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JP2009230301A - ログデータの取得のための制御方法および装置、並びにコンピュータプログラム - Google Patents

ログデータの取得のための制御方法および装置、並びにコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】少ないデータ量でエラーの原因の究明に有効なログデータを取得すること。
【解決手段】種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理について、それぞれのデータ処理による当該処理システムへの影響の大きさに応じたログレベルを設定しておき(#101)、操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときに(#102)、当該操作に対応して実行されたデータ処理の種類に対して設定されたログレベルを取得し(#103)、ログレベルに応じた遡及範囲を決定し(#104)、その範囲に遡及してログデータを取得し(#105)、取得されたログデータにより解析用ログファイルを作成する(#106)。
【選択図】 図12

Description

本発明は、ユーザの操作に基づいて処理プログラムが実行される処理システムにおけるログデータの取得のための制御方法および装置、並びにコンピュータプログラムに関する。
従来において、病院、医院などの医療施設において、医師によって作成されるカルテを電子化した電子カルテシステムが用いられている。電子カルテシステムによると、電子カルテには、患者の病歴、診療歴、治療内容などの情報が記録される。
また、医療施設においては、検査システム、薬剤システム、または会計システムなどの種々のシステムが並行して稼動している。これら複数のシステムが互いに連携することにより、膨大な量のデータ処理を行う医療情報システムが形成されている。
さて、電子カルテシステムにおいて、システムのエラー、トラブル、または不具合などが発生した場合に、その原因の究明や早期復旧のために、システムの処理履歴を記録したログ(システムログ)が用いられる。電子カルテを参照しまたは記録するのは主に医師であり、医師は患者への対応に追われることが多く、ほとんどの場合にエラー発生時の状況を詳しく聞くことができないので、ログの存在は貴重である。
他方、医療施設で稼動しているシステムの動作を軽快にするために、またセキュリティを高く保つために、ログの出力つまりログのデータ量を極力少なくすることが求められる。
しかし、ログが少ない場合にはエラーの発生時に調査が不可能になったり困難になったりする。また、エラーの発生のたびにその都度ログ出しを行うようにプログラムを修正をすることには、大きなリスクをともない、かつ、原因の調査や復旧に多大な工数が必要となってしまう。
従来において、適切なタイミングで適切な稼働実績情報をアップロードする技術が提案されている(特許文献1)。特許文献1には、ログレベル1〜5の内で3以下の稼働ログファイルを通常ログファイルとして記憶領域に書き込み、配信用ホスト装置へ定期的に(例えば毎日)アップロードする。そして、アップロード後はその通常ログファイルは削除する。そして、全てのログレベルの稼働ログファイルを詳細ログファイルとして記憶領域に新しいものを優先して書き込む。
また、コンピュータに実装された業務プログラムを変更することなく所望のログを取得する技術が提案されている(特許文献2)。特許文献2には、各種のログメッセージデータにそれぞれランクデータを設定したログランク設定テーブルと、出力対象のログレベルを可変自在に記憶する出力レベル設定テーブルとを設ける。業務プログラムを実行する過程でログメッセージデータが発生すると、ログランク設定テーブルを参照して当該ログメッセージデータのランクを取得する。そしてその取得したランクが出力レベル設定テーブルに記憶されたログレベル以上か否かを判断する。そしてランクがログレベル以上の場合のみ、当該ログメッセージデータをログ出力ファイルに出力する。
特開2004−287018 特開平11−296415
しかし、従来において、エラーの早期復旧のために必要なログを少ないデータ量で得るという点で十分でない。
電子カルテシステムにおいて、履歴情報を常にログとして記録した場合にはシステム資源が圧迫され、システムに大きな負荷をかけることとなる。また、データの入力者である医師および看護師などの医療従事者は、人の健康や命と直接的に向き合っているため、一刻一秒を争うことも多く、通常、エラーの調査に協力を得ることは難しい。
また、エラーの発生後においてはログを採取することができず、エラーが復旧したとしても原因の究明には多くの時間を要することとなる。そのため、簡単かつ迅速にエラーの原因を見つけることのできる仕組みが必要である。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、処理プログラムが実行される処理システムにおいて、少ないデータ量でエラーの原因の究明に有効なログデータの取得のための制御方法および装置、並びにコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る実施形態の制御方法によると、種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理について、それぞれのデータ処理による当該処理システムへの影響の大きさに応じたログレベルを設定しておき、操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときに、当該操作に対応して実行されたデータ処理の種類に対して設定されたログレベルに応じた範囲に遡及してログデータを取得し、取得されたログデータにより解析用ログファイルを作成する。
これにより、エラー発生時の操作または処理の種類に対応して、そのシステムへの影響の大きさに応じた遡及範囲のログデータが取得される。
本発明によると、処理プログラムが実行される処理システムにおいて、少ないデータ量でエラーの原因の究明に有効なログデータを取得することが可能である。
図1は本発明に係る一実施形態の医療情報システム1の構成の例を示すブロック図、図2はクライアント端末5の構成の一例を示すブロック図、図3はクライアント端末5が電子カルテシステムとして動作した場合のクライアント端末5の機能的な構成を示すブロック図、図4はログレベルテーブル44の例を示す図、図5は補正係数テーブル45の例を示す図、図6はツールテーブルTLの例を示す図、図7は係数テーブルKTの例を示す図、図8は遡及範囲テーブルSTの例を示す図、図9は電子カルテシステムKSにおけるログデータ取得制御機能を示すブロック図である。
図1において、医療情報システム1は、検査システムサーバ3a、医事会計システムサーバ3b、薬剤システムサーバ3c、注射システムサーバ3d、放射線システムサーバ3e、電子カルテシステムサーバ4、および多数のクライアント端末5(クライアント端末5a,5b,5c…)などからなる。
これらは互いにLAN(Local Area Network )6により接続されている。LAN6はインターネットにも接続されており、プログラムやデータをネットワークを介してそれらサーバまたは端末にダウンロードすることも可能である。
なお、検査システムサーバ3a、医事会計システムサーバ3b、薬剤システムサーバ3c、注射システムサーバ3d、放射線システムサーバ3e、電子カルテシステムサーバ4の全部または一部を、「サーバ」「サーバ3」「サーバ4」などと記載することがある。
各サーバ3,4は、処理装置、記憶装置、ハードディスク、入力装置、出力装置、表示装置、媒体ドライブ装置、インタフェース装置、および通信装置などを有するコンピュータシステムによって構成されている。このようなサーバ3のハードウエア構成それ自体は、公知のものを用いることが可能である。各サーバ3,4において、記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを処理装置が実行することによって、検査システム、医事会計システム、薬剤システム、注射システム、放射線システム、電子カルテシステムなどの機能が実現される。それぞれのシステムが1つのサーバで実現される場合もあれば、複数のサーバで1つのシステムが実現される場合もある。また、1つのサーバで複数のシステムが実現される場合もある。
電子カルテシステムサーバ4には、患者データベース11、カルテデータベース12、その他のデータベース、およびこれらのデータベースへのデータの読み書きのための処理部、電子カルテシステムの種々の機能を実現する処理部、他のサーバまたはクライアント端末5との間でデータの送受信を行う通信部などが設けられる。電子カルテシステムサーバ4およびクライアント端末5によって、電子カルテシステムKSが構成されている。
クライアント端末5は、コンピュータシステムの一種であり、診察室、検査室、薬局、事務室、受け付け、その他の場所に配置されている。クライアント端末5は、種々のサーバにアクセスし、それらサーバの提供する検査システム、医事会計システム、薬剤システム、注射システム、放射線システム、または電子カルテシステムなどのクライアントとして動作可能である。クライアント端末5を操作する人は、その認証レベルなどに応じて、各システムの機能を利用することができる。クライアント端末5がサーバの機能を利用する場合に、それらを「ツール」として利用する。つまり、クライアント端末5は、各サーバにより構築されるシステムを、検査ツール、処方ツール、注射ツール、放射線ツールなどとして利用する。また、これらの各ツールにおいても、複数のツールに細分化されている。詳しくは後で説明する。
図2において、クライアント端末5は、処理装置21、キーボード22、マウス23、ディスプレイ24、スキャナ25、カードリーダ26、およびプリンタ27などを有する。ログインのための生体認証装置は必要に応じて設けられる。処理装置21には、演算処理を行うCPU21a、半導体メモリ21b、ハードディスク21cなどが設けられる。半導体メモリ21bには、後で述べる解析用ログファイル46が一時的に作成される。ハードディスク21cには、作成された解析用ログファイル46が保存される。
図3に示すように、クライアント端末5には、電子カルテシステムの機能として、電子カルテクライアント31、ログインツール32、処方ツール33、検査ツール34、注射ツール35、および患者一覧ツール36などが設けられる。また、各ツールには、それぞれ、入力部FN、参照部FS、記録部FK、チェック部FCが設けられる。これら、入力部FN、参照部FS、記録部FK、チェック部FCは、それぞれ、入力処理、参照処理、記録処理、チェック処理と言うことも可能である。
電子カルテクライアント31には、送受信部41、チェックロジック42、ログデータ取得部43、ログレベルテーブル44、補正係数テーブル45、解析用ログファイル46、およびログファイル47などが設けられる。
ログインツール32は、クライアント端末5を使用する者のログインのために用いられる。電子カルテシステムは、通常、主として医師がユーザとして使用するものであるので、ログインツール32により、医師がログインするに当たって必要な認証が行われる。
処方ツール33、検査ツール34、および注射ツール35などは、サーバ3が提供する薬剤システム、検査システム、注射システムなどの機能の一部であり、それらの機能をクライアント端末5において利用できるように形成されたものである。
患者一覧ツール36は、患者を一覧するための機能である。例えば、医師が担当する全ての患者、当日の診察患者、午前または午後の診察患者をディスプレイ24の表示面HGに一覧表示する機能がある。また、一覧表示の中から選択した患者の診察履歴などを表示面HGに表示する機能がある。
入力部FN、参照部FS、記録部FK、およびチェック部FCによって、医療情報システム1への影響の大きさの互いに異なるデータ処理が行われる。
すなわち、入力部FNは、キーボード22またはマウス23などから文字やデータを入力する機能である。入力部FNによる処理動作では、キーボード22またはマウス23などから入力された文字やデータが、当該クライアント端末5の内部においてのみ、記憶されまたは処理され、外部、例えばサーバ3,4または他のクライアント端末5には出力されない。したがって、入力部FNによるデータ処理では、全体のシステムへの影響は小さい。
参照部FSは、データを参照するために、外部からデータを転送して当該クライアント端末5に入力する機能である。参照部FSによる処理動作では、電子カルテシステムサーバ4の患者データベース11またはカルテデータベース12から、または他のサーバ3のデータベースまたは記憶領域から、データが読み出される。参照部FSによる処理では、相手の機器などからデータを読み出すのみであり、それらの機器の記憶領域にデータを書き込むことをしない。したがって、参照部FSによるデータ処理では、全体のシステムへの影響は余り大きくない。
チェック部FCは、チェックロジックとの間においてデータの授受を行って当該データのチェック(検査)を行う機能である。チェックロジックの関与する限られた範囲内において、データの書き込みが行われることがある。したがって、チェック部FCによるデータ処理では、全体のシステムへの影響が小さくはない場合がある。
記録部FKは、当該クライアント端末5の内部のみならず、電子カルテシステムサーバ4のカルテデータベース12や患者データベース11などの外部の機器にもデータを書き込んで更新する機能である。さらには、他のサーバ3のデータベースまたは記憶領域にデータを書き込むこともある。したがって、記録部FKによるデータ処理では、全体のシステムへの影響は他の処理よりも大きい。
これら、入力部FN、参照部FS、記録部FK、およびチェック部FCは、それぞれ、種々ある操作の1つであると見ることもできる。例えば、キーボード22またはマウス23を用い、または画面に表示されたボタンやボックスをクリックすることにより、それぞれ、入力操作、参照操作、記録操作、チェック操作を行うことに対応するとも言える。
例えば、クライアント端末5の表示面HGに表示された画面において、他からのデータを取得するためのボタンをクリックしたときは参照部FSの処理となり、他へのデータ転送のためのボタンをクリックしたときは記録部FKの処理となる。
送受信部41は、クライアント端末5と電子カルテシステムサーバ4との間、または電子カルテシステムと他のシステムまたはツールとの間で、データの送受信を行う機能である。
チェックロジック42は、入力されたデータなどに矛盾や異常がないかどうか、エラーとなるようなデータが存在しないかどうかなどをチェックする。そして、異常があればそれをエラーとして警報を発する。例えば、処方オーダにおいて薬剤の投入量が異常に多い場合に、それをエラーとする。したがって、チェック部FCによる処理の際にエラーが発生する確率は高い。
ログデータ取得部43は、エラーが発生したときに、予め設定された必要な範囲でログデータを取得する。つまり、操作に基づくプログラムの実行中にエラーが発生したときに、当該操作に対応したログレベルに応じた範囲に遡及してログデータを取得する。
ログレベルテーブル44は、種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理(処理種類)について、それぞれのデータ処理による当該システムへの影響の大きさに応じたログレベルが設定されたテーブルである。本実施形態では、上に述べた入力操作、参照操作、記録操作、チェック操作に対応して、ログレベルが設定される。
図4において、ログレベルテーブル44は、ログコードCL、処理種類SY、ログレベルLL、有効フラグFGの項目を含んでいる。処理種類SYとして、入力、参照、記録、チェックの4つが記録されており、それぞれに対してログコードCLが付されている。そして、それらの処理種類SYに対して、「0」「1」「2」「2」のログレベルLLが与えられている。
補正係数テーブル45は、1つまたは複数の種類のデータ処理(処理種類)の実行をそれぞれ含む複数のツールNTについて、それぞれ設定された補正係数HKを格納する。
操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときには、これら、ログレベルLLおよび補正係数HKなどを用いて、遡及レベルLSが決定され、決定された遡及レベルLSに応じた遡及範囲HSに遡及して、ログデータDLが取得される。
図5において、補正係数テーブル45は、対処ツールID(TD)、ツール(ツール名)NT、および補正係数HKの項目を含んでいる。それぞれのツールNTに対して、対処ツールID(TD)が付されており、それぞれの補正係数HKが与えられている。
図6において、ツールテーブルTLには、それぞれのツールNTに含まれる処理種類SYの内容が示されている。例えば、「システムログイン」では、処理種類SYとして、「入力」「チェック」が含まれる。「患者一覧の検索」では、処理種類SYとして、「参照」のみが含まれる。「処方オーダ」「検査オーダ」「注射オーダ」「診察予約オーダ」などでは、処理種類SYとして、「入力」「参照」「記録」「チェック」の全てが含まれる。
図7において、係数テーブルKTには、それぞれの処理種類SYに対する係数KEが示されている。つまり、「入力」「参照」「記録」「チェック」に対し、係数KEとして、「0.1」「0.2」「0.4」「0.3」がそれぞれ与えられている。本実施形態では、これら4つの補正係数HKの合計は1となっている。
すなわち、図5および図6に示す各ツールNTに与えられた補正係数HKは、各ツールNTに含まれる処理種類SYの係数KEを加算した値である。
上に述べたように、設定されたログレベルLLおよび補正係数HKなどに基づいて遡及レベルLSが決定される。すなわち、遡及レベルLSは、次の(1)式で求められる。
LS=LL×HK×C ……(1)
但し、遡及レベルLSは、(1)式の演算結果が小数を含む場合には、小数点以下切上げによって整数とされ、また最大が2とされる。したがって、本実施形態において、遡及レベルLSは「0」「1」「2」のいずれかである。なお、遡及レベルLSは、演算結果を小数点以下切下げとしまたは四捨五入によって整数としてもよい。遡及レベルLSとして、さらに「3」「4」「5」などを設け、遡及範囲HSの種類をもっと増やしてもよい。
上の(1)式におけるCは重要度である。重要度Cは、例えば、当日において同じ患者のカルテを開いた回数によって決定される。つまり、この場合は、システムログインした後、患者のカルテを開いたときに、同じシステムログイン中において同じ患者のカルテを開いた回数である。これは、通常は1回であるから重要度Cは「1」であることが多いが、患者に対して検査オーダや放射線オーダを発した場合には、検査や放射線が終わってから2回目の診察を行うことが多いので、この場合には重要度Cは「2」となる。
したがって、例えば、ログレベルLLが「2」であり、補正係数HKが「1」であり、重要度Cが「1」である場合には、遡及レベルLSは「2」(=2×1×1)となる。また、ログレベルLLが「2」であり、補正係数HKが「0.5」であり、重要度Cが「1」である場合には、遡及レベルLSは「1」(=2×0.5×1)となる。また、ログレベルLLが「1」であり、補正係数HKが「0.2」であり、重要度Cが「1」である場合には、遡及レベルLSは、1×0.2×1=0.2を切り上げて「1」となる。
図8において、遡及範囲テーブルSTは、遡及レベルLSに対応した遡及範囲HSが示されている。つまり、遡及レベルLSが、「2」「1」「0」のそれぞれに対し、遡及範囲HSは、「システムログイン時」「カルテ開始時」「ツール起動時」となっている。
したがって、例えば、遡及レベルLSが「2」であれば、遡及範囲テーブルSTに基づいて遡及範囲HSは「システムログイン時」となり、したがって、エラーが発生した時点から「システムログイン時」まで遡及してログデータDLを取得することとなる。
したがって、この場合には、システムログインした後のどの時点でエラーが発生した場合でも、システムログインからエラー発生時点までのログデータDLが取得され、これらによって1つの解析用ログファイル46が作成される。通常、システムログインおよびシステムログアウトは、1日における午前および午後に1回づつ行われるので、遡及レベルLSが「2」の場合には、午前の診察または午後の診察におけるエラー発生までのログデータDLが取得されることが多い。
また、遡及レベルLSが「1」であれば、遡及範囲テーブルSTに基づいて遡及範囲HSは「カルテ開始時」となり、したがって、エラーが発生した時点から「カルテ開始時」まで遡及してログデータDLを取得することとなる。
したがって、この場合には、当該患者についてカルテを開いてからエラー発生時点までのログデータDLが取得され、これによって1つの解析用ログファイル46が作成される。
また、遡及レベルLSが「0」であれば、遡及範囲テーブルSTに基づいて遡及範囲HSは「ツール起動時」となり、したがって、エラーが発生した時点から「ツール起動時」まで遡及してログデータDLを取得することとなる。
したがって、この場合には、ある患者の診察において1つのツールを起動した時点からエラー発生時点までのログデータDLが取得され、これによって1つの解析用ログファイル46が作成される。
解析用ログファイル46は、取得されたログデータDLにより作成されるファイルである。エラーが発生すると、システムエンジニアなどの担当者がその原因の調査と復旧に当たることとなるが、その際に、担当者は、解析用ログファイル46の内容をメンテナンス用のコンピュータの表示面に表示する。担当者は、解析用ログファイル46の内容を見て、その原因の究明と復旧とを行う。
なお、解析用ログファイル46は、一次的には例えば主メモリの一部の領域に作成されるが、システムログアウトした際には、他の領域、例えばハードディスクなどの大容量記憶部に移動される。
ログファイル47は、クライアント端末5における通常の処理についての履歴であるログデータ(メインログデータ、メインログ情報)を蓄積したファイルである。なお、電子カルテシステムKSにおける種々の処理にともなうログデータを取得するために、メインログ情報取得部が設けられている。メインログ情報取得部が取得したログデータがログファイル47に記録される。
上に述べたように、エラーが発生した場合に、エラー発生時の操作および処理種類に応じて、ログレベルLL、補正係数HK、および重要度Cが決定され、それらに基づいた遡及レベルLSに応じて、遡及範囲HSが決定される。そして、遡及範囲HSに基づいてログデータDLを取得し、解析用ログファイル46を作成する。
したがって、エラー発生時の操作および処理種類に対応して、そのシステムへの影響の大きさに応じた遡及範囲HSのログデータDLが取得されることとなる。これにより、エラーの原因の究明に有効であるログデータDLを取得することが可能であるとともに、不要なログデータDLは取得され難くなるため、解析用ログファイル46のデータ量は少なくなり、システム資源が圧迫されたりシステムに大きな負荷をかけることがなくなる。
なお、ログレベルテーブル44および補正係数テーブル45などは、ログレベルLLまたは補正係数HKを格納したマスタファイルであると言うこともできるので、これらはログマスタ、補正係数マスタなどと言うこともできる。
なお、ツールテーブルTL、係数テーブルKT、および遡及範囲テーブルSTは、電子カルテクライアント31に設けておけばよい。また、ツールテーブルTLは、補正係数HKの定め方を説明するために示したものであり、設けなくてもよい。
図9において、電子カルテシステムKSにおいて、ログデータ取得制御機能つまり制御装置KSCとして、ログレベルテーブル44、補正係数テーブル45、遡及範囲テーブルST、ログレベル取得部51、補正係数取得部52、処理種類検出部53、ツール検出部54、重要度検出部55、エラー検出部56、遡及レベル算出部57、遡及範囲決定部58、ログデータ取得部43、および解析用ログファイル作成部60などが設けられる。
エラー検出部56は、電子カルテシステムKSにおけるエラーの発生、特に種々のツールにおけるエラーの発生を検出する。
エラー検出部56がエラーの発生を検出すると、処理種類検出部53はそのときの処理種類SYを検出し、ツール検出部54はそのときに用いられていたツールNTを検出し、重要度検出部55は重要度Cを検出する。検出された処理種類SYおよびツールNTに応じて、ログレベルテーブル44または補正係数テーブル45から、ログレベルLLおよび補正係数HKが取得される。これらと重要度Cとに基づいて、遡及レベル算出部57において遡及レベルLSが算出される。算出された遡及レベルLSに基づいて、遡及範囲決定部58が、遡及範囲テーブルSTを参照して遡及範囲HSを決定する。遡及範囲HSに基づいて、ログデータ取得部59は、ログデータDLを取得する。解析用ログファイル作成部60は、取得したログデータDLを解析用ログファイル46とする。解析用ログファイル46は、例えばハードディスク21cに送られてそこで保存される。
次に、上に述べた電子カルテシステムKSにおいてエラーが発生したときの処理について、具体例に基づいて説明する。
図10は医師による主な操作の例を示す図、図11は図10における患者Bについての操作の詳しい一例を示す図である。なお、図10に示す内容はログファイル47の一例である。図11に示す内容についても、これをログファイル47の一例とすることも可能である。
図10において、医師は、まず、クライアント端末5における電子カルテシステムKSにシステムログインする(#11)。患者の一覧を表示する(#12)。最初の患者である患者Aのカルテ(電子カルテ)を開き、患者Aの診察を開始する(#13)。診察が終われば患者Aのカルテを閉じる(#14)。次の患者Bのカルテを開き(#15)、診察が終わればカルテを閉じる(#16)。患者Cについても同様であり(#17、18)、以降の患者についてこれが繰り返される。
そして、患者Bについて当日2回目の診察を行うためにカルテを開き(#19)、診察が終わればカルテを閉じる(#20)。最終の患者Gのカルテを開き(#21)、診察が終わればカルテを閉じて(#22)、電子カルテシステムKSからシステムログアウトを行う(#23)。
なお、図10に示す例では、患者Bは、ステップ#15で1回目の診察を受け、その診察において検査を指示され、検査を終えた後、ステップ#19で2回目の診察を受けている。
図11において、患者Bについてカルテを開いた後(#31)、過去のカルテを参照し(#32)、検査結果を参照する(#33)。医師が診察による所見を入力する(#34)。処方オーダを入力し(#35)、検査オーダを入力し(#36)、注射オーダを入力し(#37)、診察予約を入力し(#38)、患者Bのカルテを閉じる(#39)。
なお、図11の内容は、図10におけるステップ#15、16の場合もあるし、ステップ#19、20の場合もある。
さて、例えば、ステップ#35でエラーが発生したとする。エラー発生時において処方ツール33の入力部FNを使用していたとする。つまり、処方ツール33において、オーダを発するためのデータまたは指示を入力していた時点でエラーが発生したとする。
この場合には、ログレベルテーブル44からログレベルLLが「0」であり、補正係数テーブル45から補正係数HKが「1」であるので、遡及レベルLSは「0」となる。したがって、遡及範囲HSは「ツール起動時」となり、当該処方ツール33を起動した時点つまりステップ#35の開始時から、エラー発生時点までのログデータDL1を取得して、解析用ログファイル46を作成する。
同じ例で、オーダを発するために過去のデータまたは指示を参照していた時点でエラーが発生したとすると、ログレベルLLは「1」となるので、遡及レベルLSは「1」となり、遡及範囲HSは「カルテ開始時」となり、患者Bのカルテを開いた時点つまりステップ#31の開始時まで遡及してログデータDL2を取得し、解析用ログファイル46を作成する。
また、それが患者Bについての2回目の診察であった場合には、遡及レベルLSは「2」となり、遡及範囲HSは「システムログイン時」となり、ステップ#11まで遡及してログデータDL3を取得し、解析用ログファイル46を作成する。
また、オーダを発するためのデータまたは指示を記録する時点でエラーが発生したとすると、ログレベルLLは「2」となるので、遡及レベルLSは「2」となり、遡及範囲HSは「システムログイン時」となり、ステップ#11まで遡及してログデータDL4を取得し、解析用ログファイル46を作成する。
このように、エラーが発生したときの処理種類SY、使用されていたツールNT、および重要度Cに応じて、ログデータDLを取得する範囲が異なる。
次に、医療情報システム1におけるログデータ取得制御の処理動作を、フローチャートを参照して説明する。
図12は医療情報システム1におけるログデータ取得制御の処理動作の例を示すフローチャートである。
図12において、ログレベルLLを予め設定しておく(#101)。エラーが発生すると(#102でイエス)、そのときの操作内容および処理種類に応じたログレベルLLを取得する(#103)。ログレベルLLに応じて遡及範囲HSを決定し(#104)、ログデータDLを取得し(#105)、解析用ログファイル46を作成して保存する(#106)。
図13は医療情報システム1におけるログデータ取得制御の処理動作の他の例を示すフローチャートである。
図13において、ログレベルLLを予め設定しておく(#111)。エラーが発生すると(#112でイエス)、そのときの操作内容および処理種類に応じたログレベルLLを取得し(#113)、補正係数HKを取得し(#114)、重要度Cを取得する(#115)。これらに基づいて遡及レベルLSを算出し(#116)、遡及範囲HSを決定する(#117)。遡及範囲HSに基づいてログデータDLを取得し(#118)、解析用ログファイル46を作成して保存する(#119)。
上に述べたように、本実施形態においては、エラーが発生したときに、エラーの内容に基づいて遡及レベルLSが切り分けられ、どこまで過去に遡ってログデータDLを採取するか(遡及範囲HS)が自動的に決定される。決定された遡及範囲HSに基づいて、自動的にログデータDLが採取され、解析用ログファイル46が作成され保存される。
エラーの発生時の操作または処理内容による医療情報システム1への影響の大きさに応じて、ログレベルLLおよび補正係数HKなどが予め設定されており、それらに基づいて、遡及レベルLSが決定される。したがって、医療情報システム1の全体への影響の大きい場合、および医療情報システム1の全体からの影響の大きい場合に、より多くの量のログレベルLLが採取される。
このように、本実施形態の医療情報システム1によると、エラーの発生時に、自動的に過去に遡って必要範囲のログレベルLLが採取されて解析用ログファイル46として記録される。したがって、不具合点の調査などを簡単にかつ迅速に行うことができ、医療施設、医師、ベンダーのいずれにとっても、メンテナンスのための負担を軽減することができる。
なお、ログレベルLLを設定するに当たり、入力、参照、記録などのデータ処理によるシステムへの影響の大きさを、種々の方法で評価してログレベルLLを設定することができる。
〔変形例〕
次に、上に述べた実施形態に対する種々の変形例、およびそれらの間の対応関係などについて説明する。
電子カルテシステムKSは、処理プログラムの実行によって処理を行なう複数の処理部を有した処理システムである。そのような処理システムにおいて、制御装置KSCは、処理部におけるエラー原因(障害原因)を解析するための障害ログデータを取得する。
つまり、制御装置KSCは、処理部の処理にともなったメインログ情報を記憶するメインログ記録部と、処理部を識別する識別子と、当該処理部が有する処理の特性と、メインログ記録部に記録されたメインログ情報に対する遡及範囲を決定するための遡及レベルとを対応づけて記憶する1つまたは複数のテーブルと、処理部におけるエラー(障害)の発生を検出するエラー検出部と、エラー検出部によりエラーの発生が検出された際に、当該エラーが発生した際に起動されていた処理部の識別子と、当該エラーが発生した際に処理されていた処理の特性とに基づいて、テーブルから遡及レベルを取得する取得部と、メインログ記録部に記録されたメインログ情報のうち、エラーの発生時から、取得部により取得した遡及レベルに応じて決定される遡及範囲により定まる位置までのメインログ情報を障害ログデータとして取得するログデータ取得部と、を有する。
また、障害ログデータを、メインログ記録部とは異なる領域に記録する障害ログ記録部をさらに有する。処理の特性として、データの入力、データの参照、データのチェック、またはデータの記録が含まれている。また、これらの中から選択された1つまたは複数を、処理の特性としてもよい。
また、処理部は、複数の顧客の顧客情報を使用する処理を行い、遡及レベルは、エラーが発生した際に起動されていた処理部に関する最初のメインログ情報が記録された位置、当該エラーが発生した際に使用されていた顧客情報に対応する顧客に関する最初のメインログ情報が記録された位置、または、メインログ記録部に記録されたメインログ情報の先頭位置、のいずれかに対応するものである。
また、このような変形例における処理内容をコンピュータにより実行させるためのコンピュータプログラムとすることも可能である。
先に述べた実施形態における、ログインツール32、処方ツール33、検査ツール34、注射ツール35、および患者一覧ツール36などが、変形例における「処理プログラムの実行によって処理を行なう複数の処理部」に対応する。つまり、それぞれの「ツール」が「処理部」に対応する。ログデータDLは、変形例における「ログデータ」「障害ログデータ」に対応する。つまり、ログデータDLは、「障害ログデータDL」と言い換えることも可能である。
また、「対処ツールID(TD)」または「ツールNT」は、変形例における「処理部を識別する識別子」に対応する。「ログコードCL」または「処理種類SY」は、変形例における「処理部が有する処理の特性」に対応する。
また、解析用ログファイル46は、ログデータDLを記録したファイルであり、変形例における「障害ログ記録部」に対応する。「解析用ログファイル」「障害ログ記録部」における記録の形式は任意である。ログファイル47は、ログインツール32、処方ツール33、検査ツール34、注射ツール35、および患者一覧ツール36などにおける処理にともなったメインログ情報を記憶するファイルであり、変形例における「メインログ記録部」に対応する。「ログファイル」「メインログ記録部」における記録の形式は任意である。また、解析用ログファイル46または「障害ログ記録部」を特に設けることなく、障害ログデータをログファイル47または「メインログ記録部」に記録するようにしてもよい。
ログレベルテーブル44および補正係数テーブル45は、変形例における「処理部を識別する識別子と、当該処理部が有する処理の特性と、メインログ記録部に記録されたメインログ情報に対する遡及範囲を決定するための遡及レベルとを対応づけて記憶する1つまたは複数のテーブル」に相当する。また、さらにツールテーブルTLを含めてもよい。このように、テーブルを複数とすることも可能であり、それらを1つのテーブルに纏めることも可能である。
また、遡及レベル算出部57は、変形例における「取得部」に対応する。遡及レベル算出部57が遡及レベルLSを取得するに当たっては演算を行うが、これと同様に、変形例における「取得部」がテーブルから遡及レベルを取得するに当たって種々の演算を行ってもよい。
また、本実施形態における患者は、変形例における「顧客」に対応する。患者データベース11に記録されている患者情報が、変形例における「顧客情報」に対応する。
〔その他〕
上に述べた実施形態において、電子カルテシステムサーバ4、クライアント端末5、電子カルテシステムKS、または医療情報システム1の全体または各部の構成、構造、機能、種類、方式、回路、データベース、テーブル、または情報の内容、処理の内容または順序、数値、名称などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、電子カルテシステムKS以外の医療情報システム、また医療情報システム以外の種々の処理システムに適用することができる。
以下の付記に示される形態も本発明による実施形態に含まれる。
(付記1)
ユーザの操作に基づいて処理プログラムが実行される処理システムにおけるログデータの取得のための制御方法において、
種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理について、それぞれのデータ処理による当該処理システムへの影響の大きさに応じたログレベルを設定しておき、
操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときに、当該操作に対応して実行されたデータ処理の種類に対して設定されたログレベルに応じた範囲に遡及してログデータを取得し、
取得されたログデータにより解析用ログファイルを作成する、
ことを特徴とするログデータの取得のための制御方法。
(付記2)
ユーザの操作に基づいて処理プログラムが実行される処理システムにおけるログデータの取得のための制御方法において、
種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理について、それぞれのデータ処理による当該処理システムへの影響の大きさに応じたログレベル、および、1つまたは複数の種類のデータ処理の実行をそれぞれ含む複数のツールについてのそれぞれの補正係数を、予め設定しておき、
操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときに、当該操作に対応して実行されたデータ処理の種類に対して設定されたログレベルと、当該操作が行われたときのツールに対して設定された補正係数とを用いて、遡及レベルを決定し、
決定された遡及レベルに応じた範囲に遡及してログデータを取得し、
1つのエラーに対して取得されたログデータにより解析用ログファイルを作成して保存する、
ことを特徴とするログデータの取得のための制御方法。
(付記3)
前記データ処理の種類として、データの入力、データの参照、およびデータの記録が含まれており、
前記ログレベルは、データの入力、データの参照、およびデータの記録の順に高くなっていくように設定され、かつ、前記補正係数は、それぞれのツールに含まれるデータ処理の種類に応じて設定されている、
付記2記載のログデータの取得のための制御方法。
(付記4)
前記処理システムは、患者の医療情報を扱う電子カルテシステムであり、
エラーが発生したときに操作の対象となっていた患者の当日の診察回数に関する情報をも用いて、前記遡及レベルを決定する、
付記3記載のログデータの取得のための制御方法。
(付記5)
ユーザの操作に基づいて処理プログラムが実行される処理システムにおけるログデータの取得のための制御装置において、
種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理について、それぞれのデータ処理による当該処理システムへの影響の大きさに応じて設定されたログレベルを格納したログレベルテーブルと、
操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときに、当該操作に対応して実行されたデータ処理の種類を検出する手段と、
検出されたデータ処理の種類に対応するログレベルを前記ログレベルテーブルから取得する手段と、
取得したログレベルに応じた範囲に遡及してログデータを取得する手段と、
取得されたログデータにより解析用ログファイルを作成する手段と、
を有することを特徴とするログデータの取得のための制御装置。
(付記6)
ユーザの操作に基づいて処理プログラムが実行される処理システムにおけるログデータの取得のための制御装置において、
種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理について、それぞれのデータ処理による当該処理システムへの影響の大きさに応じて設定されたログレベルを格納したログレベルテーブルと、
1つまたは複数の種類のデータ処理の実行をそれぞれ含む複数のツールについてそれぞれ設定された補正係数を格納した補正係数テーブルと、
操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときに、当該操作に対応して実行されたデータ処理の種類を検出する手段と、
検出されたデータ処理の種類に対応するログレベルを前記ログレベルテーブルから取得する手段と、
前記エラーが発生したときに操作が行われていたツールに対応する補正係数を前記補正係数テーブルから取得する手段と、
取得したログレベルおよび取得した補正係数を用いて遡及レベルを決定する手段と、
決定された遡及レベルに応じた範囲に遡及してログデータを取得する手段と、
1つのエラーに対して取得されたログデータにより解析用ログファイルを作成する手段と、
を有することを特徴とするログデータの取得のための制御装置。
(付記7)
前記データ処理の種類として、データの入力、データの参照、データのチェック、およびデータの記録が含まれており、
前記ログレベルは、データの入力、データの参照、データのチェック、およびデータの記録の順に高くなっていくように設定され、かつ、前記補正係数は、それぞれのツールに含まれるデータ処理の種類に応じて設定されている、
付記6記載のログデータの取得のための制御装置。
(付記8)
前記処理システムは、患者の医療情報を扱う電子カルテシステムであり、
さらに、エラーが発生したときに操作の対象となっていた患者の当日の診察回数に関する情報を取得する手段を有しており、
前記遡及レベルを決定する手段は、取得した当日の診察回数に関する情報をも用いて前記遡及レベルを決定する、
付記7記載のログデータの取得のための制御装置。
(付記9) (7、図9)
処理プログラムの実行によって処理を行なう複数の処理部を有した処理システムにおいて、前記処理部におけるエラー原因を解析するための障害ログデータを取得するための制御装置であって、
前記処理部の処理にともなったメインログ情報を記憶するメインログ記録部と、
前記処理部を識別する識別子と、当該処理部が有する処理の特性と、前記メインログ記録部に記録されたメインログ情報に対する遡及範囲を決定するための遡及レベルとを対応づけて記憶する1つまたは複数のテーブルと、
前記処理部におけるエラーの発生を検出するエラー検出部と、
前記エラー検出部によりエラーの発生が検出された際に、当該エラーが発生した際に起動されていた処理部の識別子と、当該エラーが発生した際に処理されていた処理の特性とに基づいて、前記テーブルから遡及レベルを取得する取得部と、
前記メインログ記録部に記録されたメインログ情報のうち、前記エラーの発生時から、前記取得部により取得した前記遡及レベルに応じて決定される遡及範囲により定まる位置までのメインログ情報を障害ログデータとして取得するログデータ取得部と、
を有することを特徴とする障害ログデータの取得のための制御装置。
(付記10)
ユーザの操作に基づいて患者の医療情報に関する処理プログラムが実行される電子カルテシステムにおいて、
種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理について、それぞれのデータ処理による当該処理システムへの影響の大きさに応じて設定されたログレベルを格納したログレベルテーブルと、
操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときに、当該操作に対応して実行されたデータ処理の種類を検出する手段と、
検出されたデータ処理の種類に対応するログレベルを前記ログレベルテーブルから取得する手段と、
取得したログレベルに応じた範囲に遡及してログデータを取得する手段と、
取得されたログデータにより解析用ログファイルを作成する手段と、
作成された解析用ログファイルを保持する手段と、
を有することを特徴とする電子カルテシステム。
(付記11)
ユーザの操作に基づいて処理プログラムが実行されるコンピュータにおけるログデータの取得のためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータによって前記コンピュータプログラムが実行されることにより、
種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理について、それぞれのデータ処理による当該処理システムへの影響の大きさに応じて設定されるログレベルを格納するログレベルテーブルと、
操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときに、当該操作に対応して実行されたデータ処理の種類を検出する手段と、
検出されたデータ処理の種類に対応するログレベルを前記ログレベルテーブルから取得する手段と、
取得したログレベルに応じた範囲に遡及してログデータを取得する手段と、
取得されたログデータにより解析用ログファイルを作成する手段とを、
前記コンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
本発明に係る一実施形態の医療情報システムの構成の例を示す図である。 クライアント端末の構成の一例を示すブロック図である。 クライアント端末の機能的な構成を示すブロック図である。 ログレベルテーブルの例を示す図である。 補正係数テーブルの例を示す図である。 ツールテーブルの例を示す図である。 係数テーブルの例を示す図である。 遡及範囲テーブルの例を示す図である。 ログデータ取得制御機能を示すブロック図である。 医師による主な操作の例を示す図である。 図10における患者Bについての操作の詳しい一例を示す図である。 ログデータ取得制御の処理動作の例を示すフローチャートである。 ログデータ取得制御の処理動作の他の例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 医療情報システム
4 電子カルテシステムサーバ
5 クライアント端末
11 患者データベース
12 カルテデータベース
31 電子カルテクライアント
32 ログインツール
33 処方ツール
34 検査ツール
35 注射ツール
36 患者一覧ツール
42 チェックロジック
43 ログデータ取得部
44 ログレベルテーブル
45 補正係数テーブル
46 解析用ログファイル
51 ログレベル取得部
52 補正係数取得部
53 処理種類検出部
54 ツール検出部
55 重要度検出部
56 エラー検出部
57 遡及レベル算出部
58 遡及範囲決定部
60 解析用ログファイル作成部
KS 電子カルテシステム
FN 入力部
FS 参照部
FK 記録部
FC チェック部
SY 処理種類
DL ログデータ
LL ログレベル
NT ツール
HK 補正係数
LS 遡及レベル
HS 遡及範囲
KT 係数テーブル
ST 遡及範囲テーブル

Claims (6)

  1. ユーザの操作に基づいて処理プログラムが実行される処理システムにおけるログデータの取得のための制御方法において、
    種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理について、それぞれのデータ処理による当該処理システムへの影響の大きさに応じたログレベルを設定しておき、
    操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときに、当該操作に対応して実行されたデータ処理の種類に対して設定されたログレベルに応じた範囲に遡及してログデータを取得し、
    取得されたログデータにより解析用ログファイルを作成する、
    ことを特徴とするログデータの取得のための制御方法。
  2. ユーザの操作に基づいて処理プログラムが実行される処理システムにおけるログデータの取得のための制御方法において、
    種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理について、それぞれのデータ処理による当該処理システムへの影響の大きさに応じたログレベル、および、1つまたは複数の種類のデータ処理の実行をそれぞれ含む複数のツールについてのそれぞれの補正係数を、予め設定しておき、
    操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときに、当該操作に対応して実行されたデータ処理の種類に対して設定されたログレベルと、当該操作が行われたときのツールに対して設定された補正係数とを用いて、遡及レベルを決定し、
    決定された遡及レベルに応じた範囲に遡及してログデータを取得し、
    1つのエラーに対して取得されたログデータにより解析用ログファイルを作成して保存する、
    ことを特徴とするログデータの取得のための制御方法。
  3. ユーザの操作に基づいて処理プログラムが実行される処理システムにおけるログデータの取得のための制御装置において、
    種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理について、それぞれのデータ処理による当該処理システムへの影響の大きさに応じて設定されたログレベルを格納したログレベルテーブルと、
    操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときに、当該操作に対応して実行されたデータ処理の種類を検出する手段と、
    検出されたデータ処理の種類に対応するログレベルを前記ログレベルテーブルから取得する手段と、
    取得したログレベルに応じた範囲に遡及してログデータを取得する手段と、
    取得されたログデータにより解析用ログファイルを作成する手段と、
    を有することを特徴とするログデータの取得のための制御装置。
  4. 前記データ処理の種類として、データの入力、データの参照、およびデータの記録が含まれており、
    前記ログレベルは、データの入力、データの参照、およびデータの記録の順に高くなっていくように設定されている、
    請求項3記載のログデータの取得のための制御装置。
  5. 前記処理システムは、患者の医療情報を扱う電子カルテシステムであり、
    さらに、エラーが発生したときに操作の対象となっていた患者の当日の診察回数に関する情報を取得する手段を有しており、
    前記遡及レベルを決定する手段は、取得した当日の診察回数に関する情報をも用いて前記遡及レベルを決定する、
    請求項3または4記載のログデータの取得のための制御装置。
  6. ユーザの操作に基づいて処理プログラムが実行されるコンピュータにおけるログデータの取得のためのコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータによって前記コンピュータプログラムが実行されることにより、
    種々の操作に対応して実行される複数の種類のデータ処理について、それぞれのデータ処理による当該処理システムへの影響の大きさに応じて設定されるログレベルを格納するログレベルテーブルと、
    操作に基づく処理プログラムの実行中にエラーが発生したときに、当該操作に対応して実行されたデータ処理の種類を検出する手段と、
    検出されたデータ処理の種類に対応するログレベルを前記ログレベルテーブルから取得する手段と、
    取得したログレベルに応じた範囲に遡及してログデータを取得する手段と、
    取得されたログデータにより解析用ログファイルを作成する手段とを、
    前記コンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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