JP2009285659A - プレス成形方法及びプレス金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】バリ等の形成をさらに低減させて高精度なプレス部品を成形できるプレス成形方法及びプレス金型を提供する。
【解決手段】荒取り工程と半打ち抜き工程と打ち抜き工程とを順次行って、金属板1を打ち抜いて歯車2を成形する。荒取り工程は、金属板1を打ち抜いて、金属板1上の歯車2に成形される部品成形部11を囲む孔12を形成する。半打ち抜き工程は、荒取り工程が施された金属板1を半打ち抜きして、部品成形部11を突出させるとともに、部品成形部11の外縁部と母材との間にこれら部品成形部11と母材の双方よりも板厚の薄い板厚減少部14を該部品成形部11の全周に亘って形成する。打ち抜き工程は、半打ち抜き工程が施された金属板1の部品成形部11と板厚減少部14との間を破断させて、金属板1から部品成形部11を打ち抜く。
【選択図】図9
【解決手段】荒取り工程と半打ち抜き工程と打ち抜き工程とを順次行って、金属板1を打ち抜いて歯車2を成形する。荒取り工程は、金属板1を打ち抜いて、金属板1上の歯車2に成形される部品成形部11を囲む孔12を形成する。半打ち抜き工程は、荒取り工程が施された金属板1を半打ち抜きして、部品成形部11を突出させるとともに、部品成形部11の外縁部と母材との間にこれら部品成形部11と母材の双方よりも板厚の薄い板厚減少部14を該部品成形部11の全周に亘って形成する。打ち抜き工程は、半打ち抜き工程が施された金属板1の部品成形部11と板厚減少部14との間を破断させて、金属板1から部品成形部11を打ち抜く。
【選択図】図9
Description
本発明は、例えば、金属板等の板状部材を打ち抜いてプレス部品を成形するプレス成形方法及びプレス金型に関する。
従来、多種の金属部品が、プレス金型を用いたプレス成形方法によって金属板を打ち抜いて成形されている。プレス金型は、互いに接離自在に設けられた一対の型を備えている。一方の型はパンチを備え、他方の型はパンチの通される孔を有したダイスを備えている。これら一対の型の間に位置付けられた金属板を打ち抜いて、金属部品を成形する。
このようなプレス成形方法においては、金属部品の加工面(金属板から切り離される面)にバリ等が形成されやすく、外見上の問題のみならず、プレス部品の精度が低下する等の問題があった。
このような問題を解決するために、様々なプレス成形方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。特許文献1及び2に記載されたプレス成形方法は、金属板を打ち抜いて金属板上の金属部品に成形される部品成形部を囲む孔を形成する荒取り工程と、荒取り工程が施された金属板から部品成形部を打ち抜く打ち抜き工程とを行っている。このように、部品成形部を囲む孔を形成することで、打ち抜き工程時の金属板の逃げ部が形成されてバリ等の形成を低減させている。
また、特許文献2に記載されたプレス成形方法の従来例として、金属板を半打ち抜きして部品成形部より若干大きな半抜き分を突出させる半打ち抜き工程と、半打ち抜き工程が施された金属板の半抜き分から一定の成形代を残して金属板から部品成形部を打ち抜く打ち抜き工程とを行うプレス成形方法が記載されている。
また、他のプレス成形方法においては、プレス金型のパンチとダイスのクリアランス(隙間)を小さくして、前述した加工面におけるせん断面の比率を多くするとともにバリ等の形成を低減させている。
特開2007−301594号公報
特開昭63−5829号公報
しかしながら、前述した特許文献1及び2に記載されたプレス成形方法やパンチとダイスのクリアランスを小さくするプレス成形方法では、金属部品の形状によっては加工面におけるバリ等の形成を十分に低減できないといった問題があった。
例えば、金属部品が歯車の場合、歯元と歯先とでは打ち抜き時の応力の作用の仕方が異なる。そして、歯元では加工面全体がせん断面となるが、金属板が完全に破断されずにせん断面の一部が引き伸ばされて歯車の外表面側に突出し、バリが形成されてしまう。また、歯先の加工面では2次せん断が起こる。さらに、このように歯元と歯先とで加工面の状態が異なる、即ち歯車の外周面が全周に亘って均一でないので、歯車の精度が大きく低下してしまうといった問題があった。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。本発明の目的は、例えば、バリ等の形成をさらに低減させて高精度なプレス部品を成形できるプレス成形方法及びプレス金型を提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のプレス成形方法は、板状部材を打ち抜いてプレス部品を成形するプレス成形方法であって、前記板状部材を打ち抜いて、前記板状部材上の前記プレス部品に成形される部品成形部を囲む孔を形成する荒取り工程と、前記荒取り工程が施された前記板状部材を半打ち抜きして、前記部品成形部を突出させるとともに、前記部品成形部の外縁部と母材との間にこれら部品成形部と母材の双方よりも板厚の薄い板厚減少部を該部品成形部の全周に亘って形成する半打ち抜き工程と、前記半打ち抜き工程が施された前記板状部材の前記部品成形部と前記板厚減少部との間を破断させて、前記板状部材から前記部品成形部を打ち抜く打ち抜き工程と、を行うことを特徴としている。
請求項4に記載の本発明のプレス金型は、互いに接離自在に設けられた一対の型の間に位置付けられた板状部材を打ち抜いてプレス部品を成形するプレス金型において、前記板状部材を打ち抜いて、前記板状部材上の前記プレス部品に成形される部品成形部を囲む孔を形成する荒取り工程で用いられる第1のプレス金型と、前記荒取り工程が施された前記板状部材を半打ち抜きして、前記部品成形部を突出させるとともに、前記部品成形部の外縁部と母材との間にこれら部品成形部と母材の双方よりも板厚が薄い板厚減少部を該部品成形部の全周に亘って形成する半打ち抜き工程で用いられる第2のプレス金型と、前記半打ち抜き工程が施された前記板状部材の前記部品成形部と前記板厚減少部との間を破断させて、前記板状部材から前記部品成形部を打ち抜く打ち抜き工程で用いられる第3のプレス金型と、を備えるとともに、前記第2のプレス金型のパンチの外径が、前記第3のプレス金型の孔の内径よりも大きいことを特徴としている。
以下、本発明の一実施形態を説明する。本発明の一実施形態にかかるプレス成形方法は、部品成形部を突出させかつ該部品成形部の全周に亘って板厚減少部を形成する半打ち抜き工程と、部品成形部と板厚減少部との間を破断させる打ち抜き工程とを行うので、プレス部品の外周面(加工面)に確実に破断面が形成され、バリの形成をさらに低減させて高精度なプレス部品を成形できる。さらに、プレス部品の外周面全周に亘ってプレス成形条件が等しくなり、半打ち抜き工程で外周面のプレス方向一方側全周に亘ってせん断面が形成され、打ち抜き工程で外周面のプレス方向他方側全周に亘って破断面が形成される。したがって、プレス部品の外周面を全周に亘って均一に形成でき、高精度なプレス部品を成形できる。
また、板厚減少部を破断するので、プレス金型にかける力を小さくしてプレス金型の寿命を長期化できる。また、部品成形部を囲む孔を形成する荒取り工程を行うので、金属板の逃げ部が形成されて以後の工程をより確実に行うことができる。
また、半打ち抜き工程で用いられるプレス金型のパンチの外径が、打ち抜き工程で用いられるプレス金型のパンチの通される孔の内径よりも大きくてもよい。この場合、半打ち抜き工程で部品成形部を打ち抜いてしまうことがなく、板厚減少部を簡単かつ確実に形成できる。
また、プレス部品が歯車とされていてもよい。この場合、歯車の外周面におけるバリの形成をさらに低減でき、また歯車の歯部の歯先と歯元でプレス成形条件が等しくなって歯先と歯元の外周面を全周に亘って均一に形成できるので、高精度な歯車を成形できる。
本発明の一実施形態にかかるプレス金型は、部品成形部を突出させかつ該部品成形部の全周に亘って板厚減少部を形成する半打ち抜き工程で用いられる第2のプレス金型と、部品成形部と板厚減少部との間を破断させる打ち抜き工程で用いられる第3のプレス金型とを備えているので、プレス部品の外周面に確実に破断面が形成され、バリの形成をさらに低減させて高精度なプレス部品を成形できる。さらに、プレス部品の外周面全周に亘ってプレス加工条件が等しくなり、半打ち抜き工程で外周面のプレス方向一方側全周に亘ってせん断面が形成され、打ち抜き工程で外周面のプレス方向他方側全周に亘って破断面が形成される。したがって、プレス部品の外周面を全周に亘って均一に形成でき、高精度なプレス部品を成形できる。
さらに、板厚減少部を破断するので、プレス金型にかける力を小さくしてプレス金型の寿命を長期化できる。また、部品成形部を囲む孔を形成する荒取り工程を行うので、金属板の逃げ部が形成されて以後の工程をより確実に行うことができる。また、第2のプレス金型のパンチの外径が第3のプレス金型の孔の内径よりも大きいので、半打ち抜き工程で部品成形部を打ち抜いてしまうことがなく、板厚減少部を簡単かつ確実に形成できる。
また、第1〜第3のプレス金型の一方の型が一体に形成され、第1〜第3のプレス金型の他方の型が一体に形成されていてもよい。この場合、プレス金型が順送金型となり、プレス部品を効率良く成形して生産効率を格段に向上させることができる。
また、プレス部品が歯車とされていてもよい。この場合、歯車の外周面におけるバリの形成をさらに低減でき、また歯車の歯部の歯先と歯元でプレス成形条件が等しくなって歯先と歯元の外周面を全周に亘って均一に形成できるので、高精度な歯車を成形できる。
本発明の一実施例を、図1ないし図9に基づいて説明する。本発明の一実施例にかかるプレス成形方法は、図1等に示すように、例えば、板状部材としての金属板1を打ち抜いてプレス部品としての歯車(ギア)2を成形するプレス成形方法である。本実施例においては、プレス部品として歯車2を例に挙げて説明するが、プレス部品は歯車2以外のプレス部品であっても勿論よく、本発明のプレス成形方法は他のプレス部品にも適用可能なものである。
金属板1は、例えば、鋼、ステンレス、アルミ、銅、チタンやこれらの合金等の金属材料で構成され、図1等に示すように、長尺な帯板状に形成されている。なお、本明細書においては、金属板1の歯車2に成形される部分(歯車2と同一形状の部分)を部品成形部11としている。
歯車2は、図2に示すように、円盤状の本体部21と、本体部21から該本体部21の外方向に突出した複数の歯部22と、本体部21の中央を貫通した軸孔23とを備えている。本実施例で成形される歯車2は、図3に示すように、プレス方向Pの一方(前方)側の外周面が全周に亘ってせん断面2aとなっており、プレス方向Pの他方(後方)側の外周面が破断面2bとなっている。
プレス装置3は、図4に示すように、装置本体としてのフレーム30と、プレス機4と、プレス金型5と、図示しない供給機構とを備えている。フレーム30は、工場等のフロアに設置される。
プレス機4は、スライド41と、ボルスタ42と、接離機構43とを少なくとも備えている。スライド41は、平板状に形成され、鉛直方向に沿って移動自在にフレーム30に支持されている。スライド41の下面は、水平方向に沿って平坦に形成されている。ボルスタ42は、平板状に形成され、フレーム30に固定されている。ボルスタ42の上面は、水平方向に沿って平坦に形成されている。ボルスタ42は、スライド41の下方に配されている。
接離機構43は、本実施例においては機械式のものであり、クランク機構を用いたものである。なお、接離機構43は、液圧式等の他の機構を用いたものでもよい。接離機構43は、スライド41を鉛直方向、即ちプレス方向P(矢印Pで示す)に沿って移動させる。接離機構43は、スライド41をプレス方向Pに沿って移動させることで、スライド41とボルスタ42とを互いに接離させる(近づけたり遠ざけたりする)。
プレス金型5は、図5に示すように、第1〜第3のプレス金型51〜53を一体に備えている。第1〜第3のプレス金型51〜53は、それぞれ、後述する荒取り工程、半打ち抜き工程、打ち抜き工程で用いられる。
第1のプレス金型51は、図5及び図6に示すように、互いに接離自在に設けられた上型61と下型71とを備えている。上型61は、プレス方向Pに沿って突出した柱状のパンチ61a、61bを備えている。
パンチ61aは、上型61の中央に設けられている。パンチ61aのプレス方向Pに直交する方向の断面形状は、軸孔23と略同一形状の円状に形成されている。パンチ61bは、プレス方向Pに直交する方向の断面形状が2つの開口部を有した円環状に形成され、パンチ61aを内側に位置付けるように設けられている。パンチ61bは、前記開口部がプレス成形する金属板1の幅方向の両端に開口するように形成されている。パンチ61bの内径は、部品成形部11(歯車2)の外径より大きい。
下型71は、ダイス81を備えている。ダイス81は、プレス方向Pに沿って形成された丸孔81aと、孔81bとを備えている。丸孔81aのプレス方向Pに直交する方向の断面形状は、パンチ61aと略同一形状の円状に形成されている。孔81bのプレス方向Pに直交する方向の断面形状は、パンチ61bと略同一形状に形成されている。
前述した第1のプレス金型51は、上型61が下型71に近づくと、パンチ61a、61bがそれぞれダイス81の丸孔81a、孔81b内に通されて金属板1を打ち抜き、図1及び図6に示すように、歯車2の軸孔23、孔12を形成する。
孔12は、図1に示すように、金属板1の幅方向の両端に開口する開口部を有した円環状に形成される。孔12の外縁は円弧状に形成される。孔12の内径は、部品成形部11(歯車2)の外径よりも大きい。孔12は、部品成形部11を囲むように形成される。孔12は、半打ち抜き工程や打ち抜き工程において金属板1の逃げ部となる。孔12は、特許請求の範囲の請求項1に記載された孔に相当する。なお、孔12は、部品成形部11を囲むように設けられていれば、その形状は何ら限定されることはない。また、この孔12以外にも、金属板1を貫通したり切り欠いたりした逃げ部を適宜形成してもよい。
第2のプレス金型52は、図5及び図7に示すように、互いに接離自在に設けられた上型62と下型72とを備えている。上型62は、プレス方向Pに沿って突出した柱状のパンチ62aを備えている。パンチ62aは、上型62の中央に設けられている。パンチ62aのプレス方向Pに直交する方向の断面形状は、部品成形部11(歯車2)よりも大きな歯車状に形成されている。
下型72は、ダイス82を備えている。ダイス82は、プレス方向Pに沿って形成された孔82aを備えている。孔82aのプレス方向Pに直交する方向の断面形状は、パンチ62aよりも小さく部品成形部11と略同一形状の、歯車状に形成されている。孔82aは、パンチ62aと同軸的に配されている。
前述した第2のプレス金型52は、上型62が下型72に近づくと、パンチ62aがダイス82の孔82aを覆うように配されて金属板1に凹部13を形成する。凹部13は、図7に示すように、金属板1のパンチ62a側の外表面から凹に形成される。凹部13は、図1に示すように、部品成形部11(歯車2)よりも大きな歯車状に形成され、部品成形部11と同心的に形成される。凹部13が形成されることで、部品成形部11が孔82a側に突出して半打ち抜きされるとともに、板厚減少部14が形成される。板厚減少部14は、部品成形部11の外縁部と母材との間に、部品成形部11の全周に亘って形成される。板厚減少部14は、部品成形部11と母材の双方よりも板厚が薄い。
第3のプレス金型53は、図5及び図8に示すように、互いに接離自在に設けられた上型63と下型73とを備えている。上型63は、プレス方向Pに沿って突出した柱状のパンチ63aを備えている。パンチ63aのプレス方向Pに直交する方向の断面形状は、部品成形部11(歯車2)と略等しい歯車状に形成されている。
下型73は、ダイス83を備えている。ダイス83は、プレス方向Pに沿って形成された孔83aを備えている。孔83aのプレス方向Pに直交する方向の断面形状は、パンチ63a(即ち、部品成形部11、歯車2)と略同一形状の歯車状に形成されている。即ち、前述した第2のプレス金型52のパンチ62aの外径は、孔83aの内径よりも大きい。
前述した第3のプレス金型53は、上型63が下型73に近づくと、パンチ63aが孔83a内に通されて金属板1から部品成形部11を打ち抜く。
前述した第1〜第3のプレス金型51〜53の上型61〜63は、図5に示すように、金属板1の移動方向Mに沿って該移動方向Mの上流から下流に向かって並んで設けられるとともに、上型6として一体に形成されている。そして、この上型6は、スライド41の下面に固定され、金属板1の移動経路の上方に配されている。なお、上型61〜63は、それぞれ、特許請求の範囲に記載された一方の型に相当する。
また、第1〜第3のプレス金型51〜53の下型71〜73は、金属板1の移動方向Mに沿って該移動方向Mの上流から下流に向かって並んで設けられるとともに、下型7として一体に形成されている。そして、この下型7は、ボルスタ42の上面に固定され、金属板1の移動経路の下方に配されている。なお、下型71〜73は、それぞれ、特許請求の範囲に記載された他方の型に相当する。
前述したプレス金型5は、上型61〜63がそれぞれプレス方向Pに沿って下型71〜73と相対するように、プレス機4に取り付けられる。そして、上型6と下型7の間に金属板1が位置付けられる。接離機構43によってスライド41とボルスタ42とが互いに接離すると、スライド41に固定された上型6とボルスタ42に固定された下型7とを互いに接離させて、上型61〜63と下型71〜73とを同時に接離させる。このように、前述したプレス金型5は、順送金型とされている。
供給機構は、例えば、一対のローラと、ローラを回転駆動する駆動部等を備えている。一対のローラは、回転自在に支持され、互いの間に金属板1を位置付ける。駆動部は、上型6と下型7が離れた際に、ローラを一定角度ずつ断続的に回転させる。供給機構は、駆動部がローラを前述のように回転させることで、金属板1を該金属板1の長手方向に沿って矢印M方向に1ピッチ(一定距離)ずつ断続的に移動させて、該金属板1を上型6と下型7の間に供給する。
前述したプレス装置3の金属板1の移動経路上には、図1及び図5に示すように、第1〜第3のプレス位置P1〜P3が設けられている。第1〜第3のプレス位置P1〜P3では、それぞれ、荒取り工程と、半打ち抜き工程と、打ち抜き工程が行われる。第1〜第3のプレス位置P1〜P3は、金属板1の移動方向Mに沿って、移動方向Mの上流から下流に向かって並んで設けられている。第1〜第3のプレス位置P1〜P3には、それぞれ、第1〜第3のプレス金型51〜53が配されている。そして、スライド41とボルスタ42とが1回接離すると、プレス位置P1〜P3において、荒取り工程と、半打ち抜き工程と、打ち抜き工程とが同時に行われる。
前述した構成のプレス装置3を用いて金属板1を打ち抜いて歯車2を成形する際には、まず、プレス機4を作動させてスライド41とボルスタ42、即ちプレス金型5の上型6と下型7を連続的に接離させる。また、供給機構によって、金属板1を移動方向Mに沿って1ピッチずつ移動させて、該金属板1を上型6と下型7の間に供給していく。
そして、金属板1が第1のプレス位置P1に位置付けられると、図6に示すように、荒取り工程が行われる。スライド41がボルスタ42に近づいていき、第1のプレス金型51のパンチ61a、61bが、それぞれ、ダイス81の丸孔81a、孔81b内に加圧力を持って下降し、金属板1を打ち抜いて該金属板1に軸孔23、孔12を形成する。その後、スライド41がボルスタ42から遠ざかる。
そして、金属板1が1ピッチ移動し、図7に示すように、金属板1の荒取り工程が施された部分が第2のプレス位置P2に位置付けられて、半打ち抜き工程が行われる。スライド41がボルスタ42に近づいていき、第2のプレス金型52のパンチ62aがダイス82の孔82aに向かって加圧力を持って下降して、金属板1に凹部13を形成する。
凹部13が形成されると、金属板1の一部がせん断されて部品成形部11が半打ち抜きされ、部品成形部11の一部が孔82a内に突出する。そして、この部品成形部11の突出した部分の外周面全周に亘ってせん断面(即ち、歯車2のせん断面2a)が形成される。また、凹部13が形成されると、パンチ62aの先端面内縁と孔82aの外縁との間に挟まれた部分が圧縮されて、金属板1に板厚減少部14が形成される。その後、スライド41がボルスタ42から遠ざかる。
そして、金属板1がさらに1ピッチ移動し、図8及び図9に示すように、金属板1の半打ち抜き工程までを完了した部分が第3のプレス位置P3に位置付けられて、打ち抜き工程が行われる。スライド41がボルスタ42に近づいていき、第3のプレス金型53のパンチ63aがダイス83の孔83a内に加圧力を持って下降して部品成形部11と板厚減少部14との間を破断させ、金属板1から部品成形部11を打ち抜く。このとき、板厚減少部14に連なっていた部分の部品成形部11の外周面全周に亘って破断面(即ち、歯車2の破断面2b)が形成される。以上のように、金属板1を打ち抜いて歯車2を成形する。
本実施例によれば、歯車2の外周面に確実に破断面2bが形成され、バリの形成をさらに低減させて高精度な歯車2を成形できる。さらに、歯車2の歯部22の歯先と歯元でプレス成形条件を限りなく等しくできるので、歯車2の外周面を全周に亘って均一に形成でき、高精度な歯車2を成形できる。また、板厚減少部14を破断するので、プレス金型5にかける力を小さくしてプレス金型5の寿命を長期化できる。また、部品成形部11を囲む孔12を形成する荒取り工程を行うので、金属板1の逃げ部が形成されて以後の工程をより確実に行うことができる。
また、半打ち抜き工程で用いられるプレス金型5のパンチ62aの外径が、打ち抜き工程で用いられるプレス金型5のパンチ63aの通される孔83aの内径よりも大きい。したがって、半打ち抜き工程で部品成形部11を打ち抜いてしまうことがなく、板厚減少部14を簡単かつ確実に形成できる。
また、第1〜第3のプレス金型51〜53の上型61〜63が一体に形成され、第1〜第3のプレス金型51〜53の下型71〜73が一体に形成されている。したがって、プレス金型5が順送金型となり、歯車2を効率良く成形して生産効率を格段に向上させることができる。
本実施例においては、第1〜第3のプレス金型51〜53が一体に形成されていたが、歯車2の生産効率が低下するものの、必ずしも一体に形成されていなくてもよい。また、本実施例においては、荒取り工程において歯車2の軸孔23を形成していたが、荒取り工程の前や後でもよい。
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
前述した実施例によれば、以下のプレス成形方法及びプレス金型5が得られる。
(付記1) 金属板1を打ち抜いて歯車2を成形するプレス成形方法であって、
前記金属板1を打ち抜いて、前記金属板1上の前記歯車2に成形される部品成形部11を囲む孔12を形成する荒取り工程と、
前記荒取り工程が施された前記金属板1を半打ち抜きして、前記部品成形部11を突出させるとともに、前記部品成形部11の外縁部と母材との間にこれら部品成形部11と母材の双方よりも板厚の薄い板厚減少部14を該部品成形部11の全周に亘って形成する半打ち抜き工程と、
前記半打ち抜き工程が施された前記金属板1の前記部品成形部11と前記板厚減少部14との間を破断させて、前記金属板1から前記部品成形部11を打ち抜く打ち抜き工程と、を行うことを特徴とするプレス成形方法。
前記金属板1を打ち抜いて、前記金属板1上の前記歯車2に成形される部品成形部11を囲む孔12を形成する荒取り工程と、
前記荒取り工程が施された前記金属板1を半打ち抜きして、前記部品成形部11を突出させるとともに、前記部品成形部11の外縁部と母材との間にこれら部品成形部11と母材の双方よりも板厚の薄い板厚減少部14を該部品成形部11の全周に亘って形成する半打ち抜き工程と、
前記半打ち抜き工程が施された前記金属板1の前記部品成形部11と前記板厚減少部14との間を破断させて、前記金属板1から前記部品成形部11を打ち抜く打ち抜き工程と、を行うことを特徴とするプレス成形方法。
付記1によれば、歯車2の外周面に確実に破断面2bが形成され、バリの形成をさらに低減させて高精度な歯車2を成形できる。さらに、歯車2の歯部22の歯先と歯元でプレス成形条件を限りなく等しくできるので、歯車2の外周面を全周に亘って均一に形成でき、高精度な歯車2を成形できる。また、板厚減少部14を破断するので、プレス金型5にかける力を小さくしてプレス金型5の寿命を長期化できる。また、部品成形部11を囲む孔12を形成する荒取り工程を行うので、金属板1の逃げ部が形成されて以後の工程をより確実に行うことができる。
(付記2) 互いに接離自在に設けられた上型6と下型7の間に位置付けられた金属板1を打ち抜いて歯車2を成形するプレス金型5において、
前記金属板1を打ち抜いて、前記金属板1上の前記歯車2に成形される部品成形部11を囲む孔12を形成する荒取り工程で用いられる第1のプレス金型51と、
前記荒取り工程が施された前記金属板1を半打ち抜きして、前記部品成形部11を突出させるとともに、前記部品成形部11の外縁部と母材との間にこれら部品成形部11と母材の双方よりも板厚が薄い板厚減少部14を該部品成形部11の全周に亘って形成する半打ち抜き工程で用いられる第2のプレス金型52と、
前記半打ち抜き工程が施された前記金属板1の前記部品成形部11と前記板厚減少部14との間を破断させて、前記金属板1から前記部品成形部11を打ち抜く打ち抜き工程で用いられる第3のプレス金型53と、を備えるとともに、
前記第2のプレス金型52のパンチ62aの外径が、前記第3のプレス金型53の孔83aの内径よりも大きいことを特徴とするプレス金型5。
前記金属板1を打ち抜いて、前記金属板1上の前記歯車2に成形される部品成形部11を囲む孔12を形成する荒取り工程で用いられる第1のプレス金型51と、
前記荒取り工程が施された前記金属板1を半打ち抜きして、前記部品成形部11を突出させるとともに、前記部品成形部11の外縁部と母材との間にこれら部品成形部11と母材の双方よりも板厚が薄い板厚減少部14を該部品成形部11の全周に亘って形成する半打ち抜き工程で用いられる第2のプレス金型52と、
前記半打ち抜き工程が施された前記金属板1の前記部品成形部11と前記板厚減少部14との間を破断させて、前記金属板1から前記部品成形部11を打ち抜く打ち抜き工程で用いられる第3のプレス金型53と、を備えるとともに、
前記第2のプレス金型52のパンチ62aの外径が、前記第3のプレス金型53の孔83aの内径よりも大きいことを特徴とするプレス金型5。
付記2によれば、歯車2の外周面に確実に破断面2bが形成され、バリの形成をさらに低減させて高精度な歯車2を成形できる。さらに、歯車2の歯部22の歯先と歯元でプレス成形条件が等しくなるので、歯車2の外周面を全周に亘って均一に形成でき、高精度な歯車2を成形できる。また、板厚減少部14を破断するので、プレス金型5にかける力を小さくしてプレス金型5の寿命を長期化できる。また、部品成形部11を囲む孔12を形成する荒取り工程を行うので、金属板1の逃げ部が形成されて以後の工程をより確実に行うことができる。また、半打ち抜き工程で部品成形部11を打ち抜いてしまうことがなく、板厚減少部14を簡単かつ確実に形成できる。
1 金属板(板状部材)
2 歯車(プレス部品)
11 部品成形部
12 孔
14 板厚減少部
51 第1のプレス金型
52 第2のプレス金型
53 第3のプレス金型
61 上型(第1のプレス金型の一方の型)
62 上型(第2のプレス金型の一方の型)
62a パンチ
63 上型(第3のプレス金型の一方の型)
63a パンチ
71 下型(第1のプレス金型の他方の型)
72 下型(第2のプレス金型の他方の型)
73 下型(第3のプレス金型の他方の型)
83a 孔
2 歯車(プレス部品)
11 部品成形部
12 孔
14 板厚減少部
51 第1のプレス金型
52 第2のプレス金型
53 第3のプレス金型
61 上型(第1のプレス金型の一方の型)
62 上型(第2のプレス金型の一方の型)
62a パンチ
63 上型(第3のプレス金型の一方の型)
63a パンチ
71 下型(第1のプレス金型の他方の型)
72 下型(第2のプレス金型の他方の型)
73 下型(第3のプレス金型の他方の型)
83a 孔
Claims (6)
- 板状部材を打ち抜いてプレス部品を成形するプレス成形方法であって、
前記板状部材を打ち抜いて、前記板状部材上の前記プレス部品に成形される部品成形部を囲む孔を形成する荒取り工程と、
前記荒取り工程が施された前記板状部材を半打ち抜きして、前記部品成形部を突出させるとともに、前記部品成形部の外縁部と母材との間にこれら部品成形部と母材の双方よりも板厚の薄い板厚減少部を該部品成形部の全周に亘って形成する半打ち抜き工程と、
前記半打ち抜き工程が施された前記板状部材の前記部品成形部と前記板厚減少部との間を破断させて、前記板状部材から前記部品成形部を打ち抜く打ち抜き工程と、を行うことを特徴とするプレス成形方法。 - 前記半打ち抜き工程で用いられるプレス金型のパンチの外径が、前記打ち抜き工程で用いられるプレス金型のパンチの通される孔の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のプレス成形方法。
- 前記プレス部品が歯車とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレス成形方法。
- 互いに接離自在に設けられた一対の型の間に位置付けられた板状部材を打ち抜いてプレス部品を成形するプレス金型において、
前記板状部材を打ち抜いて、前記板状部材上の前記プレス部品に成形される部品成形部を囲む孔を形成する荒取り工程で用いられる第1のプレス金型と、
前記荒取り工程が施された前記板状部材を半打ち抜きして、前記部品成形部を突出させるとともに、前記部品成形部の外縁部と母材との間にこれら部品成形部と母材の双方よりも板厚が薄い板厚減少部を該部品成形部の全周に亘って形成する半打ち抜き工程で用いられる第2のプレス金型と、
前記半打ち抜き工程が施された前記板状部材の前記部品成形部と前記板厚減少部との間を破断させて、前記板状部材から前記部品成形部を打ち抜く打ち抜き工程で用いられる第3のプレス金型と、を備えるとともに、
前記第2のプレス金型のパンチの外径が、前記第3のプレス金型の孔の内径よりも大きいことを特徴とするプレス金型。 - 前記第1のプレス金型の一方の型と、前記第2のプレス金型の一方の型と、前記第3のプレス金型の一方の型と、が一体に形成され、かつ、
前記第1のプレス金型の他方の型と、前記第2のプレス金型の他方の型と、前記第3のプレス金型の他方の型と、が一体に形成されたことを特徴とする請求項4に記載のプレス金型。 - 前記プレス部品が歯車とされていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のプレス金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008137830A JP2009285659A (ja) | 2008-05-27 | 2008-05-27 | プレス成形方法及びプレス金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008137830A JP2009285659A (ja) | 2008-05-27 | 2008-05-27 | プレス成形方法及びプレス金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009285659A true JP2009285659A (ja) | 2009-12-10 |
Family
ID=41455404
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008137830A Withdrawn JP2009285659A (ja) | 2008-05-27 | 2008-05-27 | プレス成形方法及びプレス金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009285659A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102601213A (zh) * | 2012-04-18 | 2012-07-25 | 江苏力乐汽车部件股份有限公司 | 多刀切削式的冲齿模 |
CN102632131A (zh) * | 2012-04-17 | 2012-08-15 | 广州市骏佳金属制品有限公司 | 冲小孔印工艺及模具 |
CN112845862A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-05-28 | 江苏沃得家俬有限公司 | 一种用于脚轮支架的冲压模具 |
CN113275444A (zh) * | 2021-05-21 | 2021-08-20 | 成都宏明双新科技股份有限公司 | 一种半剪切成型过程中防产品掉落的模具及其成型方法 |
-
2008
- 2008-05-27 JP JP2008137830A patent/JP2009285659A/ja not_active Withdrawn
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