本発明の実施例のEL表示装置は、各画素にオフセットキャンセル動作に使用する所定電圧を保持するコンデンサ(オフセットキャンセルコンデンサ)を具備する。オフセットキャンセルコンデンサは、画素が選択された時に、画素に印加された映像信号などの所定電圧を保持する。駆動トランジスタ画素が非選択となった後も、オフセットキャンセルコンデンサに保持された所定電圧を用いて、駆動トランジスタにオフセットキャンセル動作を継続される。駆動トランジスタ
従来の画素構成では、画素が選択された時にオフセットキャンセル動作を実施していた。したがって、オフセットキャンセル動作は画素行の選択期間以内に限られるため、十分なオフセットキャンセル動作時間を確保できず、十分にオフセットキャンセルを実現することができなかった。
本実施例によれば、オフセットキャンセル動作を継続させるオフセットキャンセルコンデンサを各画素に有しているため、画素が非選択状態であっても、オフセットキャンセル動作を継続できる。したがって、駆動トランジスタ十分にオフセットキャンセル期間を確保できるので、駆動トランジスタ駆動トランジスタ11aの特性バラツキを補償し、特性表示ムラのない画像表示を実現できる。
本発明の実施例1について説明する。
なお、各図面のおいて説明に必要にない箇所、部分は省略している。したがって、各図面で図示していなくとも、他の図面に図示した事項が適用あるいは組み合わせることができる。また、各図面には拡大あるいは縮小した箇所、部分がある。また、実施例1〜実施例7は相互に組み合わせることができることは言うまでもない。
図1は、実施例1のEL表示装置の画素構成である。また、図3は、画素16がマトリックス状に配置された表示領域31に、ゲートドライバ回路12及びソースドライバIC14が接続された構成図である。
図3に示すように、ゲートドライバ回路12には、クロック信号(CLK)、スタート信号(ST1、ST2)などは、アップダウン信号(UP)が印加される。クロック信号(CLK)は、水平同期信号(HD)に同期している。また、必要に応じて、EL表示装置内に内蔵する発振モジュールでクロック信号(CLK)を発生させる。スタート信号(ST2)を制御することにより、Duty駆動を実現できる。
クロック信号(CLK)、スタート信号(ST1、ST2)、アップダウン信号(UP)などゲートドライバ回路12に印加する信号は、ソースドライバIC14で発生し、アレイ基板に形成したレベルシフタ回路でレベルシフトしてゲートドライバ回路12に印加される。ゲートドライバ回路12で使用するクロック信号などは、ソースドライバIC14から供給する。
レベルシフトする電圧(例えば、VGH、VGL)は、ソースドライバIC14で発生し、各信号(CLK、UD,STなど)ソースドライバIC14内に内蔵されたレベルシフト回路でレベルシフトしてゲートドライバ回路12に印加してもよい。
レベルシフト回路は、ソースドライバIC14から出力されるロジックレベル電圧(例えば、3V)をゲートドライバ回路12で使用する電圧(例えば、VGH、VGL電圧)に変換するものである。レベルシフト回路は、ゲートドライバ回路12内又はゲートドライバ回路12の入力段あるいはソースドライバIC14の出力段に形成又は配置される。
クロック信号(CLK)は、選択する画素行を順次移動させるための信号である。スタートパルス信号(ST)は、選択する画素行を指定するための信号である。スタートパルス信号(ST)はクロック信号(CLK)により、ゲートドライバ回路12のシフトレジスタ回路内を移動する。アップダウン信号(UD)は、画面の上下反転切換信号である。シフトレジスタ回路内のスタートパルス位置にしたがって、ゲート信号線17が選択される(ゲート信号線17にオン電圧(VGL)が印加される)。
本発明の実施例1は、画素16のトランジスタ11をPチャンネルトランジスタで形成し、ゲートドライバ回路12をPチャンネルトランジスタで形成する。画素16のトランジスタ11とゲートドライバ回路12の両方をPチャンネルトランジスタで形成することにより、EL表示パネルの製造コストは低コストにできる。
ソースドライバIC14としては、映像信号を電圧信号として出力するもの、映像信号を電流信号として出力するものが例示される。本明細書では、説明を容易にするため、ソースドライバIC14は、電圧信号を出力するものをして説明をする。また、図2、図111は本実施例のEL表示装置の駆動方法の説明図である。
本実施例の表示パネルは、R(赤)、G(緑)、B(青)色の画素がマトリックス状に配置されている。また、RGBに加えて、W(白)色の画素を配置してもよい。白色発光の画素を形成することにより、表示画像の高い輝度が実現できる。したがって、輝き感のある画像表示実現できる。特にW(白)画素を有するパネル構成は、図84、図99などのduty駆動方式、最大使用階調表示駆動方式と組み合わせることが好ましい。
また、白色の画素を表示領域の全面に形成し、カラーフィルターで、RGB画素をマトリックス状に形成してもよい。
R、G、Bの画素開口率(あるいは画素電極面積)は、異ならせてもよい。開口率を異ならせることにより、各RGBのEL素子15に流れる電流密度を異ならせることができる。電流密度を異ならせることにより、RGBのEL素子15の劣化速度を同一にすることができる。RGBの劣化速度を同一にすれば、長期間、EL表示装置を使用しても、EL表示装置の表示画面のホワイトバランスずれが発生しない。
また、隣接した画素行で、3原色の配置が異なるように配置することが好ましい。例えば、偶数行目が、左からR、G、Bの配置であれば、奇数行目はB、G、Rの配置とする。このように配置することにより、少ない画素数でも、画像の斜め方向の解像度が改善される。また、画素をデルタ配置にしてもよい。 外光又は、EL表示パネルなどから放射される光(EL素子15から出射される光)が、ソースドライバIC(ソースドライバ回路)14に照射されると、ホトコンダクタ現象(ホトコン)により誤動作を引き起こす。この課題に対応するため、ソースドライバICチップの下又は、ソースドライバ回路14の下層に遮光膜を形成する。つまり、ソースドライバICとアレイ基板間に、遮光物を形成または配置する。遮光膜は、パネル基板の表面に金属薄膜、有機材料あるいは無機材料などからなる光吸収膜として形成する。好ましくは、遮光膜は、EL素子15に電流を供給するアノード配線、カソード配線を使用する(ソースドライバICチップ下に形成する)。遮光膜をアノード配線、カソード配線で形成すれば電流(電圧)供給配線と遮光膜とを兼用することができる。したがって、遮光膜形成が容易であり、低コスト化できる。この構成は、ソースドライバ回路14がICチップの場合に限定されるものではない。ソースドライバ回路14が、低温ポリシリコン、高温ポリシリコンもしくは固相成長により形成された半導体膜(CGS)、アモルファスシリコン技術を用いた場合にも適用される。つまり、このソースドライバ回路14の裏面あるいは下層に遮光膜を形成する。
以上のように、本実施例のEL表示装置において、ソースドライバ回路14は、半導体IC(IC chip)であり、前記ソースドライ回路14は、前記表示画面が形成された基板に実装されており、前記ソースドライバ回路の下で、かつ前記基板上に、遮光膜が形成されていることを1つの特徴とするものである。 ソースドライバIC14には、ゲートドライバ回路12で使用する電圧VGH、VGLを発生させるチャージポンプ回路を構成しておくことが好ましい。電圧VGHは、トランジスタ11をオフさせる電圧であり、電圧VGLはトランジスタ11をオンさせる電圧である。但し、このオン/オフ電圧は、トランジスタ11がPチャンネルトランジスタの場合であり、トランジスタ11がNチャンネルの場合は、電圧VGHは、トランジスタ11をオンさせる電圧であり、電圧VGLはトランジスタ11をオフさせる電圧となる。また、VGH、VGLはゲートドライバ回路12の電源電圧である。
図3において、ゲートドライバ回路12aは、VGH1、VGL1電圧を印加し、ゲートドライバ回路12aは、VGH2、VGL2電圧を印加する。スイッチトランジスタ11が、Pチャンネルトランジスタの場合は、VGL1とVGL2を異ならせる。VGH1とVGH2とは、共通の電圧にする(VGH1=VGH2)。スイッチトランジスタ11が、Nチャンネルトランジスタの場合は、VGH1とVGH2を異ならせる。VGL1とVGL2とは、共通の電圧にする(VGL1=VGL2)。
図1の画素構成であれば、スイッチトランジスタ11dのオン電圧(VGL)は、スイッチトランジスタ11cのオン電圧(VGL)よりも高くする。もしくは、スイッチトランジスタ11dのオフ電圧(VGH)−オン電圧(VGL)の電位差は、スイッチトランジスタ11cのオフ電圧(VGH)−オン電圧(VGL)の電位差よりも小さくする。スイッチトランジスタ11dのオン抵抗を比較的高くし、EL素子15の端子間(アノード−カソード)電圧の変化を駆動トランジスタ11aにチャンネル間電圧に影響を与えないようにするためである。また、スイッチトランジスタ11bのオフリーク電流の低減にも効果がある。スイッチトランジスタ11cは、十分にオンさせてオン抵抗を低下させることが望ましい。
例えば、オフ電圧(VGH1=VGH2)=6.0(V)とすれば、スイッチトランジスタ11cのオン電圧(VGL1)=−4.0(V)、スイッチトランジスタ11dのオン電圧(VGL2)=−2.0(V)に設定する。オフ電圧スイッチトランジスタ11cのオフ電圧(VGH1)=6.0(V)、スイッチトランジスタ11dのオフ電圧(VGH2)=5.5(V)とすれば、スイッチトランジスタ11cのオフ電圧(VGH1)−オン電圧(VGL1)=−10.0(V)、スイッチトランジスタ11dのオフ電圧(VGH2)−オン電圧(VGL2)=−8.0(V)に設定する。また、スイッチトランジスタ11cのオフ電圧(VGH1)−オン電圧(VGL1)は、スイッチトランジスタ11dのオフ電圧(VGH2)−オン電圧(VGL2)よりも1V以上4V以下の電位差あるように設定する。以上の事項は本発明の他の実施例においても同様である。
本実施例は、トランジスタ11を基本的にはPチャンネルとして説明するがこれに限定するものではない。例えば、駆動トランジスタ11aをPチャンネルトランジスタとし、他のスイッチトランジスタはNチャンネルトランジスタとしてもよい。スイッチトランジスタ11のオフリーク電流が低減し、良好なコントラストを実現できる。
例えば、図112に図示するように、駆動トランジスタ11aをNチャンネルトランジスタで形成してもよい。また、スイッチトランジスタ11c、スイッチトランジスタ11bをNチャンネルトランジスタで形成してもよい。 また、図1などにおいて、スイッチトランジスタ11b、11f、11cはトランジスタの複数のチャンネルが直列に接続された構成(マルチゲート構造:ディアルゲート、トリプルゲートなど)にすることが好ましい。特に、映像信号電圧Vsigを画素16に印加するスイッチトランジスタ11c、リセット電圧Vrstを印加するスイッチトランジスタ11f、駆動トランジスタ11aのゲート端子と他の端子間を短絡状態にするスイッチトランジスタ11bはマルチゲート構成にすることが好ましい。また、スイッチトランジスタ11b、11f、11cは、Nチャンネルトランジスタで構成することによりオフリーク電流が低減し、好ましい。
ここでduty駆動(黒挿入駆動)について説明を行っておく。
図1などの本発明の実施例において、トランジスタ11e、トランジスタ11dの少なくとも一方をオン/オフ制御することにより、図12(b)に図示するようなduty駆動を実現できる。図12において、121はプログラム画素行(映像信号を書き込んでいる画素行)であり、123は非表示領域(トランジスタ11eとトランジスタ11dのうち、少なくとも一方をオフさせることにより、非表示(EL素子15に電流が流れていない、又は流れても小さい状態)とした画素行又は画素行の群)である。122は表示領域(トランジスタ11eとトランジスタ11dの両方をオンさせ、EL素子15に電流が供給されている画素行又は画素行の群である。非表示領域123及び表示領域122はフレーム周期又は水平同期信号に同期して、表示画面31の上下方向に走査される。
図13(a)の表示では、1つの表示領域122が画面の上から下方向に移動する。フレームレートが低いと、表示領域122が移動するのが視覚的に認識される。特に、まぶたを閉じた時、あるいは顔を上下に移動させた時などに認識されやすくなる。
この課題に対しては、図12(b)(c)に図示するように、表示領域122を複数に分割するとよい。分割された表示領域122は等しく(等分に)する必要はない。例えば、表示領域を4つの領域に分割し、分割された表示領域122aが面積1で、分割された表示領域122bが面積2で、分割された表示領域122cが面積1で、分割された表示領域122dが面積4でもよい。
数フレーム(フィールド)での表示領域122の面積が平均して目標の大きさになるように制御してもよいことは言うまでもない。例えば、表示画面31に占める表示領域122の面積を1/10にするとした時、1フレーム(フィールド)目は表示領域122の面積を1/10とし、2フレーム(フィールド)目は表示領域122の面積を1/20とし、3フレーム(フィールド)目は表示領域122の面積を1/20とし、4フレーム(フィールド)目は表示領域122の面積を1/5とし、以上の4フレーム(フィールド)で所定の表示面積(表示輝度)の1/10を得る駆動方法が例示される。
また、R、G、Bのそれぞれが、数フレーム(フィールド)でLの期間の平均が等しくなるように駆動してもよい。しかし、前記数フレーム(フィールド)は4フレーム(フィールド)以下にすることが好ましい。表示画像によってはフリッカが発生する場合があるからである。
なお、本実施例での1フレームあるいは1フィールドとは、画素16の画像書き換え周期又は表示画面31が上から下まで(下から上まで)走査される周期と同義あるは類似の意味と考えてもよい。
また、R、G、Bで、数フレーム(フィールド)でLの期間の平均を異ならせ、適度なホワイトバランスがとれるように駆動してもよい。この駆動方法は、RGBの発光効率が異なるときに特に有効である。また、RGBで分割数K(表示領域122を複数に分割する数)を異ならせても良い。特にGでは視覚的にめだつため、Gでは分割数をRBに対して多くすることが有効である。
なお、以上の実施例では理解を容易にするために表示領域122の面積を分割するとして説明している。しかし、面積を分割するとは、期間(時間)を分割することである。したがって、図1ではトランジスタ11dのオン期間を分割することになるから、面積を分割することは、期間(時間)を分割することと同義あるいは類似である。
以上のように、表示領域122を複数に分割することにより画面のちらつきは減少する。したがって、フリッカの発生はなく、良好な画像表示を実現できる。なお、分割はもっと細かくしてもよい。しかし、分割するほど動画表示性能は低下する。また、画像表示のフレームレートを低減することができ、低消費電力化を実現できる。例えば、非点灯領域123を一括にした場合は、フレームレート45Hz以下になるとフリッカが発生する。しかし、非点灯領域123を6分割以上とした場合は、20Hz以下までフリッカが発生しない。
図13(a)は図13のように表示領域122が連続している場合の明るさ調整方式である。図13(a1)の表示画面31の表示輝度が最も明るい。図13(a2)の表示画面31の表示輝度が次に明るく、図13(a3)の表示画面31の表示輝度が最も暗い。図13(a1)から図13(a3)への変化(あるいはその逆)は、先にも記載したようにゲートドライバ回路12のシフトレジスタ回路61などの制御により、容易に実現できる。この際、図1のVdd電圧(アノード電圧など)は変化させる必要がない。また、ソースドライバ回路14が出力するプログラム電流あるいはプログラム電圧の大きさも変化させる必要がない。つまり、電源電圧を変化させず、また、映像信号を変化させずに表示画面31の輝度変化を実施できる。
また、図13(a1)から図13(a3)への変化の際、画面のガンマ特性は全く変化しない。したがって、表示画面31の輝度によらず、表示画像のコントラスト、階調特性が維持される。これは本実施例の効果のある特徴である。
従来の画面の輝度調整では、表示画面31の輝度が低い時は、階調性能が低下する。つまり、高輝度表示の時は64階調表示を実現できても、低輝度表示の時は、半分以下の階調数しか表示できない。これに比較して、本実施例の駆動方法では、画面の表示輝度に依存せず、最高の64階調表示を実現できる。
図13(b)は、図12で説明したように表示領域122が分散している場合の明るさ調整方式である。図13(b1)の表示画面31の表示輝度が最も明るい。図13(b2)の表示画面31の表示輝度が次に明るく、図13(b3)の表示画面31の表示輝度が最も暗い。図13(b1)から図13(b3)への変化(あるいはその逆)は、先にも記載したようにゲートドライバ回路12のシフトレジスタ回路61などの制御により、容易に実現できる。図13(b)のように表示領域122を分散させれば、低フレームレートでもフリッカが発生しない。
さらに、低フレームレートでも、フリッカが発生しないようにするには、図13(c)のように表示領域122を細かく分散させればよい。しかし、動画の表示性能は低下する。したがって、動画を表示するには、図13(a)の駆動方法が適している。静止画を表示し、低消費電力化を要望する時は、図13(c)の駆動方法が適している。図13(a)から図13(c)の駆動方法の切り替えも、シフトレジスタ61の制御により容易に実現できる。
図13は非表示領域123が等間隔で構成されているが、これに限定するものではない。表示画面31の1/2の面積が連続して表示領域122とし、残りの面積50が図13(c1)のように等間隔に表示領域122と非表示領域123が繰り返すように駆動してもよいことは言うまでもない。
また、図83に図示した回路構成を用いて、EL表示装置に入力される映像信号を加算あるいは重み付け処理を行うことが好ましい。図83の回路構成を用いることにより、表示画面に流れる電流を求め、又は予測し、前記求めた電流などにより画像画面に黒帯状の非点灯領域を発生させ、この黒帯状の非点灯領域の大きさを変化させる。又は、黒帯状の非点灯領域の幅は一定にし、映像信号の振幅を変化させることにより、表示画面に流れる電流の大きさが一定以上にならないように制御する。また、この制御により、電源回路から表示画面に流れる電流を一定以下となるようにすることができ、EL表示装置の発熱を抑制できる。また、図98、図99に図示して説明を行っているように、電源回路(電源IC)が出力する電圧を可変することにより、EL表示装置の発熱を抑制できる。また、本発明の画素構成を用いることにより、さらに良好な画像表示を実現できることは言うまでもない。
点灯率制御駆動(duty駆動)、ピーク電流抑制駆動、最大表示階調数制御駆動(図12、図13、図84、図98、図99、図130など)により、高画質化、電流抑制を実現できる。なお、各スイッチトランジスタ1の動作に対応させて各ゲート信号線17のオン/オフ電圧を印加する制御タイミングを制御する。ゲートドライバ回路12の制御は図3のように、ソースドライバIC14からの信号をレベルシフト回路32でレベルシフトさせて印加することにより実現する。
本明細書において、点灯率に応じてduty比などを変化させるとして説明する。しかし、点灯率とは、一定の意味ではない。例えば、低点灯率とは、画面31に流れる電流が小さいことを意味しているが、画像を構成する低階調表示の画素が多いことも意味する。つまり、画面31を構成する映像は、暗い画素(低階調の画素)が多い。
したがって、低点灯率とは、画面を構成する映像データのヒストグラム処理をした時、低階調の映像データが多い状態と言い換えることができる。高点灯率とは、画面31に流れる電流が大きいことを意味しているが、画像を構成する高階調表示の画素が多いことも意味する。つまり、画面31を構成する映像は、明るい画素(高階調の画素)が多い。高点灯率とは、画面を構成する映像データのヒストグラム処理をした時、高階調の映像データが多い状態と言い換えることができる。つまり、点灯率に対応して制御するとは、画素の階調分布状態あるいはヒストグラム分布に対応して制御することと同義あるいは類似の状態を意味することがある。
以上のことから、点灯率にもとづいて制御するとは、場合に応じて画像の階調分布状態(低点灯率=低階調表示の画素が多い。高点灯率=高階調表示の画素が多い。)にもとづいて制御すると言い換えることができる。
また、通常表示状態では、duty比1/1で駆動し、所定の高点灯率以上で段階的にあるいはスムーズにduty比を低下させるとは、低階調あるいは高階調の画素数が一定の範囲以内の時に、duty比1/1で駆動し、高階調の画素数が一定の以上数となった時に、段階的にあるいはスムーズにduty比を低下させることと同一あるいは類似の動作もしくは制御である。
duty比制御は、点灯率が1/10以上1/1の範囲で実施する。duty比1/1で、白ラスター表示であれば、点灯率100%である(最大の白ラスター表示時)。黒ラスターであれば、点灯率0%である(完全黒ラスター表示時)。
点灯率とは、パネルのアノード又はカソードに流れる最大電流に対する割合でもある(但し、duty比は1/1とする)。例えば、カソードに流れる最大電流を100mAとすれば、duty比1/1において、30mAの電流が流れていれば点灯率は30/100=30%(0.3)である。
カソードに流れる最大電流を100mAとし、この時、映像データの総和の最大値とすれば、点灯率50%とは、カソード(アノード)に流れる電流は、最大電流の50%である。また、点灯率20%とは、カソードに流れる電流は、最大電流の20%である。今後は、主として点灯率の用語を用いる。 点灯率は、パネルのアノード又はカソードに流れる最大電流に対する割合であるとしたが、パネルの全EL素子に流れる最大電流の割合とも言い換えることができることは言うまでもない。
本明細書では、点灯率と断り無く記載する時は、duty比1/1としている。もし、duty比1/3で、20mAの電流が流れていれば、点灯率は(20mA・3)/100mA=60%(0.6)である。つまり、点灯率が100%でも、duty比が1/2であれば、アノード(カソード)端子に流れる電流は最大の電流値の1/2である。点灯率50%、アノード電流が20mA、duty比1/1であれば、duty比1/2になれば、アノード電流は10mAとなる。アノード電流が100mA、点灯率40%、duty比1/1であれば、アノード電流が200mAに変化したとすると、点灯率は80%に変化したことを意味する。
以上のように、点灯率は、1画面を構成する映像データの大きさに対する割合、EL表示パネルの消費電流(電力)あるいはその割合を示している。
一例として点灯率(点灯率)は、映像データの和から求める(図83)。つまり、映像データから算出する。入力映像信号がY、U、Vの場合は、Y(輝度)信号から求めても良い。しかし、EL表示パネルの場合は、R、G、Bで発光効率が異なるため、Y信号から求めた値が消費電力にならない。したがって、Y、U、V信号の場合も、一度R、G、B信号に変換し、R、G、Bに応じて電流に換算する係数をかけて、消費電流(消費電力)を求めることが好ましい。しかし、簡易的にY信号から消費電流を求めることは回路処理が容易になることも考慮してもよい(図82、図83などを参照のこと)。なお、点灯率は、カソード(アノード)に流れる電流を測定し、測定した電流から求めても良い。
点灯率は、パネルに流れる電流で換算する。なぜなら、EL表示パネルでは青(B)の発光効率が悪いため、Bが多い、海の表示などが表示されると、消費電力が一気に増加するからである。また、データ和とは単純な映像データの加算値ではなく、映像データを消費電流に換算したものとしている。したがって、点灯率も最大電流に対する各画像の使用電流から求められたものである。また、データ和は加算して求めることだけを意味するものではない。入力される映像データをRGBで重み付けし、加算する方式が例示される。また、画像の特徴を示すデータ抽出して、抽出したデータを処理して求めても良い。また、入力された映像データをヒストグラム処理を行い、ヒストグラム処理の特定範囲(たとえば、平均値を中心として1σの範囲)のデータを抽出してデータ和を求めても良い。つまり、データ和は処理を行ったデータの集合あるいは処理を行った結果である。
また、入力される映像データは、EL表示装置に入力される映像データを意味するが、EL表示装置の画素に入力される映像データを意味することもある。つまり、ソースドライバIC14から出力された映像データである。
点灯率にあわせてEL表示装置で表示する階調数を変化させることが好ましい。例えば、点灯率が50%以上では、フル階調の1/2の範囲(1024階調の場合は、512階調)で、画像を表示し、50%以下では、フル階調の範囲で画像を表示する。この実施例は、図98、図99、図130などを用いて説明を行っている。
なお、点灯率とは、duty駆動などピーク電流を抑制しないノーマルの駆動方式において、最大階調での白ラスター表示を100%とした割合である。したがって、黒ラスター表示では点灯率は0%である。
図83は本実施例の駆動回路のブロック図である。以下、本実施例の駆動回路について説明をする。図83では、外部からY/UV映像信号と、コンポジット(COMP)映像信号が入力できるように構成されている。どちらに映像信号を入力するかは、スイッチ回路831により選択される。
スイッチ回路831で選択された映像信号は、デコーダ及びA/D回路によりデコード及びAD変換され、デジタルのRGB画像データに変換される。RGB画像データは各8ビットである。また、RGB画像データはガンマ回路834でガンマ処理される。同時に輝度(Y)信号が求められる。ガンマ処理により、RGB画像データは各10ビットの画像データに変換される。
ガンマ処理後、画像データはFRC処理又は誤差拡散処理が処理回路835で行われる。FRC処理又は誤差拡散処理によりRGB画像データは6ビットに変換される。この画像データはAI処理回路836でAI処理(最適化画像表示処理)データ、duty駆動のための点灯率演算、最大表示階調数演算などが実施される。また、動画検出回路837で動画検出が行われる。動画検出処理の結果に基づいて、図13などで説明した、表示領域122、非表示領域123の分割駆動が実施される。また、カラーマネージメント回路838でカラーマネージメント処理が行われる。
AI処理回路836、動画検出回路837、カラーマネージメント回路838の処理結果は演算回路839に送られ、演算処理回路839でduty比制御、基準電流制御データに変換され、変換された結果が、ソースドライバ回路14及びゲートドライバ回路12に制御データとして送出される。
duty比制御データはゲートドライバ回路12bに送られ、duty比制御が実施される。使用階調制御データはソースドライバIC14に送られ、使用階調数制御が実施される。一方、基準電流制御データはソースドライバ回路14に送られ、基準電流制御が実施される。ガンマ補正され、フレームレートコントロール(FRC)又は誤差拡散処理された画像データもソースドライバ回路14に送られる。
EL表示パネルは、黒表示は、EL素子15に流れる電流が0の状態である。したがって、本実施例のduty比駆動のように画面31に非表示領域123を発生させても、黒表示の輝度は0である。非表示領域123の面積を大きくすると白表示輝度は低下する。しかし、黒表示の輝度が0であるから、コントラストは無限大である。したがって、duty比駆動は、EL表示パネルに最適な駆動方法である。以上のことは、基準電流制御においても同様である。基準電流の大きさを変化させても、黒表示の輝度は0である。基準電流を大きくすると白表示輝度は増加する。したがって、基準電流制御においても良好な画像表示を実現できる。
duty比制御は、全階調範囲で階調数が保持される。また、全階調範囲でホワイトバランスが維持される。また、duty比制御により画面31の輝度変化は10倍近く変化させることができる。
表示画面の輝度はduty比あるいはduty比の逆数と線形の関係になるから、表示画面の明るさ制御も容易である。
基準電流制御は、画面輝度31を高くするときに、基準電流量を大きくするものである。したがって、画面31が高いときにしか、EL素子15に流れる電流は大きくならない。そのため、EL素子15が劣化しにくい。
本実施例では、基準電流制御とduty比制御の両方を用いる。画面31が白ラスター表示に近い時には、基準電流は一定値に固定し、duty比のみを制御して表示輝度などを変化させる。画面31に黒ラスター表示に近い時は、duty比は一定値に固定し、基準電流のみを制御させて表示輝度などを変化させる。
なお、duty比の最大はduty比1/1とし、最小はduty比1/16以内にすることが好ましい。さらに好ましくは、duty比1/10以内にするとよい。フリッカの発生を抑制できるからである。基準電流の変化範囲は、4倍以内にすることが好ましい。さらに好ましくは2.5倍以内にする。
なお、データ和は消費電流で算定するか、輝度で算定するかはどちらでもよい。ここでは説明を容易にするため、輝度(画像データ)の加算であるとして説明をする。一般的に輝度(画像データ)の加算の方式が処理は容易であり、コントローラICのハード規模も小さくできる。また、duty比制御によるフリッカの発生もなく、ダイナミックレンジを広く取れることから好ましい。
以上の事項は、図78、図79、図84、図98、図99、図101、図111、図112、図130などの実施例にも適用できることは言うまでもない。また、前記実施例と組み合わせて実施できることも言うまでもない。
図1において、画素16は、2つのコンデンサ19a、19bと5つのスイッチトランジスタ(11b、11c、11d、11e、11f)と1つの駆動トランジスタ11aで構成される。トランジスタ11bは、トランジスタ11aをダイオード接続(Diode-connected)させて、しきい値(閾値)電圧を補償するためのしきい値電圧補償用のスイッチトランジスタである。トランジスタ11fは、保持用コンデンサ19aを初期化させるために、リセット電圧Vrstを印加するための初期化用のスイッチトランジスタである。トランジスタ11dは、EL素子15の発光を制御するためのトランジスタである。
スイッチトランジスタ11b、11fはオフリークと小さくする必要があるため、ディアルゲート以上の複数ゲート構成(マルチゲート構造)にする。但し、スイッチトランジスタ11b、11fのオフ特性が十分である場合は、シングルゲート構成であってもよい。また、スイッチトランジスタ11cもマルチゲート構造を採用することが好ましい。
コンデンサ19aは、駆動トランジスタ11aのゲート端子の電位を保持する保持用のコンデンサ(以後、保持用コンデンサ19aと呼ぶ)である。基本的には、駆動トランジスタ11aの特性バラツキをオフセットキャンセルした電圧が保持される。
スイッチトランジスタ11cのゲート端子は、ゲート信号線17aに接続される。スイッチトランジスタ11cのソース端子は、ソース信号線18に接続される。スイッチトランジスタ11cは、ゲートドライバ回路12aからの選択信号によりオン/オフ制御される。
駆動トランジスタ11aのソース端子は、スイッチトランジスタ11cのドレイン端子と接続される。しきい値電圧補償用のスイッチトランジスタ11bのソース端子又はドレイン端子と、保持用コンデンサ19aの第1の端子が接続される。駆動トランジスタしきい値電圧補償用のスイッチトランジスタ11bがオン(クローズ)することにより、駆動トランジスタ11aのゲート端子には、オフセットキャンセル電圧が保持される。
しきい値電圧補償用のスイッチトランジスタ11bは、前記駆動トランジスタ11aのゲート端子とドレイン端子との間に接続され、ゲート信号線17cに印加されるスキャン信号に応答して駆動トランジスタ11aのゲート端子とドレイン端子間を短絡し、駆動トランジスタ11aをダイオード接続状態にする。したがって、前記スキャン信号によって駆動トランジスタ11aは、ダイオードのような状態になり、駆動トランジスタ11aのゲート端子に電圧Vsig−Vth[V]が印加され、この電圧が、前記駆動トランジスタ11aのゲート電圧となる。
なお、電圧Vsigは、ソースドライバIC14がソース信号線18に出力した映像信号である。また、Vthでは、駆動トランジスタ11aにしきい値電圧である。また、Vthは駆動トランジスタ11aのオフセットキャンセル電圧である。Vthは、駆動トランジスタ11aの特性によって、個々にバラツキがある。
初期化用のスイッチトランジスタ11fは、リセット電圧ラインVrstと保持用コンデンサ19aの第1の端子との間に接続され、ゲート信号線17dのスキャン信号に応答して、リセット電圧Vrstが、駆動トランジスタ11aのゲート端子および保持用コンデンサ11aに印加される。したがって、保持用コンデンサ19aに充填された電荷は放電さえる。また、駆動トランジスタ11aのゲート端子に所定電圧(初期化電圧Vrst)が印加される。
なお、図1などの本実施例の画素構成では、駆動トランジスタ11aのゲート端子に直流的にVrst電圧、Vsig電圧を印加するように図示している。しかし、本実施例はこれに限定するものではなく、交流的にVrst電圧、Vsig電圧を印加してもよい。具体的には、駆動トランジスタ11aのゲート端子にコンデンサを配置し、直流成分を遮断して、Vrst電圧、Vsig電圧を、駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加する構成を採用してもよい。
また、図1などの本発明の実施例において、オフセットキャンセルコンデンサ11bの一方の端子をアノード電圧Vddに接続するとしたが、これに限定するものではなく、所定の一定電圧に保持されるように構成すればよいことは言うまでもない。一定電圧とは、VGH電圧、VGL電圧などが例示される。したがって、スイッチトランジスタ11eの一方の端子をVdd電圧に接続(図1の接続と同一)し、オフセットキャンセルコンデンサ11bの一方の端子をVGH電圧などに接続してもよい(Vdd電圧からVGH電圧に変更)。
スイッチトランジスタ11eは、アノード電圧Vdd配線またはVdd電極と駆動トランジスタ11aのソース端子との間に接続される。スイッチトランジスタは、スイッチトランジスタのゲート端子に接続されたゲート信号線17bに印加されたオンオフ電圧により制御される。スイッチトランジスタ11eは、EL素子15を発光させる時は、オンとなり、アノード電圧Vddを前記駆動トランジスタ11aのソース端子に印加する。
スイッチトランジスタ11dは、駆動トランジスタ11aのドレイン端子とEL素子15のアノード端子間に接続(配置)され、スイッチトランジスタ11dのゲート端子に接続されたゲート信号線17bに印加されたオンオフ信号(発光制御信号)により制御される。スイッチトランジスタ11dは、発光制御信号に応答して前記駆動トランジスタ11aで生成される前記駆動電流を前記EL素子15に伝達する。つまり、スイッチトランジスタ11dは、EL素子15に流れる電流経路の電流をオンオフ制御する。
保持用コンデンサ19aは、アノード電圧Vdd配線(電極)と駆動トランジスタ11aのゲート端子との間に接続され、アノード電圧Vddと前記駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加される電圧Vsig−Vth[V]に該当する電荷を1フレームの間は保持する。
なお、ゲート信号線17に印加される電圧は、オフ電圧(VGH)とオン電圧(VGL)であり、VGH電圧の印加により、スイッチトランジスタ11(11b、11c、11d、11e、11f)がオフし、VGL電圧の印加により、スイッチトランジスタ11(11b、11c、11d、11e、11f)がオンする。但し、スイッチトランジスタが、Pチャンネルトランジスタの場合である。
図3に図示するように、VGL電圧は、ゲートドライバ回路12aでは、VGL1とし、ゲートドライバ回路12bでは、VGL2としている。つまり、ゲートドライバ回路12aと12bでは、オン電圧を異ならせている。
したがって、ゲート信号線17a、ゲート信号線17cに印加されるオン電圧はVGL1であり、ゲート信号線17b、ゲート信号線17dに印加されるオン電圧はVGL2である。また、|VGL1|>|VGL2|なる関係となるように設定されている。なお、ゲート信号線17aに印加されるVGHとゲート信号線17dに印加されるVGHとは一致させてもよい。つまり、ゲートドライバ回路12aのオフ電圧VGH1とゲートドライバ回路12bのVGH2は同一にしてもよい。
なお、本発明の実施例において、駆動トランジスタ11aはPチャンネルトランジスタたがこれに限定するものでなく、Nチャンネルトランジスタであってもよい。この場合は、オン電圧がVGHとなり、オフ電圧がVGLとなる。
また、駆動トランジスタ11aのソース端子はアノード電圧Vddと接続されているとして説明するが、これに限定するものではない。例えば、カソード電圧Vssあるいはグランド電圧GNDに接続されていてもよい。また、コンデンサ18は、トランジスタ11のゲート絶縁膜容量によるコンデンサで代用してもよい。
ゲートドライバ回路12aには、ゲート信号線17aを選択するスタートパルスST1、ゲート信号線17cを選択するスタートパルスST2、スタートパルスを順次シフトするクロック信号(CLK)が印加される。UDは、ゲートドライバ回路12a内のスタートパルスの上下シフトレジスタ方向を切り替える信号である。
ゲートドライバ回路12bには、ゲート信号線17bを選択するスタートパルスST3、ゲート信号線17dを選択するスタートパルスST4、スタートパルスを順次シフトするクロック信号(CLK)が印加される。
なお、必要に応じて、ゲートドライバ回路12には、イネーブル制御端子を付加することが好ましい。ゲートドライバ回路12内には、シフトレジスタ回路が形成されており、スタートパルスをクロック信号(CLK)に同期して順次シフトさせ、選択するゲート信号線17位置を変化させる。
図2は、ゲート信号線17a、17b、17c、17dに印加される駆動電圧、ソース信号線18の映像信号電圧、EL素子15の発光状態を示す。
また、図2は、各動作でのスイッチトランジスタの動作状態(オン/オフ状態)、電流あるいは電圧の印加状態を示す。
なお、図2では、説明を容易にするため、オフ電圧をVGHとし、オン電圧をVGLとする。また、ソース信号線18に印加される電圧Vsigの範囲は、グランド電圧(GND)=0Vとし、アノード電圧Vdd以下としている。具体的には、映像信号電圧Vsigは、0.2V〜5.0Vの範囲である。
なお、1Hとは1水平走査期間である。また、図2は模式的なものであり、1Hを数Hと置き換えてもよく、1Hは1Hより短い期間と置き換えてもよい。
図111は図1の画素の動作を説明するための説明図である。図111において、説明を容易にするため各スイッチトランジスタはスイッチとして図示している。
VGH電圧は、アノードVdd電圧よりも0.5V以上3.0V以下の高い電圧に設定される。例えば、アノード電圧Vddが5Vであれば、VGH電圧は、5.5V以上8V以下の電圧値に設定される。
画素16には、1tからatの期間に、ゲート信号線17dにオン電圧が印加される。図111(a)が対応する。オン電圧(VGL)の印加により、トランジスタ11fがオンし、リセット電圧Vrstが駆動トランジスタ11aのゲート端子にリセット電圧Vrstが印加される(a点)。
リセット電圧Vrstの印加により、駆動トランジスタ11aは、リセット状態になる。リセット状態とは、駆動トランジスタ11aを初期化された状態、駆動トランジスタ11aのゲート端子に所定電圧(初期化電圧)が印加された状態、駆動トランジスタ11aが所定状態にされた状態などである。
なお、リセット電圧Vrstは、GND電圧以下−5(V)以上の電圧に設定すべきである。例えば、リセット電圧Vrstは、−2.5Vに設定する。リセット電圧Vrstは、VGL1電圧以上で、GND電圧以下の値に設定することが好ましい。さらに好ましくは、映像信号電圧Vsigの最低電圧−1.0V以下、スイッチトランジスタ11cのオン電圧(VGL)+1.0以上の値に設定することが好ましい。
また、リセット電圧Vrstは、映像信号電圧Vsigに対応して変化させてもよい。例えば、映像信号の階調番号に対応させてリセット電圧Vrstを変化させる。また、リセット電圧Vrstは、赤(R)、緑(G)、青(B)の映像信号電圧で変化させてもよい。RGBで映像信号の振幅が異なるからである。この場合は、階調番号に対応せず、各RGBで固定のリセット電圧Vrstを設定してもよい。また、リセット電圧Vrstは、表示画面で消費される電流に対応させて変化させてもよい。表示する画像の輝度に対応させて、リセット電圧Vrstを変化させてもよい。
ゲート信号線17cは、リセット電圧Vrstの印加後(at)、オン電圧が印加される。オン電圧(VGL)を印加する期間は、1H以上としているが、これに限定するものではなく、1H以下の期間であってもよい。少なくともゲート信号線17cにオン電圧(VGL)を印加する期間は、ゲート信号線17aにオン電圧(VGL)を印加する期間よりも長くする。または、オーバーラップさせる。なお、リセット電圧Vrstの印加時間は、2μsec以上の時間を確保することが好ましい。
ゲート信号線17aオン電圧(VGL)を印加することにより、スイッチトランジスタ11cがオンし、ソース信号線18に印加したVsigがオフセットキャンセル用コンデンサ19a印加される。a点に印加されて映像信号Vsigは、スイッチトランジスタ11bがオンしている期間保持される。
なお、図2に図示するゲート信号線17aの斜線部は、オン電圧(VGL)を印加してもオフ電圧(VGH)を印加してもよい。
スイッチトランジスタ11cがオンすることにより、映像信号電圧Vsigがオフセットキャンセルコンデンサ11bに印加され、オフセットキャンセルコンデンサ11bに映像信号電圧Vsigが充電される。
ゲート信号線17aにオン電圧(VGL)が印加されることにより、映像信号電圧Vsigを画素に印加するスイッチトランジスタ11cがオンする(図2の1t〜2tあるいは、at〜2t)。この状態を図111(b)に図示する。図111(b)では、スイッチトランジスタ11d、11e、11fはオフ状態(オープン状態)である。また、スイッチトランジスタ11c、11bはオン状態(クローズ状態)である。
スイッチトランジスタ11bがオンすることにより、ソース信号線18から、駆動トランジスタ11a及びトランジスタ11bのチャンネル間に電流経路が発生し、オフセットキャンセル電流Ic1が流れる。
電流Ic1は最初、比較的大きな電流が流れ、オフセットキャンセル動作が終局に近づくにしたがって、小さくなる。基本的には、オフセットキャンセルが完了するとIc1=0となる。オフセットキャンセルが動作により、キャンセル電圧がコンデンサ11aに保持される。
映像信号電圧Vsigの印加により、駆動トランジスタ11aは、映像信号電圧Vsigが印加された状態で、駆動トランジスタ11aのチャンネルに電流が流れないように、ゲート端子であるb点の電位を変化させる(オフセットキャンセル動作)。変化後の電圧が、保持用コンデンサ19aに保持される。この動作により、駆動トランジスタ11aは、オフセットキャンセル状態に近い状態までオフセットキャンセルされる。オフセットキャンセル用コンデンサ19bには、映像信号電圧Vsigが充電される。
図2の1t〜2t期間で完全なオフセットキャンセルが実施できることが理想である。しかし、高精細の表示パネルでは、1画素行を選択する時間が短く、十分なオフセットキャンセル動作を実現できない。オフセットキャンセルが十分でないと、駆動トランジスタ11aの特性バラツキが残り、階調表示により画面31に輝度ムラが発生する。
本実施例はこの課題を解決することを1つの目的としている。
図2の2t〜3tは、オフセットキャンセル動作の継続期間である。図2では、2t〜3tの期間が対応する。また、図111(c)が対応する。
図111(c)では、スイッチトランジスタ11e、11d、11f、11cがオフ状態(オープン状態)であり、スイッチトランジスタ11bがオン状態(クローズ状態)である。この場合は、オフセットキャンセル電流Ic2が流れる。オフセットキャンセル電流Ic2は、オフセットキャンセルの終局状態での電流であるから非常に小さい。したがって、オフセットキャンセルコンデンサ19bの容量は小さくても良い。
なお、図2の実施例では、オフセットキャンセル動作を継続する期間を2t〜3t期間としているが、本実施例はこれに限定するものではない。オフセットキャンセルを継続する期間は、それぞれのパネルに対応させて可変あるいは設定する。本実施例は、オフセットキャンセル期間を少なくとも1H(1画素行選択期間)以上の期間を行うものである。オフセットキャンセル期間は、20μ秒以上設定することが好ましい。
図2において、1t〜2tの期間に映像信号電圧Vsigが画素16に保持される。それ以降の期間は、スイッチトランジスタ11cがオフ状態であるため、ソース信号線18に印加された映像信号電圧Vsigが変化しても、該当画素16に映像信号電圧Vsigが書き込まれることはない。
以上のオフセットキャンセルの動作後、ゲート信号線17bにオン電圧が印加され、スイッチトランジスタ11eがオンし、アノードVdd電圧が駆動トランジスタ11aのソース端子に供給される(図111(d)の状態)。また、スイッチトランジスタ11dがオンし、駆動トランジスタ11aからEL素子15の駆動用電流がEL素子15に供給される。EL素子15は、印加された電流により発光する。
図2では、期間3t〜4tの期間にゲート信号線17bにオン電圧(VGL)を印加して、スイッチトランジスタ11bをオンさせてEL素子15に発光電流を供給する。また、期間4t〜5tでは、ゲート信号線17bにオフ電圧(VGH)を印加し、スイッチトランジスタ11dをオフし、EL素子15を非発光状態にする。このようにゲート信号線17bにオン/オフ電圧を印加し、流れる電流を制御することにより、図78、図79、図84の駆動方法を実現する。
以上のようにゲート信号線17bには、オン電圧又はオフ電圧が印加され、オン/オフ電圧に同期してEL素子15に電流が供給される。このオン/オフ電圧の印加状態に同期してEL素子は発光又は消灯する。
EL素子15が発光又は消灯している動作時(電圧プログラム時以外の期間、3t〜の期間)では、トランジスタ11bはオープン状態である。この時、トランジスタ11aのソース端子は、EL素子15が発光しているときは、アノード電圧Vdd(トランジスタ11eのチャンネル電圧降下は無視する)が印加されている。EL素子15が消灯時は、トランジスタ11e及びトランジスタ11dをオープン状態にされる。このEL素子15が消灯時は、駆動トランジスタ11aのソース端子は、オフセットキャンセル用コンデンサ19aにより、アノード電位Vddに保持されている。したがって、トランジスタ11aの電位安定度がよい。もちろん、EL素子15の点灯及び消灯は、トランジスタ11dをduty制御(トランジスタ11dなどをオン/オフさせて、表示画面31に帯状の非表示領域を発生し、非表示領域を表示画面31の上下方向に、フレーム周期あるいはフィールド周期に同期して画像表示させる)してもよい。
図89は、図111(b)(c)の状態を更に詳しく記載したものである。図111(b)は、図89(a)が対応し、図111(c)は、図89(b)が対応する。
図89(a)では出力アンプ891から出力された映像信号電圧Vsigがスイッチトランジスタ11cを介してオフセットキャンセルコンデンサ19bに一方の端子に印加され、同時に、駆動トランジスタ11aのチャンネルにオフセットキャンセル電流Ic1が流れる。
画素16の選択期間の経過後、図89(b)の状態となり、スイッチトランジスタ11cがオープン状態となる。図89(b)の状態では、オフセットキャンセルコンデンサ19bに保持された映像信号電圧Vsigが電流の供給元となり、継続してオフセットキャンセル電流Ic2が流れる。図89(b)でオフセットキャンセル電流Ic2がほぼ0となり、オフセットキャンセル動作が完了する。したがって、理想的なオフセットキャンセル動作を実現できる。
出力アンプ891の駆動能力(電流出力能力)は、複数の段階で変更できるように構成する。出力アンプ891はソースドライバIC14の出力段に形成される。出力アンプ891の駆動能力は、コマンドで変更できるように構成される。
図88は、駆動トランジスタ11aのチャンネルに流れる電流(チャンネル電流Icと呼ぶ)を図示したものである。図88では、理想的にオフセットキャンセルされた状態での駆動トランジスタ11aのゲート端子電圧をVcとしている。不十分なオフセットキャンセル電圧はVbとし、オフセットキャンセル動作の開始電圧は、リセット電圧Vrstとしている。図88に図示するように、at〜2tの期間において、最初は大きなキャンセル電流Ic1(開始電流はIaとしている)が流れ、キャンセル電流Ic1は急激に現状する。2tでは、キャンセル電流Ic1=Ibとしている。このIbの時はまだ、電流が流れる状態あるから、オフセットキャンセルは不十分な状態である。
その後(2t〜3t:図89(b))も、オフセットキャンセル状態は継続し、オフセットキャンセル電流Ic2は減少し、t3でオフセットキャンセル電流Ic2は0状態となる。
ここで、保持用コンデンサ19aの容量をCs(pF)とし、オフセットキャンセルコンデンサ19bの容量をCo(pF)とすると、図85の関係がある。
図85において、横軸は、オフセットキャンセルコンデンサ19bの容量Co(pF)と保持用コンデンサ19aの容量Cs(pF)との比率(Co/Cs)を示している。縦軸は、理想的なオフセットキャンセル状態からのずれを示している。ずれとは、理想的な駆動トランジスタ19aのゲート端子電圧に対する電圧差を比率で示したものである。例えば、完全にオフセットキャンセル状態に到達した駆動トランジスタ11aのゲート端子電圧を1.0Vとしたとき、誤差(乖離量)10%とは、1.0(V)・(1−0.1)=0.9(V)である。誤差2%とは、1.0(V)・(1−0.02)=0.98(V)である。Co/Csが0.5より小さい範囲では、目標値からの誤差が2%以上と大きい。そのため、オフセットキャンセル状態は悪い。また、Co/Csの値が小さくなるほど、急激に目標値からの誤差が大きくなる。
Co/Csが0.5以上の範囲では、目標値からの誤差が2%以下と小さい。また、Coの値を大きくしても、目標値からのずれ量の低減割合は小さい。Coの値を大きくすることはオフセットキャンセルコンデンサの容量を大きくする必要がある。コンデンサの容量を大きくするとは、画素の構成上、困難である場合が多い(高精細パネルでは画素には大きなコンデンサは形成できない)。一方で、保持用コンデンサ19aは少なくとも1フレーム期間(又は1フィールド期間、なお、本明細書では1フレーム期間と1フィールド期間とは同義として取り扱う)の間、電荷を保持しておく必要がある。そのため、比較的大きな容量でかつ一定以上の容量が必要である。
以上ことから、Co/Csは、0.25以上となるようにする。つまり、Co:Cs=1:4以上となるように、Co容量を形成する。また、Csのサイズ又はCoに対するCsの比率の観点から、Co/Cs=1.0以下とすることが好ましい。つまり、Co:Cs=1:1以下となるように、Co容量を形成する。
図10は、図1の変形例である。オフセットキャンセル用コンデンサ19aの一端子は、ゲート信号線17aに接続されている。ゲート信号線17aには、オン電圧(VGL)又はオフ電圧(VGH)が印加されるが、映像信号電圧を画素16に書き込んだ後(電圧プログラム時以降)以外の期間は、オフ電圧(VGH)が印加されている。したがって、オフセットキャンセル用コンデンサ19aは一定の電荷を保持して安定である。他の構成は図1で説明したのと同様であるので説明を省略する。
なお、図10において、オフセットキャンセル用コンデンサ19aの一端子は、ゲート信号線17bと接続するとしたが、これに限定するものではない。例えば、図11に図示するように、ゲート信号線17dと接続してもよい。図11の構成では、ゲート信号線17dには、リセット電圧Vrstを印加するときだけ、オン電圧(VGL)が印加される。しかし、他の期間には、オフ電圧(VGH)が印加される。オフ電圧(VGH)が印加される。したがって、オフセットキャンセル用コンデンサ19aは一定の電荷を保持して安定状態を維持される。
図11は、図1の変形例である。オフセットキャンセル用コンデンサ19aの一端子は、ゲート信号線17bに接続されている。ゲート信号線17bには、オン電圧(VGL)又はオフ電圧(VGH)が印加される。しかし、映像信号電圧を画素16に書込み時(電圧プログラム時)の期間は、オフ電圧(VGH)が印加される。したがって、オフセットキャンセル用コンデンサ19aは一定の電荷を保持して安定状態を維持されている。
EL表示装置のゲートドライバ回路12について説明する。
図3に示すように、表示画面31の左端にゲートドライバ回路12aを設け、右端にゲートドライバ回路12bを設けている。なお、ゲートドライバ回路12は、表示パネルの空き領域に形成すればよい。
ゲートドライバ回路12aは、ゲート信号線17aを制御し、ゲートドライバ回路12bはゲート信号線17bを制御する。ゲートドライバ回路12a、12bには、ゲート信号線17のオン電圧(VGL)と、ゲート信号線17のオフ電圧(VGH)が供給されている。オフ電圧(VGH)は、アノード電圧Vdd以上又は近傍の電圧である。オン電圧(VGL)は、カソード電圧Vss又はグランド電圧(GND)近傍の電圧である。なお、近傍の電圧とは、3Vの範囲の電圧である。
本実施例では、トランジスタ31のオフ電圧をVGHとし、オン電圧をVGLとして説明するがこれに限定するものではない。オン電圧(VGL)とオフ電圧(VGH)の極性は、駆動トランジスタ31aのチャンネルの種類(Pチャンネル又はNチャンネル)に対応して設定する。また、図31に示すように、ゲートドライバ回路12の電圧の1つ又は複数をGND電圧としてもよい。図31では、ゲートドライバ回路12bは、VGH電圧と、VGL=GND電圧で動作しており、ゲートドライバ回路12aは、VGH電圧とVGL1電圧で動作している。
本実施例では、駆動トランジスタ31aはPチャンネルトランジスタとしている。この場合は、オン電圧をVGLとし、オフ電圧をVGHとする。駆動トランジスタ31aがNチャンネルトランジスタの場合は、オン電圧をVGHとし、オフ電圧をVGLとする。なお、図2に適合するように、VGH1、VGH2、VGL1、VGL2を内蔵させてもよい。EL表示装置を駆動する電源(回路)ICからのON1コマンドで、ソースドライバ回路14のアナログ電圧AVddとゲートドライバ回路12の電圧VGH1、VGH2、VGL1、VGL2を同時に起動し、ON2でアノード電圧Vdd、カソード電圧Vssを起動させる。
図4は、図1の変形例である。図1と図4の差異は、コンデンサ11cが追加形成された点である。コンデンサ11cは、ゲート信号線17aに印加された電圧の変化(VGL→VGH)により、突き抜け電圧が発生しより良好な黒表示(高コントラスト表示)を実現することを1つの目的とする。VGL→VGHの動作とは、画素16に映像信号を書き込み保持させる動作である。つまり、スイッチトランジスタ11cの制御動作である。
前記コンデンサ19cは、第1の電極が現在ゲート信号線17a及びトランジスタ11cのゲート端子に接続され、第2の電極が前記保持用コンデンサ19a及び駆動トランジスタ11aのゲート端子に共通接続されている。
なお、駆動トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、ゲート信号線17aに印加する電圧(映像信号を画素に書き込み、保持させる動作時に使用する電圧)をVGL→VGHとなるように画素16を構成する。
ゲート信号線に印加するオフ電圧をVGH、オン電圧をVGLとすると、ゲート信号線17aに印加する電圧を、VGLからVGHに変化させると、駆動トランジスタ11aのゲート電圧は、前記保持用コンデンサ19aと補助コンデンサ19cのカップリングによる補正電圧だけ上昇するようになる。したがって、駆動トランジスタ11aのゲート端子の電圧が、アノードVdd電圧側にシフトし、良好な黒表示を実現できる。
図5は、図1又は図4の変形例である。図5の構成も本実施例のEL表示装置に用いることができる。図5において、画素16は、2つのコンデンサ19a、19bと5つのスイッチトランジスタ(11b、11c、11d、11e、11f)と1つの駆動トランジスタ11aで構成される。トランジスタ11bは、トランジスタ11aをダイオード接続(Diode-connected)させて、しきい値電圧を補償するためのしきい値電圧補償用のスイッチトランジスタである。トランジスタ11fは、保持用コンデンサ19aを初期化させるためリセット電圧Vrstを印加するための初期化用のスイッチトランジスタである。そして、トランジスタ11dは、EL素子15の発光を制御するためのトランジスタである。
スイッチトランジスタ11cは、ゲート信号線17aにゲート端子が接続され、ソース信号線18にソース端子が接続され、ゲートドライバ回路12aからの選択信号によりオン/オフ制御される。
ゲート信号線17aからゲート信号線17a1とゲート信号線17a2が分岐されており、ゲート信号線17a1には、インバータ回路51が配置されている。したがって、ゲート信号線17a1とゲート信号線17a2には、VGHとVGLが反転して電圧が印加される。
また、ソース信号線18aとソース信号線18bを有しており、上下方向に隣接した画素16(16a、16b)は異なるソース信号線18に接続されている。図5の実施例では、画素16bはソース信号線18bに接続されており、画素16aはソース信号線18aと接続されている。
図6は、図5の画素構成において、ゲート信号線17及びソース信号線18との接続状態を示している。図5、図6のように構成することにより、リセット電圧Vrstを印加するためのスイッチトランジスタ11fを制御するゲート信号線と、映像信号を印加するためのスイッチトランジスタ11cを制御するゲート信号線とを共通にすることができる。そのため、ゲート信号線17数を削減でき、画素16の開口率を向上できる。
また、複数画素行を同時にオフセットキャンセル状態にすることができ、良好なオフセットキャンセルを実現できる。
図86は図1のオフセットキャンセルコンデンサ19bを有する構成にコンデンサ11cを付加した構成である。図86において、コンデンサ19cは、スイッチトランジスタ11cのゲート端子(ゲート信号線17a)とコンデンサ19bの一端子(スイッチトランジスタ11cのドレイン端子)に接続されている。
コンデンサ19cはゲート信号線17aの変動により、端子電位が変化する。ゲート信号線17aは、画素16が選択されたときには、オン電圧(VGL)が印加され、選択されないときにはオフ電圧(VGH)が印加される。つまり、画素16が選択状態から非選択状態に変化するとコンデンサ19cのa1電圧は、VGL→VGHに変化する。したがって、a1電圧の電圧変化は、a2電圧の変化に影響する。a2電圧は、a1電圧の変化をコンデンサ19cとコンデンサ19cで分圧されたものとなる。一方で、a点(a2電圧)は、画素が選択されたときは、映像信号電圧Vsigが印加されている。a2電圧がVGL→VGHに変化すると、(VGH−VGL)電圧が分圧されて、映像信号電圧Vsigに重畳される。したがって、a点の電位は、映像信号電圧Vsigよりも高くなる。
a2点の電位を映像信号電圧Vsigよりも高くすることは、図111(c)のオフセットキャンセル動作を良好な状態にすることができる。通常、オフセットキャンセルコンデンサ19bの容量は小さい。したがって、オフセットキャンセル電流Ic2が大きいと、オフセットキャンセルコンデンサ19bの端子電位が急速に低下してしまい、オフセットキャンセル動作の継続能力が低下する。
図86の構成では、映像信号電圧Vsigよりも高い電圧をa点に保持できるので、オフセットキャンセル電圧を高めに設定でき、良好なオフセットキャンセル動作を実現できる。
図86の構成において、オフセットキャンセルコンデンサ19bの動作、機能、効果などは図1で説明したので省略する。
図87は図1の変更例である。図87において画素16aのスイッチトランジスタ11cをオン/オフさせるゲート信号線17d1は、次段の画素16bのスイッチトランジスタ11fをオン/オフさせるゲート信号線17d1と共通に結線されている。
したがって、ゲート信号線17d1にオン電圧を印加すると、リセット電圧Vrstを印加するスイッチトランジスタ11fがオンして、画素16bの駆動トランジスタ11aにリセット電圧Vrstを印加する。同時に、前段の画素16aのスイッチトランジスタ11cがオンして映像信号電圧Vsigを画素16aに書込み、オフセットキャンセル動作を開始する。なお、画素16aは1H後には、図111(c)動作となる。
つまり、ゲート信号線17dを順次選択することにより、リセット電圧Vrstを印加する動作と、その他の画素行(基本的には前段の画素行)に映像信号電圧Vsigを印加する動作とを同時に実現できる。したがって、ゲートドライバ回路12の構成を簡略化でき、狭額縁のEL表示装置を実現できる。
図87では、各画素行のゲート信号線17dは、前段の画素行のゲート信号線17dと接続されているとしたが、これに限定するものではない。例えば、ゲート信号線17dは、複数以上の前又は後の画素行と接続させてもよい。
図87の構成において、複数の画素行のゲート信号線17dが共通に接続され、ゲート信号線17dが接続された画素行が前段又は後段の画素行と共通に接続されている点以外の構成あるいは動作は、図1などで説明を行っているので説明を省略する。以上の事項は、本明細書の他の実施例にも適用されることは言うまでもない。
図90は本発明の他の実施例である。図1との差異は、スイッチトランジスタ11d、スイッチトランジスタ11fがない点である。他の構成は図1と同様である。以上のように本実施例の技術的思想は多種多様な画素構成に対しても適用される。
図91は、図90の実施例に対して、コンデンサ19bの接続位置を異ならせている。図91では、コンデンサ19bの一端子は、スイッチトランジスタ11cのドレイン端子と接続され、他の端子は、ゲート信号線17aと接続されている。ゲート信号線17aの電位は、画素16が選択されている時以外は、オフ電圧(VGH)が印加されている。したがって、画素16の選択時以外は、安定した電位に保持されているので、良好に映像信号電圧Vsigを保持することができる。他の構成あるいは動作は、図1、図90と同様であるので説明を省略する。
図1などの構成では、コンデンサ19bの一方の端子は、アノード電圧Vddに接続した。しかし、本実施例はこれに限定するものではない。所定期間の間に安定した電位に保持できるものであれば、どんな電位でもよい。図92の実施例は、コンデンサ19bの一方の端子をカソード電圧Vssとなるように接続をしている。他の構成あるいは動作は、図1、図90と同様であるので説明を省略する。
図93の構成は、図1の構成に加えて、スイッチトランジスタ11gを付加した構成である。スイッチトランジスタ11gのゲート端子はゲート信号線17gに接続されている。したがって、ゲート信号線17cにオン電圧(VGL)を印加することにより、EL素子15のアノード端子に、リセット電圧Vrstを印加することができる。他の構成あるいは動作は、図1、図90と同様であるので説明を省略する。
図94の構成は、図93に対してコンデンサ19bの接続位置を変化させたものである。コンデンサ19bの一方の端子は、スイッチトランジスタ11cのドレイン端子と接続され、他の端子は、駆動トランジスタ11aのゲート端子と接続される。駆動トランジスタ11aのゲート端子もオフセット電圧あるいは映像信号電圧Vsigが印加され、1フレーム期間の間、電位が維持される。したがって、コンデンサ19bの保持電圧として用いることができる。他の構成あるいは動作は、図1、図90と同様であるので説明を省略する。
なお、以上の事項は、本明細書の他の実施例、他の構成に適用される。また、他の実施例、他の構成と組み合わせることができる。
本発明の実施例2について説明する。
図114は、実施例2のおけるEL表示装置の全体構成を示すブロック図である。
本実施例は、EL素子15がマトリックス状に配置された表示画面31とこれを駆動する駆動回路とからなる。すなわち、図114に示すように、EL表示装置は、表示画面31とこれを駆動するソースドライバ回路(IC)18と、ゲート端子ゲートドライバ回路12、12cとからなる。
図114のゲートドライバ回路12は、図113のゲートドライバ回路12a、12bが組み合わせたものである。
表示画面31は、行状のゲート信号線17と、列状のソース信号線18と、両者が交差する部分に配された行列状の画素16と、各画素16の各列に対応して形成されたアノード電源配線1131を備えている。つまり、アノード電源配線1131は画素列に平行に形成されている。また、キャンセル電圧Vrを供給するキャンセル電圧配線1132も画素列に平行に形成されている。すなわち、ソース信号線18に平行に形成されている。
図113は、図114に示したEL表示装置に含まれる画素16の具体的な構成及び結線関係を示す回路図である。
図113に示すように、画素16は、EL素子15などで代表されるEL素子15と、スイッチトランジスタ11b、11c、11eと、駆動トランジスタ11aと、コンデンサ19aとを含む。
スイッチトランジスタ11bは、そのゲート端子dがゲート信号線17aに接続され、ドレイン端子dがソース信号線18に接続され、ソース端子が駆動トランジスタ11aのゲート端子gに接続されている。
駆動トランジスタ11aは、そのドレイン端子dがアノード電源配線1131に接続され、ソース端子sがEL素子15のアノード端子に接続されている。
EL素子15のカソードは、接地電極(GND)又はカソード電極(電圧)Vssに接続している。なお、この接地電極又はカソード電極(電圧)Vssは全ての画素16に対して共通に配線されている。
コンデンサ19aは、駆動トランジスタ11aのソース端子sとゲート端子gの間に接続されている。
係る構成において、スイッチトランジスタ11bは、ゲート信号線17から供給された制御信号に応じて導通し、ソース信号線18から供給された信号電位をサンプリングしてコンデンサ19aに保持する。
駆動トランジスタ11aは、スイッチトランジスタ11eがオンすることにより、アノード電源配線1131から電流の供給を受け、コンデンサ19aに保持された信号電位に応じて駆動電流をEL素子15に流す。
ゲートドライバ回路12について説明する。ゲートドライバ回路12aは、各ゲート信号線17aに順次制御信号(オン電圧又はオフ電圧)を供給して画素16を行単位で線順次走査する。
ゲートドライバ回路12bは、線順次操作(画素行を順番に選択する動作)に同期して、駆動トランジスタ11aのドレイン端子dにキャンセル電圧Vrを印加するトランジスタ11cを制御する。すなわち、ゲートドライバ回路12bは、ゲート信号線17bにオフ電圧又はオフ電圧を順次印加する。
ゲートドライバ回路12cは、この線順次走査に合わせて、駆動トランジスタ11aのドレイン端子dにアノード電圧Vdd(もしくはカソード電圧Vss)を印加するトランジスタ11eを制御する。すなわち、ゲートドライバ回路12cは、ゲート信号線17cにオフ電圧又はオフ電圧を順次印加する。
なお、ゲートドライバ回路12a、12b、12cは3つのドライバから構成されるものに限定されるものではなく、図114に示すように、12a、12cで1つのゲートドライバ回路12に構成してもよい。
また、各ゲートドライバ回路12がゲート信号線17に出力する電圧(オフ電圧又はオフ電圧)は異なる値とすることが好ましい。図114の実施例では、ゲートドライバ回路12とゲートドライバ回路12cのオン電圧(VGH)は同一であるが、オフ電圧(VGL)は、ゲートドライバ回路12は、VGL1とし、ゲートドライバ回路12cは、VGL2として異なっている。すなわち、|VGL1|<|VGL2|となるようにしている。なお、VGL1、VGL2は負電圧であるため、絶対値の記号||で表示している。Vr<Vddなる関係があり、駆動トランジスタ11aに十分にVr電圧を印加できるように構成している。
ゲートドライバ回路12には、ゲート信号線17aを選択するスタートパルスST1、ゲート信号線17bを選択するスタートパルスST2、スタートパルスを順次シフトするクロック信号(CLK)が印加される。UDは、ゲートドライバ回路12内のスタートパルスの上下シフトレジスタ方向を切り替える信号である。また、図115のように構成してもよい。
ゲートドライバ回路12cには、ゲート信号線17cを選択するスタートパルスST3、スタートパルスを順次シフトするクロック信号(CLK)が印加される。
なお、必要に応じて、ゲートドライバ回路12には、イネーブル制御端子を付加することが好ましい。ゲートドライバ回路12内には、シフトレジスタ回路が形成されており、スタートパルスをクロック信号(CLK)に同期して順次シフトさせ、選択するゲート信号線17の位置を変化させる。
駆動トランジスタ11aのドレイン端子dに印加する、第1電位(キャンセル電圧)とアノード電圧Vddの切り替えは、スイッチトランジスタ11cとスイッチトランジスタ11eで実現する。スイッチトランジスタ11cとスイッチトランジスタ11eとは、排他的動作する。
したがって、スイッチトランジスタ11cがオンしているときは、スイッチトランジスタ11eはオフに制御され、スイッチトランジスタ11cがオフしているときは、スイッチトランジスタ11eはオンに制御される。
スイッチトランジスタ11cは、順次操作され、スイッチトランジスタ11eは、EL素子15に電流を供給する時を主にオン状態とされる。
また、スイッチトランジスタ11eをオン/オフ制御することにより、図78、図79、図84、図98で説明するduty駆動を実現することができる。また、図99で説明の駆動方式とも組み合わせることができる。
以上の事項は、図1などの実施例と同様である。なお、図1などで説明した実施例1の記載事項は、実施例2、実施例3にも適用できることは言うまでもない。本明細書に記載した実施例は相互に組み合わせることができる。
EL素子15の点灯及び消灯は、スイッチトランジスタ11eをduty駆動する。このduty駆動は、表示画面31に非表示領域123を発生(又は、表示領域122を発生)させて、EL素子15に流れる電流を抑制するために行う。スイッチトランジスタ11e、スイッチトランジスタ11dなどをオン/オフさせて、表示画面31に帯状の非表示領域123を発生し、この非表示領域123を画面31の上下方向に、フレーム周期(フィールド周期)に同期して画像表示させる。
ソース信号線18に信号電圧を供給するソースドライバ回路18は、スイッチトランジスタ11bが導通した後で、ソース信号線18に基準電位V0を供給している間に、駆動トランジスタ11aのドレイン端子dに印加する電圧を第1電位(キャンセル電圧)と第2電位(アノード電圧Vdd)との間で切換え、駆動トランジスタ11aのしきい値電圧Vthに相当する電圧をコンデンサ19aに保持しておく。
以上に記載してしきい値電圧補正機能により、各画素16の駆動トランジスタ11aの特性バラツキの影響をキャンセルすることができる。
図113に示した画素16は、上記したしきい値電圧補正機能に加え、移動度補正機能を備えている。
ソースドライバ回路18は、スイッチトランジスタ11bが導通した後、第1のタイミングでソース信号線18を基準電位V0から信号電位に切り換える。また、スイッチトランジスタ11c及び11eを制御し、第1のタイミングの後、第2のタイミングでゲート信号線17aに対するオン電圧を解除してスイッチトランジスタ11bを非導通状態とする。第1及び第2のタイミングの間の期間を適切に設定することで、コンデンサ19aに信号電位を保持する際、駆動トランジスタ11aの移動度μに対する補正を信号電位に加える。
この場合、ゲートドライバ回路は、ソースドライバ回路18が供給する映像信号とゲートドライバ回路12b、12cが供給する制御信号との相対的な位相差を調整して、第1及び第2のタイミングの間の期間(移動度補正期間)を最適化することができる。
また、ソースドライバ回路18は、基準電位から信号電位に切り換える映像信号の立ち上がりに傾斜をつけて、第1及び第2のタイミングの間の移動度補正期間を信号電位に自動的に追従させることもできる。
図113に示した画素16はさらにブートストラップ機能も備えている。ゲートドライバ回路12b及び12cは、コンデンサ19aに信号電位が保持された段階でゲート信号線17bにオフ電圧を印加し、ゲート信号線17cにオン電圧を印加することにより、駆動トランジスタ11aのドレイン端子dの電位をVrからVdd電圧に変化させる。また、スイッチトランジスタ11bを非導通状態にして駆動トランジスタ11aのゲート端子gをソース信号線18から電気的に切り離す。この動作により、駆動トランジスタ11aのソース電位Vsの変動にゲート電位Vgが連動しゲート端子gとソース端子s間の電圧Vgsを一定に維持することができる。
図115は、図113に示した画素16の動作説明に供するタイミングチャートである。時間軸を共通にして、ゲート信号線17a、17b、17cの電位変化、ソース信号線18の電位変化、EL素子15の発光状態と模式的に示している。
このタイミングチャートは、画素16の動作の変化に合わせて期間をB〜Gのように便宜的に区切ってある。
発光期間BではEL素子15が発光状態にある。この後、線順次走査の新しいフィールドに入って、最初の期間Cで、スイッチトランジスタ11bがオンし、駆動トランジスタ11aのゲート電位Vgが初期化される。
次に、期間Dに進み、スイッチトランジスタ11cがオンして駆動トランジスタ11aのドレイン端子dにキャンセル電圧Vrが印加され、駆動トランジスタ11aのソース電位Vsも初期化される。このように駆動トランジスタ11aのゲート電位Vg及びソース電位Vsを初期化することで、しきい値電圧補正動作の準備が完了する。Vr電圧は、EL素子15がオンせず(電流が流れない)、駆動トランジスタ11aがオフとなる電圧である。
次に、しきい値補正期間Eで実際にしきい値電圧補正動作が行われ、駆動トランジスタ11aのゲート端子gとドレイン端子dとの間にしきい値電圧Vthに相当する電圧が保持される。実際には、Vthに相当する電圧が、駆動トランジスタ11aのゲート端子gとドレイン端子dとの間に接続されたコンデンサ19aに書き込まれることになる。
次に、サンプリング期間/移動度補正期間Fに進み、映像信号の信号電位VinがVthに足し込まれる形でコンデンサ19aに書き込まれると共に、移動度補正用の電圧ΔVがコンデンサ19aに保持された電圧から差し引かれる。
次に、発光期間Gに進み、信号電圧Vinに応じた輝度でEL素子15が発光する。そのときに信号電圧Vinはしきい値電圧Vthに相当する電圧と移動度補正用の電圧ΔVとによって調整されているため、EL素子15の発光輝度は駆動トランジスタ11aのしきい値電圧Vthや移動度μのばらつきの影響を受けることがない。
なお、発光期間Gの最初でブートストラップ動作が行われ、駆動トランジスタ11aのゲート−ソース間電圧Vgs=Vin+Vth−ΔVを一定に維持したまま、駆動トランジスタ11aのゲート電位Vg及びソース電位Vsが上昇する。
図116〜図121を参照して、図113に示した画素16の動作を詳細に説明する。なお、図116〜図121の図番は、図115に示したタイミングチャートの各期間B〜Gにそれぞれ対応している。また、理解を容易にするため、図116〜図121は、説明の都合上、EL素子15の容量成分をコンデンサ19bとして図示してある。 図116に示すように、発光期間Bでは、スイッチトランジスタ11eがオンし、スイッチトランジスタ11cがオフに制御されることにより、駆動トランジスタ11aのドレイン端子dの電位がアノード電圧Vddにあり、駆動トランジスタ11aが駆動電流IdsをEL素子15に供給している。
図示する様に、駆動電流Idsはアノード電圧Vddから駆動トランジスタ11aを介してEL素子15を通り、共通接地電極(GNDなど)又はカソード電極(電圧)Vssに流れ込んでいる。
次に、期間Cに入ると、図117に示すように、ゲート信号線17aの電位がアノード電圧Vdd側(オン電圧が印加される)に変化することでスイッチトランジスタ11bがオン状態となり、駆動トランジスタ11aのゲート電位Vgはソース信号線18の基準電位V0に初期化(リセット)される。
次に、期間Dに進むと、図118に示すように、駆動トランジスタ11aのドレイン端子dの電位がアノード電圧Vddからソース信号線18の基準電位V0より十分低いキャンセル電圧Vrに変化する。
これにより駆動トランジスタ11aのソース電位Vsがソース信号線18の基準電位V0より十分低いキャンセル電圧Vrに初期化(リセット又はキャンセル)される。
具体的には、駆動トランジスタ11aのゲート−ソース間電圧Vgs(ゲート電位Vgとソース電位Vsの差)が駆動トランジスタ11aのしきい値電圧Vthより大きくなるように、駆動トランジスタ11aのドレイン端子dに低キャンセル電圧Vrを設定する。
次に、しきい値補正期間Eに進むと、図119に示すように、駆動トランジスタ11aのドレイン端子dの電位が低キャンセル電圧Vrからアノード電圧Vddに変化し、駆動トランジスタ11aのソース電位Vsが上昇を開始する。
やがて、駆動トランジスタ11aのゲート端子−ソース端子間電圧Vgsがしきい値電圧Vthとなったところで電流はカットオフする(流れなくなる)。このようにして駆動トランジスタ11aのしきい値電圧Vthに相当する電圧がコンデンサ19aに書き込まれる。これがしきい値電圧補正動作である。このとき電流が専らコンデンサ19a側に流れ、EL素子15側には流れないようにするため、EL素子15がカットオフとなるように共通接地電極又はカソード電極(電圧)Vssの電位を設定しておく。
次に、サンプリング期間/移動度補正期間Fに進むと、図120に示すように、第1のタイミングでソース信号線18の電位が基準電位V0から信号電位Vinに変化し、駆動トランジスタ11aのゲート電位VgはVinとなる。
このときEL素子15は始めカットオフ状態(ハイインピーダンス状態)にあるため駆動トランジスタ11aのドレイン電流IdsはEL素子15のコンデンサ19(寄生容量)19bに流れ込む。
これによりEL素子15のコンデンサ19(寄生容量)19bは充電を開始する。よって駆動トランジスタ11aのソース電位Vsは上昇を開始し、第2のタイミングで駆動トランジスタ11aのゲート−ソース間電圧VgsはVin+Vth−ΔVとなる。このようにして信号電位Vinのサンプリングと補正量ΔVの調整が行われる。Vinが高いほどIdsは大きくなり、ΔVの絶対値も大きくなる。したがって発光輝度レベルに応じた移動度補正が行える。またVinを一定とした場合、駆動トランジスタ11aの移動度μが大きいほどΔVの絶対値も大きくなる。換言すると移動度μが大きいほど負帰還量ΔVが大きくなるので、画素16毎の移動度μのばらつきを取り除くことが可能である。
最後に、発光期間Gになると、図121に示すように、ゲート信号線17が低電位側に変化し、スイッチトランジスタ11bはオフ状態となる。これにより駆動トランジスタ11aのゲート端子gはソース信号線18から切り離される。同時にドレイン電流IdsがEL素子15を流れ始める。これによりEL素子15のアノード電位は駆動電流Idsに応じて上昇する。
EL素子15のアノード電位の上昇は、すなわち駆動トランジスタ11aのソース電位Vsの上昇に他ならない。駆動トランジスタ11aのソース電位Vsが上昇すると、コンデンサ19aのブートストラップ動作により、駆動トランジスタ11aのゲート電位Vgも連動して上昇する。ゲート電位Vgの上昇量はソース電位Vsの上昇量に等しくなる。故に、発光期間中駆動トランジスタ11aのゲート−ソース間電圧VgsはVin+Vth−ΔVで一定に保持される。
図122は、図113の変更例である。
EL素子15のアノード端子と駆動トランジスタ11aのドレイン端子d間に、第4のスイッチトランジスタ11dを形成している。スイッチトランジスタ11dは、ゲート信号線17dに接続され、また、ゲート信号線17dは、ゲートドライバ回路12dからオン/オフ電圧が印加される。
図120などでは、駆動トランジスタ11aのモビリティバラツキを補正できることを説明した。つまり、図120は、スイッチトランジスタ11aを、短期間、スイッチトランジスタ11eをオンした方法である。
短時間とは、0.05μ秒以上5μ秒以下の時間である。前記短時間は、画素に印加する映像信号電圧Vsigに対応させて変化させることが好ましい。また、点灯率に対応させて変化させることが好ましい。この変化は、線形、非線形に対応させることを含むほか、ステップ状(例えば、点灯率50%以上では、短時間とは0.1μ秒、点灯率50%未満では、2μ秒)に対応させてもよい。
図115に図示するように、点灯率に相関させて、duty比を制御あるいは変化させてことが好ましい。ピーク電流を抑制し、消費電力を平均化することができるからである。点灯率が高いときは、duty比を低下(小さく)する。したがって、ピーク電流を抑制できる。また、最大使用階調数制御を実施する。以上の事項は、図78、図79、図83、図84、図98、図99、図130などを用いて説明を行っている。
1水平走査期間(1H)に対するオン時間比率(%)(以下、オン比率と呼ぶ)は、図120の期間である。オン時間とは、スイッチトランジスタ11b、11eのオン時間(クローズ時間)を意味する。1Hが、20μ秒とすれば、10%とは、2μ秒となる。
オン比率が長いほど、駆動トランジスタ11aのモビリティの補正効果が高くなる。しかし、コンデンサ19の電荷が放電され、駆動トランジスタ11aのゲート端子電位が高く(アノード電圧側)の変化し、EL素子15に流れる電流が変化してしまう。
オフセットキャンセル駆動では、黒の階調(低階調)は、オフセットキャンセルされ、駆動トランジスタ11aの特性バラツキは目立ちにくい。しかし、白の階調(高階調)では、オフセットキャンセル点から離れているため、駆動トランジスタ11aの特性ばらつきが目立ちやすい。この駆動トランジスタ11aの特性バラツキはモビリティによるものである。
点灯率が低い場合は、低階調表示の画素が多い。点灯率が高い場合は、高階調表示の画素が多い。したがって、オン比率は、図115の下図の点線で示すように実施することが好ましい。つまり、低点灯率では、オン比率は0とし、高点灯率になるにしたがって、オン比率を大きくする。
しかし、点灯率が低い時は、低階調表示の画素が多いというのは、統計的なものであり、実際と異なることがある。また、点灯率が高い場合は、高調表示の画素が多いというのも統計的なものである。実際には表示パターン、映像信号の種類により異なる。したがって、表示パターン、入力される映像信号の種類(PC映像、AV映像など)などにより、オン比率を可変できるように構成しておくことが好ましい。
図113、図123に図示するように、その他、ゲート信号線17aとトランジスタ11aのゲート(G)端子間に積極的にコンデンサCxを形成し、突き抜け電圧を増加させる構成も有効である。このコンデンサCxの容量は正規のコンデンサ19aの容量の1/10以上1/2以下にすることが好ましい。さらには1/8以上1/3以下とすることが好ましい。
突き抜け電圧発生用のコンデンサCxの容量(容量をCb(pF)とする)は、電荷保持用のコンデンサ19aの容量(容量とCa(pF)とする)と、トランジスタ11aの白ピーク電流時(画像表示で表示最大輝度の白ラスター時)のゲート(G)端子電圧Vw(V)を黒表示での電流を流す(基本的には電流は0である。つまり、画像表示で黒表示としている時)時のゲート(G)端子電圧Vb(V)が関連する。これらの関係は、
Ca/(200Cb) ≦ |Vw−Vb| ≦ Ca/(8Cb)
の条件を満足させることが好ましい。なお、|Vw−Vb|とは、駆動トランジスタの白表示時の端子電圧(V)と黒表示時の端子電圧(V)との差の絶対値である(つまり、変化する電圧幅)。
さらに好ましくは、
Ca/(100Cb) ≦ |Vw−Vb| ≦ Ca/(10Cb)
の条件を満足させることが好ましい。
トランジスタ11bはPチャンネルにし、このPチャンネルは少なくともダブルゲート以上にする。このましくは、トリプルゲート以上にする。さらに好ましくは、4ゲート以上にする。そして、トランジスタ11bのソース−ゲート(SDもしくはゲート−ドレイン(GD))容量(トランジスタがオンしているときの容量)の1倍以上10倍以下のコンデンサを並列に形成又は配置することが好ましい。
なお、以上の事項は、図113、図123の画素構成だけでなく、他の画素構成でも有効である。スイッチトランジスタ11bがオフするときに、駆動トランジスタ11aに電流が流れないようにシフトするように、コンデンサCxを配置する。なお、スイッチングトランジスタ11bのNチャンネルはダプルゲート以上とする。リーク対策のためである。
図113では、駆動トランジスタ11aは、Nチャンネルトランジスタであり、映像信号を画素に印加するスイッチトランジスタ11bもNチャンネルトランジスタである。スイッチトランジスタ11bを制御するゲート信号線17aは、画素16の選択時は、高い電圧(VGH)が印加され、非選択となる場合は、低い電圧(VGL)が印加される。
画素16が選択状態から非選択状態になる時は、ゲート信号線17aに電気的に接続されたコンデンサCxの一端子はVGH電圧からVGL電圧に変化する。コンデンサCxはVGH電圧からVGL電圧への変化をつき抜け電圧として他のコンデンサCx端子(駆動トランジスタ11aのゲート端子に接続されている)伝達する。したがって、VGHからVGL電圧の変化に比例した電圧が、駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加され、駆動トランジスタ11aのゲート端子電圧を低下させる。したがって、駆動トランジスタ11aは電流を流しにくい方向に動作する。この動作により、より黒表示レベルが改善され、良好なコントラストを実現できる。
同様に、図123では、駆動トランジスタ11aは、Pチャンネルトランジスタであり、映像信号を画素に印加するスイッチトランジスタ11bもPチャンネルトランジスタである。つまり、駆動トランジスタ11aとスイッチトランジスタ11bとは同極性のチャンネルトランジスタで構成されている。スイッチトランジスタ11bを制御するゲート信号線17aは、画素16の選択時は、低い電圧(VGL)が印加され、非選択となる場合は、高い電圧(VGH)が印加される。
したがって、画素16が選択状態から非選択状態になる時は、ゲート信号線17aに電気的に接続されたコンデンサCxの一端子はVGL電圧からVGH電圧に変化する。コンデンサCxはVGL電圧からVGH電圧への変化をつき抜け電圧として他のコンデンサCx端子(駆動トランジスタ11aのゲート端子に接続されている)伝達する。そのため、VGLからVGH電圧の変化に比例した電圧が、駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加され、駆動トランジスタ11aのゲート端子電圧を高い電圧の方向にシフトさせる。したがって、駆動トランジスタ11aは電流を流しにくい方向に動作する。この動作により、より黒表示レベルが改善され、良好なコントラストを実現できる。
また、突き抜け電圧用のコンデンサCxは、画素が変調するR、G、Bで大きさ(容量)を変化させることが好ましい。R、G、Bの各EL素子15の駆動電流が異なるためである。また、EL素子15のカットオフ電圧が異なるためである。そのため、EL素子15の駆動トランジスタ11aのゲート(G)端子にプログラムする電圧(電流)が異なるからである。例えば、Rの画素のコンデンサCxRを0.02pFとした場合、他の色(G、Bの画素)のコンデンサCxG、CxBを0.025pFとする。また、Rの画素のコンデンサCxRを0.02pFとした場合、Gの画素のコンデンサCxGと0.03pFとし、Bの画素のコンデンサCxBを0.025pFとするなどである。このように、R、G、Bの画素ごとにコンデンサCxの容量を変化させることのよりオフセットの駆動電流をRGBごとに調整することができる。したがって、各RGBの黒表示レベルを最適値にすることができる。
以上の事項は、図1などの実施例1、実施例3などの画素構成にも適用される。本明細書に記載した実施例は相互に組み合わせることができる。
以上は、突き抜け電圧発生用のコンデンサCxの容量を変化させるとしたが、突き抜け電圧は、保持用のコンデンサ19aと突き抜け電圧発生用のコンデンサCxとの容量の相対的なものである。したがって、コンデンサCxをR、G、Bの画素で変化することに限定するものではない。つまり、保持用コンデンサ19aの容量を変化させてもよい。
例えば、Rの画素のコンデンサ11aRを1.0pFとした場合、Gの画素のコンデンサ11aGと1.2pFとし、Bの画素のコンデンサ11aBを0.9pFとするなどである。この時、突き抜け用コンデンサCxの容量は、R、G、Bで共通の値とする。したがって、本実施例は、保持用のコンデンサ19aと突き抜け電圧発生用のコンデンサCxとの容量比を、R、G、Bの画素のうち、少なくとも1つを他と異ならせたものである。なお、保持用のコンデンサ19aの容量と突き抜け電圧発生用のコンデンサCxとの容量との両方をR、G、B画素で変化させてもよい。
また、画面31の左右で突き抜け電圧用のコンデンサCxの容量を変化させてもよい。
以上の事項は、図1などの実施例1、実施例3〜7などの画素構成、表示パネル(表示装置)あるいは駆動方法にも適用される。本明細書に記載した実施例は相互に組み合わせることができる。
ゲートドライバ回路12に近い位置にある画素16は信号供給側に配置されているので、ゲート信号の立ち上がりが速い(スルーレートが高いからである)ため、突き抜け電圧が大きくなる。ゲート信号線17端に配置(形成)されている画素は、信号波形が鈍っている(ゲート信号線17には容量があるためである)。ゲート信号の立ち上がりが遅い(スルーレートが遅い)ため、突き抜け電圧が小さくなるためである。したがって、ゲートドライバ回路12との接続側に近い画素16の突き抜け電圧用コンデンサCxを小さくする。また、ゲート信号線17端はコンデンサCxを大きくする。例えば、画面の左右でコンデンサの容量は10%程度変化させる。
同様に、画面31の上下で突き抜け電圧用のコンデンサCxの容量を変化させてもよい。画面31には、コンデンサCaと映像信号の書込みタイミングの問題から、輝度傾斜が発生するからである。コンデンサCxの値をまた、ソース信号線18に沿って変化させる。例えば、画面の上下でコンデンサCxの容量は10%程度変化させる。
発生する突き抜け電圧は、保持用コンデンサ19aと突き抜け電圧発生用のコンデンサCxの容量比で決定される。したがって、画面の左右で突き抜け電圧発生用のコンデンサCxの大きさを変化させるとしたが、これに限定するものではない。突き抜け電圧発生用のコンデンサCxは画面の左右で一定にし、電荷保持用のコンデンサ19aの容量を画面の左右で変化させてもよい。また、突き抜け電圧発生用のコンデンサCxと、電荷保持用のコンデンサ19a容量の両方を画面の左右で変化させてもよいことは言うまでもない。以上の事項は、画面31の上下方向に関しても同様である。
図1の構成あるいは方式は、映像信号電圧Vsigを画素に形成されたオフセットキャンセルコンデンサ19bに保持するものであった。オフセットキャンセルコンデンサ19bに映像信号電圧Vsigを保持することにより、画素16の選択後もオフセットキャンセル動作を継続し、良好なオフセットキャンセルを実現できる。
図95は、図113、図123などで説明した本実施例の画素構成あるいはEL表示装置にコンデンサ19bを付加した構成である。コンデンサ19bは、映像信号電圧Vsigを保持するものではなく、キャンセル電圧Vrを保持する。
図118に図示するように、キャンセル電圧Vrを短時間の間、駆動トランジスタ11aのソース端子(もしくはドレイン端子)に印加する。しかし、短時間のため、十分にキャンセル動作を実施できない場合がある。
図95のように、キャンセル電圧Vrを保持するコンデンサ19bを画素16に形成すれば、スイッチトランジスタ11cをオフした後も、コンデンサ19bに保持したキャンセル電圧Vrを用いて、キャンセル動作を継続できる。したがって、キャンセル動作を複数水平走査期間に渡り、実施することができる。
以上のように、本実施例は、所定の種類の電圧(映像信号電圧Vsig、キャンセル電圧Vrなど)を画素16に印加し、前記所定の種類の電圧の印加が完了後も、所定の種類の電圧をコンデンサ19bに保持し、保持した電圧により所定動作(オフセットキャンセル動作、キャンセル動作など)を継続するものである。また、所定動作の継続できる構造又は構成である。
なお、本発明の実施例において、所定の種類の電圧(映像信号電圧Vsig、キャンセル電圧Vrなど)を保持するコンデンサ19bを画素16に形成するとしたが、これに限定するものではない。例えば、ダイオードを画素に形成し、ダイオードの接合容量に前記所定の種類の電圧を保持してもよい。また、画素にトランジスタ素子を形成し、トランジスタの寄生容量(ゲート容量など)に前記所定の種類の電圧を保持してもよい。
また、所定の種類の電圧(映像信号電圧Vsig、キャンセル電圧Vrなど)を保持するコンデンサ19bを画素16に形成するとしたが、これに限定するものではない。例えば、図124〜図126に図示するように、複数の画素16を共通(画素行、画素列)にして、1つのコンデンサ19bを配置してもよい。
図124は、1画素行に1つのコンデンサ19bを形成し、コンデンサ19bにキャンセル電圧Vrを保持させる構成である。図125は、1画素行に1つのコンデンサ19bを形成し、コンデンサ19bに映像信号電圧Vsigを保持させる構成である。映像信号電圧Vsigが画素行あるいは画素列に共通の信号である場合に有効である。図126は、1画素行に1つのコンデンサ19bを形成し、コンデンサ19bにリセット電圧Vrstを保持させる構成である。
また、図124〜図126の構成において、各画素にリセット電圧Vrstあるいは、キャンセル電圧Vrを印加するスイッチトランジスタ(11cあるいは11f)を配置しているが、これに限定するものではない。例えば、RGBの画素を1組として、スイッチトランジスタ(11cあるいは11f)を配置してもよい。また、画素行あるいは画素列ことに、スイッチトランジスタ(11cあるいは11f)を配置してもよい。
アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssなどの電圧を発生させる電源回路(電源IC)を外部に配置する場合は、この電源回路(電源IC)をオン/オフ制御させるオン/オフ信号をソースドライバIC14から発生(指示)させることが好ましい。アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssは、VGH、VGL電圧の印加(供給)後に、パネル34に印加(供給)する。
以上の事項は、本明細書の他の実施例にも適用されることは言うまでもない。
図127に図示するように、キャンセル電圧Vrを印加する配線及びスイッチトランジスタ11cを複数の画素(例えば、RGBの画素を1組として)に1つ形成又は設けてもよい。また、コンデンサ19bは、RGBで異ならせても良い。RGBでコンデンサ19bの容量を異ならせることにより、オフセットキャンセル動作、リセット動作、キャンセル動作などが、RGBの特性にあわせて最適に設定できるからである。
図128に図示するように、キャンセル電圧Vrを印加する配線及びスイッチトランジスタ11c、コンデンサ19bを複数の画素(例えば、RGBの画素を1組として)に1つ形成又は設けてもよい。画素構成が簡略化され、画素16の開口率を向上できる。以上の事項は、本明細書の他の実施例にも適用されることは言うまでもない。
コンデンサ19bの容量は、表示画面31の部分で異ならせてもよい。例えば、画面の左右と中央部で、コンデンサ19bの容量を異ならせる。画面の部分にあわせて、オフセットキャンセル動作、リセット動作、キャンセル動作などが、最適に設定できるからである。以上の事項は、保持用のコンデンサ19aにも適用できる。画面の部分にあわせて、映像信号電圧Vsigの書込み、オフセットキャンセル動作などが、最適に設定できるからである。
以上の事項は、本明細書の他の実施例においても適用されることは言うまでもない。また、他の実施例と組み合わせることができることは言うまでない。したがって、他の実施例において、図面の作図、説明を容易にするために、複数の構成、実施の組み合わせは省略している。 以上の事項は、図1、図4、図5、図10、図11、図25、図29、図31、図33、図35、図37、図42、図46、図52、図54、図55、図58、図59、図86、図90、図91、図92、図93、図94、図95、図113、図123、図124〜図128などのEL表示パネルあるいはEL表示装置にも適用できることは言うまでもない。
以上の事項は他の実施例においても同様である。例えば、図12、図13、図61、図75、図76、図77、図78、図79、図83、図84、図85、図98、図99、図100、図101などの方法あるいは方式、図7、図8、図9、図60、図83、図96、図102、図103、図104、図106、図107、図108、図109、図110、図111、図112、図129の構成あるいは構造あるいは方法に関しても先に例示したあるいは本明細書に記載した画素構成と組み合わせて実施することができることは言うまでもない。
本発明の実施例3について説明する。なお、今までに説明した構成、方式は、以下に説明する構成あるいは方式に、適用あるいは組み合わせることができることは言うまでもない。
図14は、本実施例におけるEL表示パネルの1列分の回路を示したものである。ここでソース信号線18は切り替え手段141を介して、1列に対して2本のソース信号線18aと18bが存在し、偶数行と奇数行の画素で接続されるソース信号線が異なる構成となっていることが特徴である(図6なども参照のこと)。
各画素16の構成は、例えば、図1、図4、図10、図25、図29、図42、図46、図52、図54、図55、図58、図59、図86、図87、図90、図91、図92、図93、図94、図95、図113、図122、図124〜図128などの回路で構成されている。つまり、以下の実施例は、本明細書の他の実施例に適用することができる。また、相互に組み合わせることができる。
ゲートドライバ回路12aは、シフトレジスタ構成となっており、クロックごとにパルスが1段ずつシフトされる。ゲート信号線17に対する接続を、図14のように行うことで、図15に示すような信号波形を実現することができる。
シフトクロックの周期を1水平走査期間(1H)に設定し、1水平走査期間のみパルスが出力されるようなスタートパルスが入力される。これで各行1水平走査期間ずつずれたタイミングで1水平走査期間の間パルスが発生する回路が実現できる。
シフトレジスタの各段出力を図14のようにゲート信号線17に取り込み、切り替え手段141を図15に示すように動作させることで、始めの1水平走査期間(1H)では、1行目の画素16aの駆動トランジスタ11aのゲート電圧をVrst電源により、初期化する。同時にソース信号線から所定の階調に対応する1行目の画素に対応する信号電圧が切り替え手段141を介してソース信号線18bに充電される。ソース信号線18aには充電されない。切り替え手段141でソースドライバ出力から切り離されている。
次の1水平走査期間においては切り替え手段141を動作させ、ソース信号線18aを充電するようにする。このときソース信号線18bは、ソースドライバ出力から切り離されているために、ソース信号線の浮遊容量142bにより1行目の画素に対応する信号電圧が充電されたままである。そこで、ゲート信号線17a及びゲート信号線17cを走査し、画素16aのトランジスタ11c、11bを導通状態とし、画素の駆動トランジスタ11aに階調信号の書き込みと、特性バラツキのキャンセル動作を実施する。同時に2行目の画素に対応して、画素16bに対応する階調信号電圧がソース信号線18aに充電され、駆動トランジスタ11aのゲート端子がVrst電源により初期化される。
浮遊容量142は、ゲート信号線17とソース信号線18の交差部に生じる容量、ソース信号線18と画素電極との結合容量などで構成される。図14などにおいて、コンデンサ142は浮遊容量として説明するがこれに限定されるものではない。ソース信号線18を一方の電極としてコンデンサを形成してもよい。
ソース信号線18aとソース信号線18bを水平走査期間ごとに切り替えて利用することで、ソース信号線に印加させる階調信号が2水平走査期間保持されるため、画素回路16に信号を書き込む時間を長くすることができるようになる。
図1などの画素回路の構成では、駆動トランジスタ11aに階調信号を書き込みながら、特性バラツキをキャンセルする動作を行う。特性バラツキをキャンセルする動作は、トランジスタ11f、11d、11eがオフでトランジスタ11bがオン状態のときに行われ、駆動トランジスタ11aのドレイン電流が0になるように、駆動トランジスタ11aのゲート電位が変化することで、特性バラツキのキャンセルを行っている。
駆動トランジスタ11aのゲート電位を変化させているのは、ドレイン電流による電荷であり、最終状態が0もしくは限りなく小さい電流(ピコアンペアオーダー)であることから、ゲート電位を支えている保持用コンデンサ19aの電荷の充放電に時間がかかる。そのため、キャンセル動作には時間がかかることがわかる。
1水平走査期間(1H)が長い場合には、1水平走査期間内にキャンセル動作を完了させることができる。しかし、垂直ライン数が多く、1水平走査期間が40μ秒よりも短い場合には、キャンセル動作が最後まで行われず、特性補償が不完全となり、その結果、特性ばらつきに応じたムラが発生する問題がある。
そこで、キャンセル時間を1水平走査期間以上に拡大する方法として、図16に示すようにゲートドライバ回路12aを更に2本のゲートドライバ回路12a1、ゲートドライバ回路12a2で構成する。駆動トランジスタ11aの初期化を、対応する映像信号が入力される1水平走査期間前にあらかじめ実施する。また、ソース信号線18aもしくは18bに映像信号が入力される水平走査期間から駆動トランジスタ11aに階調電圧の書き込み及び特性キャンセル動作を行うようにする。切り替え部141の動作により、2水平走査期間の間映像信号が保持されるため、階調電圧の書き込み及び特性キャンセル動作を2水平走査期間中実施することが可能となる。
これを実現するために、図17に示すように、シフトレジスタ12a2のスタートパルス172bを入力する。各行のトランジスタ17a及び17cが2水平走査期間オンされる。オンされるタイミングはソース信号線18及び18a、18bの映像信号に同期して実施される。映像信号が偶数行と奇数行で2つのソース信号線18a及び18cに振り分けられることで周波数が半分となり、書き込み時間を2倍にすることができる。
なお、イネーブル信号173については、パルス伝播の際の波形なまりによる複数の行の画素で同時選択されることを防止するための信号であり、同時選択が起きない場合や、同時選択でも問題なく動作する場合には、不要である。イネーブル信号173がなくても本実施例を実施することができる。例えば図21のように、特性キャンセルを行うための信号を生成するゲートドライバ回路12a2のイネーブル信号を削除した場合の入力波形及び動作を示す。
図17の波形によれば、2水平走査期間の間、駆動トランジスタ11aの特性補正動作が可能であるが、あらかじめ映像信号が入力される1水平走査期間前に駆動トランジスタ11aを初期化するための動作が必要であり、1水平走査期間前にあらかじめ動作させることが必要である。したがって、先頭行が検知できない場合には、あらかじめ初期化ができなくなる恐れがある。
そこで、図18に示すように、初期化動作を、1行目の映像信号入力時と同時に実施する信号パターンを発明した。初期化動作時には、特性補正動作ができないため、2水平走査期間(2H)の間で、初期化後特性補正動作を行う。
図18の構成では、2水平走査期間のうちの始めの水平走査期間の前半に初期化動作を行い、残りの半分と次の水平走査期間で画素への信号書き込みと特性補償動作を実施する。ゲートドライバがシフトレジスタ構成である場合には、水平走査期間とシフトクロックが一致する場合には、イネーブル信号でパルス幅をカットする方法により、水平走査期間の前半と後半で異なるスイッチの動作を実現する。
ゲート信号線17dがローレベルの時が、駆動トランジスタ11aの初期化期間となり、ゲート信号線17a及び17cがローレベルのときに、駆動トランジスタ11aの特性キャンセルと、画素に階調を書き込む期間となる。
17a及び17cのローレベル期間が1水平走査期間より長く設定できるため、水平走査期間が30μ秒であっても、従来比1.5倍の期間が取れることから45μ秒のキャンセル期間がとれ、駆動トランジスタの特性ばらつきを補正することが可能となる。初期化動作自体は、2〜10μ秒程度で完了するため、最大2水平走査期間から2〜10μ秒を引いた時間までキャンセル期間を拡大することができる。
ゲートドライバ回路12aのシフトレジスタが1系統でかつキャンセル期間を1水平走査期間以上に拡大する方法を図19及び図20に示す。
例えば、2水平走査期間の間キャンセルする場合には、2水平走査期間ゲート信号線17a及び17cが導通状態にある必要がある。そこでゲートドライバ回路12aのスタートパルスを2水平走査期間の長さだけ入力する。これにより、キャンセル及び階調書き込み時間を2水平走査期間に設定できる。同様に初期化を実施するためのゲート信号線17d用のパルスを生成する必要がある。
また、図1、図25に示すような画素回路構成であることから、ゲート信号線17dと駆動トランジスタ11a、スイッチトランジスタ11cを同時に導通状態としてはならないため(異なる電圧がショートする)、初期化用のパルスは、同一行の画素に対するキャンセル及び階調書き込み用のパルスと重ならないようにする必要がある。
具体的には、2水平走査期間前のパルスを初期化用のパルスとして利用すればよい。図19に示すように、シフトレジスタに対して、ゲート信号線17dと共通の出力をキャンセル及び階調信号書き込み用ゲート信号線を用いる場合には、2行分後段(つまり2水平走査期間後)の信号を利用すると、同一画素16aに対して、図20に示すように、201、202の2水平走査期間で初期化を実施する。また、203、204の2水平走査期間で駆動トランジスタ11aの特性キャンセル及び階調信号書き込みを実施している。16b、16cの画素においても同様に1水平走査期間ずつ遅れたタイミングで実施している。
この方法は、2水平走査期間のキャンセルばかりでなく、3水平走査期間以上、必要な場合でも実施が可能である。1列分の画素に対応するソース信号線の数を必要とする水平走査期間の数(整数)分を用意し、ゲートドライバ回路12aのスタートパルスのパルス幅を必要な水平走査期間数入力する。初期化に対応するゲート信号を取り出すシフトレジスタの段から必要な水平走査期間数分後段のシフトレジスタから特性キャンセル及び階調信号書き込み用のゲート信号をとりだして、同一行の画素に入力すれば実現が可能である。
映像信号が、対応する行の画素に書き込まれるようにするため、スタートパルスは、映像信号に対してあらかじめ入力する必要がある。少なくともキャンセルを行う水平走査期間の長さ分だけ早く入力が必要である。図20においても2水平走査期間早く、入力している。
ソースドライバのコスト削減のために、1出力から時系列に複数の画素に対応する電圧を出力する選択駆動方式を採用することがある。選択駆動方式がない場合に比べて、当該画素に対応する映像信号が入力されるタイミングが表示色によって異なるようになる。
例えば、赤緑青の3画素分を1出力で行う3選択駆動の場合においては、図22に示すように、赤(R)色に対して、緑(G)及び青(B)は水平走査期間の始めではなく、途中で信号が変化していることがわかる。ゲート信号線17a及び17cを221の波形により入力すると緑及び青色の画素については、1行前の映像信号が画素に書き込まれ、ソース信号線の変化により当該行の映像信号が書き込まれるようになる。
液晶などでは、書き込み時の最終電圧(ゲート信号線がオフになる瞬間の電圧)が1フレーム間画素に保持され、所定輝度で表示されるため問題がない。本実施例における画素構成を持つ有機EL表示パネルにおいては、映像信号を駆動トランジスタ11aに書き込む際に駆動トランジスタ11aの特性バラツキを補正する動作を行っている。
補正に要する時間を短縮するため、書き込みを行う前に、初期化動作を行い、駆動トランジスタ11aのゲート端子に低い電圧(白表示時よりもさらに駆動トランジスタ11aが電流を流す電圧)にあらかじめ初期化を行っている。
初期化の電圧は低いほど特性補正が高速化される。選択駆動時に1行前の電圧が少しでも印加されると、駆動トランジスタ11aのゲート電圧が1行前の電圧に変化してしまい、1行前の電圧が印加された状態で、当該行の映像信号による階調信号の書き込みとトランジスタばらつき特性補正を行うこととなり、初期化を行う効果がなくなってしまう。これは3選択駆動でなくても、2選択以上の信号線選択駆動を実施する際に共通の課題である。
本実施例では、選択駆動を行う際に、同一水平走査期間で書き込みを行う信号線の電圧がすべて確定した後に特性キャンセル動作を行うようにした。
図23、図24及び図26に実施例の1つを示す。ここで選択駆動は赤緑青の3つの信号線を順に選択する3選択駆動方式としている。2選択や、4選択以上でも同様に実現できる。
キャンセル時間を確保するために、各列に対して2本の信号線を用意し、偶数行と奇数行で異なるソース信号線を利用している。図23ではゲートドライバ回路12aをシフトレジスタ回路1系統で実施する構成を示している。図23のゲートドライバ回路12aを用いた場合の信号入力と、信号線選択回路232の動作を図26に示す。1水平走査期間内で赤(R)、緑(G)、青(B)に信号線を切り替えている。また1水平走査期間ごとに奇数行用のソース線18b、偶数行用のソース線18aを切り替えて選択を行っている。
この方式では、初期化のタイミングと当該行の映像信号線の書き込みが同一で、画素内部への映像信号の書き込みは、次の水平走査期間にて実施されている。したがって、駆動トランジスタ11aへの信号線書き込み及び特性ばらつき補正の実施中に映像信号が変わることはなく、選択駆動時でもこれまで同様の駆動が実施可能である。
1画素分に注目したタイミングチャートを図24に示す。ここではこれまで記載していなかった、ゲート信号線17bについても記載を行っている。ゲート信号線17bについては、初期化期間及び特性キャンセル、階調信号を駆動トランジスタに書き込みを行っている期間では必ず、接続されるスイッチが非導通状態である必要がある。しかし、その他の期間では、導通、非導通状態いずれであってもかまわない。これは本実施例のほかの実施の形態でも同様である。図24では、導通非導通を繰り返し実施している例を示している。
ソース信号線18は3選択駆動対応用に1水平走査期間の間に3画素分の信号を送っている。信号線選択回路により奇数行目の青画素に対応するソース信号線18bBの電圧変化は241に示す波形のようになる。
1行目に対応する階調信号の変化は242のタイミングで変化する。このときゲート信号線17bがオフ状態となっており、駆動トランジスタ11aのゲート端子に1行前の映像信号が書き込まれることが無いようになっている。ゲート信号線17aについては、図23のゲートドライバ回路12の構成によればオフとなっているが、オン状態であってもかまわない。ゲートドライバ回路12の構成を変更してオンとしてもよい。駆動トランジスタ11aのソース端子に1行前の電圧が印加されるが、初期化されているゲート端子には印加されることが無いためである。
時間2t以降でゲート信号線17c、17aが導通状態となり、駆動トランジスタ11aに階調電圧及び特性キャンセル動作が行われる。このとき、ソース信号線18bBは図26でもあったように、信号線選択回路232により各ソース信号線から切り離された状態となる。
ソース信号線の浮遊容量233により、ソースドライバから書き込まれた電圧が2水平走査期間の間保持される。保持された電圧値が画素に書き込まれ、所定電圧が書き込まれている。時間2t〜3tの間で、駆動トランジスタ11aのゲート電圧は書き込まれるソース電圧(Vsig)からしきい値電圧(Vth)分低下した電位に徐々に変化し、(Vsig−Vth)となる。時間3tで所定電圧に書き込まれた後、ゲート信号17bを導通状態にすることで所定電流がEL素子15に流れ、発光する。
図27はゲートドライバ回路12aをシフトレジスタ2系統で構成した場合の図である。これによればスタートパルスの個別設定にて、ゲート信号線17dに対してゲート信号線17a及び17cのパルス幅を異ならせて設定することが可能である。
図28にゲートドライバ回路12a1及び12a2の入力波形と、各ゲート信号線波形を示す。初期化用の信号を生成するゲートドライバ回路12a1について、初期化を行うためのパルスを生成する。初期化に要する時間はVrstを発生する電源能力によるが10μ秒程度で初期化が完了する。ゲート信号線17dがオン状態となるのは短い時間で実施している。
時間がかかる特性キャンセル期間と初期化期間は同時に実施することができないため、2水平走査期間内で初期化〜特性キャンセル、階調信号書き込みを実施するためには、初期化を短くすることが重要であるためである。
図27、図37の実施例では、1水平走査期間に2画素行を選択する方式であるが、本実施例はこれに限定するものではない。3画素行以上を同時に選択してもよい。3画素行以上を同時に選択する場合は、ソース信号線18の本数も増加させる。基本的には、1水平走査期間に同時に選択する画素行分の数量のソース信号線18を形成する。
また、同時に選択する画素行は、隣接していることに限定されない。2画素行単位でもよい。一例として、第1水平走査期間に、第1番目の画素行と第3番目の画素行を選択し、第2水平走査期間に、第2番目の画素行と第4番目の画素行を選択する駆動方式が例示される。
また、同時に選択する画素行は、映像信号電圧Vsigの書込みタイミングをずられてもよい。例えば、第1番目の画素行と第2番目の画素行を選択する場合、第1番目の画素行を選択した後、5μ秒後に第2番目の画素行を選択してもよい。選択タイミングを異ならせることにより、突入電流などを抑制することができる。また、選択回路1041を形成し、選択回路1041とタイミング調整を実施してもよい。
図28では赤色にソース出力が選択された期間のみで実施しているが、赤と緑色の選択期間もしくは赤色の選択期間の一部などであってもよい。最も当該行の映像信号が書き込まれるのが遅い青色のソース信号線18aBもしくは18bBにおいては青色の選択期間になるまで当該画素に対応する電圧がソース信号線18aBもしくは18bBに印加されていないため、特性キャンセル期間に移行することができない。
特性キャンセルができないことから、赤緑選択期間は初期化期間としても問題が無い。特性キャンセル及び階調信号書き込みであるが、ゲートドライバ回路12a2のシフトレジスタ回路により2水平走査期間選択できるパルスを生成し、初期化期間もしくは映像信号が書き込まれていない期間を除くように、奇数行偶数行別にイネーブル期間を設けるイネーブル信号を有する。
1行目の特性キャンセル及び階調信号書き込み期間は281で示される期間となる。281の期間の始めは、青画素書き込み終了後となっているが、青画素が信号線選択回路で選択され所定電圧にソース信号線18aBもしくは18bBが変化した後であれば、ゲート信号線17a及び17cをローレベルにしてもよい。281の期間の終わりは、次に同一のソース信号線に異なる行の画素に対応する電圧が印加される前に設定すればよい。信号線選択速度が速い場合には、書き込み終了後〜次の水平走査期間の最後まで特性キャンセル期間を設定することができ、駆動トランジスタ11aのしきい値電圧補正能力が高い表示が実現可能である。
なお、ゲート信号線17aについては、2水平走査期間すべてにおいてローレベルとしてもよい。トランジスタ11cが導通状態となっても、駆動トランジスタ11aのゲート電圧には影響がないためである。この場合、ゲート信号線17c用にはイネーブル信号を介してシフトレジスタ出力が入力され、ゲート信号線17a用にはイネーブル信号を介さずもしくは、別途のイネーブル信号を介してシフトレジスタ出力が入力される構成となる。
これまでは画素回路16に用いられるトランジスタはPチャンネルトランジスタで説明を行ってきたが、図29に示すNチャンネルトランジスタで構成してもよい。以上の事項は本実施例の他の画素構成においても同様である。
有機EL素子15については、アノードとカソードの向きが逆でかつ、Vss電位>Vdd電位という構成であってもよい。図29ではコンデンサ19bが形成されているが、コンデンサ19bがなくても本実施例を同様に実施することが可能である。以上の事項は本実施例の他の画素構成においても同様である。
なお、図29と図4とを比較すると、図4は、突き抜けコンデンサ19cがゲート信号線17aと駆動トランジスタ11aのゲート端子間に配置されているのに対して、図29では、突き抜けコンデンサ19cがゲート信号線17cと駆動トランジスタ11aのゲート端子間に配置されている。
コンデンサ19bが形成されていると、次に画素に映像信号が書き込まれるまでの1フレーム間電圧が保持されるため、a点の電位が保持される。あるいは、次にトランジスタ11cがオンし映像信号が画素16に書き込まれる時までa点に印加された(書き込まれた)電圧が保持される。
保持された電位を元にトランジスタ11bを導通状態とすれば階調信号に応じた信号で、駆動トランジスタ11aの特性バラツキをキャンセルすることが可能である。これが図30に示すキャンセル期間302となる。
このキャンセル期間(オフセットキャンセル期間)は水平走査期間の長さによらずゲートドライバ回路12の構成によって任意に設定することが可能である。映像信号の書き込みと駆動トランジスタ11aの初期化は、キャンセル期間302の前に実施される(期間301)。トランジスタ11fと11cのみ導通状態である。これでVrst電源により駆動トランジスタ11aのゲート電位を初期化し、同時にソース信号線18からコンデンサ19bに所定電圧の書き込みを行っている。
コンデンサ19bに所定階調電圧を保持することから、ソース信号線18は1本で、1水平走査期間のみトランジスタ11cをオンさせるだけでよい。ソース信号線18を2本用意する方法でソース信号線18の浮遊容量とコンデンサ19bの両方で階調電圧を保持する方法をとってもよい。この場合、コンデンサ19bは小さくすることができる。
オフセットキャンセルが完了したら、EL素子15に電流を印加して所定輝度による発光を得る。この期間が発光期間304である。このときトランジスタ11dと11eが導通状態となりEL素子15に電流を供給する。
前後にある非発光期間303は、黒挿入を行い動画視認性向上等の効果を得る際に挿入される期間である。黒挿入はduty駆動であり、図12、図13、図84、図98、図99などを用いて説明を行っている。このときは少なくともトランジスタ11dもしくは11eのいずれか一方が非導通状態になっている。また、常時点灯状態にして黒挿入を行わない場合には、期間303はなくても差し支えない。
なお、本実施例における切り替え部141及び信号線選択回路232は必ずしもアレイ基板上に形成する必要が無く、ソースドライバICに内蔵される構成であってもよい。
本実施例において、同一列に形成された画素に接続されるソース信号線は2本である例で説明をおこなったが、3本以上の複数のソース信号線であっても同様に実施が可能である。一般にN本のソース信号線を用意し、N画素おきにソース信号線を接続すれば、N水平走査期間の間ソース信号線は階調電圧を保持することが可能となり、特性キャンセル期間を長く取ることができる。キャンセル期間を確保することにより、より駆動トランジスタ11aの特性に近づいたゲート電圧を画素回路で保持することができるようになり、表示ムラが改善する。また、複数の画素行を同時に選択してもよい。
N本のソース信号線について、少なくとも隣接画素間で異なるソース信号線に画素回路を接続しておけば、2水平走査期間の間ソース信号線に階調信号が保持されることから、同様に特性キャンセル期間を拡大することができ、表示ムラが少ないEL表示装置を得ることができる。
図31は、駆動トランジスタ11aのゲート端子の電圧を初期化するための電源(リセット電圧Vrst)を、電圧源から電流源に変更した回路である。図32に図31の回路構成におけるゲート信号線の波形を示す。図31の回路構成において、1画素での動作は、1フレームの間に、書き込み期間321、発光期間324、非発光期間323に分けられる。非発光期間323は、黒挿入(duty駆動:間欠表示駆動)を行って動作視認性を向上させる場合などに用いられる。本発明の実施例においては、非発光期間323は、あってもなくてもよい。特性バラツキの補償能力向上を同様に実現できる。
書き込み期間321において、トランジスタ11b、11c、11fが導通状態となる。これによりソース信号線18の電圧が駆動トランジスタ11aのソース端子に印加される。駆動トランジスタ11aのゲートとドレイン端子はトランジスタ11bにより同電位となり、電流源312により供給される電流が駆動トランジスタ11aのドレイン電流となるようなゲート、ドレイン電圧となる。
したがって、書き込み期間321において、トランジスタ11aのゲート電圧は、ソース信号線18の電圧が映像信号電圧Vsigであったとすると、(Vsig−Vt1)となる。ここでVt1は、駆動トランジスタ11aに電流源312の電流(Irst)を流したときのソースドレイン間電圧であり、駆動トランジスタ11aの特性により異なる電圧値となる。
リセット電流Irstが駆動トランジスタ11aつまりEL素子15に流れるときには、特性バラツキを補正した電圧が駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加され、表示ムラのないEL表示装置が実現できる。
従来の構成においては、Irst=0つまり黒表示時に完全に特性ばらつきを補正し、電流が増加するにつれ、補正ができない移動度ばらつきに起因する電流ばらつきが発生し、高階調ほど表示ムラが発生しやすい状況であった。
表示ムラは輝度が低いほど視認しにくく、中間調〜高階調では視認しやすい性質があり、階調0に相当する電流で特性補正を行うよりも、視認しやすい中間〜高階調での補正が望ましい。初期化用の電流源の出力電流Irstの電流値を中間〜高階調に設定すれば、視認されやすい階調での表示ムラを優先してなくせる。また、視認しにくい階調では、移動度ばらつきがおこる構成であっても見えにくいことを利用し、全階調領域における表示ムラレベルの向上を実現できる。本実施例は、駆動トランジスタの特性バラツキのキャンセル動作中に電流Irstを流し、特性キャンセルがもっともよく行われる電流領域を変更させることができるようにしたことが特徴である。
図33の回路は、図31の構成に対して、さらに初期化用の電圧源(リセット電圧Vrstを出力)331及び電圧源331と電流源312の切り替えを行う切り替え部333を有することが特徴である。これは、電流源312によりトランジスタ11aの電圧を変化させる場合に、1フレーム前に黒表示をした画素であると、駆動トランジスタ11aに流れる電流がIrstに変化するまでに時間がかかる。そのため、書き込み期間321内に駆動トランジスタ11aのゲート電圧がVsig−Vt1になりにくい問題を解消するためである。
駆動トランジスタ11aのドレイン電流が多いほど、書き込み期間321における駆動トランジスタ11aのゲート電圧を変化させやすい。電流が多く流れるほど、保持用コンデンサ19aの電荷の充放電速度が速くなるため、ゲート電圧が変化しやすくなる。
そこで、ゲート電圧の変化速度向上を目的として、電圧源331を用意し、書き込み期間321の初期に、電流源312に変わり、低電圧(白表示ほど低電圧の図33の回路構成の場合)の電圧を駆動トランジスタ11aに供給することで、書き込み期間321の初期に駆動トランジスタ11aのドレイン電流が多くなるようにして、残りの期間での、リセット電流源312によるキャンセル動作を高速化するようにした。
図34に図33の回路構成におけるゲート信号及び切り替え手段の動作を示した。書き込み期間321のうち電圧源が供給される期間341において、駆動トランジスタ11aのゲート電圧はVrstとなる。
リセット電圧Vrstは低い電圧であるほど、切り替え手段333により電流源312に切り替えた際のゲート電圧の変化を高速化させるが、低下くしすぎると、所定階調とのゲート電位の差が大きくなりすぎ、所定値まで電圧が変化しきれない可能性がある。
したがって、リセット電圧Vrstは、(白表示時の電圧)〜(白表示時の電圧−5(V))程度が好ましい。続く342の期間において、電流源312と書き込まれるソース信号線電圧Vsigに基づいてゲート電圧がVsig−Vt1に変化する。
この時、図32の構成に比べて、トランジスタ11aのドレイン電流が多く、蓄積コンデンサ19の電荷の充放電速度が高速化されることから、Vsig−Vt1までに変化する速度は、電圧印加期間341を含めても高速化され、より短時間での特性補正が可能となる。
図35はゲート信号線をトランジスタ11eと11dで個別制御にした回路構成を示している。1画素において、1フレームは、リセット期間361、映像信号書き込みと特性キャンセル期間362、非発光期間363、発光期間364からなる。
駆動トランジスタ11aの初期化(リセット)を行う電源が、電圧源331、電流源312の2つがあり、電圧源331が印加されるリセット期間を365、電流源312が印加されるリセット期間を366とする。
なお、リセット期間361は電流源312から出力される電流を元に駆動トランジスタ11aを初期化し、かつ同一列で同一のリセット線311を利用して画素にリセット電圧及び電流を書き込むことから、1水平走査期間以内で実施する必要がある。
映像信号書き込みと特性キャンセル期間362は、同一列で同一のソース信号線18から映像信号に対応する電圧が供給されることから、1水平走査期間以内で実施する必要がある。リセット及び特性キャンセルに時間がかからない場合においては、リセット期間361と映像信号書き込みと特性キャンセル期間362を1水平走査期間内に実施してもよい。
本実施例の方式においては、駆動トランジスタ11aのゲート電圧の初期化を、電圧源331ばかりでなく、電流源312を用いて実施することが特徴である。
図36に示すようにリセット期間361のうちの期間365において、従来と同様に電圧源331により駆動トランジスタ11aのゲート電圧をVrstに初期化する。このときゲート信号線17e及び17cによりトランジスタ11e及び11bについては、オンでもオフでも構わない。しかし、Vdd電源からVrst電源に駆動トランジスタ11aの特性により貫通電流が流れることを防止する観点から少なくとも一方のトランジスタについてはオフにすることが好ましい。
本実施例ではリセット期間361の間にさらに期間366を設け、切り替え手段333の接続を切り替え、電流源312により駆動トランジスタ11aの初期化を行う。電流源312の電流が駆動トランジスタ11aのドレイン電流となるように、トランジスタ11f、11b、11eをオン状態とする。
電流源312の電流値は、期間366において、駆動トランジスタ11aのゲート電圧が電圧源331のVrst付近になるような電圧に設定することが好ましい。駆動用トランジス11aの特性バラツキがあるため、EL表示装置に形成された画素の平均電圧がVrstであってもよい。期間366により駆動トランジスタ11aのゲート電圧はVrst+ΔV1に変化する。ここでΔV1は電流源312の電流(Irst)を流したときのゲート電圧ばらつきに相当する。
映像信号書き込みと特性キャンセル期間362においてソース信号線18から映像信号が入力され、トランジスタ11bがオン状態であり、トランジスタ11fがオフ状態であることで、駆動トランジスタ11aのゲート電圧は映像信号電圧をVsigとするとVsig−Vth(Vthはしきい値(閾値)電圧)となるまで変化する。Vsig−Vthとなるのは、特性キャンセル期間が十分長い時間である場合であって、1水平走査期間で362の期間を終わらせる必要があることから、特性キャンセル期間は40μ秒程度しか取れない。
そのためゲート電圧は期間366が存在しない図41の構成であれば、(Vsig−Vth−ΔV2)までしか変化できない。ΔV2分の電位変化が不足となる。そのためΔV2に相当する分だけたくさん駆動トランジスタ11aのドレイン電流ΔI2が流れる。ΔI2は、駆動トランジスタ11aの特性バラツキによってばらつく。この影響でEL素子15に流れる電流にバラツキが発生し、表示ムラが発生する。
期間366が存在すると、期間361の終わりの電位がΔV1だけずれるため、期間362の終了時のゲート電圧は(Vsig−Vth−ΔV2+ΔV1)となる。電流源により一定電流を印加した結果トランジスタ11aのゲート電圧がΔV1だけずれていることから、ΔV2に対するΔI2が大きい駆動トランジスタ11aの場合(よく電流を流すトランジスタ)には、ΔV1は大きくなり、ΔV2に対するΔI2が小さい駆動トランジスタ11aの場合には、ΔV1は小さくなる(負の値を含む)。
表示ムラにおいてたくさん電流が流れる画素(ΔV2に対するΔI2が大きい)では、ΔV1が大きくなり、ゲート電圧が上昇する。少ない電流の画素ではΔV1が小さくなることからゲート電圧が下降する。電流が流れやすい画素では11aのゲート電圧が上昇し電流が流れに食うなり、電流が流れにくい画素ではゲート電圧が低下することで電流が流れるようになることから、画素ごとの電流量の差が小さくなる方向となり、表示ムラを改善することが可能となる。
図40に異なる電流−電圧特性を持つ駆動トランジスタ11aに対する、リセット期間361を電圧源のみで実現した場合(a)と、電流源を用いて実現した場合(b)の映像信号書き込みと特性キャンセル期間362終了後の電流値の違いを示す。
図40(a)では電圧源のみで駆動トランジスタ11aの初期化を行っているため、401と402の特性を示す2つの画素の駆動トランジスタ11aにおいて、ゲート電圧がVrstとなるが、そのときの電流値はIrst1、Irst2と異なる値となる。
401の特性では点403a、402の特性では点403bである。次に映像信号書き込みと特性キャンセル期間362において、駆動トランジスタ11aのソース電位に映像信号が書き込まれ、ゲート電位はしきい値キャンセル動作によりソース電位からしきい値電圧分下がった点まで変化しようとする。一例として変化に要する時間は100μ秒程度かかる、したがって、1水平走査期間では、十分にキャンセル電圧406にまで変化せず、405に示す点までの変化となる。
電圧変化量は流れる電流と浮遊容量により決められ、電圧変化量ΔV=i・T/C(ここで、i:流れる電流、T:キャンセル期間362の長さ、C:浮遊容量)であらわされ、403a点の方が、403b点に比べて電流が多いことから、曲線401で示されるトランジスタの方は電位変化量が大きく、V2まで電圧が変化する。
曲線402では、点403bでの電流が少ないため変化量が少なくなり、V1までしか電圧が変化しない。点405a及び405bでのドレイン電流がI2とI1で異なり、この差が表示ムラとして視認される可能性がある。
一方で電流源を用いてリセットを実施した場合には、図40(b)に示すように、リセット期間361の終了時には、ドレイン電流がIrst、ゲート電圧が曲線401と402で異なり、Vrst1、Vrst2となる。(点404a、404b)次に映像信号書き込みと特性キャンセル期間362においてキャンセルを行うと、流れる電流はIrstと同じで、浮遊容量にばらつきがなく、キャンセル時間は同一パネルであることから同一に設定できるため、ΔVは曲線401、402とも同一となり、それぞれ同一電位だけシフトしたV1及びV2の電圧となる。(点405c、405d)このときのドレイン電流はいずれもI1となり、駆動トランジスタ11aの特性に違いがあったとしても特性キャンセル期間362終了後の書き込まれた電流値が同一となり、表示ムラがなくなる構成を実現できる。
リセット期間で、一定電流により駆動トランジスタ11aのゲート電圧を個別に設定することで、キャンセル期間が短いことにより駆動トランジスタ11aのゲート電圧が完全に特性キャンセルされた電圧とずれたとしても、電流ばらつきが小さい構成を実現することができる。
期間365はなく、期間366の電流源のみでのリセットをおこなってもよいが、電流源312によりVrst電圧付近までゲート電圧を変化させるのに時間がかかることから、あらかじめ電圧源331によりVrst付近まで電圧を変化させてから電流源312によるリセットを行うことが好ましい。リセット期間361が長く、電流源312のみでVrst+ΔV1まで電圧が変化できるのであれば、電圧源331、切り替え手段333、期間365はなくてもよい。
図35の画素回路構成のEL表示装置は、同一列の画素に対して複数のソース信号線を用意し、ソース信号線方向に隣接する画素で、異なるソース信号線から映像信号を書き込むようにすることで、書き込み時間を長くする構成と組み合わせて実施することも可能である。例えば、2本のソース信号線を用意した場合の回路を図37に示す。
ソース信号線18を2本用意すれば、図14、図16、図19などで説明したように、ソース信号線18に印加される階調信号は2水平走査期間ごとに変化することから、映像信号書き込みと特性キャンセル期間362を最大2水平走査期間まで拡大させることが可能となる。例えば、図38に示すような駆動波形を実現することができる。期間362が拡大することで駆動トランジスタ11aのゲート電圧を変化させる時間を長く取ることができ、誤差ΔV2の絶対値を小さくすることができ、より正確にキャンセルを行うことが可能となる。
図37の構成でリセット線311は1列分の画素に1本であるが、ソース信号線18と同様に複数本(例えば2本)を形成すれば、リセット期間361についても最大2水平走査期間に拡大することができ、リセット電圧もより駆動トランジスタ11aの特性に応じた電圧にすることが可能となる。
図37の構成や、図35の構成において、リセット線311に切り替え手段333を介して電流源312、電圧源331が接続されているが、電圧源311がなくても、1水平走査期間以内に、電流源312によって、所定の初期化電位になるまで、駆動トランジスタ11aのゲート電圧を変化させることができれば、電流源のみでリセット期間361を構成することができる。この時、図39に示すような1フレーム期間の動作となる。
駆動トランジスタ11aのゲート電圧はVrst+ΔV1に収束する。電圧源331を併用した場合でも図36、図38に示すようにVrst+ΔV1と同一値であり、初期化の効果はかわらず同等であるため、電流源のみの構成でもよい。
以上のように、図40などでも説明したように、駆動トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合、ゲート端子電圧が高くなるほどチャンネルを流れる電流が減少する。図49ではその関係を図示している。図49は、横軸を駆動トランジスタ11aのゲート端子電圧を示す。右側が正である。上のグラフの縦軸は、駆動トランジスタ11aのチャンネル間(ソース−ドレイン端子間)に流れる電流を示す。上が正である。下のグラフの縦軸は、経過時間を示す。上が正である。
上図において、リセット電圧Vraが駆動トランジスタ11aに印加され、トランジスタ11bがクローズしてオフセット動作が開始すると、駆動トランジスタ11aのドレイン電流は低下していく。リセット電圧Veaが印加された最初に流れる電流は、Iiaであるが、時間の経過と共に電流が減少し、ある設定階調(第1階調と呼ぶ)の電圧Veaで流れる電流はIea、他のある設定階調(第2階調と呼ぶ)の電圧Vecで流れる電流はIecとする。
下図は、ゲート端子電圧と、経過時間を示す。リセット電圧VraからVeaまでに必要とする時間は、taである。しかし、リセット電圧VraからVecまでに達するのに必要な電圧は、一点破線で示すように非常に時間がかかる。したがって、駆動トランジスタ11aのゲート端子電圧がVecになるまでには非常に長いオフセット時間を必要とする。
リセット電圧VrstがVrbであれば、下図の点線のカーブでゲート電圧は変化する。チェンネルに流れる電流はIrbから時間経過と共に低下する。ゲート端子電圧が、Veaに到達する時間は、tbであり、Vecに到達する時間は、tcである。
リセット電圧Vrst=Vrbであれば、経過時間tcで、ゲート端子電圧Vecとなり、電流はIecとなる。したがって、下図の実線のように、電流Iecに達する時間は、非常に長時間となることはなく、比較的短時間に目標値Iecに到達する。
図49の関係から、第1階調と第2階調で、リセット電圧Vrstを可変することにより、規定の経過時間(オフセットキャンセル時間)に、目標値の電流がEL素子15に流れるように設定することができる。
図50に図示するように、階調電圧(駆動トランジスタ11aに印加する電圧)とリセット電圧Vrstと適正な関係がある。
図50は、横軸は電圧(駆動トランジスタ11aに印加する電圧)であり、縦軸は、階調番号である。図50では、駆動トランジスタ11aとPチャンネルトランジスタとしている。したがって、階調が大きい方が、駆動トランジスタ11aのゲート端子電圧が低く、階調が小さい方が、駆動トランジスタ11aのゲート端子電圧は高い(アノード電圧に近い)。
図50では、駆動電圧(階調電圧、プログラム電圧)を点線で示す。リセット電圧Vrstは、階調電圧に対して一定値以下の電圧をリセット電圧として印加すればよい。実線にリセット電圧1として、図示している。階調1023では、リセット電圧Vrstは−2Vであり、階調511では、リセット電圧Vrstは約1.3Vである。
以上のリセット電圧1は、階調電圧(駆動電圧)に対して、一定電圧を下となる電圧印加する場合であるが、これに限定するものではない。例えば、図50の一点鎖線(リセット電圧2)のように階調に対して直線であってもよい。その他、リセット電圧は、階調に対して非線形であってもよいし、ステップ状であってもよい。
また、図51に図示するように、階調に対してリセット電圧(実線)を非線形の関係にしてもよい。階調が大きいほど、リセット電圧を低くし、階調が小さいほど、駆動電圧とリセット電圧Vrstとの差を小さくしてもよい。
図51にように、リセット電圧Vrstを設定するのは、高階調の領域では、オフセット時に駆動トランジスタ11aのチャンネルが大きく、リセット電圧Vrstと駆動電圧との絶対電圧が大きくても、十分にオフセットキャンセルできるからである。また、オフセット電圧に十分収束しなくとも階調表示に問題がないからである。
一方、図51にように、リセット電圧Vrstを設定するのは、高階調の領域では、オフセット時に駆動トランジスタ11aのチャンネルが大きく、リセット電圧Vrstと駆動電圧との絶対電圧が大きくても、十分にオフセットキャンセルできるからである。また、オフセット電圧に十分収束しなくとも階調表示に問題がないからである。
低階調の領域では、オフセット時に駆動トランジスタ11aのチャンネルが小さく、リセット電圧Vrstと駆動電圧との絶対電圧を小さくしなくては、オフセットキャンセルが十分できないからである。
以上のように、本実施例は、階調電圧に対応させてリセット電圧Vrstを変化させるのが本実施例の1つの技術的思想である。つまり、映像信号電圧に対応させてリセット電圧Vrstを変化させるのが本実施例の技術的思想である。対応させてリセット電圧Vrstを変化させるとは、少なくとも任意の第1の階調と任意の第2の階調とで、リセット電圧Vrstを変化あるいは異ならせることである。図42などで説明する駆動方式は、以上の効果、方式を適用したものある。
以下、図42を参照しながら、本発明の他の実施例ついて説明する。図42の駆動トランジスタ11aと駆動トランジスタ11aのソース端子間にコンデンサ19bが配置又は形成されていることである。コンデンサ19bは、リセット電圧Vrstが印加される配線とソース信号線17からの映像信号Vsigが印加される配線とに接続される。又は形成される。コンデンサ19bの容量は、保持用コンデンサ19aの容量の50%以上150%以下に形成される。
以下の説明では、理解を容易にするため、保持用コンデンサ19aの容量がコンデンサ19bに比較して非常に大きいとし、コンデンサ19bのa端子の電圧の変化が、b端子にそのまま変化するとして説明をする(現実の構成ではないが、理解を容易にするためである)。例えば、a点の電位が、5Vから3Vに変化すると、b点の電位が5−3=2V変化するものとする。
コンデンサ19bの機能は、リセット電圧Vrstの電位を映像信号電圧Vsigで変動させる機能を有する。したがって、コンデンサ19bの配置位置(形成位置)は、一端子にリセット電圧Vrstが印加される配線あるいはリセット電圧Vrstが伝達される配線接続され、他方が、映像信号電圧Vsigがいんかされる配線あるいは映像信号電圧Vsigが伝達される配線に接続され、かつ、コンデンサ19bに前記映像信号電圧Vsigとリセット電圧Vrstが印加されることにより、その相互作用により発生した電圧を駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加あるいは保持される電圧又は電位に作用するものである。
図43は、図42の画素構成の動作を説明するための説明図である。図42などにおいて、電流経路は、点線で示しており、各スイッチトランジスタ11は、スイッチで図示している。スイッチがオープンの時、トランジスタ11がオフ状態を示し、スイッチがクローズの時、トランジスタ11がオン状態を示す。また、図44は、図43の動作をタイミングチャートに図示したものである。但し、本明細書において、タイミングチャートは模式的に図示している。このことは本発明の他の実施例においても同様である。
図43(a)はEL素子15に電流が供給され、EL素子15が発光(点灯)している状態である。
図43(b)からが電圧プログラム(画素16のEL素子15に流れる電流を書き換える動作あるいは期間)の動作である。まず、スイッチトランジスタ11fがオンすることにより、リセット電圧Vrstが駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加される。リセット電圧Vrstは、−2V以上3V以下の電圧であることが好ましい。
スイッチトランジスタ11fがオンすることにより、図44の1tからat期間にリセット電圧Vrstが印加される。リセット電圧Vrstが印加されている期間は、スイッチトランジスタ11b、11e、11c、11dはオフ状態である。
次に図43(c)に示すように、スイッチトランジスタ11cをオンさせる。スイッチトランジスタ11cのオンにより、図42のa点に映像信号電圧Vsigが印加される。一例として、映像信号電圧Vsigは、0V以上5V以下の電圧である。映像信号電圧Vsigは、映像信号により変化する。
以上の動作より、図42のb点にリセット電圧Vrstが印加され、次に、a点に映像信号電圧Vsigが印加される。Vsig電圧は、理想的には保持用コンデンサ19aと19bで分圧される。分圧される割合は、保持用コンデンサ19aとコンデンサ19bの容量比で決まる。
説明を容易にするため、リセット電圧Vrstを−1Vとし、映像信号電圧の1V又は4Vとする。また、1Vは、EL素子15に最大の電流(白表示電流)を流す電圧と仮定し、4Vは、EL素子15に電流を流さない電流(黒表示電流)であると仮定する。また、アノード電圧Vddは、5Vであるとする。
今、映像信号電圧Vsigを1Vとすると、図43(b)では、a点に1Vが印加され、b点には−1Vが印加されている。a点に1Vが印加される以前は、図43(a)の状態であるから、a点には、5Vが印加されている。
以上の状態で、a点に印加される電圧が、Vsig電圧により、5Vから1Vに変化する。a点の電位が5Vから1Vに変化することにより(電圧変化5−1=4V)、b点の電位も4V変化する(保持用コンデンサ19aの容量が、コンデンサ19bの容量に比較して非常に大きいとする)。したがって、b点の電位は、−1Vから−5V(−1V+(−4)V)に変化する。以上の動作により、映像信号電圧Vsigが1Vの時は、駆動トランジスタ11aのゲート端子電圧(b点)の電位は、−5Vとなる。
映像信号電圧Vsigを4Vとすると、図43(b)では、a点に4Vが印加され、b点には−1Vが印加されている。a点に4Vが印加される以前は、図43(a)の状態であるから、a点には、5Vが印加されている。
以上の状態で、a点に印加される電圧が、Vsig電圧により、5Vから4Vに変化する。a点の電位が5Vから4Vに変化することにより(電圧変化5−4=1V)、b点の電位も1V変化する(保持用コンデンサ19aの容量が、コンデンサ19bの容量に比較して非常に大きいとする)。したがって、b点の電位は、−1Vから−2V(−1V+(−1)V)に変化する。以上の動作により、映像信号電圧Vsigが4Vの時は、駆動トランジスタ11aのゲート端子電圧(b点)の電位は、−2Vとなる。
映像信号電圧Vsigが1Vの時は、駆動トランジスタ11aのゲート端子電圧(b点)の電位は、−5Vとなる。したがって、映像信号電圧Vsigとリセット電圧Vrstとの電位差は、1−(−5)=6Vである。
映像信号電圧Vsigが4Vの時は、駆動トランジスタ11aのゲート端子電圧(b点)の電位は、−2Vとなる。したがって、映像信号電圧Vsigとリセット電圧Vrstとの電位差は、4−(−2)=6Vである。
つまり、映像信号電圧Vsig=1Vでは、リセット電圧Vrst=−5Vからオフセットキャンセル動作が開始する(図43(d))。映像信号電圧Vsig=4Vでは、リセット電圧Vrst=−2Vからオフセットキャンセル動作が開始する(図43(d))。
以上のことから、図42の実施例では、映像信号に対応してリセット電圧Vrstが変化する。したがって、図50で説明した、映像信号電圧(駆動電圧)とリセット電圧1の関係が実現できていることになる。
図43(c)が上記の映像信号電圧Vsigで、オフセットキャンセルを開始するリセット電圧Vrstが決定される(設定される)。映像信号電圧Vsigの大きさに対応して初期(図43(b))に印加したリセット電圧Vrstが、変化するからである(図50)。
以上の実施例では、理解を容易にするため、あるいは説明を容易にするため、保持用コンデンサ19aの容量がコンデンサ19bの容量に比較して十分大きく、図42のa点に印加された電位が、b点に反映される、もしくは図42のb点に印加された電位が、a点に反映されることを前提として説明している。
しかし、実際には、b点に反映される(変化する)電圧は、保持用コンデンサ19a、19bの容量、駆動トランジスタ11aの寄生容量、他のスイッチング用トランジスタ11の寄生容量及びゲート信号線17などの突き抜け電圧などにより変化する。
したがって、本実施例はこれらの影響を考慮してコンデンサ19の容量、各スイッチング用トランジスタ11の動作を決定する。これらの事項などは本実施例の技術的思想を逸脱するものではない。なお、コンデンサ19bと19aの容量又は容量比をb点に設定する設定電圧に対応して決定する。
例えば、コンデンサ19には、絶縁膜の特性などにより、容量Cを印加電圧に対して非線形性を持たせることができる。したがって、適正にあるいは考慮してコンデンサ19などを形成することにより、図42の構成と駆動方式であっても、図51のように、駆動電圧Vsigに対してリセット電圧Vrstを変化(非線形)にすることが可能である。
また、図42(b)のリセット電圧Vrstを印加する際、スイッチトランジスタ11eをオフした状態で、リセット電圧Vrstを印加すれば、a点の電位が変化する。次の図42(c)で、映像信号電圧Vsigを印加すれば、a点が変化した後を基準にしてb点の電位が変化する。
以上のように、各トランジスタ11の制御タイミングを各状態に設定あるいは変更することにより多種多様な方式、a点b点などの電位制御を実現できる。
図43(c)を実施している期間が、図44のat〜bt期間である。リセット電圧Vrstを映像信号電圧Vsigの関係で変化する。
図43(d)がオフセットキャンセル期間である。スイッチトランジスタ11e、11d、11fがオープンに制御され、スイッチトランジスタ11c、11bがクローズに制御される。以上のスイッチトランジスタ11の設定により、映像信号電圧Vsigが駆動トランジスタ11aのチャンネル間を介して、駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加される。映像信号電圧Vsigに対する電流(ドレイン電流)は、図49に図示するように、リセット電圧Vrstを印加後、非線形カーブで低下する。1H以内(1水平走査期間、図44のbt〜2t)の間、オフセットキャンセルされる。
図43(e)がEL素子15の発光期間である(図44の2t〜4t、5t〜)。スイッチトランジスタ11c、11b、11fがオフ(オープン)され、スイッチトランジスタ11e、11dがオン(クローズ)される。EL素子15には、アノード電圧源Vddから、スイッチトランジスタ11e、駆動トランジスタ11a、スイッチトランジスタ11dを介してEL素子15に電流が供給される。
図43(f)の表示期間の動作であるが、EL素子15の消灯期間である(図44の4t〜5t)。スイッチトランジスタ11d又は11eのうち、少なくとも一方をオン/オフ制御することにより、図12、図13、図84、図98、図99などで説明する画像表示を実現できる(黒挿入駆動、duty駆動)。
表示期間は、図43(e)、図43(f)の駆動方法を実施する。スイッチトランジスタ11d又は11eのうち、表示する画像が動画あるいは静止画あるいは中間動画の種類を自動判別し、少なくとも一方をオン/オフする期間、タイミングを制御することにより、動画/静止画に対応する適切な画像表示を実現できる。
図45は、図43で説明した本実施例の駆動方法の他の実施例である。図45の駆動方法では、図43(d)の期間が2つの期間(図45(d1)(d2))に分かれる。
図45の駆動方法は、駆動トランジスタ11aのモビリティバラツキを補正するものである。図43の駆動方法は、Vtバラツキのみを主として補正する駆動方法である。
図45(d)の期間では、スイッチトランジスタ11eがオフ状態である(図45(d1)と同一)が、図45(d2)は、スイッチトランジスタ11eをオン状態にしている。したがって、図45(d2)に図示するように、点線の経路で電流が流れる。
図43(e)では、スイッチトランジスタ11eはオンであるが、スイッチトランジスタ11bがオフである。つまり、図45(d2)は、図43(e)期間前に、スイッチトランジスタ11bをオンした状態で、短期間、スイッチトランジスタ11eをオンさせた駆動方法である。もしくは、スイッチトランジスタ11eをオンする際、短時間の間、スイッチトランジスタ11bのオン状態を継続する駆動方式である。
短時間とは、0.05μ秒以上5μ秒以下の時間である。前記短時間は、画素に印加する映像信号電圧Vsigに対応させて変化させることが好ましい。また、点灯率に対応させて変化させることが好ましい。この変化は、線形、非線形に対応させることを含むほか、ステップ状(例えば、点灯率50%以上では、短時間とは0.1μ秒、点灯率50%未満では、2μ秒)に対応させてもよい。
スイッチトランジスタ11bのオン抵抗を高くすることにより、図45(d2)の期間を長くでき、モビリティ補正を安定に実施できるようになる。オン抵抗を高くするには、オン電圧(VGL)を高くすればよい。好ましくは、パネル個々に調整できるように構成しておく。調整は、図60などで説明する電源回路12を用いることにより容易に実現できる。オン抵抗を調整する、あるいは設定することにより、図45(d2)の時間を一定時間に固定できるようになる。以上の事項は、図48の実施例においても同様である。
図78、図79、図98、図99に図示するように、点灯率に相関させて、duty比を制御あるいは変化させてことが好ましい。ピーク電流を抑制し、消費電力を平均化することができるからである。点灯率が高いときは、duty比を低下(小さく)する。したがって、ピーク電流を抑制できる。
1水平走査期間(1H)に対するオン時間比率(%)(以下、オン比率と呼ぶ)は、図45(d2)の期間である。オン時間とは、スイッチトランジスタ11bのオン時間(クローズ時間)を意味する。1Hが、20μ秒とすれば、10%とは、2μ秒となる。
オン比率が長いほど、駆動トランジスタ11aのモビリティの補正効果が高くなる。しかし、コンデンサ19の電荷が放電され、駆動トランジスタ11aのゲート端子電位が高く(アノード電圧側)の変化し、EL素子15に流れる電流が変化してしまう。
オン比率が短いほど、駆動トランジスタ11aのモビリティの補正効果が低くなる。しかし、コンデンサ19の電荷は保持され、駆動トランジスタ11aのゲート端子電位もオフセットキャンセル後(図45(d1))の状態から変化しない。
オフセットキャンセル駆動では、黒の階調(低階調)は、オフセットキャンセルされ、駆動トランジスタ11aの特性バラツキは目立ちにくい。しかし、白の階調(高階調)では、オフセットキャンセル点から離れているため、駆動トランジスタ11aの特性ばらつきが目立ちやすい。この特性バラツキはモビリティによるものである。モビリティの補正は、図45(d2)を実施することにより、補正される。
以上のことから、低階調領域では、あまり図45(d2)の実施する必要はない、しかし、高階調領域では、図45(d2)の実施することにより、駆動トランジスタ11aの特性バラツキを補正できる。図45(d2)の特性ばらつきの補正効果は、オン比率を変化させることにより変化する。オン比率が長いほど、高階調の補正効果が高い。短いほど、高階調の補正効果は小さくなる。低階調では、図45(d2)の実施はあまり必要ではない。
点灯率が低い場合は、低階調表示の画素が多い。点灯率が高い場合は、高階調表示の画素が多い。したがって、オン比率は、図78の下図の点線で示すように実施することが好ましい。つまり、低点灯率では、オン比率は0(図45(d2)は実施しない)とし、高点灯率になるにしたがって、オン比率を大きくする。すまり、図45(d2)の実施期間が長くなる。
しかし、点灯率が低い時は、低階調表示の画素が多いというのは、統計的なものであり、実際と異なることがある。また、点灯率が高い場合は、高調表示の画素が多いというのも統計的なものである。実際には表示パターン、映像信号の種類により異なる。したがって、表示パターン、入力される映像信号の種類(PC映像、AV映像など)などにより、オン比率を可変できるように構成しておくことが好ましい。
図78の下図の実線はその実施例である。点灯率が20%の時を、オン比率最大とし、点灯率が高くとも低くともオン比率を低下させている。
なお、図78の実施例において、オン比率と点灯率の関係で説明したがこれに限定するものではない。オン比率は、比率ではなく、時間(例えば、2μ秒など)の指定としてもよい。また、点灯率は、各階調のヒストグラムに置き換えてもよい。あるいは点灯率は消費電力に置き換えても良い。また、表示領域31に流れる電流に置き換えても良い。
図79に図示するように、使用階調数を点灯率に相関させて変化させてもよい。図79において、ソースドライバIC14はRGB10bit(1024階調)である。使用する階調数を点灯率に対応させて変化させている。例えば、使用階調が1024とは、1階調目から1024階調目まで使用して画像を表示できることを意味し、使用階調256とは、1階調目から256階調目まで使用して画像を表示できることを意味する(257階調目から1024階調目までは使用できない。なお、図99も参照のこと)。
使用階調数は、EL素子15に流す電流に影響する。使用階調数が1024で、1024階調を使用すると最大電流をEL素子15に流すことができる。使用階調が525階調では、最大階調の525を指定しても、1024階調の1/2の輝度しか得られない(但し、理解を容易にするため、ガンマカーブがリニアとしている)。
図79の実線の実施例では、点灯率25%以下で、1024階調までの階調を使用して画像を表示することができる。点灯率100%では、256階調までしか使用して画像を表示できない。点灯率25%以上100%以下は1024階調から256階調までの範囲で、かつ点灯率に比例して階調表示を実現できる。
点灯率に対応した使用階調数は、点灯率を求め、入力された映像信号を点灯率あるいはこれに類するデータで乗算して求める。
図78において、変化点であるa点は可変できるように構成しておくことが好ましい。可変点は、EEPROMに格納できるように構成する。また、b点についても同様である。また、図79のd点及びe点に関しても同様である。また、各直線及び曲線は、多数の折れ点ポイントを設けてもよいことは言うまでもない。
以上の実施例では、説明を容易にするため映像信号のガンマカーブは直線であるとして説明あるいは図示した。しかし、実際にはガンマカーブは、2乗あるいは2.2乗カーブあるいはこの近傍のカーブである。
例えば、1024階調目を1.0の明るさとし、ガンマが2乗特性カーブであれば、0.75の明るさは887階調目、0.50の明るさは724階調目、0.25の明るさは512階調目である。ガンマが2.2乗特性カーブであれば、0.75の明るさは898階調目、0.50の明るさは747階調目、0.25の明るさは545階調目である。したがって、実際には、以上の明るさ(輝度、照度)を基準として制御する階調あるいは設定する階調を決定すべきである。
この短時間を調整することあるいは設定することにより、駆動トランジスタ11aのモビリティばらつきを一定量、補償できる。短時間は、パネルの駆動トランジスタ11aの特性に適合させて設定することが好ましい。
本発明の表示パネルでは、EL素子15の電流経路に流れる電流を制御するスイッチトランジスタ11d、ソースドライバIC14が出力する映像信号電圧Vsig、リセット電圧Vrstの大きさ、図108、図109のガンマ回路、キャンセル電圧Vrの大きさ/印加時間を制御あるいは設定することにより、前述の点灯率制御、duty制御、最大使用階調数制御を容易に実現することができる。また、その実現の際、図61などの電源回路による各電圧の制御あるいは可変、図98、図99の温度あるいは外光あるいは点灯率に対応したカソード(アノード)電圧制御あるいは可変と組み合わせることにより更に特徴ある効果を発揮することができる。
図43、図45の実施例では、オフセットキャンセル期間は、図44のbt〜2tの1H以下の期間としたが、本実施例はこれに限定するものではない。図43(d)において、スイッチトランジスタ11cをオフし、スイッチトランジスタ11bをオン状態(他のスイッチトランジスタ11e、11f、11dはオフ)にして、1H期間以上(図44の2t以降の期間)保持してもよい。スイッチトランジスタ11cをオフしてもa点に映像信号電圧Vsigが保持されているため、オフセットキャンセル状態が持続するからである。したがって、オフセットキャンセル時間が不足することはなくなる。以上の図43(d)において、スイッチトランジスタ11cをオフし、スイッチトランジスタ11bをオン状態(他のスイッチトランジスタ11e、11f、11dはオフ)にする状態の期間は、画素16に印加する映像信号電圧Vsigの大きさに対応して変化させることが好ましい。
他の構成は、図1などと同様であるので説明を省略する。なお、図42の構成においても、ソースドライバIC14の出力端に3選択回路を配置してもよいことは言うまでもない。
以上の事項は本発明の他の実施例においても同様である。
図46は、図42の変更例である。図42との際は、図1と同様にコンデンサ11cが付加された点である。基本的には、コンデンサ11cの機能は、図1の機能及び仕様と同様である。
図47は、図46の画素構成の動作を説明するための説明図である。図47などにおいても図43を同様に、電流経路は、点線で示しており、各スイッチトランジスタ11は、スイッチで図示している。スイッチがオープンの時、トランジスタ11がオフ状態を示し、スイッチがクローズの時、トランジスタ11がオン状態を示す。
図47(a)はEL素子15に電流が供給され、EL素子15が発光(点灯)している状態である。
図47(b)では、スイッチトランジスタ11fがオンすることにより、リセット電圧Vrstが駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加される。リセット電圧Vrstは、−2V以上3V以下の電圧であることが好ましい。
スイッチトランジスタ11fがオンすることにより、駆動トランジスタ11aのゲート端子にリセット電圧Vrstが印加される。リセット電圧Vrstが印加されている期間は、スイッチトランジスタ11b、11e、11c、11dはオフ状態である。
次に図47(c)に示すように、スイッチトランジスタ11cをオンさせる。スイッチトランジスタ11cのオンにより、図42のa点に映像信号電圧Vsigが印加される。
以上の動作より、図42のb点にリセット電圧Vrstが印加され、次に、a点に映像信号電圧Vsigが印加される。Vsig電圧は、理想的には保持用コンデンサ19aと19bで分圧される。分圧される割合は、保持用コンデンサ19aとコンデンサ19bの容量比で決まる。
図47(c)の動作は、図43(c)の動作と同一である。また、図47(d)の動作は、図43(d)の動作と同様である。
図43の実施例との差異は、図47(e)の動作である。つまり、コンデンサ19cの一端子(図46のa点)に印加された電圧により、スイッチトランジスタ11cがオフした後も、映像信号電圧Vsigが駆動トランジスタ11aに供給され、オフセットキャンセル期間が持続する点である。したがって、コンデンサ19cの効果によりソースドライバIC14からの映像信号電圧Vsigの供給の有無にかかわらず、オフセットキャンセル期間が持続する。なお、図47(f)は、図43(e)と同一の動作である。
図46の実施例において、実際には、b点に反映される(変化する)電圧は、コンデンサ19a、19bの容量、駆動トランジスタ11aの寄生容量、他のスイッチング用トランジスタ11の寄生容量及びゲート信号線17などの突き抜け電圧などにより変化する。したがって、本実施例はこれらの影響を考慮してコンデンサ19の容量、各スイッチング用トランジスタ11の動作を決定する。これらの事項などは本実施例の技術的思想を逸脱するものではない。なお、コンデンサ19bと19aの容量又は容量比をb点に設定する設定電圧に対応して決定する。この点も図42の実施例と同様である。また、図51のように、駆動電圧Vsigに対してリセット電圧Vrstを変化(非線形)にすることが可能である。
図48は、図46の実施例に対して、図45で説明した本実施例の駆動方法の他の実施例である。図48の駆動方法では、図47(e)の期間が2つの期間(図45(e1)(e2))に分かれる。
図48(e2)は、図48(f)期間前に、スイッチトランジスタ11bをオンした状態で、短期間、スイッチトランジスタ11eをオンさせた駆動方法である。もしくは、スイッチトランジスタ11eをオンする際、短時間の間、スイッチトランジスタ11bのオン状態を継続する駆動方式である。この点も図45の実施例と同様である。
他の構成は、図1などと同様であるので説明を省略する。なお、図42の構成においても、ソースドライバIC14の出力端に3選択回路を配置してもよいことは言うまでもない。以上の事項は本発明の他の実施例においても同様である。
図42などの実施例は、映像信号電圧Vsigからリセット電圧Vrstを発生し、あるいは映像信号電圧Vsigに相関するリセット電圧Vrstを発生し、駆動トランジスタ11aに印加するものであった。
図52は、本発明の他の実施例である。図52の実施例は、映像信号から、ソースドライバIC14でリセット電圧Vrstを発生するものである。図52において、スイッチ回路431は、ソースドライバIC14bで発生したリセット電圧Vrstと、ソースドライバIC14aで発生した映像信号電圧Vsigを選択するスイッチ回路である。
ソースドライバIC14a及びソースドライバIC14bの両方に共通の映像信号データ(階調データ)が印加される。ソースドライバIC14aは映像信号データを映像信号電圧Vsigに変換し、スイッチ回路431のa端子に印加する。ソースドライバIC14bは映像信号データをリセット電圧Vrstに変換し、スイッチ回路431のb端子に印加する。ソースドライバIC14bが入力された映像信号データをルックアップテーブルでデータ変換する。
ルックアップテーブル回路の変換データは、EEPROM753に格納される。格納するデータは、このましくは、パネル特性を測定し(図75、図76、図77を参照)、パネル特性バラツキ、特性を反映した結果でEEPROM753データを作成する。スイッチS1〜Snは、1Hに一回ずつa端子とb端子を選択する。
図53は、図52の画素構成の動作を説明するための説明図である。図52などにおいて、電流経路は、点線で示しており、各スイッチトランジスタ11は、スイッチで図示している。スイッチがオープンの時、トランジスタ11がオフ状態を示し、スイッチがクローズの時、トランジスタ11がオン状態を示す。
図53(a)はEL素子15に電流が供給され、EL素子15が発光(点灯)している状態である。アノード電極Vddからスイッチトランジスタ11eを介して駆動トランジスタ11aにアノード電圧が印加され、駆動トランジスタ11aに、コンデンサ19a及び19bで保持されたゲート端子電位にしたがって、EL素子15に電流を供給する。
図53(b)からが電圧プログラム(画素16のEL素子15に流れる電流を書き換える動作あるいは期間)の動作である。スイッチトランジスタ11fがオンすることにより、リセット電圧Vrstが駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加される。つまり、駆動トランジスタ11aのゲート端子には、映像信号電圧Vsigに基づいたリセット電圧Vrstが書き込まれる。
リセット電圧Vrstは、−5V以上−1V以下の電圧であることが好ましい。リセット電圧Vrst<初期電圧Viの関係を満足させる。さらに好ましくは、リセット電圧Vrst+1.5<初期電圧Viの関係を満足させる。以上の関係を満足させるのは、駆動トランジスタ11aのゲート端子に初期電圧Viを書き込めるようにするためである。つまり、駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加したリセット電圧Vrstが書き込まれている時、駆動トランジスタ11aのソース端子に印加した初期電圧Viを駆動トランジスタ11aのチャンネルを介してゲート端子に書き込めるようにするためである。
スイッチトランジスタ11fがオンすることにより、リセット電圧Vrstが駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加される。リセット電圧Vrstが印加されている期間は、スイッチトランジスタ11b、11e、11c、11dはオフ状態である。
次に図53(c)に示すように、スイッチトランジスタ11c、11bをオンさせる。同時に、ソースドライバIC14bから初期電圧Viを出力する。この時の動作は、図1の画素構成の動作と同一である。
図53(c)では、切り替え回路431はb端子を選択する。したがって、ソースドライバIC14bから出力された初期電圧Viの印加により、電流がスイッチトランジスタ11c、駆動トランジスタ11a、スイッチトランジスタ11bを介して、駆動トランジスタ11aのゲート端子に向かって流れる。
切り替え回路431がb端子を選択している期間は、1Hの1/20以上1/4以下に設定される。つまり、1H(1水平走査期間)が、20μ秒の場合は、1μ秒〜5μ秒である。1Hの他の期間において、切り替え回路431はa端子を選択される。a端子が選択されている期間は、ソース信号線18に映像信号電圧が印加される。
図53(d)に示すように、残りの1H期間では、ソース信号線18には、映像信号電圧Vsigが印加される。スイッチトランジスタ11e、11d、11fがオープンに制御され、スイッチトランジスタ11c、11bがクローズに制御される。以上のスイッチトランジスタ11の設定により、映像信号電圧Vsigが駆動トランジスタ11aのチャンネル間を介して、駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加される。映像信号電圧Vsigに対する電流(ドレイン電流)は、図49に図示するように、リセット電圧Vrstを印加後、非線形カーブで低下する。1H以内(1水平走査期間、図54のbt〜2t)の間、オフセットキャンセルされる。
図53(e)では、画素16のコンデンサ19cで保持させた映像信号電圧Vsigで、オフセットキャンセル期間が持続する。以上の事項は図1、図2でも説明を行っている。
図53(f)がEL素子15の発光期間である。スイッチトランジスタ11c、11b、11fがオフ(オープン)され、スイッチトランジスタ11e、11dがオン(クローズ)される。EL素子15には、アノード電圧源Vddから、スイッチトランジスタ11e、駆動トランジスタ11a、スイッチトランジスタ11dを介してEL素子15に電流が供給される。
スイッチトランジスタ11d又は11eのうち、少なくとも一方をオン/オフ制御することにより、図12、図13、図98、図99などの画像表示を実現できる。duty駆動、ピーク電流抑制駆動により、高画質化、電流抑制を実現できる。なお、各スイッチトランジスタ1の動作に対応させて各ゲート信号線17のオン/オフ電圧を印加する制御タイミングを制御する。
図45と同様に、図53(f)の期間が2つの期間(図45(d1)(d2))に分かれさせることにより、駆動トランジスタ11aのモビリティバラツキを補正することができる。この事項は、図45で説明しているので説明を省略する。
なお、以上の他の動作は、基本的には、図1の動作と同様であるので説明を省略する。
図54は、図53の変形例である。図54では、映像信号データからソースドライバIC14bでリセット電圧Vrstを発生させていた。
図54は、アレイ基板のレベルシフト回路541は、一定の電圧をシフトする機能を有する。例えば、レベルシフト回路541の電圧シフトが4Vであり、ソースドライバIC14aが出力する映像信号電圧が2Vであれば、駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加される電圧(リセット電圧Vrst)=2−4=−2Vである。ソースドライバIC14aが出力する映像信号電圧が5Vであれば、駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加される電圧(リセット電圧Vrst)=5−4=1Vである。
したがって、図54の実施例では、図53(b)の動作は不要である。また、図53(c)の動作時に、レベルシフト回路541の出力電圧がリセット電圧Vrstとして駆動トランジスタ11aに印加される。リセット電圧Vrstは、スイッチトランジスタ11fがオンすることにより、駆動トランジスタ11aに印加される。
図55は本実施例のEL表示装置の他の実施例である。図55の実施例では、ソースドライバIC14Vは映像信号として映像信号電圧を出力し、ソースドライバIC14Iは映像信号として映像信号電流を出力する。なお、説明を容易にするため、ソースドライバIC14VとソースドライバIC14Iには、同一の映像階調信号が入力されるものとする。また、同一の映像階調信号が入力された場合、ソースドライバIC14Vが出力し画素16に電圧プログラムを行い、前記画素16のEL素子15に流す電流と、ソースドライバIC14Iが出力し画素16に電流プログラムを行い、前記画素16のEL素子15に流す電流とが、理想的には一致するものとする。
また、ソースドライバIC14Vが出力する電圧により、画素16の駆動トランジスタ11aがオフセットキャンセル動作はするが、電圧補正はできても、モビリティ補正はできないものとする。また、ソースドライバIC14Iは、モビリティが補正できるものとする。
図55の特徴は、ソースドライバIC14Vが出力する映像信号電圧で電圧プログラムを行い、ソースドライバIC14Iが出力する映像信号電流でモビリティを補正することである。
映像信号電圧Vsigはソース信号線18Vに印加され、スイッチトランジスタ11cがオンすることにより画素16に印加される。また、映像信号電圧Isigはソース信号線18Iに印加され、スイッチトランジスタ11gがオンすることにより画素16に印加される。
図56は図55の画素構成を説明する説明図である。図56などにおいて、電流経路及び信号経路は、点線で示しており、各スイッチトランジスタ11は、スイッチで図示している。スイッチがオープンの時、トランジスタ11がオフ状態を示し、スイッチがクローズの時、トランジスタ11がオン状態を示す。
図56(a)はEL素子15に電流が供給され、EL素子15が発光(点灯)している状態である。
図56(b)からが電圧プログラム(画素16のEL素子15に流れる電流を書き換える動作あるいは期間)の動作である。まず、スイッチトランジスタ11fがオンすることにより、リセット電圧Vrstが駆動トランジスタ11aのゲート端子に印加される。リセット電圧Vrstは、−2V以上3V以下の電圧であることが好ましい。
スイッチトランジスタ11fがオンすることにより、駆動トランジスタ11aのゲート端子にリセット電圧Vrstが印加される。リセット電圧Vrstが印加されている期間は、スイッチトランジスタ11b、11e、11c、11dはオフ状態である。
次に図56(c)に示すように、スイッチトランジスタ11cをオンさせる。スイッチトランジスタ11cのオンにより、映像信号電圧Vsigが印加される。一例として、映像信号電圧Vsigは、0V以上5V以下の電圧である。映像信号電圧Vsigは、映像信号により変化する。
以上の動作より、図56の駆動トランジスタ11aのゲート端子にリセット電圧Vrstが印加され、次に、映像信号電圧Vsigが印加される。以上の動作は、図1、図42、図52などの画素構成の動作と同一である。又は、類似である。
図43(d)がソースドライバIC14Iからの映像信号電流Isigによるモビリティの補正期間である。スイッチトランジスタ11gがオンし、スイッチトランジスタ11cがオフすることによりVsig信号が遮断され、Isig信号が画素16に印加される。
Isigは、アノード電圧Vdd及び駆動トランジスタ11aのチャンネルを経由して図の点線のように流れる。このIsigにより電流プログラムが実現すると共に、モビリティずれが補正される。
図56(e)がEL素子15の発光期間である。スイッチトランジスタ11c、11b、11fがオフ(オープン)され、スイッチトランジスタ11e、11dがオン(クローズ)される。EL素子15には、アノード電圧源Vddから、スイッチトランジスタ11e、駆動トランジスタ11a、スイッチトランジスタ11dを介してEL素子15に電流が供給される。
スイッチトランジスタ11d又は11eのうち、少なくとも一方をオン/オフ制御することにより、図12、図13の画像表示を実現できる(duty駆動)。duty駆動、ピーク電流抑制駆動により、高画質化、電流抑制を実現できる。
なお、各スイッチトランジスタ1の動作に対応させて各ゲート信号線17のオン/オフ電圧を印加する制御タイミングを制御する。ゲートドライバ回路12の制御は図3のように、ソースドライバIC14からの信号をレベルシフト回路32でレベルシフトさせて印加することにより実現する。
図55の実施例では、電圧信号Vsigを発生するソースドライバIC14V、電流信号Isigを発生するソースドライバIC14Iを具備し、また、Vsig信号を伝達するソース信号線18V、Isig信号を伝達するソース信号線18Iを具備するものであった。
図58の実施例は、ソースドライバIC14aにソースドライバIC14VとソースドライバIC14Iの両方の機能を有している。また、ソース信号線18は1種類である。
ソースドライバIC14aは、図57で図示するように、1Hの前半の1/2H期間にVsig信号を発生すると共に、ソース信号線18にVsig信号を印加し、スイッチトランジスタ11cをオンさせて図56(c)の動作を実現する。また、ソースドライバIC14aは、図57で図示するように、1Hの後半の1/2H期間にVsig信号を発生すると共に、ソース信号線18にIsig信号を印加し、スイッチトランジスタ11gをオンさせて図56(d)の動作を実現する。
図59は、図58の変形例である。図59では、コンデンサ19bが各画素16に形成されている。コンデンサ19bの構成あるいは機能及び動作は、図4、図5で説明をしているので説明を省略する。
本実施例のトランジスタは、TFTばかりでなく、バイポーラトランジスタでも同様に実現が可能である。またTFTについても、ポリシリコン、結晶シリコン、アモルファスシリコンなど構成材料によらず同様に実施が可能である。
図80は、本実施例のEL表示装置のソースドライバ回路24のプログラム電流(映像信号)の発生回路の説明図である。ソースドライバ回路14は、赤(R)、緑(G)、青(B)に対応する基準電流回路(定電流回路)803(803R、803G、803B)を有している。
基準電流回路803は、抵抗R1(R1r、R1g、R1b)とオペアンプ801a、トランジスタ804aから構成される。抵抗R1(R1r、R1g、R1b)の値は、R、G、Bの階調電流に対応して独立に調整できるように構成されている。抵抗R1は、ソースドライバ回路14の外部に配置された外付け抵抗である。
オペアンプの+端子には、電子ボリウム806により、電圧Viが印加されている。電圧Viは、安定した基準電圧Vbを抵抗Rで分圧することにより得られる。電子ボリウム806は、信号IDATAにより出力電圧Viを変化させる。基準電流Icは(Vs−Vi)/R1となる。RGBの基準電流Ic(Icr、Icg、Icb)は、それぞれ独立した基準電流回路803で可変される。
可変は、RGB毎に形成された電子ボリウムで実施される。したがって、電子ボリウム806に印加される制御信号により、電子ボリウム806から出力される電圧Viの値が変化する。電圧ViによりRGBの基準電流の大きさが変化し、端子806から出力される階調電流(プログラム電流)Iwの大きさが比例して変化する。
発生した基準電流Ic(Icr、Icg、Icb)は、トランジスタ804aから804bに印加される。トランジスタ804bとトランジスタ群805とはカレントミラー回路を構成している。図80において、トランジスタ804b1は、1つのトランジスタで構成しているように図示しているが、実際には、トランジスタ群805と同様に、単位トランジスタ812の集合(トランジスタ群)として形成している。
トランジスタ群805からのプログラム電流Iwは出力端子806より出力される。トランジスタ群805の各単位トランジスタ812のゲート端子及びトランジスタ804bのゲート端子は、ゲート配線814で接続されている。
トランジスタ群805は、図81に示すように、単位トランジスタ812の集合として構成される。理解を容易にするため、映像データとプログラム電流は比例又は相関の関係で変換されるとして説明する。映像信号によりスイッチ811が選択され、スイッチ811の選択により、単位トランジスタ812の出力電流の集合(加算)としてのプログラム電流Iwが発生する。したがって、映像信号をプログラム電流Iwに変換できる。本実施例は単位トランジスタ812の単位電流が、映像データの1の大きさに該当するように構成されている。
単位電流とは、基準電流Icの大きさに対応して単位トランジスタ812が出力する1単位のプログラム電流の大きさである。基準電流Icが変化すると、単位トランジスタ812が出力する単位電流も比例して変化する。トランジスタ804bと単位トランジスタ812がカレントミラー回路を構成しているからである。
RGBの各トランジスタ群805は単位トランジスタ812の集合で構成されており、単位トランジスタ812の出力電流(単位プログラム電流)の大きさは、基準電流Icの大きさで調整できる。基準電流Icの大きさを調整すれば、RGB毎に各階調のプログラム電流(定電流)Iwの大きさを可変することができる。したがって、RGBの単位トランジスタ812の特性が同一であるような理想的状態では、RGBの基準電流回路803の基準電流Icの大きさを変化させることにより、EL表示装置の表示画像のホワイトバランスをとることができる。
基準電流を大きくすれば、EL素子15の発光輝度を高くできる。また、基準電流を小さくすれば、EL素子15の発光輝度を低くできる。図83の処理回路で映像信号(Y/UV、COMP信号など)を加算、ヒストグラムなどの処理を実施し、実施結果に基づいて基準電流を変更すれば、消費電流を平均化し、かつ高輝度表示を実現できる。
また、図99に図示するように、映像信号の処理結果に基づいて、使用する最大階調数を変更しても同様の効果を実現できる。特に、本実施例では、良好なオフセットキャンセルを実現できるため、良好なコントラスト表示を実現でき、また、最高輝度も精度よく実現できるため、図83、図99、図78、図79などの方法と組み合わせることにより相乗効果を実現できる。
以下、説明を容易にするため、ソースドライバ回路(IC)14のトランジスタ群805は6ビットであるとして説明をする。図81において、各単位トランジスタ812は、定電流データ(D0〜D5)毎に配置される。D0ビットには1個の単位トランジスタ812が配置される。D1ビットには2個の単位トランジスタ812が配置される。D2ビットには4個の単位トランジスタ812が配置され、D3ビットには8個の単位トランジスタ812が配置され、D4ビットには16個の単位トランジスタ812が配置される。同様に、D5ビットには32個の単位トランジスタ812が配置されている。
各ビットの単位トランジスタ812の出力電流が出力端子806に出力されるか否かは、アナログスイッチ811(811a〜811f)によるオン/オフ制御で実現される。デコーダ回路815は、入力された映像データKDATAをデコードする。アナログスイッチは映像信号データKDATAに対応してオン/オフ制御される。
プログラム電流Iwは内部配線813を流れる。内部配線813の電位は、ソース信号線18の電位となる。内部配線813の電位はAVdd以下GND電位以上である。ソース信号線18の電位は、定電流Iwをソース信号線28に印加し、定常状態した時は、画素16の駆動トランジスタ11aのゲート端子の電圧(図3の画素構成の場合)である。
以上の実施例は、ソースドライバIC14内にプログラム電流を出力する回路を具備する構成である。なお、ソースドライバIC14は、プログラム電圧を出力する回路を具備してもよい。また、プログラム電流を出力する回路とプログラム電圧を出力する回路の両方を具備してもよいことは言うまでもない。以下、説明を容易にするために、ソースドライバIC14は、階調信号(映像信号電圧Vsig)として、プログラム電圧を出力する構成であるとして説明をする。
図102は、ソースドライバIC14(ソースドライバ回路14)のブロック図である。図102に図示するように、ソースドライバIC14は、シフトレジスタ(Shift Register)1022、ミニLVSレシーバー回路(Mini−LVDS Receiver)1021、RGBのガンマ回路(R GMA、G GMA、B GMA)1024、ラインラッチ回路(Line Latch)1023、SEL信号の2bitは、アウトプットバッファー(Output Biffer)1026、デジタルアナログコンバータ(Digital Analog Converter)1025、スイッチ回路(Switch)1027などから構成される。プログラム電流あるいはプログラム電圧を出力する回路はデジタルアナログコンバータ(DACと呼ぶ)1025と出力バッファ回路1026が該当する。
SEL信号の2bitは、シフトレジスタ(Shift Register)1022を制御し、アウトプットバッファー(Output Biffer)1026から出力するチャンネル数を規定する。チャンネル数は、720/684/642/618から選択する。
ミニLVSレシーバー回路(Mini−LVDS Receiver)1021には、LV0A、LV0B、LV1A、LV1B、LV2A、LV2B、LV3A、LV3B、LV4A、LV4B、LV5A、LV5B、LV6A、LV6B、LV7A、LV7B、CLKA、CLKBが入力される。映像信号電圧Vsigデータは、RGBが各10bitである。
RGBのガンマ回路(R GMA、G GMA、B GMA)1024は、図108に図示する構成である。但し、図108は、RGBのうち、1つだけを図示している。つまり、本実施例のEL表示装置は、RGBの3つの独立ガンマ回路を具備する。このことは、他のガンマ回路においても同様である。
図108の回路構成は6つのタップがあり、VX1〜VX6の電圧が設定できる。VX1〜VX6には、それぞれDAコンバータが接続されている。駆動トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合は、VX5のタップはオープンにする。駆動トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、VX2のタップはオープンにする。6個のタップVX1〜VX6は、R1の中点を中心として(ほぼ)対象に形成されている。したがって、駆動トランジスタ11aが、Pチャンネルトランジスタであっても、Nチャンネルトランジスタであっても、図108のガンマ回路で対応できる。
特に、VX2、VX5の端子が重要である。EL表示装置では、良好な黒表示が実現できる。駆動トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合は、VV1が最も低階調表示であり、VX2が次に黒領域の階調設定表示となる。良好な画像表示を実現するためには、VX2の設定が重要である。逆に、VX5は、階調がリニアに変化する領域であるため、設定は必要でない。VX4、VX6で設定すれば十分である。駆動トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、VV6が最も低階調表示であり、VX5が次に黒領域の階調設定表示となる。良好な画像表示を実現するためには、VX5の設定が重要である。逆に、VX2は、階調がリニアに変化する領域であるため、設定は必要でない。VX1、VX3で設定すれば十分である。
なお、図108のラダー抵抗1061には、階調出力端子を省略しているが、実際には、ラダー抵抗間から階調出力端子が形成されている。例えば、抵抗R3には、階調0〜63が配置され、階調1〜62の出力端子がある。抵抗R2には、階調63〜319が配置され、階調64〜318の出力端子がある。抵抗R1には、階調319〜703が配置され、階調320〜702の出力端子がある。抵抗R2には、階調703〜959が配置され、階調704〜958の出力端子がある。抵抗R4には、階調959〜1023が配置され、階調960〜1022の出力端子がある。また、R2=R1・2/3、R3=R2/4、R4=R3・63/64なる関係に設定されている。
なお、図108では、最低階調がV0(階調0)の場合は、最低階調のV0電圧は、RGBで共通にしている(同一電圧に設定する)。同様に、図106、図109においても、V0電圧は、RGBで共通にしている。
図108において、図83の処理回路で演算した映像信号の総和あるいは加算和あるいはヒストグラム処理(RGBの色ごとに重み付け処理を実施する)に基づいて、VX1〜VX6の少なくとも1つの設定端子を制御し、表示画面31の表示輝度を制御する。
なお、図102において、ガンマ回路は、図108の回路構成としたが、これに限定するものではなく、図106、図109のガンマ回路構成を採用してもよい。
図106は、1つのダラー抵抗1061cの両端に、電圧設定を行うための、セレクタ回路1063b、アンプ1062bと、セレクタ回路1063c、アンプ1062cとを配置している。アンプ1062bは、階調1のV1電圧を設定するために使用し、アンプ1062cは、最高階調の階調1023のV1023電圧を設定するために使用する。階調0のV0電圧は、セレクタ回路1063a、アンプ1062aで設定する。セレクタ回路1063aは、128接点から1つを選択するセレクタ回路である。セレクタ回路1063bは、64接点から1つを選択するセレクタ回路である。セレクタ回路1063cは、256接点から1つを選択するセレクタ回路である。選択して可変する電圧範囲は、セレクタ回路1063c>セレクタ回路1063a>セレクタ回路1063bとしている。
ラダー抵抗1061b、1061cは、RGBで独立して形成されている(3つある)。V0電圧はRGBで共通である。そのため、ラダー抵抗1061aは、RGBで共通であり、1つである。1064R,1064G、1064Bはガンマブロックである。
図107が図106のガンマ回路に基づくガンマカーブの設定例である。なお、ガンマカーブの電圧幅は、AVdd−AVss(GND)としている。一般的には、ソースドライバIC14の電圧(AVddは電源電圧、AVssはGND電圧)である。
図107に図示するように、多用なガンマカーブを発生できる。階調0のV0電圧は、RGBで共通である。階調1のV1電圧はRGBで独立に設定できる。階調1〜最高階調のV1023は、RGBで独立に設定でき、この間は、ガンマカーブはリニアである。したがって、デジタルガンマの設定が容易であり、V0を原点とする黒輝度調整も容易である。但し、ビット数は、8ビットでは不足のため、本実施例では10ビットとしている。また、V1を設定し、V1023の電圧を設定するだけで、V1〜V1023の階調電圧を設定できる。したがって、RGBのホワイトバランス調整も容易である。
図109は、ラダー抵抗1062gの中間のタップV7、V19、V43、V87、V171に電圧設定を行う構成である。
タップV7には、ラダー抵抗1061fとセレクタ回路1063c及びアンプ1062bで設定する。タップV19には、ラダー抵抗1061eとセレクタ回路1063g及びアンプ1062cで設定する。タップV43には、ラダー抵抗1061dとセレクタ回路1063f及びアンプ1062dで設定する。タップV87には、ラダー抵抗1061cとセレクタ回路1063e及びアンプ1062eで設定する。タップV171には、ラダー抵抗1061bとセレクタ回路1063d及びアンプ1062fで設定する。タップV255には、ラダー抵抗1061aとセレクタ回路1063c及びアンプ1062gで設定する。V0はRGBで共通であり、ラダー抵抗1061hとセレクタ回路1063a及びアンプ1062aで設定する。
図110が図109のガンマ回路に基づくガンマカーブの設定例である。なお、ガンマカーブの電圧幅は、AVdd−AVss(GND)としている。AVddは、ソースドライバIC14の電源電圧、AVssはソースドライバIC14のGND電圧である。
図110に図示するように、本実施例のRGB回路は、RGBで独立のガンマブロック1064(1064R、1064G、1064B)を具備している。また、各ガンマブロック1064は、タップ位置(V7、N19、V43,V87,V171)はRGBで独立に設定できる。階調1〜最高階調のV255は、RGBで独立に設定できる。V0を原点とする黒輝度調整も容易である。ビット数は、8ビットである。
なお、図102、図106、図108、図109において、階調電圧V0が最低電圧であり、最も暗い表示を設定する。逆に、V1023が最高階調であり、最も明るい表示を設定する。また、駆動トランジスタはPチャンネルトランジスタの場合は、V0側が高電圧側(例えば、5V)であり、V1023が低電圧(例えば、0V)である。
図99で説明する最大表示階調を操作する駆動方法(階調ピーク処理など)では、図102、図106、図108、図109のガンマ回路を制御して実施する。
例えば、図106のガンマ回路において、図83の処理回路で演算した映像信号の総和あるいは加算和あるいはヒストグラム処理(RGBの色ごとに重み付け処理を実施する)に基づいて、セレクタ回路1063cを制御し、アンプ1062cから出力される電圧を変化させる。加算和が小さい場合は、1062cの出力電圧を低電圧側に変化させ、より明るい表示ができるようにする。加算和が大きい場合は、表示領域31で消費する電流も大きくなり、パネルが過熱されることを防止する観点などから、1062cの出力電圧を高電圧側に変化させ、表示輝度を低下させる。
図108のガンマ回路においても同様であり、図83の処理回路で演算した映像信号の総和あるいは加算和あるいはヒストグラム処理(RGBの色ごとに重み付け処理を実施する)に基づいて、VX6から入力される電圧を変化させる。加算和が小さい場合は、VX6の入力電圧を低電圧側に変化させ、より明るい表示ができるようにする。加算和が大きい場合は、表示領域31で消費する電流も大きくなり、パネルが過熱されることを防止する観点などから、VX6の入力電圧を高電圧側に変化させ、表示輝度を低下させる。
なお、図108の場合は、VX6だけではなく、VX1〜VX5の入力電圧も必要に応じて変化させる。VX1〜VX6には、6個のDAコンバータを接続し、DAコンバータのデータを加算和などにより変化させて、VX1〜VX6に入力する電圧を制御する。なお、DAコンバータは、1024の回路内に形成されるか、外付けで配置される。
図109でも同様であり、図83の処理回路で演算した映像信号の総和あるいは加算和あるいはヒストグラム処理(RGBの色ごとに重み付け処理を実施する)に基づいて、セレクタ回路1063cを制御し、アンプ1062gから出力される電圧を変化させる。加算和が小さい場合は、1062gの出力電圧を低電圧側に変化させ、より明るい表示ができるようにする。加算和が大きい場合は、表示領域31で消費する電流も大きくなり、パネルが過熱されることを防止する観点などから、1062gの出力電圧を高電圧側に変化させ、表示輝度を低下させる。
なお、図109の場合は、アンプ1062gだけではなく、セレクタ回路1063c、アンプ1062gの動作に基づいて、セレクタ回路1063a〜1063fの選択位置、アンプ1062a、1062h、1062b〜1062fの出力電圧も変化させる。
ラインラッチ回路(Line Latch)1023は、入力されたデータをラッチする。最大で、720チャンネル・10bitのバッファ回路が2段保有している。
スイッチ回路1027は、PRC電圧(キャンセル電圧Vr、リセット電圧Vrstなど)をPRCON信号に入力に対応して、ソース信号線18に出力する。
ソースドライバ回路(IC)18とソース信号線18間に3選択回路(選択スイッチ回路)1041を形成してもよい(図3、図104)。なお、選択回路1041の選択数は3に限定するものではなく、6選択などの他の選択数に構成してもよい。選択回路が3選択の場合は、R端子、G端子、B端子を有し、クロックに同期していずれかの端子を選択する。
選択回路1041は図103に図示するように配置される。選択回路は、ソースドライバ回路14の信号出力端子と接続する入力端子と、ソース信号線と接続する選択出力端子を有する。選択回路1041は、入力端子と、入力端子と接続できる複数の選択出力端子とを含む組を複数有している。
また、選択回路1041は、選択回路1041の入力端子に印加されたソースドライバ回路14の信号を、複数の選択出力端子から1つ以上を選択して、選択された選択出力端子に接続されたソース信号線18に印加する。
好ましくは選択回路1041の組は、1つの入力端子と、少なくとも3つの選択出力端子とを含み、3つの選択出力端子には、赤色の信号を伝達するソース信号線18Rと、緑色の信号を伝達するソース信号線18Gと、青色の信号を伝達するソース信号線18Bとが、それぞれ接続する。ソースドライバ回路14は、半導体を含むICチップであり、選択回路1041は、アレイ基板にポリシリコン技術で形成されている。
図103(a)は、表示パネルの画面31が横長配置の場合(ポートレート:portrait配置)であり、ソースドライバ回路14が画面の上辺あるいは可変に配置した場合(ランドスケープ:landscape配置)である。図103(b)は、表示パネルの画面31が横長配置の場合であり、ソースドライバ回路14が画面の左右の一方に配置した場合である。
ソースドライバ回路14から出力する信号は、選択回路1041のよりソース信号線18R、18G、18Bに振り分けられる。選択回路1041はポリシリコン技術でアレイ基板に直接形成する。また、選択回路1041はシリコンチップで形成し、COG技術でアレイ基板に実装してもよい。また、選択回路1041は切り替えスイッチとしてソースドライバ回路14の回路として、ソースドライバ回路14に内蔵させてもよい。
選択回路1041がR端子を選択している時は、ソースドライバ回路14からの出力信号は、ソース信号線18Rに印加される。選択回路1041がG端子を選択している時は、ソースドライバ回路14からの出力信号は、ソース信号線18Gに印加される。選択回路1041がB端子を選択している時は、ソースドライバ回路14からの出力信号は、ソース信号線18Bに印加される。
選択回路1041がR端子を選択している時は、G端子及びB端子はオープンである。この場合は、G端子、B端子の電位は、寄生容量142により保持される。選択回路1041がG端子を選択している時は、R端子及びB端子はオープンである。この場合は、R端子、B端子の電位は、寄生容量142により保持される。選択回路1041がB端子を選択している時は、G端子及びR端子はオープンである。この場合は、G端子、R端子の電位は、寄生容量142により保持される。
本実施例のEL表示装置のソースドライバIC14は、1つのチップ(IC)で、図103(a)の場合と、図103(b)の場合の両方に対応できるように、チップの2箇所から選択信号線1043が接続できるように構成されている。また、ゲート信号線12に接続する出力端子も2箇所ある。
図105は、本実施例のソースドライバIC14(ICチップ)の出力側の端子レイアウトの説明図である。ICチップの両端には、ソース信号線のテスト用の端子が配置されている。テスト用端子は、映像信号電圧Vsigを出力する端子と構成は同一であるが、ソース信号線とは接続されない。また、テストコマンドにより、映像信号電圧Vsigを出力するかしないかを設定できる。
ソース信号線テスト端子の内側には、ゲートドライバ回路12に供給するゲートドライバ制御信号を出力するゲートドライバ制御端子が配置されている。ゲートドライバ制御端子は、VGH1−VGL1レベルの信号を出力するゲートドライバ制御端子(VGH1/VGL1)と、VGH2レベル−VGL2の信号を出力するゲートドライバ制御端子(VGH2/VGL2)の2種類がある。VGH1/VGL1とVGH2/VGL2は、スイッチトランジスタ11の特性にあわせて、あるいは表示品位にあわせて使い分ける。VGH1/VGL1とVGH2/VGL2に関する事項は、図3を用いて説明を行ったので説明を省略する。
選択回路1041がいずれの端子(R端子、G端子、B端子)を選択するかの選択信号線1043は、信号線セレクタ端子に接続される。図104(a)の場合のポートレート:portrait配置の場合は、チップの中央より端に配置された信号セレクタ端子(ポートレート:portrait)に選択信号線1043が接続される。
図104(b)の場合のランドスケープ:landscape配置の場合は、チップの中央に配置された信号セレクタ端子(ランドスケープ:landscape配置)に選択信号線1043が接続される。なお、ソース信号線出力端子には、ソース信号線18が接続される(但し、表示画面31間に、選択回路1041が配置される)。
以上の事項は、図1の画素構成のEL表示パネルあるいはEL表示装置だけではなく、他の画素構成(図4、図5、図10、図11、図25、図29、図31、図33、図35、図37、図42、図46、図52、図54、図55、図58、図59、図86、図90、図91、図92、図93、図94、図95、図113、図123、図124〜図128など)のEL表示パネルあるいはEL表示装置にも適用できることは言うまでもない。
以上の事項は他の実施例においても同様である。例えば、図12、図13、図61、図75、図76、図77、図78、図79、図83、図84、図85、図98、図99、図100、図101などの方法あるいは方式、図7、図8、図9、図60、図83、図96、図102、図103、図104、図106、図107、図108、図109、図110、図111、図112、図129の構成あるいは構造あるいは方法に関しても先に例示したあるいは本明細書に記載した画素構成と組み合わせて実施することができることは言うまでもない。
図84の実施例は、パネルで最大表示できる輝度をピーク400(nt)、白ラスター表示(点灯率100%とする)で200(nt)とした実施例である。なお、ピーク輝度(点灯率0%近傍で最大階調の画素が表示できる輝度)と最大電力時の輝度(一般的には、点灯率100%の白ラスター表示(最大階調)の画素が表示できる輝度)との差は、6倍以下1.5倍以内にする。本明細書では、2倍として説明する。また、ピーク輝度は、点灯率0%近傍の黒表示の画素の輝度であるとする。
輝度は最大使用(表示)階調数とduty比で決定される。duty比は、図12、図13などで説明したものである。また、映像信号は、RGBが各10bit(1024階調:1階調〜1024階調)であるとしている。一例として図84では、点灯率25%以下では、階調数制御で輝度最大(Max)400nt(1024階調の映像信号が印加された画素が表示する輝度)であり、点灯率100%では、200nt(1024階調の映像信号が印加された画素が表示する輝度)である。図84(a)の点灯率と最大使用階調数の関係カーブは、曲線でもよいし、また、折れ曲がり点は複数形成(設定)してもよい。
最大使用(表示)階調数制御とは、ソース信号線18に印加する映像信号電圧Vsig又は画素16に書き込む映像信号電圧Vsigを制御することによる。また、最大使用(表示)階調数は、EL表示装置に入力される映像データ又は画素16に書き込む映像信号電圧Vsigに基づいて決定する。
以上の事項はduty駆動のduty比の決定に関しても適用できることは言うまでもない。
最大使用(表示)階調数は、表示画面31に表示される最大使用(表示)階調数である。表示画面31で使用される最大使用(表示)階調数の期間に関しては、1フレーム(1フィールド)で限定されるものではなく、複数のフレーム(フィールド)期間であってもよいことは言うまでもない。例えば、最大使用(表示)階調数が、768であれば、4フレーム期間の間、最大使用(表示)階調数を768に制限し、次の5フレーム以降では、最大使用(表示)階調数を1024に変化させる方法が例示される。以上の期間に関してはduty駆動のduty比に関しても適用される。
なお、最大使用(表示)階調駆動とduty駆動は組み合わせて実施することができることは言うまでもない。例えば、第1フレームで、最大使用(表示)階調数(最大使用(表示)階調番号)を768とし、duty比を1/2とし、次の第2フレームで最大使用(表示)階調数(最大使用(表示)階調番号)を1024とし、duty比を3/4にする駆動方法が例示される。
なお、最大使用(表示)階調数(最大使用(表示)階調番号)、duty比は、フレーム(フィールド)周期を単位としてステップ的に変更することに限定されず、フレーム(フィールド)中において、ゆっくりと変化させてもよい。例えば、第1フレームで、最大使用(表示)階調数(最大使用(表示)階調番号)を768とし、第3フレームでは最大使用(表示)階調数(最大使用(表示)階調番号)を1024と決定された場合、第2フレーム(フィールド)では、768から1024階調の中間の階調数を最大使用階調数として画像表示する。
もちろん、第1のフレームの途中から階調数768から階調数1023に変化させてもよいし、第3フレームの最初から、最大使用(表示)階調数(最大使用(表示)階調番号)768から最大使用(表示)階調数(最大使用(表示)階調番号)1024に変化させてもよい。以上の変化(変更)に関してもduty駆動のduty比に関しても適用される。
また、最大使用(表示)階調数(最大使用(表示)階調番号)又は、duty比は、毎フレーム(フィールド)で求める必要はない。偶数フレーム(フィールド)で求めても良いし、複数フレーム間隔で求めても良い。また、ランダムなフレーム間隔で求めても良い。
例えば、静止画の表示では、長周期間隔で最大使用(表示)階調数(最大使用(表示)階調番号)又は、duty比を求め、最大使用(表示)階調数(最大使用(表示)階調番号)又は、duty比を求めないフレームでは、求めたフレームでの値の中間値を使用する(ゆっくりと変化させる)。
一方、動画の表示では、毎フレーム(フィールド)で最大使用(表示)階調数(最大使用(表示)階調番号)又は、duty比を求める。
以上の事項は、図1の画素構成のEL表示パネルあるいはEL表示装置だけではなく、他の画素構成(図4、図5、図10、図11、図25、図29、図31、図33、図35、図37、図42、図46、図52、図54、図55、図58、図59、図86、図90、図91、図92、図93、図94、図95、図113、図123、図124、図125、図126、図127、図128など)のEL表示パネルあるいはEL表示装置にも適用できることは言うまでもない。また、本明細書で記載した他の駆動方式、構成に適用できることは言うまでもない。また、EL表示装置あるいはEL表示パネルを用いた機器(例えば、図7、図8、図9など)に適用できることは言うまでもない。
図84は、例示としてガンマ2乗カーブで階調設定を行った実施例である。図84(a)において、縦軸は最大使用階調数である。最大使用階調数とは、ある点灯率において表示する最大階調である。あるいは使用できる最大階調番号である。最大階調番号は、点灯率を係数として乗算することなどにより決定される。当然のことながら、最大階調番号を図示している。
なお、説明を容易にするため、各図面では点灯率を用いているが、点灯率とは、表示画面31に流れる電流とみなすこともできる(アノード、カソード電圧が一定の場合)。アノード、カソード電圧を変化させる場合は、この変化を加味することが好ましい。つまり、点灯率は表示パネルの表示領域で使用する電力に相関する値である。したがって、電力に基づいて最大使用階調を決定してもよい。なお、前記電力、電流などは表示パネルの表示領域31に使用するものだけでなく、周辺回路部で使用される電力、電流を含めて求めても良い。
図84(a)は、通常表示状態であり、duty比が1/1としている。つまり、図12、図13の黒挿入表示を行っていない。この状態が、最大輝度を表示できる駆動状態である。
図84において、変化点であるa点は可変できるように構成しておくことが好ましい。可変点は、EEPROMに格納できるように構成する。また、b点についても同様である。また、各直線及び曲線は、多数の折れ点ポイントを設けてもよいことは言うまでもない。
例えば、1024階調目を1.0の明るさとし、ガンマが2乗特性カーブであれば、0.75の明るさは887階調目、0.50の明るさは724階調目、0.25の明るさは512階調目である。ガンマが2.2乗特性カーブであれば、0.75の明るさは898階調目、0.50の明るさは747階調目、0.25の明るさは545階調目である。したがって、実際には、以上の明るさ(輝度、照度)を基準として制御する階調あるいは設定する階調を決定すべきである。
図84(a)から1/4の輝度に低下させるには、図84(a)と技術的思想と同様に、表示する階調数を削減する。図84(b)において、724階調は、輝度200ntを表示する階調である(図84(a)の右の目盛りを参照のこと)。362階調は、ガンマ2乗カーブで1/4の50ntを表示できる階調である。同様に、512階調は、ガンマ2乗カーブで1/2の100ntを表示できる階調であり、627階調は、ガンマ2乗カーブで200ntの3/4の150ntを表示できる階調である。但し、各階調番号は、説明を容易にするために決定したものであり、本実施例がこの値に限定されるものではない。
図84(b)に図示するように、通常表示からその1/4輝度までの輝度可変は、表示する階調数の変更により行う。図84(b)に図示するように図84(a)の点灯率100%から1/4の50ntに低下させる場合には、最大使用階調は362とする(つまり、50ntを表示する場合に使用する階調は、1階調目から362階調目)。1/2の100ntに低下させる場合には、最大使用階調は512とする(つまり、100ntを表示する場合に使用する階調は、1階調目から512階調目)。150ntに低下させる場合には、最大使用階調は627とする(つまり、150ntを表示する場合に使用する階調は、1階調目から627階調目)。これ以上、画面輝度を変更する場合も、使用階調数を変更すればよい。
以上のように、図84(b)は、通常輝度から輝度1/4までも、使用する階調数制御(最大使用階調(最大表示階調)制御)で行っている。
さらに画面輝度を低下させるため、本実施例では図84(c)に図示するように、duty比制御(図12、図13)により、画面輝度制御を実施している。輝度は、表示領域53又は非表示領域52の面積を増減させることにより行う。duty比制御では、表示する階調数は変更しないため、良好な階調表示を実現できる。
図84(c)では、200ntの輝度1/4以下から輝度1/100(2nt)までは、duty制御とした実施例である。最低輝度は、ピーク輝度4nt、白ラスター2ntである。図84(c)において、最大使用階調数は、点灯率100%の時、362階調であり、点灯率0%近傍(完全に点灯率0%は、黒ラスター表示となり点灯している画素がないため近傍とした)では、512階調である。
以上の制御(図84(a)(b)(c))により、画面明るさは、1/100に調整することができる。
なお、図84においても、a点、b点位置を可変できるように設定することが好ましい。a点、b点の変更は、点灯率を求め、EL表示装置に入力された映像信号電圧又は映像信号データに乗算する係数を前記点灯率の値によって変更することにより実現できる。なお、変更は遅延時間、ヒステリシス動作を持たして行うことが好ましい。以上の事項は本発明の他の実施例においても適用される。
以上のように、本実施例は、最大輝度(図84(a)の状態)から、所定の輝度変化範囲(図84(a)(b)では輝度変化1/4)までは、使用する最大階調(最大使用階調数)を減らすことにより輝度を可変する。それ以上に、画面輝度を低下させる場合は、図84(c)に図示するように、duty比を可変することにより行う。duty比を可変する場合は、表示に使用する階調数は変化しない(維持される)。本発明は、最大階調数制御により、比較的明るい表示輝度における表示画面31の明るさ制御を実現し、低輝度表示では、duty比制御を実現する。とくに、duty比制御は、暗室など非常に暗い環境下で実施することにより効果を発揮する。duty比による明るさ制御は、使用する階調数が低下しないため、良好な階調表示を実現できるからである。高輝度表示では、使用する階調数が多いため、最大使用階調数制御により使用する階調数が減少させても画像表示にはほとんど影響を与えない。
以上のように、映像信号電圧Vsigの特徴あるいは分布を検出し、あるいは映像信号電圧Vsigに基づいて特徴などを検出し、画面の最大表示輝度を可変する制御は最大使用階調数制御で行い、外部照度などにより、表示画面31の明るさ制御(明るさ調整)を行う場合は、duty比制御により実現することが好ましい。 以上のように、本実施例は、低輝度表示を行う場合(低輝度領域)には、duty比制御により表示画面31の画面輝度を変化させ、一定以上の高輝度表示を行う場合(高輝度領域)には、使用する階調数を変化させて行う。この場合は、duty比は1/1など固定にする。
しかし、本実施例はこれに限定するものではなく、高輝度領域で、duty比を1/2などとしてもよく、また、可変してもよい。また、低輝度領域においても、使用する階調数を変化させてもよい。
また、図84(a)は最大階調の輝度を400ntから200ntの1/2にするとしたが、これに限定するものではなく、400ntから100ntの1/4などに設定してもよい。また、図84(b)は最大輝度を200ntから50ntの1/4にするとしたが、これに限定するものではなく、200ntから25ntの1/8などに設定してもよい。また、図84(c)は最大輝度を50ntから2ntの1/25にするとしたが、これに限定するものではなく、50ntから1ntの1/50などに設定してもよい。
以上のように目標仕様のあわせて、最大使用階調数の可変範囲、可変位置をソフト的に変更、最大輝度の可変範囲、変更位置をソフト的できるようにする。変更などは、ソースドライバIC14のコントローラ部にて容易に実現できる。入力変数は、映像信号データ、点灯率などを用いる。また、変更位置、可変位置などは、EEPROM753の外部メモリに格納しておく。
EL表示装置に表示画面31に発生する焼付け課題は、図129に図示するように、グラフィックコントローラ1292と画素数分の容量を有するフラッシュメモリ1291を採用することにより解決できる。フラッシュメモリ(フラッシュROM)1291は、各画素の点灯時間と、RGB別のEL素子の寿命曲線が記録されている。グラフィックコントローラ1292は、表示パネルの点灯時間を保持し、また、各画素の明るさ(流れる電流の大きさ)を映像信号電圧Vsigから、図83の構成で演算する。
グラフィックコントローラ1292は、各画素の点灯時間と流れる電流から、演算あるいは処理により、各画素の輝度低下を求める。求めた輝度低下は、EL表示装置をオフするときに、フラッシュROM1291に書込み、次にオンするときに、フラッシュROM1291から読み出す。グラフィックコントローラ1292は、求めた各画素の輝度低下分を補うように映像信号に補正データを加算する。以上のように処理することにより、補正データにより焼付け(画素ごとにEL素子の輝度低下)は補償される。したがって、焼付けは発生しない。
以上の事項は、図1の画素構成のEL表示パネルあるいはEL表示装置だけではなく、他の画素構成(図4、図5、図10、図11、図25、図29、図31、図33、図35、図37、図42、図46、図52、図54、図55、図58、図59、図86、図90、図91、図92、図93、図94、図95、図113、図123、図124〜図128など)のEL表示パネルあるいはEL表示装置にも適用できることは言うまでもない。
以上の事項は他の実施例においても同様である。例えば、図12、図13、図61、図75、図76、図77、図78、図79、図83、図84、図85、図98、図99、図100、図101などの方法あるいは方式、図7、図8、図9、図60、図83、図96、図102、図103、図104、図106、図107、図108、図109、図110、図111、図112、図129の構成あるいは構造あるいは方法に関しても先に例示したあるいは本明細書に記載した画素構成と組み合わせて実施することができることは言うまでもない。また、実施例1〜2、実施例4〜7などの表示パネル(表示装置)あるいは駆動方法にも適用される。
本発明の実施例4について説明する。
図60は、実施例4のEL表示装置の電源回路(電源IC)の説明図である。本実施例の電源回路を用いることにより、検査、エージング、輝度調整などが容易に実現できるようになる。
電源回路602のVin端子には、バッテリーからVin電圧(電圧2.3V以上4.6V以下)が印加される。電源回路(電源IC)602は、EL表示装置に必要な電圧を発生させる。EL素子に供給する電圧(アノード電圧Vdd、カソード電圧Vss)及びその電流は、DCDC回路により発生させる。
DCDC回路において正極性の電圧Vddは、コイルLpを用いる。負極性の電圧Vssは、コイルLnを用いる。すなわち、コイルを用いて共振させることにより必要な電圧値を発生させる。
アノード電圧Vddは、ソースドライバ回路14のアナログ電圧Avddと共通である(Vdd=Avdd)。Avdd電圧は、ソースドライバ回路14の電源電圧である。アナログ電圧Avddは、映像信号の基準電圧としている。駆動トランジスタ11aは、Pチャンネルトランジスタであるため、アノード端子はアノード電極(電圧Vdd)と接続されている。すなわち、駆動トランジスタ11aの基準電圧位置は、アノード電圧Vddである。ソースドライバ回路39のアナログ電圧をAvddとし、Avddを基準(映像信号電圧がAvdd電圧の時、映像信号の振幅電圧は、0Vである)とする。
なお、Avdd電圧は、アノード電圧Vddよりも、0.2V以上1.0V以下の電圧だけ高くしてもよい。例えば、アノード電圧が4.6Vであれば、Avdd電圧は、4.8V滋養5.6V以下に設定する。表示コントラストを向上させることができる。
Avdd=Vddすることにより、駆動トランジスタ11aを映像信号でプログラム設定することが容易になる。また、EL表示装置で使用する電源数も削減できる。
画素16の駆動トランジスタ11aはPチャンネルトランジスタである。Vdd=Avddとすることにより、階調電圧の電位とアノード電位Vddが連動して変化するので、良好な階調表示を実現できる。電源回路(IC)602で発生するアノード電圧Vddがバラツキにより変化しても、駆動トランジスタ11aに印加する振幅電圧の基準位置は連動して変化する。したがって、駆動トランジスタ11aを映像信号でプログラム設定する精度が良好になる。
なお、画素16の駆動トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、映像信号の基準電圧をグランド(GND)電圧にする。
また、電源回路602は、リニアレギュレータ回路により、ソースドライバ回路のロジック電圧Dvddを発生する。Dvdd=1.85Vである。また、チャージポンプ回路により、ゲートドライバ回路12の電源(VGH、VGL)を発生する。チャージポンプ回路は、正極性の電圧VGHには、コンデンサCpを使用する。チャージポンプ回路は、負極性の電圧VGLには、コンデンサCnを使用する。すなわち、コンデンサと発振回路で、チャージポンプ回路を構成し、必要な電圧値を発生させる。
なお、VGH、VGLなど、ゲートドライバ回路12で使用する電圧は、ソースドライバ回路14に形成したチャージポンプ回路で発生させてもよい。この場合は、ソースドライバ回路14のVGH、VGL出力回路に、オフスイッチを形成する(ソースドライバ回路14に出力オフ機能を持たせる)。
以下の実施例では、電源回路602にVGH、VGL、Vrst電圧発生回路601を具備するとして説明する。VGL、VGH、Vrst電圧発生回路601がソースドライバ回路14に具備される場合は、ソースドライバ回路14と電源回路602とを同期を取っても本実施例を実施すればよい。
Avdd、Dvdd電圧は、レギュレータ回路で発生させてもよい。バッテリー電圧Vinがレギュレータ回路に入力され、Dvdd電圧を発生させる。また、バッテリー電圧Vinがレギュレータ回路に入力され、Avdd電圧を発生させる。
なお、本実施例のEL表示装置においては、映像信号電圧Vsigを画素16に印加するスイッチトランジスタ11cを駆動するゲートドライバ回路12aは、オン電圧VGH1、オフ電圧VGL1とする。EL素子15に流れる電流をオン/オフ制御するスイッチトランジスタ11dを駆動するゲートドライバ回路12bは、オン電圧VGH2、オフ電圧VGL2とする。また、VGH1=VGH2、|VGL1|<|VGL2|にしている。本実施例では、画素26を選択し映像信号を書き込むゲート信号線17の駆動電圧(VGH2、VGL1)と、EL素子35に流す電流を制御するゲート信号線17の駆動電圧(VGH2、VGL2)とを異ならせている。
ソースドライバ回路24の電源電圧をAVdd(V)とし、アノード電圧をVdd(V)としたとき、Vdd−1.5(V)≦AVdd≦Vddの関係を満足するように構成している。
ゲートドライバ回路のオン電圧又はオフ電圧をVGH(V)とし、アノード電圧をVdd(V)としたとき、Vdd+0.2(V)≦VGH≦Vdd+2.5(V)の関係を満足するように構成している。
一例としてカソード電圧Vssは、−4.5V〜−1.0Vであり、アノード電圧Vddは、3.5V〜7.0Vである。Vss、Vdd、VGH、VGLなどは電源回路から供給され、必要に応じて各電圧の値は変更設定される。
本実施例は、エージング工程、欠陥検査、輝度調整などの調整対応するため、出力オープン機能を有する。
出力オープン機能はスイッチから構成する。図60に示すように、各電圧発生回路601の出力段にスイッチ(SW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6、SW7)が形成されている。
出力オープン機能とは、スイッチSWをオフ(ハイインピーダンス)にすることにより、電源回路602の出力端子に、別電圧を印加できる。例えば、Vdd=5Vとし、Vdd出力端子のスイッチSW2をオフにすることにより、Vdd出力端子に7Vの電圧を印加できるようになる。Vss=−3Vとし、Vss出力端子のスイッチSW1をオフにすることにより、Vss出力端子に−5Vの電圧を印加できるようになる。
各端子のスイッチSWをオフさせることにより、各端子に外部電圧を印加したとき、オフリーク電流は10μA以下となるように構成されている。この構成は、各スイッチSWを構成するFETのゲート端子にバッファ回路を介して電圧を印加する回路構成を採用することにより実現できる。
スイッチSW1は、Vss電圧をオフ(ハイインピーダンス)にする機能を有する。スイッチSW2は、Vdd電圧をオフ(ハイインピーダンス)にする機能を有し、スイッチSW3は、Avdd電圧をオフ(ハイインピーダンス)にする機能を有する。スイッチは、アナログスイッチ、MOSスイッチなどで構成される。
同様に、スイッチSW4は、ソースドライバ回路14で使用するロジック電圧Dvddをオフ(ハイインピーダンス)にし、スイッチSW5は、VGH電圧をオフ(ハイインピーダンス)にする。スイッチSW6は、VGL電圧をオフ(ハイインピーダンス)、スイッチSW7は、Vrst電圧をオフ(ハイインピーダンス)にする機能を有する。
なお、スイッチ(SW1〜SW7)は、明確にスイッチ回路を形成する必要はない。例えば、Vdd発生回路601bに印加する発振電圧を停止することにより、等価的に、Vdd出力がオフとなる場合は、スイッチSW2の物理的形成は不要である。つまり、スイッチSWとは、各電圧発生回路601の動作を停止させる機能と考えても良い。
電源電圧の出力回路にはトランジスタ(FET)を具備しており、このFETからなるスイッチ、ダイオードと外付けコイル(Ln、Lp)で共振させて所定の電圧を発生させる。この共振させるFETのゲート端子にオフ電圧を印加する、又はオフにすることによりFETから電圧は出力されないようになる。結果的に、該当電源回路602の出力端子はオフ(ハイインピーダンス)になる。また、電源回路602に内蔵のダイオードに逆バイアスを印加して、ダイオードをオフさせてもよい。また、図61に示すように、電源回路602の外部に、スイッチ回路611を外付け配置してもよい。スイッチSWはリレー回路などで構成することもできる。
また、電源回路602の出力段のトランジスタのゲート端子にオフ電圧を印加し、前記トランジスタのチャンネル間をハイインピーダンスにする。なお、電源回路602の出力段には保護ダイオードを形成し、保護ダイオードはリークが発生しないように十分に高い電圧に接続してオフ状態を維持する。
なお、出力オープン機能は、電源回路602に内蔵させることに限定されるものではない。例えば、図61に示すように、SWの部分をスイッチ回路611として別途設けてもよい。スイッチ回路611は、シリコンチップで形成し、フレキシブル基板755などに実装する。スイッチ回路611はMOS−FETなどで構成する。
すなわち、本実施例のオフ(ハイインピーダンス)にする機能とは、等価的に、電源回路602の端子を外部から見たとき、ハイインピーダンス状態にする機能であれば足りる。また、ハイインピーダンス状態にした時、又はハイインピーダンス状態になった時、電源回路602の端子を外部に別の電圧を印加できる構成であれば足りる。
本実施例の電源回路は、負電源側のダイオード、FETを内蔵している。また、SMBusなどの標準データバスを具備し、標準データバスに伝送するコマンドにより、出力電圧などを設定できる。
コマンドにより設定できる電圧は、VGH電圧、VGL電圧、Vss電圧、Vrst電圧である。これらの電圧は、0.5Vキザミで設定できるように構成されている。なお、VGHはVGH1、VGH2と2種類の電圧を発生させ、VGLはVGL1、VGL2と2種類の電圧を発生させてもよい。
電圧の可変は、電源回路602内部に、DA変換回路を設けることにより容易に実現できる。また、出力オープン機能もコマンドで制御することができる。例えば、標準データバス(SMBus、I2Cバスなど)を介したコマンド制御により、Vss電圧端子をオフにできる。コマンドにより、どのスイッチをオンさせるかオフさせるかを指定する。
図62は、VGH電圧、VGL電圧、Vdd電圧、Vss電圧、Vrst電圧、Avdd電圧の設定値である。設定値は、コマンドの’値’により、0.5Vキザミで設定されている。VGH電圧の設定値は、Avdd電圧の設定値よりも1.0V以上(少なくとも0.5V以上)高く設定できるように構成する。VGL電圧の設定値は、Vss電圧と同一の値を設定できるように構成する。
なお、図62の各電圧の値は、EEPROM753(図75)に格納しておき、使用状態に合わせて変更できるように構成しておくことが好ましい。例えば、図62では、VGHの値0では、5.0Vであるが、この値をEEPROM753から読み出し、4.5Vに変更する。キザミ値もEEPROM753に格納されたデータにより変更できるように構成しておくことが好ましい。
VGH電圧、VGL電圧、Vdd電圧、Vss電圧、Vrst電圧、Avdd電圧は、本実施例のパネルの調整工程で、可変して用いる。また、ピーク電流抑制駆動で可変して用いる。
VGH電圧は、5.0V以上9V以下であり、この範囲を0.5Vキザミで設定可能である。また、必要に応じて10mVキザミで設定できるように構成することもできる。以上の事項は他の電圧に対しても同様である。なお、本実施例では、説明を容易にするため、基本的には電圧のキザミは0.5Vであるとする。しかし、これに限定するものではない。
一例として、VGL電圧は、−6.0V以上−0.5V以下であり、この範囲を0.5Vキザミで設定可能である。Vss電圧は、−6.0V以上−0.5V以下であり、この範囲を0.5Vキザミで設定可能である。
なお、Vss電圧は、0.1Vキザミで可変できるように構成することが更に好ましい。特に、EL表示パネルの温度により、Vss電圧を可変できるように構成することが好ましい。
出力オープン機能は、ハード端子による制御でオン/オフしてもよい。例えば、電源回路602の1番ピンはTEST1、2番ピンをTEST2とする。TEST1を’H’とすることにより、Vdd端子とVss端子が出力オフにする。また、’L’とすることにより、Vdd端子とVss端子を電圧出力状態にする。TEST2を’H’とすることにより、VGH端子とVGL端子が出力オフにする。’L’とすることにより、VGH端子とVGL端子を電圧出力状態にする。
なお、出力オープン機能とは、主として電圧出力端子を外部から切り離された状態を意味し、前記端子などに他の電源からの電圧又は電流を印加しても、前記電源IC602などに前記他の電源からの電流が、前記電源IC602などに流入しない、又は、前記他の電源からの電流が流出しない状態、又はこれと類する状態を意味する。また、これらに類する技術的思想である。
また、複数のピンにロジック電圧設定することにより、VGH電圧を5.0Vから8.0Vのいずれかの電圧を設定し、端子から出力できるように構成する。なお、図63にTESTモードの出力電圧と、放電回路(図64)の関係を図示している。
各電源の出力には、放電回路(ディスチャージ回路)が形成されている。ディスチャージ回路を図64に示す。図64は、一例としてVssの出力段であるが、他の出力段Vdd、Avdd、VGH、VGL、Vrstにも形成されている。オフスイッチSW1がオフの場合に、スイッチS1をオンさせて、抵抗Rと介して、Vss端子に充電された電荷を放電する。抵抗Rの抵抗値は、DCDC回路に関連する出力(Vss、Vdd)は、30〜100Ωとする。チャージポンプ回路に関連する出力(VGH、VGL)は、200〜1kΩとする。以上のように抵抗Rの値は、DCDC回路による発生させる電圧よりもチャージポンプ回路で発生させる電圧の方を大きくする。
ディスチャージ回路を構成するスイッチS1も、コマンド設定により動作するように構成されている。すなわち、ディスチャージ動作をさせるか否かは、コマンドで設定できる。
また、図65のように、TEST=3の時、Avddは放電なしとしてもよい。放電回路は、ディスチャージ回路とも呼ぶ。図63では、MODE0で、全電圧(Avdd〜Vss)の出力端子をディスチャージ状態に保持している。このことはEL表示装置を外部ノイズから保護する上でも重要である。また、MODE1のON1コマンドのみが指定されているときは、Vdd端子とVss端子とディスチャージ状態に保持しておくことも重要である。
ON1コマンドのみの場合は、ソースドライバ回路14及びゲートドライバ回路12に使用する電圧(Avdd、VGH、VGL、Vrsr)の端子にはディスチャージせず、EL素子35に印加する電圧端子はディスチャージさせる。ON1及びON2コマンド発生時(MODE3)では、すべての電圧端子はディスチャージしない。
なお、電源回路(電源IC)602の起動はソフトスタート回路の動作あるいは作用によりラッシュ電流が流れないように制御される。ソフトスタート時間は、3msec以上20msec以下の時間に設定される。
また、電源回路(電源IC)602には、過電流防止回路及びサーマルシャットダウン回路が形成されている。過電流防止回路が動作する時間は、50msec以上200msec以下の時間に設定される。
以上のように、図65のTEST状態でも、ディスチャージ(放電)を動作させる。TEST0は、通常の動作状態である。Avdd,VGH、VGL、Vrst、Vdd、Vssの出力は、図67のMODEに従って放電回路が動作する(放電回路ON)。TEST1、TEST2、TEST3では放電回路が動作しない(放電回路OFF:非動作状態)。なお、図68に示すように、TEST3で、放電回路を動作可能状態にしてもよい。
放電回路は、図64に示すように、スイッチS1、放電抵抗Rから構成される。放電抵抗Rは、端子又は配線(図64では一例としてVss端子又はVss配線)に充電された電荷を放電するのに使用される。スイッチS1は電源回路602の出力電圧を停止する時、電源電圧の値を変化させる時に動作する。
本実施例の電源回路602は、DCDC回路の発振周波数もソースドライバ回路14からのコマンドで設定できる。
発振周波数は、0.6MHz、1.2MHz、1.8MHzの複数から1つを選択する。発振周波数は、0.6MHz、1.2MHz、1.8MHzと整数倍に設定できるようにする。発振周波数の1つは、1.0〜1.6MHz内に設定する(本実施例では、1.2MHzが該当する)。この範囲の周波数では、表示画面31にビートノイズが発生せず、好ましい。
発振周波数は、図66に表で示す。発振周波数も電源回路に内蔵する複数の抵抗から1つを選択することにより容易に実現できる。発振周波数は、FLコマンドの設定により、発振周波数が変更できる。発振周波数が低いと、電源回路の外付けコイル(Lp、Ln)のサイズが大きくなる。変換効率は高くなる。電源回路の外付けコイルのサイズが大きくなる。変換効率は高くなる。発振周波数が高いと、電源回路の外付けコイルのサイズが小さくなる。変換効率は低くなることが多い。
本実施例の電源回路は携帯電話に用いる。本実施例は、携帯電話の通信方式により、発振周波数を切り替えて使用する。CDMA方式の場合は、DCDCの発振周波数を0.6MHzとする。GSM方式の場合は、1.2MHzで使用する。本実施例は、CDMA方式で使用する場合と、GSM方式で使用する場合とで、コマンドにより、発振周波数を変更する。すなわち、携帯の受信方式に対応させて発振周波数を切り替える。
図63は、本実施例の電源回路の動作モードであるテストモード(TEST)で、ディスチャージ(放電)回路の動作の有無を記載している。図63において、「○」は、対応する電圧が出力されることを示し、「・」は、出力されていないことを示す。ONは、放電回路が動作していること(図64でスイッチS1がオンしていること)を示し、OFFは、放電回路が非動作状態であること(図64でスイッチS1がオフしていること)を示している。
例えば、TESTモードの値が1(設定値1)では、Avdd、VGH、VGL、Vdd、Vrst、Vssが出力されており、放電回路がONしていることを示している。TESTモードの値が2(設定値2)では、Avdd、VGH、VGLが出力されており、放電回路がOFFしていることを示している。
本実施例の電源回路602には、図67に示すように、MODEがある。
MODEとは、電源回路602の立ち上げ及び立ち下げシーケンスを行うものである。シーケンスを行うのに、ON1とON2がある。
MODE=0(MODEコマンドの値0、MODE0)では、ON1及びON2がともに0(オフ)である。
MODE=1(MODEコマンドの値1、MODE1)では、ON1=1(オン)で、ON2=0(オフ)である。
MODE=2(MODEコマンドの値2、MODE2)では、ON1=0(オフ)であり、ON2が1(オン)である。MODE=3(MODEコマンドの値3、MODE3)では、ON1及びON2がともに1(オン)である。なお、図67において、○は、該当する電圧が出力されていることを、・は、該当する電圧が出力されていないことを示している。
ON1=1は、ソースドライバ回路14及びゲートドライバ回路12の電源電圧(Avdd、VGH、VGL、Vrst)の立ち上げをする。ON2=1(オン)は、アノード電圧Vdd、カソード電圧VssをEL表示装置に供給する。
立ち上げシーケンスでは、本実施例は、ON1を設定し、次にON2を設定する。立ち上げシーケンスでは、まず、ゲートドライバ回路12及びソースドライバ回路14を動作した後に、EL素子35に供給するアノード電圧などを印加する。この状態が反転すると、EL表示装置が不要な発光状態が発生する。
立ち下げシーケンスでは、本実施例は、ON2を解除し(ON2=0)、次にON1を解除する(ON1=0)。立ち下げシーケンスでは、まず、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssを切断してから、ゲートドライバ回路12及びソースドライバ回路14の電圧をオフにしないと、アノード端子からのソースドライバ回路14への逆流により、ソースドライバ回路などが破壊される場合がある。
以上により、MODE=2の状態は発生してはならない。立ち上がりシーケンスにおいて、ノイズなどにより、MODE=3が最初にとなった場合は、まず、MODE1を設定し、MODE3を実行する。また、立ち上がりシーケンスにおいて、ノイズなどにより、まず、最初にMODE=3となった場合は、まず、MODE1を設定し、MODE3を実行する。以上のように、本実施例は、各動作が異常状態から動作した場合に、自己修正するロジックを内蔵している。
立ち下げシーケンスの場合は、MODE3の状態から、ON2=0となる、MODE1の状態となり、最後にMODE0の状態となる。
MODE0では、全出力電圧がオフである。MODE1では、ソースドライバ回路14のアナログ電圧Avdd、ゲートドライバ回路12の電圧(VGH、VGL)がオン状態、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssがオフ状態である。MODE2、MODE3では、ソースドライバ回路14のアナログ電圧Avdd、ゲートドライバ回路12の電圧(VGH、VGL)がオン状態、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssがオン状態である。しかし、MODE2は、設定禁止状態である。
図68は、MODEに対するディスチャージ動作(図64を参照のこと)の設定状態を示している。図68において、「○」が、ディスチャージ動作をおこなっていること(図64のように、対応するスイッチS(図64では、スイッチS1)がオンしていること)を示している。「・」は、スイッチSがオフであること(ディスチャージ動作していないこと)を示している。
MODE0では、全出力電圧がオフであるため、全端子が、ディスチャージ状態である。MODE1では、ソースドライバ回路14のアナログ電圧Avdd、ゲートドライバ回路12の電圧(VGH、VGL)がオン状態、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssがオフ状態であるため、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssのみが、ディスチャージ状態である。MODE2、MODE3では、ソースドライバ回路14のアナログ電圧Avdd、ゲートドライバ回路12の電圧(VGH、VGL)がオン状態、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssがオン状態である。したがって、全出力のディスチャージは非動作である。MODE2は、設定禁止状態である。
以上のように、電圧出力されていない端子を、ディスチャージ状態にすることにより、EL表示装置の不要な動作又は誤動作を防止すると共に、EL表示装置が電気的に破壊されることを防止できる。
オン/オフ端子は、電源回路を起動させる端子である。オン/オフ端子にクロック信号が印加されると、Dvdd電圧を出力する。クロック信号は、信号の立ち上がり又は立ち下げを検出し、複数回のクロック信号の立ち上がり又は立ち上がりエッジを検出するとロジック電圧Dvddを出力する(図69を参照)。
クロック信号は、本実施例のEL表示装置に印加される映像信号クロック又は水平同期信号HDを用いる。映像信号は、本実施例のEL表示装置が組み込まれた機器のグラフィックコントローラが発生する。
図69に示すように、クロック(CLK)信号の立ち上がりを検出し、電源回路602内のカウンタ701をカウントアップする(図69、図70、図72を参照のこと)。クロックが3クロック入るとDvdd電圧が出力される。この電源立ち上がりまでに必要なクロック数は、コマンドで設定できるように構成されている。
図69では、a点で3クロックであるため、Dvddを出力する。もちろん、クロック信号の検出は、クロックの立ち下げを検出してもよい。また、クロックの両エッジを検出してもよい。クロック間隔が一定以上短いとカウントはしない。この設定は、電源回路602に内蔵するローパスフィルタで設定する。
クロックが一定期間、遮断されると、Dvdd電圧の出力を停止する。図69では、T1期間が30msec以上であると出力を停止する。同時に、カウンタ701のカウント値はクリアされる。したがって、カウンタ701のカウントは0から開始する。
なお、図69の実施例では、Dvdd電圧をクロックでオン/オフ(出力、停止)させるとしたが、これに限定するものではない。例えば、Vdd、Vss電圧、VGH、VGL電圧をオン/オフ制御してもよい。また、3クロック目でVGH、VGL電圧などゲートドライバ回路12で必要なチャージポンプで出力する電圧を出力させ、30クロック目でVdd、VssなどEL素子35に供給するDCDC電圧を出力するように構成してもよい。
立ち下げも同様である。30msecで、Vdd、VssなどEL素子35に供給するDCDC電圧を停止し、同時に放電回路(図64、図68を参照)を動作させ、100msec後に、VGH、VGL電圧などゲートドライバ回路12で必要なチャージポンプで停止(同時に放電回路を動作)するように構成してもよい。すなわち、クロックの個数又はクロックの間隔で電圧出力を制御する。
Dvdd電圧は、ソースドライバ回路14のロジック電圧である。DVdd電圧が立ち上がると、I2Cバス(又はSMbus)の電源が供給され、ソースドライバ回路14と電源回路602間のコマンド通信が可能になる。ソースドライバ回路14は、I2Cバス(又はSMbus)を介して電源回路602にオンシーケンスコマンド(オンコマンド)を伝送し、電源回路602は、他の電圧(VGH、VGL、Vss、Vddなど)を出力する。
電源回路602の立ち下げ(電圧出力の停止)は、ソースドライバ回路14から電源回路602へのオフシーケンスコマンド(オフコマンド)により行われる。なお、図69に示すクロック信号(CLK)が中断することによっても電源回路602はオフ状態になる。
Dvdd電圧は、ソースドライバ回路14で使用されるロジック電圧である。まず、最初にロジック電圧が入力されないと、ソースドライバ回路14のロジック動作が開始せず、EL表示装置の開始シーケンスが実施されない。しかし、常時(EL表示装置を使用しないときも)、DVddの電圧発生回路601cを起動しておくと、電力を使用する。図69、図70のように、クロックでDvdd発生回路を起動させるように構成すれば、不要な電力消費はない。また、クロックが一定期間入力されないと、Dvdd回路を非動作状態になるように構成すれば、不要な電力消費はない。
なお、図69の実施例ではクロックの入力により、DVdd電圧が立ち上がるとしたが、本実施例はこれに限定するものではなく、Avdd電圧など他の出力電圧を立ち上げるように構成しても良い。また、電圧が立ち上がるクロック数はコマンドなどにより設定できるように構成することが望ましい。立ち下げの時間T1もコマンドなどにより設定できるように構成することが好ましい。
また、カウンタの値は、クロックが一定時間以上ない場合はクリアされるように構成することが好ましい。例えば、2のクロック信号(CLK)が入力されても、3番目のクロック信号(CLK)までの間隔が20msec以上あると、電源回路602内のカウンタがクリアされ、カウンタを0に戻すように構成する。また、電源回路602がオフシーケンスを受けつけた場合も、カウンタはクリアされる。クリアされるまでの時間は、コマンドにより設定できるように構成されている。
クリアされるまでの時間T1は、クロックとして垂直同期信号を使用することを想定される。したがって、30フレームの場合、35msec以上にする必要がある。また、ノイズによるカウントアップの誤動作を防止するため、100msec以下(0.1Hz)にする必要がある。また、映像信号のメインクロックで動作するように構成する。表示装置の画像クロックが3MHzであれば、3MHzで動作するように構成する。しかし、余り高速なクロックで動作するように構成すると、外部ノイズで簡単に誤動作する。したがって、10MHz以下にする。したがって、クロックは、0.1Hz以上10MHz以下にする。クロックは、水平同期信号(HD)を使用することが好ましい。水平同期信号は、8KHz以上30KHz以下程度である。したがって、クロックは、8KHz以上10MHz以下で動作するように構成する。
また、短時間で異常なクロック(外部ノイズ)入力による誤動作を防止するため、コンデンサなどのよるノーパスフィルタを形成しておく。
カウンタ701は、電源IC602がオフされると、クリアされる。また、EL表示装置のソフトウェアリセット又はハードウェアリセットが入力されるとクリアされる。また、電源IC602がオンされるときに、初期クリアされる。
また、Dvdd電圧は、3クロック信号(CLK)で出力し、図72に示すように、Avdd電圧は、5クロック信号(CLK)で出力するように構成しても良い。すなわち、クロック信号(CLK)数により、立ち上がる電圧を指定できるように構成する。立ち下げ電圧においても同様に構成しても良い。カウント設定するクロック数は、2以上5以下が好ましい。ノイズによる誤動作防止と起動時間を短くするためである。
また、一度、カウントが規定値に達した後は、ソースドライバ回路14からリセット信号が電源回路602に入力されない限り電圧出力を停止しないように構成してもよい。
Dvdd電圧は、レギュレータを用いて発生する。レギュレータは、動作状態であると、リーク電流が流れ電力を消費してしまう。図69、図70のように、クロックを検出してレギュレータを起動するように構成すれば、リーク電流の発生はない。したがって、EL表示装置が非動作状態では、電力を消費しない。
本実施例の電源回路602は、クロック信号(CLK)が入力されている時に、オンコマンドが入力されることにより、電圧が出力されるように構成されている。また、クロック信号(CLK)が入力されている時に、オフコマンドが入力されることにより、電圧出力を停止する。また、出力端子をオフにする。
但し、本実施例はこれに限定するものではない。例えば、図73に図示しているように、強制的に電圧を出力されるオン/オフ端子(ハードピン)を設けても良い。
次に、立ち上がりシーケンスについて図75を用いて説明をする。
電源回路602に、水平同期信号(HD)又はメインクロック(CLK)が入力されると、Dvdd発生回路601c(図70)により、クロックをカウントし、規定のクロック数をカウントすると、Dvdd発生回路のレギュレータが動作する。レギュレータ回路は、入力されたバッテリー電圧Vinをレギュレータして1.85V(1.8V系)を出力する。
以上のように、電源回路602にコネクタ751から供給される信号又は電圧は、CLK又はHDと、Vinだけである。パネル34とフレキシブル基板756とはACF755で電気的に接続が取られている。したがって、電源回路602から出力される電源電圧数が多くてもコストが高くなることはない。なお、電源回路602は、プリップチップ実装(COF実装)されている。
1.85Vはソースドライバ回路14などのロジック電圧である。ロジック電圧Dvddは、SMBusの電源であり、また、EEPROM753、フラシュメモリ752の電源電圧である。したがって、Dvdd電圧が発生することにより、EL表示装置のロジック系が起動状態になる。
ソースドライバ回路14は、ロジック電圧Dvddが入力され、外部3線シリアルバスから、リセット信号コマンドが入力されると、立ち上がりシーケンスを開始する。
リセット信号コマンドをソースドライバ回路14が受信し、電源回路602の初期化が完了(図67において、MODE0)すると、ソースドライバ回路14は、SMBusを介して、電源回路602にオンコマンド(ON1、ON2:図67)を送る。基本的にオンシーケンスは、MODE0(ON1、ON2はオフ)→MODE1(ON1のみオン)→MODE3(ON1、ON2はオン)である。
ON1コマンドにより、AVdd電圧(ソースドライバ回路14のアナログ電圧)、VGH、VGLが出力される。AVddとアノード電圧Vddは同一電圧である(図61なども参照のこと)が、AVddはON1で出力されるが、アノード電圧Vddは、SW2がオフ状態であるため、出力されない。SW2はON2コマンドでオン状態となる。ON1コマンドにより、VGHはSW5がオンすることにより、VGLはSW6がオンすることにより、出力される。
ソースドライバ回路14にAVdd電圧が印加されることにより、階調電圧などが出力できるようになる。VGH、VGL電圧は、ゲートドライバ回路12に印加される。VGH、VGL電圧によりゲートドライバ回路12のゲート信号線17の電位が設定される。また、ソースドライバ回路14は、ゲートドライバ回路12にスタート(ST)信号、クロック(CLK)信号を印加し、また、ソースドライバ回路14は、ソース信号線18に黒階調の映像電圧信号などを印加し、ゲートドライバ回路12は画素16を黒表示状態に制御する。
ON1コマンド(図67のMODE1)からON2コマンド(図67のMODE3)までの移行時間は、1フレーム期間以上とする。好ましくは2フレーム期間以上とする。表示画面31を黒表示状態にしてから、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssを印加するようにするためである。表示画面31を黒表示状態にしてから、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssを印加しないと、不要な画像表示がされることがあるためである。
次に、ソースドライバ回路14は、入力された映像信号(RGB)、水平同期信号(HD)、垂直同期信号(VD)、クロック(CLK)に対応させてソース信号線18に映像信号を出力する。
ソースドライバ回路14は、電源回路602にON2コマンドを送出する。ON2コマンドにより、SW1、SW2がオンし、表示画面31にアノード電圧Vdd、カソード電圧Vssが印加される。アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssの印加により、EL表示装置に画像が表示される。
以降、ソースドライバ回路14は、映像信号から、表示画面31に流れる電流を演算などにより、点灯率求め、ピーク電流をオーバーしないように、duty比駆動を実施する。また、必要に応じて、電源回路602にコマンドを送り、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssを変化させる。
なお、図67に示すように、誤動作により、MODE2から開始される場合は、MODE1を実行し、次にMODE3を実行させる。誤動作により、MODE3から開始される場合は、MODE1を実行し、次にMODE3を実行させる。
オフシーケンス(立ち下げシーケンス)では、MODE1が実行される。MODE1の実行前に、ソースドライバ回路14は、表示画面31を黒表示にする。黒表示は、ソース信号線18に黒の階調信号(低階調)を印加し、この信号を画素16に書き込むことにより実現する。黒表示後に、ソースドライバ回路14は電源回路602にコマンドを送り、MODE1(ON2をオフ)にする。
ON2コマンドのオフ指令により、SW1、SW2がオフし、表示画面31へのアノード電圧Vdd、カソード電圧Vssの印加が停止される。
次に、ソースドライバ回路14は、電源回路602にMODE0にすべく、ON1をオフにするコマンドを送る。
図67のMODE1から図67のMODE0までの移行時間は、1フレーム期間以上とする。好ましくは2フレーム期間以上とする。アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssを完全に端子などから放電させてからゲートドライバ回路12を停止させるためである。ON2コマンドをオフ(0)にすることにより、SW2、SW1がオフになる。この際、図64、図68に示すように放電回路を動作させる。アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssを完全に放電させてからでないと、不要な画像表示がされることがあるためである。
ON1コマンドをオフすることにより、SW5、SW6がオフになり、AVdd電圧(ソースドライバ回路14のアナログ電圧)、VGH、VGLが停止される。最後に、電源回路602に印加されているCLK又はHDが停止し、Dvddが停止する。
図61、図73などの実施例では、シャットダウン端子(SHDN)を配置している。SHDN端子は、クロック信号(CLK)が入力されていない状態でも、オン/オフコマンドが入力されると電圧を出力させる端子である(又は、電圧を出力しないようにする端子である)。SHDN端子へのロジック電圧がLレベルにときは、図69、図72で説明した電源動作が実施される。
SHDN端子へのロジック電圧がHレベルの時は、クロック信号(CLK)がない状態でも、オン/オフコマンドを受けつけるようになる。シャットダウン端子(SHDN)は0(GND)が通常状態で、外部クロックによりDvdd出力状態に設定されており、シャットダウン端子(SHDN)はHで、クロックが入力されずとも、Dvddが出力されている状態である。
シャットダウン端子(SHDN)を配置したことは、本実施例の電源回路602を検査工程で用いる場合に有効である。検査工程(点欠陥検出、特性評価)では、フレームレートを低減する。例えば、1秒間の画像表示を書き換える回数60回を20回にする。また、テストトランジスタ754を用いて、ソース信号線18に信号電圧を印加し、画像を表示する。そのため、クロックとして用いる映像信号(メインクロック、水平同期信号クロック)がない場合がある。また、クロックの周期が非常に長く、図69に示すT1期間以上となって、電圧出力が停止してしまう。この場合には、当然クロックを使用して電圧出力をオン/オフさせることができない。そのため、本実施例では、シャットダウン端子(SHDN)を用いて、電圧出力を強制的に制御する。
図61、図73などでは、Dvdd発生回路のみにシャットダウン端子(SHDN)を配置しているが、これに限定するものではなく、他の電圧発生回路601にシャットダウン端子(SHDN)を配置してもよい。また、電源回路602全体がシャットダウン端子(SHDN)により、オン/オフ制御できるように構成してもよい。
図74に示すように、Vss電圧の発生回路がない構成でもよい。この場合は、EL表示装置のカソード電圧は、GND電圧である。Dvdd電圧発生回路601cの出力にはスイッチは配置されていない。Dvddは、CLK又はSHDNのロジック信号により出力/非出力の制御ができるからである。また、各SWの制御は、ソースドライバ回路14が行うが、Dvdd電圧の供給がないと、ソースドライバ回路14のロジックが動作せず、SWの制御コマンドを発生することができないからである。
また、本実施例では、電源回路602は、ICとして説明するが、これに限定するものではない。例えば、ディスクリート部品で電源回路602を構成してもよい。リセット電圧Vrstは、図74の画素構成を有するEL表示装置などで使用する。
Dvddが起動すると、ソースドライバ回路14のロジック回路部が起動すると共に、SMBusなどの標準データバスにデータを送ることが可能になる。ソースドライバ回路14は、標準データバス(SMBusなど)を用いて、電源回路が出力する電圧(VGH、VGL、Vss)の値を設定する。また、発振周波数を設定する。また、Avdd(Vdd)、VGH、VGLを電源回路602から出力させる。
電源回路602は、図75に示すように、フレキシブル基板(2層構成)756に実装されている。
電源回路602の各出力端子には、金バンプが形成されており、ACF(異方導電フィルムによる接続)によりフリップチップ実装されている。
図75の754はテストトランジスタ群である。テストトランジスタ754が各ソース信号線18に形成されている。テストトランジスタ754は、図76、図77に示すように、ソースドライバ回路14が実装された反対側(B位置)に形成してもよい。なお、ソースドライバ回路14は、ICに限定するものでなく、低温ポリシリコン技術などで形成されたソースドライバ回路であってもよい。3選択回路1041を形成してもよい。
スイッチSW3、SW4、SW6は実際には形成されていない。又は省略できる。映像信号のクロック信号により、Dvdd=1.85Vが出力される。したがって、スイッチは必要でない。また、AVddもDCDC回路の発振と同時に出力される。AVddは、ソースドライバ回路14のアナログ電源であると同時に、ゲートドライバ回路12の内部シフトレジスタの電源電圧ともなる。
ソースドライバ回路14からSMBus、I2CBusなどの標準データバスにより、各電源のオン/オフ制御信号が電源回路602に送られる。なお、SMBus、I2CBusの動作速度は、10KHz以上10MHz以下に構成されている。
コマンドのON1により、VGHのスイッチSW5とVGLのスイッチSW6がオンする。スイッチSW5、SW6、SW7がオンすることにより、VGH、VGL(VGL1)、Vrstが出力され、ゲートドライバ回路12が同時する。ゲートドライバ回路12に印加するスタートパルス(ST1、ST2)、クロック(CLK1、CLK2)、アップダウン(UD)は、ソースドライバ回路14により制御される。特に、ゲートドライバ回路12bの内部シフトレジスタは、クリアされ、すべてのゲート信号線17bは非選択状態とされる。
次に、コマンドのON2により、VddのスイッチSW2とVssのスイッチSW1がオンする。スイッチSW1、SW2がオンすることにより、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssが出力される。
電源回路602には、本体のバッテリーからの電圧Vinが供給される。Vin電圧は、コネクタ751を介して電源回路602に供給される。電源回路602は、1つのVin電圧から、EL表示パネルに必要な電圧(アノード電圧Vdd、カソード電圧Vss、VGH、VGL、AVdd、Dvdd=1.85V)を発生させる。フレキシブル基板756とアレイ基板755はACF(異方向性導電フィルム)接続される。すなわち、フレキシブル基板756とアレイ基板755は接着されるから、当然のことながら電源回路602が出力する電圧をEL表示パネル755に印加するのにコネクタは必要でない。
図75の本実施例では、電源回路をフレキシブル基板756に実装し、電源回路602を動作させて、輝度調整、ホワイトバランス調整などを実施する。したがって、電源回路602の発生電圧が個々でバラツキが発生してもバラツキを考慮してEL表示パネルの調整を実施するから問題とならない。また、エージングなどにおいても、実際に使用する電圧VGH、VGLなどを使用することにより、良好にエージングを実施できる。但し、エージング時は、通常表示時よりも、VGH−とVGLの絶対値(電位差)を大きくする。
本実施例のEL表示装置の動作の検査には、電流リミット機能(カレント電流リミット機能)を使用する。
電流リミット機能は、Vss又はVddの最大出力電流を設定する機能である。例えば、Vss電圧のリミット電流が0.5Aであれば、Vssの出力電流が0.5Aを越えると、内部の発振周波数が低下し、出力電流が0.5A以上とならないように調整される。一般にこの状態の場合は、出力電圧Vssが低下する。Vss電圧のリミット電流が1.0Aに設定されておれば、Vssの出力電流が1.0Aを越えると、内部の発振周波数が低下し、出力電流が1.0A以上とならないように調整される。一般にこの状態の場合は、出力電圧Vssが低下する。
本実施例の電源回路602は、Vss電圧とVdd電圧とが、2段階の電流リミット設定できるように構成されている。2段階は、一例として0.5Aと、1.0Aである。電流リミットの値は、エージング工程、モジュール最終検査工程で切り替えて設定する。
コマンドIMNが0の時は、Vss電圧の電流リミット機能によるリミット電流(A)は、0.5Aであり、コマンドIMNが1の時は、Vss電圧の電流リミット機能によるリミット電流(A)は、1.0Aである。
コマンドIMPが0の時は、Vss電圧の電流リミット機能によるリミット電流(A)は、0.5Aであり、コマンドIMPが1の時は、Vss電圧の電流リミット機能によるリミット電流(A)は、1.0Aである。
以上のように、リミット電流は、VddとVssとで個別に設定することができる。また、実施例では、リミット電流の設定値は、0.5Aと1.0Aの2段階であるが、これに限定するものではなく、3段階以上であってもよい。
電流リミット機能は、EL表示装置を検査又は調整する工程で使用する。例えば、EL表示装置を出荷検査において、リミット電流を0.5Aに設定する。通常の動作の設定値は、1.0Aとする。リミット電流を0.5Aに設定し、調整画像をEL表示装置に表示する。
EL表示装置は、表示画像に対応して点灯領域に流れる電流が変化する。例えば、黒ラスター表示では、表示画面に流れる電流は理想的には0Aである。白ラスター表示で、かつピーク電流抑制駆動が設定されていない場合は、最大電流が流れる。ピーク電流抑制駆動が動作している場合は、設定電流以上の電流は流れない。
EL表示装置では、画像の種類により、表示画面に流れる電流の大きさが変化する。したがって、EL表示装置の検査構成において、既知の電流がわかっている画像を順次、EL表示装置に表示することにより、電流リミット機能が動作しているかを判断できる。
リミット電流を通常より、小さい値(本実施例では、0.5A)に設定すると、例えば、画像1では、表示画面に流れる電流が0.6A、画像2では、表示画面に流れる電流を0.4Aとする。
画像1をEL表示装置に表示した時、電流リミット機能が動作しなければ、電流リミット機能が動作不良判断できる。一方、画像2をEL表示装置に表示した時、電流リミット機能が動作すれば、電流リミット機能の異常又は、他の箇所での動作不良が発生している可能性があることを判断できる。また、ピーク電流抑制駆動が正常に動作しているかを判断できる。電流リミットの値は、コマンドにより変更設定することができる。コマンドにより、検査中に、電流リミットの値を可変し、EL表示装置の動作状態を検査できる。すなわち、複数あるリミット設定値を電源IC602に形成し、複数のリミット値から1つの電流リミット値を設定し、流れる電流が既知の画像を表示して、電流リミット機能の動作を見定める。
duty比を大きくすれば、電源回路602に流れる電流が大きくなり、duty比を小さくすれば、電源回路602に流れる電流が小さくなり、また変化する。
特に、本実施例は、電源回路602とEL表示パネルを一体として動作させ(同時に動作させ)、調整、エージングなどを行う。本実施例のEL表示装置は、電源回路602とEL表示パネルが一体化(接続完了)したものである。このように構成することにより、コネクタ751のピン数が少なくなり低コスト化を実現できる。また、理想的に輝度バラツキ、ホワイトバランス調整を実現できる。この実現のために、本実施例は電源回路602の出力オープン機能を有効に利用している。
以上の実施例では、電源回路602に出力オープン機能を搭載するとしたが、本実施例はこれに限定するものではない。例えば、電源回路602のアノード出力端子とEL表示パネルのアノード配線761間にアナログスイッチ、リレー回路を配置してもよい。すなわち、電源回路602の外部にスイッチ回路などを配置又は形成してもよい。
ソースドライバ回路14は、ゲートドライバ回路12に印加するスタートパルス(ST1、ST2)、クロック(CLK1、CLK2)、アップダウン(UD)を制御し、画像が表示される。ゲートドライバ回路12aは、1フレーム期間に1つのスタート信号ST1が印加され、ゲートドライバ回路12bは、duty駆動に対応するように、スタートパルスST2が印加される。
アレイ基板755(EL表示パネル)に、フレキシブル基板756をACF接続することによりEL表示装置は完成する(図75も参照のこと)。フレキシブル基板756には、電源回路602、EEPROM753、フラシュメモリ752などが実装される。テストトランジスタ754をオフさせる電圧VGH(テストトランジスタ754がNチャンネルトランジスタである場合は、電圧VGL)は、電源回路602から供給される。
以上の実施例は、主として電源回路(電源IC)602が、VGH、VGL、Avdd,Dvdd、Vdd、Vssを発生するものであった。しかし、本実施例はこれに限定するものではない。
図96(a)は、電源回路(電源IC)602がVddとVssの2電圧を発生し、他の電圧(Dvdd、Avdd、VGL、VGHなど)をソースドライバIC14で発生する構成である。Vdd、Vss電圧のオン/オフ制御は、ソースドライバIC14から、S−Wire信号線を介して行う。
図96(b)は、電源回路(電源IC)602がVddとVss、Avddの3電圧を発生し、他の電圧(Dvdd、VGL、VGHなど)をソースドライバIC14で発生する構成である。Vdd、Vss電圧のオン/オフ制御は、ソースドライバIC14から、S−Wire信号線を介して行う。Avddは、ソースドライバIC14のアナログ電圧である。Avdd電圧は、ソースドライバIC14で発生することもできるし、図96(b)に図示するように、外部の電源回路(電源IC)602で発生させ、ソースドライバIC14に供給する構成とすることもできる。Avdd電圧は、Vdd電圧よりも0.2V以上1.0以下の範囲で高くする。また、Avddは、ソースドライバIC14の耐圧5.5Vを越えることが内容に設定する。このように構成することにより、ソースドライバIC14が出力する映像信号電圧Vsigの振幅範囲を広くすることができ、結果的に良好な画像表示を実現できる。
図76、図77は、本実施例の電源回路の出力オープン機能を用いたEL表示装置の検査、調整方法の説明図である。以下の実施例においても、画素構成は図3を例示して説明するが、これに限定するものではなく、電流駆動方式の画素構成、電圧駆動などのいずれの画素構成のいずれであってもよい。
図76は、EL表示装置の輝度及びホワイトバランス、コントラストの調整方法である。図76では、電源回路602の出力オープン機能を用いてスイッチSW1をオフにしている。すなわち、カソード電圧Vssは、出力されず、出力端子はハイインピーダンス状態となる。カソード電圧Vssの出力端子のパッドP1に、プローブ764でプロービィングしている。プローブ764を外部電源Vsst間には、電流を測定する電流計763を配置している。なお、調整時のカソード電圧Vsst=画像表示時のカソード電圧Vssとする。
画素16の駆動トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合は、カソード電極をオフにして、カソード配線762の電流を測定する。画素16の駆動トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、アノード電極をオフにして、アノード配線761の電流を測定する。
ソースドライバ回路14は、ゲートドライバ回路12を制御し、画像表示状態にする。基準電流Icの大きさは、通常の1倍とする。なお、基準電流の大きさに比例して、表示画面31の発光輝度が変化する。基準電流の大きさが1から2に変化すると、表示画面31の輝度は、2倍になる。表示画面31で使用する電力も2倍となる。
EL表示装置において、表示画面31のカソード電流Isはカソード配線762に流れる。表示画面31のアノード電流はアノード配線761に流れる。
図76の構成では、電源回路602のカソード電圧の出力端子は、オフであり、外部カソード電圧Vsstが接続されているため、カソード配線762を流れる電流は、プローブ764、電流計763を経由して外部カソード電圧Vsstに流れる。したがって、電流計763で、表示画面31で使用する電流を測定することができる。カソード電流Isを測定するのは、カソード配線762を流れる電流は、表示画面31を流れる電流であるからである。アノード配線761を流れるアノード電流Ipの一部は、ソースドライバ回路14にプログラム電流及び出力段回路を流れる。
なお、Vddt、Vsstは、検査又はエージング構成で外部から設定又は外部で発生機器からの電圧である。Vddt、Vsstは、電圧値を可変する機能を有する。
EL表示装置は、カソード電流Isの大きさを発光輝度は比例の関係になる。したがって、カソード電流を測定することにより、表示画面31の発光輝度を把握することができる。以上のことから、カソード電流を所定の電流となるように調整することにより、表示画面31の発光輝度を調整することができる。
なお、カソード電流など表示画面に流れる電流は、電流が流れる配線にピックアップ抵抗を配置して、前記ピックアップ抵抗の両端の電圧を測定できるように構成してもよい。以上の事項は、本実施例の他の電流を測定する方式においても同様に適用できる。
図76の実施例では、表示画面31全体に流れるカソード電流を測定するとしたが、本実施例はこれに限定するものではない。例えば、表示画面31の一部又は所定面積に含まれる画素のカソード電流を測定するようにしてもよい。このカソード電流で表示画面31全体に流れるカソード電流を推定することができる。また、白ラスター表示では、画面全体が同一輝度で表示されるため、一部であっても表示画面31全体の推定は容易だからである。
また、表示画面31を所定面積で分割し、各分割した領域でのカソード電流を測定することにより、表示画面31の特性分布を測定することができる。分割とは、画素列、画素行、マトリックス状が例示される。
画素16が電圧プログラム方式の場合について説明する。カソード電流の大きさの調整(表示輝度の調整)は、表示画面31に印加する映像信号の階調番号(映像信号の大きさ)を一定値に設定し、ソースドライバIC14の振幅調整レジスタを制御させることにより行う。
電源(回路)IC12はAvdd電圧、VGH、VGL、Vrst電圧などを適正に設定する。また、カソード電圧を測定できるように、カソード電圧Vss端子をオフにする。
振幅調整レジスタの制御により、上電圧と下電圧の階調アンプを変化させる。上電圧を設定する階調アンプを高く(Vdd電圧に近く)すると、低階調が対応する黒レベルを調整することができる。下電圧を設定する階調アンプを低く(GND電圧に近く)すると、高階調が対応する白レベルを調整することができる。本実施例では、出力階調を最大階調に設定し、下電圧の階調アンプを変化させる。カソード電流の値が、所望値となるように下電圧の階調アンプの値を調整する。
下電圧を設定する階調アンプの出力電圧を低くすれば、カソード電流Isも大きくなり、発光輝度も高くなる。したがって、カソード電流の大きさを電流計763で測定し、電流が所定値となったときに、調整完了とする。以上のことを、RGBで行うことにより、ホワイトバランスの調整が可能になる。
なお、電源回路602が出力する電圧VGH、VGL、Vddは通常表示時の電圧にする。また、本実施例では、ゲートドライバ回路12aは、VGH1、VGL1電圧で動作させ、ゲートドライバ回路12bは、VGH2、VGL2=GND電圧で動作させ、VGH1=VGH2とする。
以上の調整により、ホワイトバランス調整を実現でき、また、表示画面31の発光輝度調整を実現できる。EL表示装置のコントラスト調整は、黒表示時に流れるカソード電流を調整することにより実現できる。
カソード電流Isの大きさの調整(表示輝度の調整)は、表示画面31に印加する最低階調番号に設定し、図10で説明した振幅調整レジスタ101を制御させることにより行う。振幅調整レジスタ101の制御により、階調アンプ102Hを変化させる。上電圧を設定する階調アンプの出力電圧を高く(Vdd電圧に近く)すると、黒レベルでのカソード電流Isが減少する。上電圧を設定する階調アンプの出力電流を低くすると、カソード電流が増大する。カソード電流Isの値が、所望値となったときに、調整完了とする。
次に、画素16が電流プログラム方式の場合について説明する。カソード電流Isの大きさの調整(表示輝度の調整)は、表示画面31に印加する映像信号の階調番号(映像信号の大きさ)を一定値に設定し、基準電流の大きさを変化させることにより行う。映像信号の階調番号(映像信号の大きさ)を一定値とは、通常最大階調番号である。基準電流の大きさを大きくすれば、カソード電流Isも大きくなり、発光輝度も高くなる。したがって、カソード電流Isの大きさを電流計763で測定し、電流が所定値となったときに、調整完了とする。
以上のことを、RGBで行うことにより、ホワイトバランスの調整が可能になる。ホワイトバランス調整(輝度調整)を完了した基準電流をIkとする。基準電流Ikは、RGBで個別設定(赤(R)はIkr、緑(G)はIkg、青(B)はIkb)する。
カソード電流Isの大きさの調整(表示輝度の調整)は、表示画面31に印加する映像信号の階調番号(映像信号の大きさ)を一定値に設定する。
基準電流の大きさは、ホワイトバランスを調整した設定値Ik(赤(R)はIkr、緑(G)はIkg、青(B)はIkb)を維持(保持)したまま行う。
黒レベルでの映像信号の階調番号(映像信号の大きさ)は最低階調である。電流駆動では、最低階調では、プログラム電流は0である。黒レベルの調整は、ソースドライバIC14の電圧発生回路から最低階調の電圧を画素16に印加する。最低階調の電圧は、上電圧を発生する階調アンプが出力する電位を変化させて行う。この状態で、カソード電流の大きさを電流計763で測定し、電流が所定値となったときに、調整完了とする。
以上の事項は、図1、図4、図5、図10、図11、図25、図29、図31、図33、図35、図37、図42、図46、図52、図54、図55、図58、図59、図86、図90、図91、図92、図93、図94、図95、図113、図123、図124〜図128などのEL表示パネルあるいはEL表示装置にも適用できることは言うまでもない。
以上の事項は他の実施例においても同様である。例えば、図12、図13、図61、図75、図76、図77、図78、図79、図83、図84、図85、図98、図99、図100、図101などの方法あるいは方式、図7、図8、図9、図60、図83、図96、図102、図103、図104、図106、図107、図108、図109、図110、図111、図112、図129の構成あるいは構造あるいは方法に関しても先に例示したあるいは本明細書に記載した画素構成と組み合わせて実施することができることは言うまでもない。
本発明の実施例5について説明する。
本実施例の電源回路(電源IC)602は、図62、図97に図示するように、カソード電圧Vssをコマンドで変更することができる。図97では、(コマンド)データ0〜31(5bit)で、Vss電圧は、−2.0〜−5.1Vまで可変する設定である。可変の電圧キザミは、0.1V以下にする。0.1Vを越えると電圧を可変した際に、表示画面31の輝度が発生してしまうからである。
カソード電圧Vssの変更は、図96に図示して説明したように、S−Wire信号により実施する。
カソード電圧Vssの変更は、少なくとも0.1V以下のステップで実施する。この実施方法を図98に図示している。図98(a)に図示するように、パネル温度(パネルの表示領域の温度、広義には、パネルモジュール温度である。)
なお、温度センサ711は、ソースドライバIC14に内蔵させる。ソースドライバIC14は内蔵された温度センサ711の出力電圧などをアナログ−デジタル(DA)変換して温度データを取得し、S−Wire信号線を介して、温度変更データ(図97を参照)を電源回路(電源IC)602に転送し、カソード電圧Vssなどを変更あるいは可変する。また、温度センサ711は、電源回路(電源IC)602に内蔵してもよい。また、パネルモジュール34にいずれかの箇所に温度センサ711を配置してもよい。
また、温度センサ711は、温度に対する出力が線形に出力にするものに限定されるものではない。デジタル的に階段状に出力が変化するものであってもよい。また、所定の温度に対して、出力が変化するものであってもよい。例えば、温度0℃までは、出力値が0(ロジック電圧)で、温度が0℃より小さくなると、1(ロジック電圧)に変化するものを採用してもよい。
カソード電圧Vssは、パネル温度(℃)が低下すると、低下させる。アノード電圧Vddは、一定値を保持している。したがって、アノード電圧Vddとカソード電圧Vssとの絶対値を、パネル温度が低下すると大きくしている。これは、EL素子15の端子間電圧が、EL素子15の温度が低下すると、大きくなるからである。
本実施例の駆動方法では、図98のa点以上の温度で、EL素子15が発光に必要な端子間電圧(アノード−カソード電圧)に設定している。電圧マージンはほとんどない。パネル温度が低下すると、EL素子15の端子間電圧が大きくなる。したがって、端子間電圧の電圧マージンがないため、そのままでは、EL素子15の発光輝度が低下する。そこでパネル温度に基づいて、カソード電圧Vssを低下させるのである。
図98の実施例では、カソード電圧Vssは、a点以上の温度で一定にし、b点以下の温度で一定にしている。a点及びb点のパネル温度は、EEPROM753(図75)などにメモリしておき、使用する。また、a点、b点の値は可変できるように構成する。図98、図99ではカソード電圧Vssの可変した一例として、実線及び点線で図示している。もちろん、アノード電圧Vddを温度センサ711の出力データ(出力値)に基づいて可変してもよいことは言うまでもない。
また、図98、図99において、グラフの横軸を温度としたが、温度をホトセンサ840の出力データ(出力値)と置き換えても良い。ホトセンサ840の出力データ(出力値)に基づいて、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vss、VGH、VGL、Avddなどを変化させる。
なお、以上の実施例は、ソースドライバIC14に温度センサ711を内蔵させるとしたが、これに限定するものではなく、温度センサ711は、図71に図示するように、電源回路(電源IC)602(若しくはソースドライバIC14)の外部にサーミスタなどの温度センサ711を配置又は形成し、温度センサ711の出力電圧などをアナログ−デジタル(DA)変換して温度データを取得し、カソード電圧Vssなどを変更あるいは可変してもよい。
また、図83に図示するように、パネルモジュール回路830に温度センサ711を内蔵し、温度センサ711の出力結果により、カソード電圧Vssを可変することを実施してもよい。また、duty制御、最大使用階調制御を実施してもよい。
また、本実施例において、カソード電圧Vssとアノード電圧Vddのうち、少なくとも一方を変化させるとした。しかし、図98、図99に図示しているように、本実施例はこれに限定するものではなく、VGH電圧、VGL電圧をカソード電圧Vss又はアノード電圧Vddの変化に伴って、変化させてもよい。例えば、一例としてカソード電圧Vssが−4Vの時で、VGL電圧が、−4.5Vである場合において、カソード電圧Vssを−5Vに変化させる場合は、VGL電圧を−5.5Vに変化させてもよい。また、VGH1電圧、VGH2電圧、VGL1電圧、VGL2電圧は独立に可変することが好ましいことは言うまでもない。
また、ソースドライバ回路14のアナログ電圧Avddも変化させてもよい。例えば、アノード電圧Vddが+5Vの時で、VGH電圧が、+6.0Vである場合において、アノード電圧Vddを+5.5Vに変化させる場合は、VGH電圧を+6.5Vに変化させてもよい。
パネル温度が低下すると、カソード電圧Vssを低くする。したがって、パネル温度が低下すると、パネルモジュールとして電力が増大する。電力の増大は、電源回路(電源IC)602の容量マージンがなくなることと意味し、また、パネルの過熱を引き起こすことなる。
本実施例は、これに対応するために、図98(b)に図示しているように、パネル温度に対応して(基づいて)、duty駆動を実施している。duty駆動は、図12、図13、図83、図84などを用いて説明をしているので、ここでは説明を省略する。
図98(b)の実線の実施例では、パネル温度が−20℃以下で、duty比を6/8としている。パネル温度が40℃以上では、duty比は8/8=1であるから、−20℃では、パネルの表示領域31に流れる電流は、理論的には6/8となる。したがって、カソード電圧Vssを低温度で低下させても、合わせてduty駆動を実施するため、パネルの流れる電流は増大することがなく、パネルが過熱することもなく、また、電源回路(電源IC)602の電源容量はパネル温度が、40℃以上の場合の容量を確保すればすむ。
図98(b)の実線の実施例では、duty比は、c点以上の温度でduty比=8/8と一定にし、また、e点以下のduty比=6/8と一定にしている。c点及びe点のパネル温度とduty比は、EEPROM753(図75)などにメモリしておき、使用する。またc点、e点の値は可変できるように構成する。また、図98(b)の点線で示すようなduty駆動を実施してもよい。この場合も、d点のパネル温度とduty比は、EEPROM753(図75)などにメモリしておき、使用する。またd点の値は可変できるように構成する。
図98の実施例は、温度(℃)に対して、duty比を変化させることにより、パネルの表示領域31に流れ込む電流を制御するものであった。しかし、本実施例はこれに限定するものはない。図99(b)は、最大に使用する階調でパネルに流れる電流を制御するものである。最大使用階調数による制御は、図84でも説明を行っている。
以上のように、本実施例は温度センサ711を具備し、温度センサ711に出力結果に基づき、duty駆動(図84、図98)を実施する。また、温度センサ711に出力結果に基づき、最大使用階調数を制御する駆動(図84、図99)を実施する。また、本実施例は温度センサ711を具備し、温度センサ711に出力結果に基づき、duty駆動(図84、図98)、最大使用階調数を制御する駆動(図84、図99)の両方を同時に実施する駆動方式である。
図99(b)の実線の実施例では、パネル温度が40℃以上で、最大使用階調(最大表示階調)を1024としている。つまり、10bitのフルレンジを用いて画像表示を行う。この場合は、表示領域31に流れる電流は抑制されない。パネル温度が−20℃以下では、最大使用階調(最大表示階調)を768としている。したがって、ガンマカーブが2乗特性あれば、表示領域31に流れる電流は1/2近くに抑制できる場合がある。したがって、カソード電圧Vssを低温度で低下させても、合わせて最大使用階調(最大表示階調)制御(駆動)を実施するため、パネルの流れる電流は増大することがなく、パネルが過熱することもなく、また、電源回路(電源IC)602の電源容量はパネル温度が、40℃以上の場合の容量を確保すればすむ。
図99(b)の実線の実施例では、c点以上の温度で最大使用階調(最大表示階調)=1024と一定にし、また、e点以下の最大使用階調(最大表示階調)=768と一定にしている。c点及びe点のパネル温度と最大使用階調(最大表示階調)は、EEPROM753(図75)などにメモリしておき、使用する。またc点、e点の値は可変できるように構成する。また、図99(b)の点線で示すような最大使用階調(最大表示階調)制御を実施してもよい。この場合も、d点のパネル温度と最大使用階調(最大表示階調)は、EEPROM753(図75)などにメモリしておき、使用する。またd点の値は可変できるように構成する。
なお、以上の実施例は、ソースドライバIC14に温度センサ711を内蔵させるとしたが、これに限定するものではなく、温度センサ711は、図71に図示するように、電源回路(電源IC)602(若しくはソースドライバIC14)の外部にサーミスタなどの温度センサ711を配置又は形成し、温度センサ711の出力電圧などをアナログ−デジタル(DA)変換して温度データを取得し、カソード電圧Vssなどを変更あるいは可変してもよい。また、図83に図示するように、パネルモジュール回路830に温度センサ711を内蔵し、温度センサ711の出力結果により、カソード電圧Vssを可変することを実施してもよい。また、duty制御、最大使用階調制御を実施してもよい(図98、図99)。
また、温度センサ711の出力結果を画面の明るさ制御(図100、図101)と連動させてもよい。例えば、温度が−20℃以下と低く、パネルの消費電力が大きい場合で、周囲照度が低い(ホトセンサ840の出力が小さい)場合は、図98で指定するduty比よりも小さくする(例えば、duty比6/8を5/8とする)。また、図99で指定する最大表示(使用)階調を小さくする(例えば、最大表示階調768を650)ことが例示される。
以上の事項は、図1、図4、図5、図10、図11、図25、図29、図31、図33、図35、図37、図42、図46、図52、図54、図55、図58、図59、図86、図90、図91、図92、図93、図94、図95、図113、図123、図124〜図128などのEL表示パネルあるいはEL表示装置にも適用できることは言うまでもない。
以上の事項は他の実施例においても同様である。例えば、図12、図13、図61、図75、図76、図77、図78、図79、図83、図84、図85、図98、図99、図100、図101などの方法あるいは方式、図7、図8、図9、図60、図83、図96、図102、図103、図104、図106、図107、図108、図109、図110、図111、図112、図129の構成あるいは構造あるいは方法に関しても先に例示したあるいは本明細書に記載した画素構成と組み合わせて実施することができることは言うまでもない。
本発明の実施例6について説明する。
図130にホトセンサ711の出力結果に基づき、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssを可変した実施例を図示している。ホトセンサ711の出力値(出力データ)が10Lx以下と小さい場合は、表示画面31の輝度を低下させる。したがって、EL素子15に流す最大電流は低下させることができる。そのため、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vss又は、アノード電圧Vdd−カソード電圧Vssの電位差を小さくすることができる。
一方、ホトセンサ711の出力値(出力データ)が5000Lx以上と大きい場合は、表示画面31の輝度を高くする。したがって、EL素子15に流す最大電流は高くなるため、EL素子15の端子間電圧も高くなる。そのため、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vss又は、アノード電圧Vdd−カソード電圧Vssの電位差を大きくする。
なお、図130の実施例は、最大表示階調数に対する制御の実施例であるが、図98のように、duty駆動に対しても実施してもよい。また、図98、図99の実施例とホトセンサ711の出力結果に基づく制御とを組み合わせもよい。
また、ホトセンサ711の反応時定数は、1秒以上にすることが好ましい。
以上のように、本実施例はホトセンサ840を具備し、ホトセンサ840に出力結果に基づき、duty駆動(図84、図98)を実施する。また、ホトセンサ840に出力結果に基づき、最大(使用)表示階調数を制御する駆動(図84、図99)を実施する。また、本実施例はホトセンサ840を具備し、ホトセンサ840に出力結果に基づき、duty駆動(図84、図98)、最大使用階調数を制御する駆動(図84、図99)の両方を同時に実施する駆動方式である。また、同時に、カソード電圧制御(図97)を実施してもよい。
なお、図98の実施例では、パネル温度に対応して(基づいて)、カソード電圧Vssを可変するとしたが、本実施例はこれに限定されるものではない。カソード電圧Vssを可変するのは、駆動トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合である。駆動トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタである場合は、アノード電圧を可変する必要がある。つまり、本実施例は、パネル温度に対応させて、アノード電圧Vddとカソード電圧Vssのうち、少なくとも温度に対応させて可変するものである。また、アノード電圧Vddとカソード電圧Vssの電位差を温度に対応させて可変(調整あるいは設定)するものである。
本実施例の駆動方法では、パネル温度が低下すると、EL素子15の端子間電圧が大きくなり、EL素子15の端子間電圧の電圧マージンがないため、EL素子15の発光輝度が低下する。そこでパネル温度に基づいて、カソード電圧Vssを低下させるとした。しかし、カソード電圧Vssを低下させると、カソード電流は一定であるが、アノード電圧Vdd−カソード電圧Vssの電位差が大きくなり、電力が増加する。そのため、パネル温度が低下すると、カソード電圧Vssを上昇させ(アノード電圧Vdd−カソード電圧Vssの電位差を小さくし)、カソード電流を少なくして、EL表示装置の電力増加を抑制する方式も考えられる。以上のように、本実施例の駆動方式は、パネル温度により、EL表示装置(表示領域31で使用する)の電力を制御する駆動方式である。
なお、以上の実施例では、パネル温度(EL素子15の温度)が低下すると、EL素子15の端子間電圧が大きくなるとした。しかし、パネル温度(EL素子15の温度)が低下すると、EL素子15の端子間電圧が小さくなる場合は、先の実施例と逆の制御を実施すればよいことは言うまでもない。以上のように、本実施例の駆動方式は、パネル温度により、EL表示装置(表示領域31で使用する)の電力を制御する駆動方式である。
以上の事項は、図1の画素構成のEL表示パネルあるいはEL表示装置だけではなく、他の画素構成(図4、図5、図10、図11、図25、図29、図31、図33、図35、図37、図42、図46、図52、図54、図55、図58、図59、図86、図90、図91、図92、図93、図94、図95、図113、図123、図124〜図128など)のEL表示パネルあるいはEL表示装置にも適用できることは言うまでもない。
以上の事項は他の実施例においても同様である。例えば、図12、図13、図61、図75、図76、図77、図78、図79、図83、図84、図85、図98、図99、図100、図101などの方法あるいは方式、図7、図8、図9、図60、図83、図96、図102、図103、図104、図106、図107、図108、図109、図110、図111、図112図129の構成あるいは構造あるいは方法に関しても先に例示したあるいは本明細書に記載した画素構成と組み合わせて実施することができることは言うまでもない。
また、以上の実施例は、本明細書で記載した他の駆動方式、構成に適用できることは言うまでもない。また、EL表示装置あるいはEL表示パネルを用いた機器(例えば、図7、図8、図9など)に適用できることは言うまでもない。
本実施例のEL表示装置は、図83にも図示しているように、外光の強弱を取得するホトセンサ840を具備している。ホトセンサ840の出力により外光(基本的には、表示領域31を照明する光の強さ、表示領域31に入射する光)により、表示画面31の明るさを変化させる。図100に示すパネルの明るさとは、パネルの表示領域31の最大輝度が該当する。また、パネルの表示領域31から出射する光束量が該当する。
図100のグラフの横軸は、ホトセンサ840の出力電流を電流−電圧変換を行い、アナログ−デジタル変換(AD変換)を行ったものである。
図100に図示するように、AD変換の値が、L1より小さければ、パネルの明るさは、B1する。AD変換の値が、L2より小さければ、パネルの明るさは、B2する。AD変換の値が、L3より小さければ、パネルの明るさは、B3する。AD変換の値が、L4より小さければ、パネルの明るさは、B4する。AD変換の値が、L4より大きければ、パネルの明るさは、B5する。L1〜L4の個数、値及びB1〜B5の個数、値は、EEPROM753(図75)などにメモリしておき、使用する。
外光は、急変することが多い。したがって、急な変化が発生しても、パネルの明るさが追従しないようにする必要がある。
この課題に対応するため、図101に図示するように、外光照度(外光の強さ)を加算平均(実線で示す)し、加算平均した結果を移動平均(点線で示す)処理している。図101の実施例での移動平均は、2つの加算平均の結果を用いて移動平均処理を行った例である。移動平均処理は、2つデータの平均、3つのデータの平均、6つのデータの平均など、移動平均数は可変できるようにする。移動平均した結果を用いて、パネルの明るさを決定する。
なお、図83に図示しているように、ホトセンサ840の出力に基づいて、duty駆動、最大使用階調制御、基準電流制御、カソード(アノード)電圧制御を実施する。つまり、図100、図101の制御と図83、図84、図98、図99などの制御を組み合わせて実施する。
なお、ホトセンサ840は、図73に図示するように、電源回路(電源IC)602に作用させて、電源回路(電源IC)602の出力電圧(アノード電圧、カソード電圧)などを可変してもよい(図97)。また、図96に図示するように、ホトセンサ840の出力をソースドライバIC14に取り込み、ソースドライバIC14でホトセンサ840の出力電流(電圧)をAD変換してもよい。ソースドライバIC14は、AD変換結果に基づき、duty駆動、最大使用階調制御、基準電流制御、ガンマカーブ制御、カソード電圧(アノード電圧)制御を実施する(図12、図13、図62、図84、図97、図98、図99、図100、図101)。
また、以上の実施例は、本明細書で記載した他の駆動方式、構成に適用できることは言うまでもない。また、EL表示装置あるいはEL表示パネルを用いた機器(例えば、図7、図8、図9など)に適用できることは言うまでもない。
また、ホトセンサ840の出力結果に基づいて、ガンマカーブを変化することも有効である。特にEL表示パネルでは、屋内では良好な画像表示を実現できるが、屋外では低階調部は見えない。EL表示パネルは自発光のためである。そこで、外光の強弱に対応させて、ガンマカーブを変化させてもよい。ガンマカーブの切り替えは、ユーザーがスイッチを操作することにより切り替えるようにしてもよい。ガンマカーブは、外光が強い時は、ガンマ乗数を小さくし、画面全体を明るくする。
なお、外光の強弱に対応させて、ガンマカーブを切り替えるとしたが、これに限定するものではない。図83の演算回路(加算、重み付けなど)の機能を用いて、ガンマカーブを変更してもよいことは言うまでもない。
また、パネルの明るさは、ユーザーがボタンで切り替えできるようにしておくか、設定モードで自動的に変更できるか、外光の明るさを検出して自動的に切り替えできるように構成しておくことが好ましい。また、表示輝度を50%、60%、80%とユーザーなどが設定できるように構成しておくことが好ましい。また、外部のマイコンなどにより、duty比カーブ、傾きなどを書き換えるように構成することが好ましい。また、メモリされた複数のduty比カーブ(図84、図98とその説明などを参照のこと)から1つを選択できるように構成することが好ましい。
なお、duty比カーブなどの選択は、APLレベル、最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)の1つあるいは複数を加味して行うことが好ましいことは言うまでもない(図82、図83、図84とその説明を参照のこと)。
本実施例の表示パネル(表示装置)において、ブライトネス調整は、duty比制御あるいは基準電流比制御、最大使用階調制御などにより実施する。また、外光の強さをホトセンサで検出し、オートマチックに調整する方式でもよい。以上の事項は、コントラスト調整などにも適用できることは言うまでもない。また、duty比制御にも適用できることは言うまでもない。また、図99で説明した最大表示階調の駆動方式も適用できることは言うまでもない。
以上の事項は、図1の画素構成のEL表示パネルあるいはEL表示装置だけではなく、他の画素構成(図4、図5、図10、図11、図25、図29、図31、図33、図35、図37、図42、図46、図52、図54、図55、図58、図59、図86、図90、図91、図92、図93、図94、図95、図113、図123、図124〜図128など)のEL表示パネルあるいはEL表示装置にも適用できることは言うまでもない。
以上の事項は他の実施例においても同様である。例えば、図12、図13、図61、図75、図76、図77、図78、図79、図83、図84、図85、図98、図99、図100、図101などの方法あるいは方式、図7、図8、図9、図60、図83、図96、図102、図103、図104、図106、図107、図108、図109、図110、図111、図112、図129の構成あるいは構造あるいは方法に関しても先に例示したあるいは本明細書に記載した画素構成と組み合わせて実施することができることは言うまでもない。
また、以上の実施例は、本明細書で記載した他の駆動方式、構成に適用できることは言うまでもない。また、EL表示装置あるいはEL表示パネルを用いた機器(例えば、図7、図8、図9など)に適用できることは言うまでもない。
本発明の実施例7について説明する。
次に、本実施例の駆動方式を実施するEL表示装置を表示ディスプレイとして用いた実施例7の表示機器(EL表示装置)について説明をする。
図7はEL表示装置の一例である情報端末装置の携帯電話の平面図である。筐体73にアンテナ71などが取り付けられている。72aは、表示画面の明るさを変化させる切換キー、72bは電源オン/オフキー、72cがゲートドライバ回路12bの動作フレームレートを切り替えるキーである。75はホトセンサである。ホトセンサ75は、外光の強弱にしたがって、duty比などを変化させて、表示画面22の輝度を自動調整する。
図8はビデオカメラの斜視図である。ビデオカメラは撮影(撮像)レンズ部83とビデオカメラ本体73と具備している。本実施例のEL表示パネルは表示モニター74としても使用されている。表示画面22は支点81で角度を自由に調整できる。表示画面22を使用しない時は、格納部83に格納される。
本実施例のEL表示パネルあるいはEL表示装置などはビデオカメラだけでなく、図9に示すような電子カメラにも適用することができる。本実施例のEL表示装置はカメラ本体91に付属されたモニター22として用いる。カメラ本体91にはシャッタ93の他、スイッチ72a、72cが取り付けられている。
変更例
本発明の変更例について説明する。
なお、本明細書で説明した本実施例の技術的思想は相互に組み合わせることができる。例えば、図1のコンデンサ19bを形成する実施例と、図16の複数のソース信号線を形成した実施例の組み合わせが例示される。また、図1のコンデンサ19bを形成する実施例と、図31の電流源312を使用する実施例との組み合わせが例示される。
また、図1のコンデンサ19bを形成する実施例と、図32のコンデンサ19bを形成する実施例との組み合わせが例示される。また、図1のコンデンサ19bを形成する画素構成の実施例、図45、図48の駆動方法との組み合わせが例示される。
また、図31と図42あるいは図45の構成の組み合わせが例示される。また、図5に図示して説明しているように、リセット電圧Vrstを前段(1つ前の画素行)の映像信号電圧を書き込むゲート信号線17aが選択されたとき、リセット電圧Vrstが該当画素に書き込む構成あるいは方式は、本発明の他の実施例に適用できることも言うまでもない。
以上、2つの組み合わせだけでなく、3つ以上の技術的思想の組み合わせが例示される。例えば、図5と図4と図55の組み合わせが例示される。図5と図42と図13の組み合わせも例示される。以上のように本発明は本明細書に記載された実施例と適時組み合わせて他の実施例を構成できる。
また、画素構成あるいは駆動方法だけでなく、例えば、図6あるいは図3にドライバ構成なども適時、各構成あるいは駆動方法に組み合わせることができる。また、画素構成あるいは駆動方法だけでなく、図12あるいは図13に他の駆動方法なども適時、各構成あるいは駆動方法に組み合わせることができる。
以上の事項は、図1の画素構成のEL表示パネルあるいはEL表示装置だけではなく、他の画素構成(図4、図5、図10、図11、図25、図29、図31、図33、図35、図37、図42、図46、図52、図54、図55、図58、図59、図86、図90、図91、図92、図93、図94、図95、図113、図123、図124、図125、図126、図127、図128など)のEL表示パネルあるいはEL表示装置にも適用できることは言うまでもない。
以上の事項は他の実施例においても同様である。例えば、図12、図13、図14〜図41、図61、図75、図76、図77、図78、図79、図83、図84、図85、図98、図99、図100、図101などの方法あるいは方式、図7、図8、図9、図60、図83、図96、図99、図100、図101、図102、図103、図104、図106、図107、図108、図109、図110、図111、図112、図129の構成あるいは構造あるいは方法に関しても先に例示したあるいは本明細書に記載した画素構成と組み合わせて実施することができることは言うまでもない。
なお、以上の構成あるいは駆動方法、また複数の構成あるいは駆動方法を組み合わせたものを図7、図8、図9などに適用したものも本発明の範疇である。