JP2010061917A - 燃料電池の触媒電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 固体高分子型燃料電池の触媒電極を製造する際に、触媒電極層及び電解質膜に熱的及び物理的に損傷を与えることなく、かつ、短時間に触媒電極層を電解質膜に定着させる。
【解決手段】 固体高分子型燃料電池の触媒電極3の製造方法において、触媒担持導電性粒子と結着剤とを含む触媒電極用粉体2を作製し、該触媒電極用粉体2を、静電複写法により電解質膜1に塗布し、フラッシュランプ10から出射される光エネルギーにより、ごく短時間で、結着剤を電解質膜1上で溶融させて、電解質膜1に塗布された触媒電極用粉体2を該電解質膜1に定着させるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池の触媒電極(適宜、「触媒電極層」という)の製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、固体高分子型燃料電池(PEFC)を作製するに当たり、電解質膜に触媒電極層を形成する製造方法に関する。
近年、固体高分子型燃料電池が、自動車用、家庭用、携帯電話用等の電力として普及しつつある。
この固体高分子型燃料電池は、一般に、電解質膜と、電解質膜を両側から担持する2つの触媒電極層とからなる膜電極接合体(MEA)と、このMEAを両側から担持する2つの拡散層を有している。
この固体高分子型燃料電池は、一般に、電解質膜と、電解質膜を両側から担持する2つの触媒電極層とからなる膜電極接合体(MEA)と、このMEAを両側から担持する2つの拡散層を有している。
ところで、当該固体高分子型燃料電池の製造中、電解質膜に触媒電極層を担持して、MEAを形成する従来技術の方法がある。
それは、特許文献1及び2に示されている方法であって、触媒担持炭素粒子を含む粉体を、静電複写方式で電解質膜へ触媒電極層として転写し、次に、その転写された触媒電極層を、ヒートロールで加熱かつ加圧(すなわちホットプレス)し、触媒電極層を電解質膜上に形成している(以下、この方式を「ヒートロール方式」という)。
それは、特許文献1及び2に示されている方法であって、触媒担持炭素粒子を含む粉体を、静電複写方式で電解質膜へ触媒電極層として転写し、次に、その転写された触媒電極層を、ヒートロールで加熱かつ加圧(すなわちホットプレス)し、触媒電極層を電解質膜上に形成している(以下、この方式を「ヒートロール方式」という)。
しかるに、このヒートロール方式では、一定時間の加熱・加圧が不可避のため、以下の不具合が発生する。
第1に、同方式によれば、加熱時間が、4分、5分と比較的長いため、この間の加熱・加圧により電解質膜や触媒電極層中の電解質樹脂を劣化させ、又は電解質膜にシワやよじれが発生し、水素イオン(プロトン)を好適に通過させる能力が低下し、ひいては燃料電池の発電性能や耐久性が低下する。
第2に、同方式によれば、加熱温度が、例えば、約140℃から約160℃に設定されて、電解質膜や触媒電極層へ輻射熱としてでなく直接的に熱として付与されるため、この加熱温度が上記加熱時間と相まって、電解質膜や触媒電極層中の電解質樹脂を劣化させる。
第3に、同方式によれば、加圧が、例えば、30kgf/cm2と比較的高い値でなされる。このような圧力下では、触媒担持導電性粒子(例えば、白金担持炭素粒子)が、電解質膜に対し強く当接するため、該粒子によって、電解質膜にダメージを与え、機械的損傷をもたらす。そのため、触媒電極層と電解質膜との接着性(接合性)が低下し、不要な電気抵抗が発生し、電圧を降下させる。
第1に、同方式によれば、加熱時間が、4分、5分と比較的長いため、この間の加熱・加圧により電解質膜や触媒電極層中の電解質樹脂を劣化させ、又は電解質膜にシワやよじれが発生し、水素イオン(プロトン)を好適に通過させる能力が低下し、ひいては燃料電池の発電性能や耐久性が低下する。
第2に、同方式によれば、加熱温度が、例えば、約140℃から約160℃に設定されて、電解質膜や触媒電極層へ輻射熱としてでなく直接的に熱として付与されるため、この加熱温度が上記加熱時間と相まって、電解質膜や触媒電極層中の電解質樹脂を劣化させる。
第3に、同方式によれば、加圧が、例えば、30kgf/cm2と比較的高い値でなされる。このような圧力下では、触媒担持導電性粒子(例えば、白金担持炭素粒子)が、電解質膜に対し強く当接するため、該粒子によって、電解質膜にダメージを与え、機械的損傷をもたらす。そのため、触媒電極層と電解質膜との接着性(接合性)が低下し、不要な電気抵抗が発生し、電圧を降下させる。
このように、ヒートロール方式を採用している限り、第1、第2及び第3の不具合が発生するが、これらを解決するのは、以下の理由から難しいと判断される。
第1の不具合に対しては、熱伝導で触媒電極層を加熱させるため、熱がヒートロールから触媒電極層や電解質膜に伝導する時間が長く採らざるをえない。
第2の不具合に対しては、触媒電極層を電解質膜に定着する際に、電解質膜の軟化温度にできるだけ近い温度(例えば、電解質膜としてデュポン社のナフィオン(製品名)をした場合にあっては140℃から160℃)にせざるをえない。
第3の不具合に対しては、ヒートロールによる加圧・加熱の始動時に電解質膜や触媒電極層中の電解質樹脂が固形状態(固体)のため、電解質膜と触媒電極層との接着(接合)が難しい。そこで、例えば、両者の接着境界で、接着安定性を向上させる必要がある。そ
の際、機械的接着性を向上させた突起状の接着が要求されるため、当該加圧の圧力値を高くせざるをえない。
特開平8−329962号公報
特開2004−281221号公報
第1の不具合に対しては、熱伝導で触媒電極層を加熱させるため、熱がヒートロールから触媒電極層や電解質膜に伝導する時間が長く採らざるをえない。
第2の不具合に対しては、触媒電極層を電解質膜に定着する際に、電解質膜の軟化温度にできるだけ近い温度(例えば、電解質膜としてデュポン社のナフィオン(製品名)をした場合にあっては140℃から160℃)にせざるをえない。
第3の不具合に対しては、ヒートロールによる加圧・加熱の始動時に電解質膜や触媒電極層中の電解質樹脂が固形状態(固体)のため、電解質膜と触媒電極層との接着(接合)が難しい。そこで、例えば、両者の接着境界で、接着安定性を向上させる必要がある。そ
の際、機械的接着性を向上させた突起状の接着が要求されるため、当該加圧の圧力値を高くせざるをえない。
そこで、本発明は、上記の不具合に鑑み、触媒電極層を電解質膜に転写するときには静電複写方式を採用するが、その後、触媒電極層を電解質膜が損傷することのない、固体高分子型燃料電池の触媒電極層(触媒電極)の製造方法を提供することを目的とする。
なお、本発明に係る燃料電池の製造方法の各種態様、並びに、それらの作用および効果については、以下の、発明の態様の項において詳しく説明する。
なお、本発明に係る燃料電池の製造方法の各種態様、並びに、それらの作用および効果については、以下の、発明の態様の項において詳しく説明する。
(発明の態様)
以下、発明の態様を示し、それらについて説明する。(1)、(2)、及び(3)の項の各々が、請求項1、2、及び3の各々に相当する。
以下、発明の態様を示し、それらについて説明する。(1)、(2)、及び(3)の項の各々が、請求項1、2、及び3の各々に相当する。
(1) 固体高分子型燃料電池の触媒電極の製造方法であって、触媒担持カーボン粒子と結着剤とを含む触媒電極用の粉体を作製する粉体作製工程と、該触媒電極用の粉体を、静電複写法により電解質膜に塗布する静電複写工程と、フラッシュランプの光エネルギーにより前記結着剤を溶融させ、該電解質膜に塗布された該触媒電極用の粉体を、該電解質膜に定着させる光定着工程とを含むことを特徴とする製造方法。
本項の態様によれば、フラッシュランプから出射される光エネルギーによって、電解質膜に塗布された該触媒電極用の粉体を該電解質膜に定着させる光定着は、ヒートロール方式のように直接接触ではなく非接触かつ非加圧のものであり、もって、触媒電極層や電解質膜への加圧が全くないので、触媒電極用粒子が電解質膜に当接することによる機械的損傷は事実上存在しない。
また、本項の態様によれば、フラッシュランプから出射される光エネルギーによって、結着剤を電解質膜上で溶融可能とした。また、電解質膜の光吸収率は、約35%と低いため、該光エネルギーによる電解質膜に対する熱影響はヒートロール方式に比べ格段に少なくなる。
また、本項の態様によれば、瞬間的に放たれるフラッシュランプから出射される光エネルギーによって、5μmから13μm程度の範囲のシャープな粒度分布の結着剤を溶融させ触媒電極層と前記電解質膜とを結着させる。その結果、結着剤が微粉ゆえ、熱容量が小さいため、光エネルギーが微粉の各粒子に熱伝達し易い。また、微粉の粒度がある程度揃っているため、光エネルギーを均一に結着剤に照射すれば、微粉の各粒子の溶融もまた均一になされる。このような特徴により、例えば、1ミリ秒以下とごく短時間に、結着剤の電解質膜への加熱処理が完了するため、本項の態様によれば、電解質膜の劣化が、触媒電極層の加熱時間が4分間から5分間と長いヒートロール方式に比べ、格段に少なくなる。
また、本項の態様によれば、フラッシュランプが出射する光による触媒電極層への加熱温度は瞬間的に約500℃に達するが、瞬間的なもの(例えば、約0.3ミリ秒)であり、該加熱温度は、即100℃以下と低温度となる。そのために、加熱による電解質膜の損傷が、ヒートロール方式に比べ、格段に少なくなる。
また、本項の態様によれば、瞬間的に放たれるフラッシュランプから出射される光エネルギーによって、5μmから13μm程度の範囲のシャープな粒度分布の結着剤を溶融させ触媒電極層と前記電解質膜とを結着させる。その結果、結着剤が微粉ゆえ、熱容量が小さいため、光エネルギーが微粉の各粒子に熱伝達し易い。また、微粉の粒度がある程度揃っているため、光エネルギーを均一に結着剤に照射すれば、微粉の各粒子の溶融もまた均一になされる。このような特徴により、例えば、1ミリ秒以下とごく短時間に、結着剤の電解質膜への加熱処理が完了するため、本項の態様によれば、電解質膜の劣化が、触媒電極層の加熱時間が4分間から5分間と長いヒートロール方式に比べ、格段に少なくなる。
また、本項の態様によれば、フラッシュランプが出射する光による触媒電極層への加熱温度は瞬間的に約500℃に達するが、瞬間的なもの(例えば、約0.3ミリ秒)であり、該加熱温度は、即100℃以下と低温度となる。そのために、加熱による電解質膜の損傷が、ヒートロール方式に比べ、格段に少なくなる。
さらに、結着剤を有機溶剤を含まず、PTFEのようにフッ素系樹脂を主に含む溶液により作製すれば、有機溶剤と比較してフッ素樹脂は難燃性のため、フラッシュランプから出射される光エネルギーで燃えること防ぐために、特許文献1で示されているような周りの雰囲気を不活性または真空雰囲気(不燃性雰囲気)にする必要はなく、設備コストがその分かからない。
(2) (1)に記載の製造方法であって、前記粉体作製工程において、前記触媒電極用の粉体は、さらに造孔剤を含み、該造孔剤を用いて、多孔性の触媒電極用の粉体を作製することを特徴とする製造方法。
本項によれば、(1)の光定着工程で、すでに触媒電極層に一定程度、電解質膜からの電解質樹脂分が含浸されるが、さらに、例えば、炭酸カルシウムのようなアルカリ塩を含む造孔剤を、当初より触媒電極用の粉体に加える。そして、例えば、硝酸のような酸を含む溶液を、炭酸カルシウムに反応させ、反応生成物を除去し、多くの孔を造る。この多孔部は、次の(3)で電解質樹脂溶液の含浸時に有効に機能することになる(下記参照)。
本項によれば、(1)の光定着工程で、すでに触媒電極層に一定程度、電解質膜からの電解質樹脂分が含浸されるが、さらに、例えば、炭酸カルシウムのようなアルカリ塩を含む造孔剤を、当初より触媒電極用の粉体に加える。そして、例えば、硝酸のような酸を含む溶液を、炭酸カルシウムに反応させ、反応生成物を除去し、多くの孔を造る。この多孔部は、次の(3)で電解質樹脂溶液の含浸時に有効に機能することになる(下記参照)。
(3)(2)に記載の製造方法であって、前記静電複写工程及び光定着工程の後、該光定着工程により該電解質膜に定着された前記多孔性の触媒電極用の粉体に、電解質樹脂溶液を含浸させる電解質溶液塗布工程を含むことを特徴とする製造方法。
本項によれば、(2)項で造られた触媒電極用の粉体の多くの孔に流し込むようにして電解質樹脂溶液を含浸させることができるため、触媒電極層に含まれる電解質樹脂と電解質膜とが好適に接合すると共に、水素イオンを電解質膜のアノード側からもう一方のカソード側へさらに円滑に移動させることができ、一方、反応ガスと電解質と触媒電極との三相反応を好適に行わせることができる。
本項によれば、(2)項で造られた触媒電極用の粉体の多くの孔に流し込むようにして電解質樹脂溶液を含浸させることができるため、触媒電極層に含まれる電解質樹脂と電解質膜とが好適に接合すると共に、水素イオンを電解質膜のアノード側からもう一方のカソード側へさらに円滑に移動させることができ、一方、反応ガスと電解質と触媒電極との三相反応を好適に行わせることができる。
以上のように、フラッシュランプで電解質膜に触媒電極層を光定着させる処理は、瞬間的な光による、非接触かつ実質上低温の加熱方式となる。そのため、総じて、従来のヒートロール方式と比べると電解質膜の熱的及び機械的損傷が格段に少なくなり、ひいては燃料電池の電極の耐久性を向上させる。また、当該光定着は、瞬間的であり大変短時間な処理のため、生産性を向上させる。
本発明によれば、触媒電極層及び電解質膜に熱的及び物理的に損傷を与えることなく、かつ、短時間に触媒電極層を電解質膜に定着させることができ、燃料電池の耐久性を向上させることができる。また、本発明によれば、電解質成分が、電解質膜から触媒電極層に至る領域全体に十分に行き渡らせることができ、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る燃料電池の製造方法を実施する形態を示すための図である。図中、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成は図に示す従来のものと同様である。当該製造方法は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
図1は、本発明に係る燃料電池の製造方法を実施する形態を示すための図である。図中、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成は図に示す従来のものと同様である。当該製造方法は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
図1は、本発明の実施形態に係る固体高分子型の燃料電池の触媒電極(触媒電極層)の製造方法を説明するための概念図である。
この図1を参照しながら、当該製造方法について、第1実施形態と第2実施形態に分けて以下説明する。
この図1を参照しながら、当該製造方法について、第1実施形態と第2実施形態に分けて以下説明する。
第1実施形態:第1実施形態は、触媒担持カーボン粒子と結着剤とを含む触媒電極用の粉体を作製する粉体作製工程と、該触媒電極用の粉体を、静電複写法により電解質膜に塗布する静電複写工程と、フラッシュランプにより前記結着剤を溶融させ、該電解質膜に塗布された該触媒電極用の粉体を該電解質膜に定着させる光定着工程とを主工程とするものである。
粉体作製工程(不図示);当該触媒電極用の粉体は、混練粉砕方法によって製造される。この混練粉砕方法は、材料の計量、混合、混練、粉砕、分級および篩分けのプロセスから構成され、触媒電極用の粉体材料の電解質膜への定着状態の制御と、当該粉体を構成する粒子の大きさや形状の基本特性を制御とを行い、分級および篩分けにより、当該粉体の電解質膜上への塗布面の品質の一定化を目的とする。
触媒電極用の粉体材料の組成物は、フラッシュランプからの光エネルギーにより溶融し、電解質膜に定着する、PTFE、PFA、FEP、ETFE等の結着剤と、白金担持カーボン、ニッケル担持カーボン、ニッケル−ルテニウム担持カーボン等の触媒担持導電性材料(触媒担持導電性粉体)とを含む。
触媒電極用の粉体材料の組成物は、フラッシュランプからの光エネルギーにより溶融し、電解質膜に定着する、PTFE、PFA、FEP、ETFE等の結着剤と、白金担持カーボン、ニッケル担持カーボン、ニッケル−ルテニウム担持カーボン等の触媒担持導電性材料(触媒担持導電性粉体)とを含む。
まず、これらの材料を、所定の処方に従って計量し、ヘンシェルミキサーのような混合機で混合する。粗混合された当該材料は、さらに混練機で、330℃から350℃で加熱溶融しながら混練され、各組成物が十分にミクロ分散される。この混練された触媒担持導電性材料を冷却し、冷却されたまま粗粉砕した後、乾式ジェットミルで、5μmから13μmに微粉砕する。微粉砕された触媒担持導電性粉体は、粒度分布をシャープにするため、サイクロンのような遠心力分級機によって、粒度分布の裾野に位置する微粉と粗粉とが除去される。このようにして、第1実施形態に係る粉体作製工程により触媒担持導電性粉体2が作製される。
静電複写工程(図1(1)): 図1の(1)に示されるように、上記粉体作製工程で作製された触媒担持導電性粉体2を、現像ローラ6の周りを囲むように、収納カートリッジ15に収納する。そして、収納カートリッジ15の鉛直部16が感光ドラム5の接線に沿うように、収納カートリッジ15を配置する。
さらに収納カートリッジ15の触媒担持導電性粉体2の中に、帯電電極(不図示)が備えられている。帯電電極は電源(不図示)に接続され、電源から供給される電荷によって触媒担持導電性粉体2を負に帯電させる。そして、負に帯電させられた触媒担持導電性粉体2は、現像ローラ6に物理的に付着し、現像ローラ6の回転によって感光ドラム5の表面へ送られる。
さらに収納カートリッジ15の触媒担持導電性粉体2の中に、帯電電極(不図示)が備えられている。帯電電極は電源(不図示)に接続され、電源から供給される電荷によって触媒担持導電性粉体2を負に帯電させる。そして、負に帯電させられた触媒担持導電性粉体2は、現像ローラ6に物理的に付着し、現像ローラ6の回転によって感光ドラム5の表面へ送られる。
このとき、感光ドラム5は、静電ローラ7により、正に帯電させられている。しかし、感光ドラム5の露光部14に曝された箇所は除電されている。したがって、感光ドラム5へと運搬された負に帯電させられた触媒担持導電性粉体2は、除電されていない箇所において、静電力で感光ドラム5に付着する。感光ドラム5に付着した触媒担持導電性粉体2は、感光ドラム5の回転により電解質膜1側へと印刷される。ここで、電解質膜1の表面に触媒担持導電性粉体2を印刷したいパターンの形状(単セル分3の電解質膜の形状)に応じて適宜マスクを用いて露光部14により露光を行えばよい。
この工程は、単位セル分3毎、間欠的に行われ、単位セル分3の露光および印刷が終わったら、矢印A方向(上流方向)にテープ状電解質膜1が単位セル分3について移動され、次の光定着工程へ進む。
この工程は、単位セル分3毎、間欠的に行われ、単位セル分3の露光および印刷が終わったら、矢印A方向(上流方向)にテープ状電解質膜1が単位セル分3について移動され、次の光定着工程へ進む。
光定着工程(図1(2)):静電複写工程から送られた光定着工程では、電解質膜1上の触媒担持導電性粉体2を、加熱定着手段であるフラッシュランプ10から出射される光によって、電解質膜1に加熱定着し、触媒電極(触媒電極層)3を形成する(なお、図1では、単なる例示のため粉体粒子は3個のみを描く)。
より具体的には、触媒担持導電性粉体2が電解質膜1に光定着される場合には、当該粉体2に含まれる結着剤が、フラッシュランプ10から出射される光(光エネルギー)により、0.3ミリ秒程度の短時間で、約500℃程度の高温度で加熱され、結着剤が溶融して、該触媒担持導電性粉体2を電解質膜1に結着させて、触媒電極(触媒電極層)3が形成される。結着剤の融点は約500℃よりも低いことが必要である。ここでは、PTFEのように、その融点が約327℃であるような材料を結着剤に用いることが好適である。
より具体的には、触媒担持導電性粉体2が電解質膜1に光定着される場合には、当該粉体2に含まれる結着剤が、フラッシュランプ10から出射される光(光エネルギー)により、0.3ミリ秒程度の短時間で、約500℃程度の高温度で加熱され、結着剤が溶融して、該触媒担持導電性粉体2を電解質膜1に結着させて、触媒電極(触媒電極層)3が形成される。結着剤の融点は約500℃よりも低いことが必要である。ここでは、PTFEのように、その融点が約327℃であるような材料を結着剤に用いることが好適である。
以下、このときのフラッシュランプ10の条件(能力)を表1に示す。なお、当該フラッシュランプ10は、図1の参照番号9の断面が放物線状のリフレクタの焦点に配置するようにしてもよい。フラッシュランプの前方光に、フリフレクタ内壁(反射板)により反射するラッシュランプの平行光の後方光を加えて、電解質膜1上に静電複写された触媒電極用の粉体に照射することによって、効率良く光を粉体に向けて出射することができる。
第2実施形態:第2実施形態は、触媒担持カーボン粒子と結着剤とを含む触媒電極用の粉体を作製する粉体作製工程において,該粉体中にさらに造孔剤を含ませ、それを酸洗、水洗で除去して、多孔部を触媒電極用の粉体に形成する点と、光定着工程の直後に、電解質溶液塗布工程を加え、上記の多孔部に電解質溶液を流し込みながら、電解質膜にすでに光定着している触媒電極層に対して、さらに電解質溶液点に含浸させる。この点において、第1実施形態と相違する。第1実施形態との相違点を中心に、第2実施形態について以下説明する。
(1)粉体作製工程(不図示);以下、第2の実施形態の触媒電極用の粉体を作製する出発材料の一例について、表2に挙げた。
これらの材料に対して、第1実施形態と同様な処理を行った後、触媒担持導電性材料中の造孔剤の炭酸カルシウムを、硝酸で洗浄後、水で洗浄し、乾燥し、除去する。これにより、除去された炭酸カルシウムに代わり、触媒担持導電性材料中に、多数の孔が造られる。これら孔を含む触媒担持導電性材料に、表2の追加する電解質樹脂のナフィオン(5%溶液)が含浸されるため、表2で、炭酸カルシウムとナフィオン(5%溶液)が同じ重量割合(22wt%)となっている。
なお、造孔剤は、炭酸カルシウムに限られず、アルカリ塩、各種アルカリ微粉末等のアルカリ塩でもよい。この際は、それぞれについて適切な酸を用いるようにする。また、造孔剤としてPVAを用いた場合には、水溶性なので水で溶解・除去が可能である。
(2)静電複写工程及び光定着工程(図1の(1));実施例1と同様のためこの説明を省略する。
なお、造孔剤は、炭酸カルシウムに限られず、アルカリ塩、各種アルカリ微粉末等のアルカリ塩でもよい。この際は、それぞれについて適切な酸を用いるようにする。また、造孔剤としてPVAを用いた場合には、水溶性なので水で溶解・除去が可能である。
(2)静電複写工程及び光定着工程(図1の(1));実施例1と同様のためこの説明を省略する。
(3)電解質溶液塗布工程(図1の(3));光定着工程で結着された触媒電極材料に電
解質樹脂溶液を塗布・含浸させる。この工程で、準備する電解質溶液は、デュポン社のナフィオン(商品名)の5%溶液である。表2に示されている、造孔剤「炭酸カルシウム」を硝酸と水洗によって除去すると、多数の孔ができる。電解質溶液塗布手段12から、この電解質溶液をこれら多数の孔へ注ぎ込みながら、触媒電極層全体に行き渡るように含浸させる。以上により、触媒電極(触媒電極層)が形成される。
この第2実施形態の触媒電極は、第1実施形態のものに比較して、触媒電極用の粉体の多くの孔に流し込むようにして電解質樹脂溶液を含浸させるため、電解質成分を、触媒電極により多く含ませることができる。触媒電極層に含まれる電解質樹脂と電解質膜とが好適に接合され、水素イオン(プロトン)を、さらに好適に電解質膜のアノード側からもう一方のカソード側へ円滑に移動させることができることに加えて、さらに好適に反応ガスと電解質と触媒電極との三相反応を行わせることができる。
解質樹脂溶液を塗布・含浸させる。この工程で、準備する電解質溶液は、デュポン社のナフィオン(商品名)の5%溶液である。表2に示されている、造孔剤「炭酸カルシウム」を硝酸と水洗によって除去すると、多数の孔ができる。電解質溶液塗布手段12から、この電解質溶液をこれら多数の孔へ注ぎ込みながら、触媒電極層全体に行き渡るように含浸させる。以上により、触媒電極(触媒電極層)が形成される。
この第2実施形態の触媒電極は、第1実施形態のものに比較して、触媒電極用の粉体の多くの孔に流し込むようにして電解質樹脂溶液を含浸させるため、電解質成分を、触媒電極により多く含ませることができる。触媒電極層に含まれる電解質樹脂と電解質膜とが好適に接合され、水素イオン(プロトン)を、さらに好適に電解質膜のアノード側からもう一方のカソード側へ円滑に移動させることができることに加えて、さらに好適に反応ガスと電解質と触媒電極との三相反応を行わせることができる。
本発明に係る固体高分子型燃料電池(PEFC)の触媒電極の製造方法は、上述の実施形態に記載された態様に制限されることはなく、当業者により種々の変形例が採用されうる。例えば、直接メタノール型燃料電池(DMFC)の触媒電極の製造方法にも適用できる。
本発明は、燃料電池の触媒電極を製造するときに利用できる。
1:電解質膜、2:触媒電極用の粉体、3:触媒電極、10:フラッシュランプ
Claims (3)
- 固体高分子型燃料電池の触媒電極の製造方法であって、
触媒担持カーボン粒子と結着剤とを含む触媒電極用の粉体を作製する粉体作製工程と、
該触媒電極用の粉体を、静電複写法により電解質膜に塗布する静電複写工程と、
フラッシュランプの光エネルギーにより前記結着剤を溶融させ、該電解質膜に塗布された該触媒電極用の粉体を、該電解質膜に定着させる光定着工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法であって、前記粉体作製工程において、
前記触媒電極用の粉体は、さらに造孔剤を含み、該造孔剤を用いて、多孔性の触媒電極用の粉体を作製することを特徴とする製造方法。 - 請求項2に記載の製造方法であって、
前記静電複写工程及び光定着工程の後、該光定着工程により該電解質膜に定着された前記多孔性の触媒電極用の粉体に、電解質樹脂溶液を含浸させる電解質溶液塗布工程を含むことを特徴とする製造方法。
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2008
- 2008-09-02 JP JP2008224994A patent/JP2010061917A/ja active Pending
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