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JP2010052493A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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JP2010052493A JP2008217197A JP2008217197A JP2010052493A JP 2010052493 A JP2010052493 A JP 2010052493A JP 2008217197 A JP2008217197 A JP 2008217197A JP 2008217197 A JP2008217197 A JP 2008217197A JP 2010052493 A JP2010052493 A JP 2010052493A
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Abstract

【課題】車両の走行状態に拘わらず電動発電機を制御することができ、効率よく発電を行うことができること。
【解決手段】フォークリフトでは、エンジン17、モータジェネレータ19、IVT38、ディファレンシャルギア39が直列に連結された状態で設けられている。フォークリフトは、エンジン17、モータジェネレータ19、IVT38を制御する車両制御装置37を搭載している。エンジン17は、その出力軸17aがモータジェネレータ19の回転軸40と連動回転可能に連結されている。また、IVT38は、その入力軸38aがモータジェネレータ19の回転軸40と連動回転可能に連結され、その出力軸38bは駆動輪13と連動回転可能にディファレンシャルギア39に連結されている。車両制御装置37は、フォークリフトの走行時及び停止時に、IVT38の変速比を制御してモータジェネレータ19を所望の状態に制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関及び電動機のいずれか一方の動力又は両方の動力を用いて走行するハイブリッド車両に関する。
従来、内燃機関及び発電電動機を搭載したハイブリッド車両として、内燃機関の出力軸と発電電動機の入力軸とを変速機を介して連結するとともに、発電電動機の出力軸に出力ギヤが取り付けられており、出力ギヤからフロントディファレンシャルに対してトルクを伝達する無段変速機構付きハイブリッド駆動機構の制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の無段変速機構付きハイブリッド駆動機構の制御装置では、内燃機関の出力軸と発電電動機の入力軸との間に介在する変速機として、入出力回転数比を連続的に変化させることのできる無段変速機構及び遊星歯車機構が組み合わされてなる無限無段変速機(Infinitely Variable Transmission)を用いている。そして、この無限無段変速機は、無限大の変速比を得ることができ、変速比を無限大にすると、内燃機関の出力軸が回転していても、発電電動機の入力軸に入力されるトルクを0にすることができる。
特開2002−139136号公報
ところが、特許文献1に記載の無段変速機構付きハイブリッド駆動機構の制御装置では、発電電動機の出力軸の回転状態と車輪の回転状態とは互いに連動するようになっている。そのため、発電電動機の出力軸のトルク及び回転数と車両の走行状態とを独立して制御することができず、車両の走行状態に応じて発電電動機のトルク及び回転数も決まってしまう。その結果、例えば、車両が低速であるときには発電電動機の回転数は低回転数となり、車両が高速であるときには発電電動機の回転数は高回転数となり、車両が停止したときには発電電動機を駆動できなかった。したがって、この無段変速機構付きハイブリッド駆動機構の制御装置では、車両の制動回生時に、発電電動機の回転数が効率の悪い回転数になってしまい回生効率が悪くなるという欠点があった。また、発電電動機による発電は走行時に限られるというという欠点があった。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両の走行状態に拘わらず電動発電機を制御して、効率よく発電を行うことができるハイブリッド車両を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、内燃機関及び電動発電機のいずれか一方の動力又は両方の動力を用いて走行するハイブリッド車両において、前記電動発電機で発電された電力を蓄電するとともに前記電動発電機に電力を供給可能なバッテリと、前記内燃機関及び前記電動発電機のいずれか一方の動力又は両方の動力が入力されると車輪を駆動させる走行駆動部と、第1回転軸の回転数と第2回転軸の回転数との比率である変速比を、無限大を含み連続的に変化させる無限無段変速機と、前記内燃機関、前記電動発電機及び前記無限無段変速機を制御する制御手段と、を備え、前記内燃機関の出力軸と前記電動発電機の回転軸とは連動回転可能に連結され、前記電動発電機と前記走行駆動部とは前記無限無段変速機を介して連結され、前記無限無段変速機は、前記第1回転軸が前記電動発電機の前記回転軸と連動回転可能に連結され、前記第2回転軸が前記車輪と連動回転可能に前記走行駆動部に連結されたことを要旨とする。
この発明では、電動発電機と走行駆動部とは無限無段変速機を介して連結されており、無限無段変速機の変速比を制御することで、第1回転軸の回転状態を電動発電機の回転軸の回転状態と対応させ、なおかつ第2回転軸の回転状態を車輪の回転状態と対応させることができる。すなわち、無限無段変速機では第1回転軸と第2回転軸とを別々の回転状態にできるため、走行駆動部の車輪の回転状態に拘わらず、電動発電機の回転軸は所望の回転状態にすることができる。したがって、制動回生時に、無限無段変速機の変速比を制御することで、車両の走行状態に拘わらず、回生効率の良い条件で電動発電機に発電を行わせて、バッテリに蓄電することができる。
また、電動発電機と走行駆動部との間に介在する変速機は無限無段変速機であるため、無限無段変速機の変速比を無限大にすれば、電動発電機の回転軸が回転していても、第2回転軸が回転することはない。したがって、無限無段変速機の変速比を無限大にすれば、電動発電機の回転軸の回転が車輪に伝達されないようにすることができる。そして、車両を停止させた状態で内燃機関を運転すると、電動発電機の回転軸を回転させて発電させることができ、発電した電力をバッテリに蓄電することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、荷役作業を行う荷役装置と、作動油が送り込まれることで前記荷役装置を駆動する荷役駆動手段と、前記内燃機関の出力軸に連結され、前記出力軸の回転に伴って駆動されるオイルポンプと、を備え、前記オイルポンプは、駆動されると前記出力軸の回転状態に応じた作動油を前記荷役駆動手段に送り出すことを要旨とする。
この発明では、電動発電機を電動状態にすれば、電動発電機の動力により内燃機関の出力軸を回転させ、内燃機関の出力軸を回転させることで、オイルポンプを駆動することができる。オイルポンプは、駆動されると作動油を荷役駆動手段に送り出し、荷役装置は荷役作業を行うことができる。そして、無限無段変速機の変速比を制御すれば、車両は所望の走行状態で走行できる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記荷役装置に荷役作業を行わせるために操作される荷役操作手段の操作量を検出する荷役操作量検出手段と、荷役操作量に基づいて前記内燃機関の出力軸に要求される第1回転状態を検出する第1要求回転状態検出手段と、車両の車速を指示するために操作されるアクセル操作手段の操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、アクセル操作量に基づいて前記第2回転軸に要求される第2回転状態を検出する第2要求回転状態検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記内燃機関の前記出力軸が前記第1要求回転状態となるように前記内燃機関及び前記電動発電機を制御し、なおかつ、前記第2回転軸が前記第2要求回転状態となるように前記無限無段変速機を制御することを要旨とする。
この発明では、荷役操作手段が操作されると、制御手段は、内燃機関及び電動発電機を駆動して、内燃機関の出力軸を第1要求回転状態で回転させる。すると、オイルポンプは荷役操作量に応じた作動油を送り出し、荷役装置は所望の荷役作業を行うようになる。そして、内燃機関の出力軸が第1要求回転状態で回転することで、第1回転軸は第1要求回転状態に応じた回転状態になる。一方、制御手段が無限無段変速機の変速比を制御して、第2回転軸は第2要求回転状態になる。したがって、アクセル操作手段により指示された車速で走行させ、荷役操作手段によって操作されたとおりに荷役装置を駆動させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、車両の車速を指示するために操作されるアクセル操作手段の操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、アクセル操作量に基づいて前記第2回転軸に要求される第2回転状態を検出する第2要求回転状態検出手段と、を備え、前記制御手段は、予め定められた高効率運転状態で運転されるように前記内燃機関を制御し、前記制御手段は、前記高効率運転状態で制御したときの前記内燃機関の出力軸の回転状態と前記第2回転軸に要求される前記第2要求回転状態とを比較して、車速が前記アクセル操作手段により指示された車速よりも遅くなると判断した場合、前記電動発電機を電動状態にし、車速が前記アクセル操作手段により指示された車速よりも速くなると判断した場合、前記電動発電機を発電状態にすることを要旨とする。
この発明では、制御手段は、内燃機関を高効率運転状態にしたうえで、アクセル操作量に基づいて要求される第2要求回転状態に応じて、電動発電機を電動状態及び発電状態のいずれかに制御する。したがって、内燃機関を高効率運転状態にしたままで、車両をアクセル操作手段により指示された車速で走行させることができるため、効率のよい状態で車両を走行させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記バッテリの充電状態を検出する充電状態検出手段を備え、前記制御手段は、前記充電状態検出手段の検出結果に基づいて前記バッテリが残量不足であると判断すると、前記電動発電機を発電状態にするとともに前記内燃機関を運転し、前記電動発電機の前記回転軸を前記バッテリの充電状態に応じた回転状態で回転させるように前記内燃機関を制御し、なおかつ、前記第2回転軸が前記第2要求回転状態となるように前記無限無段変速機を制御することを要旨とする。
この発明では、制御手段はバッテリ残量が不足していると判断すると、電動発電機を発電状態にし、電動発電機の回転軸がバッテリの充電状態に応じた回転状態で回転するように内燃機関を制御する。そして、電動発電機の回転軸がバッテリの充電状態に応じた回転状態で回転することで、第1回転軸も同じ状態で回転するが、制御手段は、無限無段変速機の変速比を制御することで、第2回転軸を第2要求回転状態にすることができる。したがって、電動発電機がバッテリの充電状態に応じた発電を行っても、車両をアクセル操作手段により指示された車速で走行させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の発明において、運転者の操作により車速の減速指示がなされたことを検出する減速指示検出手段を備え、前記制御手段は、前記減速指示検出手段の検出結果に基づいて減速指示がなされたと判断すると、回生制動が生じるように前記電動発電機を制御し、前記電動発電機の前記回転軸が、予め設定された効率回転状態で回転するように前記無限無段変速機を制御することを要旨とする。
この発明では、回生制動により車両が減速することで第2回転軸の回転数が小さくなっても、無限無段変速機を制御することで、第1回転軸及び電動発電機の回転軸を効率回転状態で回転させることができる。したがって、車両の回生制動時、車両の走行状態に拘わらず、電動発電機は効率よく発電することができ、発電した電力をバッテリに充電することができる。
本発明によれば、車両の走行状態に拘わらず電動発電機を制御して、効率よく発電を行うことができる。
以下、本発明をハイブリッドフォークリフトに具体化した一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は、フォークリフトの運転者が車両前方(前進方向)を向いた状態を基準とした場合の「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」を示す。
図1に示すように、ハイブリッド車両としてのハイブリッドフォークリフト(以下、「フォークリフト」と記載する。)10には、車体11の前部に荷役装置12が設けられている。また、車体11の前下部には駆動輪(前輪)13が設けられているとともに、車体11の後下部には操舵輪(後輪)14が設けられている。車体11の中央には、運転室15が設けられている。運転室15には、運転者が着座可能な運転シート16が設けられている。運転シート16の下方には、内燃機関としてのエンジン17、モータジェネレータ(発電電動機)19及びオイルポンプ20が車体フレームFの後部に固定されて、フード21で覆われた状態で装備されている。オイルポンプ20は、オイルタンク22(図2参照)に貯油されている作動油を汲み上げて、制御弁23(図2参照)を介して作動油をティルトシリンダ24及びリフトシリンダ25に供給するように構成されている。制御弁23は作動油の流路を形成する管路を介して、ティルトシリンダ24、リフトシリンダ25、オイルタンク22及びオイルポンプ20に接続されている。
荷役装置12について説明する。車体11の前部にはマスト26が立設されている。マスト26は、左右一対のアウタマスト27とインナマスト28からなる多段式とされている。アウタマスト27には荷役駆動手段としての油圧式のティルトシリンダ24が連結されるとともに、ティルトシリンダ24の作動により車体11に対して前後に傾動可能とされている。インナマスト28には荷役駆動手段としての油圧式のリフトシリンダ25が連結されるとともに、リフトシリンダ25の作動によりアウタマスト27内をスライドし昇降可能とされている。マスト26には左右一対のフォーク29がリフトブラケット30を介して設けられている。リフトブラケット30は、インナマスト28に昇降可能に設けられている。
また、運転室15において、運転シート16の前方には、ハンドルコラム31が設けられている。ハンドルコラム31には操舵輪14の舵角を変更するための操舵ハンドル32が装着されている。
ハンドルコラム31の左方には、車両の走行方向(進行方向)を指示する走行方向指示手段としての前後進レバー(ディレクションレバー)33が設けられている。本実施形態では、前後進レバー33によって車両の走行方向として「前進」又は「後進」を選択指示し得るようになっている。
一方、ハンドルコラム31の右方には、荷役装置12(フォーク29)を昇降動作させるときに操作する荷役操作手段としてのリフトレバー34(図2参照)と、荷役装置12(マスト26)を傾動動作させるときに操作する荷役操作手段としてのティルトレバー35(図2参照)が設けられている。
また、運転シート16の下方(フロア)には、アクセルペダルA及びブレーキペダルB(図2参照)が設けられている。アクセルペダルAは、フォークリフト10の車速(走行)を指示するとともに車速を調整するアクセル操作手段として構成されている。ブレーキペダルBは、フォークリフト10に減速を指示する減速指示手段として構成されている。車体11には、エンジン17及びモータジェネレータ19よりも後側にエンジン17及びモータジェネレータ19の制御を含む各種制御を行う車両制御装置37が設けられている。
図2は、本実施形態のフォークリフト10の概略構成図である。
本実施形態では、エンジン17から駆動輪13までの動力伝達経路上において、エンジン17、モータジェネレータ19、無限無段変速機(Infinitely Variable Transmission、以下、「IVT」という。)38、ディファレンシャルギア39の順に配置されるとともに、エンジン17、モータジェネレータ19、IVT38、ディファレンシャルギア39の順に連結されている。また、エンジン17を間に挟んでモータジェネレータ19の反対側には、エンジン17により駆動されるオイルポンプ(荷役ポンプ)が設けられている。エンジン17の出力軸17aは、オイルポンプ20に連結され、エンジン17の出力軸17aが回転するとオイルポンプ20を駆動してオイルポンプ20から作動油を送り出させるように構成されている。エンジン17は、車両制御装置37からの指令に基づいてエンジン17の回転数及び出力トルク、すなわち、出力軸17aの回転数及び出力トルクが調節される。そして、オイルポンプ20の吐出側には、マスト26(図1参照)を傾動させるティルトシリンダ24とフォーク29(図1参照)を昇降させるリフトシリンダ25とが設けられている。ティルトシリンダ24及びリフトシリンダ25は管路及び制御弁23を介してオイルポンプ20に接続されている。制御弁23は、ティルトシリンダ24及びリフトシリンダ25に対する作動油の流路を切り換えるように構成されている。また、エンジン17の出力軸17aには、オイルポンプ20側とは反対側に、モータジェネレータ19の回転軸40の第1端部40aが連結されている。
モータジェネレータ19は、インバータ41を介してバッテリ42と電気的に接続されている。そして、モータジェネレータ19は、発電状態となったとき電力を発電し、発電された電力はインバータ41で交流から直流に変換されてバッテリ42に充電される。また、モータジェネレータ19は、電動状態となったときインバータ41を介してバッテリ42から電力が供給されて駆動される。
また、モータジェネレータ19はその回転軸40の第2端部40bがIVT38の第1回転軸としての入力軸38aに連結されている。したがって、モータジェネレータ19の回転軸40とIVT38の入力軸38a、エンジン17の出力軸17aは、同一軸線上で連結され、一体回転可能に構成されている。
IVT38は、入出力回転数比を連続的に変化させることのできる無段変速機構(CVT)及び遊星歯車機構が組み合わされてなる周知の構成であり、変速比を無限大を含み連続的に変化させることができる構成である。そして、IVT38は、ニュートラル位置になったとき変速比が無限大となり、入力軸38aが回転していても、出力軸38bは回転しない状態になる。また、IVT38では、ニュートラル位置から変速比を変えることにより、出力回転を前進、又は後進方向に連続的に変化させることが可能に構成されている。IVT38の出力軸38bは、ディファレンシャルギア39を介して車軸43に連結されている。車軸43の両側には駆動輪13が配設されている。なお、走行駆動部は、ディファレンシャルギア39、車軸43、駆動輪13によって構成されている。そして、エンジン17及びモータジェネレータ19の動力は、IVT38の出力軸38bを介して車軸43に伝達可能に構成されており、出力軸38bの回転方向に応じた方向に駆動輪13が駆動される。各駆動輪13には、図示しないドラムブレーキがそれぞれ配設されている。
また、車両制御装置37には、車両制御用のCPU(中央処理装置)44と、読出し及び書き換え可能な車両制御用のメモリ45とが内蔵されている。メモリ45には、フォークリフト10の走行及び荷役を制御するための制御プログラムが記憶されている。また、メモリ45には、エンジン17、モータジェネレータ19及びIVT38を制御するための制御プログラムが記憶されている。メモリ45には、バッテリ42の残量が不足しているか否かを判断するための第1バッテリ電圧値と、バッテリ42が満充電されているか否かを判断するための第2バッテリ電圧値とが記憶されている。また、メモリ45には、モータジェネレータ19の回転軸40の高回転数効率領域(例えば、2000〜2600[回転/分])が記憶されている。なお、高回転数効率領域とは、モータジェネレータ19を目的とする発電効率(例えば、95%)で発電させることが可能な回転軸40の回転数領域のことである。そして、車両制御装置37は、各種センサの検出信号に基づいて、エンジン17及びモータジェネレータ19の駆動状態、及びIVT38の変速比を制御する。車両制御装置37は、エンジン17に対して効率最適点運転制御を実行可能に構成されている。効率最適点運転制御とは、目的とするエンジン効率(例えば、33%)を得ることができるようにエンジン17を運転する制御であり、例えば、エンジン17の回転数が2000[回転/分]〜4000[回転/分]となるようにする制御である。また、車両制御装置37は、回生制動を発生させる制御をモータジェネレータ19に対して実行可能に構成されている。
以下、フォークリフト10に装備された各種センサと、該センサの接続態様(接続先)について説明する。
エンジン17には、エンジン17の回転数を検出するエンジン回転数センサ46が配設されている。エンジン回転数センサ46は、車両制御装置37に電気的に接続され、エンジン回転数に応じたエンジン回転数信号を車両制御装置37に出力する。
モータジェネレータ19には、モータジェネレータ19の回転軸40の回転数を検出するモータ回転数センサ47が配設されている。モータ回転数センサ47は、車両制御装置37に電気的に接続されるとともに、回転軸40の回転数に応じた回転数信号を車両制御装置37に出力する。そして、モータジェネレータ19の回転軸40の回転数とIVT38の入力軸38aの回転数とは一義的に対応付けられるものであり、モータ回転数センサ47は、IVT38の入力軸38aの回転数を検出する第1回転軸回転数検出手段として機能する。
また、車体11には、フォークリフト10の車速を検出する車速センサ48が各駆動輪13に対応して配設されている。車速センサ48は、車両制御装置37に接続され、各駆動輪13の回転速度からフォークリフト10の車速を検出し、車速に応じた車速信号を車両制御装置37に出力する。なお、IVT38の出力軸38bの回転数とフォークリフト10の車速とは一義的に対応付けられるものであり、車速センサ48は、IVT38の出力軸38bの回転数を検出する第2回転軸回転数検出手段として機能する。
バッテリ42は、バッテリ42の充電状態の指標となるバッテリ電圧を検出する充電状態検出手段としての電圧センサ49と並列に接続されている。電圧センサ49はバッテリ電圧を検出するとともに、検出したバッテリ電圧に応じたバッテリ電圧信号を車両制御装置37に出力可能に構成されている。
リフトレバー34には、リフトレバー34の操作量を検出する荷役操作量検出手段としてのリフトレバーセンサ50が配設されている。また、ティルトレバー35には、ティルトレバー35の操作量を検出する荷役操作量検出手段としてのティルトレバーセンサ51が配設されている。リフトレバーセンサ50及びティルトレバーセンサ51は、車両制御装置37に接続され、リフトレバー34及びティルトレバー35の操作量に応じたリフト操作信号及びティルト操作信号をそれぞれ出力する。車両制御装置37は、リフト信号及びティルト信号が入力されると、操作量に応じた速度で昇降動作及び前後傾動作を荷役装置12に行わせるために、エンジン17及びモータジェネレータ19の回転状態を制御する。具体的には、車両制御装置37は、リフト信号及びティルト信号に基づいて、エンジン17の出力軸17aに要求する第1要求回転数を算出し、エンジン17の出力軸17aが第1要求回転数となるようにエンジン17及びモータジェネレータ19を制御する。車両制御装置37は、第1要求回転状態検出手段として構成されている。
前後進レバー33には、前後進レバー33の操作位置を検出するシフトスイッチ52が配設されている。シフトスイッチ52は、車両制御装置37に接続され、前後進レバー33の操作位置に応じた前後進信号を出力する。そして、フォークリフト10は、前後進レバー33が「前進位置」に操作されている場合には前進走行すべくエンジン17及びモータジェネレータ19が制御され、前後進レバー33が「後進位置」に操作されている場合には後進走行すべくエンジン17及びモータジェネレータ19が制御される。また、車両制御装置37は、前後進レバー33が「前進位置」から「後進位置」に切り換え操作された場合、ドラムブレーキによる制動力及び回生制動力を駆動輪13に作用させるように作動する。
アクセルペダルAには、アクセルペダルAの踏み込み量を検出するアクセル操作量検出手段としてのアクセル開度センサ53が配設されている。アクセル開度センサ53は、車両制御装置37に接続され、踏み込み量(アクセル開度)に応じたアクセル開度信号を出力する。アクセルペダルAは、踏み込んだ状態(操作状態)でフォークリフト10の加速を指示し、踏み込んでいない状態(非操作状態)へ戻すことによってフォークリフト10の加速を指示しないように作動する。車両制御装置37は、アクセル開度信号が入力されると、踏み込み操作量(アクセル開度)に応じた車速で走行するようにエンジン17及びモータジェネレータ19の回転状態、及びIVT38の変速比を制御する。具体的には、車両制御装置37は、アクセル開度信号に基づいてIVT38の出力軸38bに要求する第2要求回転数を算出し、IVT38の出力軸38bが第2要求回転数となるようにエンジン17、モータジェネレータ19及びIVT38を制御する。車両制御装置37は、第2要求回転状態検出手段として構成されている。
ブレーキペダルBには、ブレーキペダルBの踏み込み状態を検出するブレーキスイッチ54が配設されている。ブレーキスイッチ54は、車両制御装置37に接続され、踏み込み状態に応じてブレーキ信号を出力する。具体的に言えば、ブレーキスイッチ54は、ブレーキペダルBが踏み込まれるとブレーキ信号を車両制御装置37に出力する。車両制御装置37は、ブレーキ信号が入力されると、ブレーキペダルBから減速指示がなされたことを検出する減速指示検出手段として構成されている。そして、車両制御装置37は、減速指示がなされたことを検出すると、ドラムブレーキによる制動力及び回生制動力を駆動輪13に作用させるように動作する。ブレーキペダルBは、踏み込まれた状態から踏み込まれていない状態へ戻ると、駆動輪13に制動力を作用させないように作動する。
以下、車両制御装置37によって実行される各種制御について詳しく説明する。車両制御装置37は、以下に説明する各種制御を制御プログラムにしたがって実行する。
フォークリフト10の始動後、運転者がアクセルペダルAを踏み込むことなくリフトレバー34を操作すると、車両制御装置37は、IVT38を制御してニュートラル位置にする。さらに、車両制御装置37は、リフトレバーセンサ50から入力されたリフト操作信号に基づいてエンジン17の出力軸17aに対する第1要求回転数を算出する。そして、車両制御装置37は、エンジン17を運転して、エンジン17の動力によりエンジン17の出力軸17aを第1要求回転数で回転させる。そして、車両制御装置37は、第1要求回転数が効率最適点運転制御を実行したときのエンジン17の出力軸17aの回転数よりも大きい場合には、モータジェネレータ19を駆動してエンジン17の駆動をアシストし、エンジン17の出力軸17aを第1要求回転数で回転させる。車両制御装置37は、ティルトレバー35が操作されたときも同様に、IVT38を制御してニュートラル位置にしたうえで、算出した第1要求回転数に応じて、モータジェネレータ19及びエンジン17を制御する。したがって、フォークリフト10は、車両を停止させた状態で、フォーク29にリフト動作及びティルト動作を行わせて荷役作業を行うことができる。
また、フォークリフト10は電源スイッチがオンされている間、車両制御装置37は、バッテリ42のバッテリ電圧を監視する。そして、車両制御装置37は、電圧センサ49からのバッテリ電圧信号に基づいて、バッテリ電圧が第1バッテリ電圧値以下にまで低下したことを検出した場合、バッテリ42の残量が不足していると判断する。この場合、車両制御装置37は、アクセル開度信号が入力されておらずフォークリフト10が停止した状態であれば、IVT38を制御してニュートラル位置にしたうえで、モータジェネレータ19を発電状態にする。そして、車両制御装置37は、エンジン17を制御し、モータジェネレータ19の回転軸40の回転数が電圧センサ49により検出されるバッテリ電圧に応じた回転数となるように、エンジン17の動力によりモータジェネレータ19の回転軸40を回転させる。なお、バッテリ電圧に応じた回転数でモータジェネレータ19の回転軸40を回転させた場合、例えば、回転軸40は、バッテリ電圧が高くなる程、低回転数で回転し、バッテリ電圧が低くなる程、高回転数で回転するようになる。したがって、フォークリフト10では、フォークリフト10を停止させたまま、モータジェネレータ19にバッテリ42の充電状態に応じた発電を行わせることができる。
次に、フォークリフト10を走行させるため、運転者がアクセルペダルAを踏み込むと、アクセル開度センサ53から車両制御装置37にアクセル開度信号が入力される。すると、車両制御装置37は、エンジン17に効率最適点運転制御を実行する。そして、車両制御装置37は、アクセル開度センサ53からのアクセル開度信号に基づいてIVT38の出力軸38bの第2要求回転数を算出し、効率最適点運転制御によるエンジン17の出力軸17aの回転数と第2要求回転数とを比較する。そして、車両制御装置37は、効率最適点運転制御によるエンジン17の動力だけでは、アクセルペダルAから指示された車速にできない(IVT38の出力軸38bの回転数を第2要求回転数にできない)と判断した場合、モータジェネレータ19を電動状態に制御する。そして、車両制御装置37は、エンジン17及びモータジェネレータ19の動力によりIVT38の出力軸38bを回転させ、IVT38の出力軸38bを第2要求回転数で回転させる。また、車両制御装置37は、効率最適点運転制御によるエンジン17の出力軸17aの回転数と第2要求回転数とを比較して、エンジン17の動力がアクセルペダルAから指示された車速に対して過剰である(IVT38の出力軸38bの回転数が第2要求回転数よりも大きくなってしまう)と判断した場合、モータジェネレータ19を発電状態に制御して、過剰なエンジン17の動力を電力に変換してバッテリ42に蓄電する。したがって、車両制御装置37がエンジン17に対して効率最適点運転制御を実行したまま、IVT38の出力軸38bを第2要求回転数で回転させることができるため、エンジン17を効率よく運転しつつ、フォークリフト10を運転者が指示した速度で走行させることができる。しかも、エンジン17の出力軸17aの回転数に対する第2要求回転数の大きさに応じて、モータジェネレータ19を電動状態及び発電状態のいずれかに制御するようになっているため、効率のよい状態でフォークリフト10を走行させることができる。
また、フォークリフト10の走行中、バッテリ電圧が第1バッテリ電圧値よりも低下すると、車両制御装置37は、モータジェネレータ19を発電状態にする。そして、車両制御装置37は、エンジン17に対する効率最適点運転制御を終了し、モータジェネレータ19の回転軸40の回転数がバッテリ電圧に応じた回転数となるように、エンジン17を制御する。さらに、車両制御装置37は、アクセル開度センサ53からの検出信号に基づいて、IVT38の出力軸38bの第2要求回転数を算出し、実際のモータジェネレータ19の回転軸40の回転数とIVT38の出力軸38bの第2要求回転数との比に合うようにIVT38の変速比を制御する。そして、車両制御装置37は、回転軸40の回転数をバッテリ電圧に応じた回転数とする制御をバッテリ42我満充電されるまで実行し、バッテリ電圧が第2バッテリ電圧値に達すると、バッテリ42が満充電されたと判断して終了する。したがって、フォークリフト10の走行中にバッテリ42を充電する場合、エンジン17はモータジェネレータ19の回転軸40の回転数をバッテリ42の充電状態に応じた回転数にするように運転され、フォークリフト10は運転者が指示した速度で走行することができる。
また、フォークリフト10の走行中に荷役操作手段としてのリフトレバー34又はティルトレバー35が操作された場合、車両制御装置37にはリフト操作信号又はティルト操作信号が入力される。すると、車両制御装置37は、エンジン17に対する効率最適点運転制御を終了し、リフト操作信号又はティルト操作信号に基づいてエンジン17の出力軸17aの第1要求回転数を算出し、出力軸17aが第1要求回転数で回転するようにエンジン17を制御する。そして、車両制御装置37はエンジン回転数センサ46によって検出されたエンジン回転数とIVT38の出力軸38bに対する第2要求回転数との比と同じになるようにIVT38の変速比を制御する。すると、IVT38の出力軸38bは、第2要求回転数で回転することになる。したがって、フォークリフト10を運転者が指示した速度で走行させつつ、運転者の指示した速度で荷役装置12に昇降動作又は前後傾動作を行わせることができる。
また、フォークリフト10の走行中、運転者がブレーキペダルBを踏み込むと、ブレーキスイッチ54から車両制御装置37にブレーキ信号が入力される。すると、車両制御装置37は、回生制動を発生させるようにモータジェネレータ19を制御して駆動輪13を制動する。このとき、モータジェネレータ19による回生制動に伴ってIVT38の出力軸38bの回転数は減少するが、車両制御装置37は、回転軸40の高回転数効率領域内の回転数とIVT38の出力軸38bの回転数との比に合うようにIVT38の変速比を制御する。そのため、モータジェネレータ19の回転軸40は高回転数効率領域内で回転する。したがって、フォークリフト10の走行速度が速い状態であっても、遅い状態であっても、モータジェネレータ19の回転軸40は高回転数効率領域内で回転することができ、モータジェネレータ19による電力の回生を効率よく行うことができる。
また、フォークリフト10の前進走行中、運転者が前後進レバー33を「前進位置」から「後進位置」に操作した場合、車両制御装置37に入力される信号が、前進信号から後進信号に切り換わる。すると、車両制御装置37は、フォークリフト10の走行方向の切り換え指示がなされたと判断し、フォークリフト10を前進走行から後進走行に切り換える(スイッチバックする)ように、各種装置を制御する。このとき、車両制御装置37は、モータジェネレータ19に回生制動を発生させるように制御する。そして、車両制御装置37は、IVT38の変速比を制御することで、モータジェネレータ19の回転軸40を高回転数効率領域内で回転させる。したがって、フォークリフト10がスイッチバックする場合においても、モータジェネレータ19による電力の回生を効率よく行うことができる。
この実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)フォークリフト10は、エンジン17、モータジェネレータ19、バッテリ42、ディファレンシャルギア39、IVT38を備えている。そして、フォークリフト10の車体11内には、エンジン17、モータジェネレータ19、IVT38を制御する車両制御装置37が搭載されている。エンジン17の出力軸17aは、モータジェネレータ19の回転軸40と連動回転可能に連結されている。また、IVT38はその入力軸38aがモータジェネレータ19の回転軸40と連動回転可能に連結され、その出力軸17aがディファレンシャルギア39に連結され駆動輪13と連動回転可能に構成されている。そして、IVT38では変速比を変えることで、入力軸38aをモータジェネレータ19の回転軸40の回転状態に対応した回転状態とし、出力軸38bを駆動輪13の回転状態に対応した回転状態にできる。したがって、車両制御装置37は、フォークリフト10の走行状態に拘わらずモータジェネレータ19を制御して、効率よく発電を行うことができる。
(2)IVT38は、ニュートラル位置になると、入力軸38aが回転していても、出力軸38bは回転しないように構成されている。したがって、車両制御装置37は、IVT38をニュートラル位置にすれば、モータジェネレータ19を電動状態にしても、回転軸40の回転がディファレンシャルギア39にまで伝達されることはない。その結果、フォークリフト10を停止させた状態で、エンジン17を運転してモータジェネレータ19の回転軸40を回転させて発電し、バッテリ42に蓄電することができる。
(3)エンジン17の出力軸17aには、オイルポンプ20が連結されている。そして、エンジン17が運転されて出力軸17aが回転すると、オイルポンプ20は、出力軸17aの回転状態に応じた作動油をティルトシリンダ24又はリフトシリンダ25に送り出し、荷役装置12に昇降動作又は前後傾動作を行わせることができる。そして、車両制御装置37がIVT38の変速比を制御することで、フォークリフト10は所望の速度で走行することができる。
(4)車両制御装置37は、リフトレバー34及びティルトレバー35の操作量に基づいてエンジン17の出力軸17aに要求する第1要求回転数を算出し、アクセルペダルAの踏み込み量に基づいてIVT38の出力軸38bに要求する第2要求回転数を算出する。そして、車両制御装置37は、エンジン17の出力軸17aが第1要求回転数となるようにエンジン17を制御し、IVT38の出力軸38bが第2要求回転数となるようにIVT38を制御する。したがって、フォークリフト10をアクセルペダルAから指示された速度で走行させながら、リフトレバー34又はティルトレバー35の操作量に応じた速度で荷役装置12を動作させることができる。
(5)車両制御装置37は、エンジン17に対して効率最適点運転制御を実行可能に構成されている。そして、車両制御装置37は、エンジン17の出力軸17aの回転数と出力軸38bに要求される第2要求回転数とを比較して、モータジェネレータ19を電動状態及び発電状態のいずれにするか判断する。したがって、エンジン17は効率最適点運転制御を行ったまま、アクセルペダルAから指示された車速でフォークリフト10を走行させることができ、効率よくフォークリフト10を走行させることができる。
(6)フォークリフト10は、バッテリ42の充電状態の指標となるバッテリ電圧を検出する電圧センサ49を備えている。車両制御装置37は、バッテリ42が残量不足であると判断すると、モータジェネレータ19を発電状態にするとともにエンジン17を運転する。そして、車両制御装置37は、モータジェネレータ19の回転軸40の回転数がバッテリ電圧に応じた回転数となるようにエンジン17を制御する。また、車両制御装置37は、出力軸38bが第2要求回転数となるようにIVT38を制御する。したがって、モータジェネレータ19がバッテリ42の充電状態に応じた発電を行っても、フォークリフト10の車速を、アクセルペダルAから指示された車速にすることができる。
(7)車両制御装置37は、ブレーキペダルBの踏み込み操作又はスイッチバック操作が行われたことを検出し、ブレーキペダルBの踏み込み操作又はスイッチバック操作を検出すると回生制動が生じるようにモータジェネレータ19を制御する。そして、車両制御装置37は、IVT38を制御して、入力軸38aの回転数が高回転数効率領域の範囲内となるようにIVT38を制御する。したがって、車両が減速することでIVT38の出力軸38bの回転数が小さくなっても、モータジェネレータ19の回転軸40の回転数を高回転数効率領域の範囲内におさめることができる。したがって、フォークリフト10の回生制動時、フォークリフト10の走行状態に拘わらず、モータジェネレータ19は効率よく発電して、発電した電力をバッテリ42に充電することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように構成してもよい。
○ リフトレバー34又はティルトレバー35の操作時において、第1要求回転数が効率最適点運転制御を実行したときのエンジン17の出力軸17aの回転数よりも大きい場合、エンジン17の出力軸17aの回転トルクをアシストするためにモータジェネレータ19を駆動してもよい。
○ 荷役装置12の主駆動源は、エンジン17及びモータジェネレータ19のどちらでもよい。例えば、荷役装置12の主駆動源としてモータジェネレータ19を用い、荷役装置12の補助駆動源としてエンジン17を用いてもよい。この場合、フォークリフト10が停止した状態で、リフトレバー34又はティルトレバー35が操作されると、車両制御装置37は、IVT38を制御してニュートラル位置にするとともに、モータジェネレータ19を電動状態にする。そして、車両制御装置37は、第1要求回転数がモータジェネレータ19の最大許容回転数よりも小さい場合には、エンジン17を運転することなく、モータジェネレータ19の動力のみでオイルポンプ20を駆動する。一方、車両制御装置37は、第1要求回転数がモータジェネレータ19の最大許容回転数よりも大きい場合には、エンジン17を駆動してモータジェネレータ19の駆動をアシストする。したがって、フォークリフト10では、IVT38をニュートラル位置にすれば、車両を停止させた状態で、モータジェネレータ19の動力のみによりオイルポンプ20を駆動して、荷役装置12に荷役作業を行わせることができる。
○ モータジェネレータ19の高回転数効率領域は、モータジェネレータ19の種類によって異なるものであり、その範囲はとくに限定されない。
○ モータジェネレータ19をバッテリ42の充電状態に応じて発電させるときの制御内容についてはとくに限定されない。例えば、メモリ45に、バッテリ電圧と、モータジェネレータ19の回転軸40の目標回転数との関係を示すマップを記憶させ、マップを参照して、モータジェネレータ19を制御してもよい。この場合、モータジェネレータ19の回転軸40の回転数をバッテリ電圧に応じた回転数にして、モータジェネレータ19を発電させてもよい。なお、マップで記憶する目標回転数は、バッテリ42の充電状態(バッテリ電圧)に適したモータジェネレータ19の回転軸40の回転数に設定している。このバッテリ電圧に適したモータジェネレータ19の回転軸40の目標回転数は、予め実験又は計算により求められる。また、メモリ45にマップを記憶させなくとも、車両制御装置37が電圧センサ49によって検出されたバッテリ電圧に基づいて目標回転数を演算するように構成してもよい。
○ 効率最適点運転制御が実行されたときに設定されるエンジン17の回転数は、2000〜4000rpmに限らない。効率最適点運転制御が実行されたときに設定されるエンジン17の回転数の範囲は、エンジン17の種類に応じて適宜変更してもよい。
○ モータ回転数センサ47を、IVT38の入力軸38aの回転数を検出する第1回転軸検出手段として用いなくともよい。例えば、モータ回転数センサ47とは別に、IVT38の入力軸38aの回転数を検出するための専用のセンサを設けてもよい。
○ 車速センサ48を、IVT38の出力軸38bの回転数を検出する第2回転軸検出手段として用いなくともよい。例えば、車速センサ48とは別に、IVT38の出力軸38bの回転数を検出するための専用のセンサを設けてもよい。
○ 車両制御装置37は、IVT38を制御することでモータジェネレータ19の回転軸40及びエンジン17の出力軸17aの回転数を制御する代わりに、IVT38を制御することでモータジェネレータ19の回転軸40及びエンジン17の出力軸17aのトルクを制御するようにしてもよい。例えば、モータジェネレータ19を発電状態にしたときには、回転軸40がバッテリ42の充電状態に応じたトルクで回転するようにエンジン17及びIVT38を制御してもよい。また、フォークリフト10を減速させるために、回生制動が生じるようにモータジェネレータ19を制御する場合、モータジェネレータ19の回転軸40のトルクが予め設定された高効率トルクとなるようにIVT38を制御してもよい。
○ 車両制御装置37がモータジェネレータ19及びエンジン17に対して行う制御内容については、とくに限定しない。本発明によれば、モータジェネレータ19及びエンジン17の制御内容がフォークリフト10の走行状態に左右されないため、モータジェネレータ19及びエンジン17に対して所望の制御を行うことができる。
○ 回転軸40とエンジン17の出力軸17aとの連結状態を変更してもよい。例えば、回転軸40及びエンジン17の出力軸17aのそれぞれに歯車を取り付け、歯車同士が噛み合う状態にすることで、歯車を介して回転軸40とエンジン17の出力軸17aとを連動回転可能に連結してもよい。
○ IVT38の入力軸38aと回転軸40との連結状態を変更してもよい。例えば、回転軸40及びIVT38の入力軸38aのそれぞれに歯車を取り付け、歯車同士が噛み合う状態にすることで、歯車を介して回転軸40とIVT38の入力軸38aとを連動回転可能に連結してもよい。
○ 制御手段としての車両制御装置37の構成を変更してもよい。例えば、車両制御装置37を、エンジン17を制御するエンジン制御装置(ECU)と、エンジン17以外の装置を制御する制御装置とから構成し、エンジン制御装置と制御装置とを双方向に電気信号の入出力が可能な状態で接続してもよい。
○ 本発明をハイブリッドフォークリフト10以外のハイブリッド車両に適用してもよい。本発明を、例えば、ブルドーザやホイールローダ等のハイブリッド産業車両に適用してもよい。また、本発明を、例えば、ハイブリッド車両としてのハイブリッド無人搬送車に適用してもよいし、ハイブリッド車両としてのハイブリッド自動車に適用してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(イ) 運転者の操作により車両の前後進を切り換えるように指示されたことを検出する走行方向指示検出手段を備え、前記制御手段は、前記走行方向指示検出手段の検出結果に基づいて車両の前後進の切り換え指示がなされたと判断すると、回生制動が生じるように前記電動発電機を制御し、前記電動発電機の前記回転軸が、予め設定された効率領域の範囲内で回転するように前記無限無段変速機を制御する請求項4又は請求項5に記載のハイブリッド車両。
フォークリフトの側面図。 フォークリフトの概略構成図。
符号の説明
10…ハイブリッド車両としてのハイブリッドフォークリフト、12…荷役装置、13…車輪としての駆動輪、17…内燃機関としてのエンジン、17a…出力軸、19…電動発電機としてのモータジェネレータ、20…オイルポンプ、24…荷役駆動手段としてのティルトシリンダ、25…荷役駆動手段としてのリフトシリンダ、37…制御手段、第1要求回転状態検出手段、第2要求回転状態検出手段としての車両制御装置、38…無限無段変速機、38a…第1回転軸としての入力軸、38b…第2回転軸としての出力軸、40…回転軸、42…バッテリ、49…充電状態検出手段としての電圧センサ、50…荷役操作量検出手段としてのリフトレバーセンサ、51…荷役操作量検出手段としてのティルトレバーセンサ、53…アクセル操作量検出手段としてのアクセル開度センサ。

Claims (6)

  1. 内燃機関及び電動発電機のいずれか一方の動力又は両方の動力を用いて走行するハイブリッド車両において、
    前記電動発電機で発電された電力を蓄電するとともに前記電動発電機に電力を供給可能なバッテリと、
    前記内燃機関及び前記電動発電機のいずれか一方の動力又は両方の動力が入力されると車輪を駆動させる走行駆動部と、
    第1回転軸の回転数と第2回転軸の回転数との比率である変速比を、無限大を含み連続的に変化させる無限無段変速機と、
    前記内燃機関、前記電動発電機及び前記無限無段変速機を制御する制御手段と、を備え、
    前記内燃機関の出力軸と前記電動発電機の回転軸とは連動回転可能に連結され、
    前記電動発電機と前記走行駆動部とは前記無限無段変速機を介して連結され、
    前記無限無段変速機は、前記第1回転軸が前記電動発電機の前記回転軸と連動回転可能に連結され、前記第2回転軸が前記車輪と連動回転可能に前記走行駆動部に連結されたことを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 荷役作業を行う荷役装置と、
    作動油が送り込まれることで前記荷役装置を駆動する荷役駆動手段と、
    前記内燃機関の出力軸に連結され、前記出力軸の回転に伴って駆動されるオイルポンプと、を備え、
    前記オイルポンプは、駆動されると前記出力軸の回転状態に応じた作動油を前記荷役駆動手段に送り出す請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 前記荷役装置に荷役作業を行わせるために操作される荷役操作手段の操作量を検出する荷役操作量検出手段と、
    荷役操作量に基づいて前記内燃機関の出力軸に要求される第1回転状態を検出する第1要求回転状態検出手段と、
    車両の車速を指示するために操作されるアクセル操作手段の操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
    アクセル操作量に基づいて前記第2回転軸に要求される第2回転状態を検出する第2要求回転状態検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記内燃機関の前記出力軸が前記第1要求回転状態となるように前記内燃機関及び前記電動発電機を制御し、なおかつ、前記第2回転軸が前記第2要求回転状態となるように前記無限無段変速機を制御する請求項2に記載のハイブリッド車両。
  4. 車両の車速を指示するために操作されるアクセル操作手段の操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
    アクセル操作量に基づいて前記第2回転軸に要求される第2回転状態を検出する第2要求回転状態検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、予め定められた高効率運転状態で運転されるように前記内燃機関を制御し、
    前記制御手段は、前記高効率運転状態で制御したときの前記内燃機関の出力軸の回転状態と前記第2回転軸に要求される前記第2要求回転状態とを比較して、
    車速が前記アクセル操作手段により指示された車速よりも遅くなると判断した場合、前記電動発電機を電動状態にし、
    車速が前記アクセル操作手段により指示された車速よりも速くなると判断した場合、前記電動発電機を発電状態にする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッド車両。
  5. 前記バッテリの充電状態を検出する充電状態検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記充電状態検出手段の検出結果に基づいて前記バッテリが残量不足であると判断すると、前記電動発電機を発電状態にするとともに前記内燃機関を運転し、
    前記電動発電機の前記回転軸を前記バッテリの充電状態に応じた回転状態で回転させるように前記内燃機関を制御し、なおかつ、前記第2回転軸が前記第2要求回転状態となるように前記無限無段変速機を制御する請求項4に記載のハイブリッド車両。
  6. 運転者の操作により車速の減速指示がなされたことを検出する減速指示検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記減速指示検出手段の検出結果に基づいて減速指示がなされたと判断すると、回生制動が生じるように前記電動発電機を制御し、
    前記電動発電機の前記回転軸が、予め設定された効率回転状態で回転するように前記無限無段変速機を制御する請求項4又は請求項5に記載のハイブリッド車両。
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