JP2010072829A - 信号取得システムおよび信号取得装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運動体に設置され無線通信により接続された信号取得装置を含む複数の信号取得装置により取得される測定信号を互いに同期させることができる信号取得システムを提供する。
【解決手段】ホストコンピュータ21は、信号取得装置2、12に対して測定条件を無線通信により入力し(ステップS11)、測定条件の設定が完了したことを確認すると(ステップS15)、メモリの不良ブロック検出を実行するためのメモリ確認指令を無線送信する(ステップS16)。そしてホストコンピュータ21は、信号取得装置2、12からメモリ確認完了信号を取得すると(ステップS19)、信号取得装置2、12に対して測定開始指令を無線送信する(ステップS21)。
【選択図】図3
【解決手段】ホストコンピュータ21は、信号取得装置2、12に対して測定条件を無線通信により入力し(ステップS11)、測定条件の設定が完了したことを確認すると(ステップS15)、メモリの不良ブロック検出を実行するためのメモリ確認指令を無線送信する(ステップS16)。そしてホストコンピュータ21は、信号取得装置2、12からメモリ確認完了信号を取得すると(ステップS19)、信号取得装置2、12に対して測定開始指令を無線送信する(ステップS21)。
【選択図】図3
Description
本発明は、信号取得システムに関し、特に、無線通信により信号を送受信する信号取得装置を備える信号取得システムに関する。
従来、回転運動を行う運動体に設置され、運動体とともに回転しながらこの運動体の状態を表す信号を取得する信号取得装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載された従来の信号取得装置は、CVT(Continuously Variable Transmission)を構成するプーリーに掛けられたベルト部材の温度または速度等の状態を表す情報を取得して、ホストコンピュータに測定データとして転送するようになっている。この信号取得装置は、ベルト部材の温度または速度等を検出するセンサと、このセンサが検出した検出結果を表す信号を取得してデジタルの測定信号に変換するA/Dコンバータと、A/Dコンバータによって出力された測定信号を無線送信するための送信手段と、を備えている。さらに、信号取得装置は、センサと直接接続されており、ベルト部材とともに回転しながら、ベルト部材の状態を表す信号をセンサから取得するようになっている。
このような構成により、信号取得装置はセンサと一体的に回転できるので、センサのみがベルト部材に設置される場合と比較して、センサから信号取得装置に出力される信号に外部からノイズが加わることを抑制できる。また、ホストコンピュータにおいては、信号取得装置により取得された信号を無線通信により継続的に取得することができるので、ベルト部材の状態をリアルタイムでモニタすることが可能となる。
このような従来の信号取得装置においては、ホストコンピュータとの間で無線通信を実行するようになっており、測定信号を無線で送信するための送信手段と、ホストコンピュータに接続され測定信号を無線で受信するための受信手段との間の通信状態が良好であるならば、信号取得装置からホストコンピュータへ所望の送信速度で測定信号を送信することができる。
また、運動体の状態を表す信号を多点において同期させながら取得し、取得した複数の信号を用いたデータ解析を実行するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に記載された従来の多点計測システムは、運動体の状態を取得するための複数の信号取得装置と、これらの信号取得装置からデータを収集してデータ解析を実行するホストコンピュータとにより構成されており、複数の信号記録装置は、互いに同期用信号線により接続されていた。
特開2006−337199号公報
特開2006−242908号公報
しかしながら、上述のような特許文献1に記載の従来の信号取得装置にあっては、ホストコンピュータと複数の信号取得装置とが接続されることが考慮されていなかった。そのため、ホストコンピュータがこれらの信号取得装置に信号の取得開始を同時に指示しても、それぞれの信号取得装置が測定信号の記憶を開始するための事前処理にかかる時間が異なるため、複数の信号取得装置のメモリにそれぞれ記憶された測定信号が互いに同期しないという問題があった。
また、特許文献2に記載の多点計測システムにあっては、複数の信号取得装置の同期を取るために、これらの信号取得装置を互いに同期用信号線で接続しなければならなかった。そのため、各信号取得装置を同一の運動体に設置する場合には測定信号の同期をとることができるものの、各信号取得装置を別々の運動体に設置する場合には、測定中に同期用信号線で互いに接続することができず、結果としてそれぞれの測定信号を同期させることができなかった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、運動体に設置され無線通信により接続された信号取得装置を含む複数の信号取得装置により取得される測定信号を互いに同期させることができる信号取得システムを提供することを目的とする。
本発明に係る信号取得システムは、上記目的達成のため、(1)所定の軌道上を運動するサイクルを繰り返す運動体に設置され、前記運動体と一体に運動しつつ当該運動体の状態を測定信号として取得し、前記測定信号を無線通信で送信可能な複数の信号取得装置と、静止部材に設置され、前記複数の信号取得装置から無線送信された信号を取得する固定側制御装置と、を備える信号取得システムであって、前記複数の信号取得装置は、前記運動体の状態を測定して測定信号を生成する測定信号生成手段と、前記測定信号生成手段により生成された前記測定信号を記憶する記憶手段と、前記測定信号を前記固定側制御装置に無線送信するための測定信号送信手段と、前記記憶手段に対する前記測定信号の書込み処理および書込みの開始準備を行う事前処理を実行する記憶制御手段と、前記固定側制御装置から無線送信される指令に基づき、前記測定信号の生成を開始するよう前記測定信号生成手段を制御するとともに、前記書込み処理を実行するよう前記記憶制御手段を制御する制御手段と、をそれぞれ有し、前記固定側制御装置は、前記事前処理を前記記憶制御手段により実行させるための指令を前記複数の信号取得装置の前記制御手段にそれぞれ無線送信し、すべての前記記憶制御手段による前記事前処理の実行が終了したことを条件に、前記測定信号生成手段による測定信号の生成の開始および前記記憶制御手段による前記測定信号の前記記憶手段への書込みの開始を実行させるための指令を前記複数の信号取得装置の制御手段に無線送信することを特徴とする。
この構成により、固定側制御装置が複数の信号取得装置の制御手段に運動体の状態の測定開始を指令すると、それぞれの信号取得装置における測定信号の記憶手段への書込みの開始を同時に開始することが可能となる。これにより、それぞれの記憶手段に書込まれる測定信号が互いに同期されるので、結果として、複数の信号取得装置により取得された測定信号を互いに同期させることができる。
上記(1)に記載の信号取得システムにおいて、(2)前記信号取得装置の制御手段は、前記測定信号生成手段により生成された測定信号を前記記憶手段に書込むよう前記記憶制御手段を制御するとともに、リアルタイムで前記固定側制御装置に無線送信するよう前記測定信号送信手段を制御することを特徴とする。
この構成により、測定中においても固定側制御装置が測定信号を無線通信により取得することができるので、複数の信号取得装置が正常に測定を行っていることを有線接続することなく確認することが可能となる。
上記(2)に記載の信号取得システムにおいて、(3)前記固定側制御装置は、前記測定信号送信手段からリアルタイムで無線送信された測定信号を表示するための表示手段を備えることを特徴とする。
この構成により、固定側制御装置が複数の信号取得装置から取得した測定信号に異常が発生していないか否かを測定中においても表示手段により常時確認することが可能となる。
上記(1)から(3)に記載の信号取得システムにおいて、(4)前記固定側制御装置は、前記運動体の状態の測定を終了させるための指令を前記複数の信号取得装置の制御手段に無線送信することを特徴とする。
この構成により、固定側制御装置と信号取得装置とを有線接続することなく固定側制御装置から信号取得装置に測定終了の指令を送信することが可能となる。したがって、有線接続をする場合と異なり、信号取得装置が設置された運動体の運動中においても測定終了の指令を送信することができる。
上記(1)から(4)に記載の信号取得システムにおいて、(5)前記固定側制御装置は、前記複数の信号取得装置による前記運動体の状態の測定が終了したことを条件に、前記記憶手段に記憶された測定信号を無線送信させるための指令を前記複数の信号取得装置の制御手段に無線送信することを特徴とする。
この構成により、信号取得装置による運動体の状態の測定終了後に、それぞれの信号取得装置に有線接続することなく測定信号を回収することが可能となる。
また、本発明に係る信号取得システムは、上記目的達成のため、(6)所定の軌道上を運動するサイクルを繰り返す運動体に設置され、前記運動体と一体に運動しつつ当該運動体の状態を測定信号として取得し、前記測定信号を無線通信で送信可能な信号取得装置と、静止部材に設置され、前記静止部材または前記静止部材の近傍に位置する部材の状態を表す信号を測定信号として取得し、前記測定信号を有線通信で送信可能な静止用信号取得装置と、静止部材に設置され、前記信号取得装置から無線送信された信号を取得するとともに、前記静止用信号取得装置から有線送信された信号を取得する固定側制御装置と、を備える信号取得システムであって、前記信号取得装置は、前記運動体の状態を測定して測定信号を生成する測定信号生成手段と、前記測定信号生成手段により生成された前記測定信号を記憶する記憶手段と、前記測定信号を前記固定側制御装置に無線送信するための測定信号送信手段と、前記記憶手段に対する前記測定信号の書込み処理および書込みの開始準備をする事前処理を実行する記憶制御手段と、前記固定側制御装置から無線送信される指令に基づき、前記測定信号の生成を開始するよう前記測定信号生成手段を制御するとともに、前記書込み処理を実行するよう前記記憶制御手段を制御する制御手段と、を有し、前記静止用信号取得装置は、前記静止部材または前記静止部材の近傍に位置する部材の状態を測定して測定信号を生成する測定信号生成手段と、前記測定信号生成手段により生成された前記測定信号を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に対する前記測定信号の書込み処理および書込みの開始準備をする事前処理を実行する記憶制御手段と、前記固定側制御装置から有線送信される指令に基づき、前記測定信号の生成を開始するよう前記測定信号生成手段を制御するとともに、前記書込み処理を実行するよう前記記憶制御手段を制御する制御手段と、を有し、前記固定側制御装置は、前記事前処理を前記記憶制御手段により実行させるための指令を前記信号取得装置および前記静止用信号取得装置の前記制御手段にそれぞれ送信し、すべての前記記憶制御手段による前記事前処理の実行が終了したことを条件に、前記測定信号生成手段による測定信号の生成の開始および前記記憶制御手段による前記測定信号の前記記憶手段への書込みの開始を実行させるための指令を前記信号取得装置および前記静止用信号取得装置の前記制御手段に送信するとともに、前記信号取得装置および前記静止用信号取得装置のいずれもが前記測定信号の前記記憶手段への書込みを開始可能となったタイミングを示す同期トリガ信号を送信し、前記信号取得装置および前記静止用信号取得装置のうち、少なくとも前記タイミングより早く前記測定信号の前記記憶手段への書込みを開始した装置の前記記憶制御手段は、前記トリガ信号と前記測定信号とを対応付けて前記記憶手段に書込むことを特徴とする。
この構成により、固定側制御装置から信号取得装置および静止用信号取得装置に送信される指令の到達に時間差が生じる場合においても、早く指令が到達する方の記憶手段に、遅く指令が到達する方において測定信号の書込みが開始されるタイミングを表す同期トリガ信号を記憶させることができる。したがって、早く指令が到達する方の記憶手段に記憶された測定信号と、遅く指令が到達する方の記憶手段に記憶された測定信号とを、記憶された同期トリガ信号に基づいて同期させることができる。
上記(1)から(6)に記載の信号取得システムにおいて、(7)前記事前処理を実行させるための指令は、前記記憶手段において書込みが不可能な不良部位を前記記憶制御手段に検出するよう要求する指令を含むことを特徴とする。
この構成により、信号取得装置の事前確認において、各信号取得装置間における所要時間の差が大きい不良部位の検出を完了することができるので、制御装置が各信号取得装置に信号の取得開始を指令した際に、各信号取得装置は時間差を生じることなく取得した信号の記憶を直ちに開始することができる。
本発明に係る信号取得装置は、上記目的達成のため、(8)所定の軌道上を運動するサイクルを繰り返す運動体に設置され、前記運動体と一体に運動しつつ当該運動体の状態を測定信号として取得し、前記測定信号を外部装置に無線通信で送信可能な信号取得装置であって、前記信号取得装置は、前記運動体の状態を測定して測定信号を生成する測定信号生成手段と、前記測定信号生成手段により生成された前記測定信号を記憶する記憶手段と、前記測定信号を無線送信するための測定信号送信手段と、前記記憶手段に対する前記測定信号の書込み処理および書込みの開始準備をする事前処理を制御する記憶制御手段と、前記外部装置から無線送信される指令に基づき、前記測定信号の生成を開始するよう前記測定信号生成手段を制御するとともに、前記書込み処理を実行するよう前記記憶制御手段を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記事前処理を前記記憶制御手段に実行させるための指令を前記外部装置から受信した場合に前記事前処理を実行し、前記測定信号の書込みを開始させるための指令を前記外部装置から受信した場合には、前記事前処理をすることなく前記測定信号の書込みを開始するよう前記記憶制御手段を制御することを特徴とする。
この構成により、外部装置から測定信号の生成を開始するよう指令を受信した場合には、生成した測定信号を直ちに記憶手段に書込み開始することができるので、記憶手段に記憶された測定信号の測定開始時間を正確に把握することが可能となる。また、複数の信号取得装置が測定信号の書込み開始の指令を同時に受信した場合には、測定信号がそれぞれの記憶手段に同時に書込まれ始めるので、それぞれの記憶手段に記憶された測定信号を同期させることが可能となる。
上記(8)に記載の信号取得装置において、(9)前記信号取得装置の制御手段は、前記測定信号生成手段により生成された測定信号を前記記憶手段に書込むよう前記記憶制御手段を制御するとともに、リアルタイムで前記固定側制御装置に無線送信するよう前記測定信号送信手段を制御することを特徴とする。
この構成により、測定中においても外部装置により測定信号を無線通信により取得することができるので、信号取得装置が正常に測定を行っていることを有線接続することなく外部から確認することが可能となる。
上記(8)または(9)に記載の信号取得装置において、(10)前記事前処理を実行させるための指令は、前記記憶手段において書込みが不可能な不良部位を前記記憶制御手段に検出するよう要求する指令を含むことを特徴とする。
この構成により、信号取得装置の事前確認において、所要時間の変動が大きい不良部位の検出を完了することができる。したがって、外部装置から測定信号の生成を開始するよう指令を受信した場合には、生成した測定信号を直ちに記憶手段に記憶することができるので、記憶手段に記憶された測定信号の測定開始時間を正確に把握することが可能となる。
本発明によれば、運動体に設置され無線通信により接続された信号取得装置を含む複数の信号取得装置により取得される測定信号を互いに同期させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る信号取得システムを示す概略構成図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る信号取得システムを示す概略構成図である。
信号取得システム1は、データロガーを構成する複数の信号取得装置2、12と、信号取得装置2、12が測定信号の取得を開始したり終了したりするよう無線により信号取得装置2、12に指令を送信するホストコンピュータ21と、を備えている。
信号取得装置2、12は、車両に搭載されるシャフトや円盤など、所定の回転運動を行う被検査物としての運動体の運動状態を測定し、状態を表す信号を測定信号として後述するホストコンピュータ21に無線で送信するようになっている。なお、信号取得装置2、12は、円盤31、32の回転速度や応力など温度以外の運動状態を取得するようにしてもよい。
以下、信号取得装置2、12がクラッチ板やフライホイールなどを構成する円盤31、32にそれぞれ設置され、この円盤31、32の温度を測定する場合について説明する。また、本実施の形態においては、信号取得システム1が2つの信号取得装置2、12を備える場合について説明する。なお、円盤31、32が、クラッチ板やフライホイールを構成する以外に、その他の車両の部品を構成してもよい。
信号取得装置2は、アナログ信号としてセンサ8により取得された円盤31の温度を表す測定信号を、デジタルの測定信号に変換するA/Dコンバータ3と、デジタル信号に変換された測定信号を記憶するメモリ5と、A/Dコンバータ3から出力された測定信号をメモリ5へ書込んだり、メモリ5に記憶された測定データを読出したりする専用処理装置としてのCPLD(Complex Programmable Logic Device)4と、後述するホストコンピュータ21に無線で測定信号を送信する無線アンテナ7と、全体的な制御を行うとともに後述する処理を実行するCPU(Central Processing Unit)6と、センサ8により入力されたアナログ信号を増幅する図示しないアンプと、を備えている。
また、信号取得装置12も同様に、センサ18から入力された測定信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ13と、メモリ15と、CPLD14と、無線アンテナ17と、制御手段としてのCPU16と、を備えている。なお、信号取得装置2、12の構成はほぼ同一であるため、以下の説明では、信号取得装置2、12をそれぞれ区別して説明する必要がある場合を除き、信号取得装置2を例にとり説明する。
無線アンテナ7は、例えば、1/4λホイップアンテナにより構成されており、図示しない無線通信モジュールと接続されている。無線通信モジュールは、メモリ5またはCPU6から測定データを取得すると、無線通信に適した変調方式で変調し、無線アンテナ7に無線信号として出力するようになっている。無線通信モジュールは、例えば、公知の無線通信技術を用いた2.4GHz帯の通信機器により構成されている。
CPU6は、ホストコンピュータ21から、測定信号のメモリ5に対する書込み開始および書込み終了を表す信号を無線アンテナ7を介して取得すると、CPLD4を制御して測定信号のメモリ5への書込みを実行したり終了したりする。
また、CPU6は、A/Dコンバータ3により出力された測定信号が無線アンテナ7を介してリアルタイムでホストコンピュータ21に送信されるよう、CPLD4および図示しない無線通信モジュールを制御するようになっている。ここで、本実施の形態に係る無線アンテナ7および無線通信モジュールは、本発明に係る測定信号送信手段を構成する。
また、CPU6は、ホストコンピュータ21からの指令により、円盤31の温度の測定が終了した後に、メモリ5に書込まれた測定データを一括してホストコンピュータ21に送信するよう、CPLD4および図示しない無線通信モジュールを制御するようになっている。
メモリ5は、例えば、公知のフラッシュメモリにより構成されており、複数のメモリセルにより構成される複数のブロックを有している。
フラッシュメモリは、一般に不良部位として、製造過程で発生する初期の不良ブロックを有しており、また、不良ブロックが経時的に増加する可能性がある。したがって、CPU6は、後述するメモリ指令要求がホストコンピュータ21から無線により入力されると、正常にデータの書込み等を行えないブロック、すなわち不良ブロックの検出をCPLD4に実行させるようになっている。
フラッシュメモリの不良ブロックは、例えば、CPLD4が各ブロックの管理情報領域に記憶されている管理情報を取得した際に、これらの管理情報にエラーが含まれているか否かを判断することにより検出される。具体的には、CPLD4は、CPU6からメモリ確認指令を取得すると、各ブロックの管理情報領域にアクセスし、管理情報を取得する。その結果、ブロックの不良に起因して管理情報に誤りが生じており、かつ、この誤りが訂正不可能であるならば、CPLD4は、このブロックを不良ブロックであると判断する。
CPLD4は、不良ブロックを検出した場合には、図示しないステータス記憶用メモリに記憶されたブロックステータスにアクセスし、この不良ブロックに対応するブロックステータスに不良ブロックであることを示すフラグを設定するようになっている。CPLD4は、測定信号の書込み時には、このブロックステータスを参照し、不良であることを示すフラグが設定されたブロック以外の良ブロックに書込むようになっている。
なお、経時的な不良ブロックの発生は、同一ブロックに対するデータの書込みおよび読出しの繰り返しに起因する可能性が高い。したがって、CPLD4は、経時的な不良ブロックの発生率を低下させるために、測定信号を書込むブロックを測定毎に変更するなど、公知のメモリ制御を行うようにしてもよい。ここで、本実施の形態に係るCPLD4は、本発明に係る記憶制御手段を構成する。
さらに、信号取得装置2は、CPU6などに電力を供給するための電源供給装置9を備えている。電源供給装置9は、回転側の電磁結合コイル、電磁誘導回路、充電回路およびバッテリーにより構成されている。また、信号取得装置12も、同様の構成を有する電源供給装置19を備えている。
電源供給装置9の電磁結合コイルは、例えば、後述するホストコンピュータ21側の電磁結合コイルとの間隔が2mm以下となった場合に、ホストコンピュータ21側の電磁結合コイルと電磁誘導により結合するようになっている。したがって、信号取得装置2は、円盤31の回転により電源供給装置9の電磁結合コイルとホストコンピュータ21側の電磁結合コイルとが接近し、電磁誘導による結合が発生するごとにホストコンピュータ21から電力を供給される。
電磁誘導回路は、公知の整流回路や平滑回路を有しており、電源供給装置9の電磁結合コイルに生じた起電力に応じた電力を出力するようになっている。充電回路は、電磁誘導回路から出力された電力を、バッテリーに充電するようになっている。
センサ8は、例えば、円盤31の温度に応じた電圧を発生する熱電対により構成されている。熱電対は図示しないアンプを介してA/Dコンバータ3と接続されており、熱電対により発生された電圧が測定信号としてA/Dコンバータ3に入力されるようになっている。なお、本実施の形態に係るセンサ8、18およびA/Dコンバータ3、13は、本発明に係る測定信号生成手段を構成する。
固定側制御装置としてのホストコンピュータ21は、車両のシャシやボディにおいて、回転運動を行わない部材、すなわち静止部材に設置されている。また、ホストコンピュータ21は、通信アダプタ22と接続されており、信号取得装置2、12および図示しない他のデータ取得装置から通信アダプタ22を介してリアルタイムで、および測定終了後において測定信号を受信するようになっている。
通信アダプタ22は、静止部材に設置された無線アンテナ23、24と接続されており、信号取得装置2、12の無線アンテナ7、17により無線信号としてそれぞれ送信された測定信号を、無線アンテナ23、24を介してそれぞれ取得し、ホストコンピュータ21に転送するようになっている。
無線アンテナ23、24は、図示しない無線通信モジュールと接続されている。無線通信モジュールは、無線アンテナ23、24から取得した測定データに対し、周波数変換や増幅などを行い、通信アダプタ22を介してホストコンピュータ21に出力するようになっている。無線通信モジュールは、例えば、公知の無線通信技術を用いた2.4GHz帯の通信機器により構成されている。また、この通信モジュールは、ホストコンピュータ21から信号取得装置2、12に対し後述するメモリ確認指令や測定開始指令を送信する際に、これらの指令を表す信号を2.4GHz帯の信号に変換して、無線アンテナ23、24に送信するようになっている。
また、ホストコンピュータ21は、図示しない充電装置と接続されている。この充電装置は、コントローラおよびホストコンピュータ21側の電磁結合コイルを有しており、信号取得装置2、12からホストコンピュータ21に対し充電要求を表す信号が送信された場合には、ホストコンピュータ21は、ホストコンピュータ21側の電磁結合コイルに電流が供給されるようコントローラを制御し、電源供給装置9の電磁結合コイルとホストコンピュータ21側の電磁結合コイルとが2mm以下に接近した際に電磁誘導により結合されるようになっている。
信号取得装置2の無線アンテナ7と、ホストコンピュータ21に接続された無線アンテナ23との間の電波状態は、アンテナの指向性や、円盤31の回転角度によって変化する。したがって、図示しない無線通信モジュールは、電波状態が悪化した場合に送信する測定データを間引き、無線アンテナ7から無線アンテナ23への転送レートを下げるようにしてもよい。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る信号取得システムの特徴的な構成について、図1および図2を参照して説明する。
信号取得システム1を構成するホストコンピュータ21のCPUは、メモリ5、15における書込み開始前の事前処理をCPLD4、14に実行させるための指令を複数の信号取得装置2、12のCPU6、16にそれぞれ無線送信し、それぞれのCPLD4、14による事前処理の実行が終了したことを条件に、センサ8、18およびA/Dコンバータ3、13による測定信号の生成の開始およびCPLD4、14による測定信号のメモリ5、15への書込みの開始を実行するよう複数の信号取得装置2、12のCPU6、16に指令を無線送信するようになっている。
具体的には、ホストコンピュータ21のCPUは、信号取得装置2、12に測定条件が設定されたことを確認すると、無線アンテナ23、24を介して信号取得装置2、12に書込みの開始準備をする事前処理として、メモリ5、15の不良ブロックを検出するようメモリ確認指令を送信する。
図2(a)は、少数の不良ブロックを含むメモリを示す図であり、図2(b)は、多数の不良ブロックを含むメモリを示す図である。
図2(a)および(b)に複数の升目で示すブロックを有するメモリには、ブロックの一部にかかる不良領域35が形成されており、この不良領域35にかかっているブロックが不良ブロックとして扱われる。
図2(a)に示すような不良領域35の少ない、すなわち不良ブロックの少ないメモリAに対するメモリ確認には、約60msec必要とする。これに対し、図2(b)に示すような不良領域35の多い、すなわち不良ブロックの多いメモリBに対するメモリ確認には、約90msec必要とする。つまり、不良ブロックの検出には、個体差に応じて30msecの差が生じることがある。
このため、本実施の形態に係る信号取得システムにおいては、ホストコンピュータ21(図1参照)のCPUは、測定開始前に予め各信号取得手段に対しメモリ確認指令を送信するようになっている。また、ホストコンピュータ21は、信号取得装置2、12のいずれからもメモリ確認が終了したことを表す確認完了信号を受信したことを条件に、すなわち、CPLD4、14による事前処理の実行が終了したことを条件に、各信号取得装置2、12に対して測定開始指令を送信するようになっている。したがって、ホストコンピュータ21が各信号取得装置2、12に測定開始指令を送信する際には、各メモリの個体差によって生じる30msecの時間差がすでに解消されていることとなる。
図1に戻り、各信号取得装置2、12は、ホストコンピュータ21から測定開始指令を受信した際には、上記のようにすでにメモリ5、15の不良ブロックの検出を終了しているので、即座に測定開始を実行することが可能となる。
この場合、信号取得装置2と信号取得装置12との間において、測定開始指令を受信してからデータの書込みおよび送信を開始するまでにかかる時間の差は、0μsec〜5μsecとなる。この5μsecの時間差は、周波数領域において200KHzに相当するが、本実施の形態に係るA/Dコンバータ3、13の通常のサンプリング周波数である100KHzと比較して十分大きい値であるため、測定信号のサンプリングの結果にほぼ影響を及ぼさない。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る信号取得システムにおけるシーケンス図である。
ホストコンピュータ21は、信号取得装置2および12における測定条件を入力される(ステップS11)。具体的には、ホストコンピュータ21は、信号取得装置2および12において測定時に使用するサンプリング周波数、チャンネル数、および取得した信号に対するゲインを図示しないメモリに記憶する。これらの設定条件は、利用者によりキーボードなどの入力装置を介して入力されるようになっている。
次に、ホストコンピュータ21は、入力された測定条件を無線通信によって各信号取得装置2および12に送信する(ステップS12)。
具体的には、ホストコンピュータ21のCPUは、測定条件を表す信号を通信アダプタ22を介して図示しない無線通信モジュールに伝送する。無線通信モジュールは、伝送された信号を、2.4GHz帯の高周波信号に変換し、無線高周波信号として無線アンテナ23および24から信号取得装置2および12にそれぞれ送信する。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、測定条件の設定を行う(ステップS13)。具体的には、まず、信号取得装置2、12の無線アンテナ7、17は、ステップS12において無線アンテナ23、24から送信された無線高周波信号をそれぞれ受信し、図示しない無線通信モジュールに高周波信号として入力する。無線通信モジュールは、入力された高周波信号から測定条件を表すもとの信号を生成する。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、無線通信モジュールにより生成された信号に応じてサンプリング周波数、チャンネル数、およびゲインを決定し、A/Dコンバータ3、13にこれらの測定条件を設定する。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、測定条件の設定が完了したことを表す設定完了信号をホストコンピュータ21のCPUにそれぞれ送信する(ステップS14)。
具体的には、信号取得装置2、12のCPU6、16は、A/Dコンバータ3、13に対するサンプリング周波数などの各測定条件の設定が終了すると、図示しない無線通信モジュールに設定完了信号を出力する。無線通信モジュールは、設定完了信号を2.4GHzの高周波信号に変換し、無線高周波信号として無線アンテナ7、17を介して送信する。
次に、ホストコンピュータ21のCPUは、設定完了の確認を実行する(ステップS15)。
具体的には、ステップS14において信号取得装置2、12の無線アンテナ7、17から送信された無線高周波信号は、無線アンテナ23、24によりそれぞれ受信され、図示しない無線通信モジュールによりもとの設定完了信号に変換される。そして、ホストコンピュータ21のCPUは、無線通信モジュールからこの設定完了信号を取得する。
また、ホストコンピュータ21のCPUは、すべての信号取得装置から設定完了信号を取得したか否かを判断する。本実施の形態においては、ホストコンピュータ21のCPUは、信号取得装置2および12のいずれからも設定完了信号を取得したか否かを判断する。ホストコンピュータ21のCPUは、信号取得装置2、12のいずれからも設定完了信号を取得したと判断すると、設定完了の確認を終了する。
次に、ホストコンピュータ21のCPUは、メモリ確認指令を無線通信によって信号取得装置2、12に送信する(ステップS16)。ホストコンピュータ21から各信号取得装置2、12へのメモリ確認指令の送信手順は、上述のステップS12における測定条件の無線送信と同様に行われる。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、不良ブロックの検出を実行する(ステップS17)。
具体的には、信号取得装置2、12のCPU6、16は、メモリ確認指令を表す信号を取得すると、CPLD4、14に対し、メモリ5、15の不良ブロックの検出をそれぞれ開始するよう制御する。
具体的には、信号取得装置2、12のCPU6、16は、メモリ確認指令を表す信号を取得すると、CPLD4、14に対し、メモリ5、15の不良ブロックの検出をそれぞれ開始するよう制御する。
不良ブロックの検出方法は、上記のように、各ブロックの管理情報領域にアクセスし、これらの管理情報領域に記録されている管理情報に訂正不可能なエラーが含まれているか否かにより判断するなど、公知の検出方法に従って行われる。
次に、信号取得装置2、12のCPLD4、14は、不良ブロックを記憶する(ステップS18)。具体的には、不良ブロックを検出すると、CPLD4、14が備える図示しないステータス記憶用メモリにおいて、不良ブロックのアドレスに対応するブロックステータスに不良ブロックを表すフラグを設定する。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、CPLD4、14による不良ブロックの検出が終了すると、確認完了信号を送信する(ステップS19)。
具体的には、信号取得装置2、12のCPU6、16は、CPLD4、14から不良ブロックの検出終了の信号を取得すると、ホストコンピュータ21に対して確認完了信号を送信する。この送信手順は、上述のステップS14における設定完了信号の送信と同様に実行される。
次に、ホストコンピュータ21のCPUは、すべての信号取得装置2、12から確認完了信号を取得したか否かを判断する。ホストコンピュータ21のCPUは、すべての信号取得装置2、12から確認完了信号を取得したと判断すると、確認完了手続きを終了する(ステップS20)。
次に、ホストコンピュータ21のCPUは、測定開始指令を送信する(ステップS21)。具体的には、ホストコンピュータ21のCPUは、測定開始指令を表す信号を通信アダプタ22を介して図示しない無線通信モジュールに送信する。無線通信モジュールは、伝送された信号を2.4GHz帯の高周波信号に変換し、無線アンテナ23および24から無線高周波信号として信号取得装置2、12にそれぞれ送信する。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、円盤31、32の温度の測定をそれぞれ開始する(ステップS22)。
具体的には、信号取得装置2、12のCPU6、16は、無線アンテナ7、17を介して測定開始指令を表す信号を取得すると、センサ8、18により入力されるアナログ信号をサンプリングするようA/Dコンバータ3、13を制御する。そして、A/Dコンバータ3、13は、ステップS13で設定されたサンプリング周波数を用いて、センサ8から入力されたアナログ信号をサンプリングし、デジタルの測定信号としてCPLD4、14に出力する。
そして、CPLD4、14は、取得した測定信号をメモリ5、15に書込む。このとき、CPLD4、14は、ステータス記憶用メモリに記憶された不良ブロックを表すフラグを参照し、不良ブロック以外のブロックに測定信号を書込む。
この時、信号取得装置2、12においては、すでに不良ブロックの検出が終了しているので、測定信号がメモリ5、15に同時に書込まれ始める。
同時に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、CPLD4、14が取得したデジタルの測定信号を、図示しない無線通信モジュールにより無線高周波信号に変換し、無線アンテナ7、17を介して送信する(ステップS23)。
また、ホストコンピュータ21は、信号取得装置2、12に測定停止指令を無線送信するとともに、メモリ5、15に記憶された測定信号を無線通信により送信するよう転送指令を無線送信する。なお、ホストコンピュータ21は、信号取得装置2、12に測定停止指令を送信する代わりに、ステップS12の測定条件に測定時間を含めるようにしてもよい。
図9は、事前処理が実行される前に測定開始指令を行う従来の信号取得システムのシーケンス図であり、ここで従来の信号取得システムについて説明する。なお、従来の信号取得システムが備えるホストコンピュータ81および信号取得装置71、72の構成は、上述した信号取得システム1のホストコンピュータ21および信号取得装置2、12と同様とする。
ホストコンピュータ81のCPUは、ステップS31ないしステップS35において、信号取得装置71、72に測定条件の設定を行うため、上述したステップS11ないしステップS15と同様の処理を実行する。
次に、従来のホストコンピュータ81のCPUは、信号取得装置71、72に対し、測定開始指令を無線通信により送信する(ステップS36)。
信号取得装置71のCPUは、ホストコンピュータ81から測定開始指令を受信すると、事前処理として不良ブロックの検出を開始する(ステップS37)。次に、信号取得装置71のCPLDは、ステップS37において検出された不良ブロックのアドレスを図示しないステータス記憶用メモリに記憶する(ステップS38)。
そして、信号取得装置71のCPUは、円盤の温度の測定を開始し(ステップS39)、測定データをメモリに記憶するとともに、高周波信号としてホストコンピュータ81に送信する(ステップS40)。
一方、信号取得装置72のCPUも、ホストコンピュータ81からの測定開始指令を、信号取得装置71とほぼ同時に受信すると、事前処理として不良ブロック検出を開始する(ステップS41)。このとき、信号取得装置71のメモリに含まれる不良ブロック数と信号取得装置72のメモリに含まれる不良ブロック数は一般に異なっている。例えば、信号取得装置72のメモリに含まれる不良ブロック数が、信号取得装置71のメモリに含まれる不良ブロック数よりも多いとする。この場合、信号取得装置72がステップS41において実施する不良ブロックの検出に要する時間は、信号取得装置71がステップS37において実施する不良ブロックの検出に要する時間よりも長くかかることとなる。
その結果、ステップS39において信号取得装置71が測定を開始し、測定信号をメモリに書込み開始する時間と、ステップS43において信号取得装置72が測定を開始し、測定信号としてメモリに書込み開始する時間とは、事前処理にかかる時間差ΔTが解消されずにそのまま残ることとなる。同様に、信号取得装置71が測定データをホストコンピュータ81に送信開始する時間と、信号取得装置72が測定データをホストコンピュータ81に送信開始する時間も、ΔTの差が生じることとなる。
したがって、従来の信号取得システムにおいては、事前処理が実行される前に測定開始指令を行うため、各信号取得装置71、72の同期を取ることができない。このため、ホストコンピュータ81においてリアルタイムでこれらの測定データを同期させて解析したり、測定終了後にホストコンピュータ81が各信号取得装置71、72のメモリに記憶された測定データを取得し、取得した測定データを同期させてデータ解析することが困難であった。
図3に再び戻り、本実施の形態における信号取得システムは、従来の信号取得システムに対し、上述のように、ホストコンピュータ21のCPUが、各信号取得装置2、12に対して測定条件の設定を行うと、測定開始指令を送信する前に、これらの信号取得装置2、12に対してメモリ確認指令を送信するようになっている。
この結果、信号取得装置2、12において、ホストコンピュータ21から測定開始指令を受信すると、いずれの信号取得装置2、12においても即座に測定を開始することができるので、メモリへの測定信号の書込みを同時に開始することが可能となるとともに、ホストコンピュータ21に対するデータ送信の開始も同時に開始することが可能となる。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る信号取得システムの設置例を示す図である。
この設置例において、信号取得装置61、62は、左右のドライブシャフト63L、63Rにそれぞれ設置され、それぞれのドライブシャフト63L、63Rの回転速度、応力、またはトルクなどを測定するようになっている。
ホストコンピュータ64は、上述した方法により、信号取得装置61、62から無線によりリアルタイムで測定データを取得することができる。したがって、利用者は、測定中においても測定が正常に行われているか否かをホストコンピュータ64の画面により確認することが可能となる。
また、ホストコンピュータ64は、上述した方法により、信号取得装置61および62に対して同時に測定データの書込みを開始させることができるので、測定終了後に信号取得装置61および62のメモリにそれぞれ記憶されている測定信号を取得した際に、それぞれの測定信号の時間合わせを容易に行うことが可能となる。したがって、ホストコンピュータ64は、信号取得装置61および62からそれぞれ取得した測定データに基づいて、左側のドライブシャフト63Lと右側のドライブシャフト63Rとにおける速度変動、応力変動またはトルク変動などの相関関係を正確に算出することができる。
なお、図4に示した信号取得システムの設置例は、測定を実施する際にのみ車載される構成を示した。しかしながら、本実施の形態に係る信号取得システムは、車両に常時搭載されるための構成を有するようにしてもよい。この場合、車載されているいずれかの既存のECUがホストコンピュータを代用するようにするのが好ましい。
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係る信号取得システム1は、ホストコンピュータ21が複数の信号取得装置2、12のCPU6、16に円盤31、32の状態の測定開始を指令すると、それぞれの信号取得装置2、12における測定信号のメモリ5、15への書込みの開始を同時に開始することが可能となる。これにより、それぞれのメモリ5、15に書込まれる測定信号が互いに同期されるので、結果として、複数の信号取得装置2、12により取得された測定信号を互いに同期させることができる。
また、測定中においてもホストコンピュータ21が測定信号を無線通信により取得することができるので、複数の信号取得装置2、12が正常に測定を行っていることを有線接続することなく確認することが可能となる。また、ホストコンピュータ21と信号取得装置2、12とを有線接続することなくホストコンピュータ21から信号取得装置2、12に測定終了の指令を送信することが可能となる。したがって、有線接続をする場合と異なり、信号取得装置2、12が設置された円盤31、32の運動中においても測定終了の指令を送信することができる。
また、ホストコンピュータ21が複数の信号取得装置2、12から取得した測定信号に異常が発生していないか否かを測定中においてもモニタにより常時確認することが可能となる。また、信号取得装置2、12による円盤31、32の状態の測定終了後に、それぞれの信号取得装置2、12に有線接続することなく測定信号を回収することが可能となる。
なお、上述した実施の形態においては、ホストコンピュータ21が、円盤31、32などの運動体に設置された信号取得装置2、12からそれぞれ信号を取得する場合について説明しているが、これに限定されず、次に説明する第2の実施の形態のように、本発明に係るホストコンピュータ21が運動体に固定された信号取得装置および静止部材に固定された信号取得装置から無線通信および有線通信によりそれぞれ信号を取得するようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る信号取得システムについて、図5ないし図8を参照して説明する。
本発明の第2の実施の形態に係る信号取得システムについて、図5ないし図8を参照して説明する。
なお、第2の実施の形態に係る信号取得システムの構成は、上述の第1の実施の形態に係る信号取得装置の構成とほぼ同様であり、各構成要素については、図1に示した第1の実施の形態と同様の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る信号取得システムを示す概略構成図である。
本実施の形態において、信号取得システム41のホストコンピュータ21は、信号取得装置2および12から無線通信により測定データを取得する。
信号取得システム41は、さらに、車両のシャシやボディなど回転運動を行わない静止部材に固定された静止用の信号取得装置42を備えており、ホストコンピュータ21は、信号取得装置42から通信アダプタ22を介して有線通信により測定信号を取得したり各指令を送信したりするようになっている。信号取得装置42は、設置される静止部材または静止部材の近傍に位置する運動体などの部材の状態を表す信号を測定信号として取得するようになっており、信号取得装置2と同様に、A/Dコンバータ、CPLD、メモリ、CPUを備えている。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る信号取得システムの特徴的な構成について、図5を参照して説明する。
ホストコンピュータ21のCPUが、信号取得装置2、12および42に測定開始指令を送信した場合、無線通信により測定開始指令を受信する信号取得装置2、12と、有線通信により測定開始指令を受信する信号取得装置42では、測定開始指令が到達する時刻が異なる。そのため、信号取得装置2、12のメモリ5、15に記憶された測定信号と、信号取得装置42の図示しないメモリに記憶された測定信号とは、測定開始時刻が互いにずれている。
そこで、本実施の形態におけるホストコンピュータ21のCPUは、円盤31、32に設置された信号取得装置2、12において測定信号の書込みが開始されるタイミングで同期トリガ信号が信号取得装置42に到達するよう同期トリガ信号を生成するようになっている。
また、信号取得装置42の図示しないメモリは、センサ48により取得した測定信号と併せて、ホストコンピュータ21から取得した同期トリガ信号を記憶するようになっている。したがって、測定終了後に各信号取得装置2、12に記憶された測定信号の時間を同期させてデータ解析する際に、互いの測定信号において測定時間が一致している時点を容易に識別することが可能となり、正確なデータ解析を実行することができる。
同期トリガ信号は、ホストコンピュータ21のCPUにより送信された各指令が信号取得装置2、12に到達する時間と、信号取得装置42に到達する時間との差を予め実験的な測定により求めておき、ホストコンピュータ21のCPUが各指令を信号取得装置2、12および42に送信した後、この求められた時間差が経過した時点で生成されるようにする。
したがって、本実施の形態に係るホストコンピュータ21は、センサ8、18およびA/Dコンバータ3、13による測定信号の生成の開始およびCPLD4、14による測定信号のメモリ5、15への書込みの開始を実行するよう複数の信号取得装置2、12および42のCPUに指令を送信した後、信号取得装置2、12および42のうち測定信号のメモリへの記憶の開始が遅く開始される方において記憶が開始されるタイミングで、早く開始される方に同期トリガ信号が到達するよう、同期トリガ信号を生成し送信するようになっている。つまり、本発明において、信号取得装置および静止用信号取得装置のいずれもが測定信号の記憶手段への書込みを開始可能となったタイミングを示す同期トリガ信号を送信するとは、同期トリガ信号の伝送に必要な所要時間も考慮して送信することを意味する。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る測定データと同期トリガ信号との時間関係を表す図である。
図6(a)は、メモリ5または15に記憶される測定信号を表している。図6(b)は、1Vのステップ信号により形成された同期トリガ信号を表している。図6(c)は、信号取得装置42のメモリに記憶される測定信号を表している。
ホストコンピュータ21のCPUが測定開始指令を送信すると、ホストコンピュータ21と有線通信により信号の送受信を行う信号取得装置42は、時刻T0において測定信号の記憶を開始する(実線53参照)。これに対し、ホストコンピュータ21と無線通信により信号の送受信を行う信号取得装置2、12は、時刻T1において測定信号の記憶が開始される(実線51参照)。
ここで、ホストコンピュータ21のCPUは、信号取得装置42への信号到達時間を考慮して、時刻T1において同期トリガ信号が信号取得装置42に到達するよう、同期トリガ信号を生成する(実線52参照)。
信号取得装置42は、時刻T1における測定信号と対応付けて同期トリガ信号を記憶するようになっている。
したがって、利用者が、測定終了後に各信号取得装置2、12および42のメモリに記憶された測定信号を同期させて周波数解析などのデータ解析を行う際に、信号取得装置42のメモリに記憶されている測定信号のうち、同期トリガ信号と対応付けられた時刻の測定信号を、信号取得装置2、12のメモリ5、15に記憶された測定信号のうち先頭の測定信号と時間軸上で一致させることにより、各測定信号の時間を一致させることが可能となり、正確なデータ解析を行うことが可能となる。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る信号取得システムにおけるシーケンス図である。
まず、ホストコンピュータ21は、信号取得装置2および12における測定条件を入力する(ステップS51)。具体的には、ホストコンピュータ21は、信号取得装置2および12において測定時に使用するサンプリング周波数、チャンネル数、および取得した信号に対するゲインを図示しないメモリに記憶する。これらの設定条件は、利用者によりキーボードなどの入力装置を介して入力されるようになっている。
次に、ホストコンピュータ21は、入力された測定条件を無線通信によって各信号取得装置2、12に送信する(ステップS52)。
具体的には、ホストコンピュータ21のCPUは、測定条件を表す信号を通信アダプタ22を介して図示しない無線通信モジュールに伝送する。無線通信モジュールは、伝送された信号を、2.4GHz帯の高周波信号に変換し、無線高周波信号として無線アンテナ23および24から信号取得装置2および12にそれぞれ送信する。同時に、ホストコンピュータ21は、通信アダプタ22を介して信号取得装置42に測定条件を表す信号を有線通信により送信する。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、測定条件の設定を行う(ステップS53)。具体的には、まず、信号取得装置2、12の無線アンテナ7、17は、ステップS52において無線アンテナ23、24から送信された無線高周波信号をそれぞれ受信し、図示しない無線通信モジュールに高周波信号として入力する。無線通信モジュールは、入力された高周波信号から測定条件を表すもとの信号を生成する。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、無線通信モジュールにより生成された信号に応じてサンプリング周波数、チャンネル数、およびゲインを決定し、A/Dコンバータ3、13にこれらの測定条件を設定する。同様に、信号取得装置42のCPUは、サンプリング周波数、チャンネル数、およびゲインを決定し、A/Dコンバータに設定する。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、測定条件の設定が完了したことを表す設定完了信号をホストコンピュータ21のCPUにそれぞれ送信する(ステップS54)。
具体的には、信号取得装置2、12のCPU6、16は、A/Dコンバータ3、13に対するサンプリング周波数などの各測定条件の設定が終了すると、図示しない無線通信モジュールに設定完了信号を出力する。無線通信モジュールは、設定完了信号を2.4GHzの高周波に変換し、無線高周波信号として無線アンテナ7、17を介して送信する。また、信号取得装置42は、有線通信により通信アダプタ22を介して設定完了信号をホストコンピュータ21のCPUに送信する。
次に、ホストコンピュータ21のCPUは、設定完了の確認を実行する(ステップS55)。
具体的には、ステップS54において信号取得装置2、12の無線アンテナ7、17から送信された無線高周波信号は、無線アンテナ23、24によりそれぞれ受信され、図示しない無線通信モジュールにより設定完了信号に変換される。そして、ホストコンピュータ21のCPUは、無線通信モジュールからこの設定完了信号を取得する。
また、ホストコンピュータ21のCPUは、通信アダプタ22を介して信号取得装置42から設定完了信号を取得する。
また、ホストコンピュータ21のCPUは、すべての信号取得装置2、12および42から設定完了信号を取得したか否かを判断する。本実施の形態においては、ホストコンピュータ21のCPUは、信号取得装置2、12および42のいずれからも設定完了信号を取得したか否かを判断する。ホストコンピュータ21のCPUは、信号取得装置2、12および42のいずれからも設定完了信号を取得したと判断すると、設定完了の確認を終了する。
次に、ホストコンピュータ21のCPUは、メモリ確認指令を無線通信によって信号取得装置2、12に送信する(ステップS56)。ホストコンピュータ21から各信号取得装置2、12へのメモリ確認指令の送信手順は、上述のステップS12における測定条件の無線送信と同様に行われる。また、ホストコンピュータ21のCPUは、信号取得装置42に対し、メモリ確認指令を有線通信によって送信する。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、不良ブロックの検出を実行する(ステップS57)。
具体的には、信号取得装置2、12のCPU6、16は、メモリ確認指令を表す信号を取得すると、CPLD4、14に対し、メモリ5、15の不良ブロックの検出をそれぞれ開始するよう制御する。同様に、信号取得装置42のCPUは、メモリ確認指令を表す信号を取得すると、CPLDに対し、メモリの不良ブロックの検出を開始するよう制御する。
次に、信号取得装置2、12のCPLD4、14は、不良ブロックを記憶する。具体的には、不良ブロックを検出すると、CPLD4、14が備える図示しないステータス記憶用メモリにおいて不良ブロックのアドレスに対応するブロックのステータスに不良ブロックを表すフラグを設定する(ステップS58)。また、信号取得装置42のCPLDも、メモリのステータス記憶領域に不良ブロックのアドレスを記憶する。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、CPLD4、14による不良ブロックの検出が終了すると、確認完了信号を送信する(ステップS59)。
具体的には、信号取得装置2、12のCPU6、16は、CPLD4、14から不良ブロックの検出終了の信号を取得すると、ホストコンピュータ21に対して確認完了信号を送信する。この送信手順は、上述のステップS14における設定完了信号の送信と同様に実行される。一方、信号取得装置42のCPUは、有線通信によりホストコンピュータ21に対して確認完了信号を送信する。
次に、ホストコンピュータ21のCPUは、すべての信号取得装置2、12および42から確認完了信号を取得したか否かを判断する。ホストコンピュータ21のCPUは、信号取得装置2、12および42のいずれからも確認完了信号を取得したと判断すると、確認完了手続きを終了する(ステップS60)。
次に、ホストコンピュータ21のCPUは、測定開始指令を送信する(ステップS61)。具体的には、ホストコンピュータ21のCPUは、測定開始指令を表す信号を通信アダプタ22を介して図示しない無線通信モジュールに送信する。無線通信モジュールは、伝送された信号を2.4GHz帯の高周波信号に変換し、無線アンテナ23および24から無線高周波信号として信号取得装置2、12にそれぞれ送信する。また、ホストコンピュータ21のCPUは、有線通信により信号取得装置42に測定開始指令を送信する。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、円盤31、32の温度の測定をそれぞれ開始する(ステップS62)。具体的には、信号取得装置2、12のCPU6、16は、無線アンテナ7、17を介して測定開始指令を表す信号を取得すると、センサ8、18により入力されるアナログ信号をサンプリングするようA/Dコンバータ3、13を制御する。そして、A/Dコンバータ3、13は、ステップS53で設定されたサンプリング周波数を用いて、センサ8から入力されたアナログ信号をサンプリングし、デジタルの測定信号としてCPLD4、14に出力する。
なお、上記のとおり、この時点では信号取得装置42において測定信号のメモリへの書込みが既に開始されている。
また、ホストコンピュータ21のCPUは、信号取得装置42に対し同期トリガ信号を出力する(ステップS63)。この同期トリガ信号は、上記のように、同期トリガ信号が信号取得装置42に到達した時点においてセンサからA/Dコンバータに入力された測定信号と対応付けられてメモリに記憶される。
次に、信号取得装置2、12のCPU6、16は、測定信号をメモリ5、15に記憶させる(ステップS64)。具体的には、信号取得装置2、12のCPU6、16は、CPLD4、14を制御して、取得した測定信号をメモリ5、15に書込ませる。このとき、CPLD4、14は、ステータス記憶用メモリに記憶された不良ブロックを表すフラグを参照し、測定信号を良ブロックに記憶する。このとき、信号取得装置42のCPUも、測定信号がメモリに記憶されるようA/DコンバータやCPLDを制御する。
次に、信号取得装置2および12のCPU6、16は、CPLD4、14が取得したデジタルの測定信号を、図示しない無線通信モジュールにより無線高周波信号に変換し、無線アンテナ7、17を介して送信する(ステップS65)。同様に、信号取得装置42のCPUは、CPLDが取得した測定信号を有線通信によりホストコンピュータ21に送信する。
次に、ホストコンピュータ21のCPUは、それぞれの信号取得装置2、12および42から取得した測定信号を表示手段としてのディスプレイに表示させる(ステップS66)。このとき、ホストコンピュータ21のCPUは、これらの測定信号を組み合わせてデータ解析を行った結果を表示させるようにしてもよい。
次に、ホストコンピュータ21のCPUは、信号取得装置2、12に対して測定停止指令を無線通信により送信する(ステップS67)。また、ホストコンピュータ21のCPUは、信号取得装置42に対しても有線通信により測定停止指令を送信する。信号取得装置2、12および42のCPUは、測定停止指令を受信したならば、センサ8、18および48により測定された測定信号のメモリへの書込みおよびホストコンピュータ21への送信を停止する(ステップS68)。
次に、ホストコンピュータ21のCPUは、信号取得装置2、12および42に対してデータ転送指令を送信する(ステップS70)。信号取得装置2、12および42は、データ転送指令を受信したならば、それぞれのメモリに記憶された測定信号をホストコンピュータ21に対して送信する(ステップS71)。このとき、信号取得装置42は、測定信号をステップS63により取得した同期トリガ信号と対応付けてホストコンピュータ21に対して送信する。
次に、信号取得装置2、12および42は、メモリに記憶されたすべての測定信号の転送を終了したならば、ホストコンピュータ21に対して送信完了信号を送信する(ステップS72)。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る信号取得システムにおいては、ホストコンピュータ21から信号取得装置2、12および静止用信号取得装置42に送信される指令の到達に時間差が生じる場合においても、早く指令が到達する方のメモリに、遅く指令が到達する方において測定信号の書込みが開始されるタイミングを表す同期トリガ信号を記憶させることができる。したがって、早く指令が到達する方のメモリに記憶された測定信号と、遅く指令が到達する方のメモリに記憶された測定信号とを、記憶された同期トリガ信号を参照することにより同期させることができる。
また、以上の説明においては、ホストコンピュータ21のCPUが静止部材に固定された信号取得装置42に同期トリガ信号を送信する場合について説明したが、これに限定されず、すべての信号取得装置に同期トリガ信号を送信してもよい。また、ホストコンピュータ21から送信される同期信号が、静止部材に固定された信号取得装置42より円盤31、32に設置された信号取得装置2、12に先に到達する場合には、信号取得装置2、12に対して同期トリガ信号を送信するようにする。
なお、以上の説明においては、信号取得システムが運動体に設置される2つの信号取得装置2、12および静止用信号取得装置42と、ホストコンピュータ21とを備える場合について説明したが、これに限定されず、信号取得システムは、以下の設置例に示すように、運動体に設置される信号取得装置と静止用信号取得装置とをそれぞれ1つ以上備えるようにしてもよい。
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る信号取得システムの設置例を示す図である。
この設置例において、信号取得装置65は、運動体としてのクラッチディスクの応力を測定するよう、例えばエンジンの出力軸に設置されている。また、信号取得装置65は、無線通信によりホストコンピュータ70と信号の送受信を行うようになっている。
また、本設置例における信号取得システムは、フライホイール66の面振れを測定するためのギャップセンサ68と、このギャップセンサ68と有線通信により信号の送受信が可能なホストコンピュータ69とを備えている。つまり、静止用信号取得装置としてのギャップセンサ68は、静止部材に設置され、静止部材の近傍に位置するフライホイールの状態を表す信号を測定信号として取得するようになっている。また、ホストコンピュータ69は、エンジンECU(ENG_ECU)67と接続されており、エンジン回転数を表す信号を取得するようになっている。
ホストコンピュータ69および70は、互いに接続されており、それぞれが取得した測定信号を互いに受渡しすることが可能となっている。
また、ホストコンピュータ70は、信号取得装置65に測定開始指令を送信した後、所定の時間が経過したならば、ホストコンピュータ69に対し同期信号を送信するようになっている。これにより、ホストコンピュータ70が信号取得装置65から取得した信号と、ホストコンピュータ69がエンジンECU67およびギャップセンサ68から取得した信号との時間合わせが可能となり、これらの測定信号に基づいて周波数解析などのデータ解析を行うことが可能となる。
以上のように、本発明に係る信号取得システムは、運動体に設置され無線通信により接続された信号取得装置を含む複数の信号取得装置により取得される測定信号を互いに同期させることができるという効果を奏するものであり、車両に設置され車両の運動体の状態を取得する信号取得システムに有用である。
1、41 信号取得システム
2、12、42 信号取得装置
3、13 A/Dコンバータ(測定信号生成手段)
4、14 CPLD(記憶制御手段、専用処理装置)
5、15 メモリ(記憶手段)
6、16 CPU(制御手段)
7、17 無線アンテナ(測定信号送信手段)
8、18 センサ(測定信号生成手段)
9、19 電源供給装置
21 ホストコンピュータ(固定側制御装置)
22 通信アダプタ
23、24 無線アンテナ(受信手段)
31、32 円盤(運動体)
42 信号取得装置(静止用信号取得装置)
48 センサ(測定信号生成手段)
2、12、42 信号取得装置
3、13 A/Dコンバータ(測定信号生成手段)
4、14 CPLD(記憶制御手段、専用処理装置)
5、15 メモリ(記憶手段)
6、16 CPU(制御手段)
7、17 無線アンテナ(測定信号送信手段)
8、18 センサ(測定信号生成手段)
9、19 電源供給装置
21 ホストコンピュータ(固定側制御装置)
22 通信アダプタ
23、24 無線アンテナ(受信手段)
31、32 円盤(運動体)
42 信号取得装置(静止用信号取得装置)
48 センサ(測定信号生成手段)
Claims (10)
- 所定の軌道上を運動するサイクルを繰り返す運動体に設置され、前記運動体と一体に運動しつつ当該運動体の状態を測定信号として取得し、前記測定信号を無線通信で送信可能な複数の信号取得装置と、
静止部材に設置され、前記複数の信号取得装置から無線送信された信号を取得する固定側制御装置と、を備える信号取得システムであって、
前記複数の信号取得装置は、
前記運動体の状態を測定して測定信号を生成する測定信号生成手段と、
前記測定信号生成手段により生成された前記測定信号を記憶する記憶手段と、
前記測定信号を前記固定側制御装置に無線送信するための測定信号送信手段と、
前記記憶手段に対する前記測定信号の書込み処理および書込みの開始準備を行う事前処理を実行する記憶制御手段と、
前記固定側制御装置から無線送信される指令に基づき、前記測定信号の生成を開始するよう前記測定信号生成手段を制御するとともに、前記書込み処理を実行するよう前記記憶制御手段を制御する制御手段と、をそれぞれ有し、
前記固定側制御装置は、前記事前処理を前記記憶制御手段により実行させるための指令を前記複数の信号取得装置の前記制御手段にそれぞれ無線送信し、すべての前記記憶制御手段による前記事前処理の実行が終了したことを条件に、前記測定信号生成手段による測定信号の生成の開始および前記記憶制御手段による前記測定信号の前記記憶手段への書込みの開始を実行させるための指令を前記複数の信号取得装置の制御手段に無線送信することを特徴とする信号取得システム。 - 前記信号取得装置の制御手段は、前記測定信号生成手段により生成された測定信号を前記記憶手段に書込むよう前記記憶制御手段を制御するとともに、リアルタイムで前記固定側制御装置に無線送信するよう前記測定信号送信手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の信号取得システム。
- 前記固定側制御装置は、前記測定信号送信手段からリアルタイムで無線送信された測定信号を表示するための表示手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の信号取得システム。
- 前記固定側制御装置は、前記運動体の状態の測定を終了させるための指令を前記複数の信号取得装置の制御手段に無線送信することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の信号取得システム。
- 前記固定側制御装置は、前記複数の信号取得装置による前記運動体の状態の測定が終了したことを条件に、前記記憶手段に記憶された測定信号を無線送信させるための指令を前記複数の信号取得装置の制御手段に無線送信することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1の請求項に記載の信号取得システム。
- 所定の軌道上を運動するサイクルを繰り返す運動体に設置され、前記運動体と一体に運動しつつ当該運動体の状態を測定信号として取得し、前記測定信号を無線通信で送信可能な信号取得装置と、
静止部材に設置され、前記静止部材または前記静止部材の近傍に位置する部材の状態を表す信号を測定信号として取得し、前記測定信号を有線通信で送信可能な静止用信号取得装置と、
静止部材に設置され、前記信号取得装置から無線送信された信号を取得するとともに、前記静止用信号取得装置から有線送信された信号を取得する固定側制御装置と、を備える信号取得システムであって、
前記信号取得装置は、
前記運動体の状態を測定して測定信号を生成する測定信号生成手段と、
前記測定信号生成手段により生成された前記測定信号を記憶する記憶手段と、
前記測定信号を前記固定側制御装置に無線送信するための測定信号送信手段と、
前記記憶手段に対する前記測定信号の書込み処理および書込みの開始準備をする事前処理を実行する記憶制御手段と、
前記固定側制御装置から無線送信される指令に基づき、前記測定信号の生成を開始するよう前記測定信号生成手段を制御するとともに、前記書込み処理を実行するよう前記記憶制御手段を制御する制御手段と、を有し、
前記静止用信号取得装置は、
前記静止部材または前記静止部材の近傍に位置する部材の状態を測定して測定信号を生成する測定信号生成手段と、
前記測定信号生成手段により生成された前記測定信号を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に対する前記測定信号の書込み処理および書込みの開始準備をする事前処理を実行する記憶制御手段と、
前記固定側制御装置から有線送信される指令に基づき、前記測定信号の生成を開始するよう前記測定信号生成手段を制御するとともに、前記書込み処理を実行するよう前記記憶制御手段を制御する制御手段と、を有し、
前記固定側制御装置は、前記事前処理を前記記憶制御手段により実行させるための指令を前記信号取得装置および前記静止用信号取得装置の前記制御手段にそれぞれ送信し、すべての前記記憶制御手段による前記事前処理の実行が終了したことを条件に、前記測定信号生成手段による測定信号の生成の開始および前記記憶制御手段による前記測定信号の前記記憶手段への書込みの開始を実行させるための指令を前記信号取得装置および前記静止用信号取得装置の前記制御手段に送信するとともに、前記信号取得装置および前記静止用信号取得装置のいずれもが前記測定信号の前記記憶手段への書込みを開始可能となったタイミングを示す同期トリガ信号を送信し、
前記信号取得装置および前記静止用信号取得装置のうち、少なくとも前記タイミングより早く前記測定信号の前記記憶手段への書込みを開始した装置の前記記憶制御手段は、前記トリガ信号と前記測定信号とを対応付けて前記記憶手段に書込むことを特徴とする信号取得システム。 - 前記事前処理を実行させるための指令は、前記記憶手段において書込みが不可能な不良部位を前記記憶制御手段に検出するよう要求する指令を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1の請求項に記載の信号取得システム。
- 所定の軌道上を運動するサイクルを繰り返す運動体に設置され、前記運動体と一体に運動しつつ当該運動体の状態を測定信号として取得し、前記測定信号を外部装置に無線通信で送信可能な信号取得装置であって、
前記信号取得装置は、
前記運動体の状態を測定して測定信号を生成する測定信号生成手段と、
前記測定信号生成手段により生成された前記測定信号を記憶する記憶手段と、
前記測定信号を無線送信するための測定信号送信手段と、
前記記憶手段に対する前記測定信号の書込み処理および書込みの開始準備をする事前処理を制御する記憶制御手段と、
前記外部装置から無線送信される指令に基づき、前記測定信号の生成を開始するよう前記測定信号生成手段を制御するとともに、前記書込み処理を実行するよう前記記憶制御手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記事前処理を前記記憶制御手段に実行させるための指令を前記外部装置から受信した場合に前記事前処理を実行し、前記測定信号の書込みを開始させるための指令を前記外部装置から受信した場合には、前記事前処理をすることなく前記測定信号の書込みを開始するよう前記記憶制御手段を制御することを特徴とする信号取得装置。 - 前記信号取得装置の制御手段は、前記測定信号生成手段により生成された測定信号を前記記憶手段に書込むよう前記記憶制御手段を制御するとともに、リアルタイムで前記外部装置に無線送信するよう前記測定信号送信手段を制御することを特徴とする請求項8に記載の信号取得装置。
- 前記事前処理を実行させるための指令は、前記記憶手段において書込みが不可能な不良部位を前記記憶制御手段に検出するよう要求する指令を含むことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の信号取得装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008238131A JP2010072829A (ja) | 2008-09-17 | 2008-09-17 | 信号取得システムおよび信号取得装置 |
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JP2012168813A (ja) * | 2011-02-15 | 2012-09-06 | Hiromitsu Ando | 計測装置及び計測システム |
JP2018042008A (ja) * | 2016-09-05 | 2018-03-15 | 住友電気工業株式会社 | 無線装置および通信制御プログラム |
-
2008
- 2008-09-17 JP JP2008238131A patent/JP2010072829A/ja active Pending
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