバー2に設けた潤滑剤保持リング11が接触する部位(図2のS部)は、クランプ位置で保持部8の摺接面9に当接部位となる位置設定となっている。よって、ピストンロッド7によって大きい面圧を受ける摺接面9が潤滑剤保持リング11の油分によって潤滑され、摺接面9の摩耗が抑えられる。
さらに、保持部8におけるピストンロッド7の摺接面9を、ピストンロッド7と直交する軸を中心とした円弧軌跡に沿って膨出する曲面としているので、ピストンロッド7が傾くようなことがあっても、保持部8のエッジにピストンロッド7が接触することがなく、ピストンロッド7に損傷が生じない。
加えて、ロッドカバー2に、クランプ位置のピストンロッド7における保持部8との当接部位Sをアンクランプ位置のピストンロッド7に対して潤滑する潤滑剤保持リング11を設けたことで、当該当接部位Sを確実に潤滑でき、摩耗を少なくすることができる。
次に、本発明の他の形態を説明する。但し、形態1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明を省略する。
図7に示すクランプシリンダ1aにおいて、クランプアーム13の後端には、後面に開口する横断面半円形状の溝36が左右方向に凹設され、その溝36内に、溝36よりも切欠き部分が小さくなって面取部38がクランプアームの後面から突出する横断面半円形状のキー37が、溝36と同軸で回転可能に収容されている。また、キー37における上側の周面で回転中心との偏心部位には切欠部39が形成されている。
ここからピストンロッド7を上昇させると、同図(B)に示すように、クランプアーム13もキー37を介して押圧されて右回転するが、キー37は押圧ピン41による回転付勢が働いているため、面取部38を面取部26に当接させた状態を維持する。
なお、クランプ位置からピストンロッド7を下降させた場合は、上記と逆の動作で図8(A)のアンクランプ位置までクランプアーム13が回転することになる。
特にここでは、クランプアーム13におけるピストンロッド7との当接部分に、ピストンロッド7の伸縮動作に伴って回転し、ピストンロッド7の伸長側端部を相対的に摺動するキー37を設けたことで、ピストンロッド7のクサビ面25と面取部26との摩耗を抑えることができると共に、クランプ位置の高さのばらつきにも対応可能となる。
さらに、リンク機構の付勢手段も、上記形態では軸部材に面取り形成した押圧部をプッシュロッドで押圧する構成としているが、軸部材から突出させた押圧片を押圧する構成とすることも可能である。
加えて、ピストンロッドの上端形状も、面取部を省略してクサビ面のみとしたり、クサビ面と面取部とを連続した曲面部にしたり等の設計変更が可能である。
一方、形態2のキー形状も、切欠部でなくキーから突出させた押圧片を押圧させるようにしたり、回転付勢手段も押圧ピンとコイルバネとからなるものに限らず、コイルバネや板バネ等の弾性部材のみを用いて回転付勢したりすることができる。
Claims (9)
- 外部からの圧力流体の供給によって伸縮動作するピストンロッドと、そのピストンロッドの伸縮動作を案内するロッドカバーと、そのロッドカバーへクランプ位置とアンクランプ位置との間で揺動可能に連結され、前記ピストンロッドの伸長動作に伴って前記クランプ位置へ回転するクランプアームと、を備えるクランプシリンダであって、
前記ピストンロッドとクランプアームとをリンク機構で連結し、前記ピストンロッドの収縮動作に伴い、前記リンク機構を介して前記クランプアームをアンクランプ位置へ回転させると共に、前記ピストンロッド内に、前記リンク機構を前記クランプアームのアンクランプ位置側へ回転付勢する付勢手段を設けたことを特徴とするクランプシリンダ。 - 前記リンク機構を、前記ピストンロッドへ回転可能に設けられた軸部材の端部に基端を連結した第1リンクと、その第1リンクの先端に一端が連結され、他端が前記クランプアームに連結される第2リンクとから形成する一方、
前記付勢手段を、前記軸部材の偏心部位に形成された押圧部に対して進退動可能に設けられるプッシュロッドと、そのプッシュロッドを前記軸部材側へ押圧する弾性部材とで形成したことを特徴とする請求項1に記載のクランプシリンダ。 - 前記ロッドカバーに、前記ピストンロッドが摺接し、前記クランプアームのクランプ位置で前記ピストンロッドを挟んで前記クランプアームの反対側に位置する保持部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のクランプシリンダ。
- 前記保持部における前記ピストンロッドの摺接面を、前記ピストンロッドと直交する軸を中心とした円弧軌跡に沿って膨出する曲面としたことを特徴とする請求項3に記載のクランプシリンダ。
- 前記ピストンロッドの伸長側端部に、前記ピストンロッドの伸長動作に伴って前記クランプアームをクランプ位置へ押圧する先細り傾斜状のクサビ面と、そのクサビ面よりも先端側に位置して前記クサビ面よりも大きい傾斜角度を有し、前記アンクランプ位置で前記クランプアームが当接する面取部とを形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のクランプシリンダ。
- 前記クランプアームにおける前記ピストンロッドとの当接部分を、前記クランプアームの揺動軸と平行な軸を中心とした円弧軌跡に沿って膨出する曲面部としたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のクランプシリンダ。
- 前記クランプアームにおける前記ピストンロッドとの当接部分に、前記ピストンロッドの伸縮動作に伴って回転し、前記ピストンロッドの伸長側端部を相対的に摺動するキーを設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のクランプシリンダ。
- 前記キーを前記クランプアームのアンクランプ位置での摺動位置に付勢する回転付勢手段を設けたことを特徴とする請求項7に記載のクランプシリンダ。
- 前記ロッドカバーに、前記クランプ位置の前記ピストンロッドにおける前記保持部との当接部位を前記アンクランプ位置の前記ピストンロッドに対して潤滑する潤滑部材を設けたことを特徴とする請求項3乃至8の何れかに記載のクランプシリンダ。
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