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JP2009111625A - 映像符号化装置及び映像符号化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】H.264のCABAC処理の回路実装上の制限で、ピクチャあたりの符号長の確定が1ピクチャ以上遅れるため、レート制御処理での仮想バッファ算出ができない。
【解決手段】符号量制御に用いる仮想バッファの占有量の算出において、圧縮符号化処理の途中結果である符号と、最終結果である圧縮符号との、ピクチャあたりの符号長を用いる。すなわち、未だ算術符号化手段102での処理が完了していないピクチャについては、二値化手段101が出力する符号の符号長を用い仮想バッファの占有量算出を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、映像信号の符号化装置及び映像符号化方法に関し、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの記録メディアへの映像記録に関するものである。
映像符号化方式H.264方式においても、MPEG−2と同様に、仮想バッファによるコンフォーマンス保証方式が規格として規定されている(非特許文献1)。これは、デコーダでのバッファアンダーフローをおこさないようにエンコーダ側で発生符号量を制御することにより、デコーダでの再生時の途切れがないことを保証するものである。この制御のため、エンコーダ側にてデコーダバッファに相当する仮想バッファを用意する。
以上の点を、図5、図6を用いて説明する。図5において、1000は映像符号化装置の一例であって、画像並替手段1001、直交変換手段1002、量子化手段1003、可逆符号化手段1004、レート制御手段1006、逆量子化手段1007、逆直交変換手段1008、フレームメモリ1009、動き予測・補償手段1010については、MPEG−2やH.264などの映像符号化装置での構成手段であって、その詳細は例えば(非特許文献2)に開示されているので、説明を省略する。
1005はバッファシミュレーション手段であって、図6を用い、この動作を説明する。図中の記号は、それぞれ、
R :デコーダバッファへの入力ビットレート
B :デコーダバッファのサイズ
F :デコーダが最初のピクチャをバッファから引き抜く時のバッファ占有量
D :デコーダが最初のピクチャをバッファから引き抜く時の遅延時間
t_i:各ピクチャ{i}の表示時刻
b_i:各ピクチャ{i}の符号量(可逆符号化手段1004が出力する符号量をピクチャ毎に計数した結果)
である(ここで、ピクチャとは、フレーム、もしくはフィールドのどちらかである)。
そして、F_iを、時刻t_iでのピクチャ符号量b_iを引き抜く直前のバッファ占有量とすると、以下の式が成り立つ。
F_0 = F (式1)
F_{i+1}=min(B,F_i−b_i+R×(t_{i+1}−t_i)) (式2)
MPEG−2やH.264における可変ビットレートにおいては、エンコーダは以下の式を満足するように符号化しなければならない。
F_i − b_i ≧ 0 (式3)
この式は、引抜き時に必要なビット(b_i)以上のビットがバッファに蓄積済みであること、を意味している。この条件を満足する場合には、デコーダは、復号化時に必要なビットが無い、という状態に陥ることがなく、その結果、再生画の途切れが生じないようにできる。
ITU-T H.264 (03/2005) : Infrastructure of audiovisual services-Coding of moving video, Advanced video coding for generic audiovisual services 大久保他、H.264/AVC 教科書、(株)インプレス (2004) 特開2006−33014号公報
ところで、H.264が採用する可逆符号化方式のうち、CABAC方式では、その方式が内在する2値算術符号化で用いる確率推定値が直前の処理結果に依存するため、処理が逐次処理となる。このため、その処理能力は回路の処理サイクル数に依存し、現在のハードウェア性能では、1ピクチャの処理を1ピクチャ以内に完了させることができない。
つまり、図5の可逆符号化手段1004と、それ以外の手段、すなわち直交変換手段1002、量子化手段1003などの、可逆符号化手段1004までの手段とが、非同期に動作する構成をとらざるを得ない。これは、可逆符号化手段1004の処理が完了する前に、それ以外の手段が次のピクチャの符号化を開始する、ということである。
ところが、バッファシミュレーション手段1005は、可逆符号化手段1004の出力する各ピクチャの符号量b_iを必要とするため、その処理を完了させることができず、結果として、レート制御手段1006も必要な計算を行うことができなくなり、従来の構成のままでは、レート制御を行う画像符号化装置を提供することができない、という課題がある(課題1)。
この課題1に対し、バッファシミュレーション手段1005の入力となる符号量b_iとして、その推定符号量を用いる方法が考えられる。例えば、(特許文献2)が開示する方式は、ピクチャ内での発生符号量制御をMB毎の推定符号量により行うもの、であるが、この方式にて用いられているMB毎符号量推定を、ピクチャでの発生符号量に適用することが考えられる。すなわち、可逆符号化手段1004での処理が完了する前に、符号量推定処理を行い、この結果を用いバッファシミュレーション手段1005を実行することにより、課題1を解決するものである。
なお、符号量推定の方式に関しては、別に、(特許文献3)などの開示もある。
特開2007−124122号公報 特開2007−158430号公報
しかし、推定符号量には、誤差が存在するため、その誤差の蓄積により、バッファシミュレーションにおいてアンダーフローが発生する可能性がある。つまり、推定符号量を用いた方式には、誤差の影響により本来のコンフォーマンス保証の目的であるデコーダバッファのアンダーフロー防止、を達成することができない、という課題がある(課題2)。
本発明の映像符号化装置は、映像信号を構成するピクチャを圧縮符号化する映像符号化装置であって、符号量制御に用いる仮想バッファの占有量の算出手段において、圧縮符号化処理の途中結果である符号と、最終結果である圧縮符号との、ピクチャあたりの符号長を用いることを特徴とする。
また、本発明の別の映像符号化装置は、前記の映像符号化装置であって、前記算出手段において、最終結果である圧縮符号の符号長により仮想バッファ占有量を算出し、さらに引き続いて、圧縮符号化処理の途中結果である符号の符号長を発生符号量の符号長であると見なしてバッファ占有量を算出することを特徴とする。
また、本発明の別の映像符号化装置は、前記の映像符号化装置であって、圧縮符号化処理の途中結果である符号として、可逆符号化処理手段を構成する二値算術符号化処理手段の前段である二値化処理手段の出力である符号を用い、この符号のピクチャあたり符号量を用いることを特徴とする。
また、本発明の映像符号化方法は、映像信号を構成するピクチャを圧縮符号化する映像符号化方法であって、符号量制御に用いる仮想バッファの占有量の算出において、圧縮符号化処理の途中結果である符号と、最終結果である圧縮符号との、ピクチャあたりの符号長を用いることを特徴とする。
また、本発明の別の映像符号化方法は、前記の映像符号化方法であって、最終結果である圧縮符号の符号長により仮想バッファ占有量を算出し、さらに引き続いて、圧縮符号化処理の途中結果である符号の符号長を発生符号量の符号長であると見なしてバッファ占有量を算出することを特徴とする。
また、本発明の別の映像符号化方法は、前記の映像符号化方法であって、圧縮符号化処理の途中結果である符号として、可逆符号化処理を構成する二値算術符号化処理の前処理である二値化処理の生成する符号を用い、この符号のピクチャあたり符号量を用いることを特徴とする映像符号化方法。
以上のように、本発明の映像符号化装置及び映像符号化方法によれば、圧縮符号化処理の途中結果である符号を用いることにより、バッファシミュレーションが必要なタイミングでの処理が可能となる。
また、二値化処理の生成する符号など、実際の発生符号量の上限値を用いて制御することにより、推定誤差によるバッファアンダーフローが発生しないようにすることができる。
さらに、確定している実符号量をも考慮することにより、過度な符号量制限をも回避することができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における映像符号化装置100のブロック図である。画像並替手段1001、直交変換手段1002、量子化手段1003、可逆符号化手段1004、レート制御手段1006、逆量子化手段1007、逆直交変換手段1008、フレームメモリ1009、動き予測・補償手段1010については、MPEG−2やH.264などの映像符号化装置での構成手段であって、その詳細は例えば(非特許文献2)に開示されているので、説明を省略する。
二値化手段101、算術符号化手段102はH.264において採用されたCABAC方式を構成する手段である。これらの詳細は、(非特許文献1)および(非特許文献2)に記載されている。
バッファシミュレーション手段103は、従来例にて説明したバッファシミュレーション手段1005と同様のものであるが、バッファシミュレーション手段103はさらに、二値化手段101の出力するBIN量と、算術符号化手段102の出力する実符号量とを用いて、バッファシミュレーションを行う。
ここで、BIN量とは、二値化手段101が算術符号化手段102に出力する二値化データのうち、1ピクチャを構成するデータ列の総ビット数を表す。また、実符号量とは、算術符号化手段102が出力する画像圧縮情報のうち、1ピクチャを構成するデータ列の総ビット数を表す。
バッファ104は、ピクチャ毎のBIN量を保持するバッファである。その動作を説明するために図2を用いる。
数直線201は、BIN量が判明する時刻、数直線202は、実符号量が判明する時刻、をそれぞれ表している。この例では、時刻t_{4}においてピクチャ{4}のBIN量が判明した時点では、ピクチャ{0}までの実符号量が判明していることを表している。
この場合に、バッファ104には、ピクチャ{1}からピクチャ{4}までのBIN量が蓄積されるように制御を行う。この制御は、例えば、二値化手段101及び算術符号化手段102がそれぞれBIN量、実符号量を出力する時に、時刻情報{n}も同時に出力するようにし、バッファシミュレーション手段103が算術符号化手段102より実符号量を受取った時に、同時に受取った時刻情報に対応するBIN量のエントリをバッファ104から削除するように制御信号を出力するようにすれば良い。このようにすることで、バッファ104には、二値化手段101までの処理が完了しているが算術符号化手段102での処理は未完了であるピクチャに対応するBIN量が保持されていることになる。
以上のようなバッファ104の動作において、バッファシミュレーション手段103は、従来例の説明にて記載した数式(式1)、(式2)に基づき、実符号量が判明している期間については実符号量をb_iとして、バッファ占有量F_iを更新する。さらに、それ以降の期間、すなわち、未だ実符号量が判明していない期間については、バッファ104に蓄積されたBIN量をb_iとして、バッファ占有量F_iを更新する。
このようなバッファシミュレーション手段103での動作は、例えば、フローチャートでは図4のように示すことができる。まず、401にて初期化を行う。ここで、F_jは、実符号量を用いたバッファシミュレーションでの占有量である。また、iは、次に通知される実符号量に対応するピクチャの番号、jは次に通知されるBIN量に対応するピクチャの番号、を表す。402は、イベント待ちであって、二値化手段101からのBIN量の通知と、算術符号化手段102からの実符号量の通知とは、非同期に発生するため、これら2つのイベントを待つため、である。実符号量が通知された場合には、409にて、実符号量をb_iとして、F_iを更新する。
次に、410にてバッファ104よりピクチャ{i}のエントリを削除し、最後に411にて変数iを1だけインクリメントし、イベント待ち402に移行する。
また、BIN量が通知された場合には、403にて、変数jを1だけインクリメントする。次に、F_jを初期値として、ピクチャ{i}からピクチャ{j−1}までの BIN量を用いたバッファシミュレーションにより、占有量F’_{j}を算出する(404〜408)。求めた占有量F’_{j}は、ピクチャ{i}までは実符号量、ピクチャ{i+1}からピクチャ{j−1}まではBIN量、をそれぞれ用いてバッファシミュレーションした場合の占有量である。
ここで、BIN量通知の処理(403〜408,412)においては、占有量としてF’_{j}という変数を用いているが、これは、実符号量により求まる本来の占有量F_{j}と、BIN量を用いて算出している仮の占有量とを区別するためである。
以上のフローチャートの理解を助けるため、次のような例を考える。図2の場合のように、現時刻がt_{4}であって、
実符号量は、ピクチャ{0}までの値が判明
している状態で、
ピクチャ{4}のBIN量が判明した場合には、
F_iは、ピクチャ{0}の実符号量により算出した値
であり、また、
i=1
j=4
であって、その後、403での処理により、
j=5
となる。
さらに、406,407,408,412でのループ処理により、バッファ104に蓄積されているピクチャ{1}からピクチャ{4}までのBIN量をb_iとして(式2)により、F’_jを更新する。
このようにして求めたF’_jは、ピクチャ{4}までを考慮したバッファ占有量であって、ピクチャ{5}でのレート制御に用いる値となる。すなわち、ピクチャ{5}において、(式3)を満足するように、すなわち発生符号量がF’_j以下になるように発生符号量制御が行われる。
以上の説明で用いた変数と、バッファシミュレーションでのグラフ図との関係とを図3に例示する。図のように、時刻{4}でのバッファ占有量F’_{4}は、真のバッファ占有量F_{4}よりも小さな値となっている。ここで、実線が真のバッファ占有量の遷移、点線がBIN量を用いて算出した仮のバッファ占有量の遷移、をそれぞれ表している。
このとき重要なのは、一般に、BIN量>実符号量の関係が成り立つため、BIN量を用いて算出したバッファ占有量F’_{n}は、真のバッファ占有量F_{n}よりも小さい値となる。そしてこの小さい値F’_{n}を用いてバッファアンダーフローが生じないように、すなわち(式3)を満足するように、レート制御手段1006が発生符号量を抑えるように制御を行うことで、真のバッファ占有量から見たときには必ずバッファがアンダーフローしないようにできる。
例えば、図3の場合であれば、ピクチャ{4}までの二値化手段101の処理が完了している場合に、(式2)を適用してF’_{5}の値を求める。そして、(式3)を用いて、次のピクチャ{5}での発生符号量の上限値を決定する。すなわち、F’_{5}を上限値として、レート制御処理を行うようにする。先に説明した通り、F’_{5}<F_{5}なので、
ピクチャ{5}での発生符号量<F’_{5}<F_{5}
となって、(式3)を満足する、すなわち、アンダーフローを発生しないようにできる。
以上のように本実施の形態によれば、バッファアンダーフローによるコンフォーマンス違反を生じないため、デコーダでの映像途切れが発生しない符号化データを生成可能な映像符号化装置を提供できる。また、実符号量が判明している区間については、実符号量を用いたバッファシミュレーションを行っているため、バッファシミュレーションの誤差が大きな値にならない。このため、過度な符号量制御が発生するのを避けることができる。
なお、本実施の形態においては、圧縮符号化処理の途中結果として、BIN量、すなわち、H.264での可逆符号化での二値化処理、での符号のピクチャあたり符号量を用いる場合について説明したが、実符号量より常にその長さが長い、という条件を満足する符号であれば、それ以外の値を用いるようにしてもよい。また、従来例において開示されているような推定符号量をBIN量の代わりに用いるようにしても良いが、その場合には、常に推定符号量の長さが実符号量の長さよりも長い、という条件を満足するような推定方式になっている必要がある。
本発明にかかる映像符号化装置は、規格上の制限を満足させるための処理、すなわちバッファアンダーフローを生じないようにするための仕組みを提供するものである。特に、H.264で採用されているCABAC処理の回路実装上の制約に起因する、符号長が1ピクチャ以上遅れて判明する、という動作特性のある場合でも、規格上の制限を満足させるための方式を提供することができる方式、である。
今回取り上げた規格上の制限を満足できない場合には、圧縮映像の再生時に、その再生画像が途切れるなどの現象が発生することとなる。このような現象は商品性能として許容できないのであって、該現象を発生しないようにすることができる本発明の産業上利用可能性は高い。
本発明の実施の形態1における映像符号化装置の構成図 本発明の実施の形態1を説明するための図 本発明の実施の形態1を説明するための図 本発明の実施の形態1を説明するための図 従来方式を説明するための図 従来方式を説明するための図
符号の説明
100 映像符号化装置
101 二値化手段
102 算術符号化手段
103 バッファシミュレーション手段
104 バッファ
1001 画像並替手段
1002 直交変換手段
1003 量子化手段
1004 可逆符号化手段
1006 レート制御手段
1007 逆量子化手段
1008 逆直交変換手段
1009 フレームメモリ
1010 動き予測・補償手段

Claims (6)

  1. 映像信号を構成するピクチャを圧縮符号化する映像符号化装置であって、符号量制御に用いる仮想バッファの占有量の算出手段において、圧縮符号化処理の途中結果である符号と、最終結果である圧縮符号との、ピクチャあたりの符号長を用いる
    ことを特徴とする映像符号化装置。
  2. 請求項1記載の映像符号化装置であって、前記算出手段において、最終結果である圧縮符号の符号長により仮想バッファ占有量を算出し、さらに引き続いて、圧縮符号化処理の途中結果である符号の符号長を発生符号量の符号長であると見なしてバッファ占有量を算出する
    ことを特徴とする映像符号化装置。
  3. 請求項1ないし2記載の映像符号化装置であって、圧縮符号化処理の途中結果である符号として、可逆符号化処理手段を構成する二値算術符号化処理手段の前段である二値化処理手段の出力である符号を用い、この符号のピクチャあたり符号量を用いる
    ことを特徴とする映像符号化装置。
  4. 映像信号を構成するピクチャを圧縮符号化する映像符号化方法であって、符号量制御に用いる仮想バッファの占有量の算出において、圧縮符号化処理の途中結果である符号と、最終結果である圧縮符号との、ピクチャあたりの符号長を用いる
    ことを特徴とする映像符号化方法。
  5. 請求項4記載の映像符号化方法であって、最終結果である圧縮符号の符号長により仮想バッファ占有量を算出し、さらに引き続いて、圧縮符号化処理の途中結果である符号の符号長を発生符号量の符号長であると見なしてバッファ占有量を算出する
    ことを特徴とする映像符号化方法。
  6. 請求項4ないし5記載の映像符号化方法であって、圧縮符号化処理の途中結果である符号として、可逆符号化処理を構成する二値算術符号化処理の前処理である二値化処理の生成する符号を用い、この符号のピクチャあたり符号量を用いる
    ことを特徴とする映像符号化方法。
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