JP2009243563A - 中空部品へのパイプ接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体の洩れを防止しうる中空部品へのパイプ接続構造を提供する。
【解決手段】中空部品へのパイプ接続構造は、中空部品に設けられた筒状のパイプ接続部13,15へのパイプ3,4の接続構造である。パイプ接続部13,15は2つの接続部形成部16d,17dよりなる。各接続部形成部16d,17dの両側縁に平坦部21,22を一体に形成するとともに、両平坦部21,22どうしをろう付する。パイプ接続部13,15の先端部に、第1外向きフランジ31を、両接続部形成部16d,17dに跨って設ける。パイプ13,15が、パイプ接続部13,15内への被挿入部34と、被挿入部34の外側に設けられた第2外向きフランジ35とを備えている。第1外向きフランジ31と第2外向きフランジ35との間に、接合補助板33を介在させて両外向きフランジ31,35にろう付する。接合補助板33は、パイプ接続部13,15の両平坦部21,22の第1外向きフランジ31側の端面の少なくとも一部を覆っている。
【選択図】図5
【解決手段】中空部品へのパイプ接続構造は、中空部品に設けられた筒状のパイプ接続部13,15へのパイプ3,4の接続構造である。パイプ接続部13,15は2つの接続部形成部16d,17dよりなる。各接続部形成部16d,17dの両側縁に平坦部21,22を一体に形成するとともに、両平坦部21,22どうしをろう付する。パイプ接続部13,15の先端部に、第1外向きフランジ31を、両接続部形成部16d,17dに跨って設ける。パイプ13,15が、パイプ接続部13,15内への被挿入部34と、被挿入部34の外側に設けられた第2外向きフランジ35とを備えている。第1外向きフランジ31と第2外向きフランジ35との間に、接合補助板33を介在させて両外向きフランジ31,35にろう付する。接合補助板33は、パイプ接続部13,15の両平坦部21,22の第1外向きフランジ31側の端面の少なくとも一部を覆っている。
【選択図】図5
Description
この発明は、たとえば半導体素子などの電子部品からなる発熱体を冷却する液冷式冷却装置に用いられる中空部品へのパイプ接続構造に関する。
従来、電子部品の液冷式冷却装置として、頂壁、底壁および周壁からなるケーシングと、ケーシング内に配置されたチューブと、ケーシングの周壁に接続された入口パイプおよび出口パイプとを備えており、ケーシングが、上方に開口しかつ底壁および周壁を形成する箱状の本体と、本体の開口を閉鎖する蓋とからなり、本体の周壁に貫通穴が形成され、貫通穴内に入口パイプおよび出口パイプの端部が挿入されて周壁にろう付されたものが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1記載の液冷式冷却装置においては、ケーシングの本体の形成が困難であるという問題がある。そこで、このような問題を解決するために、頂壁、底壁および周壁からなり、かつ内部を流体が流れるケーシング本体と、ケーシング本体に設けられ、かつケーシング本体に連なった基部および基部の先端に連なった筒状のパイプ接続部からなる流体通過部とを備えたケーシング、ならびにケーシングのパイプ接続部に挿入されてパイプ接続部にろう付された流体流通パイプよりなる液冷式冷却装置が考えられている。当該液冷式冷却装置のケーシングは、ケーシング本体の頂壁、ケーシング本体の周壁の上半部、流体通過部の基部の上半部、流体通過部のパイプ接続部の上半部を形成する上構成部材と、ケーシング本体の底壁、ケーシング本体の周壁の下半部、流体通過部の基部の下半部および流体通過部のパイプ接続部の下半部を形成する下構成部材とからなる。
上述した上構成部材は、ケーシング本体の頂壁を形成する頂壁形成部と、ケーシング本体の周壁の上半部を形成する周壁形成部と、流体通過部の基部の上半部を形成する基部形成部と、流体通過部のパイプ接続部の上半部を形成する半筒状の接続部形成部と、周壁形成部、基部形成部および接続部形成部の下端に形成された外方張り出し部を有している。一方、上述した下構成部材は、ケーシング本体の底壁を形成する底壁形成部と、ケーシング本体の周壁の下半部を形成する周壁形成部と、流体通過部の基部の下半部を形成する基部形成部と、流体通過部のパイプ接続部の下半部を形成する半筒状の接続部形成部と、周壁形成部、基部形成部および接続部形成部の上端に形成された外方張り出し部を有している。そして、両構成部材の外方張り出し部どうしが接合されることにより、ケーシングが形成され、流入パイプおよび流出パイプは、両構成部材の外方張り出し部どうしのろう付と同時に、両構成部材の接続部形成部により形成されるパイプ接続部内に挿入された状態でパイプ接続部にろう付される。なお、両構成部材の外方張り出し部における接続部形成部の両側に存在する部分は、それぞれ同一水平面上に位置する水平平坦部となっている。
通常、上述した上構成部材および下構成部材は、最終形状の下構成部材に対応する形状を有する2つの金型を用いて金属素板にプレス加工を施すことにより製造されるが、この場合、次のような問題が生じるおそれがある。すなわち、上述した方法で上下両構成部材を製造した場合、図14に示すように、上下両構成部材(51)(52)の接続部形成部(53)(54)の内周面と、接続部形成部(53)(54)の両側縁に形成される水平平坦部(55)(56)における他方の構成部材(52)(51)側を向いた面との連接部に丸み(57)(58)が生じることは避け得ない。したがって、両構成部材(51)(52)を合わせた際に、両構成部材(51)(52)の接続部形成部(53)(54)および平坦部(55)(56)により形成される円筒状のパイプ接続部(59)の内周面と、流体流通パイプ(61)の外周面との間に比較的大きな隙間(62)が発生し、当該隙間(62)がろう材によって埋められず、製造された液冷式冷却装置においてはケーシングからの冷却液の洩れが発生するおそれがある。
特開2005−274120号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、流体の洩れを防止しうる中空部品へのパイプ接続構造を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)中空部品に設けられた筒状のパイプ接続部へのパイプの接続構造であって、中空部品のパイプ接続部が2つの半筒状接続部形成部よりなり、各接続部形成部の両側縁に同一平面上に位置する外向きの平坦部が一体に形成されるとともに、両接続部形成部の平坦部どうしがろう付され、パイプ接続部の先端部に、第1外向きフランジが、両接続部形成部に跨って設けられるとともに、当該第1外向きフランジの外周縁が、各接続部形成部の内周面と両平坦部における接続部形成部が開口した側を向いた面との連接部よりも外側に位置させられ、パイプが、パイプ接続部内への被挿入部と、被挿入部の外側に設けられた第2外向きフランジとを備えており、中空部品側の第1外向きフランジとパイプ側の第2外向きフランジとの間に、接合補助板が介在させられて両外向きフランジにろう付され、接合補助板が、パイプ接続部の両接続部形成部に形成された平坦部における第1外向きフランジ側の端面の少なくとも一部を覆っている中空部品へのパイプ接続構造。
2)中空部品に設けられた筒状のパイプ接続部へのパイプの接続構造であって、中空部品のパイプ接続部が、2つの半筒状接続部形成部よりなり、各接続部形成部の両側縁に同一平面上に位置する外向きの平坦部が一体に形成されるとともに、両接続部形成部の平坦部どうしがろう付され、パイプ接続部の先端部に、第1外向きフランジが、両接続部形成部に跨って設けられるとともに、当該第1外向きフランジの外周縁が、各接続部形成部の内周面と両平坦部における接続部形成部が開口した側を向いた面との連接部よりも外側に位置させられ、パイプが、パイプ接続部内への被挿入部と、被挿入部の外側に設けられた第2外向きフランジとを備えており、第1外向きフランジと第2外向きフランジとがろう付され、両外向きフランジのろう付部の外周縁が、各接続部形成部の内周面と両平坦部における接続部形成部が開口した側を向いた面との連接部よりも外側に位置させられている中空部品へのパイプ接続構造。
3)中空部品側の第1外向きフランジが、中空部品のパイプ接続部と別個に形成されるとともに、パイプ接続部の端部に嵌め被せられてパイプ接続部にろう付されることにより設けられており、第1外向きフランジの内周縁部に、パイプ接続部の各接続部形成部の両側縁に形成された平坦部が嵌る切り欠きが形成され、第1外向きフランジの外側面と、パイプ接続部および平坦部の端面とが面一となっている上記1)または2)記載の中空部品へのパイプ接続構造。
4)パイプ接続部の各接続部形成部の両側縁に形成された平坦部における第1外向きフランジ側の端部に、第1外向きフランジにおける切り欠きよりも外周側の部分を受ける受け部が形成されている上記3)記載の中空部品へのパイプ接続構造。
5)中空部品側の第1外向きフランジが、中空部品のパイプ接続部と別個に形成されるとともに、パイプ接続部の端部に嵌め被せられてパイプ接続部にろう付されることにより設けられており、第1外向きフランジの内周縁部に、パイプ接続部の両接続部形成部に跨って形成された切り欠きに嵌る内方突出部が一体に形成され、パイプ接続部の各接続部形成部の両側縁に形成された平坦部における第1外向きフランジ側の端部が、第1外向きフランジと干渉しないように切除され、第1外向きフランジの外側面と、パイプ接続部の端面とが面一となっている上記2)記載の中空部品へのパイプ接続構造。
6)中空部品が、頂壁、底壁および周壁からなり、かつ内部を流体が流れるケーシング本体と、ケーシング本体に一体に形成され、かつケーシング本体の内部に通じる基部および基部の先端に連なった筒状のパイプ接続部からなる流体通過部とを備えたケーシングであり、ケーシングが、ケーシング本体の頂壁、ケーシング本体の周壁の上半部、流体通過部の基部の上半部、および流体通過部のパイプ接続部の上半部を形成する上構成部材と、ケーシング本体の底壁、ケーシング本体の周壁の下半部、流体通過部の基部の下半部および流体通過部のパイプ接続部の下半部を形成し、かつ上構成部材にろう付された下構成部材とよりなり、上構成部材が、ケーシング本体の頂壁を形成する頂壁形成部と、ケーシング本体の周壁の上半部を形成する周壁形成部と、流体通過部の基部の上半部を形成する基部形成部と、流体通過部のパイプ接続部の上半部を形成する半筒状の接続部形成部と、接続部形成部の両側縁に一体に形成されるとともに同一平面上に位置する平坦部とを有しており、下構成部材が、ケーシング本体の底壁を形成する底壁形成部と、ケーシング本体の周壁の下半部を形成する周壁形成部と、流体通過部の基部の下半部を形成する基部形成部と、流体通過部のパイプ接続部の下半部を形成する半筒状の接続部形成部と、接続部形成部の両側縁に一体に形成されるとともに同一平面上に位置する平坦部とを有している上記1)〜5)のうちのいずれかに記載の中空部品へのパイプ接続構造。
上記1)のパイプ接続構造によれば、パイプ接続部の先端部に、第1外向きフランジが、両接続部形成部に跨って設けられるとともに、当該第1外向きフランジの外周縁が、各接続部形成部の内周面と両平坦部における接続部形成部が開口した側を向いた面との連接部よりも外側に位置させられ、パイプが、パイプ接続部内への被挿入部と、被挿入部の外側に設けられた第2外向きフランジとを備えており、中空部品側の第1外向きフランジとパイプ側の第2外向きフランジとの間に、接合補助板が介在させられて両外向きフランジにろう付され、接合補助板が、パイプ接続部の両接続部形成部に形成された平坦部における第1外向きフランジ側の端面の少なくとも一部を覆っているので、各接続部形成部の内周面と両平坦部における接続部形成部が開口した側を向いた面との連接部に丸みが形成されることに起因して、両接続部形成部により形成される筒状のパイプ接続部の内周面と、当該パイプ接続部内に挿入されるパイプの外周面との間に比較的大きな隙間が発生していたとしても、当該隙間の第1外向きフランジ側の開口端部が接合補助板により閉鎖される。したがって、中空部品内からの流体の洩れを防止することができる。
上記2)のパイプ接続構造によれば、パイプ接続部の先端部に、第1外向きフランジが、両接続部形成部に跨って設けられるとともに、当該第1外向きフランジの外周縁が、各接続部形成部の内周面と両平坦部における接続部形成部が開口した側を向いた面との連接部よりも外側に位置させられ、パイプが、パイプ接続部内への被挿入部と、被挿入部の外側に設けられた第2外向きフランジとを備えており、第1外向きフランジと第2外向きフランジとがろう付され、両外向きフランジのろう付部の外周縁が、各接続部形成部の内周面と両平坦部における接続部形成部が開口した側を向いた面との連接部よりも外側に位置させられているので、各接続部形成部の内周面と両平坦部における接続部形成部が開口した側を向いた面との連接部に丸みが形成されることに起因して、両接続部形成部により形成される筒状のパイプ接続部の内周面と、当該パイプ接続部内に挿入されるパイプの外周面との間に比較的大きな隙間が発生していたとしても、当該隙間の第1外向きフランジ側の開口端部が第2外向きフランジにより閉鎖される。したがって、中空部品内からの流体の洩れを防止することができる。
上記3)のパイプ接続構造によれば、中空部品側の第1外向きフランジが、中空部品のパイプ接続部と別個に形成されるとともに、パイプ接続部の端部に嵌め被せられてパイプ接続部にろう付されることにより設けられており、第1外向きフランジの内周縁部に、パイプ接続部の各接続部形成部の両側縁に形成された平坦部が嵌る切り欠きが形成され、第1外向きフランジの外側面と、パイプ接続部および平坦部の端面とが面一となっているので、中空部品内からの流体の洩れを効果的に防止することができる。
上記4)のパイプ接続構造によれば、上記3)のパイプ接続構造において、第1外向きフランジのパイプ接続部および平坦部に対する位置決めを正確に行うことができる。
上記5)のパイプ接続構造によれば、中空部品側の第1外向きフランジが、中空部品のパイプ接続部と別個に形成されるとともに、パイプ接続部の端部に嵌め被せられてパイプ接続部にろう付されることにより設けられており、第1外向きフランジの内周縁部に、パイプ接続部の両接続部形成部に跨って形成された切り欠きに嵌る内方突出部が一体に形成され、パイプ接続部の各接続部形成部の両側縁に形成された平坦部における第1外向きフランジ側の端部が、第1外向きフランジと干渉しないように切除され、第1外向きフランジの外側面と、パイプ接続部の端面とが面一となっているので、中空部品内からの流体の洩れを効果的に防止することができる。しかも、第1外向きフランジのパイプ接続部および平坦部に対する位置決めを正確に行うことができる。
上記6)のパイプ接続構造によれば、上下両構成部材を合わせた際に、両接続部形成部により形成されるパイプ接続部の内周面と、当該パイプ接続部内に挿入されるパイプの外周面との間に比較的大きな隙間が発生していたとしても、上下両構成部材により形成されたケーシングからの流体の洩れを防止することができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明のパイプ接続構造を、液冷式冷却装置のケーシングのパイプ接続部への流入パイプおよび流出パイプの接続に適用したものである。なお、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
以下の説明において、図2の下側を前、上側を後というものとし、図3の上下、左右を上下、左右というものとする。
また、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
実施形態1
この実施形態は図1〜図7に示すものである。 図1〜図5はこの発明のパイプ接続構造によりパイプが接続されたケーシングを有する液冷式冷却装置を示し、図6および図7はケーシングへのパイプの接続方法を示す。
この実施形態は図1〜図7に示すものである。 図1〜図5はこの発明のパイプ接続構造によりパイプが接続されたケーシングを有する液冷式冷却装置を示し、図6および図7はケーシングへのパイプの接続方法を示す。
図1〜図5において、液冷式冷却装置(1)は、中空状のケーシング(2)と、ケーシング(2)に接続されてケーシング(2)内に冷却液を流入させる丸パイプからなる流入パイプ(3)と、ケーシング(2)に接続されてケーシング(2)内から冷却液を流出させる丸パイプからなる流出パイプ(4)とを備えている。
ケーシング(2)は、頂壁(6)、底壁(7)および周壁(8)からなりかつ内部を冷却液が流れる扁平直方体状のケーシング本体(5)と、ケーシング本体(5)の右側縁の後端部に右方突出状に一体に形成され、かつケーシング本体(5)内に通じる冷却液流入部(9)(流体通過部)と、ケーシング本体(5)の右側縁の前端部に右方突出状に一体に形成され、かつケーシング本体(5)内に通じる冷却液流出部(11)(流体通過部)とを備えている。
ケーシング本体(5)の周壁(8)は、左右方向にのびる垂直状の前側壁部(8a)、左右方向にのびるとともに前側壁部(8a)と対向する垂直状の後側壁部(8b)、前後方向にのびかつ前側壁部(8a)および後側壁部(8b)の左端部どうしを連結する垂直状の左側壁部(8c)、ならびに前後方向にのびるとともに左側壁部(8c)と対向する垂直状の右側壁部(8d)よりなる。冷却液流入部(9)は、ケーシング本体(5)に連なって設けられ、かつケーシング本体(5)と同一高さを有する角筒状の基部(12)と、基部(12)の右端部に連なって設けられ、かつ基部(12)外面の前後方向の幅と同一の外径を有する円筒状のパイプ接続部(13)とよりなる。冷却液流入部(9)の基部(12)の上面はケーシング本体(5)の頂壁(6)の上面に、下面は底壁(7)の下面に、後面は周壁(8)の後側壁部(8b)の後面にそれぞれ面一となっている。また、基部(12)の前面は周壁(8)の右側壁部(8d)の右面と直角をなしている。冷却液流出部(11)は、ケーシング本体(5)に連なって設けられ、かつケーシング本体(5)と同一高さを有する角筒状の基部(14)と、基部(14)の右端部に連なって設けられ、かつ基部(14)外面の前後方向の幅と同一の外径を有する円筒状のパイプ接続部(15)とよりなる。冷却液流出部(11)の基部(14)の上面はケーシング本体(5)の頂壁(6)の上面に、下面は底壁(7)の下面に、前面は周壁(8)の前側壁部(8a)の前面にそれぞれ面一となっている。また、基部(12)の後面は周壁(8)の右側壁部(8d)の右面と直角をなしている。そして、冷却液流入部(9)のパイプ接続部(13)内に流入パイプ(3)の端部が挿入されてパイプ接続部(13)にろう付され、冷却液流出部(11)のパイプ接続部(15)内に流出パイプ(4)の端部が挿入されてパイプ接続部(15)にろう付されている。
ケーシング本体(5)、冷却液流入部(9)および冷却液流出部(11)からなるケーシング(2)は、ケーシング本体(5)の頂壁(6)を形成する頂壁形成部(16a)、ケーシング本体(5)の周壁(8)の上半部を形成する周壁形成部(16b)、冷却液流入部(9)および冷却液流出部(11)の基部(12)(14)の上半部を形成する基部形成部(16c)、ならびに冷却液流入部(9)および冷却液流出部(11)のパイプ接続部(13)(15)の上半部を形成する半円筒状の接続部形成部(16d)からなるアルミニウム製上構成部材(16)と、ケーシング本体(5)の底壁(7)を形成する底壁形成部(17a)、ケーシング本体(5)の周壁(8)の下半部を形成する周壁形成部(17b)、冷却液流入部(9)および冷却液流出部(11)の基部(12)(14)の下半部を形成する基部形成部(17c)、ならびに冷却液流入部(9)および冷却液流出部(11)のパイプ接続部(13)(15)の下半部を形成する半円筒状の接続部形成部(17d)からなり、かつ上構成部材(16)と上下対称形のアルミニウム製下構成部材(17)とよりなる。上下両構成部材(16)(17)の基部形成部(16c)(17c)は互いに他方の構成部材(17)(16)側に開口した半角筒状である。上下両構成部材(16)(17)の接続部形成部(16d)(17d)は互いに他方の構成部材(17)(16)側に開口した半円筒状である。上下両構成部材(16)(17)は、片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートに、ろう材層が内側を向くようにプレス加工を施すことにより形成されたものである。
上構成部材(16)の下端、すなわち周壁形成部(16b)の下端から基部形成部(16c)および接続部形成部(16d)の下端にかけて水平平坦状の外方張り出し部(18)が一体に形成されている。また、下構成部材(17)の上端、すなわち周壁形成部(17b)の上端から基部形成部(17c)および接続部形成部(17d)の上端にかけて水平平坦状の外方張り出し部(19)が一体に形成されている。上下両構成部材(16)(17)は、片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからろう材層が内側を向くように形成されていることから、上構成部材(16)の外方張り出し部(18)の下面および下構成部材(17)の外方張り出し部(19)の上面にはろう材層が存在する。そして、両構成部材(16)(17)の外方張り出し部(18)(19)どうしがろう付されることにより、ケーシング(2)が形成されている。上構成部材(16)の外方張り出し部(18)における接続部形成部(16d)の前後両側縁に存在する部分が、接続部形成部(16d)の両側縁に一体に形成されかつ同一平面上に位置する水平平坦部(21)となっている。また、下構成部材(17)の外方張り出し部(19)における接続部形成部(17d)の前後両側縁に存在する部分が、接続部形成部(17d)の両側縁に一体に形成されかつ同一平面上に位置する水平平坦部(22)となっている。
上下両構成部材(16)(17)がアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより形成されているので、図4に示すように、上下両構成部材(16)(17)の接続部形成部(16d)(17d)の内周面と、上構成部材(16)の平坦部(21)の下面(平坦部(21)における接続部形成部(16d)が開口した側を向いた面)および下構成部材(17)の平坦部(22)の上面(平坦部(22)における接続部形成部(17d)が開口した側を向いた面)との連接部に、それぞれ丸み(20)が形成されている。したがって、上下両構成部材(16)(17)の接続部形成部(16d)(17d)により形成されるパイプ接続部(13)(15)の内周面と、流入パイプ(3)および流出パイプ(4)との間に隙間(28)が生じている。
ケーシング(2)のパイプ接続部(13)(15)への流入パイプ(3)および流出パイプ(4)の接続構造は次の通りである。図4および図5に示すように、パイプ接続部(13)(15)の先端部に、ケーシング(2)側の第1外向きフランジ(31)が、上下両構成部材(16)(17)の接続部形成部(16d)(17d)および水平平坦部(21)(22)に跨って設けられている。第1外向きフランジ(31)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから上下両構成部材(16)(17)、すなわちパイプ接続部(13)(15)とは別個に形成されたものであり、円環状部(31a)と、円環状部(31a)の前後両側部分に径方向外方に突出するとともに1直径上に位置するように一体に形成された外方突出部(31b)とよりなる。円環状部(31a)の外周縁は、上下両構成部材(16)(17)の各接続部形成部(16d)(17d)の内周面と、上構成部材(16)の平坦部(21)の下面および下構成部材(17)の平坦部(22)の上面との連接部の丸み(20)よりも径方向外側に位置させられている。第1外向きフランジ(31)には、円環状部(31a)の内周縁から両外方突出部(31b)における内外方向の中間部に至り、かつ両水平平坦部(21)(22)が嵌る切り欠き(32)が形成されている。また、上下両構成部材(16)(17)の水平平坦部(21)(22)の右端部、すなわち第1外向きフランジ(31)側の端部には、前後方向外方に突出し、かつ第1外向きフランジ(31)の外方突出部(31b)における切り欠き(32)よりも径方向外側の部分を受ける受け部(21a)(22a)が形成されている。そして、第1外向きフランジ(31)は、切り欠き(32)内に水平平坦部(21)(22)の右端部が嵌め入れられるとともに、円環状部(31a)がパイプ接続部(13)(15)の端部の周囲に嵌め被せられ、さらに両外方突出部(31b)が水平平坦部(21)(22)の受け部(21a)(22a)に受けられた状態で、自身のろう材層を利用してパイプ接続部(13)(15)および水平平坦部(21)(22)にろう付されている。ここで、第1外向きフランジ(31)の右側面(外側面)は、パイプ接続部(13)(15)および水平平坦部(21)(22)の右端面と面一になっている。
第1外向きフランジ(31)の右側面に、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成された接合補助板(33)がろう付されている。接合補助板(33)は、円環状部(33a)と、円環状部(33a)の前後両側部分に径方向外方に突出するとともに1直径上に位置するように一体に形成された外方突出部(33b)とよりなり、切り欠き(32)が形成されていないことを除いては、第1外向きフランジ(31)と同形同大である。接合補助板(33)の外方突出部(33b)の上下両側縁は上構成部材(16)の水平平坦部(21)の上面および下構成部材(17)の水平平坦部(22)の下面よりも上下方向外側に位置し、かつ前後方向外側縁は両水平平坦部(21)(22)の前後方向外側縁と同一直線上に位置している。したがって、接合補助板(33)は、冷媒流入部(9)および冷媒流出部(11)のパイプ接続部(13)(15)の両接続部形成部(16d)(17d)に形成された平坦部(21)(22)における切り欠き(32)内に嵌め入れられた部分の第1外向きフランジ(31)側の端面(右端面)の全体を覆っており、その結果各接続部形成部(16d)(17d)の内周面と両平坦部(21)(22)における接続部形成部(16d)(17d)が開口した側を向いた面との連接部に丸み(20)が形成されることに起因して、上下両構成部材(16)(17)の接続部形成部(16d)(17d)により形成されるパイプ接続部(13)(15)の内周面と、流入パイプ(3)および流出パイプ(4)との間の隙間(28)の第1外向きフランジ(31)側(右側)の開口端部は、接合補助板(33)により完全に塞がれる。したがって、ケーシング(2)内からの流体の洩れを防止することができる。
流入パイプ(3)および流出パイプ(4)は、ケーシング(2)のパイプ接続部(13)(15)内に挿入された被挿入部(34)と、被挿入部(34)の外側(右側)に一体に形成された第2外向きフランジ(35)とを備えており、被挿入部(34)がパイプ接続部(13)(15)にろう付されるとともに、第2外向きフランジ(35)が接合補助板(33)にろう付されている。第2外向きフランジ(35)と接合補助板(33)とのろう付部の外周縁は、上構成部材(16)の平坦部(21)の下面および下構成部材(17)の平坦部(22)の上面との連接部の丸み(20)の径方向外側および同内側のいずれに位置していてもよい。
ケーシング本体(5)内における左側壁部(8c)と右側壁部(8d)との間でかつ冷却液流入部(9)と冷却液流出部(11)との間の部分に、波頂部、波底部および波頂部と波底部とを連結する垂直状連結部からなるアルミニウム製のコルゲートフィン(23)が配置されており、波頂部がケーシング本体(5)の頂壁(6)に、波底部がケーシング本体(5)の底壁(7)にそれぞれろう付されている。そして、コルゲートフィン(23)によって、前後方向にのびかつ冷却液が前後方向に流れる複数の流路(24)が左右方向に並んで形成されており、これにより複数の流路(24)からなる並列流路部分(25)が設けられている。ケーシング本体(5)内における並列流路部分(25)よりも上流側(後側)の部分が冷却液流入部(9)に通じる入口ヘッダ部(26)となされるとともに、並列流路部分(25)よりも下流側(前側)の部分が冷却液流出部(11)に通じる出口ヘッダ部(27)となされている。
ケーシング(2)のパイプ接続部(13)(15)への流入パイプ(3)および流出パイプ(4)の接続は、液冷式冷却装置(1)の製造と同時に、以下に述べる方法により行われる。すなわち、上下両構成部材(16)(17)、第1外向きフランジ(31)、接合補助板(33)、流入パイプ(3)および流出パイプ(4)を用意し、上下両構成部材(16)(17)を、外方張り出し部(18)(19)どうしが密着するように組み合わせる(図6参照)。このとき、上下両構成部材(16)(17)間にコルゲートフィン(23)を配置する。ついで、第1外向きフランジ(31)の円環状部(31a)を、切り欠き(32)内に両水平平坦部(21)(22)が嵌るようにパイプ接続部(13)(15)の周囲に嵌め被せ、外方突出部(31b)を両水平平坦部(21)(22)の受け部(21a)(22a)に当接させる(図7(a)参照)。ついで、接合補助板(33)を第1外向きフランジ(31)の外面(右側面)に沿わせた後(図7(b)参照)、冷媒流入パイプ(3)および冷媒流出パイプ(4)の被挿入部(34)を、接合補助板(33)の円環状部(33a)および第1外向きフランジ(31)の円環状部(31a)に通すとともにパイプ接続部(13)(15)内に挿入し、第2外向きフランジ(35)を接合補助板(33)の外面(右側面)に沿わせる(図7(c)参照)。ついで、上下両構成部材(16)(17)、第1外向きフランジ(31)および接合補助板(33)を図示しない適当な手段により仮止めするとともに、冷媒流入パイプ(3)および冷媒流出パイプ(4)をパイプ接続部(13)(15)に仮止めする。冷媒流入パイプ(3)および冷媒流出パイプ(4)のパイプ接続部(13)(15)への仮止めは、図7(d)に示すように、パイプ接続部(13)(15)の両水平平坦部(21)(22)の受け部(21a)(22a)と、冷媒流入パイプ(3)および冷媒流出パイプ(4)の第2外向きフランジ(35)とを、たとえばクリップ(36)により挟むことによって行う。なお、クリップの形状は、図示のものに限定されず、適宜変更可能である。その後、上下両構成部材(16)(17)、第1外向きフランジ(31)、接合補助板(33)、冷媒流入パイプ(3)および冷媒流出パイプ(4)を所定のろう付温度に加熱することにより、上下両構成部材(16)(17)の外方張り出し部(18)(19)どうしをろう付してケーシング(2)を形成し、これと同時にパイプ接続部(13)(15)および水平平坦部(21)(22)と第1外向きフランジ(31)、第1外向きフランジ(31)と接合補助板(33)、冷媒流入パイプ(3)および冷媒流出パイプ(4)の被挿入部(34)とパイプ接続部(13)(15)、ならびに接合補助板(33)と第2外向きフランジ(35)とをそれぞれろう付する。こうして、液冷式冷却装置(1)が製造される。
上記構成の液冷式冷却装置(1)において、発熱体である半導体素子(P)は、板状絶縁部材(I)を介してケーシング本体(5)の頂壁(6)外面に接合される。そして、図示しない冷却液供給用配管から流入パイプ(3)内に送り込まれた冷却液は、冷却液流入部(9)を通ってケーシング本体(5)内の入口ヘッダ部(26)内に流入する。入口ヘッダ部(26)内に流入した冷却液は、入口ヘッダ部(26)において並列流路部分(25)の全流路(24)に分流し、全流路(24)内を前方に流れる。
並列流路部分(25)の流路(24)内を前方に流れた冷却液は、出口ヘッダ部(27)内に入って出口ヘッダ部(27)内を右方に流れ、冷却液流出部(11)を通って流出パイプ(4)内に流入する。流出パイプ(4)内に流入した冷却液は、図示しない冷却液排出用配管内に送り込まれる。
そして、半導体素子(P)から発せられる熱は、絶縁部材(I)、ケーシング本体(5)の頂壁(6)およびコルゲートフィン(23)を経て流路(24)内を流れる冷却液に伝わり、半導体素子(P)が冷却される。
実施形態2
この実施形態は図8〜図10に示すものである。
この実施形態は図8〜図10に示すものである。
この実施形態におけるケーシング(2)のパイプ接続部(13)(15)への流入パイプ(3)および流出パイプ(4)の接続構造の場合、パイプ接続部(13)(15)の先端部に、上下両構成部材(16)(17)の接続部形成部(16d)(17d)および水平平坦部(21)(22)に跨って設けられた第1外向きフランジ(40)の円環状部(40a)の外周縁は、上下両構成部材(16)(17)の各接続部形成部(16d)(17d)の内周面と、上構成部材(16)の平坦部(21)の下面および下構成部材(17)の平坦部(22)の上面との連接部の丸み(20)よりも径方向外側に位置させられている。また、第1外向きフランジ(40)の円環状部(40a)には外方突出部(40b)は形成されておらず、円環状部(40a)にはその内周縁から径方向外方にのびかつ両水平平坦部(21)(22)が嵌る1対の切り欠き(41)が、1直径上に位置するように形成されている。
ケーシング(2)のパイプ接続部(13)(15)の各接続部形成部(16d)(17d)に設けられた水平平坦部(21)(22)の右端部は、その右側縁から前後方向外側縁にかけて切除されており、水平平坦部(21)(22)の右端部における切除部よりも前後方向内側の残存部が第1外向きフランジ(40)の切り欠き(41)内に嵌め入れられている。また、水平平坦部(21)(22)における切除部よりも左側の部分に、第1外向きフランジ(40)の円環状部(40a)における切り欠き(41)よりも径方向外側の部分を受ける受け部(21b)(22b)が形成されている。そして、第1外向きフランジ(40)は、円環状部(40a)がパイプ接続部(13)(15)の端部の周囲に嵌め被せられるとともに、切り欠き(41)内に両水平平坦部(21)(22)の受け部(21b)(22b)よりも右方に突出した部分が嵌め入れられた状態で、自身のろう材層を利用してパイプ接続部(13)(15)および水平平坦部(21)(22)にろう付されている。ここで、第1外向きフランジ(40)の右側面(外側面)は、パイプ接続部(13)(15)および水平平坦部(21)(22)における切り欠き(41)内に嵌められた部分の右端面と面一になっている。
第1外向きフランジ(40)と流入パイプ(3)および流出パイプ(4)の第2外向きフランジ(35)との間に接合補助板(33)は介在させられておらず、両外向きフランジ(40)(35)が直接ろう付されている。また、両外向きフランジ(40)(35)のろう付部の外周縁は、上下両構成部材(16)(17)の各接続部形成部(16d)(17d)の内周面と、上構成部材(16)の平坦部(21)の下面および下構成部材(17)の平坦部(22)の上面との連接部の丸み(20)よりも径方向外側に位置させられている。
したがって、第2外向きフランジ(35)は、冷媒流入部(9)および冷媒流出部(11)のパイプ接続部(13)(15)の両接続部形成部(16d)(17d)に形成された平坦部(21)(22)における第1外向きフランジ(40)の切り欠き(41)内に嵌められた部分の端面(右端面)を完全に覆っており、その結果各接続部形成部(16d)(17d)の内周面と両平坦部(21)(22)における接続部形成部(16d)(17d)が開口した側を向いた面との連接部に丸み(20)が形成されることに起因して、上下両構成部材(16)(17)の接続部形成部(16d)(17d)により形成されるパイプ接続部(13)(15)の内周面と、流入パイプ(3)および流出パイプ(4)との間の隙間(28)の第1外向きフランジ(40)側(右側)の開口端部は、第2外向きフランジ(35)により完全に塞がれる。その結果、ケーシング(2)内からの流体の洩れを防止することができる。
その他の構成は実施形態1のパイプ接続構造と同様である。
ケーシング(2)のパイプ接続部(13)(15)への流入パイプ(3)および流出パイプ(4)の接続は、液冷式冷却装置(1)の製造と同時に、以下に述べる方法により行われる。すなわち、上下両構成部材(16)(17)、第1外向きフランジ(40)、流入パイプ(3)および流出パイプ(4)を用意し、上下両構成部材(16)(17)を、外方張り出し部(18)(19)どうしが密着するように組み合わせる(図10(a)参照)。このとき、上下両構成部材(16)(17)間にコルゲートフィン(23)を配置する。ついで、第1外向きフランジ(40)の円環状部(40a)を、切り欠き(41)内に両水平平坦部(21)(22)の右端の残存部が嵌るようにパイプ接続部(13)(15)の周囲に嵌め被せ、円環状部(40a)を両水平平坦部(21)(22)の受け部(21b)(22b)に当接させる(図10(b)参照)。ついで、冷媒流入パイプ(3)および冷媒流出パイプ(4)の被挿入部(34)を、第1外向きフランジ(40)の円環状部(40a)に通すとともにパイプ接続部(13)(15)内に挿入し、さらに第2外向きフランジ(35)を第1外向きフランジ(40)の外面(右側面)に沿わせる(図10(c)参照)。その後、上下両構成部材(16)(17)、第1外向きフランジ(40)、冷媒流入パイプ(3)および冷媒流出パイプ(4)を図示しない適当な手段により仮止めし、所定のろう付温度に加熱することにより、上下両構成部材(16)(17)の外方張り出し部(18)(19)どうしをろう付してケーシング(2)を形成し、これと同時にパイプ接続部(13)(15)および水平平坦部(21)(22)と第1外向きフランジ(40)、第1外向きフランジ(40)と第2外向きフランジ(35)、ならびに冷媒流入パイプ(3)および冷媒流出パイプ(4)の被挿入部(34)とパイプ接続部(13)(15)とをそれぞれろう付する。こうして、液冷式冷却装置(1)が製造される。
実施形態3
この実施形態は図11〜図13に示すものである。
この実施形態は図11〜図13に示すものである。
この実施形態におけるケーシング(2)のパイプ接続部(13)(15)への流入パイプ(3)および流出パイプ(4)の接続構造の場合、パイプ接続部(13)(15)の先端部に、上下両構成部材(16)(17)の接続部形成部(16d)(17d)および水平平坦部(21)(22)に跨って設けられた第1外向きフランジ(45)には切り欠き(41)は形成されていない。第1外向きフランジ(45)の円環状部(45a)の外周縁は、上下両構成部材(16)(17)の各接続部形成部(16d)(17d)の内周面と、上構成部材(16)の平坦部(21)の下面および下構成部材(17)の平坦部(22)の上面との連接部の丸み(20)よりも径方向外側に位置させられている。また、第1外向きフランジ(45)の円環状部(45a)の前後両側部分に、径方向内方に突出するとともに1直径上に位置する内方突出部(45b)が一体に形成されている。内方突出部(45b)の内側縁は円弧状であり、その曲率はパイプ接続部(13)(15)の内周面、ならびに流入パイプ(3)および流出パイプ(4)の外周面の曲率と等しくなっている。
ケーシング(2)のパイプ接続部(13)(15)の右端部に、両接続部形成部(16d)(17d)に跨るように、第1外向きフランジ(45)の内方突出部(45b)が嵌る切り欠き(46)が、1直径上に位置するように形成されている。パイプ接続部(13)(15)の各接続部形成部(16d)(17d)に設けられた水平平坦部(21)(22)の右端部は、切り欠き(46)の深さ(左右方向の寸法)と同一長さ部分が、第1外向きフランジ(45)の円環状部(45a)と干渉しないように切除されており、水平平坦部(21)(22)の残存部の右端部に、第1外向きフランジ(45)の円環状部(45a)を受ける受け部(21c)(22c)が形成されている。そして、第1外向きフランジ(45)は、円環状部(45a)がパイプ接続部(13)(15)の端部の周囲に嵌め被せられるとともに、切り欠き(46)内に内方突出部(45b)が嵌め入れられた状態で、自身のろう材層を利用してパイプ接続部(13)(15)および水平平坦部(21)(22)にろう付されている。ここで、第1外向きフランジ(45)の右面(外側面)は、パイプ接続部(13)(15)における切り欠き(46)を除いた部分の右端面と面一になっている。
その他の構成は実施形態2のパイプ接続構造と同様であり、両外向きフランジ(45)(35)のろう付部の外周縁は、上下両構成部材(16)(17)の各接続部形成部(16d)(17d)の内周面と、上構成部材(16)の平坦部(21)の下面および下構成部材(17)の平坦部(22)の上面との連接部の丸み(20)よりも径方向外側に位置させられている。したがって、第2外向きフランジ(35)は、冷媒流入部(9)および冷媒流出部(11)のパイプ接続部(13)(15)の両接続部形成部(16d)(17d)に形成された平坦部(21)(22)の端面(右端面)を完全に覆っており、その結果各接続部形成部(16d)(17d)の内周面と両平坦部(21)(22)における接続部形成部(16d)(17d)が開口した側を向いた面との連接部に丸み(20)が形成されることに起因して、上下両構成部材(16)(17)の接続部形成部(16d)(17d)により形成されるパイプ接続部(13)(15)の内周面と、流入パイプ(3)および流出パイプ(4)との間の隙間(28)の第1外向きフランジ(45)側(右側)の開口端部は、第2外向きフランジ(35)により完全に塞がれる。その結果、ケーシング(2)内からの流体の洩れを防止することができる。
ケーシング(2)のパイプ接続部(13)(15)への流入パイプ(3)および流出パイプ(4)の接続は、液冷式冷却装置(1)の製造と同時に、以下に述べる方法により行われる。すなわち、上下両構成部材(16)(17)、第1外向きフランジ(45)、流入パイプ(3)および流出パイプ(4)を用意し、上下両構成部材(16)(17)を、外方張り出し部(18)(19)どうしが密着するように組み合わせる(図13(a)参照)。このとき、上下両構成部材(16)(17)間にコルゲートフィン(23)を配置する。ついで、第1外向きフランジ(45)の円環状部(45a)を、切り欠き(46)内に内方突出部(45b)が嵌るようにパイプ接続部(13)(15)の周囲に嵌め被せ、円環状部(45a)を両水平平坦部(21)(22)の受け部(21c)(22c)に当接させる(図13(b)参照)。ついで、冷媒流入パイプ(3)および冷媒流出パイプ(4)の被挿入部(34)を、第1外向きフランジ(45)の円環状部(45a)に通すとともにパイプ接続部(13)(15)内に挿入し、さらに第2外向きフランジ(35)を第1外向きフランジ(45)の外面(右側面)に沿わせる(図13(c)参照)。その後、上下両構成部材(16)(17)、第1外向きフランジ(45)、冷媒流入パイプ(3)および冷媒流出パイプ(4)を図示しない適当な手段により仮止めし、所定のろう付温度に加熱することにより、上下両構成部材(16)(17)の外方張り出し部(18)(19)どうしをろう付してケーシング(2)を形成し、これと同時にパイプ接続部(13)(15)および水平平坦部(21)(22)と第1外向きフランジ(45)、第1外向きフランジ(45)と第2外向きフランジ(35)、ならびに冷媒流入パイプ(3)および冷媒流出パイプ(4)の被挿入部(34)とパイプ接続部(13)(15)とをそれぞれろう付する。こうして、液冷式冷却装置(1)が製造される。
上述した実施形態においては、流入パイプ(3)および流出パイプ(4)が丸パイプからなるので、ケーシング(2)の冷却液流入部(9)および冷媒流出部(11)のパイプ接続部(13)(15)が円筒状であり、かつ上下両構成部材(16)(17)の接続部形成部(16d)(17d)が半円筒状であるが、これに限定されるものではなく、流入パイプ(3)および流出パイプ(4)の横断面形状は、だ円形、長円形、多角形などに適宜変更可能であり、ケーシング(2)の冷却液流入部(9)および冷媒流出部(11)のパイプ接続部(13)(15)の形状、およびかつ上下両構成部材(16)(17)の接続部形成部(16d)(17d)の形状も、流入パイプ(3)および流出パイプ(4)の横断面形状に合わせて適宜変更される。
(2):ケーシング
(3):流入パイプ
(4):流出パイプ
(5):ケーシング本体
(6):頂壁
(7):底壁
(8):周壁
(9):冷却液流入部(流体通過部)
(11):冷却液流出部(流体通過部)
(12)(14):基部
(13)(15):パイプ接続部
(16):上構成部材
(16a):頂壁形成部
(16b):周壁形成部
(16c):基部形成部
(16d):接続部形成部
(17):下構成部材
(17a):底壁形成部
(17b):周壁形成部
(17c):基部形成部
(17d):接続部形成部
(21)(22):水平平坦部
(21a)(21b)(22a)(22b):受け部
(31)(40)(45):第1外向きフランジ
(32)(41):切り欠き
(33):接合補助板
(34):被挿入部
(35):第2外向きフランジ
(45b):内方突出部
(46):切り欠き
(3):流入パイプ
(4):流出パイプ
(5):ケーシング本体
(6):頂壁
(7):底壁
(8):周壁
(9):冷却液流入部(流体通過部)
(11):冷却液流出部(流体通過部)
(12)(14):基部
(13)(15):パイプ接続部
(16):上構成部材
(16a):頂壁形成部
(16b):周壁形成部
(16c):基部形成部
(16d):接続部形成部
(17):下構成部材
(17a):底壁形成部
(17b):周壁形成部
(17c):基部形成部
(17d):接続部形成部
(21)(22):水平平坦部
(21a)(21b)(22a)(22b):受け部
(31)(40)(45):第1外向きフランジ
(32)(41):切り欠き
(33):接合補助板
(34):被挿入部
(35):第2外向きフランジ
(45b):内方突出部
(46):切り欠き
Claims (6)
- 中空部品に設けられた筒状のパイプ接続部へのパイプの接続構造であって、中空部品のパイプ接続部が2つの半筒状接続部形成部よりなり、各接続部形成部の両側縁に同一平面上に位置する外向きの平坦部が一体に形成されるとともに、両接続部形成部の平坦部どうしがろう付され、パイプ接続部の先端部に、第1外向きフランジが、両接続部形成部に跨って設けられるとともに、当該第1外向きフランジの外周縁が、各接続部形成部の内周面と両平坦部における接続部形成部が開口した側を向いた面との連接部よりも外側に位置させられ、パイプが、パイプ接続部内への被挿入部と、被挿入部の外側に設けられた第2外向きフランジとを備えており、中空部品側の第1外向きフランジとパイプ側の第2外向きフランジとの間に、接合補助板が介在させられて両外向きフランジにろう付され、接合補助板が、パイプ接続部の両接続部形成部に形成された平坦部における第1外向きフランジ側の端面の少なくとも一部を覆っている中空部品へのパイプ接続構造。
- 中空部品に設けられた筒状のパイプ接続部へのパイプの接続構造であって、中空部品のパイプ接続部が、2つの半筒状接続部形成部よりなり、各接続部形成部の両側縁に同一平面上に位置する外向きの平坦部が一体に形成されるとともに、両接続部形成部の平坦部どうしがろう付され、パイプ接続部の先端部に、第1外向きフランジが、両接続部形成部に跨って設けられるとともに、当該第1外向きフランジの外周縁が、各接続部形成部の内周面と両平坦部における接続部形成部が開口した側を向いた面との連接部よりも外側に位置させられ、パイプが、パイプ接続部内への被挿入部と、被挿入部の外側に設けられた第2外向きフランジとを備えており、第1外向きフランジと第2外向きフランジとがろう付され、両外向きフランジのろう付部の外周縁が、各接続部形成部の内周面と両平坦部における接続部形成部が開口した側を向いた面との連接部よりも外側に位置させられている中空部品へのパイプ接続構造。
- 中空部品側の第1外向きフランジが、中空部品のパイプ接続部と別個に形成されるとともに、パイプ接続部の端部に嵌め被せられてパイプ接続部にろう付されることにより設けられており、第1外向きフランジの内周縁部に、パイプ接続部の各接続部形成部の両側縁に形成された平坦部が嵌る切り欠きが形成され、第1外向きフランジの外側面と、パイプ接続部および平坦部の端面とが面一となっている請求項1または2記載の中空部品へのパイプ接続構造。
- パイプ接続部の各接続部形成部の両側縁に形成された平坦部における第1外向きフランジ側の端部に、第1外向きフランジにおける切り欠きよりも外周側の部分を受ける受け部が形成されている請求項3記載の中空部品へのパイプ接続構造。
- 中空部品側の第1外向きフランジが、中空部品のパイプ接続部と別個に形成されるとともに、パイプ接続部の端部に嵌め被せられてパイプ接続部にろう付されることにより設けられており、第1外向きフランジの内周縁部に、パイプ接続部の両接続部形成部に跨って形成された切り欠きに嵌る内方突出部が一体に形成され、パイプ接続部の各接続部形成部の両側縁に形成された平坦部における第1外向きフランジ側の端部が、第1外向きフランジと干渉しないように切除され、第1外向きフランジの外側面と、パイプ接続部の端面とが面一となっている請求項2記載の中空部品へのパイプ接続構造。
- 中空部品が、頂壁、底壁および周壁からなり、かつ内部を流体が流れるケーシング本体と、ケーシング本体に一体に形成され、かつケーシング本体の内部に通じる基部および基部の先端に連なった筒状のパイプ接続部からなる流体通過部とを備えたケーシングであり、ケーシングが、ケーシング本体の頂壁、ケーシング本体の周壁の上半部、流体通過部の基部の上半部、および流体通過部のパイプ接続部の上半部を形成する上構成部材と、ケーシング本体の底壁、ケーシング本体の周壁の下半部、流体通過部の基部の下半部および流体通過部のパイプ接続部の下半部を形成し、かつ上構成部材にろう付された下構成部材とよりなり、上構成部材が、ケーシング本体の頂壁を形成する頂壁形成部と、ケーシング本体の周壁の上半部を形成する周壁形成部と、流体通過部の基部の上半部を形成する基部形成部と、流体通過部のパイプ接続部の上半部を形成する半筒状の接続部形成部と、接続部形成部の両側縁に一体に形成されるとともに同一平面上に位置する平坦部とを有しており、下構成部材が、ケーシング本体の底壁を形成する底壁形成部と、ケーシング本体の周壁の下半部を形成する周壁形成部と、流体通過部の基部の下半部を形成する基部形成部と、流体通過部のパイプ接続部の下半部を形成する半筒状の接続部形成部と、接続部形成部の両側縁に一体に形成されるとともに同一平面上に位置する平坦部とを有している請求項1〜5のうちのいずれかに記載の中空部品へのパイプ接続構造。
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2008
- 2008-03-31 JP JP2008089866A patent/JP2009243563A/ja not_active Withdrawn
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