JP2010145272A - プラズモン励起センサを用いたアッセイ法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のアッセイ法は、工程(a):特定のプラズモン励起センサに検体を接触させる工程;工程(b):工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、リガンドと蛍光標識とのコンジュゲートを反応させる工程;工程(c):工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、金属コロイド粒子を分散させたコロイド液を流しつつ接触させた状態で、透明平面基板の金属薄膜とは反対側の表面から、レーザ光を照射し、励起された蛍光標識から発光された蛍光量を測定する工程;および、工程(d):工程(c)で得られた測定結果から、検体中のアナライトの量を算出する工程からなる各工程を含む。
【選択図】なし
Description
例えば、特開2006−88310号公報(特許文献1)に、金属微粒子をミクロ層分離膜上に配列して得られる微粒子配列シートが開示されている。しかし、この特許文献1では、単に金属微粒子を配列したシートを作製したことが開示されているのみであり、バイオセンサやバイオアッセイ法等への応用については、示唆すらされていない。
例えば、特開2007−255947号公報(特許文献3)に、基板上に形成した金属層上に、自己組織化膜を介して金ナノ微粒子を固定化して得られる局在化表面プラズモンセンサが開示されている。その他、金属微粒子を用いた局在化表面プラズモンセンサについての発明が学術論文等を含めて数多く開示されてきているが、そのいずれも金属微粒子を基板上に固定した状態でその他の条件を種々検討したものである。また、それらの発明の目的も、局在化プラズモン共鳴(LPR)への応用を意図したものである。
に、金属微粒子の密度条件設定に困難があることから、金属微粒子を基板上に多数配置してもLPRによる感度向上につながらない場合があるという問題点もある。
工程(a):透明平面基板と、該基板の一方の表面に形成された金属薄膜と、該金属薄膜の、該基板とは反対側の表面に形成された自己組織化単分子膜(以下「SAM」と称す。)と、該SAMの、該金属薄膜とは反対側の表面に固定化された第1のリガンドとからなるプラズモン励起センサに検体を接触させる工程;
工程(b):前記工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、第2のリガンドと蛍光標識とからなるコンジュゲートを接触させ、これらを反応させる工程;
工程(c):前記工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、金属コロイド粒子を分散させたコロイド液を流しつつ接触させ、該状態で、前記透明平面基板の、前記金属薄膜とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された前記蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程;および、
工程(d):前記工程(c)で得られた測定結果から、前記検体中に含まれるアナライトの量を算出する工程
を含むことを特徴とする。
この金属コロイド粒子の粒径は、0.1〜10000nmの範囲内にあることが好ましい。
前記工程(a)に記載のプラズモン励起センサにおいて、誘電体からなるスペーサ層が前記金属薄膜と前記SAMとの間に配置されていると好ましく、さらに、この誘電体が、
二酸化ケイ素(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)を含むとさらに好ましい。
また、本発明は、前記工程(c)に用いられる装置をも提供する。
〔アッセイ法〕
本発明の第1の態様は、
工程(a):透明平面基板11と、該基板の一方の表面に形成された金属薄膜12と、該金属薄膜12の、該基板とは反対側の表面に形成された自己組織化単分子膜(以下「SAM」と称す。)13と、該SAM13の、該金属薄膜12とは反対側の表面に固定化された第1のリガンド21とからなるプラズモン励起センサに検体を接触させる工程;
工程(b):工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、第2のリガンド23と蛍光標識24とからなるコンジュゲートを接触させ、これらを反応させる工程;
工程(c):工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、金属コロイド粒子31を分散させたコロイド液を流しつつ接触させ、該状態で、前記透明平面基板11の、前記金属薄膜12とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光標識24から発光された蛍光量を測定する工程;および、
工程(d):工程(c)で得られた測定結果から、前記検体中に含まれるアナライト22の量を算出する工程
を含むことを特徴とするアッセイ法である。
本発明のアッセイ法において、工程(a)は、透明平面基板11と、該基板の一方の表面に形成された金属薄膜12と、この金属薄膜12の、透明平面基板11とは反対側の表面に形成された金属薄膜13と、この金属薄膜13の、金属薄膜12とは反対側の表面に固定化された第1のリガンド21とからなるプラズモン励起センサに検体を接触させる工程である。
透明平面基板
本発明において、プラズモン励起センサの構造を支持する平面基板として透明平面基板11が用いられる。本発明において、平面基板として透明平面基板11を用いるのは、後述する金属薄膜12への光照射をこの平面基板を通じて行うからである。
ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)などのプラスチック製であってもよい。
あり、厚さが好ましくは0.01〜10mm、より好ましくは0.5〜5mmであれば、大きさ(縦×横)は特に限定されない。
住田光学ガラス製のK−PSFn3(屈折率〔nd〕1.84)、K−LaSFn17(
屈折率〔nd〕1.88)およびK−LaSFn22(屈折率〔nd〕1.90)、並びに(株)オハラ製のS−LAL10(屈折率〔nd〕1.72)などが、光学的特性と洗浄
性との観点から好ましい。
酸による洗浄処理としては、0.001〜1Nの塩酸中に、1〜3時間浸漬することが好ましい。
金属薄膜
本発明に係るアッセイ法では、前記透明平面基板11の一方の表面に金属薄膜12を形成する。この金属薄膜12は、光源からの照射光により表面プラズモン励起を生じ、電場を発生させ、蛍光標識24の発光をもたらす役割を有する。また、この電場は、金属コロイド粒子31にさらに表面プラズモン励起を生じさせるとともに、金属薄膜12と金属コロイド粒子31との間の局在電場を強化させるもとともなり、蛍光標識24からの発光をさらに増強させる。
0〜70nmがより好ましく、クロムの薄膜の厚さとしては、1〜3nmがより好ましい。
本発明に係るアッセイ法では、この金属薄膜12による蛍光標識24の金属消光を防止することを目的として、誘電体からなるスペーサ層を形成することが望ましい。このスペーサ層は、金属薄膜12の、上記透明平面基板11と接していないもう一方の表面に形成される。
iO2)を含むことが好ましい。
自己組織化単分子膜(Self Assembled Monolayer:SAM)13は、金属薄膜12、あるいは必要により金属薄膜12上に形成された前記スペーサ層の透明平面基板11とは反対側の面に形成される。本発明のアッセイ法では、後述する検体及び蛍光ラベルを後述するリガンド21および23を介して金属薄膜12(あるいは、その上に形成したスペーサ層)に固定した状態で、蛍光測定を行うが、このとき、リガンド21を、SAM13を介して金属薄膜12等に固定する。すなわち、SAM13は、リガンド21を金属薄膜12等に固定する際の土台としての役割を有する。
る。具体例として、金属薄膜12がその表面に形成されたガラス製透明平面基板11を、10−カルボキシ−1−デカンチオール((株)同仁化学研究所製)を含むエタノール溶液に浸漬する方法などが挙げられる。このように、10−カルボキシ−1−デカンチオールが有するチオール基が、金属と結合し固定化され、金薄膜の表面上で自己組織化し、SAM13を形成する。
本発明では、前記SAM13を形成後に得られるプラズモン励起センサのうち、SAM13を形成した側の表面に第1のリガンド21を結合させる。この第1のリガンド21は、プラズモン励起センサに、検体中のアナライト22を固定させる目的で用いられるものである。本発明において、工程(a)で用いられるリガンドを「第1のリガンド」21と称するのは、後述する工程(b)で用いられるリガンド(「第2のリガンド」)23)と区別するためである。
この第1のリガンド21の固定化方法としては、例えば、上記SAM13を形成するシランカップリング剤などが有するカルボキシル基を、水溶性カルボジイミド(WSC)(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)など)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)とにより活性エステル化し、このように活性エステル化したカルボキシル基と、上記リガンドが有するアミノ基とを水溶性カルボジイミドを用いて脱水反応させ固定化させる方法などが挙げられる。
本発明において、「検体」とは、本発明のアッセイ法による測定対象となる種々の試料をいう。
本発明において、「接触」とは、プラズモン励起センサのリガンド21等が固定化されている面が送液中に浸漬されている状態で、この送液中に含まれる対象物をこのプラズモン励起センサと接触させることをいう。工程(a)では、上記検体とプラズモン励起センサとの「接触」は、流路中に循環する送液に検体が含まれ、プラズモン励起センサのリガンドが固定化されている片面のみが該送液中に浸漬されている状態において、プラズモン励起センサと検体とを接触させる態様が好ましい。
このような固定方法の例としては、小規模ロット(実験室レベル)では、まず、プラズ
モン励起センサの金属薄膜12が形成されている表面上に、一定の厚さを有するシリコーンゴム製シートまたはOリングを載せることによって流路の側面構造を形成し、次いで、その上に送液導入口及び送液排出口を設けてある光透過性の天板(例えば、PMMA基板)を配置することによって流路の天井面を形成し、その後、これらを圧着して適当な留め具により固定する方法などが挙げられる。このとき、側面構造を構成する材料として、その中央部に任意の形状および大きさを有する穴を開けてある、適当な厚さを有するシリコーンゴム製シートを用いると、この穴の内周がプラズモン励起センサ部の流路の側面構造となることから、所要の形状および大きさを有する流路を容易に形成することができるので好ましい。例えば、まず、該プラズモン励起センサの金属薄膜12が形成されている表面に、流路高さ0.5mmを有する穴あきポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートを該プラズモン励起センサの金属薄膜12が形成されている部位を囲むようにして配置し、次いで、このポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートの上に、予め送液導入口及び送液排出口を設けてあるPMMA基板を配置し、その後、該PMMA基板と該ポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートと該プラズモン励起センサとを圧着し、ビス等の留め具により固定する方法が好ましい。また、プラズモン励起センサに、シリコーンゴム製シートまたはOリングと光透過性の天板とを圧着し、固定するにあたっては、必要に応じて、シリコーンゴムまたはステンレスなどの材質でできた適当なスペーサーを併用してもよい。
送液の総量、すなわち流路の容積としては、通常0.0001〜20mL、好ましくは0.01〜1mLである。
である。
洗浄工程
洗浄工程とは、工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサの表面、および後述する工程(b)を経て得られるプラズモン励起センサの表面のうち少なくともいずれか一方を洗浄する工程である。この洗浄工程は、工程(b)の前後のうち少なくともいずれか一方に含まれることが好ましい。
洗浄液を循環させる時間は、通常0.5〜180分間、好ましくは5〜60分間である。
本発明のアッセイ法において、工程(b)は、工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサ、好ましくは工程(a)の後に上記洗浄工程をさらに経て得られたプラズモン励起センサに第2のリガンドと蛍光標識24とからなるコンジュゲートを接触させ、これらを反応させる工程である。
「蛍光標識」とは、本発明において、所定の励起光を照射する、または電界効果を利用して励起することによって蛍光を発光する物質による標識の総称であり、該「蛍光」は、燐光など各種の発光も含む。
994,063号、同第5,808,044号、同第5,880,287号、同第5,556,
959号および同第5,135,717号に記載の蛍光色素も本発明で用いることができる。
第2のリガンドと蛍光標識からなるコンジュゲート
「第2のリガンドと蛍光標識からなるコンジュゲート」は、リガンドとして2次抗体を用いる場合、検体中に含有されるアナライト(標的抗原)22を認識し結合し得る抗体であることが好ましい。
がより好ましい。
<工程(c)>
本発明のアッセイ法において、工程(c)は、工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、金属コロイド粒子31を分散させたコロイド液を流しつつ接触させ、該状態で、透明平面基板11の、金属薄膜12とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程である。
本発明において、金属コロイド粒子31は、光源からの光照射によって表面プラズモン励起した金属薄膜12からもたらされる電場を受け、この電場により表面プラズモン励起を生じるとともに、金属薄膜12との間に強い局所電場を生じさせることにより、前記プラズモン励起センサに固定された蛍光標識24からの発光を増強する役割を果たす。このとき、表面プラズモンによる電場増強効果、およびこの金属コロイド粒子31と金属薄膜12との間に生じる局在電場による電場増強効果は、金属コロイド粒子31が存在しない
場合と比べてそれぞれ15倍程度および70倍程度に上る。また、原因は不明であるものの、金属コロイド粒子31が存在しない場合には、SPFSによる蛍光測定の際の蛍光標識24からの発光強度が経時的に消光する傾向にあるが、金属コロイド粒子31が存在する場合には、蛍光標識24からの発光強度における経時的な消光の度合いが少なくなる効果が再現性よく現れる。
このような金属コロイド粒子31は、様々な粒径を有する金属コロイド粒子のコロイド溶液の形態で市販品として入手可能である。あるいは、このような金属コロイド粒子31を、従来公知の方法、例えば、HAuCl4、H2PtCl4、硝酸銀などの金属化合物の
溶液を還元することによって得ることもできる。
有するPEGを共存させることにより調製してもよい。
本発明において、金属コロイド粒子31は、上記「コロイド液」として分散浮遊した状態で用いられる。そして、このコロイド液を測定系内に導入し、工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに流しつつ接触させた状態で蛍光測定が行われる。
ホリノエタンスルホン酸(MES)の各バッファ溶液が挙げられる。
蛍光測定に用いられる「コロイド液」のpHは、金属コロイド粒子31が分散浮遊した状態を保ち且つ金属コロイド粒子によるプラズモン励起を妨げない限り、特に制限がないものの、蛍光測定を行う測定環境としてpH1〜14、のぞましくはpH4〜10の範囲にあることが好ましい。
本発明のアッセイ法で用いる光源は、前記金属薄膜12および前記金属コロイド粒子31にプラズモン励起を生じさせることができるものであれば、特に制限がないものの、波長分布の単一性および光エネルギーの強さの点で、レーザ光を光源として用いることが好ましい。レーザ光は、光学フィルタを通して、プリズムに入射する直前のエネルギーおよびフォトン量を調節することが望ましい。
4をさらに強く励起する。
「カットフィルタ」は、外光(装置外の照明光)、励起光(励起光の透過成分)、迷光(各所での励起光の散乱成分)、プラズモンの散乱光(励起光を起源とし、プラズモン励起センサ表面上の構造体または付着物などの影響で発生する散乱光)、酵素蛍光基質の自家蛍光、などの各種ノイズ光を除去するフィルタであって、例えば、干渉フィルタ、色フィルタなどが挙げられる。
工程(d)とは、上記工程(c)で得られた測定結果から、検体中に含有されるアナライト22の量を算出する工程である。
アナライト22としては、上記「蛍光色素層」に固定化されたリガンドを特異的に認識
され(または、認識し)結合し得る分子または分子断片であって、このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられ、具体的には、AFP(αフェトプロテイン)等のがん胎児性抗原や腫瘍マーカー、シグナル伝達物質、ホルモンなどであってもよく、特に限定されない。
さらに、工程(d)は、上記工程(c)の前に測定した“ブランク蛍光シグナル”、上記工程(c)で得られた“アッセイ蛍光シグナル”、および何も修飾していない金基板を流路に固定し、超純水を流しながらSPFSを測定して得られたシグナルを“初期ノイズ”としたとき、下記式(1a)で表されるアッセイS/N比を算出することができる:
アッセイS/N比=|Ia/Io|/In (1a)
(上記式(1a)において、Iaはアッセイ蛍光シグナル、Ioはブランク蛍光シグナル、Inは初期ノイズである)。
アッセイS/N比=|Ia|/|Ian| (1b)
(上記式(1b)において、Ianはアッセイノイズシグナル、Iaは上記式(1a)の場
合と同様にアッセイ蛍光シグナルである)。
本発明の装置は、上記工程(c)に用いられることを特徴とするものである。すなわち、本発明の装置は、上記プラズモン励起センサを用いて、本発明のアッセイ法を実施するためのものである。
「送液ポンプ」としては、例えば、送液が微量な場合に好適なマイクロポンプ、送り精度が高く脈動が少なく好ましいが循環することができないシリンジポンプ、簡易で取り扱い性に優れるが微量送液が困難な場合があるチューブポンプなどが挙げられる。
本発明のキットは、本発明のアッセイ法に用いられることを特徴とするものであって、本発明のアッセイ法を実施するにあたり、第1のリガンドと第2のリガンドと検体とを除き必要とされるすべてのもの、例えば、1次抗体、抗原などのリガンド(すなわち、検体中に含まれるアナライト22は、抗原とは限らず、抗体であってもよい。)と検体と2次抗体とを除き必要とされるすべてのものを含むことが好ましい。
[作製例1](プラズモン励起センサの作製)
屈折率〔nd〕1.72、厚さ1mmのガラス製の透明平面基板((株)オハラ製のS
−LAL 10)をプラズマ洗浄し、該基板の片面にクロム薄膜をスパッタリング法により形成した後、その表面にさらに金薄膜をスパッタリング法により形成した。クロム薄膜の厚さは1〜3nm、金薄膜の厚さは44〜52nmであった。
環送液することで、SAM上に1次抗体を固相化した。なお、1重量%牛血清アルブミン(BSA)を含むPBSにて30分間循環送液することで、非特異的吸着防止処理を行った。
2次抗体として、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体((株)日本医学臨床検査研究所などから入手可能)を、市販のビオチン化キット((株)同仁化学研究所製)を用いてビオチン化した。手順は、該キットに添付のプロトコールに従った。
工程(a)として、まず、作製例1で得られたプラズモン励起センサに標的抗原としてAFPを1ng/mL含むPBS溶液を0.5mL添加し、25分間循環させた。
S)を送液として10分間循環させることによって洗浄した後、作製例2で得られたAlexa Fluor(登録商標)647標識2次抗体(1,000ng/mLとなるよう
に調製したPBS溶液)を2.5mL添加し、20分間循環させた。
0分間循環させることによって洗浄した。その後、0.5mL、0.00075%金コロイド溶液(金コロイド平均粒径20nm)を0.5mL/minで送液することでプラズモン励起センサに金コロイドを接触させた。プラズモン励起センサに、ガラス製の透明平面基板の、金薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズム(シグマ光機(株)製)を経由してレーザ光(640nm、40μW)を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量をCCDから観察したときのシグナル値を計測し「アッセイシグナル」とした。
工程(d)として、上記工程(c)で得られた測定結果から、アッセイS/N比を以下の式を用いて算出し、各条件での感度に関して、金コロイドを使用しない測定結果(比較例1)を基準とした規格値(LP増強率)により評価した。
すなわち、規格値(LP増強率)が大きければアッセイS/N比が向上していることを意味し、イムノアッセイ測定の信頼性が高いことがわかる。
[実施例2]
実施例1のアッセイ法の実施において、0.5mL、0.00075%金コロイド溶液(金コロイド平均粒径20nm)を0.5mL/minで送液する代わりに、0.5mL、0.0015%金コロイド溶液(金コロイド平均粒径20nm)を0.5mL/min
で送液したことを除いて、実施例1と同様の条件にて実施した。得られた結果を後記表2に示す。
実施例1のアッセイ法の実施において、0.5mL、0.00075%金コロイド溶液(金コロイド平均粒径20nm)を0.5mL/minで送液する代わりに、Tween20を0.05重量%含むTBSを0.5mL/minで送液したことを除いて、実施例
1と同様の条件にて実施した。
12・・・金属薄膜
13・・・SAM
21・・・第1のリガンド
22・・・アナライト
23・・・第2のリガンド
24・・・蛍光標識
31・・・金属コロイド粒子
Claims (11)
- 下記工程(a)〜(d)を含むことを特徴とするアッセイ法:
工程(a):透明平面基板と、該基板の一方の表面に形成された金属薄膜と、該金属薄膜の、該基板とは反対側の表面に形成された自己組織化単分子膜(以下「SAM」と称す。)と、該SAMの、該金属薄膜とは反対側の表面に固定化された第1のリガンドとからなるプラズモン励起センサに検体を接触させる工程;
工程(b):前記工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、第2のリガンドと蛍光標識とからなるコンジュゲートを接触させ、これらを反応させる工程;
工程(c):前記工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、金属コロイド粒子を分散させたコロイド液を流しつつ接触させ、該状態で、前記透明平面基板の、前記金属薄膜とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された前記蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程;および、
工程(d):前記工程(c)で得られた測定結果から、前記検体中に含まれるアナライトの量を算出する工程。 - 前記金属コロイド粒子が、金、銀および白金のいずれかから選ばれる金属、またはその合金からなる請求項1に記載のアッセイ法。
- 前記金属コロイド粒子が金からなる請求項1に記載のアッセイ法。
- 前記金属コロイド粒子の表面がポリエチレングリコールからなる層で被覆されている請求項1〜3のいずれかに記載のアッセイ法。
- 前記金属コロイド粒子の粒径が0.1〜10000nmの範囲内にある請求項1〜4のいずれかに記載のアッセイ法。
- 前記コロイド液における前記金属コロイド粒子の濃度が0.0000001〜0.1%の範囲内にある請求項1〜5のいずれかに記載のアッセイ法。
- 前記工程(a)に記載のプラズモン励起センサにおいて、誘電体からなるスペーサ層が前記金属薄膜と前記SAMとの間に配置されている請求項1〜6のいずれかに記載のアッセイ法。
- 前記誘電体が、二酸化ケイ素(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)を含む請求項7に記載のアッセイ法。
- 前記検体が、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液および唾液からなる群から選択される少なくとも1種の体液である請求項1〜8のいずれかに記載のアッセイ法。
- 請求項1に記載の工程(c)に用いられる装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のアッセイ法に用いられるキット。
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