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JP2009298278A - 特定領域走行対応型車両 - Google Patents

特定領域走行対応型車両 Download PDF

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JP2009298278A JP2008154469A JP2008154469A JP2009298278A JP 2009298278 A JP2009298278 A JP 2009298278A JP 2008154469 A JP2008154469 A JP 2008154469A JP 2008154469 A JP2008154469 A JP 2008154469A JP 2009298278 A JP2009298278 A JP 2009298278A
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Abstract

【課題】特定領域走行対応車両として、特定領域において環境保全に適した走行を維持することを可能とし、回転電機による走行距離をより長くすることである。
【解決手段】プラグインハイブリッド車両10は、駆動源12としてエンジン14と回転電機16とを有し、外部電源と電力授受ができるプラグ20を備えている。また、特定領域についての情報を受信するための交信アンテナ40と、制御部50を含む。制御部50のCPU52は、特定領域に車両が入ることを検出する特定領域検出モジュール74と、特定領域の検出に応じて、一般走行モードから特定領域走行モードに切り替える走行モード切替モジュール76と、特定領域の検出に応じて、蓄電装置24の電力消費抑制を行う電力消費抑制モジュール78を含んで構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、特定領域走行対応型車両に係り、特に、環境保全のための規制が行われる特定領域の走行に対応できる特定領域走行対応型車両に関する。
遺跡、自然公園等の環境を保全し、あるいは都市の混雑緩和等のために、特定の領域における車両の走行を規制することが考えられている。規制を実効あらしめるために、特定領域に進入するときに課金を行い、あるいは、特定領域における排気ガス量に応じて課金し、あるいは、特定領域を走行する車両が排気ガスを出さない電気自動車の場合に課金を少なくする等の仕組みが検討されている。環境保全等のために走行状態に応じて課金をするこのような仕組みをロードプライシングと呼ぶことがある。そのために、車両としても対応が必要である。
例えば、特許文献1には、定められた走行径路を走行する場合に、全ての径路をモータで走行する全ゼロエミッションモードと、部分地域ゼロエミッションモードの選択ができるハイブリッド車両が開示されている。ここでは、全ゼロエミッションモードを選択すると、全走行距離をモータのみで走行することが現在のバッテリ容量で可能か否かが判断され、充電が必要な場合には、充電スタンドに立ち寄ることとし、立ち寄れないときは、このモードの選択が不可能であることが表示され、部分地域ゼロエミッションモードを選択すると、エンジンを用いずにバッテリを電源としてモータで走行するモータモード、エンジンをリーンバーンで燃焼させ発電のみに用いる第1エンジンモード、エンジンを定トルクで駆動しトルクの過不足分をモータでアシストする第2エンジンモードの3つを用いることが述べられている。そして、人口密集地域、車庫内、駐車場、地下駐車場、宮中周辺、神社周辺、寺院周辺、病院周辺、料金所周辺、トンネル内等を排ガス規制地域とし、高速道路、人口密度の低い地域を充電地域とし、排ガス地域ではモータモード、充電地域では第1エンジンモード等を用いることが述べられている。
なお、本発明に関連する技術として、特許文献2には、専用道路上にレーンマーカを設置し、道路進行方向に対し道路上のレーンマーカ情報からの横ずれ量を検出して自動走行する車両(AHS車)の専用道路進入・退出システムが開示されている。ここでは、専用道路にチェックイン設備を設け、各ゲート付近でAHS車が通過するとインフラ設備の車両制御装置とAHS車の車載制御装置とが通信を行って自動走行機能の自動検車等を行い、また、非AHS車との識別を行うことが述べられている。
特開平7−107617号公報 特開2002−163756号公報
環境保全のために設定された特定領域を走行する車両としては、エンジンによる排気ガスを抑制するか、あるいはエンジンの使用を停止して走行するようにすることが望ましい。特許文献1に記載される車両は、そのような場合に1つの解決策を提案している。このように、車両走行システムにおいて、一般領域を走行するモードと特定領域を走行するモードとの選択をすることができるが、ユーザの誤操作によってエンジンを使用してしまうことがあり得る。また、エンジンの使用を抑制して特定領域を走行するには、蓄電装置の容量等で限界が生じえる。
本発明の目的は、特定領域において環境保全に適した走行を維持することを可能とする特定領域走行対応車両を提供することである。他の目的は、特定領域において、回転電機による走行距離をより長くできる特定領域走行対応車両を提供することである。
本発明に係る特定領域走行対応型車両は、環境保全のための規制が行われる特定領域に車両が入ることを検出する特定領域検出手段と、特定領域検出手段の検出に応じて、駆動源としてエンジンを利用できる一般走行モードから駆動源として回転電機を主に用いる特定領域走行モードに切り替える走行モード切替手段と、特定領域検出手段の検出に応じて、蓄電装置の電力消費抑制を行う抑制手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る特定領域走行対応型車両において、抑制手段は、アクセル開度に対する要求トルク応答を一般走行モードに比較して抑制する手段であることが好ましい。
また、本発明に係る特定領域走行対応型車両において、抑制手段は、蓄電装置の充電状態の許容範囲を一般走行モードに比較して低充電側を緩和して放電可能領域を拡大することが好ましい。
また、本発明に係る特定領域走行対応型車両において、抑制手段は、車両用補機の稼働条件を一般走行モードに比較して制限して車両用補機による電力消費を抑制することが好ましい。
また、本発明に係る特定領域走行対応型車両において、抑制手段は、エンジンの始動回数を表示してユーザに蓄電装置の電力消費抑制を誘導する表示指示手段であることが好ましい。
また、本発明に係る特定領域走行対応型車両において、特定領域検出手段は、車外からの通知信号を検出する手段、または車両搭載のナビゲーション装置によって特定領域通知信号を検出する手段であることが好ましい。
また、本発明に係る特定領域走行対応型車両において、外部電源と蓄電装置との間で電力授受を行う外部電力授受手段を備えることが好ましい。
上記構成により、特定領域走行対応型車両は、環境保全のための規制が行われる特定領域に車両が入ることを検出し、その検出に応じて、駆動源としてエンジンを利用できる一般走行モードから駆動源として回転電機を主に用いる特定領域走行モードに切り替え、また、特定領域検出手段の検出に応じて、蓄電装置の電力消費抑制を行う。このように、特定領域に進入するときに自動的に特定領域走行モードに切り替えるとともに、蓄電装置の電力消費抑制をするので、特定領域において環境保全に適した走行を維持でき、また、特定領域において、回転電機による走行距離をより長くできる。
また、特定領域走行対応型車両において、アクセル開度に対する要求トルク応答を一般走行モードに比較して抑制するので、蓄電装置の電力消費をさらに低減し、回転電機による走行距離をより長くできる。
また、特定領域走行対応型車両において、蓄電装置の充電状態の許容範囲を一般走行モードに比較して低充電側を緩和して放電可能領域を拡大するので、回転電機による走行距離をより長くできる。
また、特定領域走行対応型車両において、車両用補機の稼働条件を一般走行モードに比較して制限して車両用補機による電力消費を抑制するので、蓄電装置の電力消費をさらに低減し、回転電機による走行距離をより長くできる。
また、特定領域走行対応型車両において、エンジンの始動回数を表示することを指示してユーザに蓄電装置の電力消費抑制を誘導する。これによって、電力消費を抑制することをさらに可能とする。
また、特定領域走行対応型車両において、特定領域の検出は、車外からの通知信号を検出することで行い、または車両搭載のナビゲーション装置によって特定領域通知信号を検出することで行う。これによって、自動的に特定領域の検出を行うことができる。
また、特定領域走行対応型車両において、外部電源と蓄電装置との間で電力授受を行う外部電力授受手段を備えるので、エンジンによる蓄電装置の充電の他に外部電源からの充電により蓄電装置の充電状態を向上させることができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態に付き詳細に説明する。なお以下では、車両として、外部電源と電力授受を行うことができる車両、いわゆるプラグインハイブリッド車両を説明するが、外部電源と電力授受を行わない一般的なハイブリッド車両であってもよい。また、回転電機として、車両に搭載されるモータ・ジェネレータを説明するが、単にモータとしての機能を有するものでもよい。また、車両は回転電機を1台搭載するものとして説明するが、2台搭載するものであってもよい。また、電源回路の構成として、蓄電装置、電圧変換器、平滑コンデンサ、インバータを有するものとして説明するが、これらの要素を適宜省略してもよく、またその他の要素を適宜付加するものとしてもよい。また、低電圧で作動する補機として、空調装置を説明するが、これ以外に、各種の低電圧作動モータ、ECU、ランプ、オーディオ機器等の各種車両搭載用電子機器等であってもよい。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、特定領域走行対応車両として、外部電源と電力授受を行うことができるプラグインハイブリッド車両10のブロック図である。ここでプラグイン車両とは、外部電源と電力授受を行うことができるプラグ端子を備え、適当な充電スタンド等に立ち寄って、商用交流外部電源のコンセント等にプラグ端子を接続し、車両に搭載されるインバータ等の機能を用いて車両搭載電源である蓄電装置に充電を行うことができる車両のことである。また、ハイブリッド車両とは、車両の駆動源としてエンジンと回転電機とを備える車両である。したがって、プラグインハイブリッド車両とは、蓄電装置を含む電源回路を備え、エンジンと回転電機とを用いて走行ができ、外部電源によって蓄電装置に充電を行うことができる車両である。
また、特定領域走行対応車両とは、遺跡、自然公園等の環境を保全し、あるいは都市の混雑緩和等のために、車両の走行について、排気ガスを規制する特定領域について、走行が可能な車両のことである。そのような対応が可能な車両の典型例は、エンジンを搭載しない電気自動車で、例えば燃料電池で走行する車両である。また、エンジンの利用を最小限にして走行ができる車両も、排気ガスを最小限として特定領域の規制を満足するものとできる。このような車両の例が、エンジンと回転電機とで走行が可能なハイブリッド車両である。ハイブリッド車両では、蓄電装置を充電するためにエンジンによって発電機を駆動するが、プラグインハイブリッド車両は、エンジンの駆動力を用いずに、外部電源から蓄電装置を充電できるので、特定領域走行車両としてより一層適したものとして期待される。
図1において、プラグインハイブリッド車両10は、駆動源12としてエンジン14と回転電機16とを有し、回転電機16のコイル巻線の中性点に接続される切替スイッチ18を介して外部電源と電力授受ができるプラグ20を備えている。また、回転電機16に接続される電源回路22と、電源回路22に接続される補機36を備えている。
また、プラグインハイブリッド車両10は、車両の走行についてユーザ操作子であるアクセル38、特定領域についての情報を受信するための交信アンテナ40、特定領域についての情報源として利用できるカーナビゲーション装置42、特定領域においてユーザの注意を喚起する表示装置として利用できる表示部44を含む。
さらに、プラグインハイブリッド車両10は、特定領域の走行について上記の各要素の動作を制御する制御部50を含む。
図1における商用交流電源6は、プラグインハイブリッド車両10の構成要素ではないが、コンセント8を備え、プラグ20を用いて車両に電力を供給する際の外部電源となるものであり、商用として一定の交流周波数を有する交流電力源である。商用交流周波数としては、50Hzあるいは60Hzのものを用いることができる。例えば、車両用の充電スタンドから、50Hzの交流100Vあるいは交流200V等の電力の供給を受けるものとすることができる。この場合には、充電スタンドの充電用のコンセント8に供給される50Hzの交流100Vあるいは交流200Vが商用交流電源6となる。この他に、一般家庭のコンセント8から50Hzの交流100Vの電力の供給を受ける場合には、コンセント8に供給されている50Hzの交流100Vが商用交流電源6となる。
エンジン14は、回転電機16とともに車両の駆動源12を構成する内燃機関である。エンジン14は、車両の車軸を駆動しタイヤを回転して走行を行わせる機能と共に、回転電機16を発電機として用いて発電を行わせ、電源回路22に含まれる蓄電装置24を充電する機能を有する。エンジン14の制御は、エンジンECU54を介して制御部50によって行われる。
回転電機16は、車両に搭載されるモータ・ジェネレータ(M/G)であって、蓄電装置24から電力が供給されるときはモータとして機能し、制動時には発電機として機能する三相同期型回転電機である。また、上記のようにエンジン14によって駆動されるときは発電機として機能する。回転電機16の制御は、M/G−ECU56を介して制御部50によって行われる。
電源回路22は、蓄電装置24、蓄電装置24の電圧を昇降圧する電圧変換器28、直流電力と三相交流電力との間の変換を行うインバータ30、蓄電装置24の電力を12V等の低電圧に降圧するDC/DCコンバータ32、低電圧電池34を含んで構成される。電源回路22の全体動作はPCU58を介して制御部50によって行われる。
蓄電装置24は、充放電可能な2次電池である。かかる蓄電装置24としては、例えば、約200Vの端子電圧を有するリチウムイオン組電池あるいはニッケル水素組電池、またはキャパシタ等を用いることができる。
電圧変換器28は、蓄電装置24とインバータ30の間に配置されて接続され電圧変換機能を有する回路である。電圧変換器28は、リアクトルとPCU58の制御の下で作動するスイッチング素子等を含んで構成される。電圧変換機能としては、蓄電装置24側の電圧をリアクトルのエネルギ蓄積作用を利用して昇圧しインバータ30に供給する昇圧機能と、インバータ30側からの電力を蓄電装置24側に降圧して充電電力として供給する降圧機能とを有する。プラグ20を介してインバータ30に商用交流電源6が接続されるときは、インバータ30側からの電力を蓄電装置24側に降圧して充電電力として供給する降圧コンバータとして働く。
インバータ30は、交流電力と直流電力との間の電力変換を行う回路である。インバータ30は、PCU58の制御の下で作動する複数のスイッチング素子を含んで構成される。インバータ30は、蓄電装置24側からの直流電力を交流三相駆動電力に変換し、回転電機16に駆動電力として供給する直交変換機能と、逆に回転電機16からの交流三相回生電力を直流電力に変換し、蓄電装置24側に充電電流として供給する交直変換機能とを有する。プラグ20を介してインバータ30に商用交流電源6が接続されるときは、商用交流電力を直流電力に変換する交直変換装置として働く。
なお、図1において、蓄電装置24と電圧変換器28との間、電圧変換器28とインバータ30との間に設けられるコンデンサは、電圧、電流の変動を抑制し平滑化するための平滑化コンデンサである。
DC/DCコンバータ32は、蓄電装置24の例えば約200Vの直流高電圧電力を約12Vの直流低電圧電力に降圧する機能を有する低電圧用電圧変換器である。その内部構成は、電圧変換器28で説明した内容と同様である。
低電圧電池34は、約12Vの端子電圧を有し、充放電可能な2次電池である。かかる低電圧電池34としては、車載用鉛蓄電池を用いることができる。
補機36は、低電圧で作動する車両搭載機器であり、ここでは車室内の空調を行う空調装置である。補機36の制御は、補機I/F62を介して制御部50によって行われる。
アクセル38は、ユーザによって操作され、これを踏み込むことで車両の走行において加速を行うことができる操作子である。アクセル38にはアクセル踏度を検出する検出手段が設けられ、検出されたアクセル踏度がアクセルI/F66を介して制御部50に伝送され、ユーザの要求トルク等に換算され、エンジンECU54またはM/G−ECU56に対し指令される。
交信アンテナ40は、車両の外の無線交信装置との間で無線交信を行うことができる送受信アンテナである。例えば、ETC(Electric Toll Collective)システムとの交信、自動車電話システムとの交信等に用いられるが、ここでは特に、環境保全等の規制のある特定領域に車両が進入したことの情報を無線交信で検出する機能を有する。特定領域検出の機能としては、VICS(Vehicle Information and Communication System)を用いて情報検出、あるいは、特定領域の境界に設けられる特別な信号を用いての情報検出によるものとすることができる。検出された特定領域情報は、通信制御部68を介して制御部50に伝送される。
カーナビゲーション装置42は、道路地図情報等を記憶し、図示されていないGPS装置等から現在の車両の位置を算出し、道路地図上で車両の現在位置を表示して運転の援助等を行うことができる装置である。特にここでは、環境保全等のために特定領域として指定される地域に車両が進入したこと等を検出し、ナビゲーションI/F70を介して制御部50に伝送する機能を有する。特定領域に関する情報は、道路地図情報等の記憶装置に予め格納されているものとできる。
表示部44は、車両の運転席等に設けられ車両の運転状況等をユーザに知らせるためのもので、ディスプレイあるいは点滅ランプ等である。ここでは特に、特定領域を走行することに関する注意喚起をユーザに表示する機能を有する。例えば、蓄電装置24の充電量が限界に近づき、回転電機16による走行可能距離が少なくなってきたことをユーザに知らせる警告灯、エンジン14の使用回数が予め設定された閾値回数を超えて、環境保全の規制の限度に近づいていることを知らせる注意灯などである。
制御部50は、CPU52、エンジン14の制御を行うエンジンECU(Electric Control Unit)54、回転電機16の制御を行うM/G−ECU(Motor/Generator ECU)56、電源回路22の制御を行うPCU(Power Control Unit)58、電源回路22に含まれる蓄電装置24の充電状態等の伝送のためのインタフェース回路であるバッテリI/F60、補機36との間のインタフェース回路である補機I/F62、切替スイッチ18との間のインタフェース回路であるプラグインI/F64、アクセル38との間のインタフェース回路であるアクセルI/F66、交信アンテナ40との間のインタフェース回路である通信制御部68、カーナビゲーション装置42との間のインタフェース回路であるナビゲーションI/F70、表示部44との間のインタフェース回路である表示I/F72を含む。
制御部50のCPU52は、特定領域に車両が入ることを検出する特定領域検出モジュール74と、特定領域の検出に応じて、駆動源としてエンジン14を利用できる一般走行モードから駆動源として回転電機16を主に用いる特定領域走行モードに切り替える走行モード切替モジュール76と、特定領域の検出に応じて、蓄電装置24の電力消費抑制を行う電力消費抑制モジュール78を含んで構成される。かかる機能はソフトウェアによって実現でき、具体的には、特定領域走行制御プログラムを実行することで実現できる。なお、これらの機能の一部をハードウェアによって実現するものとしてもよい。
かかる構成の作用、特に制御部50におけるCPU52の各機能について、図2、図3、図4を用いて以下に説明する。図2は、特定領域走行に関する手順を説明するフローチャート、図3はアクセル応答に関係して電力消費抑制の様子を説明する図、図4は蓄電装置24の充電状態管理に関係して電力消費抑制の様子を説明する図である。
図2は、車両が特定領域を走行するときの手順を説明するフローチャートで、各手順は、特定領域走行制御プログラムの各処理手順に対応する。車両が特定領域の外側で走行するときは、駆動源12として、エンジン14と回転電機16を車両の走行状況に応じて使い分ける一般走行モードが用いられる(S10)。例えば、低燃費走行を行いたい場合には回転電機16による走行を行い、加速等を十分に行いたいときにはエンジン14の駆動力を用いる等のように、エンジン14と回転電機16の特質を生かして使い分けが行われる。
そして、走行中は、車両が特定領域の外側にいるか、特定領域に進入したかが判断される。すなわち、特定領域検出がされたか否かが判断される(S12)。この工程は、制御部50の特定領域検出モジュール74の機能によって実行される。具体的には、交信アンテナ40によって特定領域情報信号が取得されたか、あるいはカーナビゲーション装置42によって特定領域情報信号が取得されたか等で判断される。なお、無線電力供給システムを用いて車両が外部から電力授受を行うことができる機能を有している場合には、この無線電力供給システムの電力供給無線信号に、特定領域事情信号を載せ、その信号を検出したか否かによって判断するものとしてもよい。
車両が特定領域に進入したことが判断されると、車両の走行モードが一般走行モードから特定領域走行モードに切り替えられる(S14)。この工程は、制御部50の走行モード切替モジュール76の機能によって実行される。具体的には、プラグインハイブリッド車両10において、駆動源としてエンジン14を利用できる一般走行モードから、回転電機16を主に用いる特定領域走行モードに強制的に切替が行われる。回転電機16を主に用いるとは、例えば、エンジン14による緊急充電が必要なときを除いて、回転電機16のみのよって走行することで、予め、その内容を設定しておき、ユーザの誤操作によってエンジン14が不用意に用いることがないようにされる。なお、回転電機16による走行をEV(Electric Vehicle)走行と呼ばれることがあるが、S14は、強制的にEV走行に切り替える手順ということができる。
そして、特定領域走行モジュールに切替が行われると共に、電力消費抑制のための制御が行われる(S16)。この工程は、制御部50の電力消費抑制モジュール78の機能によって実行される。電力消費抑制の制御内容は、予め設定しておくことができる。
電力消費抑制として、アクセル開度に対する要求トルク応答を一般走行モードに比較して抑制するものとできる。その様子を図3に示す。図3は、横軸にアクセル開度をとり、縦軸に要求トルクをとったもので、一般走行モードの場合の応答特性80と、特定領域走行モードの場合の応答特性84が示されている。アクセル開度は、アクセル38のユーザによる踏み込みの強さを示すもので、アクセル開度が大きいほど、ユーザは車両の加速を要求していることになる。一般走行モードの場合の応答特性80は、ある程度アクセル38を踏み込むと、アクセル開度に比例した大きさで要求トルクが換算されて制御部50に伝達される特性を示している。ここで、特定領域走行モードに切り替わると、アクセル38をかなり踏み込まないと要求トルクが出力されず、さらに、アクセル開度に対する要求トルクの増加の傾きが、一般走行モードのときの傾きよりも小さく設定される。図3では、比較のために、一般走行モードのときの傾き特性82が示されている。
このように、特定領域走行モードに切り替わると、アクセル38をかなり踏み込まないと、ユーザの希望する要求トルク指令が出力されない。このようにすることで、アクセル38の操作によって加速を行う場合に回転電機16の出力を増大させるシステムの場合には、アクセル38の操作による回転電機16の出力の増大の応答が遅くなり、かつ応答特性の傾きが小さくなるので、回転電機16による電力消費が抑制される。また、アクセル38の操作によって加速を行う場合にエンジン14を作動させることができるシステムの場合には、アクセル38の操作によるエンジン14の出力の増大の応答が遅くなり、かつ応答特性の傾きが小さくなるので、エンジン14の作動による排気ガスの発生を抑制することができる。
電力消費抑制として、蓄電装置24の充電状態の許容範囲を一般走行モードに比較して低充電側を緩和して放電可能領域を拡大するものとできる。その様子を図4に示す。図4は横軸に時間をとり、縦軸に蓄電装置24の充電状態としてSOC(State Of Charge)をとったものである。SOCのデータは、バッテリI/F60を介して制御部50に伝送される。図4においては、時間がt1までが一般走行モードで車両が走行し、時間t1で、特定領域検出が行われたものとしてある。ここで、一般走行モードの場合のSOCの許容範囲86は、上限がA%、下限がB%と設定されている。一例をあげると、A%を60%、B%を40%等と設定される。これに対し、時間t1において特定領域走行モードに切替が行われるとともに、SOCの許容範囲88は、その下限がC%に引き下げられる。
この方法は直接的に電力消費を抑制するものではないが、低充電側の放電規制が緩和され、これによって蓄電装置24の放電可能領域が拡大され、結果として、蓄電装置24の電力消費に余裕が生じるものである。したがって、蓄電装置24は一般走行モードの場合に比べ、さらに電力消費を継続することができ、車両の回転電機16による走行距離を延ばすことができる。図4ではSOC曲線90の時間経過が示される。このように、一般走行モードの場合のSOCの許容範囲86のままであると時間t2で放電限界に達するものが、特定領域走行モードのSOCの許容範囲88において、SOCの下限を引き下げることで、時間t3まで放電が許容され、その分、走行距離が延びる様子が示される。
ここで、図2に戻り、S18は、SOCが低下して、予め定めたP%未満となったか否かを判断する。これは、SOCの下限を引き下げられると、蓄電装置24の性能維持の面からいえば、それ以上の放電に対しあまり余裕がない状態となるので、C%の手前、つまりC%より高めの値にP%を設定し、ここに達するとユーザに警告するためである。具体的には、SOCが低下してC%に近づき、P%未満となると、適当な警告灯を点灯することが好ましい。ユーザはこの警告灯の点灯によって、特定領域離脱(S20)を行う、あるいは、適当な充電スタンドを、カーナビゲーション装置42等の利用によって早期に探すこと等ができる。
なお、電力消費抑制として、車両に搭載される補機36の稼働条件を一般走行モードに比較して制限し、車両に搭載される補機による電力消費を抑制するものとできる。補機36が車室内の空調を行う空調装置であるときには、例えば、一般走行モードにおける空調温度を、特定領域検出が行われることで自動的に数度高めに設定されるものとできる。
また、電力消費抑制として、特定領域走行中におけるエンジン14の始動回数を計数し、予め定めた閾値回数を超えると、表示部44にその旨の表示をする指示を行うものとできる。例えば、閾値回数を2回と設定し、エンジン14の始動回数が3回となると、注意を点灯し、ユーザに環境保全の規制の限界に近づいていることを知らせることができる。
本発明に係る実施の形態において、特定領域走行対応車両としてのプラグインハイブリッド車両のブロック図である。 本発明に係る実施の形態において、特定領域走行に関する手順を説明するフローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、アクセル応答に関係して電力消費抑制の様子を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、蓄電装置の充電状態管理に関係して電力消費抑制の様子を説明する図である。
符号の説明
6 商用交流電源、8 コンセント、10 プラグインハイブリッド車両、12 駆動源、14 エンジン、16 回転電機、18 切替スイッチ、20 プラグ、22 電源回路、24 蓄電装置、28 電圧変換器、30 インバータ、32 DC/DCコンバータ、34 低電圧電池、36 補機、38 アクセル、40 交信アンテナ、42 カーナビゲーション装置、44 表示部、50 制御部、52 CPU、54 エンジンECU、56 M/G−ECU、58 PCU、60 バッテリI/F、62 補機I/F、64 プラグインI/F、66 アクセルI/F、68 通信制御部、70 ナビゲーションI/F、72 表示I/F、74 特定領域検出モジュール、76 走行モード切替モジュール、78 電力消費抑制モジュール、80,84 応答特性、82 傾き特性、86,88 SOCの許容範囲、90 SOC曲線。

Claims (7)

  1. 環境保全のための規制が行われる特定領域に車両が入ることを検出する特定領域検出手段と、
    特定領域検出手段の検出に応じて、駆動源としてエンジンを利用できる一般走行モードから駆動源として回転電機を主に用いる特定領域走行モードに切り替える走行モード切替手段と、
    特定領域検出手段の検出に応じて、蓄電装置の電力消費抑制を行う抑制手段と、
    を備えることを特徴とする特定領域走行対応型車両。
  2. 請求項1に記載の特定領域走行対応型車両において、
    抑制手段は、アクセル開度に対する要求トルク応答を一般走行モードに比較して抑制する手段であることを特徴とする特定領域走行対応型車両。
  3. 請求項1に記載の特定領域走行対応型車両において、
    抑制手段は、蓄電装置の充電状態の許容範囲を一般走行モードに比較して低充電側を緩和して放電可能領域を拡大することを特徴とする特定領域走行対応型車両。
  4. 請求項1に記載の特定領域走行対応型車両において、
    抑制手段は、車両用補機の稼働条件を一般走行モードに比較して制限して車両用補機による電力消費を抑制することを特徴とする特定領域走行対応型車両。
  5. 請求項1に記載の特定領域走行対応型車両において、
    抑制手段は、エンジンの始動回数を表示してユーザに蓄電装置の電力消費抑制を誘導する表示指示手段であることを特徴とする特定領域走行対応型車両。
  6. 請求項1に記載の特定領域走行対応型車両において、
    特定領域検出手段は、車外からの通知信号を検出する手段、または車両搭載のナビゲーション装置によって特定領域通知信号を検出する手段であることを特徴とする特定領域走行対応型車両。
  7. 請求項1に記載の特定領域走行対応型車両において、
    外部電源と蓄電装置との間で電力授受を行う外部電力授受手段を備えることを特徴とする特定領域走行対応型車両。
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