JP2009221431A - 易貼付性粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】被着体に貼付する際に空気溜まりが発生しても、その空気が抜けやすいため、「ふくれ」を作らずきれいに貼付し得ると共に、粘着シートの外観が損なわれることがなく、更に、貼り直しがし易く、特に大型粘着シートとしての用途に有用な易貼付性粘着シートを提供する。
【解決手段】基材シート上に、表面に該基材シートの端縁部上に開口する溝を有する空気流通経路が設けられている粘着剤層を有する粘着シートであって、粘着剤層の表面に、基材シートの端縁部上に開口する同一の波型形状の複数本の溝が、粘着剤層の表面に等間隔で且つ位相を同じくして設けられている易貼付性粘着シート。
【選択図】図1
【解決手段】基材シート上に、表面に該基材シートの端縁部上に開口する溝を有する空気流通経路が設けられている粘着剤層を有する粘着シートであって、粘着剤層の表面に、基材シートの端縁部上に開口する同一の波型形状の複数本の溝が、粘着剤層の表面に等間隔で且つ位相を同じくして設けられている易貼付性粘着シート。
【選択図】図1
Description
本発明は易貼付性粘着シートに関し、さらに詳しくは、被着体に貼付する際に空気溜まりが発生しても、その空気が抜けやすいため、「ふくれ」を作らずきれいに貼付し得ると共に、粘着シートの外観が損なわれることがなく、更に、貼り直しがし易く、特に大型粘着シートとしての用途に有用な易貼付性粘着シートに関する。
一般に、粘着シートは、基材シートと、その表面に形成された粘着剤層と、必要に応じてその上に設けられる剥離シートから構成されており、使用に際しては、剥離シートが設けられている場合には該剥離シートを剥がし、粘着剤層を被着体に当接させて貼付する。
しかしながら、識別・装飾用粘着シート、塗装マスキング用粘着シート、金属板などの表面保護用粘着シートなど、粘着シートの面積がある程度広い場合には、粘着剤層と被着体との間に空気の溜まりが発生しやすく、その部分が「ふくれ」となって、粘着シートを被着体にきれいに貼付できにくいという問題があった。
このような問題を解決するために、これまで、粘着剤層面に空気流通経路を設け、粘着シートの貼付時に、空気をこの流通経路を介して逃し、空気溜まりが発生しないようにすることが行われてきた(例えば、特許文献1)。また、それら空気流通経路の配置あるいは配置パターンに関し、直径500μmの円形領域に必ず溝が存在すること、即ち、隣接する溝と溝の間隔が小さいことを規定した粘着シート(特許文献2)、凹条溝を貼付方向に対して斜め格子状に設けた易貼付性粘着シート(特許文献3)などが提案されている。
しかしながら、これら粘着シートは一般に、空気流通経路としての溝の幅が狭いと空気が抜けにくく、溝の幅が広いと表面基材が凹んで外観が悪くなるという問題があった。特に、十分な接着力を得るために隣接する溝と溝の間隔を大きくとるときは、溝の幅を広くしなければならないため、表面基材が凹んで外観が悪くなる。
しかしながら、識別・装飾用粘着シート、塗装マスキング用粘着シート、金属板などの表面保護用粘着シートなど、粘着シートの面積がある程度広い場合には、粘着剤層と被着体との間に空気の溜まりが発生しやすく、その部分が「ふくれ」となって、粘着シートを被着体にきれいに貼付できにくいという問題があった。
このような問題を解決するために、これまで、粘着剤層面に空気流通経路を設け、粘着シートの貼付時に、空気をこの流通経路を介して逃し、空気溜まりが発生しないようにすることが行われてきた(例えば、特許文献1)。また、それら空気流通経路の配置あるいは配置パターンに関し、直径500μmの円形領域に必ず溝が存在すること、即ち、隣接する溝と溝の間隔が小さいことを規定した粘着シート(特許文献2)、凹条溝を貼付方向に対して斜め格子状に設けた易貼付性粘着シート(特許文献3)などが提案されている。
しかしながら、これら粘着シートは一般に、空気流通経路としての溝の幅が狭いと空気が抜けにくく、溝の幅が広いと表面基材が凹んで外観が悪くなるという問題があった。特に、十分な接着力を得るために隣接する溝と溝の間隔を大きくとるときは、溝の幅を広くしなければならないため、表面基材が凹んで外観が悪くなる。
本発明は、このような状況下、被着体に貼付する際に、空気溜まりが発生しても、その空気が抜けやすいため、「ふくれ」を作らずきれいに貼付し得ると共に、貼付後の外観もすぐれ、更に、貼り直しがし易い易貼付性粘着シートを提供することを目的とする。
本発明者は、かかる易貼付性粘着シートを開発すべく鋭意検討を重ねた結果、同一の波型形状の複数本の溝が、粘着剤層の表面に等間隔で且つ位相を同じくして設けられた構造とすることにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)基材シートの少なくとも一方の表面上に粘着剤層を有する粘着シートであって、粘着剤層の表面に、基材シートの端縁部上に開口する同一の波型形状の複数本の溝が、粘着剤層の表面に等間隔で且つ位相を同じくして設けられていることを特徴とする易貼付性粘着シート;
(2)波型形状が、正弦波若しくは三角波又はそれらに類似する形状である上記(1)の易貼付性粘着シート;
(3)溝の断面形状が、V字形、U字形、長方形又は台形である上記(1)又は(2)の易貼付性粘着シート;
(4)溝の延伸方向に直角な方向における隣り合う溝の中心間距離が200〜1,200μmであり、波型形状の周期長が400〜2,400μmで、振幅が100〜600μmである上記(1)〜(3)のいずれかの易貼付性粘着シート;
(5)溝の上面開口幅が5〜80μmで、溝の深さが、5〜50μmである上記(1)〜(4)のいずれかの易貼付性粘着シート;
(6) 粘着剤層の厚さが7〜100μmである上記(1)〜(5)のいずれかの易貼付性粘着シート;
を提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)基材シートの少なくとも一方の表面上に粘着剤層を有する粘着シートであって、粘着剤層の表面に、基材シートの端縁部上に開口する同一の波型形状の複数本の溝が、粘着剤層の表面に等間隔で且つ位相を同じくして設けられていることを特徴とする易貼付性粘着シート;
(2)波型形状が、正弦波若しくは三角波又はそれらに類似する形状である上記(1)の易貼付性粘着シート;
(3)溝の断面形状が、V字形、U字形、長方形又は台形である上記(1)又は(2)の易貼付性粘着シート;
(4)溝の延伸方向に直角な方向における隣り合う溝の中心間距離が200〜1,200μmであり、波型形状の周期長が400〜2,400μmで、振幅が100〜600μmである上記(1)〜(3)のいずれかの易貼付性粘着シート;
(5)溝の上面開口幅が5〜80μmで、溝の深さが、5〜50μmである上記(1)〜(4)のいずれかの易貼付性粘着シート;
(6) 粘着剤層の厚さが7〜100μmである上記(1)〜(5)のいずれかの易貼付性粘着シート;
を提供するものである。
本発明においては、同一の波型形状の複数本の溝が、粘着剤層の表面に等間隔で且つ位相を同じくして設けられているため、空気溜まりができても、その空気溜まりが溝と連通している可能性が高く、又、空気溜まりができた時点では溝と連通していなくとも、近くに溝があるため、スキージーなどでスクイズして空気溜まりを僅かな距離だけ移動させることにより、溝と連通する。空気溜りから連通した溝に流れた空気は、溝内の空間に吸収され、一部は、基材シートの端縁部上の開口から外部に排出されるので、「ふくれ」を作ることがない。本発明の易貼付性シートの場合は、溝が波型形状であるため、直線形状の溝に比べて溝の長さ、即ち、溝内の空間の体積は大きくなるので、吸収できる空気の量が大きくなる。また、溝内の空間の体積を直線形状の溝と同じくした場合には、溝の上面開口幅を相対的に狭くすることもできるので、表面基材が凹むことなく、外観がすぐれている。
更に、溝の延伸方向に直角の方向に剥離する際に、接着強度、言い換えれば、剥離に要する力は、溝の部分で変化するが、直線形状の溝での力の変化が急激であるため基材に折れ跡が形成されるのに対し、波型形状の溝での力の変化は小さいため、基材に折れ跡が形成されない。即ち、本発明の易貼付性シートは、容易に剥すことができ、再度貼付することもできるものである。
このように、本発明によれば、被着体に貼付する際に空気溜まりが発生しても、その空気が抜けやすいため、「ふくれ」を作らずきれいに貼付し得ると共に、貼付後の粘着シートの外観もすぐれ、更に、貼り直しがし易い粘着シートを提供することができる。
更に、溝の延伸方向に直角の方向に剥離する際に、接着強度、言い換えれば、剥離に要する力は、溝の部分で変化するが、直線形状の溝での力の変化が急激であるため基材に折れ跡が形成されるのに対し、波型形状の溝での力の変化は小さいため、基材に折れ跡が形成されない。即ち、本発明の易貼付性シートは、容易に剥すことができ、再度貼付することもできるものである。
このように、本発明によれば、被着体に貼付する際に空気溜まりが発生しても、その空気が抜けやすいため、「ふくれ」を作らずきれいに貼付し得ると共に、貼付後の粘着シートの外観もすぐれ、更に、貼り直しがし易い粘着シートを提供することができる。
本発明の粘着シートにおける基材シートとしては特に制限はなく、粘着シートの基材シートとして慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。
基材シートとしては、例えば上質紙、グラシン紙、コート紙などの紙類、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリオレフィン(例えばポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、アクリル系樹脂などのプラスチックからなるプラスチックシート及び合成紙、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セロハンなどのセルロース系シートなどが挙げられる。基材シートの厚さは、使用目的や状況に応じて適宜定めればよいが、通常10〜300μm、好ましくは30〜150μmの範囲である。
また、基材シートとしてプラスチックシートを用いる場合には、その上に設けられる粘着剤層との接着性を向上させる目的で、所望により、サンドブラストや溶剤処理などによる凹凸化処理、あるいはコロナ放電処理、オゾン・紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理などの酸化処理などを施すことができる。
基材シートとしては、例えば上質紙、グラシン紙、コート紙などの紙類、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリオレフィン(例えばポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、アクリル系樹脂などのプラスチックからなるプラスチックシート及び合成紙、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セロハンなどのセルロース系シートなどが挙げられる。基材シートの厚さは、使用目的や状況に応じて適宜定めればよいが、通常10〜300μm、好ましくは30〜150μmの範囲である。
また、基材シートとしてプラスチックシートを用いる場合には、その上に設けられる粘着剤層との接着性を向上させる目的で、所望により、サンドブラストや溶剤処理などによる凹凸化処理、あるいはコロナ放電処理、オゾン・紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理などの酸化処理などを施すことができる。
前記基材シート表面に設けられる粘着剤層を形成する粘着剤としては特に制限はなく、従来、粘着シートの粘着剤層に慣用されているもの、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを使用することができる。
本発明の粘着シートにおいては、前記基材シート上に設けられる粘着剤層の表面に、基材シートの端縁部上に開口する同一の波型形状の複数本の溝が、等間隔で且つ位相を同じくして設けられている。
波型形状としては、種々な形状を採り得るが、正弦波若しくは三角波又はそれらに類似する形状であることが好ましい。
図1〜3は、本発明の粘着シートにおける粘着剤層の表面に設けられた複数本の溝の波型形状の例を示す模式図である。
図1の例では、正弦波の形状の複数本の溝、1−AA、1−AB、1−AC及び1−ADが、等間隔で且つ位相を同じくして設けられている。
図2の例では、正弦波に類似する形状の複数本の溝、1−BA、1−BB、1−BC及び1−BDが、等間隔で且つ位相を同じくして設けられている。
図3の例では、三角波の形状の複数本の溝、1−CA、1−CB、1−CC及び1−CDが、等間隔で且つ位相を同じくして設けられている。
波型形状としては、種々な形状を採り得るが、正弦波若しくは三角波又はそれらに類似する形状であることが好ましい。
図1〜3は、本発明の粘着シートにおける粘着剤層の表面に設けられた複数本の溝の波型形状の例を示す模式図である。
図1の例では、正弦波の形状の複数本の溝、1−AA、1−AB、1−AC及び1−ADが、等間隔で且つ位相を同じくして設けられている。
図2の例では、正弦波に類似する形状の複数本の溝、1−BA、1−BB、1−BC及び1−BDが、等間隔で且つ位相を同じくして設けられている。
図3の例では、三角波の形状の複数本の溝、1−CA、1−CB、1−CC及び1−CDが、等間隔で且つ位相を同じくして設けられている。
図4は、図1に示したような正弦波の形状を有する溝(1−AA、1−AB、1−AC及び1−AD)を設けた場合と、直線形状の溝(1−DA、1−DB、1−DC及び1−DD)を平行に設けた場合における、空気溜りと溝との関係を示す説明図である。
図4において、実線で示したのは、振幅;A、周期長;λ及び溝の延伸方向に直角な方向における隣り合う溝の中心間距離;Dが、次の関係にある、正弦波の形状を有する溝である。
λ=2D=4A
図4において、点線で示した直線は、溝の延伸方向に直角な方向における隣り合う溝の中心間距離;Dで且つ平行に設けた直線形状の溝(1−DA、1−DB、1−DC及び1−DD)である、
図4において、点線で示した円は、直径がDより少し小さい空気溜りを示している。
図4において、実線で示したのは、振幅;A、周期長;λ及び溝の延伸方向に直角な方向における隣り合う溝の中心間距離;Dが、次の関係にある、正弦波の形状を有する溝である。
λ=2D=4A
図4において、点線で示した直線は、溝の延伸方向に直角な方向における隣り合う溝の中心間距離;Dで且つ平行に設けた直線形状の溝(1−DA、1−DB、1−DC及び1−DD)である、
図4において、点線で示した円は、直径がDより少し小さい空気溜りを示している。
而して、直線形状の溝を平行に設けた場合においては、2−Aの如く溝と連通する位置に空気溜りができたときは、容易に空気が抜けて「ふくれ」として残らないが、2−B〜2−Dの如く、平行する溝の間に空気溜りできたときは、溝と連通していないため、空気が抜けずに「ふくれ」として残ることとなる。そして、スクイズして空気溜りを溝と連通する位置にまで移動させることが必要となる。
一方、正弦波の形状を有する溝を設けた場合には、空気溜りは、2−A〜2−Dのいずれの位置にできても、溝と連通しているため、容易に空気が抜けて「ふくれ」として残ることがない。もちろん、正弦波の形状を有する溝を設けた場合においても、径の小さな空気溜りが、溝に全く連通しない位置にできることはあるが、直線形状の溝を平行に設けた場合に比べて比較的近い位置に溝があるため、空気溜りを僅かに移動させるだけで、溝と連通させ、空気を抜くことができる。
一方、正弦波の形状を有する溝を設けた場合には、空気溜りは、2−A〜2−Dのいずれの位置にできても、溝と連通しているため、容易に空気が抜けて「ふくれ」として残ることがない。もちろん、正弦波の形状を有する溝を設けた場合においても、径の小さな空気溜りが、溝に全く連通しない位置にできることはあるが、直線形状の溝を平行に設けた場合に比べて比較的近い位置に溝があるため、空気溜りを僅かに移動させるだけで、溝と連通させ、空気を抜くことができる。
このような本発明の効果を得るためには、溝の延伸方向に直角な方向における隣り合う溝の中心間距離、波型形状の周期長及び振幅を一定範囲内とすることが好ましい。
即ち、溝の延伸方向に直角な方向における隣り合う溝の中心間距離は、200〜1,200μm、特に、500〜1,000μmが好ましい。
波型形状の周期長は、400〜2、400μm、特に、1,000〜2,000μmが好ましい。
波型形状の振幅は、100〜600μm、特に、150〜500μmが好ましい。
即ち、溝の延伸方向に直角な方向における隣り合う溝の中心間距離は、200〜1,200μm、特に、500〜1,000μmが好ましい。
波型形状の周期長は、400〜2、400μm、特に、1,000〜2,000μmが好ましい。
波型形状の振幅は、100〜600μm、特に、150〜500μmが好ましい。
溝の断面形状は、V字形、U字形、長方形又は台形などが好ましい。
溝の上面開口幅(粘着剤層の表面における開口幅)は、空気溜まりの空気が抜け、貼付後基材シート側から溝の存在が認識できないような幅として、5〜80μm、特に10〜70μmが好ましい。
又、溝の深さは、5〜50μm、特に、5〜25μmが好ましい。
なお、図1〜3に示した例においては、全ての溝は同じ方向に延伸しているが、ある方向に延伸する複数の溝の群(第1の群)とは別の、第1の群に交差する方向に延伸する複数の溝の群(第2の群)を設けてもよい。この場合、必ずしも両方の溝の群が波型形状である必要はなく、一方の群は直線状の互いに平行する溝であってもよい。又、交差する角度は、40〜140°が好ましい。
粘着剤層の厚さは、7〜100μm、特に7〜50μmが好ましい。
溝の上面開口幅(粘着剤層の表面における開口幅)は、空気溜まりの空気が抜け、貼付後基材シート側から溝の存在が認識できないような幅として、5〜80μm、特に10〜70μmが好ましい。
又、溝の深さは、5〜50μm、特に、5〜25μmが好ましい。
なお、図1〜3に示した例においては、全ての溝は同じ方向に延伸しているが、ある方向に延伸する複数の溝の群(第1の群)とは別の、第1の群に交差する方向に延伸する複数の溝の群(第2の群)を設けてもよい。この場合、必ずしも両方の溝の群が波型形状である必要はなく、一方の群は直線状の互いに平行する溝であってもよい。又、交差する角度は、40〜140°が好ましい。
粘着剤層の厚さは、7〜100μm、特に7〜50μmが好ましい。
本発明の粘着シートの製造方法としては、基材シート表面に、同一の波型形状の複数本の溝が、粘着剤層の表面に等間隔で且つ位相を同じくして設けられた粘着剤層を形成し得るのであれば、いかなる方法も用いることができる。例えば(1)基材シート表面に平坦な粘着剤層を直接設けたのち、周期変動する櫛形ブレードを用いて所望形状の溝を形成する方法(2)基材シート表面に平坦な粘着剤層を直接設けたのち、所望形状に対応する(雄雌関係にある)表面形状を有するエンボスロールと該粘着剤層とを接触させて賦形する方法、(3)所望形状に対応する表面形状を有する剥離シートの剥離処理面に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成し、この粘着剤層に基材シートを貼合する方法などを採用することができるが、これらの中で、操作性などの面から、(3)の転写方法が好適である。
この転写方法においては、所望形状に対応する表面形状を有する剥離処理層が設けられた剥離シートの該剥離処理層上に粘着剤層を形成したのち、この粘着剤層に基材シートを貼合することにより、所望形状を有する粘着剤層を有する粘着シートを製造することができる。ここで、所望形状に対応する表面形状を有する剥離処理層が設けられた剥離シートは、例えば剥離シート用基材にポリエチレン樹脂などを加熱溶融して貼り合わせた後、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗布して剥離処理層を設け、公知の方法により賦形加工を施すことにより製造することができる。この際用いる剥離シート用基材としては特に制限はなく、従来剥離シートの基材として慣用されているものの中から任意のものを選択して用いることができる。このような剥離シート用基材としては、例えばグラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの紙、各種プラスチックシート、合成紙などを挙げることができる。
本発明の易貼付性粘着シートは、使用に際しては、上記の転写方法で製造された場合のように、剥離シートが設けられているときには該剥離シートを剥がし、粘着剤層を被着体に当接させて貼付する。 空気溜まりができたときは、スキージーで空気溜まりを押し出すことにより、空気溜りは押し出し方向にある溝と連通して空気が抜け出し、空気溜まりが消失するので、「ふくれ」が残ることばない。 また、貼付後の粘着シートは、基材シート表面に凹みなどが生じたり、溝構造が浮き出たりして、外観が損なわれることもない。
次に、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
製造例1
温度計、攪拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、ブチルアクリレートモノマー90質量部、アクリル酸モノマー10質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下80℃で8時間重合した。反応終了後、トルエンにて固形分34%に調整し、重量平均分子量50万のアクリル系共重合体溶液を得た。この共重合体溶液100質量部にイソシアネート系架橋剤(東洋インキ製造(株)製 BHS8515)を2質量部加え、粘着剤溶液を作製した。
温度計、攪拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、ブチルアクリレートモノマー90質量部、アクリル酸モノマー10質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下80℃で8時間重合した。反応終了後、トルエンにて固形分34%に調整し、重量平均分子量50万のアクリル系共重合体溶液を得た。この共重合体溶液100質量部にイソシアネート系架橋剤(東洋インキ製造(株)製 BHS8515)を2質量部加え、粘着剤溶液を作製した。
実施例1〜3、比較例1
100g/m2の上質紙にポリエチレン層、シリコーン層を順次設けた剥離シートに、第1表に示す形状及び寸法の溝に対応する表面形状を有する金属ロールを加熱圧着して、対応する表面形状を有する剥離処理層が設けられた剥離シートを作製した。
上記の剥離シートに製造例1で得た粘着剤溶液を、乾燥後の厚みが30μmとなる厚みに塗布し、溶剤を乾燥・除去した後、更に厚さ50μmの塩化ビニルシートを貼り合わせることで、第1表に示す表面形状を有する粘着剤層を有する粘着シートを作製した。尚、いずれの例においても、溝は、断面形状がU字形であり、上面開口幅が50μm、深さが15μmである。
100g/m2の上質紙にポリエチレン層、シリコーン層を順次設けた剥離シートに、第1表に示す形状及び寸法の溝に対応する表面形状を有する金属ロールを加熱圧着して、対応する表面形状を有する剥離処理層が設けられた剥離シートを作製した。
上記の剥離シートに製造例1で得た粘着剤溶液を、乾燥後の厚みが30μmとなる厚みに塗布し、溶剤を乾燥・除去した後、更に厚さ50μmの塩化ビニルシートを貼り合わせることで、第1表に示す表面形状を有する粘着剤層を有する粘着シートを作製した。尚、いずれの例においても、溝は、断面形状がU字形であり、上面開口幅が50μm、深さが15μmである。
作製した粘着シートを下記の試験に供した。結果を第1表に示す。
「エア抜け性」
50mm×50mmに裁断した粘着シートを中央部に直径約15mmの円形の空気溜まりができるようにメラミン塗装板に載せ、スキージーで空気溜まり部を押し出すようにこすり、空気溜まりの有無を観察した。その結果、空気溜まりが容易に消失した場合を◎、空気溜まりが消失した場合を○、空気溜まりが消失せず「ふくれ」が残った場合を×とした。
「エア抜け性」
50mm×50mmに裁断した粘着シートを中央部に直径約15mmの円形の空気溜まりができるようにメラミン塗装板に載せ、スキージーで空気溜まり部を押し出すようにこすり、空気溜まりの有無を観察した。その結果、空気溜まりが容易に消失した場合を◎、空気溜まりが消失した場合を○、空気溜まりが消失せず「ふくれ」が残った場合を×とした。
本発明によれば、被着体に貼付する際に空気溜まりが発生しても、その空気が抜けやすいため、「ふくれ」を作らずきれいに貼付し得ると共に、粘着シートの外観が損なわれることがなく、更に、貼り直しがし易い粘着シートを提供することができる。
本発明の粘着シートは、特に看板、壁、車両等の装飾用大型粘着シートとして好適である。
本発明の粘着シートは、特に看板、壁、車両等の装飾用大型粘着シートとして好適である。
1−AA、1−AB、1−AC、1−AD:正弦波の形状の溝
1−BA、1−BB、1−BC、1−BD:正弦波に類似する形状の溝
1−CA、1−CB、1−CC、1−CD:三角波の形状の溝
1−DA、1−DB、1−DC、1−DD:直線形状の溝
2−A、2−B、2−C、2−D:空気溜り
A:振幅
λ:周期長
D:溝の延伸方向に直角な方向における隣り合う溝の中心間距離
1−BA、1−BB、1−BC、1−BD:正弦波に類似する形状の溝
1−CA、1−CB、1−CC、1−CD:三角波の形状の溝
1−DA、1−DB、1−DC、1−DD:直線形状の溝
2−A、2−B、2−C、2−D:空気溜り
A:振幅
λ:周期長
D:溝の延伸方向に直角な方向における隣り合う溝の中心間距離
Claims (6)
- 基材シートの少なくとも一方の表面上に粘着剤層を有する粘着シートであって、粘着剤層の表面に、基材シートの端縁部上に開口する同一の波型形状の複数本の溝が、粘着剤層の表面に等間隔で且つ位相を同じくして設けられていることを特徴とする易貼付性粘着シート。
- 波型形状が、正弦波若しくは三角波又はそれらに類似する形状であることを特徴とする請求項1に記載の易貼付性粘着シート。
- 溝の断面形状が、V字形、U字形、長方形又は台形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の易貼付性粘着シート。
- 溝の延伸方向に直角な方向における隣り合う溝の中心間距離が200〜1,200μmであり、波型形状の周期長が400〜2,400μmで、振幅が100〜600μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の易貼付性粘着シート。
- 溝の上面開口幅が5〜80μmで、溝の深さが5〜50μmである請求項1〜4のいずれかに記載の易貼付性粘着シート。
- 粘着剤層の厚さが7〜100μmである請求項1〜5のいずれかに記載の易貼付性粘着シート。
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- 2008-03-18 JP JP2008070116A patent/JP2009221431A/ja active Pending
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