JP2009138600A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた走行特性を得ることが可能な車両の制御装置を提供する。
【解決手段】車両の制御装置は、少なくとも、開度センサ125と、速度センサ150と、エンジンECU1010とを備える。エンジンECU1010は、アクセルペダル120の開度に対するスロットル開度の特性(アクセルペダル120の開度とスロットル開度との関係)をマップとして予め記憶する。このマップにおいては、アクセルペダル120の開度に対するスロットルバルブ130の開度の特性は、変速ギヤ段および車速に応じて定められる。その特性に従うスロットル開度は、変速の前後において変速機の出力トルク(駆動力)が等しくなるように定められる。
【選択図】図1
【解決手段】車両の制御装置は、少なくとも、開度センサ125と、速度センサ150と、エンジンECU1010とを備える。エンジンECU1010は、アクセルペダル120の開度に対するスロットル開度の特性(アクセルペダル120の開度とスロットル開度との関係)をマップとして予め記憶する。このマップにおいては、アクセルペダル120の開度に対するスロットルバルブ130の開度の特性は、変速ギヤ段および車速に応じて定められる。その特性に従うスロットル開度は、変速の前後において変速機の出力トルク(駆動力)が等しくなるように定められる。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンおよび有段変速機が搭載された車両の制御装置に関し、特に、有段変速機によりパワーオンダウンシフトが行なわれたときのエンジンの制御に関する。
従来、車両の走行状況に応じて内燃機関の制御を行なう技術が提案されている。たとえば特開平10−196447号公報(特許文献1)においては、所定の制御特性によって表わされる制御モードを複数有する内燃機関の特性制御装置が開示されている。この制御装置は、基準制御特性を保持する手段と、各制御モードに対応する複数の特性係数を保持する手段と、現在の制御モードに対応する特性係数を用いて入力信号を補正する手段と、その補正された信号に基づいて、基準制御特性から、現在の制御モードの制御特性に応じた制御目標値を得る手段とを備える。特開平10−196447号公報(特許文献1)によれば、上述の制御装置は、多数の特性マップおよび容量の大きなメモリを必要とせずに走行条件に応じた内燃機関の制御を行なうとともに、任意の走行条件に対応して適切な制御特性を選択できる。
特開平10−196447号公報
特開平10−196447号公報においては、基準制御特性の例として、与えられたアクセル開度(アクセルペダルの踏込み量)に対して、対応するスロットルバルブ目標値を求めるための基準となる制御特性マップが開示され、特性係数の例として、変速機のギヤの状態を示すシフト位置に対応して設定される係数が開示されている。
一方、摩擦係合要素(クラッチおよびブレーキを含む)の係合状態の組み合わせにより所望の変速段を形成する自動変速機(有段変速機)においては、アクセル開度あるいは車速に応じて変速が行なわれる。たとえば、車速がある値のときにアクセル開度を増大させると、あるアクセル開度においてダウンシフトが行なわれる。
しかしながら、上記文献では、この制御特性マップが車速を考慮して定められたものかどうかについては説明されていない。したがってスロットルバルブ目標値がアクセル開度のみにより定められると仮定すると、アクセル開度の増大によりダウンシフトが行なわれたときに駆動力が不連続に変化する可能性がある。なお、上記文献においては、シフト位置に対応して設定される係数が、このような駆動力の不連続な変化を考慮したものであるとは説明されていない。
本発明の目的は、優れた走行特性を得ることが可能な車両の制御装置を提供することである。
本発明は要約すれば、内燃機関と、内燃機関の出力軸に結合され、かつ複数の変速ギヤ段を有する有段変速機と、内燃機関の吸入空気量を調整するためのスロットルバルブを含む電子制御スロットルと、アクセルペダルとを備える車両の制御装置である。制御装置は、アクセルペダルのアクセル開度を検知するアクセル開度検知部と、車両の車両速度を検知する速度検知部と、制御部とを備える。制御部は、速度検知部が検知した車両速度に応じて、アクセル開度検知部が検知したアクセル開度に対するスロットルバルブのスロットル開度の特性を変化させ、かつ、特性に従って電子制御スロットルを制御する。
好ましくは、特性に従うスロットル開度は、有段変速機による変速が行なわれる場合に、有段変速機の出力トルクが変速の前後で実質的に等しくなるように定められる。
より好ましくは、変速は、ダウンシフト変速である。
さらに好ましくは、特性に従うスロットル開度は、ダウンシフト変速前にスロットルバルブが実質的に全開状態となるように定められる。
さらに好ましくは、特性に従うスロットル開度は、ダウンシフト変速前にスロットルバルブが実質的に全開状態となるように定められる。
さらに好ましくは、スロットル開度の特性は、複数の変速ギヤ段の各々に対応して定められる。
本発明によれば、車両の走行特性を向上させることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る制御装置を含む車両の制御ブロック図である。
図1に示すように、この車両のパワートレーンは、エンジン100と、トルクコンバータ200と、自動変速機300と、ECU1000とから構成される。エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸により連結されている。したがって、エンジン回転数センサ400により検知されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータ200の入力軸回転数(ポンプ回転数)とは同じである。
トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ210と、入力軸側のポンプ羽根車220と、出力軸側のタービン羽根車230と、ワンウェイクラッチ250と、トルク増幅機能を発現するステータ240とから構成される。トルクコンバータ200と自動変速機300とは、回転軸により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサ410により検知される。自動変速機300の出力軸回転数NOは、出力軸回転数センサ420により検知される。
車両の発進時においては、ロックアップクラッチ210のロックアップを解放して、ロックアップクラッチ210がスリップ制御されることにより、エンジン100から自動変速機300へ伝達されるトルクを滑らかに増大させる。車両の停止時においては、ロックアップクラッチ210を解放して、自動変速機300の回転および停止のいずれにもかかわらずエンジン100の回転を許容する。通常走行時においては、ロックアップクラッチ210のロックアップ機能によりポンプ羽根車220およびタービン羽根車230を連結して回転損失を防止する。
図2に自動変速機300の作動表を示す。図2に示す作動表によると、摩擦要素であるクラッチ要素(図中のC1〜C4)や、ブレーキ要素(B1〜B4)、ワンウェイクラッチ要素(F0〜F3)が、どのギヤ段の場合に係合および解放されるかを示している。車両の発進時に使用される1速時には、クラッチ要素(C1)、ワンウェイクラッチ要素(F0、F3)が係合する。
図1に戻り、これらのパワートレーンを制御するECU1000は、エンジンECU1010と、自動変速機300を制御するECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU1020とを含む。
エンジンECU1010は、アクセルペダル120の開度を検知する開度センサ125からのペダル開度信号を受け、車両の速度を検知する速度センサ150からの車速信号を受ける。さらにエンジンECU1010は、ECT_ECU1020から、自動変速機300の変速ギヤ段を示すギヤ段信号を受ける。エンジンECU1010は、これらの信号に基づいて、エンジン100に吸入される空気量を調節するスロットルバルブ130の開度(スロットル開度)を決定する。そしてエンジンECU1010は、その決定したスロットル開度に基づいて、スロットルバルブ130およびアクチュエータ140から構成される電子制御スロットルを制御する。アクチュエータ140はエンジンECU1010の制御によってスロットルバルブ130を駆動することにより、スロットル開度を変化させる。これにより、エンジンECU1010によって決定されたスロットル開度がスロットルバルブ130によって実現される。スロットル開度を制御することによってエンジンの出力トルクを制御することが可能になる。
エンジンECU1010は、アクセルペダル120の開度に対するスロットル開度の特性(アクセルペダル120の開度とスロットル開度との関係)をマップとして予め記憶する。このマップは、たとえば実験により予め求められる。なお、このマップにおいては、アクセルペダル120の開度に対するスロットルバルブ130の開度の特性は、変速ギヤ段および車速に応じて定められる。
ECT_ECU1020には、タービン回転数センサ410からタービン回転数NTを表わす信号が、出力軸回転数センサ420から出力軸回転数NOUTを表わす信号が入力される。また、ECT_ECU1020には、エンジンECU1010から、エンジン回転数センサ400にて検知されたエンジン回転数NEを表わす信号が入力される。
これら回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸に、それぞれ取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられている。これらの回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸の僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
ECT_ECU1020から、トルクコンバータ200や自動変速機300のリニアソレノイドにソレノイド制御信号が出力される。図2に示すクラッチ要素(C1〜C4)や、ブレーキ要素(B1〜B4)、ワンウェイクラッチ要素(F0〜F3)を、係合させたり解放させたりする。たとえば、5速から6速へのアップシフト時においては、クラッチC3が係合から解放されるように締結圧が制御され、ブレーキB2が解放から係合されるように締結圧が制御される。実際には、ECT_ECU1020は、ソレノイド制御信号を油圧回路のリニアソレノイドバルブに出力している。ECT_ECU1020は、後述する目標の油圧(目標の締結圧を実現する油圧)を算出し、その目標油圧等により油圧サーボへの油圧を算出してソレノイドバルブに出力する。
油圧回路は、たとえば2個のリニアソレノイドバルブを有するとともに、自動変速機300のプラネタリギヤユニットの伝達経路を切換えて、前進6速、後進1速の変速段を達成する複数の摩擦係合要素(クラッチおよびブレーキ)を係合及び解放する複数の油圧サーボを有する。また、リニアソレノイドバルブの入力ポートにはソレノイドモジュレータ圧が供給されており、これらリニアソレノイドバルブの出力ポートからの制御油圧がそれぞれプレッシャコントロールバルブの制御油室に供給されている。プレッシャコントロールバルブは、ライン圧がそれぞれ入力ポートに供給されており、制御油圧にて調圧された出力ポートからの調圧が、それぞれシフトバルブを介して適宜各油圧サーボに供給される。
このような油圧回路は、一例であって、実際には、自動変速機300に対応して油圧サーボは多数備えられており、これら油圧サーボへの油圧を切換えるシフトバルブも多数備えている。また、油圧サーボは、シリンダにオイルシールにより油密状に嵌合するピストンを有しており、そのピストンは、油圧室に作用するプレッシャコントロールバルブからの調圧油圧に基づき、戻しスプリングに抗して移動し、外側摩擦プレートおよび内側摩擦材を接触する。その摩擦プレートおよび摩擦材は、クラッチのみならずブレーキも同様である。
本実施の形態に係る車両の制御装置は、少なくとも、開度センサ125と、速度センサ150と、エンジンECU1010とを備える。次に、6速ギヤ段から5速ギヤ段へのダウンシフト変速を例に、本実施の形態に係る制御装置によるスロットル開度の制御について説明する。なお、以下では「ダウンシフト変速」を単に「ダウンシフト」と呼ぶ場合がある。
図3は、6速ギヤ段から5速ギヤ段へのダウンシフト線の例を示す図である。図3を参照して、車速がVoである場合、6速ギヤ段から5速ギヤ段へのダウンシフトが行なわれるときのアクセルペダル開度はPaであることがダウンシフト線から導かれる。すなわち、ある車速(Vo)のまま運転者によりアクセルペダル120が踏み込まれると、アクセルペダル開度がPaに達したときに6速ギヤ段から5速ギヤ段へのダウンシフトが行なわれる。
上述したように、エンジンECU1010はアクセルペダル120の開度に対するスロットル開度の特性を定義したマップを記憶する。ただし、このマップが車速を考慮したものでない場合には、以下に説明する問題が生じ得ると考えられる。
図4は、アクセルペダルの開度に対するスロットル開度の特性を定義したマップの一例を示す図である。図4を参照して、アクセルペダルの開度が大きくなるにつれてスロットル開度が大きくなる。なお、アクセルペダルの開度がPaのときのスロットル開度はTaである。図4に示すマップでは、スロットル開度特性は、自動変速機300の変速ギヤ段および車速に依存しないものとして定められる。
図5は、図4に示したスロットル開度特性に基づいて得られる車速と駆動力との関係の例を示す図である。なお、以下の説明では「駆動力」とは、自動変速機300から出力されるトルクを意味するものとする。
図5を参照して、車速が同じであっても、変速ギヤ段が5速ギヤ段の場合と変速ギヤ段が6速ギヤ段の場合とでは、駆動力が異なる。したがって6速ギヤ段から5速ギヤ段へのダウンシフトが行なわれた場合に駆動力の差(すなわち駆動力の不連続な変化)が生じる。この場合、たとえばいわゆる変速ショックによって車両の乗員の違和感が生じる可能性がある。
このような駆動力の差が生じる理由について説明する。変速機から出力されるトルクは、エンジンの出力トルクとギヤ比との積によって求められる。5速ギヤ段のギヤ比は6速ギヤ段のギヤ比より大きい。図4に示したスロットル開度特性によれば、変速の前後でスロットル開度は変化しないので、エンジン100の出力トルクも変速の前後で変化しないと考えられる。したがって、変速ギヤ段が5速ギヤ段のときの駆動力と、変速ギヤ段が6速ギヤ段のときの駆動力との差により駆動力の不連続な変化が生じる。
本実施の形態によれば、このような問題を解決可能である。図6は、エンジンECU1010に記憶されるマップの概略を示す図である。
図6を参照して、車速VがVoであり、かつアクセルペダルの開度がPaであるときのスロットル開度は、6速ギヤ段の場合にはTa6となり、5速ギヤ段の場合にはTa5となる。なおTa6>Ta5である。
アクセルペダルの開度Paは、図3に示したPaと同じである。すなわち車速VがVoであり、かつアクセルペダルの開度がPaである場合に、6速ギヤ段から5速ギヤ段へのダウンシフト変速が行なわれる。スロットル開度Ta6,Ta5は、スロットル開度がTa6のときの駆動力と、スロットル開度がTa5のときの駆動力とが等しくなるように定められる。
図7は、図6に示すマップに基づいて得られる車速と駆動力との関係を示す図である。図7を参照して、車速VがVoの場合における駆動力は、変速ギヤ段が6速ギヤ段の場合と、変速ギヤ段が5速ギヤ段とでほぼ等しい。これは上述したように、スロットル開度がTa6のときのエンジントルクとギヤ比との積が、スロットル開度がTa5のときのエンジントルクとギヤ比との積と等しくなるように、スロットル開度Ta5,Ta6が定められるためである。
これにより本実施の形態では、ダウンシフト変速に伴う駆動力の差を小さくすることが可能になる。したがってたとえば変速ショックが低減されるので、車両の乗員の違和感が生じるのを防ぐことが可能になる。
図8は、エンジンECU1010によるスロットル開度の制御を説明するための図である。図8を参照して、時刻toは、6速ギヤ段から5速ギヤ段へのダウンシフトが行なわれた時刻である。なお、車速はVoとする。
まず、運転者がアクセルペダル120の踏み込み量を次第に増やすことによりアクセルペダル開度が上昇する。エンジンECU1010は、アクセルペダル120の開度が大きくなるにしたがってスロットル開度を大きくする。ただしエンジンECU1010は、ダウンシフトが行なわれると、スロットル開度を一旦低下させる。そしてエンジンECU1010は、アクセルペダル120の開度の上昇に応じてスロットル開度を再度上昇させる。なお、破線で示すスロットル開度の曲線は、図4に示すマップにしたがってスロットル開度が制御される場合のスロットル開度の変化を示すものである。
エンジントルクは、スロットル開度と同様に変化する。すなわち、スロットル開度が大きくなるにしたがってエンジントルクは大きくなる。ただしダウンシフトが行なわれるとエンジントルクは一旦低下する。そしてエンジントルクは、スロットル開度の上昇に応じて再度上昇する。なお、破線で示すエンジントルクの曲線は、破線で示すスロットル開度の曲線に応じたエンジントルクの変化を示す。
駆動力(変速機の出力トルク)は、上述したエンジントルクの変化によりダウンシフト前後で連続的に変化する。これに対し、破線で示したエンジントルクの曲線のように、エンジントルクを連続的に変化させた場合、ダウンシフト時に駆動力が不連続的に変化する(破線で示した駆動力の曲線を参照)。
上述したように、ダウンシフトが行なわれることによってギヤ比が大きくなる。本実施の形態では、エンジンECU1010は、ダウンシフト直前のスロットル開度を、ダウンシフト直後のスロットル開度より大きくする。これによって、ダウンシフト直前のエンジンの出力トルクは、ダウンシフト直後のエンジンの出力トルクより大きくなる。この結果、エンジントルクとギヤ比との積により定まる駆動力をダウンシフトの前後で等しくできる。
図9は、エンジンECU1010の内部に記憶されるマップの一例を示す図である。図9を参照して、マップMAPにおいては、変速ギヤ段ごとに、アクセルペダル開度(図中のグラフにおいて「A」と示す)に対するスロットル開度(図中のグラフにおいて「TH」と示す)の特性が定められる。さらに、各変速ギヤ段では、この特性は車速ごとに定められる。つまり、各変速ギヤ段において、アクセルペダル開度に対するスロットル開度の特性は車速に応じて変化する。
このように、本実施の形態によれば、車速に応じてスロットル開度特性を変化させるので、車両の運動特性をより細かく制御することが可能になる。変速時における駆動力の連続的な変化は、本実施の形態により実現される運動特性の1つの形態を示すものである。
図9に示す曲線k1は、6速ギヤ段、かつ車速Voでのスロットル開度特性を示した曲線である。曲線k2は、5速ギヤ段、かつ車速Voでのスロットル開度特性を示した曲線である。曲線k1と、曲線k2とを組み合わせたマップが図6に示すマップに相当する。
図10は、エンジンECU1010が実行するスロットル開度の制御を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定の条件の成立時または一定の時間ごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図10および図1を参照して、処理が開始されると、ステップS1において、エンジンECU1010はECT_ECU1020からのギヤ段信号を受けることにより、変速ギヤ段の情報を取得する。ステップS2において、エンジンECU1010は速度センサ150からの車速信号を受けることにより車速の情報を取得する。ステップS3において、エンジンECU1010は開度センサ125からのペダル開度信号を受けることによりアクセルペダル開度の情報を取得する。
ステップS4において、エンジンECU1010は、図9に示すマップMAPを参照する。さらにエンジンECU1010は、ステップS1〜S3において取得した変速ギヤ段の情報、車速の情報およびアクセルペダル開度情報を用いて、そのマップMAPからスロットル開度を決定する。ステップS5において、エンジンECU1010は、その決定されたスロットル開度に基づいてアクチュエータ140を制御することによりスロットルバルブ130を制御する。これによりマップMAPに基づいて決定されたスロットル開度がスロットルバルブ130により実現される。ステップS5の処理が終了すると全体の処理はメインルーチンに戻る。
図11は、本実施の形態のマップの応用例を示す図である。図11を参照して、アクセルペダルの開度Pa、スロットル開度Ta6,Ta5は、図6で示した開度Pa、スロットル開度Ta6,Ta5とそれぞれ同じである。この応用例では、アクセルペダルの開度Paにおいて、スロットル開度Ta6はスロットルバルブが略全開した状態を示す値に設定される。
なお、この応用例では、スロットルバルブが全開であるときのスロットル開度を100%と定義する。スロットル開度Ta6を示す値は特に限定されない。ただし説明を分かりやすくするためにTa6の一例を示すと、たとえばTa6は95%となる。
図12は、図11に示すマップに基づいて得られるダウンシフト線の例を示す図である。図12を参照して、図11に示すマップに基づいて得られるダウンシフト線は、図3に示したダウンシフト線に比べてアクセルペダル開度が高くなる方向にシフトする。図12において斜線で示す領域は、6速ギヤ段での走行が行なわれる領域であり、図3のダウンシフト線に従えば5速ギヤ段での走行が行なわれる領域である。
このように、本実施の形態では、図11のマップにしたがってスロットル開度が制御されることにより6速ギヤ段から5速ギヤ段へのダウンシフトを生じにくくすることができる。これによって、高いギヤ段の使用領域を広げることが可能になる。
たとえば図3のダウンシフト線に従って、車両が上り坂を走行する場合、以下のような事例が生じる可能性がある。まず、運転者がアクセルペダルの踏み込み量を増やす。これにより6速ギヤ段から5速ギヤ段へのダウンシフトが行なわれる。ダウンシフトに伴って駆動力が大きくなると車両の速度が上昇する。運転者が、車両の減速のためにアクセルペダルを少し戻すと、5速ギヤ段から6速ギヤ段へのアップシフトが行なわれる。これによって、駆動力が小さくなるので車両の速度が低下する。したがって、運転者はアクセルペダルの踏み込み量を再び増やす。要するにダウンシフトおよびアップシフトが頻繁に行なわれる。
一方、本実施の形態によれば、6速ギヤ段での使用領域が広がる結果、上述のような頻繁なダウンシフトおよびアップシフトを抑制することが可能になる。
また、多くの場合、エンジンが低回転かつ高負荷の領域で動作するほど燃費がよくなる。図12に示した斜線の領域は、エンジンを低回転かつ高負荷で動作させる領域に対応すると考えられる。したがって本実施の形態によれば、高いギヤ段での使用領域を増やすことによって、燃費がよくなることが期待できる。
なお、以上の説明では、6速ギヤ段から5速ギヤ段へのダウンシフト変速を示したが、他のダウンシフト変速のパターン(たとえば5速ギヤ段から4速ギヤ段へのダウンシフト等)においても、上述したスロットル開度の制御と同様の制御がエンジンECU1010によって実現される。
また、本発明は、スロットル開度の特性(アクセルペダルの開度に対するスロットル開度の特性)を車両の速度に応じて変化させるものである。そして、その特性に従うスロットル開度は、変速の前後において変速機の出力トルク(駆動力)が等しくなるように定められる。したがって、本発明に係るスロットル開度の制御はダウンシフト変速に限定されるものではなく、アップシフト変速にも適用が可能である。本発明に係るスロットル開度の制御をアップシフト変速に適用した場合にも、駆動力の不連続な変化を防ぐことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、120 アクセルペダル、125 開度センサ、130 スロットルバルブ、140 アクチュエータ、150 速度センサ、200 トルクコンバータ、210 ロックアップクラッチ、220 ポンプ羽根車、230 タービン羽根車、240 ステータ、250 ワンウェイクラッチ、300 自動変速機、400 エンジン回転数センサ、410 タービン回転数センサ、420 出力軸回転数センサ、1000 ECU、1010 エンジンECU、1020 ECT_ECU、B2 ブレーキ、C3 クラッチ、k1,k2 曲線、MAP マップ。
Claims (5)
- 内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に結合され、かつ複数の変速ギヤ段を有する有段変速機と、前記内燃機関の吸入空気量を調整するためのスロットルバルブを含む電子制御スロットルと、アクセルペダルとを備える車両の制御装置であって、
前記アクセルペダルのアクセル開度を検知するアクセル開度検知部と、
前記車両の車両速度を検知する速度検知部と、
前記速度検知部が検知した前記車両速度に応じて、前記アクセル開度検知部が検知した前記アクセル開度に対する前記スロットルバルブのスロットル開度の特性を変化させ、かつ、前記特性に従って前記電子制御スロットルを制御する制御部とを備える、車両の制御装置。 - 前記特性に従う前記スロットル開度は、前記有段変速機による変速が行なわれる場合に、前記有段変速機の出力トルクが前記変速の前後で実質的に等しくなるように定められる、請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記変速は、ダウンシフト変速である、請求項2に記載の車両の制御装置。
- 前記特性に従う前記スロットル開度は、前記ダウンシフト変速前に前記スロットルバルブが実質的に全開状態となるように定められる、請求項3に記載の車両の制御装置。
- 前記スロットル開度の前記特性は、前記複数の変速ギヤ段の各々に対応して定められる、請求項1から4のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
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JP2014181804A (ja) * | 2013-03-21 | 2014-09-29 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 作業車両の自動変速装置 |
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