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JP2009121411A - 排気ガス再循環装置 - Google Patents

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JP2009121411A JP2007298443A JP2007298443A JP2009121411A JP 2009121411 A JP2009121411 A JP 2009121411A JP 2007298443 A JP2007298443 A JP 2007298443A JP 2007298443 A JP2007298443 A JP 2007298443A JP 2009121411 A JP2009121411 A JP 2009121411A
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慎太郎 内海
Koichi Nakada
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Abstract

【課題】内燃機関に改質された燃料を安定して供給することができる排気ガス再循環装置を提供すること。
【解決手段】排気ガス再循環装置6は、内燃機関1−1の排気経路4と吸気経路3とを接続する再循環配管61と、再循環配管61に流入した排気ガスに、改質用燃料を噴射する改質用インジェクタ62と、排気ガスと改質用燃料との混合ガスを改質する改質器64と、改質用インジェクタ62に供給される改質用燃料の燃圧を調整する改質用燃圧調整装置65と、改質用燃料噴射量Qを算出する改質用燃料噴射量算出手段および改質用インジェクタ62を制御する改質用インジェクタ制御手段であるECU7と、を備える。改質用燃圧調整装置65は、改質用燃料の燃圧を算出された改質用燃料噴射量Qに基づいて、改質用インジェクタ62の噴射時間を最大噴射時間とする燃圧Pに調整する。ECU7は、最大噴射時間に基づいて、改質用インジェクタ62を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排気ガス循環装置に関し、更に詳しくは、排気ガスに改質用燃料を供給し、排気ガスと改質用燃料との混合ガスを改質し、改質された改質ガスを吸気経路に戻す排気ガス循環装置に関する。
内燃機関には、エミッション悪化の抑制などを目的として、内燃機関から排気経路に排気された排気ガスを吸気経路に戻し、排気ガスを再循環させる排気ガス再循環装置を備えるものがある。また、内燃機関には、特許文献1〜3に示すように、改質用燃料、例えば内燃機関に供給される燃料の一部を触媒を備える改質器により改質し、吸気経路を介して改質された燃料を内燃機関に供給するものがある。さらに、これらを組み合わせた内燃機関、すなわち吸気経路に戻される排気ガスに改質用燃料を供給し、排気ガスと改質用燃料との混合ガスを改質し、改質された改質ガスを吸気経路に戻す排気ガス循環装置を備えるものがある。
特公平3−43458号公報 特開昭62−228635号公報 特開2002−38981号公報
ここで、排気ガスに改質用燃料を供給する際には、一般的に改質用インジェクタが用いられる。改質用インジェクタは、内燃機関のポート噴射などに用いられるものと同様であり、所定間隔で噴射、停止を繰り返すものである。また、改質用インジェクタは、焼き付き防止などから連続して改質用燃料を排気ガスに噴射することができない。
つまり、改質用燃料は、連続的に流れる排気ガスに対して、所定間隔で断続的に供給されるため、時間に応じて排気ガスに含まれる改質用燃料の濃度が変化する。従って、排気ガスと改質用燃料の混合ガスを改質器により改質することで改質ガスとしても、時間に応じて改質ガスに含まれる改質された燃料(例えば水素など)の量が一定ではないので、改質された燃料の濃度が均一な改質ガスが生成できない。これにより、吸気経路を介して内燃機関に改質ガスが供給されるが、改質された燃料は、時間に応じて量が変化して内燃機関に供給される虞がある。従って、内燃機関に改質された燃料が安定して供給されないので、ドライバビリティの悪化やエミッションの悪化を抑制できないという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、内燃機関に改質された燃料を安定して供給することができる排気ガス再循環装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明では、内燃機関の排気経路と吸気経路とを接続する再循環配管と、前記排気経路から前記再循環配管に流入した排気ガスに、改質用燃料を噴射する改質用インジェクタと、前記排気ガスと前記改質用燃料との混合ガスを改質する改質器と、前記改質用インジェクタに供給される前記改質用燃料の燃圧を調整する改質用燃圧調整手段と、前記排気ガスに噴射する前記改質用燃料の改質用燃料噴射量を算出する改質用燃料噴射量算出手段と、前記改質用インジェクタを制御する改質用インジェクタ制御手段と、を備え、前記改質用燃圧調整手段は、前記改質用燃料の燃圧を前記算出された改質用燃料噴射量に基づいて、前記改質用インジェクタの噴射時間を最大噴射時間とする燃圧に調整し、前記改質用インジェクタ制御手段は、前記最大噴射時間に基づいて、前記改質用インジェクタを制御することを特徴とする。
本発明によれば、改質用インジェクタは、算出された改質用燃料噴射量を最大噴射時間で排気ガスに噴射することができる。従って、改質用インジェクタが改質用燃料を噴射しない期間を最小限とすることができるので、時間に応じて排気ガスに含まれる改質用燃料の濃度の変化を抑制することができる。これにより、内燃機関に改質された燃料を安定して供給することができ、ドライバビリティの悪化やエミッションの悪化を抑制することができる。
また、上記排気ガス再循環装置において、前記改質用インジェクタを複数備える場合、前記改質用インジェクタ制御手段は、前記各改質用インジェクタの噴射周期の位相差を設定し、前記設定された位相差に基づいて当該各改質用インジェクタを制御することが好ましい。
本発明によれば、各改質用インジェクタが異なるタイミングで改質用燃料を噴射することとなるので、いずれかの改質用インジェクタが改質用燃料を噴射していない期間に、他の改質用インジェクタが改質用燃料を噴射することができる。従って、時間に応じて排気ガスに含まれる改質用燃料の濃度の変化をさらに抑制することができる。これにより、内燃機関に改質された燃料をさらに安定して供給することができ、ドライバビリティの悪化やエミッションの悪化をさらに抑制することができる。
また、上記排気ガス再循環装置において、前記各改質用インジェクタの前記改質器までの距離が異なる場合、当該各改質用インジェクタの間隔に基づいて前記位相差を設定することが好ましい。
本発明によれば、改質器までの距離が異なる場合は、改質器に対して上流側の改質用インジェクタが噴射した改質用燃料が下流側の改質用インジェクタ近傍に到達するまでに時間を要するので、各改質用インジェクタの間隔に基づいて位相差を設定することで、各改質用インジェクタの間隔による排気ガスに含まれる改質用燃料の濃度の変化を抑制することができる。これにより、内燃機関に改質された燃料をさらに安定して供給することができ、ドライバビリティの悪化やエミッションの悪化をさらに抑制することができる。
また、上記排気ガス再循環装置において、前記改質用燃料は、前記内燃機関に供給されるアルコールを含む混合燃料であることが好ましい。
本発明にかかる排気ガス再循環装置は、内燃機関に改質された燃料を安定して供給することができ、ドライバビリティの悪化やエミッションの悪化を抑制することができるという効果を奏する。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施の形態では、本発明にかかる排気ガス再循環装置をアルコールを含むアルコール混合燃料により内燃機関を運転するFFV(フレキシブル・フューエル・ビーグル)に用いる場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、単一の燃料により運転される内燃機関に用いても良い。
〔実施の形態1〕
図1は、実施の形態1にかかる排気ガス再循環装置を備える内燃機関の構成例を示す図である。同図に示すように、実施の形態1にかかる排気ガス再循環装置を備える1−1は、複数の気筒(実施の形態1では、直列4気筒)により構成される内燃機関本体2と、吸気経路3と、排気経路4と、燃料供給装置5と、排気ガス再循環装置6と、ECU7とにより構成されている。
内燃機関本体2は、吸気経路3を介して供給される空気(AIR)と燃料供給装置5から供給されたアルコール混合燃料との混合ガスのみ、あるいは混合ガスおよび排気ガス再循環装置6から吸気経路3を介して内燃機関本体2に供給された改質ガスを燃焼することで駆動力を発生するものである。内燃機関本体2には、図示は省略するが気筒ごとに点火プラグが設けられている。各点火プラグは、ECU7により点火制御が行われる。
吸気経路3は、内燃機関1−1外部の大気を内燃機関本体2が発生する負圧により内燃機関本体2に供給するものである。吸気経路3は、図示しないエアフィルタと、ECU7により制御されるスロットルバルブ31と、吸気配管32と、インテークマニホールド33とにより構成されている。エアフィルタにより粉塵が除去された内燃機関1−1の外部の空気(AIR)は、ECU7によりバルブ開度が制御されるスロットルバルブ31により流量が調整され、吸気配管32およびインテークマニホールド33を介して内燃機関本体2の図示しない各気筒に供給される。なお、34は、内燃機関1−1の吸入空気量を検出するエアフロメータである。エアフロメータ34により検出された吸入空気量は、ECU7に出力される。
排気経路4は、内燃機関本体2から排気された排気ガス(EG)を浄化し、大気に排出するものである。排気経路4は、エキゾーストマニホールド41と、排気配管42と、排気ガスを浄化する浄化触媒43と、図示しない消音装置とにより構成されている。内燃機関本体2から排気された排気ガスは、エキゾーストマニホールド41および排気配管42を介して、浄化触媒43に導入される。浄化触媒43により浄化された排気ガスは、排気ガス再循環装置6の後述する改質器64および蒸発器63および消音装置を介して大気に排気される。
燃料供給装置5は、内燃機関本体2にアルコール混合燃料を供給するものである。燃料供給装置5は、燃料タンク51、燃料ポンプ52、気筒用燃圧調整装置53と、内燃機関本体2の図示しない気筒にそれぞれ対応した複数の気筒用インジェクタ54と、燃料配管55と、デリバリパイプ56とにより構成されている。燃料供給装置5は、ECU7により算出された気筒用燃料噴射量に基づいて各気筒用インジェクタ54によりアルコール混合燃料を噴射する。具体的には、燃料タンク51に貯留されているアルコール混合燃料は、内燃機関の駆動力あるいは他の駆動源からの駆動力により作動する燃料ポンプ52に吸引され、加圧され、燃料配管55に吐出される。燃料配管55の加圧されたアルコール混合燃料は、ECU7により制御される例えば圧力調整弁などの気筒用燃圧調整装置53により、現在の内燃機関1−1の運転状態に適した燃圧に調整され、デリバリパイプ56に供給される。デリバリパイプ56の燃圧が調整されたアルコール混合燃料は、ECU7により制御される各気筒用インジェクタ54により、各気筒の燃料室と連通する吸気ポートに噴射される。これにより、内燃機関1−1にアルコール混合燃料を供給する。なお、57は、アルコール混合燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサである。アルコール濃度センサ57により検出されたアルコール混合燃料のアルコール濃度は、ECU7に出力される。また、各気筒用インジェクタは、図示しない各気筒の吸気ポートにアルコール混合燃料を噴射するが本発明はこれに限定されるものではなく、各気筒の燃焼室にそれぞれアルコール混合燃料を直接噴射するようにしても良い。また、各気筒の吸気ポートおよび燃焼室にそれぞれアルコール混合燃料を噴射するようにしても良い。
排気ガス再循環装置6は、排気ガスに改質用燃料を供給し、排気ガスと改質用燃料との混合ガスを改質し、吸気経路3を介して、改質された改質ガスを内燃機関本体2に供給するものである。排気ガス再循環装置6は、再循環配管61と、改質用インジェクタ62と、蒸発器63と、改質器64と、改質用燃圧調整装置65と、改質ガス流量調整弁66とにより構成されている。なお、67は、燃料供給装置5から改質用燃料としてアルコール混合燃料を改質用インジェクタ62に供給する燃料分岐配管である。
再循環配管61は、内燃機関1−1の排気経路4と吸気経路3とを接続するものである。つまり、再循環配管61は、排気経路4の排気ガス、実施の形態1では、浄化触媒43により浄化された排気ガスを吸気経路に戻すものである。
改質用インジェクタ62は、排気経路4から再循環配管61に流入した排気ガスに改質用燃料を噴射するものである。実施の形態1では、改質用インジェクタ62は、1つであり、再循環配管61の途中に設けられた混合室68内に流入した排気ガスに改質用燃料であるアルコール混合燃料を噴射するものである。改質用インジェクタ62は、燃料分岐配管67を介して燃料配管55と接続されている。従って、改質用インジェクタ62には、燃料配管55の燃料ポンプ52により加圧されたアルコール混合燃料が供給される。改質用インジェクタ62は、ECU7と接続されており、改質用インジェクタ62の噴射タイミングや噴射時間などの噴射制御は、ECU7により行われる。つまり、ECU7は、改質用インジェクタ62の噴射制御を行う。改質用インジェクタ62から噴射された改質用燃料は、混合室68で排気ガスと混合され混合ガス(MG)となり、再循環配管61を介して蒸発器63に流入する。
蒸発器63は、改質用インジェクタ62により排気ガスに噴射された改質用燃料を気化するものである。蒸発器63は、混合室68と吸気経路3との間における再循環配管61の途中に設けられている。蒸発器63は、熱交換器であり、排気経路4の排気配管42の排気ガスが再循環配管61の混合ガスと非接触状態で熱交換を行うものである。排気配管42の排気ガスは、下流である再循環配管61の混合ガスに含まれる排気ガスよりも高温である。また、混合ガスは、排気ガスと比較して温度の低い改質用燃料を含むものである。従って、蒸発器63は、排気配管42の排気ガスの熱により、再循環配管61の混合ガスを加熱し、混合ガスに含まれる改質用燃料の気化を促進する。改質用燃料の気化が促進された混合ガスは、再循環配管61を介して改質器64に流入する。
改質器64は、排気ガスと改質用燃料との混合ガスを改質して改質ガスとするものである。改質器64は、蒸発器63と吸気経路3との間における再循環配管61の途中に設けられている。改質器64内には、再循環配管61が配置されており、途中に改質触媒64aが設けられている。改質触媒64aは、Co,Ni,Rhなどが用いられ、再循環配管61の混合ガスが通過することで、混合ガスに含まれている改質用燃料であるアルコール混合燃料を改質し、水素を生成し、混合ガスを水素が含まれる改質ガス(RG)にするものである。改質器64内には、排気経路4の排気配管42の排気ガスが改質触媒64aおよび再循環配管61の混合ガスと非接触状態で導入されている。これにより、改質触媒64aが排気ガスの熱により加熱され、活性化し、混合ガスに含まれている改質用燃料を効率的に改質する。改質ガスは、再循環配管61を介して吸気経路3に流入し、内燃機関本体2に供給される。
改質用燃圧調整装置65は、改質用インジェクタ62に供給される改質用燃料の燃圧を調整するものである。改質用燃圧調整装置65は、例えば圧力調整弁などであり、燃料分岐配管67の途中に設けられている。改質用燃圧調整装置65は、ECU7と接続されており、改質用燃圧調整装置65により改質用燃料の燃圧を調整する燃圧制御は、ECU7により行われる。
改質ガス流量調整弁66は、排気ガス再循環装置6からの改質ガスを吸気経路3を介して内燃機関本体2に供給する際の供給量を調整するものである。改質ガス流量調整弁66は、ECU7と接続されており、改質ガス流量調整弁66により改質ガスの内燃機関本体2への供給量の調整する供給量制御は、ECU7により現在の内燃機関1−1の運転状態に基づいて行われる。
ECU7は、内燃機関1−1を運転制御するものである。また、ECU7は、内燃機関1−1の運転情報に基づいて排気ガスに噴射する改質用燃料の改質用燃料噴射量Qを算出する改質用燃料噴射量算出手段として機能する。また、ECU7は、改質用インジェクタ62を制御する、すなわち改質用インジェクタ62の噴射制御を行う改質用インジェクタ制御手段としての機能も有する。つまり、ECU7は、排気ガス再循環装置6の一部を構成するものである。ECU7は、内燃機関1−1が搭載された車両の各所に取り付けられたセンサから、各種入力信号が運転情報として入力される。具体的に内燃機関1−1の運転情報としては、図示しないクランクシャフトに取り付けられたクランク角度センサにより検出されたクランク角度に基づく機関回転数、エアフロメータ34により検出された吸入空気量、図示しないアクセルペダルセンサにより検出されたアクセル開度に基づく内燃機関1−1の負荷、排気経路4に設けられた図示しないA/Fセンサにより検出された空燃比、アルコール濃度センサ57により検出されたアルコール混合燃料などがある。
ECU7は、これら入力信号および図示しない記憶部に格納されている吸入空気量およびアクセル開度に基づいた燃料噴射量マップなどの各種マップに基づいて各種出力信号を出力する。具体的には、気筒用インジェクタ54の噴射制御を行う気筒用噴射信号、図示しない点火プラグの点火制御を行う点火信号、スロットルバルブ31のスロットルバルブ開度制御を行うスロットルバルブ開度信号、気筒用燃圧調整装置53によりアルコール混合燃料の燃圧制御を行う気筒用燃圧制御信号、改質用インジェクタ62の噴射制御を行う改質用噴射信号、改質用燃圧調整装置65により改質用燃料の燃圧制御を行う改質用燃圧制御信号、改質ガス流量調整弁66による改質ガスの内燃機関本体2への供給量制御を行う供給量制御信号などの出力信号などがある。ECU7は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成されており、内燃機関1−1の運転方法などに基づくプログラムをメモリにロードして実行することにより、内燃機関1−1の運転などを実現させるものでる。
次に、排気ガス再循環装置6の動作について説明する。図2には、排気ガス再循環装置6の動作フローを示す図である。図3は、改質用燃料噴射量と改質用燃料の噴射時間との関係を示す図である。図3においては、縦軸が改質用インジェクタ62の燃圧Pに応じた単位時間当たりの噴射量qで、横軸が時間である。
まず、図2に示すように、ECU7は、内燃機関1−1の運転情報を取得する(ステップST1)。ここでは、ECU7は、例えば上述の機関回転数や負荷などを取得する。
次に、ECU7は、改質ガスが必要か否かを判断する(ステップST2)。ここでは、ECU7は、上記取得された内燃機関1−1の運転情報に基づいて、吸気経路3を介して改質ガスを内燃機関本体2へ供給するか否かを判断する。なお、ECU7は、改質ガスが必要となるまで、上記ステップST1およびステップST2を繰り返す。
次に、ECU7は、改質ガスが必要と判断する(ステップST2肯定)と、改質用燃料噴射量Qを算出する(ステップST3)。ここでは、内燃機関1−1の運転情報に基づいて改質用インジェクタから噴射する改質用燃料噴射量Qを算出する。
次に、ECU7は、改質用燃料の燃圧Pを算出する(ステップST4)。改質用燃料噴射量Qは、改質用インジェクタ62の単位時間当たりの噴射量qに噴射時間を乗算したものである。また、改質用インジェクタ62の単位時間当たりの噴射量qは、改質用インジェクタ62の固有値と燃圧Pとで設定されるものである。つまり、噴射時間と燃圧Pとは、改質用インジェクタ62に改質用燃料噴射量Qの改質燃料を排気ガスに噴射させるためにいずれか一方を設定することで他方を算出することができる。ここでは、ECU7は、改質用インジェクタ62の噴射時間を最大噴射時間Tmaxとした際に、改質用燃料噴射量Qを噴射することができる燃圧Pを算出する。なお、最大噴射時間Tmaxとは、図3に示すように、改質用インジェクタ62の噴射周期Yで、改質用インジェクタ62が噴射できない期間を最小限である最小期間Lとした際に、噴射周期Yから最小期間Lを引いた値、すなわち最大限連続して噴射可能な期間をいう(Tmax=Y−L)。
次に、ECU7は、図2に示すように、算出された改質用燃料の燃圧Pに基づいて改質用燃圧調整装置65により燃圧制御を実行する(ステップST5)。ここでは、ECU7は、改質用燃圧制御信号を改質用燃圧調整装置65に出力し、改質用インジェクタ62に供給される改質用燃料の燃圧が改質用燃圧調整装置65により燃圧Pに調整される。
次に、ECU7は、最大噴射時間Tmaxで改質用インジェクタ62の噴射制御を行う(ステップST6)。ここでは、ECU7は、改質用噴射信号を改質用インジェクタ62に出力し、改質用インジェクタ62を最大噴射時間Tmaxで改質用燃料を排気ガスに噴射するように制御する。これにより、改質用インジェクタ62は、燃圧Pの改質用燃料を最大噴射時間Tmaxだけ排気ガスに噴射することで、噴射周期Y内に、算出された改質用燃料噴射量Qの改質用燃料を排気ガスに噴射することができる。
以上のように、実施の形態2にかかる内燃機関1−1の排気ガス再循環装置6では、改質用インジェクタ62は、図3に示すように、算出された改質用燃料噴射量Qを最大噴射時間で排気ガスに噴射することができる。従って、改質用インジェクタ62が改質用燃料を噴射しない期間を最小限である最小期間Lとすることができるので、燃料ポンプ62により加圧された改質用燃料に基づいて改質用インジェクタ62の噴射時間を設定した際における改質用インジェクタ62が改質用燃料を噴射しない期間LAと比較して、改質用インジェクタ62が改質用燃料を噴射しない期間を短くすることができる。これにより、時間に応じて排気ガスに含まれる改質用燃料の濃度の変化を抑制することができ、内燃機関本体2に改質された燃料を安定して供給することができ、ドライバビリティの悪化やエミッションの悪化を抑制することができる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2にかかる内燃機関1−2について説明する。図4は、実施の形態2にかかる排気ガス再循環装置を備える内燃機関の構成例を示す図である。図5は、改質用燃料噴射量と改質用燃料の噴射時間との関係を示す図である。図4に示す実施の形態2にかかる内燃機関1−2が図1に示す実施の形態1にかかる内燃機関1−1と異なる点は、2つの改質用インジェクタ62,69により排気ガスに改質用燃料が噴射される点である。ここで、実施の形態2にかかる内燃機関1−2の基本的構成は、実施の形態1にかかる内燃機関1−1の基本的構成とほぼ同一であるため、同一箇所の説明は省略あるいは簡略化する。また、実施の形態2にかかる内燃機関1−2の動作は、図3に示す実施の形態1にかかる内燃機関1−1の動作と同一あるいはほぼ同一であるので、説明は省略する。実施の形態2にかかる内燃機関1−2の排気ガス再循環装置6は、図4に示すように、再循環配管61と、2つの改質用インジェクタ62,69と、蒸発器63と、改質器64と、改質用燃圧調整装置65と、改質ガス流量調整弁66とにより構成されている。
ここで、アルコール混合燃料を用いた排気ガス再循環装置6を備える内燃機関1−1,1−2や、過給機を備える内燃機関では、要求される改質ガスが増加し、改質用燃料噴射量Qが増加する。ここで、改質用インジェクタには、噴射することができる最小噴射量と最大噴射量と差であるダイナミックレンジが予め設定されているため、1つの改質用インジェクタでは、増加した改質用燃料噴射量Qを噴射することができない虞がある。従って、複数の改質用インジェクタにより排気ガスに改質用燃料を噴射することで、増加した改質用燃料噴射量Qを噴射することが好ましい。
改質用インジェクタ69は、排気経路4から再循環配管61に流入した排気ガスに改質用燃料を噴射するものである。改質用インジェクタ69は、改質用インジェクタ62と同様に、再循環配管61の途中に設けられた混合室68内に流入した排気ガスに改質用燃料であるアルコール混合燃料を噴射するものである。改質用インジェクタ69は、燃料分岐配管67を介して燃料配管55と接続されている。従って、改質用インジェクタ69には、燃料配管55の燃料ポンプ52により加圧されたアルコール混合燃料が供給される。改質用インジェクタ69は、ECU7と接続されており、改質用インジェクタ62と同様に、噴射タイミングや噴射時間などの噴射制御がECU7により行われる。つまり、ECU7は、改質用インジェクタ69の噴射制御を行う。改質用インジェクタ69から噴射された改質用燃料は、混合室68で排気ガスと混合され混合ガス(MG)となり、再循環配管61を介して蒸発器63に流入する。
ここで、2つの改質用インジェクタ62,69は、改質器64までの距離が同一となるように設定されている。実施の形態2では、混合室68に互いが対向するように配置されている。つまり、2つの改質用インジェクタ62,69から同時に噴射された改質用燃料が改質器64にまで到達する時間は、同一となる。
ECU7は、各改質用インジェクタ62,69の噴射周期の位相差を設定し、各改質用インジェクタ62,69の噴射制御を行う。ECU7は、改質用燃圧調整装置65により、燃圧P(改質用インジェクタ62,69の噴射時間を最大噴射時間Tmaxとした際に改質用燃料噴射量Qを噴射することができる燃圧)に調整された改質用燃料を改質用インジェクタ62,69が最大噴射時間Tmaxで噴射するように噴射制御を行う。また、ECU7は、実施の形態2では、図5に示すように、各改質用インジェクタ62,69の噴射周期の位相差を改質用インジェクタ62の噴射周期Y1に対して改質用インジェクタ69の噴射周期Y2が半周期Zずれるように設定する。つまり、ECU7は、各改質用インジェクタ62,69の噴射周期Y1,Y2の位相差がπとなるように、各改質用インジェクタ62,69の噴射制御を行う。
以上のように、実施の形態2にかかる内燃機関1−2の排気ガス再循環装置6では、各改質用インジェクタ62,69が異なるタイミングで改質用燃料を噴射することとなる。従って、改質用インジェクタ62が改質用燃料を噴射していない期間L1に改質用インジェクタ69が改質用燃料を噴射し、改質用インジェクタ69が改質用燃料を噴射していない期間L2に改質用インジェクタ62が改質用燃料を噴射することとなり、改質用燃料が各改質用インジェクタ62,69により噴射されていない期間をさらに短くすることができる。これにより、時間に応じて排気ガスに含まれる改質用燃料の濃度の変化をさらに抑制することができる。従って、内燃機関本体2に改質された燃料をさらに安定して供給することができ、ドライバビリティの悪化やエミッションの悪化をさらに抑制することができる。
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3にかかる内燃機関1−3について説明する。図6は、実施の形態3にかかる排気ガス再循環装置を備える内燃機関の構成例を示す図である。図7は、改質用燃料噴射量と改質用燃料の噴射時間との関係を示す図である。図6に示す実施の形態3にかかる内燃機関1−3が図4に示す実施の形態2にかかる内燃機関1−2と異なる点は、2つの改質用インジェクタ62,69´の改質器64までの距離が異なる点である。ここで、実施の形態3にかかる内燃機関1−3の基本的構成は、実施の形態2にかかる内燃機関1−2の基本的構成とほぼ同一であるため、同一箇所の説明は省略あるいは簡略化する。また、実施の形態3にかかる内燃機関1−3の動作は、図3に示す実施の形態1にかかる内燃機関1−1の動作と同一あるいはほぼ同一であるので、説明は省略する。実施の形態3にかかる内燃機関1−3の排気ガス再循環装置6は、図6に示すように、再循環配管61と、2つの改質用インジェクタ62,69´と、蒸発器63と、改質器64と、改質用燃圧調整装置65と、改質ガス流量調整弁66とにより構成されている。
ここで、改質用インジェクタ62(69´)から噴射される改質用燃料の温度は、再循環配管61に流入した排気ガスの温度に対して著しく低いものである。従って、改質用インジェクタ62(69´)から噴射される改質用燃料が再循環配管61に接触すると、排気ガスで温度が上昇していた再循環配管61が部分的に冷却されることとなり、熱応力が発生する。これにより、改質用インジェクタを複数備える場合、すなわち実施の形態3に示すように2つの改質用インジェクタ62,69´を備える場合は、同一箇所に配置すると熱応力がさらに増大するので、改質器64までの距離が異なるように、各改質用インジェクタ62,69´を配置することが好ましい。
従って、2つの改質用インジェクタ62,69´は、改質器64までの距離が異なるように設定されている。実施の形態3では、改質用インジェクタ62よりも改質用インジェクタ69´が下流側に配置されている。つまり、改質用インジェクタ62は、改質用インジェクタ69´よりも間隔xだけ改質器64に対して遠くに配置されている。従って、2つの改質用インジェクタ62,69´の改質器64までの距離が異なる場合は、改質器64に対して上流側の改質用インジェクタ62が噴射した改質用燃料が下流側の改質用インジェクタ69´近傍に到達するまでに時間を要することなり、各改質用インジェクタ62,69´から同時に噴射された改質用燃料が改質器64にまで到達する時間が異なることとなる。これにより、2つの改質用インジェクタ62,69´の改質器64までの距離が異なる場合は、時間に応じて排気ガスに含まれる改質用燃料の濃度が変化する虞がある。
ECU7は、各改質用インジェクタ62,69´の噴射周期の位相差を設定し、各改質用インジェクタ62,69´の噴射制御を行う。ECU7は、改質用燃圧調整装置65により、燃圧P(改質用インジェクタ62,69´の噴射時間を最大噴射時間Tmaxとした際に改質用燃料噴射量Qを噴射することができる燃圧)に調整された改質用燃料を改質用インジェクタ62,69´が最大噴射時間Tmaxで噴射するように噴射制御を行う。ECU7は、実施の形態3では、図7に示すように、各改質用インジェクタ62,69´の噴射周期の位相差を改質用インジェクタ62の噴射周期Y1に対して改質用インジェクタ69の噴射周期Y2が半周期Z1と各改質用インジェクタ62,69´の間隔xに基づいた位相遅れZ2との合計だけずれるように設定する。ここで、位相遅れZ2は、改質用インジェクタ62から噴射された改質用燃料が改質用インジェクタ69´近傍に到達した際における排気ガスに対する改質燃料の濃淡の周期と、改質器64までの距離が改質用インジェクタ62と同一の位置に改質用インジェクタ69´が配置され、この改質用インジェクタ69´の噴射周期Y2が改質用インジェクタ62の噴射周期Y1に対して半周期Zずれていると改定した場合(同図一点鎖線)に、改質用インジェクタ69´により排気ガスに改質用燃料を噴射した際における改質燃料の濃淡の周期と同一となるように設定されている。つまり、ECU7は、各改質用インジェクタ62,69の噴射周期Y1,Y2の位相差がπ+α(αは、各改質用インジェクタ62,69´の間隔xに基づいた位相差)となるように、各改質用インジェクタ62,69の噴射制御を行う。
以上のように、実施の形態3にかかる内燃機関1−3の排気ガス再循環装置6では、各改質用インジェクタ62,69´の間隔xに基づいて位相差を設定することで、各改質用インジェクタ62,69´の間隔による排気ガスに含まれる改質用燃料の濃度の変化を抑制することができる。これにより、時間に応じて排気ガスに含まれる改質用燃料の濃度の変化をさらに抑制することができる。これにより、内燃機関本体2に改質された燃料をさらに安定して供給することができ、ドライバビリティの悪化やエミッションの悪化をさらに抑制することができる。
以上のように、本発明にかかる排気ガス再循環装置は、排気ガスに改質用燃料を供給し、排気ガスと改質用燃料との混合ガスを改質し、改質された改質ガスを吸気経路に戻す排気ガス循環装置に有用であり、特に、内燃機関に改質された燃料を安定して供給するのに適している。
実施の形態1にかかる排気ガス再循環装置を備える内燃機関の構成例を示す図である。 排気ガス再循環装置6の動作フローを示す図である。 改質用燃料噴射量と改質用燃料の噴射時間との関係を示す図である。 実施の形態2にかかる排気ガス再循環装置を備える内燃機関の構成例を示す図である。 改質用燃料噴射量と改質用燃料の噴射時間との関係を示す図である。 実施の形態3にかかる排気ガス再循環装置を備える内燃機関の構成例を示す図である。 改質用燃料噴射量と改質用燃料の噴射時間との関係を示す図である。
符号の説明
1−1〜1−3 内燃機関
2 内燃機関本体
3 吸気経路
31 スロットルバルブ
32 吸気配管
33 インテークマニホールド
34 エアフロメータ
4 排気経路
41 エキゾーストマニホールド
42 排気配管
43 浄化触媒
5 燃料供給装置
51 燃料タンク
52 燃料ポンプ
53 気筒用燃圧調整装置
54 気筒用インジェクタ
55 燃料配管
56 デリバリパイプ
57 アルコール濃度センサ
6 排気ガス再循環装置
61 再循環配管
62 改質用インジェクタ
63 蒸発器
64 改質器
64a 改質触媒
65 改質用燃圧調整装置(改質用燃圧調整手段)
66 改質ガス流量調整弁
67 燃料分岐配管
68 混合室
69 改質用インジェクタ
7 ECU(改質用燃料噴射量算出手段、改質用インジェクタ制御手段)

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気経路と吸気経路とを接続する再循環配管と、
    前記排気経路から前記再循環配管に流入した排気ガスに、改質用燃料を噴射する改質用インジェクタと、
    前記排気ガスと前記改質用燃料との混合ガスを改質する改質器と、
    前記改質用インジェクタに供給される前記改質用燃料の燃圧を調整する改質用燃圧調整手段と、
    前記排気ガスに噴射する前記改質用燃料の改質用燃料噴射量を算出する改質用燃料噴射量算出手段と、
    前記改質用インジェクタを制御する改質用インジェクタ制御手段と、
    を備え、
    前記改質用燃圧調整手段は、前記改質用燃料の燃圧を前記算出された改質用燃料噴射量に基づいて、前記改質用インジェクタの噴射時間を最大噴射時間とする燃圧に調整し、
    前記改質用インジェクタ制御手段は、前記最大噴射時間に基づいて、前記改質用インジェクタを制御することを特徴とする排気ガス再循環装置。
  2. 前記改質用インジェクタを複数備える場合、前記改質用インジェクタ制御手段は、前記各改質用インジェクタの噴射周期の位相差を設定し、前記設定された位相差に基づいて当該各改質用インジェクタを制御することを特徴とする請求項1に記載の排気ガス再循環装置。
  3. 前記各改質用インジェクタの前記改質器までの距離が異なる場合、当該各改質用インジェクタの間隔に基づいて前記位相差を設定することを特徴とする請求項2に記載の排気ガス再循環装置。
  4. 前記改質用燃料は、前記内燃機関に供給されるアルコールを含む混合燃料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気ガス再循環装置。
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