JP2009270505A - ラッシュアジャスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】アジャストスクリュに倒れモーメントが作用したときに、雄ねじと雌ねじの軸方向端部に負荷が集中しにくいラッシュアジャスタを提供する。
【解決手段】ナット部材14と、そのナット部材14の雌ねじ15にねじ係合する雄ねじ16を外周に有するアジャストスクリュ17と、そのアジャストスクリュ17をナット部材14から突出する方向に付勢するリターンスプリング19とを有し、雄ねじ16と雌ねじ15は、圧力側フランク25のフランク角が遊び側フランク26のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成された動弁装置のラッシュアジャスタにおいて、雄ねじ16を、アジャストスクリュ17に倒れモーメントが作用した状態で雌ねじ15に接触するテーパねじとする。
【選択図】図2
【解決手段】ナット部材14と、そのナット部材14の雌ねじ15にねじ係合する雄ねじ16を外周に有するアジャストスクリュ17と、そのアジャストスクリュ17をナット部材14から突出する方向に付勢するリターンスプリング19とを有し、雄ねじ16と雌ねじ15は、圧力側フランク25のフランク角が遊び側フランク26のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成された動弁装置のラッシュアジャスタにおいて、雄ねじ16を、アジャストスクリュ17に倒れモーメントが作用した状態で雌ねじ15に接触するテーパねじとする。
【選択図】図2
Description
この発明は、エンジンの動弁装置に組み込まれるラッシュアジャスタに関する。
エンジンの吸気ポートまたは排気ポートに設けたバルブを動作させる動弁装置として、一端部を支点として揺動可能に支持されたアームの中央部をカムで押し下げ、そのアームの他端部でバルブステムを押し下げるようにしたもの(スイングアーム式動弁装置)や、中央部を支点として揺動可能に支持されたアームの一端部をカムで押し上げ、そのアームの他端部でバルブステムを押し下げるようにしたもの(ロッカアーム式動弁装置)や、上下にスライド可能に支持されたリフタボディをカムで押し下げ、そのリフタボディでバルブステムを押し下げるようにしたもの(ダイレクト式動弁装置)などが知られている。
これらの動弁装置は、エンジン作動中、動弁装置の構成部材間に生じる熱膨張差によって、動弁装置の構成部材間の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音や圧縮漏れを生じる恐れがある。また、動弁装置の摺動部が摩耗しても、動弁装置の構成部材間の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音を生じる恐れがある。
この異音や圧縮漏れを防止するため、動弁装置にはラッシュアジャスタが組み込まれ、そのラッシュアジャスタで動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収することが多い。
このようなラッシュアジャスタとして、上記スイングアーム式動弁装置においては、シリンダヘッドの上面に開口した収容穴に挿入されるナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から上方に突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のアームを揺動可能に支持するものが知られている(特許文献1)。
また、上記ロッカアーム式動弁装置においては、カムの回転に応じて揺動するアームの下面に開口した収容穴に挿入されるナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から下方に突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するものが知られている(特許文献2)。
また、上記ダイレクト式動弁装置においては、シリンダヘッドに形成されたガイド孔に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディと、そのリフタボディと一体に上下動するナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から下方に突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するものが知られている(特許文献3)。
これらのラッシュアジャスタにおいて、アジャストスクリュの雄ねじとナット部材の雌ねじは、アジャストスクリュをナット部材内に押し込む方向(以下、「押し込み方向」という)の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランクのフランク角が、遊び側フランクのフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されており、押し込み方向の静的荷重がアジャストスクリュに負荷されたときは、雄ねじと雌ねじの圧力側フランク間の摩擦抵抗によってアジャストスクリュの回転が阻止され、一方、突出方向の静的荷重がアジャストスクリュに負荷されたときは、雄ねじと雌ねじの遊び側フランク間の滑りによってアジャストスクリュの回転が許容されるようになっている。
そのため、カムの回転により、アジャストスクリュに押し込み方向の荷重が負荷されたときは、雄ねじの圧力側フランクが雌ねじの圧力側フランクで受け止められて、アジャストスクリュの軸方向位置が固定される。厳密には、このとき、雄ねじと雌ねじの圧力側フランク間に僅かな滑りが生じ、その滑りによってアジャストスクリュは押し込み方向に移動するが、更にカムが回転して押し込み方向の荷重が解除されたときに、アジャストスクリュは、リターンスプリングから負荷される突出方向の荷重によって突出方向に移動し、元の位置に戻る。
また、動弁装置の熱膨張などによって、動弁装置の構成部材間の隙間が大きくなったときは、カムにより押し込み方向の荷重が負荷されたときのアジャストスクリュの押し込み量よりも、更にカムが回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュの突出量が大きくなる。その結果、カムが回転するごとに、アジャストスクリュは突出方向に徐々に移動して、動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収する。
反対に、動弁装置の構成部材間の隙間が小さくなったときは、カムにより押し込み方向の荷重が負荷されたときのアジャストスクリュの押し込み量よりも、更にカムが回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュの突出量が小さくなる。その結果、カムが回転するごとに、アジャストスクリュは押し込み方向に徐々に移動して、動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収する。
特開2005−273510号公報
特開2006−132426号公報
特許第3641355号公報
ところで、上記スイングアーム式動弁装置やロッカアーム式動弁装置のラッシュアジャスタは、アームでバルブステムを押し下げるときに、アームの移動方向とバルブステムの移動方向との間のずれによって、アジャストスクリュに倒れモーメントが作用する場合がある。また、上記ダイレクト式動弁装置のラッシュアジャスタも、動弁装置の構成部材の寸法誤差や、動弁装置の構成部材間の遊びによって、アジャストスクリュに倒れモーメントが作用する場合がある。
しかし、上記各ラッシュアジャスタは、雄ねじと雌ねじがいずれも平行ねじなので、アジャストスクリュに倒れモーメントが作用したときに、雄ねじと雌ねじの軸方向中央部が非接触の状態となり、雄ねじと雌ねじの軸方向端部に負荷が集中しやすい。
そのため、上記各ラッシュアジャスタは、雄ねじと雌ねじの軸方向端部に摩耗が生じやすく、その摩耗により、雄ねじと雌ねじの圧力側フランク間の摩擦係数が小さくなることがあった。この場合、カムが回転するごとに雄ねじと雌ねじの圧力側フランク間の滑りによる異音が生じる恐れや、カムが回転するごとにアジャストスクリュが押し込み方向に移動し、その結果、バルブリフト量が減少して燃費が低下する恐れがある。また、雄ねじと雌ねじの軸方向隙間が摩耗によって過大となると、カムが回転するごとに、雄ねじと雌ねじの圧力側フランク間の衝突による異音が生じる恐れもある。
この発明が解決しようとする課題は、アジャストスクリュに倒れモーメントが作用したときに、雄ねじと雌ねじの軸方向端部に負荷が集中しにくいラッシュアジャスタを提供することである。
上記の課題を解決するため、前記雄ねじと雌ねじのうち、少なくとも一方のねじの一部または全部を、前記アジャストスクリュに倒れモーメントが作用した状態で他方のねじに接触するテーパねじとした。
このようにすると、アジャストスクリュに倒れモーメントが作用したときに、雄ねじと雌ねじのうち、一方のねじのテーパねじとした部分が他方のねじに接触し、その接触部分に負荷が分散するので、雄ねじと雌ねじをいずれも平行ねじとしたラッシュアジャスタと比較して、雄ねじと雌ねじの軸方向端部に負荷が集中しにくい。
上記構成は、例えば、次のラッシュアジャスタに適用することができる。
1)前記ナット部材は、シリンダヘッドの上面に開口した収容穴に挿入され、前記アジャストスクリュは、前記ナット部材からの突出端で動弁装置のアームを揺動可能に支持するスイングアーム式動弁装置のラッシュアジャスタ。
2)前記ナット部材は、シリンダヘッドに形成されたガイド孔に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディに固定され、前記アジャストスクリュは、前記ナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するダイレクト式動弁装置のラッシュアジャスタ。
3)前記ナット部材は、カムの回転に応じて揺動するアームの下面に開口した収容穴に挿入され、前記アジャストスクリュは、前記ナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するロッカアーム式動弁装置のラッシュアジャスタ。
1)前記ナット部材は、シリンダヘッドの上面に開口した収容穴に挿入され、前記アジャストスクリュは、前記ナット部材からの突出端で動弁装置のアームを揺動可能に支持するスイングアーム式動弁装置のラッシュアジャスタ。
2)前記ナット部材は、シリンダヘッドに形成されたガイド孔に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディに固定され、前記アジャストスクリュは、前記ナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するダイレクト式動弁装置のラッシュアジャスタ。
3)前記ナット部材は、カムの回転に応じて揺動するアームの下面に開口した収容穴に挿入され、前記アジャストスクリュは、前記ナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するロッカアーム式動弁装置のラッシュアジャスタ。
前記雄ねじと雌ねじのうち、雌ねじを平行ねじとし、雄ねじの一部または全部を、アジャストスクリュのナット部材への挿入端に向かって有効径が次第に小さくなるテーパねじとすることができる。このようにすると、テーパねじを容易に加工することができ、低コストである。
さらに、前記雄ねじの圧力側フランクと前記雌ねじの圧力側フランクのうち、少なくとも一方の圧力側フランクを、表面粗さがRa0.4以上の梨地とすると好ましい。このようにすると、長期間の使用によって雄ねじの圧力側フランクと雌ねじの圧力側フランクが摩耗したときにも、その摩耗量と比較して、圧力側フランクの梨地の凹凸高さが大きく、圧力側フランクの表面が平滑になりにくい。そのため、雄ねじと雌ねじの圧力側フランク間の摩擦係数の低下を、より効果的に防止することができる。
ここで、梨地は、放電加工やレーザ加工によって形成してもよいが、ショットピーニングにより形成すると、圧力側フランクを硬化させて耐久性を高めることができる。
前記雄ねじと雌ねじの間の軸方向隙間は、0.2〜0.4mmの範囲に設定すると、エンジンが高温の状態で停止し、その後、エンジンが冷却して動弁装置の構成部材間に収縮差が生じたときに、その収縮差を、雄ねじと雌ねじの軸方向隙間で吸収することができる。そのため、エンジンの再始動時に、動弁装置の構成部材間の収縮差による圧縮漏れが生じない。
この発明のラッシュアジャスタは、アジャストスクリュに倒れモーメントが作用したときに、雄ねじと雌ねじの軸方向端部に負荷が集中しにくい。そのため、雄ねじと雌ねじの局部的な摩耗が生じにくく、長期にわたって安定した性能を発揮可能である。
図1に、この発明の第1実施形態のラッシュアジャスタ1を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、エンジンのシリンダヘッド2の吸気ポート3に設けられたバルブ4と、そのバルブ4に接続されたバルブステム5と、カム6の回転に応じて揺動するアーム7とを有する。
バルブステム5は、バルブ4から上方に延び、シリンダヘッド2を摺動可能に貫通している。バルブステム5の上部外周には、環状のスプリングリテーナ8が固定され、スプリングリテーナ8の下面とシリンダヘッド2の上面の間にバルブスプリング9が組み込まれている。バルブスプリング9は、スプリングリテーナ8を介してバルブステム5を上方に付勢し、その付勢力によってバルブ4をバルブシート10に着座させている。
アーム7は、一方の端部がラッシュアジャスタ1で支持され、他方の端部がバルブステム5の上端に接触している。また、アーム7の中央部にはローラ11が取り付けられ、ローラ11は、アーム7の上方に設けられたカム6に接触している。カム6は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に同調して回転するカムシャフト12に一体に形成されており、カムシャフト12が回転すると、ベースサークル6aに対して隆起したカム山部6bが、ローラ11を介してアーム7を押し下げるようになっている。
図2に示すように、ラッシュアジャスタ1は、シリンダヘッド2の上面に開口した収容穴13に挿入される筒状のナット部材14と、ナット部材14の内周に形成された雌ねじ15にねじ係合する雄ねじ16を下部外周に有するアジャストスクリュ17と、ナット部材14の下端に固定された底部材18と、アジャストスクリュ17と底部材18の間に組み込まれたリターンスプリング19とからなる。
リターンスプリング19は、下端が底部材18で支持され、上端がスプリングシート20を介してアジャストスクリュ17を押圧しており、その押圧によって、アジャストスクリュ17をナット部材14から上方に突出する方向に付勢している。
アジャストスクリュ17は、図1に示すように、ナット部材14からの突出端21が半球状に形成されており、その突出端21が、アーム7の端部下面に形成された凹部22に嵌合している。ここで、突出端21は、凹部22の内面に摺動可能に接触し、その摺動によりアーム7を揺動可能に支持する。
図2に示すように、底部材18には、上下に貫通する貫通孔23が形成されており、収容穴13の内底面には、貫通孔23と連通する排油孔24が形成されている。そのため、ナット部材14の上端面から雄ねじ16と雌ねじ15の隙間を通ってナット部材14内に流れ込んだエンジン油は、貫通孔23と排油孔24とを順に通ってナット部材14から排出される。
雄ねじ16と雌ねじ15は、アジャストスクリュ17をナット部材14に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク25のフランク角が、遊び側フランク26のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されており、押し込み方向の静的荷重がアジャストスクリュ17に負荷されたときは、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,25間の摩擦抵抗によってアジャストスクリュ17の回転が阻止され、一方、突出方向の静的荷重がアジャストスクリュ17に負荷されたときは、雄ねじ16と雌ねじ15の遊び側フランク26,26間の滑りによってアジャストスクリュ17の回転が許容されるようになっている。このような雄ねじ16と雌ねじ15は、例えば、圧力側フランク25のフランク角が75°、遊び側フランク26のフランク角が15°のものを採用することができる。
図3に示すように、雄ねじ16は、有効径が一定の平行ねじ部16Aと、その平行ねじ部16Aからアジャストスクリュ17のナット部材14への挿入端に向かって有効径が次第に小さくなるテーパねじ部16Bとからなる。一方、雌ねじ15は、図2に示すように、有効径が一定の平行ねじとなっている。その結果、雄ねじ16と雌ねじ15の間には、アジャストスクリュ17のナット部材14への挿入端に向かって次第に大きくなる径方向の遊びが形成されている。
雄ねじ16の圧力側フランク25は、ショットピーニングを施すことにより、表面粗さがRa0.4以上の梨地となっている。この梨地は、鋭角粒のメディアを使用したショットピーニングで形成することができ、また、アジャストスクリュ17に熱処理(例えば、浸炭処理や窒化処理)を施す場合は、その熱処理前にショットピーニングを施すことによって形成することができる。表面粗さRaは、JIS0601(製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ)による。
また、雄ねじ16と雌ねじ15の間には軸方向隙間が設けられており、その軸方向隙間は、0.2〜0.4mmの範囲に設定されている。
次に、ラッシュアジャスタ1の動作例を説明する。
エンジンの作動によりカム6が回転して、カム6のカム山部6bがアーム7を押し下げると、バルブ4がバルブシート10から離れて、吸気ポート3を開く。このとき、アジャストスクリュ17に押し込み方向の荷重が負荷されるが、雄ねじ16の圧力側フランク25が雌ねじ15の圧力側フランク25で受け止められて、アジャストスクリュ17の軸方向位置が固定される。
更にカム6が回転して、カム山部6bがローラ11の位置を過ぎると、バルブスプリング9の付勢力によってバルブステム5が上昇し、バルブ4がバルブシート10に着座して、吸気ポート3を閉じる。
厳密には、カム6のカム山部6bがアーム7を押し下げるときに、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,25間に僅かな滑りが生じ、その滑りによってアジャストスクリュ17は押し込み方向に移動するが、カム山部6bがローラ11の位置を過ぎて、押し込み方向の荷重が解除されたときに、アジャストスクリュ17は、リターンスプリング19から負荷される突出方向の荷重によって突出方向に移動し、元の位置に戻る。
エンジン作動中に、シリンダヘッド2、バルブステム5、アーム7など、動弁装置の構成部材間に熱膨張差が生じ、カム6とアーム7の間の距離が大きくなったときは、カム6のカム山部6bがアーム7を押し下げるときのアジャストスクリュ17の押し込み量よりも、更にカム6が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュ17の突出量が大きくなる。その結果、カム6が回転するごとに、アジャストスクリュ17が突出方向に徐々に移動するので、カム6のベースサークル6aとローラ11の間に隙間が生じない。
反対に、バルブ4とバルブシート10の接触面が摩耗したときは、カム6のベースサークル6aがローラ11の位置にあるときにも、バルブスプリング9の付勢力がアジャストスクリュ17に作用するため、カム6のカム山部6bがアーム7を押し下げるときのアジャストスクリュ17の押し込み量よりも、更にカム6が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュ17の突出量が小さくなる。その結果、カム6が回転するごとに、アジャストスクリュ17が押し込み方向に徐々に移動し、バルブステム5が上昇するので、バルブ4とバルブシート10の接触面間に隙間が生じない。
このラッシュアジャスタ1は、アーム7でバルブステム5を押し下げるときに、アーム7の移動方向とバルブステム5の移動方向との間のずれによって、アジャストスクリュ17に倒れモーメントが作用する場合があるが、この場合、雄ねじ16のテーパねじ部16Bが雌ねじ15に接触し、その接触部分に負荷が分散するので、雄ねじ16と雌ねじ15をいずれも平行ねじとしたラッシュアジャスタと比較して、雄ねじ16と雌ねじ15の軸方向端部に負荷が集中しにくい。そのため、雄ねじ16と雌ねじ15の局部的な摩耗が生じにくく、長期にわたって安定した性能を発揮可能である。
また、このラッシュアジャスタ1は、長期間の使用によって雄ねじ16の圧力側フランク25が摩耗したときにも、その摩耗量と比較して、圧力側フランク25の梨地の凹凸高さが大きく、雄ねじ16の圧力側フランク25の表面が平滑になりにくい。そのため、このラッシュアジャスタ1は、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25,25間の摩擦係数の低下を効果的に防止することができる。
また、このラッシュアジャスタ1は、雄ねじ16と雌ねじ15の軸方向隙間が0.2mm以上あるので、エンジンが高温の状態で停止し、その後、エンジンが冷却して動弁装置の構成部材間に収縮差が生じたときに、その収縮差を、雄ねじ16と雌ねじ15の軸方向隙間で吸収することができる。そのため、エンジンの再始動時に、動弁装置の構成部材間の収縮差による隙間がバルブ4とバルブシート10の間に生じず、圧縮漏れが生じない。
雄ねじ16と雌ねじ15は、上記実施形態に示すように、雌ねじ15を平行ねじとし、雄ねじ16を平行ねじ部16Aとテーパねじ部16Bとで構成すると、テーパねじを容易に加工することができ、低コストであるが、図4に示すように、雄ねじ16を平行ねじとし、雌ねじ15を平行ねじ部15Aと、その平行ねじ部15Aからナット部材14の奥に向かって有効径が次第に大きくなるテーパねじ部15Bとで構成してもよい。
また、この実施形態では、雄ねじ16の一部をテーパねじとしたが、雄ねじ16の全部を、アジャストスクリュ17のナット部材14への挿入端に向かって次第に有効径が小さくなるテーパねじとしてもよい。同様に、図4に示すナット部材14も、雌ねじ15の全部を、ナット部材14の奥に向かって有効径が次第に大きくなるテーパねじとすることができる。
また、この実施形態では、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25のうち、雄ねじ16の圧力側フランク25を梨地としたが、雄ねじ16の圧力側フランク25にかえて、雌ねじ15の圧力側フランク25を表面粗さがRa0.4以上の梨地としてもよい。このようにしても、梨地の凹凸高さが、長期間の使用による圧力側フランク25の摩耗量と比較して大きいので、圧力側フランク25,25間の摩擦係数の低下を効果的に防止することが可能となる。また、雄ねじ16と雌ねじ15の圧力側フランク25を、いずれも表面粗さがRa0.4以上の梨地としてもよい。
図5に、この発明の第2実施形態のラッシュアジャスタ31を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、第1実施形態と同様、シリンダヘッド32の吸気ポート33に設けられたバルブ34と、そのバルブ34に接続されたバルブステム35とを有する。バルブステム35は、バルブ34から上方に延びており、バルブステム35の上部にはスプリングリテーナ36が固定されている。スプリングリテーナ36は、バルブスプリング37によって上方に付勢され、その付勢力によってバルブ34をバルブシート38に着座させている。
図5、図6に示すように、ラッシュアジャスタ31は、シリンダヘッド32に形成されたガイド孔39に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディ40と、リフタボディ40と一体に上下動するナット部材41と、そのナット部材41の内周に形成された雌ねじ42にねじ係合する雄ねじ43を外周に有するアジャストスクリュ44と、そのアジャストスクリュ44を付勢するリターンスプリング45とからなる。
図6に示すように、リフタボディ40は、筒部46と、筒部46の上端に設けられた端板47とからなる。リフタボディ40の上方にはカム48が設けられている。カム48は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に同調して回転するカムシャフト49に一体に形成されており、カムシャフト49が回転すると、ベースサークル48aに対して隆起したカム山部48bが、端板47の上面を押圧してリフタボディ40を押し下げるようになっている(図5参照)。
ナット部材41は、端板47の下面に止め輪50で固定されている。リターンスプリング45は、アジャストスクリュ44と端板47の間に組み込まれており、アジャストスクリュ44をナット部材41から下方に突出する方向に付勢している。
アジャストスクリュ44は、ナット部材41からの突出端がスペーサ51に接触し、そのスペーサ51を介してバルブステム35の上端を押圧している。スペーサ51は、ナット部材41に対してリテーナ52で回り止めされ、かつ、リテーナ52に形成された切欠き53の範囲内で上下に移動可能となっている。
端板47には、上下に貫通する通油孔54が形成されており、端板47の上面に跳ね掛けられたエンジン油が、通油孔54を通ってナット部材41内に導入されるようになっている。ナット部材41内に導入されたエンジン油は、雄ねじ43と雌ねじ42を潤滑する。
雄ねじ43と雌ねじ42は、アジャストスクリュ44をナット部材41に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク55のフランク角が、遊び側フランク56のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されており、押し込み方向の静的荷重がアジャストスクリュ44に負荷されたときは、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク55,55間の摩擦抵抗によってアジャストスクリュ44の回転が阻止され、一方、突出方向の静的荷重がアジャストスクリュ44に負荷されたときは、雄ねじ43と雌ねじ42の遊び側フランク56,56間の滑りによってアジャストスクリュ44の回転が許容されるようになっている。
図7に示すように、雄ねじ43は、アジャストスクリュ44のナット部材41への挿入端に向かって有効径が次第に小さくなるテーパねじとなっている。一方、雌ねじ42は、図6に示すように、有効径が一定の平行ねじとなっている。その結果、雄ねじ43と雌ねじ42の間には、アジャストスクリュ44のナット部材41への挿入端に向かって次第に大きくなる径方向の遊びが形成されている。
雄ねじ43の圧力側フランク55は、ショットピーニングを施すことにより、表面粗さがRa0.4以上の梨地となっている。
また、雄ねじ43と雌ねじ42の間には軸方向隙間が設けられており、その軸方向隙間は、0.2〜0.4mmの範囲に設定されている。
このラッシュアジャスタ31は、第1実施形態と同様、カム48のカム山部48bがリフタボディ40を押し下げて、アジャストスクリュ44に押し込み方向の荷重が負荷されると、雄ねじ43の圧力側フランク55が雌ねじ42の圧力側フランク55で受け止められて、ナット部材41に対するアジャストスクリュ44の軸方向位置が固定される。このとき、厳密には、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク55,55間に僅かな滑りが生じ、その滑りによってアジャストスクリュ44は押し込み方向に移動するが、更にカム48が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときに、アジャストスクリュ44は、リターンスプリング45から負荷される突出方向の荷重によって突出方向に移動し、元の位置に戻る。
このラッシュアジャスタ31は、アジャストスクリュ44でバルブステム35を押し下げるときに、動弁装置の構成部材の寸法誤差や、動弁装置の構成部材間の遊びによって、アジャストスクリュ44に倒れモーメントが作用する場合があるが、この場合、テーパねじとされた雄ねじ43が雌ねじ42に接触し、その接触部分に負荷が分散するので、雄ねじ43と雌ねじ42をいずれも平行ねじとしたラッシュアジャスタと比較して、雄ねじ43と雌ねじ42の軸方向端部に負荷が集中しにくい。そのため、雄ねじ43と雌ねじ42の局部的な摩耗が生じにくく、長期にわたって安定した性能を発揮可能である。
また、このラッシュアジャスタ31は、長期間の使用によって雄ねじ43の圧力側フランク55が摩耗したときにも、その摩耗量と比較して、圧力側フランク55の梨地の凹凸高さが大きく、雄ねじ43の圧力側フランク55の表面が平滑になりにくい。そのため、このラッシュアジャスタ31は、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク55,55間の摩擦係数の低下を効果的に防止することができる。
また、このラッシュアジャスタ31は、雄ねじ43と雌ねじ42の軸方向隙間が0.2mm以上あるので、エンジンが高温の状態で停止し、その後、エンジンが冷却して動弁装置の構成部材間に収縮差が生じたときに、その収縮差を、雄ねじ43と雌ねじ42の軸方向隙間で吸収することができる。そのため、エンジンの再始動時に、動弁装置の構成部材間の収縮差による隙間がバルブ34とバルブシート38の間に生じず、圧縮漏れが生じない。
雄ねじ43と雌ねじ42は、上記実施形態に示すように、雌ねじ42を平行ねじとし、雄ねじ43をテーパねじとすると、テーパねじを容易に加工することができ、低コストであるが、雄ねじ43を平行ねじとし、雌ねじ42をナット部材41の奥に向かって有効径が次第に大きくなるテーパねじとしてもよい。また、雌ねじ42を平行ねじとし、雄ねじ43を、平行ねじ部と、その平行ねじ部からアジャストスクリュ44のナット部材41への挿入端に向かって次第に有効径が小さくなるテーパねじ部とで構成してもよい。
また、この実施形態では、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク55のうち、雄ねじ43の圧力側フランク55を梨地としたが、雄ねじ43の圧力側フランク55にかえて、雌ねじ42の圧力側フランク55を表面粗さがRa0.4以上の梨地としてもよい。また、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク55を、いずれも表面粗さがRa0.4以上の梨地としてもよい。
図8に、この発明の第3実施形態のラッシュアジャスタ61を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、エンジンのシリンダヘッド62の吸気ポート63に設けられたバルブ64と、そのバルブ64に接続されたバルブステム65と、カム66の回転に応じて揺動するアーム67とを有する。
バルブステム65は、バルブ64から上方に延びており、バルブステム65の上部にはスプリングリテーナ68が固定されている。スプリングリテーナ68は、バルブスプリング69によって上方に付勢され、その付勢力によってバルブ64をバルブシート70に着座させている。
アーム67は、中央部を支点軸71で揺動可能に支持されている。アーム67の一方の端部には、カム66に接触するローラ72が取り付けられ、アーム67の他方の端部には、ラッシュアジャスタ61が組み込まれている。アーム67の下方に設けられたカム66は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に同調して回転するカムシャフト73に一体に形成されており、カムシャフト73が回転すると、ベースサークル66aに対して隆起したカム山部66bが、ローラを押圧してアームを揺動させるようになっている。
図9に示すように、ラッシュアジャスタ61は、ナット部材74と、アジャストスクリュ75と、リターンスプリング76とからなる。ナット部材74は、アーム67を上下に貫通する収容穴77に挿入されており、ナット部材74の内周に形成された雌ねじ78が、アジャストスクリュ75の外周に形成された雄ねじ79とねじ係合している。
ナット部材74の上端は、アーム67の上面から突出しており、その突出部分に有底筒状のキャップ80が嵌め合わせて固定されている。キャップ80は、収容穴77の上縁に係止して、ナット部材74が収容穴77から下方に脱落するのを防止する。一方、ナット部材74の下端には、アーム67の下面に当接するフランジ81が形成されており、そのフランジ81で、ナット部材74に作用する上向きの力を受け止めるようになっている。
リターンスプリング76は、上端がキャップ80で支持され、下端がアジャストスクリュ75を押圧しており、その押圧によって、アジャストスクリュ75をナット部材74から下方に突出する方向に付勢している。アジャストスクリュ75のナット部材74からの突出端は、バルブステム65の上端を押圧している(図8参照)。
キャップ80には、上下に貫通する通油孔82が形成されており、アーム67に跳ね掛けられたエンジン油が、通油孔82を通ってナット部材74内に導入されるようになっている。ナット部材74内に導入された潤滑油は、雄ねじ79と雌ねじ78を潤滑する。
雄ねじ79と雌ねじ78は、アジャストスクリュ75をナット部材74に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク83のフランク角が、遊び側フランク84のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されており、押し込み方向の静的荷重がアジャストスクリュ75に負荷されたときは、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク83,83間の摩擦抵抗によってアジャストスクリュ75の回転が阻止され、一方、突出方向の静的荷重がアジャストスクリュ75に負荷されたときは、雄ねじ79と雌ねじ78の遊び側フランク84,84間の滑りによってアジャストスクリュ75の回転が許容されるようになっている。
雄ねじ79は、有効径が一定の平行ねじ部79Aと、その平行ねじ部79Aからアジャストスクリュ75のナット部材74への挿入端に向かって有効径が次第に小さくなるテーパねじ部79Bとからなる。一方、雌ねじ78は、有効径が一定の平行ねじとなっている。その結果、雄ねじ79と雌ねじ78の間には、アジャストスクリュ75のナット部材74への挿入端に向かって次第に大きくなる径方向の遊びが形成されている。
雄ねじ79の圧力側フランク83は、ショットピーニングを施すことにより、表面粗さがRa0.4以上の梨地となっている。
また、雄ねじ79と雌ねじ78の間には軸方向隙間が設けられており、その軸方向隙間は、0.2〜0.4mmの範囲に設定されている。
このラッシュアジャスタ61は、第1実施形態と同様、カム66のカム山部66bがアーム67の端部を押し上げて、アジャストスクリュ75に押し込み方向の荷重が負荷されると、雄ねじ79の圧力側フランク83が雌ねじ78の圧力側フランク83で受け止められて、ナット部材74に対するアジャストスクリュ75の軸方向位置が固定される。このとき、厳密には、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク83,83間に僅かな滑りが生じ、その滑りによってアジャストスクリュ75は押し込み方向に移動するが、更にカム66が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときに、アジャストスクリュ75は、リターンスプリング76から負荷される突出方向の荷重によって突出方向に移動し、元の位置に戻る。
このラッシュアジャスタ61は、アーム67でバルブステム65を押し下げるときに、アーム67の移動方向とバルブステム65の移動方向との間のずれによって、アジャストスクリュ75に倒れモーメントが作用する場合があるが、この場合、雄ねじ79のテーパねじ部79Bが雌ねじ78に接触し、その接触部分に負荷が分散するので、雄ねじ79と雌ねじ78をいずれも平行ねじとしたラッシュアジャスタと比較して、雄ねじ79と雌ねじ78の軸方向端部に負荷が集中しにくい。そのため、雄ねじ79と雌ねじ78の局部的な摩耗が生じにくく、長期にわたって安定した性能を発揮可能である。
また、このラッシュアジャスタ61は、長期間の使用によって雄ねじ79の圧力側フランク83が摩耗したときにも、その摩耗量と比較して、圧力側フランク83の梨地の凹凸高さが大きく、雄ねじ79の圧力側フランク83の表面が平滑になりにくい。そのため、このラッシュアジャスタ61は、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク83,83間の摩擦係数の低下を効果的に防止することができる。
また、このラッシュアジャスタ61は、雄ねじ79と雌ねじ78の軸方向隙間が0.2mm以上あるので、エンジンが高温の状態で停止し、その後、エンジンが冷却して動弁装置の構成部材間に収縮差が生じたときに、その収縮差を、雄ねじ79と雌ねじ78の軸方向隙間で吸収することができる。そのため、エンジンの再始動時に、動弁装置の構成部材間の収縮差による隙間がバルブ64とバルブシート70の間に生じず、圧縮漏れが生じない。
雄ねじ79と雌ねじ78は、上記実施形態に示すように、雌ねじ78を平行ねじとし、雄ねじ79を平行ねじ部79Aとテーパねじ部79Bとで構成すると、テーパねじを容易に加工することができ、低コストであるが、雄ねじ79を平行ねじとし、雌ねじ78を平行ねじ部と、その平行ねじ部からナット部材74の奥に向かって有効径が次第に大きくなるテーパねじ部とで構成してもよい。また、この実施形態では、雄ねじ79の一部をテーパねじとしたが、雄ねじ79の全部を、アジャストスクリュ75のナット部材74への挿入端に向かって次第に有効径が小さくなるテーパねじとしてもよい。
また、この実施形態では、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク83のうち、雄ねじ79の圧力側フランク83を梨地としたが、雄ねじ79の圧力側フランク83にかえて、雌ねじ78の圧力側フランク83を表面粗さがRa0.4以上の梨地としてもよい。また、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク83を、いずれも表面粗さがRa0.4以上の梨地としてもよい。
1 ラッシュアジャスタ
2 シリンダヘッド
7 アーム
13 収容穴
14 ナット部材
15 雌ねじ
16 雄ねじ
17 アジャストスクリュ
19 リターンスプリング
21 突出端
25 圧力側フランク
26 遊び側フランク
31 ラッシュアジャスタ
32 シリンダヘッド
35 バルブステム
39 ガイド孔
40 リフタボディ
41 ナット部材
42 雌ねじ
43 雄ねじ
44 アジャストスクリュ
45 リターンスプリング
55 圧力側フランク
56 遊び側フランク
61 ラッシュアジャスタ
65 バルブステム
66 カム
67 アーム
74 ナット部材
75 アジャストスクリュ
76 リターンスプリング
77 収容穴
78 雌ねじ
79 雄ねじ
83 圧力側フランク
84 遊び側フランク
2 シリンダヘッド
7 アーム
13 収容穴
14 ナット部材
15 雌ねじ
16 雄ねじ
17 アジャストスクリュ
19 リターンスプリング
21 突出端
25 圧力側フランク
26 遊び側フランク
31 ラッシュアジャスタ
32 シリンダヘッド
35 バルブステム
39 ガイド孔
40 リフタボディ
41 ナット部材
42 雌ねじ
43 雄ねじ
44 アジャストスクリュ
45 リターンスプリング
55 圧力側フランク
56 遊び側フランク
61 ラッシュアジャスタ
65 バルブステム
66 カム
67 アーム
74 ナット部材
75 アジャストスクリュ
76 リターンスプリング
77 収容穴
78 雌ねじ
79 雄ねじ
83 圧力側フランク
84 遊び側フランク
Claims (8)
- 内周に雌ねじ(15)を有するナット部材(14)と、そのナット部材(14)の雌ねじ(15)にねじ係合する雄ねじ(16)を外周に有するアジャストスクリュ(17)と、そのアジャストスクリュ(17)をナット部材(14)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(19)とを有し、前記雄ねじ(16)と雌ねじ(15)は、アジャストスクリュ(17)をナット部材(14)内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク(25)のフランク角が、遊び側フランク(26)のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成された動弁装置のラッシュアジャスタにおいて、
前記雄ねじ(16)と雌ねじ(15)のうち、少なくとも一方のねじ(16)の一部または全部を、前記アジャストスクリュ(17)に倒れモーメントが作用した状態で他方のねじ(15)に接触するテーパねじとしたことを特徴とするラッシュアジャスタ。 - 前記ナット部材(14)は、シリンダヘッド(2)の上面に開口した収容穴(13)に挿入され、前記アジャストスクリュ(17)は、前記ナット部材(14)からの突出端(21)で動弁装置のアーム(7)を揺動可能に支持する請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
- 前記ナット部材(41)は、シリンダヘッド(32)に形成されたガイド孔(39)に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディ(40)に固定され、前記アジャストスクリュ(44)は、前記ナット部材(41)からの突出端で動弁装置のバルブステム(35)を押圧する請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
- 前記ナット部材(74)は、カム(66)の回転に応じて揺動するアーム(67)の下面に開口した収容穴(77)に挿入され、前記アジャストスクリュ(75)は、前記ナット部材(74)からの突出端で動弁装置のバルブステム(65)を押圧する請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
- 前記雌ねじ(15)が平行ねじであり、前記雄ねじ(16)の一部または全部が、アジャストスクリュのナット部材への挿入端に向かって有効径が次第に小さくなるテーパねじである請求項1から4のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
- 前記雄ねじ(16)の圧力側フランク(25)と前記雌ねじ(15)の圧力側フランク(25)のうち、少なくとも一方の圧力側フランク(25)を、表面粗さがRa0.4以上の梨地とした請求項1から5のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
- 前記梨地をショットピーニングにより形成した請求項6に記載のラッシュアジャスタ。
- 前記雄ねじ(16)と雌ねじ(15)の間の軸方向隙間を0.2〜0.4mmの範囲に設定した請求項1から7のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008122300A JP2009270505A (ja) | 2008-05-08 | 2008-05-08 | ラッシュアジャスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008122300A JP2009270505A (ja) | 2008-05-08 | 2008-05-08 | ラッシュアジャスタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009270505A true JP2009270505A (ja) | 2009-11-19 |
Family
ID=41437282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008122300A Pending JP2009270505A (ja) | 2008-05-08 | 2008-05-08 | ラッシュアジャスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009270505A (ja) |
-
2008
- 2008-05-08 JP JP2008122300A patent/JP2009270505A/ja active Pending
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