JP2010062300A - 窒化物半導体素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リッジ側壁部の絶縁膜の剥離を防止し、ファーフィールドパターンを改善した窒化物半導体素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】GaN系半導体基板10と、GaN系半導体基板10上に配置されたn型半導体層(12、14、16)と、n型半導体層(12、14、16)上に配置されたInを含むInGaN活性層18と、InGaN活性層18上に配置されたp型GaNガイド層22と、p型GaNガイド層22上に配置され、リッジ形状を含むp型超格子クラッド層26と、p型超格子クラッド層26のリッジ形状の側壁上に配置され、金属層または元素半導体層からなる密着層23と、密着層23上に配置された絶縁膜24とを備える窒化物半導体素子1およびその製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】GaN系半導体基板10と、GaN系半導体基板10上に配置されたn型半導体層(12、14、16)と、n型半導体層(12、14、16)上に配置されたInを含むInGaN活性層18と、InGaN活性層18上に配置されたp型GaNガイド層22と、p型GaNガイド層22上に配置され、リッジ形状を含むp型超格子クラッド層26と、p型超格子クラッド層26のリッジ形状の側壁上に配置され、金属層または元素半導体層からなる密着層23と、密着層23上に配置された絶縁膜24とを備える窒化物半導体素子1およびその製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、窒化物半導体素子およびその製造方法に関し、特に、ファーフィールドパターンを改善した窒化物半導体素子およびその製造方法に関する。
リッジ構造を有する化合物半導体レーザ構造のリッジ構造に形成されるオーミック電極の剥離を防止する技術については、すでに開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。特許文献1〜3においては、いずれもリッジ構造の側壁部に形成される絶縁層と絶縁層上に形成されるオーミック電極からなる構造において、オーミック電極の剥離を防止するために、絶縁層とオーミック電極との間に金属層からなる剥離防止層を備えている。
化合物半導体レーザ構造では、リッジ形状の化合物半導体層の上に絶縁膜を形成し、化合物半導体層に対して屈折率差を設けることで、光の閉じ込め効果を得る。
しかしながら、リッジ形状へ絶縁膜を形成する際に、指向性を持った成膜特性を有する成膜装置を使用すると、リッジ側壁への被覆が不十分で絶縁膜が剥がれてしまうという欠点があった。指向性を持った成膜特性を有する成膜装置の例としては、ECR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタ装置が挙げられる。
従来は、指向性のある反応性プラズマ成膜装置を用いているために、リッジ側壁部では反応性が乏しいため、形成される絶縁膜の膜質が悪く(例えばZrO2では、ZrとOの量が化学量論的組成からずれている)、これが原因で側壁部の絶縁膜剥れが発生していた。
絶縁膜が剥がれてしまうと光の閉じ込めのバランスが崩れ、ビーム形状が崩れてしまうといったレーザ初期特性の不良へとつながる。
従来例に係る窒化物半導体素子のリッジ部分の模式的断面構造は、例えば、図8に示すように、p型GaNガイド層22と、p型GaNガイド層22上に配置されたp型超格子クラッド層26と、p型超格子クラッド層26上に配置されたp型GaNコンタクト層28と、p型GaNガイド層22上およびp型超格子クラッド層26とp型GaNコンタクト層28の側壁上に形成された絶縁膜24と、絶縁膜24上およびp型GaNコンタクト層28上に形成されたp側オーミック電極30とを備える。従来例に係る窒化物半導体素子のリッジ部分のSEM写真は、例えば、図9に示すように、リッジ側壁への被覆が不十分で絶縁膜24が剥離したものが観測されている。従来例に係る窒化物半導体素子のビーム強度と、水平方向および垂直方向のビーム広がり角度との関係は、例えば、図10に示すように表される。特に、水平方向のファーフィールドパターン(FFP:Far Field Pattern)の対称性が悪い。
特開2006−13331号公報
特開2006−128389号公報
特開2006−128622号公報
本発明の目的は、リッジ側壁部の絶縁膜の剥離を防止し、ファーフィールドパターンを改善した窒化物半導体素子およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、GaN系半導体基板と、前記GaN系半導体基板上に配置されたn型半導体層と、前記n型半導体層上に配置されたInを含む活性層と、前記活性層上に配置されたp型半導体層と、前記p型半導体層上に配置され、リッジ形状を含む化合物半導体層と、前記化合物半導体層のリッジ形状の側壁上に配置された密着層と、前記密着層上に配置された絶縁膜とを備える窒化物半導体素子が提供される。
本発明の他の態様によれば、GaN系半導体基板上にn型半導体層を形成する工程と、前記n型半導体層上にInを含む活性層を形成する工程と、前記活性層上にp型半導体層を形成する工程と、前記p型半導体層上にリッジ形状を含む化合物半導体層を形成する工程と、前記化合物半導体層のリッジ形状の側壁上に密着層を形成する工程と、前記密着層上に絶縁膜を形成する工程とを有する窒化物半導体素子の製造方法が提供される。
本発明によれば、リッジ側壁部の絶縁膜の剥離を防止し、ファーフィールドパターンを改善した窒化物半導体素子およびその製造方法を提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下において、同じ部材または要素には同じ符号を付して説明の重複を避け、説明を簡略にする。図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、各構成部品の配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子1は、図1の鳥瞰図に模式的に示すように、GaN系半導体基板10と、GaN系半導体基板10に配置された再成長層11と、再成長層11上に配置されたクラック防止層12と、クラック防止層12上に配置されたn型超格子クラッド層14と、n型超格子クラッド層14上に配置されたn型GaNガイド層16と、n型GaNガイド層16上に配置されたInGaN活性層18と、InGaN活性層18上に配置された電子ブロック層20と、電子ブロック層20上に配置されたp型GaNガイド層22と、を備える。
本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子1は、図1の鳥瞰図に模式的に示すように、GaN系半導体基板10と、GaN系半導体基板10に配置された再成長層11と、再成長層11上に配置されたクラック防止層12と、クラック防止層12上に配置されたn型超格子クラッド層14と、n型超格子クラッド層14上に配置されたn型GaNガイド層16と、n型GaNガイド層16上に配置されたInGaN活性層18と、InGaN活性層18上に配置された電子ブロック層20と、電子ブロック層20上に配置されたp型GaNガイド層22と、を備える。
さらに、第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子1は、p型GaNガイド層22上にストライプ状に配置されたp型超格子クラッド層26と、p型超格子クラッド層26上に配置されたp型GaNコンタクト層28とを備える。
さらに、第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子1は、p型GaNガイド層22上、p型超格子クラッド層26およびp型GaNコンタクト層28の側壁上に配置された密着層23と、密着層23上に配置された絶縁膜24とを備える。
絶縁膜24は、ストライプ状に配置されたp型GaNコンタクト層28の上面において窓開けされている。この窓開けされた開口部において、p型GaNコンタクト層28は、p側オーミック電極30と接触している。
さらに、第1の形態に係る窒化物半導体素子において、p側オーミック電極30は、ストライプ状に配置されたp型超格子クラッド層26およびp型GaNコンタクト層28の側壁部を絶縁膜24を介して被覆しており、レーザストライプ80に沿って、ストライプ状に配置されている。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体素子1において、窒化物半導体レーザ本体を被覆する絶縁膜24上およびレーザストライプ80に沿って、ストライプ状に配置されるp側オーミック電極30上にはp側電極32が配置され、p側電極32が配置される面と対向する裏面側のGaN系半導体基板10上には、n側電極40が配置される。
図1の鳥瞰図は、レーザ素子をへき開面でへき開し、かつ共振面に平行な方向で素子を切断した図を示している。
本実施の形態に係る窒化物半導体素子は、図1に示すように、GaN系半導体基板10と、GaN系半導体基板10上に配置されたn型半導体層(12,14,16)と、n型半導体層(12,14,16)上に配置されたInを含む活性層18と、活性層18上に配置されたp型半導体層(20,22)と、p型半導体層(20,22)上に配置され、リッジ形状を含む化合物半導体層(26,28)と、化合物半導体層(26,28)のリッジ形状の側壁上に配置された密着層23と、密着層23上に配置された絶縁膜24とを備える。
密着層23は、金属層または元素半導体層からなる。
密着層23を構成する金属層は、例えば、Zr、Al、Ti、Taの内、いずれか1種からなる。
または密着層23を構成する元素半導体層は、例えば、Siからなるものであってもよい。
密着層23の厚さは、10nm以下である。
絶縁膜24は、ZrO2膜、SiO2膜、SiN膜、Al2O2膜、AlN膜、TiO2膜、Ta2O5膜の内、いずれか1種からなる。
また、p側オーミック電極30およびp側電極32は、例えば、Pd/Auで形成される。n側電極40は、例えば、Al/Ti/Auで形成される。
第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子のリッジ部分の模式的断面構造は、図2に示すように、p型GaNガイド層22と、p型GaNガイド層22上に配置されたp型超格子クラッド層26と、p型超格子クラッド層26上に配置されたp型GaNコンタクト層28と、p型GaNガイド層22上およびp型超格子クラッド層26とp型GaNコンタクト層28の側壁上に形成された密着層23と、密着層23上に配置された絶縁膜24と、絶縁膜24と、絶縁膜24上およびp型GaNコンタクト層28上に形成されたp側オーミック電極30とを備える。
第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子のリッジ部分のSEM写真は、例えば、図3に示すように、密着層23を介して絶縁膜24を被覆することによって、リッジ側壁への密着性が良好となり、絶縁膜24が剥離したものは観測されていない。
第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子のビーム強度と、水平方向および垂直方向のビーム広がり角度との関係は、例えば、図4に示すように表される。図10に示す従来構造に比べ、特に、水平方向のFFPの対称性が改善され、また、垂直方向のFFPの半値幅も狭い。
第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子においては、光の閉じ込めに影響を及ぼさない程度の極薄層の金属層または元素半導体層からなる密着層23を化合物半導体層(26,28)と絶縁膜24の間に形成することで、絶縁膜24と化合物半導体層(26,28)の間の密着性が向上できる。これにより、ビーム形状が崩れるといったレーザ初期特性の劣化を抑えることができる。
第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子においては、極薄層の良質膜(化学量論的組成が一般値、もしくは単体金属、半導体膜)を挟むこと、なおかつこの良質膜に、積層する絶縁膜24を構成する元素と同じ構成の膜を選択することで、膜質の乏しい膜が化合物半導体層(26,28)との界面に存在しなくなり密着性が向上する。
第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子においては、この良質膜を反応性成膜装置のターゲットをArプラズマで極微量スパッタリングすることで成膜している。この方法が蒸着やCVD(Chemical Vapor Deposition)に変わっても本発明の効果は同様である。
(製造方法)
第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子の製造方法は、GaN系半導体基板10上にn型半導体層(12,14,16)を形成する工程と、n型半導体層(12,14,16)上にInを含む活性層18を形成する工程と、活性層18上にp型半導体層(20,22)を形成する工程と、p型半導体層(20,22)上にリッジ形状を含む化合物半導体層(26,28)を形成する工程と、化合物半導体層(26,28)のリッジ形状の側壁上に密着層23を形成する工程と、密着層23上に絶縁膜24を形成する工程とを有する。
第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子の製造方法は、GaN系半導体基板10上にn型半導体層(12,14,16)を形成する工程と、n型半導体層(12,14,16)上にInを含む活性層18を形成する工程と、活性層18上にp型半導体層(20,22)を形成する工程と、p型半導体層(20,22)上にリッジ形状を含む化合物半導体層(26,28)を形成する工程と、化合物半導体層(26,28)のリッジ形状の側壁上に密着層23を形成する工程と、密着層23上に絶縁膜24を形成する工程とを有する。
密着層を形成する工程は、Arプラズマ照射によりターゲットから金属層または元素半導体層をスパッタリングする工程を有する。
第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子の製造工程中の、リッジ形状の化合物半導体層(26,28)の上に絶縁膜24を形成する工程において、絶縁膜24の形成前に絶縁膜成膜装置内でArプラズマを照射する。このArプラズマ照射により、絶縁膜成膜装置内のターゲット44から、例えば、極微量の金属膜がスパッタリングされるため、絶縁膜24と化合物半導体層(26,28)の間に密着層23として、例えば,金属層を形成することができる。その後、絶縁膜24を形成し、密着層23となる金属層を挟んだ絶縁膜形成が可能となる。
また、このプラズマ照射時のターゲットを元素半導体(例えばSi)とすることで、密着層23として、Siといった元素半導体も形成可能である。
Arプラズマ照射は積極的に成膜を行なうような工程では無いので(ターゲット44に高周波を印加していない)、極微量の金属層を形成することができる。例えば、30分のプラズマ照射で約30nm形成されるため、1nm/分の成膜速度で制御することが可能である。
第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子の製造方法に適用される絶縁膜成膜装置54として、ECRスパッタ装置の模式的断面構造は、図5に示すように、マイクロ波プラズマ導入部(マイクロ波:2.45GHz)52と、真空排気部46と、ECR発生用のマグネット48と、ターゲット44と、ECRプラズマ50と、試料載置部42とを備える。
第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子の製造方法において、Arプラズマを30分照射したサンプルのオージェ深さ方向分析結果は、図6に示すように表される。縦軸は原子濃度(%)を表し、横軸はスパッタ時間(分)を表す。ターゲット44として、Zrを用いた例を表している。
スパッタレートはSiO2換算で、例えば、約6nm/分程度である。従って、サンプル表面方向から5分程度までZrのシグナルが続いているので、約30nm成膜されていると読み取ることができる。
以下に、第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子の製造方法を詳述する。
(a)GaN系半導体基板10を主面とするウェハをMOCVD装置の反応容器内にセットし、1050℃でこのGaN系半導体基板10の上にSiを1×1018/cm3ドープしたGaNよりなる再成長層11を2μm成長させる。
(b)続いて、再成長層11上に、Siを5×1018/cm3ドープしたInGaNよりなるクラック防止層12を500オングストロームの膜厚で成長させる。このクラック防止層12はInを含むn型の窒化物半導体、好ましくはInGaNで成長させることにより、Al混晶中にクラックが入るのを防止することができる。
(c)続いて、Siを5×1018/cm3ドープしたn型Al0.1Ga0.9Nよりなる第1の層、20オングストロームと、アンドープのGaNよりなる第2の層、20オングストロームとを交互に100層積層してなる総膜厚0.4μmの超格子構造を有するn型超格子クラッド層14を、クラック防止層12上に、形成する。このn型超格子クラッド層14は、キャリア及び光の閉じ込め効果を持ち、GaNよりバンドギャップが高く、GaNより屈折率の低いAlGaNを含む超格子層とすることが望ましく、超格子層にすることでクラックのない結晶性の良いクラッド層が形成できる。
(d)続いて、n型超格子クラッド層14上に、Siを5×1018/cm3ドープしたn型GaNよりなるn型GaNガイド層16を0.1μmの膜厚で成長させる。このn型GaNガイド層16は、InGaN活性層18の光ガイド層として作用する。
(e)続いて、n型GaNガイド層16上に、In0.2Ga0.8Nよりなる井戸層、25オングストロームと、In0.05Ga0.95Nよりなる障壁層、50オングストロームを交互に積層してなる総膜厚175オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)のInGaN活性層18を成長させる。
(f)続いて、InGaN活性層18上に、バンドギャップがp側光ガイド層よりも大きい、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型Al0.1Ga0.9Nよりなる電子ブロック層20を300オングストロームの膜厚で成長させる。
(g)続いて、電子ブロック層20上に、バンドギャップが電子ブロック層20より小さい、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp型GaNガイド層22を0.1μmの膜厚で成長させる。このp型GaNガイド層22は、InGaN活性層18の光ガイド層として作用する。
(h)続いて、p型GaNガイド層22上に、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型Al0.1Ga0.9Nよりなる第1の層、20オングストロームと、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなる第2の層、20オングストロームとを交互に積層してなる総膜厚0.4μmの超格子層よりなるp型超格子クラッド層26を形成する。このp型超格子クラッド層26は、n型超格子クラッド層14と同じくキャリア閉じ込め層として作用し、超格子構造とすることによりp型層側の抵抗率を低下させるための層として作用する。
(i)最後に、Mgを2×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp型GaNコンタクト層28を150オングストロームの膜厚で成長させる。
(j)素子構造成膜終了後、ウェハを窒素雰囲気中、700℃でアニーリングを行い、p型超格子クラッド層26およびp型GaNコンタクト層28をさらに低抵抗化する。アニーリング後、ウェハを取り出し、図1〜図3に示すように、ドライエッチング装置により最上層のp型GaNコンタクト層28と、p型超格子クラッド層26とをエッチングして、2μmのストライプ幅を有するリッジ形状を形成する。
(k)次に、このリッジ上部以外に絶縁膜成膜装置54内でArプラズマを照射し、Zrメタルからなる極薄の密着層23を形成する。膜厚は、例えば、約5nm〜10nm程度である。Arプラズマ照射時は、絶縁膜成膜装置54内のターゲット44には高周波を印加していないので、ターゲット44からの積極的な成膜は起こらず、極低エネルギーのArプラズマにより極微量のZrがスパッタリングされて成膜がなされる。このため、極薄層のZr膜を形成することが可能となる。
(l)このArプラズマ照射の後にZrO2よりなる絶縁膜24をリッジ上部以外に形成する。
(m)次に、リッジ表面にはPd/Auよりなるp側オーミック電極30を形成する。リッジ形成位置はGaN系半導体基板10の面方位に合わせ、m面をへき開面(共振面)とするように配置する。
(n)次に、この絶縁膜24を介してp側オーミック電極30と電気的に接続したp側電極32を形成する。
(o)p側電極32の形成後、ウェハのGaN系半導体基板10の裏面を研磨し薄型化する。詳しくは、ダイアモンド砥石での機械研磨作業で100μm以下の厚み、望ましくは最終膜厚より10μm厚膜厚まで薄型化を行う。続いて、2種類の粒径のダイアモンドスラリーを用いた研磨作業により、機械研磨作業にて発生した加工変質層を除去する。続いて、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)技術を用いて、仕上げの鏡面出しを行う。このような工程を経て、80μmといった狙い膜厚までの薄型化を行う。
(p)次に、素子構造の形成されていないGaN系半導体基板10の裏面全体にAl/Ti/Alよりなるn側電極40を形成する。
(q)次に、ストライプに垂直な面(共振面に相当する面)、即ちGaN系半導体基板10のm面で基板を劈開し、InGaN活性層18の端面に共振面を作製する。この劈開工程でウェハ状態からバー状態へ形状が変化させられる。このバー状態の素子の共振面にSiO2とZrO2よりなる誘電体多層膜を形成し、p側電極32に平行な方向で、バーを切断してレーザチップとする。
(r)図7に示すように、レーザチップをジャンクションアップ(GaN系半導体基板10の裏面側がヒートシンク7側)でサブマウント2に設置し、そのサブマウント2をステムのヒートシンク7上に設置して、p側電極32をワイヤーボンディングし、完成品とする。金(Au)ワイヤ5によって、通電用ピン3とp側電極32を接続し、Auワイヤ6によって、通電用ピン4とn側電極40を接続している。
この完成品で室温レーザ発振を試みたところ、室温において、閾値電流密度2.5kA/cm2、閾値電圧4.5Vで、発振波長405nmの連続発振が確認され、500時間以上の寿命を示した。
本実施の形態によれば、リッジ側壁部の絶縁膜の剥離を防止し、ファーフィールドパターンを改善した窒化物半導体素子およびその製造方法を提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明は第1の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
上記のように、本発明は第1の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本発明の窒化物半導体素子は、光ディスク用青紫レーザダイオード(LD:Laser Diode)、3波長LD、医療,バイオ関連機器、フルカラーレーザディスプレイなど幅広い適用分野がある。
1…窒化物半導体素子
2…サブマウント
3,4…通電用ピン
5,6…金(Au)ワイヤ
7…ヒートシンク
10…GaN系半導体基板
11…再成長層
12…クラック防止層
14…n型超格子クラッド層
16…n型GaNガイド層
18…InGaN活性層
20…電子ブロック層
22…p型GaNガイド層
23…密着層
24…絶縁膜
26…p型超格子クラッド層
28…p型GaNコンタクト層
30…p側オーミック電極
32…p側電極
40…n側電極
42…試料載置部
44…ターゲット
46…真空排気部
48…マグネット
50…ECRプラズマ
52…マイクロ波プラズマ導入部
54…絶縁膜成膜装置
80…レーザストライプ
2…サブマウント
3,4…通電用ピン
5,6…金(Au)ワイヤ
7…ヒートシンク
10…GaN系半導体基板
11…再成長層
12…クラック防止層
14…n型超格子クラッド層
16…n型GaNガイド層
18…InGaN活性層
20…電子ブロック層
22…p型GaNガイド層
23…密着層
24…絶縁膜
26…p型超格子クラッド層
28…p型GaNコンタクト層
30…p側オーミック電極
32…p側電極
40…n側電極
42…試料載置部
44…ターゲット
46…真空排気部
48…マグネット
50…ECRプラズマ
52…マイクロ波プラズマ導入部
54…絶縁膜成膜装置
80…レーザストライプ
Claims (13)
- GaN系半導体基板と、
前記GaN系半導体基板上に配置されたn型半導体層と、
前記n型半導体層上に配置されたInを含む活性層と、
前記活性層上に配置されたp型半導体層と、
前記p型半導体層上に配置され、リッジ形状を含む化合物半導体層と、
前記化合物半導体層のリッジ形状の側壁上に配置された密着層と、
前記密着層上に配置された絶縁膜と
を備えることを特徴とする窒化物半導体素子。 - 前記密着層は、金属層または元素半導体層からなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体素子。
- 前記密着層は、Zr、Al、Ti、Taの内、いずれか1種からなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体素子。
- 前記密着層は、Siからなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体素子。
- 前記密着層の厚さは、10nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
- 前記絶縁膜は、ZrO2膜、SiO2膜、SiN膜、Al2O2膜、AlN膜、TiO2膜、Ta2O5膜の内、いずれか1種からなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体素子。
- GaN系半導体基板上にn型半導体層を形成する工程と、
前記n型半導体層上にInを含む活性層を形成する工程と、
前記活性層上にp型半導体層を形成する工程と、
前記p型半導体層上にリッジ形状を含む化合物半導体層を形成する工程と、
前記化合物半導体層のリッジ形状の側壁上に密着層を形成する工程と、
前記密着層上に絶縁膜を形成する工程と
を有することを特徴とする窒化物半導体素子の製造方法。 - 前記密着層は、金属層または元素半導体層からなることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記密着層は、Zr、Al、Ti、Taの内、いずれか1種からなることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記密着層は、Siからなることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記密着層の厚さは、10nm以下であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記絶縁膜は、ZrO2膜、SiO2膜、SiN膜、Al2O2膜、AlN膜、TiO2膜、Ta2O5膜の内、いずれか1種からなることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記密着層を形成する工程は、Arプラズマ照射によりターゲットから金属層または元素半導体層をスパッタリングする工程を有することを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
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