JP2009213833A - 生体信号測定用プローブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生体信号測定用プローブであって、少なくとも1つの波長の光を出射可能な発光素子1と、導光部材5であって、発光素子と対向する第1部分と第1部分を包囲する第2部分を含む光反射性の第1端面と、第1端面と交差する光反射性の第2端面と、第2端面と交差すると共に第1端面と対向する光透過性の第3端面を有し、第1端面と第2端面の少なくとも一方で反射しつつ第3端面より照射光として出射させるものと、被測定部より反射した光を受光可能とされた受光素子2とを具備して成り、第1端面の発光素子の光軸に沿う向きの断面形状は、少なくとも第2部分が楕円の短軸と交差する周の一部と一致しており、発光素子の光軸と楕円の短軸とが一致するように構成されている。
【選択図】図1
Description
また、測定部表面の近傍に1つの発光ダイオード(LED)と、1つの受光素子(PD)を測定部表面に対して垂直方向に配列した反射光測定装置が知られている(特許文献3参照)。
この構成によれば、特許文献2に記載のプローブのように発光素子と受光素子を横方向に配列する構成と比べて幅寸法を小さくすることが可能であるが、筒状の導光部材はプローブの厚み方向に延設せざるを得ないため、厚さ方向の寸法が大きくなってしまう。
前記少なくとも1つの波長の光を出射可能な発光素子と、
導光部材であって、前記発光素子と対向する第1部分と該第1部分を包囲する第2部分を含む光反射性の第1端面と、該第1端面と交差する光反射性の第2端面と、該第2端面と交差すると共に該第1端面と対向する光透過性の第3端面を有し、前記発光素子から出射された光の少なくとも一部を、該第1端面と該第2端面の少なくとも一方で反射しつつ該第3端面より前記照射光として出射させるものと、
前記被測定部より反射した光を受光可能とされた受光素子とを具備して成り、
前記第1端面の前記発光素子の光軸に沿う向きの断面形状は、少なくとも前記第2部分が楕円の短軸と交差する周の一部と一致しており、発光素子の光軸と該楕円の短軸とが一致するように構成されているものが提供される。
前記発光素子は、前記楕円の一方の焦点に対応する位置に配置される構成としてもよい。
前記導光部材の前記第2端面上の一点は、該楕円の他方の焦点に対応する位置に配置される構成としてもよい。
前記発光素子は、前記楕円の一方の焦点に対応する位置に配置される構成としてもよい。
前記第1凸部は半球形状または円錐形状としてもよい。
前記第1凸部上に、前記発光素子に向かって突出した半球形状または円錐形状の第2凸部が形成されている構成としてもよい。
前記発光素子が載置される支持部材と、前記支持部材上の前記第1端面に対向する部分に設けられた平面鏡とを更に具備して成り、前記発光素子より出射された光は、前記第1端面と前記平面鏡により反射されて前記第3端面に導かれる構成としてもよい。
前記発光素子より出射された光は、前記第1端面の第1部分と前記第2端面により反射されて前記第3端面に導かれる構成としてもよい。
前記発光素子が載置される支持部材を更に具備して成り、前記支持部材における前記第1端面に対向する部分は、該第1端面に対して凸とされた光反射性の面として構成してもよい。
前記第1端面の前記第1部分と前記第2部分は、前記発光素子に対して凸とされている構成としてもよい。
第1の面上に第1領域と第2領域を有し、該第1領域と該第2領域が逆向きとなるように折り曲げられた状態で配置された基板を更に具備して成り、前記発光素子は前記第1領域に載置され、前記受光素子は前記第2領域に配置される構成としてもよい。
また、発光素子から出射されて生体へ入射する光の損失を少なくできる。
図1に本発明の第1実施例に係る生体信号測定用プローブを示す。発光素子であるLED素子1がプリント基板4の上面に配置されている。LED素子1の内部には、少なくとも1つのLEDチップが実装されている。例えば、波長の異なる、例えば赤色光(660nm近傍)及び赤外光(900nm近傍)といった2つ以上のLEDチップが実装されていても良い。
LED素子1とPD素子2を包囲するように導光部材5が設けられる。導光部材5を形成する材料としては、透明成型材料で透明度が高く光学特性に優れたもので、例えば、ポリエチレン(PET)、ポリカーボネイト、アクリル等が挙げられる。これに材料色が乳白色である光散乱材料を混合して形成してもよい。光散乱材料の例としては、酸化チタンなどのフィラが挙げられる。導光部材5の端面は光反射面とされる。
LED素子1から出射された光は導光部材5内を進行し、光反射面により反射されつつ、プローブの光出射面を構成する導光部材5の下端面に導かれる。プローブの光出射面から出射した光で生体の被測定部を照射すると、被測定部からの反射光が受光窓3を経由してPD素子2に入射する。
光反射面は、例えば導光部材5の外側端面をアルミニウム箔などの金属被膜で覆って構成してもよいし、遮光カバー6や遮光ケース7の内面を反射率の高い面として構成してもよい。
図1に示すように、導光部材5の上端面のLED素子1の光軸に沿う断面形状は横方向に長い滑らかな円弧とされている。この上端面は、LED素子1側から見て凹面鏡とされている。より詳細には、図7に示すように、楕円の短軸と交差する側の周の一部に一致する形状とされている。そしてLED素子1の光源はこの楕円の焦点Aに一致する位置に配置されている。導光部材5の側端面上の一点は、この楕円の焦点Bに一致するように形成されている。
また導光部材5の上端面は、上記の楕円を焦点Aを中心として、LED素子1およびPD素子2の光軸周りに回転させた際に、楕円の短軸と交差する側の周の一部が形成する曲面と見ることもできる。
・導光部材5の上端面のうち、LED素子1に対向する部分Cが、LED素子1に向かって半球状の凸部を形成し、当該凸部が凸面鏡とされている。
・遮光ケース7の前記凸面鏡に対向する面8が平面鏡とされている。
図2の構成によれば、導光部材5の天頂部を凹状にできるため、導光部材の厚み(高さ)を薄くすることが可能になり、プローブ全体(装着部)の厚さも薄くすることができる。また上端面および平面鏡8により反射された光は、側端面を経由せずに下端面に導かれるため、第1実施例のように側端面を楕円の焦点Bに一致させる必要がない。つまり第1実施例と比較して側端面の位置を内側にすることができる。よってプローブの横幅寸法を小さくすることができる。
本実施例は、以下の点で、図1に示した第1実施例とは相違している。
・導光部材5の上端面のうち、LED素子1に対向する部分Cが、LED素子1に向かって半球状の凸部を形成し、当該凸部が凸面鏡とされている。
・導光部材5の側端面を前記楕円の他方の焦点Bよりも外側に位置するようにし、且つ反射面9として構成する。当該反射面9は平面であっても曲面であってもよい。
図3の構成によれば、導光部材5の天頂部を凹状にできるため、導光部材の厚み(高さ)を薄くすることが可能になる。また図2に示した第2実施例と比較すると、遮光ケース7に平面鏡8を形成する必要がないので、製造コストを下げることができる。また反射を受ける回数が少ないため、LED素子1から出射された光がプローブから出射されるまでに受ける損失を最小限に抑えることができる。
従来の生体信号測定用プローブでは、発光素子及び受光素子からプローブ外部への配線材は、プローブの底面(生体への接触面)に沿って引き出されるのが普通であった。
すなわち、配線材10はプローブの側部から導入されて、発光素子であるLED素子1及び受光素子であるPD素子2に接続されてプローブ外部に導出されている。この構成によれば、プローブの底面から生体に照射される光を配線材によって遮られることが無いので、光を効率良く生体に照射することが可能になる。
図5(a)に示すように、基板4の同一面上に発光素子であるLED素子1と受光素子であるPD素子2を配置する。基板の一方の面からのみの部品(LED素子,PD素子)の装着ですむので、製造工程が少なくできる。
折り曲げた基板の間に形成される間隙11には、熱伝導率の低い材料を挟みこむことで、LED素子から発生した熱が基板4を介して生体に伝達されにくくすることが可能になる。なお、熱伝導率の低い物質としては、空気も含まれる。
図6(b)に本発明の第5実施例に係る生体信号測定用プローブを示す。本実施例は、導光部材5の上端面に形成された凸部Cが、大小2つの半球面とされ、それぞれが球面状の凸面鏡とされている以外は、図2に示した第2実施例と同様である。またこの構成は、図3に示した第3実施例にも適用可能である。
LED素子1の光軸より角度0度から80度まで10度ステップの光線解析を行ってプローブからの出力光量(照射面出力光量)を求めた。LED素子1の指向特性は、角度による差異はないものとし、全角度において出力強度(LED出力光量)を1とし、プローブからの出力光量は、反射による減光のみを考慮して、出力強度に光線反射による減光率0.97のN乗として得られる値を乗じて算出した。ここでNは反射回数を示す。すなわち出力光量はLED素子1の出力強度に対する百分率として表現される(以下これを出力光量率と称する)。
図8(b)のグラフから、サンプルIの出力光量率が94.1%で最高であり、損失が非常に少ないことが判る。サンプルIIも89.2%であって十分な出力光量が得られていることが確認できる。サンプルIIIと比較すると、導光部材5の上端面の形状設計が出力光量の向上に大きく寄与していることが判る。
図9(a)は、図7(c)に示したサンプルIIIと同一であり、導光部材5の下端面からの高さを6.7mmとし、遮光ケース7のLED搭載面を平面の反射面とした例である。
また、図9(c)は、導光部材5の下端面からの高さを5.5mmとし、遮光ケース7のLED搭載面を半球状の反射面とした例である(以下サンプルV)。
上述の構成の違いによるプローブからの出力光量の評価結果を図10(a)および10(b)に示す。評価方法はサンプルI〜IIIについて行なったものと同様である。図10(a)は、上述の光線解析結果を表にしたものであり、図10(b)はその結果をグラフに表示している。
この実施例は、従来の生体信号測定用プローブにおいて、熱を発生する発光素子(LED素子)が測定部表面(被験者の皮膚)の近傍に配置されている場合には、その熱の影響により被験者が皮膚に火傷を負った事例が報告されている(非特許文献1参照)ことを前提にしたものである。
ここで、発光素子に実装された2個のLEDチップからの波長の異なる、例えば、赤色光(660nm近傍)及び赤外光(900nm近傍)の特性について検討する。
各LEDチップ間の距離は、1mm程度であり、LEDチップから出射された光束は光源からの距離が大きくなるに従って広がりを持つ特性を備えている。
図12(a)は、LED素子の直下に患者の皮膚がある場合で、赤色光(R)及び赤外光(IR)は、殆ど重り合わず、患者の皮膚の別の部位に照射されていることが分かる。
図12(b)は、LED素子から3mmの位置に患者の皮膚がある場合で、赤色光(R)及び赤外光(IR)は、重り合あって、患者の皮膚の同じ部位に照射されることが分かる。
図12(d)は、LED素子から10mmの位置に患者の皮膚がある場合で、赤色光(R)及び赤外光(IR)は図12(c)の場合より更に重り合あって、患者の皮膚の同じ部位により照射される割合が更に多いことが分かる。
また、図12(c)や12(d)の場合には、患者の皮膚の異なる部位に照射される割合は小さくなるが、LED素子患者の皮膚から離したことによって、装置の高さ(厚み)が大きくなるという問題が生じる。
導光部材5の下端面から出射された照射光は、生体の被測定部位で反射されて受光窓3に進入し、赤色光(660nm近傍)及び赤外光(900nm近傍)が区別されてPD素子2に受光される。
上述の各実施例では、円形の受光素子の受光窓3を中心として同心円状に遮光ケース7、導光部材5、遮光カバー6が配置されている(例えば図11(b)参照)。本実施例では、図13(b)に示すように、ほぼ四角形の受光素子の受光窓3を中心として同心状に遮光ケース7、導光部材5、遮光カバー6が配置されている。
図14(a)および14(b)に、本発明の第10実施例に係る生体信号測定用プローブを示す。本実施例は、上述の各実施例とプローブの形状が異なる。
本実施例では、図14(b)に示すように、円形の受光素子の受光窓3を中心として同心状に遮光ケース7、導光部材5が配置されており、遮光ケース7と導光部材5の一部のみがプローブの底面に露出するように遮光カバー6が形成されている。導光部材5の断面形状については、上述した各実施例に示したものを適宜組合せ可能である。
また、光拡散物質が混ぜられていることによりプローブより出射される光量が位置に依らず均一となることにより、より正確な測定が可能となった。
2:受光素子(PD)
3:受光窓
4:基板
5:導光部材
6:遮光カバー
7:遮光ケース
8:平面鏡9:反射面A,B:楕円の焦点
C:頂部
Claims (13)
- 生体上の被測定部へむけて少なくとも1つの波長の光を照射光として照射可能とされた生体信号測定用プローブであって、
前記少なくとも1つの波長の光を出射可能な発光素子と、
導光部材であって、前記発光素子と対向する第1部分と該第1部分を包囲する第2部分を含む光反射性の第1端面と、該第1端面と交差する光反射性の第2端面と、該第2端面と交差すると共に該第1端面と対向する光透過性の第3端面を有し、前記発光素子から出射された光の少なくとも一部を、該第1端面と該第2端面の少なくとも一方で反射しつつ該第3端面より前記照射光として出射させるものと、
前記被測定部より反射した光を受光可能とされた受光素子とを具備して成り、
前記第1端面の前記発光素子の光軸に沿う向きの断面形状は、少なくとも前記第2部分が楕円の短軸と交差する周の一部と一致しており、発光素子の光軸と該楕円の短軸とが一致するように構成されていることを特徴とする生体信号測定用プローブ。 - 前記発光素子は、前記楕円の一方の焦点に対応する位置に配置され、
前記第1端面の少なくとも前記第2部分は、前記発光素子に対して凹とされ、
前記導光部材の前記第2端面上の一点は、該楕円の他方の焦点に対応する位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の生体信号測定用プローブ。 - 前記発光素子は、前記楕円の一方の焦点に対応する位置に配置され、
前記第1端面の前記第1部分は、前記発光素子に向かって突出した第1凸部とされ、前記第2部分は前記発光素子に対して凹とされることを特徴とする請求項1に記載の生体信号測定用プローブ。 - 前記第1凸部は半球形状であることを特徴とする請求項3に記載の生体信号測定用プローブ。
- 前記第1凸部は円錐形状であることを特徴とする請求項3に記載の生体信号測定用プローブ。
- 前記第1凸部上に、前記発光素子に向かって突出した半球形状または円錐形状の第2凸部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の生体信号測定用プローブ。
- 前記発光素子が載置される支持部材と、
前記支持部材上の前記第1端面に対向する部分に設けられた平面鏡とを更に具備して成り、
前記発光素子より出射された光は、前記第1端面と前記平面鏡により反射されて前記第3端面に導かれることを特徴とする請求項3に記載の生体信号測定用プローブ。 - 前記発光素子より出射された光は、前記第1端面の第1部分と前記第2端面により反射されて前記第3端面に導かれることを特徴とする請求項3に記載の生体信号測定用プローブ。
- 前記発光素子が載置される支持部材を更に具備して成り、
前記支持部材における前記第1端面に対向する部分は、該第1端面に対して凸とされた光反射性の面として構成されることを特徴とする請求項1に記載の生体信号測定用プローブ。 - 前記第1端面の前記第1部分と前記第2部分は、前記発光素子に対して凸とされていることを特徴とする請求項1に記載の生体信号測定用プローブ。
- 前記発光素子および前記受光素子と電気的に接続される配線材を更に具備して成り、
該配線材は、前記第2端面より導出されることを特徴とする請求項1〜10に記載の生体信号測定用プローブ。 - 第1の面上に第1領域と第2領域を有し、該第1領域と該第2領域が逆向きとなるように折り曲げられた状態で配置された基板を更に具備して成り、
前記発光素子は前記第1領域に載置され、前記受光素子は前記第2領域に配置されることを特徴とする請求項1〜9に記載の生体信号測定用プローブ。 - 前記第1領域と前記第2領域の間に形成され、前記基板よりも低い熱伝導率を有する層を更に具備して成る請求項12に記載の生体信号測定用プローブ。
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