JP2009114319A - 水性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プロピレン・1−ブテン共重合体(A)とα,β−モノエチレン性不飽和基
を有する単量体およびその他の共重合性モノマー(B)とを(A)/(B)=5/95〜90/10の重量比で重合して得られる酸価が25以上の樹脂(D)と、塩基性物質と、水とを含有する水性樹脂組成物であって、該プロピレン・1−ブテン共重合体(A)が、
(a)プロピレンから導かれる構成単位を50〜95モル%、1−ブテンから導かれる構成単位を5〜50モル%含有し、(b)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜12dl/gであり、(c)分子量分布(Mw/Mn)が3以下である水性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)(以下、単に「共重合性モノマー(B)」ともいう。)とを反応してなる酸価が25以上の樹脂(D)を塩基性化合物で中和し、水性化させてなる組成物について鋭意研究し、本発明を完成させた。
[1]プロピレン・1−ブテン共重合体(A)とα,β−モノエチレン性不飽和基を有す
る単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを(A)/(B)=5/95〜90/10の重量比で重合して得られる酸価が25以上の樹脂(D)と、
塩基性物質と、
水と
を含有する水性樹脂組成物であって、
該プロピレン・1−ブテン共重合体(A)が、
(a)プロピレンから導かれる構成単位を50〜95モル%の量で、1−ブテンから導かれる構成単位を5〜50モル%の量で含有し、
(b)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜12dl/gであり、(c)分子量分布(Mw/Mn)が3以下である水性樹脂組成物。
[2]さらに、有機溶媒を含有する[1]に記載の水性樹脂組成物。
[3]前記樹脂(D)が、前記プロピレン・1−ブテン共重合体(A)と、α,β−モノ
エチレン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを有機溶媒中で、(A)/(B)=5/95〜90/10の重量比で重合させた後、さらにラジカル反応させて得られる[1]または[2]に記載の水性樹脂組成物。
[4]前記樹脂(D)が、前記プロピレン・1−ブテン共重合体(A)と、α,β−モノ
エチレン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)を重合して得られた重合体(C)とを有機溶媒中で、(A)/(C)=5/95〜90/10の重量比でラジカル反応させて得られる[1]または[2]に記載の水性樹脂組成物。
[5]前記樹脂(D)が、有機溶媒中、プロピレン・1−ブテン共重合体(A)の一部が
官能基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを(A)/(B)=5/95〜90/10の重量比で重合させて得られる[1]または[2]に記載の水性樹脂組成物。
[6]前記樹脂(D)が、有機溶媒中、プロピレン・1−ブテン共重合体(A)の一部が
官能基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを(A)/(B)=5/95〜90/10の重量比で重合させた後、さらにラジカル反応させて得られる[1]または[2]に記載の水性樹脂組成物。
[7]前記α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)が活性水素および/または水酸基を有する共重合性モノマーを含有する[1]または[2]に記載の水性樹脂組成物。
[8][1]または[2]に記載の水性樹脂組成物を含有する塗料。
[9][1]または[2]に記載の水性樹脂組成物、または[8]に記載の塗料を塗布してなる塗膜。
[10][7]に記載の水性樹脂組成物または[8]に記載の塗料を含有する主剤と、活性水素および/または水酸基と反応可能な硬化剤とを含有する塗料。
[11][10]に記載の塗料を硬化してなる塗膜。
[12][1]または[2]に記載の水性樹脂組成物を含有する接着剤、プライマ−、無機材料用バインダ−、インキ用バインダ−、添加剤。
本発明の水性樹脂組成物は、下記手法により得られた樹脂あるいは樹脂溶液を、親水性有機溶剤で溶解、希釈、あるいは合成時の溶剤を一部または全部置換した後、塩基性物質を添加して中和を行い、イオン交換水を添加することで製造することができる。
(B)に、重合開始剤をフィードしながら重合させる方法で製造することができる。このようにして得られたものにさらにラジカル反応させて製造することもでき、プロピレン・1−ブテン共重合体(A)の一部が官能基で変性されたものにα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)を添加した後、ラジカル反応させて製造することもでき、これらは有機溶媒存在下でも製造できる。本発明の水性樹脂組成物を得る方法としては、後者の方が好ましい。
プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(PBR)は、プロピレンから導かれる単位を60〜90モル%、好ましくは65〜88モル%、より好ましくは70〜85モル%、さらに好ましくは70〜75モル%の量で、1−ブテンから導かれる単位を10〜40モル%、好ましくは12〜35モル%、より好ましくは15〜30モル%、さらに好ましくは25〜30モル%の量を含有している。本発明で用いられるプロピレン・1−ブテンランダム共重合体の融点が75℃以下の場合において、45℃で測定したプロピレン・1−ブテンランダム共重合体の結晶化速度(1/2結晶化時間)は10分以下、好ましくは7分以下である。
プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(PBR)の立体規則性は、トリアドタクティシティ(mm分率)によって評価することができる。
プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(PBR)の13C−NMRスペクトルは、サンプル管中でプロピレン・1−ブテンランダム共重合体(PBR)をロック溶媒として少量の重水素化ベンゼンを含むヘキサクロロブタジエンに完全に溶解させた後、120℃においてプロトン完全デカップリング法により測定される。測定条件は、フリップアングルを45°とし、パルス間隔を3.4T1以上(T1はメチル基のスピン格子緩和時間のう
ち最長の値)とする。メチレン基およびメチン基のT1は、メチル基より短いので、この
条件では試料中のすべての炭素の磁化の回復は99%以上である。ケミカルシフトは、テトラメチルシランを基準として頭−尾結合したプロピレン単位5連鎖(mmmm)の第3単位目のメチル基炭素ピークを21.593ppmとして、他の炭素ピークはこれを基準
とした。
構成単位を示す。表1に示される頭−尾結合3連鎖(i)および(ii)のうち、(i)3連鎖がすべてプロピレン単位からなるPPP(mm)、PPP(mr)、PPP(rr)についてメチル基の方向を下記に表面ジグザグ構造で図示するが、(ii)ブテン単位を含む3連鎖(PPB、BPB)のmm、mr、rr結合は、このPPPに準ずる。
したがってプロピレン・1−ブテン共重合体(PBR)のトリアドタクティシティ(mm分率)は、(i)頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖、または(ii)頭−尾結合したプロピレン単位とブテン単位からなり、かつ第2単位目にプロピレン単位を含むプロピレン・ブテン3連鎖を、3連鎖中の第2単位目のプロピレン単位の側鎖メチル基について、13C−NMRスペクトル(ヘキサクロロブタジエン溶液、テトラメチルシランを基準)で測定したとき、19.5〜21.9ppm(メチル炭素領域)に表れるピークの全面積を100%とした場合に、21.0〜21.9ppm(第1領域)に表れるピークの面積の割合(百分率)として、下記式(1)から求められる。
は90%以上97%以下である。本発明ではmm分率を上げ過ぎないことが重要で、特定のmm分率を持たせることにより、比較的高いプロピレン含量で融点を下げることができる。なおプロピレン・1−ブテンランダム共重合体(PBR)は、上記のような頭−尾結合した3連鎖(i)および(ii)以外にも、下記構造(iii)、(iv)および(v)で示されるような位置不規則単位を含む部分構造を少量有しており、このような他の結合によるプロピレン単位の側鎖メチル基に由来するピークも上記のメチル炭素領域(19.5〜21.9ppm)内に観測される。
ン−プロピレン−エチレン連鎖中の側鎖メチル基)(19.8ppm付近)、メチル基C
、メチル基D、メチル基D’、メチル基Eおよびメチル基E’に基づくピークが現れる。
鳴)のピーク面積より求めることができ、EPE−メチル基に基づくピーク面積は、EPE−メチン基(32.9ppm付近で共鳴)のピーク面積より求めることができる。
ピーク面積より求めることができる。メチル基Dに基づくピーク面積は、前記構造(iv)のαβメチレン炭素に基づくピーク(34.3ppm付近および34.5ppm付近で共鳴)のピーク面積の和の1/2より求めることができ、メチル基D’に基づくピーク面積
は、前記構造(v)のメチル基E’のメチル基の隣接メチン基に基づくピーク(33.3
ppm付近で共鳴)の面積より求めることができる。
のピーク面積より求めることができ、メチル基E’に基づくピーク面積は、隣接するメチン炭素(33.3ppm付近で共鳴)のピーク面積より求めることができる。
帰属することができる。
分子量分布(Mw/Mn)
プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(PBR)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)は1〜3、好ましくは1.8〜3.0、より好ましくは1.9〜2.5である。
プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(PBR)の135℃、デカリン中で測定される極限粘度[η]は、0.1〜12dl/g、好ましくは0.5〜10dl/g、より
好ましくは1〜5dl/gである。
プロピレン・1−ブテン共重合体(PBR)の共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値は0.9〜1.3、好ましくは0.95〜1.25、より好ましくは0.
95〜1.2である。
B=P12/(2P1 ・P2 )
ここで、P1、P2はそれぞれ第1モノマー、第2モノマー含量分率であり、P12は全二分子中連鎖中の(第1モノマー)−(第2モノマー)連鎖の割合である。
さらにプロピレン・1−ブテンランダム共重合体(PBR)は、
示差走査型熱量計(DSC)によって測定される融点Tmが40〜120℃、好ましくは50〜100℃、さらに好ましくは55〜90℃である。かつ該融点Tmと、1−ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が
146 exp(−0.022M) ≧ Tm ≧ 125 exp(−0.032M)
好ましくは
146 exp(−0.024M) ≧ Tm ≧ 125 exp(−0.032M)
さらに好ましくは
146 exp(−0.0265M) ≧ Tm ≧ 125 exp(−0.032M)
である。このような融点とブテン含量の関係を満たすと、比較的高いプロピレン含量で融
点を下げることができ、これにより低融点でも高結晶化速度が得られる。
して下記の式から求めることができる。
本発明で用いられるプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(PBR)は、上記のようにして求められるプロピレン連鎖中に存在するプロピレンの2,1−挿入に基づく異種結
合単位を、全プロピレン構成単位中0.01%以上、具体的には、0.01〜1.0%程度
の割合で含んでいてもよい。
。
本発明で用いられる共重合性モノマー(B)は、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体を通常10〜95重量%、好ましくは15〜85重量%を含み、そのうちでその他の共重合可能な単量体を通常0〜40重量%、好ましくは0〜30重量%で含んでいる。上記範囲内では、各種材料への密着性のため好ましい。
ノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートなどの水酸基含有ビニル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有ビニル類およびこれらのモノエステル化物、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有ビニル類、ビニルイソシアナート、イソプロペニルイソシアナートなどのイソシアナート基含有ビニル類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンなどの芳香族ビニル類、その他アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、およびメチロールメタクリルアミド、エチレン、プロピレン、C4〜C20のα−オレフィンなどが挙げられる。また、上記単量体、あるいはその共重合体をセグメントに有し、末端にビニル基を有するマクロモノマー類なども使用できる。また、ここで「メチル(メタ)アクリレート」とは、メチルアクリレートおよびメチルメタクリレートを示す。
ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンジルジメチルケタール、メチルベンゾイルホルメートなどのカルボニル類、ジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどのスルフィド類、ベンゾキノン、アントラキノン、クロロアントラキノン、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノンなどのキノン類、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類などが挙げられるが、これらは単独あるいは2種以上併用してもよい。また、これらの光重合開始剤には、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ピリジン、キノリン、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどのアミン類、トリフェニルホスフィンなどのアリルホスフィン類、β−チオジグリコールなどのチオールエーテル類などを併用してもよい。
第3成分として用いられる油脂類としては、アマニ油、大豆油、ヒマシ油およびこれらの精製物が挙げられる。第3成分として用いられる油脂類の誘導体としては、無水フタル酸などの多塩基酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコールなどの多価アルコールを骨格としたものを油脂(脂肪酸)で変性した短油アルキド樹脂、中油アルキド樹脂、長油アルキド樹脂など、あるいはこれにさらに天然樹脂、合成樹脂および重合性モノマーで変性したロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、アクリル化アルキド樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂などが挙げられる。
酸などを用いることができ、また2種類以上併用してもよい。
ル−1,3−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などが用いられ、2種類以上併用することもできる。
られる。
ス、エチレン・アクリル、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ナイロンなどのポリアミド、ポリブタジエン・アクリロニトリル、ポリブタジエン・スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの飽和ポリエステル、ポリヒドロキシエーテル、ポリイミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリプロピレン、ポリスチレンおよびその共重合体、ポリサルホン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルメチルエーテル、ポリウレタン、アルキド、カゼイン、シアノアクリレート、ジアリルフタレート、エポキシおよびその変性物、フラン、メラミンホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、フェノール・フルフラール、不飽和ポリエステル、ポリサルファイド、レゾルシノール・フェノールホルムアルデヒド、シリコーン、ユリアホルムアルデヒドなどの熱硬化性樹脂、エポキシ−ノボラック、エポキシ−フェノリック、エポキシ−ポリサルファイド、エポキシ−シリコーン、フェノリック−ブチラール、フェノリック−ニトリル、フェノリック−ポリアミド、ポリアミド−エポキシ、ポリイミド−エポキシ、シリコーン−ビニルフェノリック、シリコーン−フェノリック、ビニルホルマール−フェノリック、ビニルブチラール−フェノリックなどのアロイが挙げられ、これに酸化防止剤、耐侯性安定性、防熱防止剤などの各種安定剤、無機顔料、有機顔料などの着色剤、カーボンブラック、フェライトなどの導電性付与剤、その他無機系や有機系の添加剤などを添加したものにも使用できる。
木材の樹種としては、たとえば、モミ、トドマツ、シラベ、タイワンヒノキ、ヒノキ、サワラ、スギ、カラマツ、エゾマツ、トウヒ、アカマツ、ヒメコマツ、クロマツ、ヒバ、ツガなどの針葉樹材、イタヤカエデ、トチノキ、ミズメ、マカンバ、カツラ、クスノキ、イスノキ、ブナ、オニグルミ、タブ、ホオノキ、ドロノキ、シナノキ、ヤチダモ、ハリギリ、キリ、ミズナラ、ハルニレ、ケヤキ、アカガシなどの広葉樹材、アカラワン、シロラワンなどのフィリピン材などが挙げられる。
ゴムとしては、たとえば、シリコーンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ターポリマー、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。
コンクリートとしては、たとえば、普通コンクリート、軽量コンクリート、重量コンクリート、砕石コンクリート、AEコンクリート、水密コンクリート、セメントモルタル、軽量気泡コンクリート、炭素繊維強化コンクリート、ガラス繊維強化コンクリートなどが挙げられる。
以下、本発明の組成物の製法および各種試験例を挙げ、さらに説明する。以下において、部および%は特記していない限り重量基準である。
[1−ブテン含量]
13C−NMRを利用して求めた。
135℃デカリン中で測定し、dl/gで示した。
[分子量分布(Mw/Mn)]
分子量分布(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測定した。
示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106 については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106 についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
B値は、10mmφの試料管中で約200mgの共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRのスペクトルを、通常、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、フィルター幅1500Hz
、パルス繰り返し時間4.2sec、積算回数2000〜5000回の測定条件の下で測
定し、このスペクトルからP1、P2、P12(P1はエチレン含量分率、P2は1−ブテン含量分率、P12は全二分子中連鎖中の(エチレン)−(1−ブテン)連鎖の割合)を求めることにより算出した。
ヘキサクロロブタジエン溶液(テトラメチルシランを基準)で13C−NMRスペクトルを測定し、19.5〜21.9ppmに表れるピークの全面積(100%)に対する21.
0〜21.9ppmに表れるピークの面積の割合(%)を求めた。
Polymer,30,1350(1989)を参考にして、前述した方法により13C−NMRスペクトルを
利用して求めた。
試料約5mgをアルミパンに詰め10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持したのち20℃/分で室温まで降温し、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。測定は、パーキンエルマー社製DSC−7型装置を用いた。
成形後少なくとも24時間経過した厚さ1.0mmのプレスシートのX線回折測定によ
り求めた。
上記DSC装置を用い、45℃における1/2結晶化時間を求めた。
[製造例1(PBR−1の合成)]
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、900mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン60gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装
置内温を70℃に昇温し、プロピレンで0.7MPaに加圧した。次いで、ジメチルメチ
レン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリド0.002mmolとアルミニウム換算で0.6mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温70℃、プロピレン圧0.7MPaを保ちながら30分間重合し、20mlのメタノールを添
加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真
空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、9.2gであった。また、ポリ
マーの融点が80.6℃であり、極限粘度[η]が1.18dl/gであった。得られたポリマーについて測定した物性を表2に示す。
ヘキサンの仕込みを817ml、1−ブテンを50g、ジメチルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドをジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)2,7−ジ−t−ブ
チルフルオレニルジルコニウムジクロリドにした以外は実施例1と同様の方法で重合を行った。得られたポリマーは、11.5gであった。また、ポリマーの融点が86.3℃であり、極限粘度[η]が2.11dl/gであった。得られたポリマーについて測定した物
性を表2に示す。
ヘキサンの仕込みを800ml、1−ブテンを120g、重合器内温を60℃にした以外は実施例1と同様の方法で重合を行った。得られたポリマーは、10.8gであった。
また、ポリマーの融点が69.0℃であり、極限粘度[η]が2.06dl/gであった。得られたポリマーについて測定した物性を表2に示す。
ヘキサンを900ml、1−ブテンを60g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1mmol加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧を0.7MPaにし、メチルアルミノキサン0.30mmol、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)}ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.001mmol加え、プロピレンを連続的に供給して全圧を0.7MPaに保ちながら30分間重合を行った以外は製造例1と同様の重合後処理を行った。
ヘキサンを842ml、1−ブテンを95g仕込みにした以外は製造例4と同様の方法で重合を行った。得られたポリマーは15.1gであった。また、ポリマーの融点は69.5℃であり、極限粘度[η]が1.95dl/gであった。得られたポリマーについて測定した物性を表2に示す。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、製造例1で得られたPBR−1を60部とシェルゾールTG200部を仕込み、窒素置換しながら130℃に加熱昇温した。次いでこの中に、重合可能な単量体としてメチルメタクリレート49部とエチルアクリレート21部とイソブチルメタクリレート14部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート14部とプラクセルFM−3を21部とメタクリル酸21部と重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド(以下、「PBD」と略記する。)1.4部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より30分後に135℃に昇温し、さらに30分後にシェルゾールTGを100部添加するとともに、PBDを0.7部添加し、さらに1時間後にPBDを0.7部添加した。このPBD添加より30分後に160℃に昇温し、その30分後にPBDを6部添加し、さらに1時間経過後に4部、それよりさらに1時間経過後に4部を添加し反応させた。最後のPBDの添加後より2時間、160℃で放置して反応させ、ソリッドでの酸価が68mgKOH/gの樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を130℃に加熱し、減圧下、250部の溶剤を除去した。これに、ブ
チルセロソルブを100部添加し、溶解させた後、トリエチルアミンで理論上100%となるよう中和を行い、不揮発分が40%となるように脱イオン水で調整し、水性樹脂組成物を得た。
なお、上記で使用した原料として、溶剤はシェルゾールTG(シェルジャパン(株)製商品名)のイソパラフィン系の有機溶剤を、重合可能な単量体として用いたプラクセルFM−3はダイセル化学工業(株)製の不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾イプシロン−カプロラクトンを用いた。
初期に仕込む製造例1で得られたPBR−1とシェルゾールTGをそれぞれ100部と250部に、フィードする混合液をメチルメタクリレート35部とエチルアクリレート15部とイソブチルメタクリレート10部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部とプラクセルFM−3を15部とメタクリル酸15部とPBD1部に、フィード終了後に添加するシェルゾールTGを50部に、0.7部添加しているPBDを0.5部に変更(ソリッドでの酸価は、50mgKOH/g)した以外は、実施例1と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込む製造例1で得られたPBR−1とシェルゾールTGをそれぞれ140部と300部に、フィードする混合液をメチルメタクリレート10部とエチルアクリレート10部とイソブチルメタクリレート5部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部とプラクセルFM−3を10部とメタクリル酸20部とPBD0.6部に、フィード終了後に添加するシェルゾールTGを未添加に、0.7部添加しているPBDを0.3部に変更(ソリッドでの酸価は、65mgKOH/g)した以外は、実施例1と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
フィードする混合液をメチルメタクリレート30部とブチルアクリレート10部とヒドロキシエチルアクリレート20部とメタクリル酸20部とオレスターC1000を20部とPBD1部に変更(ソリッドでの酸価は、65mgKOH/g)した以外は、実施例2と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
フィードする混合液をメチルメタクリレート65部とエチルアクリレート35部とヒドロキシエチルアクリレート20部とメタクリル酸20部とPBD1.4部に変更(ソリッドでの酸価は、65mgKOH/g)した以外は、実施例1と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
フィードする混合液をメチルメタクリレート40部とブチルアクリレート20部とヒドロキシエチルアクリレート20部とメタクリル酸20部とPBD1部に変更(ソリッドでの酸価は、65mgKOH/g)した以外は、実施例2と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、製造例1でえられたPBR−1を60部とメチルシクロヘキサン200部を仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、重合可能な単量体としてメチルメタクリレート65部とエチルアクリレート35部とヒドロキシエチルアクリレート20部とメタクリル酸20部と重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(以
下、「PBO」と略記する。)1.4部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後にメチルシクロヘキサンを100部添加するとともに、PBOを0.7部添加し、さらに1時間後にPBOを0.7部添加した。このPBO添加より後にPBOを6部添加し、さらに1時間経過後に4部、それよりさらに1時間経過後に4部を添加し反応させた。最後のPBOの添加後より2時間、95℃で放置して反応させ、ソリッドでの酸価が65mgKOH/gの樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液にブチルセロソルブを100部添加し、溶解させた後、トリエチルアミンで理論上100%となるよう中和を行い、脱イオン水を200部添加した後、減圧下、300部の溶剤を除去し、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込む製造例1で得られたPBR−1とメチルシクロヘキサンをそれぞれ100部と250部に、フィードする混合液をメチルメタクリレート40部とブチルアクリレート20部とヒドロキシエチルアクリレート20部とメタクリル酸20部とPBO1部に、フィード終了後に添加するメチルシクロヘキサンを50部に、0.7部添加しているPBOを0.5部に変更(ソリッドでの酸価は、50mgKOH/g)した以外は実施例7と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、製造例1でえられたPBR−1を60部とシェルゾールTG100部を仕込み、窒素置換しながら130℃に加熱昇温した。次いでこの中に、下記樹脂溶液製造例1で得られたα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)の樹脂溶液を280部、4時間かけてフィードした。フィード終了後にPBOを6部添加し、さらに1時間経過後に4部、それよりさらに1時間経過後に4部を添加し反応させた。最後のPBOの添加後より2時間、130℃で放置して反応させ、ソリッドでの酸価が68mgKOH/gの樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を130℃のまま、減圧し、190部の溶剤を除去した。これに、ブチルセロソルブを100部添加し、溶解させた後、トリエチルアミンで理論上100%となるよう中和を行い、不揮発分が40%となるように脱イオン水で調整し、水性樹脂組成物を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、キシレン70部とアノン30部を仕込み、窒素置換しながら100℃に加熱昇温した。次いでこの中に、メチルメタクリレート35部とエチルアクリレート15部とイソブチルメタクリレート10部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部とプラクセルFM−3を15部とメタクリル酸15部とPBO1部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後にPBOを0.5部添加した。これよりさらに1時間後にPBOを0.5部添加し、その後1時間後に反応器内の温度を110℃に昇温し、さらに1時間放置して反応させて樹脂溶液を得た。
初期に仕込むPBRを、製造例2で得られたPBR−2に変更した以外は、実施例2と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、製造例2で得られたPBR−2に変更した以外は、実施例8と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、製造例2で得られたPBR−2に変更した以外は、実施例9と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、製造例3で得られたPBR−3に変更した以外は、実施例2と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、製造例3で得られたPBR−3に変更した以外は、実施例8と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、製造例3で得られたPBR−3に変更した以外は、実施例9と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、製造例4で得られたPBR−4に変更した以外は、実施例2と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、製造例4で得られたPBR−4に変更した以外は、実施例8と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、製造例4で得られたPBR−4に変更した以外は、実施例9と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、製造例5で得られたPBR−5に変更した以外は、実施例2と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、製造例5で得られたPBR−5に変更した以外は、実施例8と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、製造例5で得られたPBR−5に変更した以外は、実施例9と同様の方法で合成を行い、水性樹脂組成物を得た。
実施例1〜4、7、8、9、10〜12、13〜15、16〜18、19〜21で得られた水性樹脂組成物100部に、タケネートWD−720(以下、「タケネート」と略記する。)を15部混合し、水性樹脂組成物を得た。
実施例1〜4、7、8、9、10〜12、13〜15、16〜18、19〜21で得られた水性樹脂組成物100部に、サイメル236(以下、「サイメル」と略記する。)を10部と触媒であるキャタリスト500を0.8部混合し、水性樹脂組成物を得た。
実施例1〜4、7、8、9、10〜12、13〜15、16〜18、19〜21で得られた水性樹脂組成物100部に、エポクロスK−2020E(以下、「エポクロス」と略記する。)を25部混合し、水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、ベストプラスト750(商品名:デグサジャパン(株)製、プロピレン−ブテン−エチレンの共重合体)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で合成を行い水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、ベストプラスト750に変更した以外は、実施例2と同様の方法で合成を行い水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、ベストプラスト750に変更した以外は、実施例3と同様の方法で合成を行い水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、ベストプラスト750に変更した以外は、実施例8と同様の方法で合成を行い水性樹脂組成物を得た。
初期に仕込むPBRを、ベストプラスト750に変更した以外は、実施例9と同様の方法で合成を行い水性樹脂組成物を得た。
[評価と結果]
《水性樹脂組成物の安定性》
実施例1〜21、比較例1〜5で得られた水性樹脂組成物を、不揮発分40%、室温と40℃、それぞれの条件で1ヶ月静置し、溶液の状態を評価した。1ヶ月の経過後、この水溶液につき、分離および沈殿がともに確認されず増粘しなかったものを◎、分離および沈殿はともに確認されないが粘度に変化があったものを○、分離および/または沈殿の観察されたもので攪拌にて容易に分散できるものを△、分離および/または沈殿の観察された攪拌にて容易に分散できないものを×として評価した。
《水性樹脂組成物のスプレー適性》
塗装ガン(岩田塗装機工業(株)製ワイダースプレーガン(商品名;W−88−13H5G))を使用し、霧化圧4kg/cm2、ノズル1回転開き、塗装ブース内の温度30℃
にて、各々実施例および比較例で得られた水性樹脂組成物溶液をスプレーし、糸曳きが発生するか否かを観察し、発生しなかったものを○、1本でも発生したものを×として評価した。
《物性評価法》
(1)PP板での試験
<PP板の試験片−1>
水性樹脂組成物を、イソプロピルアルコールで表面を拭いたポリプロピレン製(プライムポリマー株式会社製、製品名:X708)の角板に、乾燥後の膜厚が10μmとなるように塗布した後、80℃のオーブンに入れて30分間処理した。
(1)−1.タック性試験
得られた塗膜に、室温にて塗面にガーゼを置き、1kg/cm2の荷重をかけ、ガーゼを
取り除いた時の塗膜に残存する毛の有無で評価した。塗膜に毛が残存しない場合を○、残存する場合を×として評価した。
(1)−2.碁盤目剥離試験
得られた塗膜を、JIS−K−5400に記載されている碁盤目剥離試験の方法に準じ、碁盤目を付けた試験片を作製し、粘着性セロハンテープ(セロテープ(登録商標)(ニチバン(株)の製品))を碁盤目上に貼り付けた後、速やかに90°方向に引っ張って剥離させ、碁盤目100個の中、剥離しなかった碁盤目数にて評価した。
<PP板の試験片−2>
PP板の試験片−1で得られた塗膜の上に、白色の上塗り塗料を乾燥後の膜厚が100μmになるように塗布して塗膜を形成し、室温にて10分放置した後、100℃のオーブンに入れ、30分間焼付け処理を行った。
なお、上記で使用した白色の上塗り塗料は、オレスターQ186(商品名、三井化学(株)製、不揮発分50%、水酸基価30mgKOH/g)100gに、Tipeqe−CR93(商品名、石原産業(株)製)を30g分散させた主剤と、イソシアナート基を有する硬化剤であるオレスターNM89−50G(商品名、三井化学(株)製、不揮発分50%、NCO含有量6%)をOH/NCO=0.95(モル比)となるように混合したものを用いた。
(1)−3.碁盤目剥離試験
得られた塗膜について、(1)−2に記載の碁盤目剥離試験を行い評価した。
(1)−4.剥離強度試験
剥離強度の測定は、塗膜に1cm幅で切れ目を入れ、その端部を剥離した後、端部を50mm/分の速度で180°方向に引っ張り剥離強度を測定し、剥離強度が1200g/cm以上のものを◎、1000g/cm以上1200g/cm未満のものを○、800g/cm以上1000g/cm未満のものを△、800g/cm未満のものを×として評価した。
(1)−5.耐水試験後の外観
試験片を40℃に調整した水中に240時間浸漬した後の塗膜について、フクレの有無などを評価し、変化のないものを○、フクレなど塗膜に変化があるものを×として、塗膜の外観を評価した。
(1)−6.耐水試験後の碁盤目剥離試験
試験片を40℃に調整した水中に240時間浸漬した後の塗膜について、(1)−2に記載の碁盤目剥離試験を行い評価した。
(2)鋼板での試験
<鋼板の試験片>
水性樹脂組成物を公知の電着エポキシ塗料により表面処理(厚さ 約20μm)を施した
鋼板の電着塗料表面に乾燥膜厚が3μmになるように塗工したのち、200℃で2分間乾燥し、一昼夜常温放置した。
(2)−1.タック性試験
得られた塗膜に、室温にて塗面にガーゼを置き、1kg/cm2の荷重をかけ、ガーゼを
取り除いた時の塗膜に残存する毛の有無で評価した。塗膜に毛が残存しない場合を○、残存する場合を×として評価した。
(2)−2.碁盤目剥離試験
得られた塗膜について、(1)−2に記載の碁盤目剥離試験を行い、評価した。
(3)アルミ箔とPPフィルムでの試験
<アルミ箔とPPフィルムの試験片−1>
接着剤組成物をアルミ箔に乾燥膜厚が3μmになるように塗工した後、200℃で2分間乾燥し、得られた塗工済みアルミ箔を一昼夜常温放置した。
(3)−1.タック性試験
得られた塗膜に、室温にて塗面にガーゼを置き、1kg/cm2の荷重をかけ、ガーゼ
を取り除いた時の塗膜に残存する毛の有無で評価した。
<アルミ箔とPPフィルムの試験片−2>
上記のアルミ箔とPPフィルムの試験片−1で作成した接着剤を塗工したアルミ箔に、同形状に切り出したポリプロピレンフィルム(厚さ300μm、住友ベークライト株式会社製、商品名:スミライト)を重ね合わせ、200℃の温度で、1kg/cm2の圧力、
1秒の時間で熱シールを行い、15mm幅の短冊状に切り出した。
(3)−2.剥離強度試験
剥離強度の測定は、試験片の端部を剥離した後、端部を200mm/分の速度で180°方向に引っ張り剥離強度を測定した。
評価結果を次の表3〜表8に示す。
Claims (16)
- プロピレン・1−ブテン共重合体(A)とα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単
量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを(A)/(B)=5/95〜90/10の重量比で重合して得られる酸価が25以上の樹脂(D)と、
塩基性物質と、
水と
を含有する水性樹脂組成物であって、
該プロピレン・1−ブテン共重合体(A)が、
(a)プロピレンから導かれる構成単位を50〜95モル%の量で、1−ブテンから導かれる構成単位を5〜50モル%の量で含有し、
(b)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜12dl/gであり、(c)分子量分布(Mw/Mn)が3以下である水性樹脂組成物。 - さらに、有機溶媒を含有する請求項1に記載の水性樹脂組成物。
- 前記樹脂(D)が、前記プロピレン・1−ブテン共重合体(A)と、α,β−モノエチ
レン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを有機溶媒中で、(A)/(B)=5/95〜90/10の重量比で重合させた後、さらにラジカル反応させて得られる請求項1または2に記載の水性樹脂組成物。 - 前記樹脂(D)が、前記プロピレン・1−ブテン共重合体(A)と、α,β−モノエチ
レン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)を重合して得られた重合体(C)とを有機溶媒中で、(A)/(C)=5/95〜90/10の重量比でラジカル反応させて得られる請求項1または2に記載の水性樹脂組成物。 - 前記樹脂(D)が、有機溶媒中、プロピレン・1−ブテン共重合体(A)の一部が官能
基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを(A)/(B)=5/95〜90/10の重量比で重合させて得られる請求項1または2に記載の水性樹脂組成物。 - 前記樹脂(D)が、有機溶媒中、プロピレン・1−ブテン共重合体(A)の一部が官能
基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを(A)/(B)=5/95〜90/10の重量比で重合させた後、さらにラジカル反応させて得られる請求項1または2に記載の水性樹脂組成物。 - 前記α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)が活性水素および/または水酸基を有する共重合性モノマーを含有する請求項1または2に記載の水性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の水性樹脂組成物を含有する塗料。
- 請求項1または2に記載の水性樹脂組成物、または請求項8に記載の塗料を塗布してなる塗膜。
- 請求項7に記載の水性樹脂組成物または請求項8に記載の塗料を含有する主剤と、活性水素および/または水酸基と反応可能な硬化剤とを含有する塗料。
- 請求項10に記載の塗料を硬化してなる塗膜。
- 請求項1または2に記載の水性樹脂組成物を含有する接着剤。
- 請求項1または2に記載の水性樹脂組成物を含有するプライマー。
- 請求項1または2に記載の水性樹脂組成物を含有する無機材料用バインダー。
- 請求項1または2に記載の水性樹脂組成物を含有するインキ用バインダー。
- 請求項1または2に記載の水性樹脂組成物を含有する添加剤。
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