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JP2010081737A - Dc/dcコンバータの制御装置 - Google Patents

Dc/dcコンバータの制御装置 Download PDF

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JP2010081737A JP2008247602A JP2008247602A JP2010081737A JP 2010081737 A JP2010081737 A JP 2010081737A JP 2008247602 A JP2008247602 A JP 2008247602A JP 2008247602 A JP2008247602 A JP 2008247602A JP 2010081737 A JP2010081737 A JP 2010081737A
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Shintaro Tsujii
伸太郎 辻井
Masaki Kutsuna
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Abstract

【課題】DC/DCコンバータの制御装置において、リアクトルを流れる電流が変動してもDC/DCコンバータの制御の応答性を安定させることができるようにする。
【解決手段】制御装置24は、リアクトルL1を流れる電流Ibを取得する電流値取得手段と、出力電圧VHが指令電圧Vdcに一致するようにDC/DCコンバータ14をフィードバック制御するときの制御ゲインKを、電流値取得手段により取得された電流Ibに基づいて調整し、その調整した制御ゲインKを用いて出力電圧VHが指令電圧Vdcに一致するようにDC/DCコンバータ14をフィードバック制御する制御手段30とを有する。この構成により、制御装置24は、リアクトルL1を流れる電流Ibが変動してもDC/DCコンバータ14の制御の応答性を安定させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、DC/DCコンバータの制御装置に関する。
リアクトルとスイッチング素子とを有し、スイッチング素子のスイッチング動作によりリアクトルにおけるエネルギの蓄積と放出とを繰り返し、直流入力電圧を変換(昇圧または降圧)して直流出力電圧を得るDC/DCコンバータが知られている。
下記特許文献1には、バッテリの出力要求からリアクトルを流れる目標リアクトル電流を算出し、算出された目標リアクトル電流からスイッチング素子を効率よくスイッチング動作させるためのキャリア周波数を設定して、このキャリア周波数を用いてリアクトルに目標リアクトル電流が流れるようにDC/DCコンバータを制御する制御装置が記載されている。
特開2003−116280号公報
ところで、従来のDC/DCコンバータにおいては、リアクトルを流れる電流が増大すると磁束が飽和して自己インダクタンスが低下してしまい、DC/DCコンバータの制御の応答性が不安定になってしまうという問題があった。DC/DCコンバータの制御の応答性を安定させるために、リアクトルを流れる電流が増大しても自己インダクタンスが低下しにくいリアクトルを採用することができるが、その構造は複雑であり高価なものになってしまう。
本発明は、安価で簡易な構造のリアクトルを用いて、リアクトルを流れる電流が変動してもDC/DCコンバータの制御の応答性を安定させることができるDC/DCコンバータの制御装置を提供することにある。
本発明は、リアクトルとスイッチング素子とを有し、スイッチング素子のスイッチング動作によりリアクトルにおけるエネルギの蓄積と放出を繰り返し、直流入力電圧を変換して直流出力電圧を得るDC/DCコンバータの制御装置において、リアクトルの電流値を取得する電流値取得手段と、直流出力電圧が指令電圧に一致するようにDC/DCコンバータをフィードバック制御するときの制御ゲインを、電流値取得手段により取得された電流値に基づいて調整し、その調整した制御ゲインを用いて直流出力電圧が指令電圧に一致するようにDC/DCコンバータをフィードバック制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
また、制御手段は、電流値取得手段により取得された電流値が増大するにつれて低くなるように制御ゲインを調整することができる。
また、電流値取得手段を、リアクトルを流れる電流を直接検出する電流センサとすることができる。
また、DC/DCコンバータの一端がインバータを介してモータとジェネレータに電気的に接続され、その他端が電源に電気的に接続され、電流値取得手段は、モータの駆動パワーとジェネレータの発電パワーと電源の電位差とに基づいてリアクトルの電流値を取得することができる。
さらに、DC/DCコンバータの一端がコンデンサと、インバータを介してモータとジェネレータとに電気的に接続され、その他端が電源に電気的に接続され、電流値取得手段は、モータの駆動パワーとジェネレータの発電パワーとコンデンサの供給パワーと電源の電位差とに基づいてリアクトルの電流値を取得することができる。
本発明のDC/DCコンバータの制御装置によれば、安価で簡易な構造のリアクトルを用いて、リアクトルを流れる電流が変動してもDC/DCコンバータの制御の応答性を安定させることができる。
以下、本発明に係るDC/DCコンバータの制御装置の実施形態について図を用いて説明する。一例として、モータとエンジンとの出力により走行するハイブリッド車両を挙げ、この車両に搭載されたDC/DCコンバータの制御装置について説明する。なお、本発明は、ハイブリッド車両に搭載されたDC/DCコンバータの制御装置に限らず、モータの出力のみにより走行する電気自動車に搭載されたDC/DCコンバータの制御装置にも適用することができる。
図1は、本実施形態に係るDC/DCコンバータの制御装置を搭載するハイブリッド車両(以下、単に車両と記す)10の概略構成を示す図である。
車両10は、バッテリ12、DC/DCコンバータ14、第1及び第2インバータ16,18、第1及び第2モータ20,22、および制御装置24を有する。
バッテリ12は、充放電可能な二次電池、例えばニッケル水素二次電池またはリチウムイオン二次電池などで構成される。バッテリ12は、複数のセルを直列に接続して構成されるモジュールを複数有し、これらのモジュールをさらに直列接続している。すなわち、バッテリ12は、直列接続されたモジュールに含まれるセルをすべて直列接続している。これにより、バッテリ12は、車両10を駆動するのに必要な高電圧を確保する。なお、バッテリ12は、大容量コンデンサとすることもできる。
DC/DCコンバータ14は、リアクトルとスイッチング素子とを有し、スイッチング素子のスイッチング動作によりリアクトルにおけるエネルギの蓄積と放出とを繰り返し、直流入力電圧を変換して直流出力電圧を得る装置である。図1においては、DC/DCコンバータ14は、昇圧および降圧を行う双方向DC/DCコンバータである。
具体的には、図1において、DC/DCコンバータ14は、リアクトルL1と、スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを有する。スイッチング素子Q1,Q2は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、パワートランジスタ、サイリスタ等から構成される。スイッチング素子Q1,Q2は、第1及び第2インバータ16,18の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。上アームのスイッチング素子Q1のコレクタは電源ラインに接続され、下アームのスイッチング素子Q2のエミッタはアースラインに接続される。スイッチング素子Q1,Q2の中間点、すなわちスイッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタの接続点にはリアクトルL1の一端が接続される。このリアクトルL1の他端は、バッテリ12の正極に接続される。また、スイッチング素子Q2のエミッタは、バッテリ12の負極に接続される。また、各スイッチング素子Q1,Q2のコレクタとエミッタとの間には、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すようにダイオードD1,D2がそれぞれ配置される。
リアクトルL1の他端とアースラインとの間には平滑用コンデンサC1が接続される。また、スイッチング素子Q1のコレクタとアースラインとの間には平滑用コンデンサC2が接続される。これらのコンデンサC1,C2は、電解コンデンサまたはフィルムコンデンサからなる。コンデンサC1は、バッテリ12から供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をDC/DCコンバータ14へ供給する。一方、コンデンサC2は、DC/DCコンバータ14からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を第1及び第2インバータ16,18へ供給する。
第1及び第2インバータ16,18は、DC/DCコンバータ14に対し並列に接続される。第1インバータ16は、第1モータ20に電気的に接続され、第2インバータ18は、第2モータ22に電気的に接続される。第1及び第2モータ20,22は、3相の永久磁石モータである。以下、第1及び第2インバータ16,18と第1及び第2モータ20,22と構成について説明する。
第1インバータ16は、電源ラインとアースラインとの間に互いに並列に配置されるU相、V相、W相の各アームから構成される。U相はスイッチング素子Q3,Q4の直列接続からなり、V相はスイッチング素子Q5,Q6の直列接続からなり、W相はスイッチング素子Q7,Q8の直列接続からなる。スイッチング素子Q3−Q8は、IGBT、パワートランジスタ、サイリスタ等から構成される。各スイッチング素子Q3−Q8のコレクタとエミッタとの間には、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すダイオードD3−D8がそれぞれ配置されている。
各相アームの中間点は、第1モータ20の各相コイルの各相端に接続されている。具体的には、U相アームのスイッチング素子Q3,Q4の中間点、すなわちスイッチング素子Q3のエミッタとスイッチング素子Q4のコレクタの接続点は、第1モータ20のU相コイルの一端に接続される。また、V相アームのスイッチング素子Q5,Q6の中間点、すなわちスイッチング素子Q5のエミッタとスイッチング素子Q6のコレクタの接続点は、第1モータ20のV相コイルの一端に接続される。また、W相アームのスイッチング素子Q7,Q8の中間点、すなわちスイッチング素子Q7のエミッタとスイッチング素子Q8のコレクタの接続点は、第1モータ20のW相コイルの一端に接続される。第1モータ20は、これの各相コイルの他端が中点に共通に接続されて構成される。
第1インバータ16は、DC/DCコンバータ14からコンデンサC2を介して直流電力が供給されると、直流電力を交流電力に変換して第1モータ20を駆動させる。また、第1インバータ16は、車両10の回生制動時、第1モータ20が発電した交流電力を直流電力に変換し、その変換した直流電力を、コンデンサC2を介してDC/DCコンバータ14へ供給する。
第2インバータ18は、第1インバータ16と同じ構成からなる。すなわち、電源ラインとアースラインとの間に互いに並列に配置されるU相、V相、W相の各アームから構成される。U相はスイッチング素子Q9,Q10の直列接続からなり、V相はスイッチング素子Q11,Q12の直列接続からなり、W相はスイッチング素子Q13,Q14の直列接続からなる。スイッチング素子Q9−Q14は、IGBT、パワートランジスタ、サイリスタ等から構成される。各スイッチング素子Q9−Q14のコレクタとエミッタとの間には、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すダイオードD9−D14がそれぞれ配置されている。
各相アームの中間点は、第2モータ22の各相コイルの各相端に接続されている。具体的には、U相アームのスイッチング素子Q9,Q10の中間点、すなわちスイッチング素子Q9のエミッタとスイッチング素子Q10のコレクタの接続点は、第2モータ22のU相コイルの一端に接続される。また、V相アームのスイッチング素子Q11,Q12の中間点、すなわちスイッチング素子Q11のエミッタとスイッチング素子Q12のコレクタの接続点は、第2モータ22のV相コイルの一端に接続される。また、W相アームのスイッチング素子Q13,Q14の中間点、すなわちスイッチング素子Q13のエミッタとスイッチング素子Q14のコレクタの接続点は、第2モータ22のW相コイルの一端に接続される。第2モータ22は、これの各相コイルの他端が中点に共通に接続されて構成される。
第2インバータ18は、DC/DCコンバータ14からコンデンサC2を介して直流電力が供給されると、直流電力を交流電力に変換して第2モータ22を駆動させる。また、第2インバータ18は、車両10の回生制動時、第2モータ22が発電した交流電力を直流電力に変換し、その変換した直流電力を、コンデンサC2を介してDC/DCコンバータ14へ供給する。
制御装置24は、DC/DCコンバータ14と、第1及び第2インバータ16,18とを制御して、第1及び第2モータ20,22の駆動および回生を制御するものである。制御装置24は、一つの態様では、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現され、例えば電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。具体的には、制御装置24の機能は、記録媒体に記録された制御プログラムがメインメモリに読み出されてCPU(Central Processing Unit)により実行されることによって実現される。制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されることも可能であり、また、データ信号として通信により提供されることも可能である。ただし、制御装置24は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。また、制御装置24は、物理的に1つの装置により実現されてもよいし、複数の装置により実現されてもよい。
制御装置24には、別のECU(図示せず)が接続されている。このECUは、第1及び第2モータ20,22のトルク指令値を制御装置24へ出力する。
また、制御装置24には、対象機器の状態を検出する各種センサが接続されている。具体的には、制御装置24には、第1及び第2モータ20,22の回転速度を検出する回転速度センサ26が接続される。また、制御装置24には、リアクトルL1を流れる電流を検出する電流センサ28が接続されている。さらに、制御装置24には、コンデンサC2の両端の電圧を検出する電圧センサ30が接続されている。これらのセンサ26,28,30は、検出値を制御装置24へ出力する。
制御装置24は、別のECUから入力されたトルク指令値、回転速度センサ26から入力された回転速度、電流センサ28から入力された電流および電圧センサ30から入力された電圧に基づいてDC/DCコンバータ14と第1及び第2インバータ16,18とを制御するための信号を生成し、その生成した信号をDC/DCコンバータ14と第1及び第2インバータ16,18とにそれぞれ出力する。
制御装置24の信号に基づくDC/DCコンバータ14と第1及び第2インバータ16,18との動作について詳しく説明する。なお、第1インバータ16と第2インバータ18は、それぞれ構成が同じである。そこで、本実施形態においては、例として第1インバータ16の動作について説明する。
第1モータ20の駆動時には、制御装置24は、DC/DCコンバータ14を制御して、バッテリ12の直流電力をDC/DCコンバータ14へ供給する。具体的には、制御装置24は、DC/DCコンバータ14のスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを交互にオン・オフさせる制御を行う。スイッチング素子Q2がオンになると、スイッチング素子Q2を介してリアクトルL1に電流が流れ、バッテリ12からの直流電力がリアクトルL1に蓄積される。そして、スイッチング素子Q2がオフになると、リアクトルL1に蓄積された直流電力がダイオードD1を介して第1インバータ16側に出力される。また、制御装置24は、第1インバータ16のスイッチング素子Q3−Q8のスイッチング動作を制御することにより、DC/DCコンバータ14からの直流電力を第1インバータ16により交流電力に変換し、得られた交流電力を第1モータ20に供給する。これにより、第1モータ20が回転駆動される。
一方、第1モータ20の回生時には、制御装置24は、第1インバータ16のスイッチング素子Q3−Q8のスイッチング動作を制御することにより、第1モータ40で発電された交流電力を第1インバータ16により直流電力に変換し、得られた直流電力をDC/DCコンバータ14に供給する。また、制御装置24は、DC/DCコンバータ14を制御して、第1インバータ16から直流電力をDC/DCコンバータ14により降圧してバッテリ12を充電する。具体的には、制御装置24は、DC/DCコンバータ14のスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを交互にオン・オフさせる制御を行う。スイッチング素子Q1がオンになると、スイッチング素子Q1を介してリアクトルL1に電流が流れ、第1インバータ16からの直流電力がリアクトルL1に蓄積される。そして、スイッチング素子Q1がオフになると、リアクトルL1の起電力によりダイオードD2を介して電流が還流し、これによりリアクトルL1に蓄積された直流電力がバッテリ12に供給される。これにより、バッテリ12が充電される。
従来技術で述べたように、安価で簡易な構造のリアクトルを用いたDC/DCコンバータにおいては、図2に示すように、リアクトルを流れる電流Ibが増大するにつれて自己インダクタンスLnが徐々に低下する。そうすると、自己インダクタンスLnの変化により、DC/DCコンバータの制御の応答性が不安定になってしまうという問題があった。
そこで、この問題を解決するために、本発明に係るDC/DCコンバータ14の制御装置24は、直流出力電圧が指令電圧に一致するようにDC/DCコンバータ14をフィードバック制御するときの制御ゲインKを、リアクトルL1を流れる電流Ibに基づいて調整し、その調整した制御ゲインKを用いて直流出力電圧が指令電圧に一致するようにDC/DCコンバータ14をフィードバック制御する制御手段30を有する。
制御手段30の構成について図3を用いて説明する。制御手段30は、指令電圧演算部32と、電圧フィードバック演算部34とを有する。
指令電圧演算部32は、第1及び第2モータ20,22のトルク指令値と回転速度に基づいて第1及び第2インバータ16,18に入力する電圧の最適値(目標値)、すなわち指令電圧Vdcを演算し、その演算した指令電圧Vdcを電圧フィードバック演算部34へ出力する。
電圧フィードバック演算部34は、指令電圧演算部32から指令電圧Vdcを受け、電流センサ28からリアクトルL1を流れる電流Ibを受け、電圧センサ30からDC/DCコンバータ14の出力電圧VHを受ける。そして、電圧フィードバック演算部34は、指令電圧Vdcと出力電圧VHとの偏差ΔVdcを演算するとともに、出力電圧VHが指令電圧Vdcに一致するようにフィードバック制御するときの制御ゲインを電流Ibに応じて後述する方法により補正する。そうすると、電圧フィードバック演算部34は、演算した偏差ΔVdcと、補正した制御ゲインとに基づいて、後述する方法によりフィードバック指令電圧Vdc_fbを演算し、この演算したフィードバック指令電圧Vdc_fbに基づいてデューティ比を演算してDC/DCコンバータ14へ出力する。
電圧フィードバック演算部34の構成について詳しく説明する。電圧フィードバック演算部34は、減算器36と、制御ゲイン補正部38と、PI制御部40とを有する。
減算器36は、指令電圧演算部32からの指令電圧Vdcと電圧センサ30からの出力電圧VHとを受け、指令電圧Vdcから出力電圧VHを減算する。そして、減算器36は、減算した結果を偏差ΔVdcとしてPI制御部40へ出力する。
制御ゲイン補正部38は、制御ゲインKを保持しており、電流センサ28からリアクトルL1を流れる電流Ibを受ける。制御ゲインKは、出力電圧VHが指令電圧Vdcに一致するようにフィードバック制御するときに、出力電圧VHの応答特性が良好になるように決定されたゲインである。出力電圧VHの応答特性が良好であるということは、出力電圧VHの応答特性が発散したり、振動したりすることなく、出力電圧VHが指令電圧Vdcにスムーズに一致することである。
そして、制御ゲイン補正部38は、制御ゲインKを電流Ibに応じて補正し、その補正した補正制御ゲインKpiをPI制御部40へ出力する。
図4は、補正係数KcとリアクトルL1を流れる電流Ibとの関係を示す図である。補正係数Kcは、電流Ibに応じて制御ゲインKを補正するための補正係数である。図に示すように、補正係数Kcは、電流Ibが増大すると、それに伴って徐々に小さくなる。この補正係数Kcと電流Ibとの関係は、予め実験により求めることができる。
図3に戻り、制御ゲイン補正部38は、図4に示す補正係数Kcと電流Ibとの関係を示すマップを保持しており、電流センサ28から電流Ibを受けると、その受けた電流Ibに対応する補正係数Kcをマップから抽出し、その抽出した補正係数Kcを制御ゲインKに乗算して補正制御ゲインKpiを決定する。そして、制御ゲイン補正部38は、補正制御ゲインKpiをPI制御部40へ出力する。
補正係数Kcは、図4に示すように電流Ibの増加に伴って小さくなるので、制御ゲイン補正部38は、電流Ibの増加に伴って補正制御ゲインKpiを低く設定する。つまり、制御ゲイン補正部38は、電流Ibが増大するにつれて値が小さくなるように制御ゲインKを調整する。
PI制御部40は、減算器36から偏差ΔVdcを受け、制御ゲイン補正部38から補正制御ゲインKpiを受ける。そして、PI制御部40は、偏差ΔVdcと補正制御ゲインKpiとに基づいてフィードバック指令電圧Vdc_fbを演算し、この演算したフィードバック指令電圧Vdc_fbに基づいてデューティ比を演算してDC/DCコンバータ14へ出力する。そして、DC/DCコンバータ14のスイッチング素子Q1,Q2は、PI制御部40からの信号に基づいてオン・オフされる。これによって、DC/DCコンバータ14は、出力電圧VHが指令電圧Vdcに一致するように入力直流電圧を出力直流電圧に変換する。
このように、制御装置24の制御手段30は、電流センサ28からの電流Ibを受けると、この電流Ibに応じて出力電圧VHのフィードバック制御における制御ゲインKを調整し、この調整した制御ゲインK、すなわち補正制御ゲインKpiを用いて、DC/DCコンバータ14の出力電圧VHが指令電圧Vdcに一致するようにDC/DCコンバータ14における電圧変換をフィードバック制御する。これにより、制御装置24は、リアクトルL1を流れる電流Ibが変動してもDC/DCコンバータ14の制御の応答性を安定させることができる。
本実施形態においては、電流センサ28を用いてリアクトルL1を流れる電流Ibを取得する場合について説明したが、第1及び第2モータ20,22のパワーバランスから電流Ibを取得することができる。ここで、第1モータ20が回転駆動し、第2モータ22が発電しているときのパワーバランスから電流Ibを取得する方法について説明する。
第1モータ20が駆動するために必要な駆動パワーPmと、第2モータ22が発電した電力である発電パワーPgと、DC/DCコンバータ14が第1モータ20に供給する電力である供給パワーPbには、次式の関係が成立する。
Pm=Pg+Pb・・・(1)
なお、駆動パワーPmと発電パワーPgは、モータの回転速度にトルク指令値を乗じて求めることができる。
ここで、電流Ibは、供給パワーPbからバッテリ12の電位差Vbを除したものである。よって、電流Ibは、次の式(2)によって、駆動パワーPmと発電パワーPgと電位差Vbとに基づいて推定することができる。
Ib=(Pm−Pg)/Vb・・・(2)
このように、第1及び第2モータ20,22のパワーバランスから電流Ibを取得することができるので、電流センサ28を省くことができる。
DC/DCコンバータ14からの出力電圧VHが過渡的に変化する場合には、コンデンサC2に蓄積される電力である蓄積パワーPcが発生する。これにより、式(2)により算出する電流Ibの値が実際の値とずれてしまう。そこで、上述した第1及び第2モータ20,22のパワーバランスに、コンデンサC2の蓄積パワーPcを加えることで、電流Ibをより正確に取得することができる。
第1モータ20が駆動するために必要な駆動パワーPmと、第2モータ22が発電した電力である発電パワーPgと、DC/DCコンバータ14が第1モータ20に供給する電力である供給パワーPbと、コンデンサC2に蓄積される電力である蓄積パワーPcには、次式の関係が成立する。
Pm+Pc=Pg+Pb・・・(3)
なお、蓄積パワーPcは、次の式(4)によって求めることができる。
Pc={C×(VH+ΔVH)−C×VH}/(2×ΔT)・・・(4)
ここで、Cはコンデンサ容量であり、ΔTはサンプリング時間である。
ここで、上述したように、電流Ibは、供給パワーPbからバッテリ12の電位差Vbを除したものである。よって、電流Ibは、次の式(5)によって、駆動パワーPmと発電パワーPgと蓄積パワーPcと電位差Vbとに基づいて推定することができる。
Ib=(Pm+Pc−Pg)/Vb・・・(5)
このように、式(5)によれば、第1及び第2モータ20,22のパワーバランスに、コンデンサC2の蓄積パワーPcを考慮しているので、DC/DCコンバータ14からの出力電圧VHが過渡的に変化してもリアクトルL1を流れる電流Ibをより正確に取得することができる。よって、電流センサ28を省くことが可能となる。
本実施形態に係るDC/DCコンバータの制御装置を搭載するハイブリッド車両の概略構成を示す図である。 リアクトルを流れる電流と自己インダクタンスとの関係を示す図である。 制御装置の制御手段の構成を示す図である。 補正係数とリアクトルを流れる電流との関係を示す図である。
符号の説明
10 ハイブリッド車両、12 バッテリ、14 DC/DCコンバータ、16 第1インバータ、18 第2インバータ、20 第1モータ、22 第2モータ、24 制御装置、28 電流センサ、30 制御手段。

Claims (5)

  1. リアクトルとスイッチング素子とを有し、
    スイッチング素子のスイッチング動作によりリアクトルにおけるエネルギの蓄積と放出を繰り返し、直流入力電圧を変換して直流出力電圧を得るDC/DCコンバータの制御装置において、
    リアクトルの電流値を取得する電流値取得手段と、
    直流出力電圧が指令電圧に一致するようにDC/DCコンバータをフィードバック制御するときの制御ゲインを、電流値取得手段により取得された電流値に基づいて調整し、その調整した制御ゲインを用いて直流出力電圧が指令電圧に一致するようにDC/DCコンバータをフィードバック制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするDC/DCコンバータの制御装置。
  2. 請求項1に記載のDC/DCコンバータの制御装置において、
    制御手段は、電流値取得手段により取得された電流値が増大するにつれて低くなるように制御ゲインを調整する、
    ことを特徴とするDC/DCコンバータの制御装置。
  3. 請求項1及び2に記載のDC/DCコンバータの制御装置において、
    電流値取得手段は、リアクトルを流れる電流を直接検出する電流センサである、
    ことを特徴とするDC/DCコンバータの制御装置。
  4. 請求項1及び2に記載のDC/DCコンバータの制御装置において、
    DC/DCコンバータの一端がインバータを介してモータとジェネレータに電気的に接続され、その他端が電源に電気的に接続され、
    電流値取得手段は、モータの駆動パワーとジェネレータの発電パワーと電源の電位差とに基づいてリアクトルの電流値を取得する、
    ことを特徴とするDC/DCコンバータの制御装置。
  5. 請求項1及び2に記載のDC/DCコンバータの制御装置において、
    DC/DCコンバータの一端がコンデンサと、インバータを介してモータとジェネレータとに電気的に接続され、その他端が電源に電気的に接続され、
    電流値取得手段は、モータの駆動パワーとジェネレータの発電パワーとコンデンサの供給パワーと電源の電位差とに基づいてリアクトルの電流値を取得する、
    ことを特徴とするDC/DCコンバータの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018098855A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 住友電気工業株式会社 Dc/dcコンバータ及びその制御方法並びに電力変換装置
JP2022052187A (ja) * 2020-09-23 2022-04-04 株式会社東芝 電源回路

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