JP2010146735A - 密閉型電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池ケースと電極端子との絶縁性を確保し得る密閉型電池を提供する。
【解決手段】この密閉型電池100は、開口部28を有する電池ケース20と、開口部28の周縁に取り付けられた筒状の端子固定部50と、端子固定部に挿通された状態で固定された電極端子10と備え、端子固定部50は、開口部28周縁に嵌合して取り付けられた固定リング30を備えており、該固定リング30は、該開口部28周縁に接して取り付けられた内部リング部材34と、該内部リング部材34のケース内側及び外側の両側面側にそれぞれ配置された一対の外部リング部材36a、36bとを有しており、内部リング部材34の少なくとも表面部分は、絶縁性を有するように構成されている。
【選択図】図2
【解決手段】この密閉型電池100は、開口部28を有する電池ケース20と、開口部28の周縁に取り付けられた筒状の端子固定部50と、端子固定部に挿通された状態で固定された電極端子10と備え、端子固定部50は、開口部28周縁に嵌合して取り付けられた固定リング30を備えており、該固定リング30は、該開口部28周縁に接して取り付けられた内部リング部材34と、該内部リング部材34のケース内側及び外側の両側面側にそれぞれ配置された一対の外部リング部材36a、36bとを有しており、内部リング部材34の少なくとも表面部分は、絶縁性を有するように構成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は密閉型電池、特に、電池ケースに電極端子が挿通された状態で固定された密閉型電池に関する。
近年、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池その他の二次電池は、車両搭載用電源、或いはパソコンおよび携帯端末の電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。
この種の電池においては、電池ケースの内部に電極体を収容し、当該電極体と接続する電極端子を電池ケースの開口部から引き出して当該開口部を封止する電池構造が知られている。電極端子が挿通された開口部を封止する技術として、例えば特許文献1には、AlもしくはAl合金からなる正極ピンが絶縁層を介して電池缶もしくは電池蓋にカシメられた構造が開示されている。ここでは、正極ピンに絶縁層を形成し、この絶縁層を介して電池缶もしくは電池蓋にカシメることにより、電気的絶縁性および気密性に優れた正極ピンを得ている。また、特許文献2には、集電端子のネジ部を、封口体を通して電池缶内から外部に突出させ、該突出されたネジ部にナットを締め付けて固定させるようにした二次電池が開示されている。ここでは、突出されたネジ部に各シール材を通し、さらにこのネジ部にナットを取り付け、このナットを締め付けることにより、各シール材によって二次電池をシールできるようにしている。
特開平07−050160号公報
特開2000−090912号公報
ところで、電池ケースに形成された開口部に電極端子を挿通し、当該開口部を封止する構造としては、上述した特許文献1、2以外にも種々の技術が提案されている。この種の封止構造の一つとして、例えば図10に示した封止構造が開発されている。図10の例では、まず、電池ケース2に設けられた開口部3に金属製リング4を取り付け、該金属製リング4と電極端子5との間に絶縁性シール部材6を配置する。そして、金属製リング4を端子軸方向に加圧し、該リング4の内側面4aを電極端子5側に塑性変形させることにより、金属製リング4と電極端子5とをシール部材6を挟んで密着させ、金属製リング4と電極端子5との隙間を封止するとともに、電池ケース2−電極端子5間の絶縁性を確保している。
しかしながら、図10に示した構造では、金属製リング4の内側面4aが塑性変形してシール部材6に食い込むため、金属製リング4と電極端子5との距離が近くなる。そのため、金属製リング4の食い込みの度合いによっては、金属製リング4と電極端子5との間での絶縁性を安定して確保できない場合があり得た。また、図10に示した構造では、電池ケース2−集電板7(電極端子5と図示しない電極体とを電気的に接続する板状部材7)間の絶縁性を確保することはできないため、金属製リング4と集電板7との間にさらに絶縁部材8を介装させる必要があるなど、電極端子5周囲の構造が複雑になりがちであった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、電池ケースに電極端子が挿通された状態で固定された密閉型電池において、電池ケースと電極端子との絶縁性を確保し得る密閉型電池を提供することである。
本発明によって提供される密閉型電池は、開口部を有する電池ケースと、上記開口部の周縁に取り付けられた筒状の端子固定部と、上記筒状の端子固定部に挿通された状態で固定された電極端子とを備える。上記端子固定部は、上記開口部周縁に嵌合して取り付けられた固定リングを備えている。該固定リングは、該開口部周縁に接して取り付けられた内部リング部材と、該内部リング部材のケース内側及び外側の両側面側にそれぞれ配置された一対の外部リング部材とを有している。そして、上記内部リング部材の少なくとも表面部分は、絶縁性を有するように構成されている。
かかる構成によれば、ケースの開口部の周縁に接して取り付けられた内部リング部材の少なくとも表面部分が絶縁性を有するように構成されているので、該内部リング部材を介して電池ケースと電極端子との間を簡易に絶縁することができるとともに、ケースの開口部周縁の絶縁性を高めることができる。これにより、例えば電池ケースと該ケース内の集電板との絶縁性を確保することができ、電池ケース内の絶縁部材の点数を削減することができる。結果、電極端子周囲を簡易な構造にすることができる。
ここで開示される密閉型電池のある好適な一態様において、上記ケースの開口部は、上記一対の外部リング部材が塑性変形され且つその一部が上記電極端子に密接することにより封口されている。かかる構成によれば、上記内部リング部材とは別体となった外部リング部材を塑性変形させて、その一部を電極端子に密接させているので、固定リングに挿通された電極端子を固定リングで強固に固定することができる。その際、固定リング(外部リング部材)の内周面と電極端子の外周面とが密着するため、高いシール性が発揮され、電池ケースの開口部を確実に封口することができる。さらに、上記内部リング部材とは別体となった外部リング部材を塑性変形させているため、内部リング部材を変形させなくても良い。内部リング部材を変形させると、表面の絶縁性部分が破壊される(例えば、表面部が絶縁層から成る場合は当該絶縁層が剥がれる)ことによって、シール性や絶縁性が低下する場合があり得るが、本発明では、内部リング部材と外部リング部材とを別体とし、内部リング部材を変形させなくてもよいので、絶縁性部分の剥がれに起因するシール性や絶縁性の低下を回避することができる。
ここで開示される密閉型電池のある好適な一態様において、上記内部リング部材のリング外周部には全周にわたって嵌合溝部が形成されている。そして、該嵌合溝部内に上記ケースの開口部周縁が挟み込まれた状態でカシメ固定されている。かかる構成によれば、ケースの開口部の周縁に筒状の端子固定部(延いては電極端子)を強固に固定することができる。
ここで開示される密閉型電池のある好適な一態様において、上記端子固定部は、上記固定リングの内周面と上記電極端子の外周面との間に配置されるシール材を備える。かかる構成によれば、固定リングの内周面と電極端子の外周面とにシール材が密着する。これによって、ケースの開口部のシール性がさらに向上する。また、シール材が絶縁性を有する場合、電極端子周辺の絶縁性をさらに高めることができる。
ここで開示される密閉型電池のある好適な一態様において、上記電極端子の外周面には結合凹部が形成されており、当該結合凹部に上記シール材の一部がめり込んでいる。かかる構成によれば、固定リングの内周面と電極端子の外周面とにシール材が強固に密着する。これによって、ケースの開口部のシール性がさらに向上する。
ここで開示される密閉型電池のある好適な一態様において、上記内部リング部材は金属製であり、上記絶縁性部分は該金属の金属酸化物から構成されている。かかる構成によれば、内部リング部材の絶縁性部分を表面酸化処理によって簡易に形成することができる。ここで開示される密閉型電池のある好適な一態様において、上記絶縁性部分は樹脂材料からなる。かかる構成によれば、内部リング部材の絶縁性部分を樹脂材料で簡易に形成することができる。
ここで開示される密閉型電池のある好適な一態様において、上記内部リング部材は、上記ケース開口部の周縁に取り付けられた際に該周縁に対する相対的な回転を規制する回転止め機構を有する。電極端子のボルト部にナットを介して外部回路(例えば当該電池と直列または並列に接続される他の電池であり得る)との接続部材(例えばバスバー)を締結しようとすると、ボルト締結時に電極端子に大きな回転トルクが加わる。そのため、電極端子が端子固定部とともに一緒に回転してしまい、所望の締付けトルクを得ることが出来ない等の不具合が生じる場合がある。上記構成によれば、内部リング部材が回転止め機構を有するので、電極端子の周辺に別途回転止め機構を設ける必要がなく、端子周りの構造をコンパクトにするとともに、部品点数の上でも有利である。
ここで開示される密閉型電池のある好適な一態様において、上記内部リング部材の上記開口部周縁に接する面内には、上記回転止め機構としての凹凸形状が形成されている。この場合、上記内部リング部材に接するケースの開口部周縁に、内部リング部材に設けられた凹凸形状にかみ合う溝部を形成すると良い。かかる構成によれば、電極端子の回転を簡易に且つ確実に規制することができる。なお、上記凹凸形状は、上記内部リング部材の面内の全周にわたって形成されていることが好ましい。電極端子の回転を強固に規制することができる。
本発明に係る密閉型電池は、上述したとおり、電池ケースを確実にシールすることができ、経年的な信頼性が高い。そのため、本発明に係る密閉型電池は、車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)に好ましく搭載することもできる。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。なお、以下、角形密閉リチウムイオン二次電池100を例にして本発明の密閉型電池の構造について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
図1および図2を参照しながら、本実施形態のリチウムイオン二次電池100(以下「電池」とも称する)の構成について説明する。図1は本発明の密閉型電池の一実施形態を説明するための模式図である。
一例として図1に示すように、ここで開示されるリチウムイオン二次電池100は、ここで開示される電池100は、正極および負極を備える電極体70と、該電極体70を収容する金属製の電池ケース20とを備える。電池ケース20は、電池ケース本体22と蓋体24とから構成されている。電池ケース本体22は、扁平形状の捲回電極体70を収容し得る形状(ここでは箱型)を有する。電池ケース本体22は、その上部に開口端を有し、この開口端を介して電極体を収容し得るようになっている。蓋体24は、電池ケース本体22の上部開口端を塞ぐ板状の部材であり、ここでは略矩形状に形成されている。電池ケース20の材質は、軽量で熱伝導性が良い金属性材料が好ましい。このような金属製材料としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼などが挙げられる。この実施形態では、電池ケース20の材質はアルミニウムである。
蓋体24には、電極端子(正極端子10及び負極端子18)が設けられている。正極端子10は、一端が蓋体24の上面に突設され、他端が電池ケース20内に設けられた正極集電板72に接続されている。正極集電板72は、電池ケース20内に収容された捲回電極体70の正極74に電気的に接続されている。正極端子10の材質は、典型的なリチウムイオン二次電池で使用されているものと同じであればよく特に制限はない。この実施形態では、アルミニウム製の正極端子10を好ましく使用している。負極端子18も正極端子10と同様に、一端が蓋体24の上面に突設され、他端が電池ケース20内に設けられた負極集電板(図示せず)に接続されている。負極集電板は、電池ケース20内に収容された捲回電極体70の負極(図示せず)に電気的に接続されている。負極端子18の材質は、典型的なリチウムイオン二次電池で使用されているものと同じであればよく特に制限はない。この実施形態では、銅製の負極端子18を好ましく使用している。なお、以下では主に正極端子10側について説明するが、本発明は電極端子の正負の区別なく適用することができる。負極端子18側については説明を省略する。
図2は、電極端子(正極端子)10が電池ケース20に固定された部分の構造を示す断面図である。ケースの蓋体24は、電極端子10を取り付けるための開口部28を有しており、この開口部28の周縁には端子固定部50が取り付けられている。端子固定部50は、電池ケース20に対してケース内外の両側に向けて突出した略円筒状の部材である。この端子固定部50は、開口部28周縁に嵌合して取り付けられた固定リング30を備えている。また、本実施形態に係る端子固定部50は、付加的な構成要素としてさらにシール材52を備えている。固定リング30には、電極端子10を軸方向に挿通し得る挿通孔32が設けられ、この挿通孔32に電極端子10が挿通された状態で固定されている。この実施形態では、電極端子10は外周面12にシール材52が装着された状態で固定リング30の挿通孔32に挿通されている。
端子固定部50の固定リング30は、図2に示すように、3つのリング34、36a、36bが順次積層された3層構造を有している。具体的には、端子固定部50の固定リング30は、ケースの開口部28周縁に接して取り付けられた内部リング部材34と、該内部リング部材34のケース内側及び外側の両側面側(それぞれ図中の内部リング部材34の下面および上面)にそれぞれ配置された一対の外部リング部材36b、36aとを有している。
内部リング部材34は、端子固定部50の固定リング30をケースの開口部28周縁に接して取り付けるための部材である。この実施形態では、内部リング部材34のリング外周部には全周にわたって嵌合溝部35が形成されている。そして、該嵌合溝部35内にケース20の開口部28周縁が挟み込まれた状態で固定されている。
また、内部リング部材34の少なくとも表面部分37は、絶縁性を有するように構成されている。この実施形態では、内部リング部材34は金属製であり(ここではアルミニウム製)、絶縁性部分37は該金属の金属酸化物から構成されている(ここでは酸化アルミニウム)。このようにケース20の開口部28周縁に接して取り付けられた内部リング部材34の少なくとも表面部分37が絶縁性を有する絶縁部として構成されているので、該内部リング部材34を介して電池ケース20と電極端子10との間を簡易に絶縁することができるとともに、ケースの開口部28周縁の絶縁性を高めることができる。これにより、例えば電池ケース20と該ケース20内の集電板72との絶縁性を確保することができ、図10に示した絶縁部材8が不要となる。結果、電池ケース20内の絶縁部材の点数を削減して、電極端子周囲を簡易な構造にすることができる。
また、内部リング部材34の少なくとも表面部分37は、絶縁性を有するように構成されている。この実施形態では、内部リング部材34は金属製であり(ここではアルミニウム製)、絶縁性部分37は該金属の金属酸化物から構成されている(ここでは酸化アルミニウム)。このようにケース20の開口部28周縁に接して取り付けられた内部リング部材34の少なくとも表面部分37が絶縁性を有する絶縁部として構成されているので、該内部リング部材34を介して電池ケース20と電極端子10との間を簡易に絶縁することができるとともに、ケースの開口部28周縁の絶縁性を高めることができる。これにより、例えば電池ケース20と該ケース20内の集電板72との絶縁性を確保することができ、図10に示した絶縁部材8が不要となる。結果、電池ケース20内の絶縁部材の点数を削減して、電極端子周囲を簡易な構造にすることができる。
一対の外部リング部材36a、36bは、内部リング部材34と略同じ内径を有するリング状に形成されている。外部リング部材36a、36bは、内部リング部材34のケース内側及び外側の両側面側にそれぞれ配置され、該内部リング部材34をケース内外の両側から挟み込むように形成されている。そして、この一対の外部リング部材36a、36bが塑性変形され且つその一部が電極端子10に密接することにより、蓋体24(すなわち電池ケース20)の開口部28は封口されている。
より詳しくは、上側の外部リング部材36aの内周面33aには、電極端子10の側に膨出した変形部39aが全周にわたって形成されている。また、下側の外部リング部材36bの内周面33bには、電極端子10の側に膨出した変形部39bが全周にわたって形成されている。かかる変形部39a、39bの形成によって、固定リング30の内周面の一部がシール材52を介して電極端子10の外周面に密接するとともに、電極端子10側に向けて大きな押圧力(外部リング部材36a、36bで正極端子10を締め付ける力)96が作用する。これによって、端子固定部50の固定リング30に挿通された電極端子10を固定リング30に強固に固定することができる。その際、固定リング30(外部リング部材36a、36b)の内周面と電極端子10の外周面12とがシール材52を介して密着するため、高いシール性が発揮され、蓋体24(すなわち電池ケース20)の開口部28を封口することができる。
本実施形態に係る密閉型電池100によれば、ケースの開口部28の周縁に接して取り付けられた内部リング部材34の表面部分37が絶縁性を有するように構成されている(本実施形態では、上記金属酸化物から成る絶縁層が形成されている)ので、該内部リング部材34を介して電池ケース20と電極端子10との間を簡易に絶縁することができるとともに、ケースの開口部28周縁の絶縁性を高めることができる。これにより、例えば電池ケース20と該ケース20内の集電板72との絶縁性を確保することができ、図10に示した絶縁部材8が不要となる。結果、電池ケース20内の絶縁部材の点数を削減して、電極端子周囲を簡易な構造にすることができる。
加えて、上記内部リング部材34とは別体となった外部リング部材36a、36bを塑性変形させて、その一部を電極端子10に密接させているので、固定リング30に挿通された電極端子10を固定リング30に強固に固定することができる。その際、固定リング30(外部リング部材36a、36b)の内周面と電極端子10の外周面12とがシール材52を介して密着するため、高いシール性が発揮され、蓋体24(すなわち電池ケース20)の開口部28を確実に封口することができる。
さらに、上記内部リング部材34とは別体となった外部リング部材36a、36bを塑性変形させているため、内部リング部材34を変形させなくても良い。この実施形態では、内部リング部材34は金属製であり、絶縁性部分37は該金属の金属酸化物から構成されている。そのため、内部リング部材34を変形させると、絶縁性部分37の金属酸化物が剥がれてシール性や絶縁性が低下する場合があり得る。これに対し、本実施形態では、内部リング部材34と外部リング部材36a、36bとを別体とし、内部リング部材34を変形させなくてもよいので、絶縁性部分37の剥がれに起因するシール性や絶縁性の低下を回避することができる。すなわち、本実施形態の構成を採用することにより、シール性と絶縁性とを兼ね備えた密閉型電池100を提供することができる。
加えて、上記内部リング部材34とは別体となった外部リング部材36a、36bを塑性変形させて、その一部を電極端子10に密接させているので、固定リング30に挿通された電極端子10を固定リング30に強固に固定することができる。その際、固定リング30(外部リング部材36a、36b)の内周面と電極端子10の外周面12とがシール材52を介して密着するため、高いシール性が発揮され、蓋体24(すなわち電池ケース20)の開口部28を確実に封口することができる。
さらに、上記内部リング部材34とは別体となった外部リング部材36a、36bを塑性変形させているため、内部リング部材34を変形させなくても良い。この実施形態では、内部リング部材34は金属製であり、絶縁性部分37は該金属の金属酸化物から構成されている。そのため、内部リング部材34を変形させると、絶縁性部分37の金属酸化物が剥がれてシール性や絶縁性が低下する場合があり得る。これに対し、本実施形態では、内部リング部材34と外部リング部材36a、36bとを別体とし、内部リング部材34を変形させなくてもよいので、絶縁性部分37の剥がれに起因するシール性や絶縁性の低下を回避することができる。すなわち、本実施形態の構成を採用することにより、シール性と絶縁性とを兼ね備えた密閉型電池100を提供することができる。
続いて、図3A〜図3Cを参照しつつ、電極端子10が電池ケース20に固定された部分の構造について、各部材を組み付ける前の状態について説明する。
電極端子10は、図示しない横断面形状が円形の棒状の部材である。また、この電極端子10は、図3Aに示すように、その外周面12に結合凹部15が形成されている。結合凹部15は、電極端子10の周方向に沿う環状の凹部15であり、図示した例では、電極端子10の外周面12の軸方向の上部と下部に2つ形成されている。
図3Bに示す電極端子10の外周に装着されるシール材52は、図示しない横断面形状が円形の筒状部材である。シール材52の構成材料としては、所望のシール性(例えば、水分の浸入を防止する性能等)を発揮し得るものであればよく、特に限定されない。シール材52に絶縁性能を付与しても良い。その場合、電極端子10周辺の絶縁性(典型的には電極端子10と電池ケース20間の絶縁性)をさらに高めることができる。本実施形態ではピーク材(ポリエーテルエーテルケトン)を好ましく使用している。
かかるシール材52と固定リング30とから本実施形態に係る端子固定部50が構築されている。端子固定部50の固定リング30の挿通孔32は、図3Cに示すように、シール材52を外周に装着した状態の電極端子10を装着し得る程度の内径を有しており、シール材52および電極端子10は挿通孔32に遊びなく装着され得る。固定リング30は、上述したように、内部リング部材34と、該内部リング部材34のケース内側及び外側の両側面側にそれぞれ配置された一対の外部リング部材36a、36bとを有している。
内部リング部材34の構成材料としては特に限定されないが、成形加工性に優れた金属材料を好ましく用いることができる。絶縁性部分37の形成が容易な金属材料を好ましく採用し得る。例えば、内部リング部材34をアルミニウムまたはアルミニウム合金から構成するとよい。アルミニウム材料は安価で入手し易く、広い利用分野を有する汎用材料である。例えば1000番〜7000番系のアルミニウム合金材料で構成すると良い。1000番〜7000番系のアルミニウム合金材料は、添加される元素(合金元素、例えばMg,Cu,Si,Mn等)の組成により、耐食性、材料強度などの特性が異なるため、所要の特性を有するアルミニウム合金材料を適宜選択すればよい。
内部リング部材34の絶縁性部分37を構成する材料としては、絶縁性を有する絶縁性材料であればよく特に限定されない。本実施形態では、前述したように、内部リング部材34はアルミニウム製であり、絶縁性部分37は該アルミニウムの金属酸化物から構成されている。かかる構成によれば、内部リング部材34の絶縁性部分37をアルミニウムの表面酸化処理によって簡易に形成することができる。絶縁性部分37の構成材料は、これに限らず、例えば絶縁性を有する樹脂材料(例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリプロピレン(PP))などで構成しても良い。あるいは、内部リング部材34自体を絶縁性材料(例えばポリエーテルエーテルケトンやポリプロピレン)で構成することもできる。その場合、絶縁性部分37を別途形成する手間を省略することができる。
なお、内部リング部材34の絶縁性部分37は、内部リング部材34の表面全体に一様に形成することが好ましいが、電池の具体的構成によっては、内部リング部材34の表面の一部に部分的に形成してもよい。例えば、内部リング部材34の絶縁性部分37を、内部リング部材34の開口部28周縁に接する接触部分だけに選択的に形成することも可能である。
上側の外部リング部材36aの構成材料としては、後述するプレス処理によって変形が容易な金属材料を好ましく用いることができる。例えば、アルミニウムなどの成形加工がし易い、所要の硬度を有する材料を好ましく採用し得る。例えば、1000番〜7000番系のアルミニウム合金材料で構成することができる。1000番〜7000番系のアルミニウム合金材料は、添加される元素(合金元素、例えばMg,Cu,Si,Mn等)の組成により、耐食性、材料強度などの特性が異なる。その中から所要の特性を有するアルミニウム合金材料を適宜選択すればよい。
下側の外部リング部材36bの構成材料としては、上側外部リング部材36aと同種の金属材料(ここではアルミニウム)を好ましく採用することができる。あるいは、上側外部リング部材36aとは異なる金属材料(添加元素の組成が異なる同種の材料も含む。)により構成された下側外部リング部材36bであってもよい。例えば、上側外部リング部材36aを当該電池の使用時における外部環境(例えば電池の冷却水)に対する耐性のよい金属材料で構成し、下側外部リング部材36bを当該電池に用いられる電解質(典型的には非水電解液)に対する耐性のよい金属材料で構成してもよい。
次に、図4Aおよび図4Bを参照しつつ、端子固定部50の固定リング30の作製方法について説明する。本実施形態では、内部リング部材34のリング外周部の全周にわたって嵌合溝部35が形成され、該嵌合溝部35内にケースの開口部28周縁が挟み込まれた状態でカシメ固定されている。詳しくは、図4Aに示すように、内部リング部材34は、該内部リング部材34をケース開口部28周縁にカシメる前の状態において、電池ケース20の上面26aに配置される鍔部34aと、ケース開口部28を挿通する円筒部34bと、該円筒部34bの下端側に設けられ、ケースの下面26bよりも下側に突出した突出部34cとを有している。そして、内部リング部材34をケース開口部28周縁にカシメる際には、まず、ケースの開口部28に円筒部34bを挿通し、鍔部34aの下面をケース上面26aの開口部周縁に密着させる。次いで、図4Bに示すように、ケース下面26bから下側に突出した突出部34cを全周にわたって折り返して(外径側に拡開して)折返部34dを形成し、内部リング部材34のリング外周部に嵌合溝部35を形成する。そして、該嵌合溝部35内にケースの開口部28周縁を挟み込んだ状態で折返部34dの上面をケース下面26bに密着させることにより、内部リング部材34を開口部28周縁にカシメ固定することができる。
このように内部リング部材34をケースの開口部28周縁にカシメているので、内部リング部材34をケースの開口部28周縁に強固に固定することができる。その際、内部リング部材34の嵌合溝部35とケースの開口部28周縁とが密着するため、高いシール性が発揮され、蓋体24(すなわち電池ケース20)の開口部28の周辺を確実に封口することができる。
その後、図3Cに示したように、内部リング部材34の上面に上側(ケース外側)の外部リング部材36aを配置し、内部リング部材34の下面に下側(ケース内側)の外部リング部材36bを配置し、上側の外部リング部材36aと内部リング部材34と下側の外部リング部材36bとを一体化する。かかる一体化は、たとえば各リングの接触面に接着性のある材料(例えば種々のシール材)を塗布するなどして適宜行えばよい。あるいは、一般的な樹脂インサート成形技法によって上側の外部リング部材36aと内部リング部材34と下側の外部リング部材36bとを一体化する方式を採用してもよい。このようにして、本実施形態に係る端子固定部50の固定リング30が構築され得る。
続いて、図5および図6を参照しつつ、電極端子10を端子固定部50の固定リング30に固定する方法について説明する。図5は電極端子10を端子固定部50の固定リング30に固定する前の状態を示し、図6は電極端子10を端子固定部50の固定リング30に固定した後の状態を示している。
図5に示すように、電極端子10を端子固定部50の固定リング30に固定する前において、まず、電極端子10の外周にシール材52を装着する。このとき、シール材52は、電極端子10の外周面12に設けられた2つの結合凹部15を覆うように装着される。次いで、シール材52が装着された電極端子10を固定リング30の挿通孔32に挿通する。このとき、電極端子10の外周面12に設けられた2つの結合凹部15を、シール材52を挟んで上側外部リング部材36aの内周面33aと下側外部リング部材36bの内周面33bとにそれぞれ対向するように配置する。このようにして組み付けられた各部品は、プレス装置(図示せず)に配設された上下のかしめ治具60a、60bにセットされる。
上側のかしめ治具60aは、上側の外部リング部材36aの上面に押し当たるようにセットされる。この上側のかしめ治具60aは、上側の外部リング部材36aの上面の内側縁31aに押し当たる突起62aを有している。この実施形態では、突起62aは連続したリング状に形成され、上側の外部リング部材36aの内側縁31aを全周にわたって押し当たるように形成されている。下側のかしめ治具60bも同様に、下側の外部リング部材36bの下面に押し当たるようにセットされる。下側のかしめ治具60bは、下側の外部リング部材36bの下面の内側縁31bに押し当たる突起62bを有している。この実施形態では、突起62bは連続したリング状に形成され、下側の外部リング部材36bの内側縁31bを全周にわたって押し当たるように形成されている。
このように固定リング30に対して上下のかしめ治具60a、60bをセットした後、プレス装置を作動させ、電極端子10、シール材52、固定リング30のアセンブリを上下にプレスして組み付ける(矢印「90」参照)。このとき、図6に示すように、上側のかしめ治具60aに設けられた突起62aによって上側の外部リング部材36aの内側縁31aが押し込まれて凹み、それに伴い上側の外部リング部材36aの内周面33aの一部が電極端子10の側に膨出するように塑性変形する(変形部39a参照)。同様に、下側のかしめ治具60bに設けられた突起62bによって下側の外部リング部材36bの内側縁31bが押し込まれて凹み、それに伴い下側の外部リング部材36bの内周面33bの一部が電極端子10の側に膨出するように塑性変形する(変形部39b参照)。
そして、このように上側の外部リング部材36aの内周面33aの一部と、下側の外部リング部材36bの内周面33bの一部とが電極端子10側に膨出することによって、固定リング30の内周面の一部がシール材52を介して電極端子10の外周面に密接するとともに、電極端子10側に向けて大きな押圧力(外部リング部材36a、36bで正極端子10を締め付ける力)96が作用する。これによって、端子固定部50の固定リング30の挿通孔32に装着されたシール材52および電極端子10は強固に固定される。このとき、シール材52は弾性変形し、一対の外部リング部材36a、36bの内周面33a、33bと電極端子10の外周面12に密着する。これによって、高いシール性が発揮され、ケースの開口部28周縁が封口される。また、シール材52の内周面の一部が変形し、電極端子10の外周面12に形成された結合凹部15にめり込む。これによって、電極端子10の軸方向の移動を規制するとともに、シール材52を介して固定リング30の内周面と電極端子10の外周面とを強固に一体化することができる。
このように上下のかしめ治具60a、60bからの加圧によって、端子固定部50(固定リング30およびシール材52)に電極端子10を保持させた後、かしめ治具60a、60bを取り外すことによって、電極端子10を端子固定部50(固定リング30およびシール材52)に固定する工程が完了する(図2参照)。上記のとおり電極端子10を蓋体24に固定した後、図1に示すように、電極ケース本体22に電極体70を電解液と共に収容し、電池ケース本体22の上部開口に蓋体24を接合することにより、本実施形態に係る密閉型電池100が製造される。
以上のように、本実施形態に係る密閉型電池100では、端子固定部50の固定リング30は、ケースの開口部28周縁に接して取り付けられた内部リング部材34と、該内部リング部材34のケース内側及び外側の両側面側にそれぞれ配置された一対の外部リング部材36a、36bとを有しており、内部リング部材34の少なくとも表面部分37は、絶縁性を有するように構成されている。これにより、電池ケース20と電極端子10との間を簡易に絶縁することができるとともに、ケースの開口部28周縁の絶縁性を高めることができる。
また、ケースの開口部28は、一対の外部リング部材36a、36bが塑性変形され且つその一部が電極端子10に密接することにより封口されている。これにより、端子固定部50の固定リング30に挿通された電極端子10を固定リング30に強固に固定することができる。また、固定リング30の内周面と電極端子10の外周面12とがシール材52を介して強固に密着されるので、高いシール性が発揮され、蓋体24(すなわち電池ケース20)の開口部28を確実に封口することができる。
さらに、上記内部リング部材34とは別体となった外部リング部材36a、36bを塑性変形させているため、内部リング部材34を変形させなくても良い。仮に、外部リング部材36a、36bを設けない場合、外部リング部材36a、36bの代わりに、内部リング部材34を塑性変形させて電極端子10を固定する必要がある。この実施形態では、内部リング部材34は金属製であり、絶縁性部分37は該金属の金属酸化物から構成されている。そのため、内部リング部材34を上下のかしめ治具60a、60bによってプレスすると、プレス時の摩擦や塑性変形によって絶縁性部分37が剥がれてシール性や絶縁性が低下する場合があり得る。これに対し、本実施形態では、内部リング部材34と外部リング部材36a、36bとを別体とし、内部リング部材34を変形させなくてもよいので、絶縁性部分37の剥がれに起因するシール性や絶縁性の低下を回避することができる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
例えば、本実施形態では、電池構造としてリチウムイオン電池を例示したが、本発明は、リチウムイオン電池以外の電池についても広く適用し得る。また、本発明は電極端子を電池ケースに固定する構造として広く適用でき、電池を構成する電極体、或いは電解質の種類、さらには電池ケースの形状に限定されない。
また、上述した実施形態では、電極端子は蓋体に固定されているが、電極端子を固定する部位は、電池および電池ケースの具体的構成によって変更される。例えば、電極端子は、容器本体に固定される場合も考えられる。この場合、電極端子が挿通される筒状の端子固定部は、電池ケースの容器本体に設けられていても良い。また、電極端子の形状は、上記実施形態に限定されない。例えば、電極端子は、角型の棒状部材でもよい。
また、端子固定部50の固定リング30をケース開口部28周縁に取り付けるための内部リング部材34は、図4Aおよび図4Bに示したように、ケースの開口部28周縁にカシメ固定されているので、該開口部28周縁に強固に固定されている。しかし、このように固定リング30に固定された電極端子10にボルト部を形成し、該ボルト部にナットを介して外部回路(例えば当該電池と直列または並列に接続される他の電池であり得る)との接続部材(例えばバスバー)を締結しようとすると、ボルト締結時に電極端子に大きな回転トルクが加わることとなる。そのため、電極端子が端子固定部50(固定リング30およびシール材52)とともに一緒に回転してしまい、所望の締付けトルクを得ることが出来ない等の不具合が生じる場合がある。そこで、かかる固定リング30の内部リング部材34は、ケース開口部28の周縁に取り付けられた際に該周縁に対する相対的な回転を規制する回転止め機構を有していてもよい。
例えば、図7Aおよび図7Bに示した例では、内部リング部材の上記開口部周縁に接する面(ここでは鍔部34aの下面)には、上記回転止め機構としての凹凸形状(凹部40および凸部42)が形成されている。凹凸形状(凹部40および凸部42)は、内部リング部材34の面内(ここでは鍔部34aの下面)の周方向に並列するように形成すると良い。この場合、上記内部リング部材に接するケース開口部28の周縁(ここでは開口部28周縁の上面26a)に、内部リング部材34に設けられた凹凸形状にかみ合う溝部29を形成すると良い。そして、内部リング部材をケース開口部28の周縁に接して取り付けた状態において、鍔部34aの下面に設けられた凹凸形状(凹部40および凸部42)と、ケース開口部28の周縁に設けられた溝部29とが相互にかみ合うように構成すると良い。上記構成によれば、電極端子10の回転を簡易に且つ確実に規制することができる。また、電極端子10の周辺に別途回転止め機構を設ける必要がなく、端子周りの構造をコンパクトにするとともに、部品点数の上でも有利である。
鍔部34aの下面に設けられた凹凸形状のパターンは上記に限らない。また、図8に示すように、凹凸形状は、内部リング部材34の上記開口部28周縁に接する面(ここでは鍔部34aの下面)の全周にわたって形成してもよい(図8では12個)。電極端子10の回転を一層強固に規制することができる。凹凸形状も上記の形状に限らず、電池および電池ケースの具体的態様にあわせて適宜変更するとよい。
本発明に係る密閉型電池は、電池ケース20を確実にシールすることができ、経年的な信頼性が高い。そのため、本発明に係る密閉型電池は、複数個組み合わせてなる組電池200を構成するのに適しており、図9に示すように車両1(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)に好ましく搭載することもできる。
1 車両
10 正極端子
12 正極端子の外周面
15 結合凹部
18 負極端子
20 電池ケース
22 電池ケース本体
24 蓋体
26a ケースの上面
26b ケースの下面
28 開口部
29 溝部
30 固定リング
31a 上側の外部リング部材の内側縁
31b 下側の外部リング部材の内側縁
32 固定リングの挿通孔
33a 上側の外部リング部材の内周面
33b 下側の外部リング部材の内周面
34 内部リング部材
34a 鍔部
34b 円筒部
34c 突出部
34d 折返部
36a 上側の外部リング部材
36b 下側の外部リング部材
37 絶縁性部分
39a 上側の外部リング部材の変形部
39b 下側の外部リング部材の変形部
40 凹部
42 凸部
50 筒状端子固定部
60a 上側のかしめ治具
60b 下側かしめ治具
62a 突起
62b 突起
70 電極体
72 正極集電板
74 正極
100 密閉型電池
200 組電池
10 正極端子
12 正極端子の外周面
15 結合凹部
18 負極端子
20 電池ケース
22 電池ケース本体
24 蓋体
26a ケースの上面
26b ケースの下面
28 開口部
29 溝部
30 固定リング
31a 上側の外部リング部材の内側縁
31b 下側の外部リング部材の内側縁
32 固定リングの挿通孔
33a 上側の外部リング部材の内周面
33b 下側の外部リング部材の内周面
34 内部リング部材
34a 鍔部
34b 円筒部
34c 突出部
34d 折返部
36a 上側の外部リング部材
36b 下側の外部リング部材
37 絶縁性部分
39a 上側の外部リング部材の変形部
39b 下側の外部リング部材の変形部
40 凹部
42 凸部
50 筒状端子固定部
60a 上側のかしめ治具
60b 下側かしめ治具
62a 突起
62b 突起
70 電極体
72 正極集電板
74 正極
100 密閉型電池
200 組電池
Claims (11)
- 開口部を有する電池ケースと、
前記開口部の周縁に取り付けられた筒状の端子固定部と、
前記筒状の端子固定部に挿通された状態で固定された電極端子と
を備え、
前記端子固定部は、前記開口部周縁に嵌合して取り付けられた固定リングを備えており、
該固定リングは、該開口部周縁に接して取り付けられた内部リング部材と、該内部リング部材のケース内側及び外側の両側面側にそれぞれ配置された一対の外部リング部材とを有しており、
前記内部リング部材の少なくとも表面部分は、絶縁性を有するように構成されている、密閉型電池。 - 前記ケースの開口部は、前記一対の外部リング部材が塑性変形され且つその一部が前記電極端子に密接することにより封口されている、請求項1に記載の密閉型電池。
- 前記内部リング部材のリング外周部には全周にわたって嵌合溝部が形成されており、該嵌合溝部内に前記ケースの開口部周縁が挟み込まれた状態でカシメ固定されている、請求項1または2に記載の密閉型電池。
- 前記端子固定部は、前記固定リングの内周面と前記電極端子の外周面との間に配置されるシール材を備える、請求項1から3の何れか一つに記載の密閉型電池。
- 前記電極端子の外周面には結合凹部が形成されており、当該結合凹部に前記シール材の一部がめり込んでいる、請求項4に記載の密閉型電池。
- 前記内部リング部材は金属製であり、前記絶縁性部分は該金属の金属酸化物から構成されている、請求項1から5の何れか一つに記載の密閉型電池。
- 前記絶縁性部分は樹脂材料からなる、請求項1から5の何れか一つに記載の密閉型電池。
- 前記内部リング部材は、前記ケース開口部の周縁に取り付けられた際に該周縁に対する相対的な回転を規制する回転止め機構を有する、請求項1から7の何れか一つに記載の密閉型電池。
- 前記内部リング部材の前記開口部周縁に接する面には、前記回転止め機構としての凹凸形状が形成されている、請求項8に記載の密閉型電池。
- 前記凹凸形状は、前記内部リング部材の前記開口部周縁に接する面の全周にわたって形成されている、請求項9に記載の密閉型電池。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の密閉型電池を備える車両。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008319166A JP2010146735A (ja) | 2008-12-16 | 2008-12-16 | 密閉型電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010146735A true JP2010146735A (ja) | 2010-07-01 |
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JP2008319166A Withdrawn JP2010146735A (ja) | 2008-12-16 | 2008-12-16 | 密閉型電池 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012086031A1 (ja) * | 2010-12-22 | 2012-06-28 | トヨタ自動車株式会社 | 電池 |
JP2012160311A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Lithium Energy Japan:Kk | 電池、及び電池の製造方法 |
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-
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- 2008-12-16 JP JP2008319166A patent/JP2010146735A/ja not_active Withdrawn
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