JP2009241816A - 小型車両のドア装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボディの側面に開閉自在なドア70を設け、このドア70の外側及び内側からアクセス可能にドア70の外表面よりも車体内方側に開閉レバー92を設けた。
【選択図】図4
Description
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、ドアの操作性が良好な小型車両のドア装置を提供することを目的としている。
この発明によれば、ボディの側面に開閉自在なドアを設け、このドアの外側及び内側からアクセス可能にドアの外表面よりも車体内方側に開閉レバーを設けたので、開閉レバーのドア外側への張り出しを回避しつつドアの外側及び内側から開閉レバーを容易に操作することができ、かつ、走行時に外乱を受け難い位置への配置とすることができ、小型車両に適したドアの操作性を確保することができる。また、内外からのアクセスを可能としたので、構造が簡略化され、低コストとすることができる。
また、開閉レバーをドア内側に上下方向に揺動自在に設けると共に、開閉レバーをドアの上面に露出させて設けたので、ドア上方から指で操作レバーを起こす、といった容易な操作でドアロックを解除することができる。
また、開閉レバーを車体内側に露出させるように車体外側に凹むが上方には開口しない凹部が設けられ、この凹部内に開閉レバーを配設するようにしたので、開閉レバーをドア上面には露出させずに車体内側にのみ露出させることができる。
また、開閉レバーは、このレバーに連動するロックユニットの機構部を車体内側から覆うユニットカバーの車体内側面に沿って延出するようにしたので、開閉レバーを、ユニットカバーの車体内側から張り出すことなく配置できる。
また、ドアには、車体側に設けられたラッチストライカにロックするラッチ機構が設けられ、このラッチ機構は、開閉レバーの操作に応じて作動するレバー部材と、このレバー部材の作動に連動して前記ラッチストライカとの係止状態を解除可能なラッチ部材とを備えるので、開閉レバーの操作に応じてラッチ機構を作動させてラッチストライカとの係止状態を解除できる。
また、ラッチ部材は、レバー部材の作動に対して遊びを持って該ラッチ部材を作動させるロストモーション機構を介してレバー部材に連結されるので、開閉レバーが比較的小さい動作範囲で操作される間はラッチストライカとの係止状態を保持させることができる。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る小型車両の側面図である。この小型車両10は、不整地を走行するのに適したMUV(マルチ・ユーティリティ・ビークル)車両に分類される車両であり、車体フレーム11に独立懸架(例えば、ダブルウィッシュボーン懸架機構で支持)された左右の前輪13、13及び左右の後輪15、15と、前輪13、13と後輪15、15の間(車体前後方向の略中間位置)で車体フレーム11に支持されたエンジン及び変速機からなるパワーユニット17と、パワーユニット17の上方で車体フレーム11に支持された運転席及び助手席となる2つの乗員シート18、18と、前輪13、13を操舵するハンドル20とを備えている。
フロントプロペラシャフト25は、パワーユニット17の下部から前方に延びて終減速装置21に連結され、パワーユニット17の駆動力を終減速装置21を介して前輪13、13に伝達する。また、リヤプロペラシャフト26は、パワーユニット17の下部から後方に延びて終減速装置22に連結され、パワーユニット17の駆動力を終減速装置22を介して後輪15、15に伝達する。
さらに、この小型車両10のボディ10A側方には、パワーユニット17の左右側方を覆うように左右一対のサイドカバー41、41が設けられ、このサイドカバー41、41とフロントフェンダ32、32との間に乗員の足置き部(足置き空間)60に連通する開口部60Aが開口する。本構成では、この左右の開口部60Aを覆うように開閉するドア70が設けられる。
図2は車体フレーム11をドア70及びサイドカバー41と共に示す斜視図であり、図3はロールバー40をドア70及びサイドカバー41と共に示す側面図であり、図4は車体フレーム11をドア70内側から見た図である。
図2に示すように、車体フレーム11は、車両底部の前後に略平行に延在する左右一対のロアフレーム11A、11Aと、このロアフレーム11A、11Aの前部から車体後上がりに延びてロアフレーム11A、11Aの上方を車体後方へ向かって延びる左右一対のフロントフレーム11B、11Bと、フロントフレーム11B、11Bの後部間及び左右のロアフレーム11A、11A間を連結するように上下に間隔を空けて左右に延びる上下一対のフロントクロスフレーム11C、11Dとを備えている。
また、このドア70には、図4に示すように、ドア70を閉じた際に車体フレーム11側(より具体的にはヒップガード49)に設けられたラッチストライカ90にロックするロックユニット91が設けられており、このロックユニット91に設けられた開閉レバー92を操作することによってロックを解除してドア70を開くことが可能になっている。
このドア本体71の車体外側面(外表面)は、図3に示すように、サイドカバー41の上面カバー部41Aに設けられた段差部41A1の前方に連なる凹形状を有する上半部71Aと、サイドカバー41の側面カバー部41Bの前方に連なる下半部71Bとを有し、これによって、ドア70を閉じた際には、サイドカバー41とドア本体71とが略一体的に連続する外観形状に構成されている。
また、ドア70を閉じた場合には、ドア本体71の後縁及び下縁がサイドカバー41の外側に重なり、ドア本体71とサイドカバー41との間に車体左右方向に貫通する隙間が形成されないように構成されている。
また、これら前側凹部72、72の後方には、乗員の足を入れ込み可能な中央凹部73が形成され、この中央凹部73の分、乗員の足置きスペースを拡大することができる。さらに、この中央凹部73の略上方に位置するドア本体71の上部後方には、ロックユニット91及び開閉レバー92がドア70の厚み内に収まるようにオフセット配置するための上側凹部74が形成されている。ここで、図5及び図6中、符号76は、ロックユニット91を取り付けるためのねじが締結されるねじ受け部である。
また、ドアヒンジ80の固定部を、第1固定部82及び第2固定部84との2分割構造にし、第2固定部84と可動部材87とでヒンジピン86を覆うので、ヒンジピン86を覆う専用の覆い部材を設けることなく、ヒンジピン86を外観視不能にレイアウトすることができる。
機構部100は、ドア70の上側凹部74(図5参照)に密着固定されるベースプレート110と、このベースプレート110に水平向き(車体前後方向に沿った向き)で回動自在に支持される支軸120と、この支軸120に支持される開閉レバー92と、支軸120の一端側に連結されて車体フレーム11側に設けられたラッチストライカ90にロック可能なドアロック用のラッチ機構(ラッチロック機構とも称する)140とを備えて構成される。
この場合、支軸120には、第1屈曲部111の外側(車体前側)にスピードナット114が締結されると共に、第2屈曲部112の側方にワッシャ115及びスナップピン116が設けられることによって、支軸120の抜けが防止されている。
図12及び図13に示すように、支軸120は、その後端120Aが略L字状に屈曲されている。このため、上記開閉レバー92の上下の揺動に応じて支軸120の後端120Aが、開閉レバー92の回転中心軸(図12、図13中、符号L1で示す軸線)を中心に揺動すると共に、上記付勢ばね138によって下方側(X方向)に付勢されるようになっている。
このラッチ機構140は、ロータリー式のラッチ機構が適用され、車体内側に向けて開口する略コ字状断面のホルダ143と、このホルダ143に、ねじ141の軸部141A(図13参照)に回動自在に支持されるレバー部材144と、このレバー部材144と連動自在にねじ142の軸部142A(図13参照)に回動自在に支持されるラッチ部材145とを備えている。
このラッチ部材145は、上記レバー部材144にロストモーション機構(不図示)を介して連結されており、このロストモーション機構はレバー部材144の作動(回転)に対して遊びを持ってラッチ部材145を作動させる。
しかも、開閉レバー92を上下方向に揺動自在に設けると共に、開閉レバー92をドア上面に露出させて設けたので、乗員がドア70を上方から挟み込むといった簡易な動作で、開閉レバー92を指で上方向に揺動操作でき、簡易かつ直感的な操作でドアロックを解除することができる。
また、本構成では、ドア70内側にドア70が閉じた際に乗降用ステップ62に入り込む凸部75を設けたので、ドア70の内側と足置き部60の底に設けられたフロアパネル61とが一体に連続する内面が形成され、乗員の足が乗降用ステップ62へ移動することを防止しつつ乗員スペースを確保することができる。また、この凸部75の上面高さをフロアパネル61と同じ高さにしたので、凸部75の分、フロアを拡げることができる。また、この凸部75は、ドア70の中空樹脂成形時に一体に形成されるので、凸部75を容易に設けることができる。
さらに、ドア70内側には、ドアヒンジ80、80を埋設する前側凹部72、72を設けているので、ドアヒンジ80、80の乗員スペース側への張り出しを抑えることができ、乗員の足がドアヒンジ80、80に接触するのを防止できる。これによっても乗員スペースを広く確保することができる。
このネット50は、ロールバー40に略沿って延出する柔軟性を有する帯状部材からなるバンド部51と、このバンド部51の内側全体に張られた網目状のネット部52とを備えている。バンド部51は、ロールバー前部パイプ44に略沿って延びる第1バンド部51Aと、ロールバー上部パイプ46に略沿って延びる第2バンド部51Bと、ロールバー後部パイプ47に略沿って延びる第3バンド部51Cと、第3バンド部51Cと第1バンド部51Aとをつなぐ第4バンド部51Dとを有し、これらが互いに連結されて帯状枠体を構成している。
この図に示すように、取付バンド部55Aは、ヒップガード49の内側を通して取付具55Bに取り付けられ、このときにバンド部51の第4バンド部51Dをヒップガード49に引き寄せてこの状態に保持させる。図17中、一点破線で示す直線LLは、バンド部51の第4バンド部51Dをヒップガード49に引き寄せる前の位置であり、また、ネット50を車両のロールバー40に取り付けた状態では第1バンド51Aと第3バンド部51Cとの間に架橋された第5バンド部51Eや第2バンド部51Bの位置にも相当する。
この場合、ヒップガード49が、左右のロールバー前部パイプ44、44及びロールバー後部パイプ47、47よりも車体内側に位置するため(図3等参照)、バンド部51の第4バンド部51Dについても上記ロールバー前部パイプ44、44及びロールバー後部パイプ47、47よりも車体内側(乗員側)に寄せて配置される。
また、第5バンド部51Eの下方で第1バンド部51Aと第3バンド部51Cとの間に延出する第4バンド部51Dを、ヒップガード49に取り付けたので、ヒップガード49内側の乗員シート18に着座する乗員側方に第4バンド部51Dを近接配置でき、乗員を確実に保護できる。この場合、乗車時にネット50を持ち上げると、ネット50をヒップガード49をガイドとしてめくることができるので、ネット50が乗車時の邪魔にならない。また、ネット部52の網目のピッチを大きく設定した領域αが、乗員シート18に着座した乗員の前部左右領域に位置するため、乗員による車体の前部左右方向の視認性を向上することができる。
図18及び図19は第2実施形態に係るドア70を周辺構成と共に示す。このドア70では、開閉レバー92がドア70の上端近傍に設けられている。詳述すると、図18に示すように、ロックユニット91の機構部100を車体内側から覆うユニットカバー101には、開閉レバー92を車体内側に露出させるように車体外側に凹むが上方には開口しない凹部151が設けられ、この凹部151の上壁152によって開閉レバー92をドア上面には露出させずに車体内側にのみ露出させるようにしている。この場合、開閉レバー92がユニットカバー101の上面近傍(上端近傍)に配置されると共に、ユニットカバー101の車体内側面に沿って延出し、ユニットカバー101の上方及び車体内側からの張り出しが回避される。また、この凹部151の下壁153が、開閉レバー92との間に間隔を空けた下方位置に形成され、開閉レバー92下方に乗員の手指を挿入するスペースが形成される。
しかも、ユニットカバー101に設けた車体外側に凹む凹部151内に開閉レバー92を露出させたので、開閉レバー92等をドア70の厚み内に収まるようにオフセット配置できると共に、開閉レバー92の上方からの誤操作を防止できる。また、ユニットカバー101に設けた凹部151によって乗員の手指を開閉レバー92に案内することが可能である。
また、上述の実施形態では、MUVに分類される小型車両のドア装置に本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、MUV以外の小型車両のドア装置に本発明を適用してもよい。
10A ボディ
11 車体フレーム
11X ドア支持フレーム
13 前輪
15 後輪
17 パワーユニット
18 乗員シート
33 カバー部材
40 ロールバー
41 サイドカバー
49 ヒップガード
50 ネット
60 足置き部
60A 開口部
61 フロアパネル
62 乗降用ステップ
70 ドア
71 ドア本体
72 前側凹部
73 中央凹部
74 上側凹部
75 凸部
80 ドアヒンジ
90 ラッチストライカ
91 ロックユニット
92 開閉レバー
100 機構部
101 ユニットカバー
110 ベースプレート
120 支軸
140 ラッチ機構(ラッチロック機構)
Claims (7)
- 少なくとも一方の側面が開口したボディを備える小型車両のドア装置において、
前記ボディの側面に開閉自在なドアを設け、このドアの外側及び内側からアクセス可能にドアの外表面よりも車体内方側に開閉レバーを設けたことを特徴とする小型車両のドア装置。 - 請求項1記載の小型車両のドア装置において、
前記開閉レバーをドア内側に上下方向に揺動自在に設けると共に、前記開閉レバーを前記ドアの上面に露出させて設けたことを特徴とする小型車両のドア装置。 - 請求項1記載の小型車両のドア装置において、
前記開閉レバーを車体内側に露出させるように車体外側に凹むが上方には開口しない凹部が設けられ、この凹部内に前記開閉レバーを配設することを特徴とする小型車両のドア装置。 - 請求項3記載の小型車両のドア装置において、
前記開閉レバーは、このレバーに連動するロックユニットの機構部を車体内側から覆うユニットカバーの車体内側面に沿って延出することを特徴とする小型車両のドア装置。 - 請求項3又は4記載の小型車両のドア装置において、
前記凹部の下壁が、前記開閉レバーとの間に間隔を空けた下方位置に形成されることを特徴とする小型車両のドア装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一項記載の小型車両のドア装置において、
前記ドアには、車体側に設けられたラッチストライカに係止するラッチ機構が設けられ、このラッチ機構は、前記開閉レバーの操作に応じて作動するレバー部材と、このレバー部材の作動に連動して前記ラッチストライカとの係止状態を解除可能なラッチ部材とを備えることを特徴とする小型車両のドア装置。 - 請求項6項記載の小型車両のドア装置において、
前記ラッチ部材は、前記レバー部材の作動に対して遊びを持って該ラッチ部材を作動させるロストモーション機構を介して前記レバー部材に連結されることを特徴とする小型車両のドア装置。
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