JP2009111208A - 紫外線樹脂硬化装置内部の乾式洗浄方法及び乾式洗浄機能付の紫外線樹脂硬化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】乾式洗浄機能付き紫外線樹脂硬化装置100は、硬化用筐体10内部に酸素ボンベ50から酸素を供給しながら、紫外線透過窓20を介して紫外線源30から波長約185nm及び254nmの紫外線を照射する。これにより、硬化用筐体10内部の酸素分子から、オゾンや高エネルギー状態の1D状態の酸素原子が生成し、紫外線透過窓20の内面201に付着した有機物から成る汚れ7を低分子成分に分解する。汚れ7から生成した低分子成分は、酸素分子と共に排気手段60に排出される。
【選択図】図1
Description
まず、不要部を可溶化させる段階においては、例えばノボラック樹脂に含有されているα−ジアゾケトン化合物を例えば波長365〜436nmの紫外線でケテン中間体としたのち、トリメチルアンモニウムヒドロキシド溶液等の塩基性溶液で処理する。こうして、加水分解によりケテン中間体をカルボン酸に置換し、近傍のノボラック樹脂と共に塩基性溶液に溶出させる。
これに続くレジストマスク等の紫外線硬化の段階は、例えば波長254nm以下の紫外線で、生成するケテン中間体とノボラック樹脂とを励起させて架橋反応を生じさせ、樹脂成分の重合度を増大させている。この際、マスク等として機能するレジストの熱垂れを防ぐため、加熱する場合も余り高温とできない。例えば200℃以下での加熱に抑える必要がある。また、前段の不要部の可溶化の際のアルカリ処理時の水やアルカリ成分自体を、弱い加熱下で除去する意味からも減圧している。尚、レジストの表層のみでなく内部まで十分に紫外線硬化させる必要があり、この点で波長254nm以下の紫外線の強度の強い低圧水銀ランプ等が紫外線照射源として用いられる。紫外線照射源は、減圧の必要な紫外線樹脂硬化装置の筐体外部に配置され、例えば筐体に設けられた、紫外線透過窓を介して内部に紫外線を照射する。
そこで本発明者らは、紫外線透過窓の取り外しや、紫外線源の位置調整を行う必要を実質的に無くすような、連続的自動制御可能な紫外線樹脂硬化装置内部の乾式洗浄方法を検討し、本願発明を完成した。
請求項2に係る発明は、紫外線源の発する光には、少なくとも波長254nm及び185nmの水銀の輝線が含まれていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、導入するガスは酸素ガスであり、紫外線によりオゾンを硬化用筐体内部に発生させて紫外線透過窓の硬化用筐体内部側に付着した有機汚染物質を分解し除去することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、内部に硬化対象樹脂を少なくとも有する対象物を載置可能な硬化用筐体と、硬化用筐体に設けられた紫外線透過窓と、紫外線源と、硬化用筐体内部に、酸素ガス、又は酸素を含有する化学種のガスを導入する手段とを有することを特徴とする乾式洗浄機能付の紫外線樹脂硬化装置である。
また、本発明によれば、下記実施例に示される通り、フォトレジスト等に含まれる、又はそこから発生する低分子量成分による紫外線透過窓内面の汚れを、十分に乾式洗浄できる。これにより、紫外線透過窓を介して、筐体内部に配置される対象物への紫外線照射効率が落ちない。これにより、対象物の処理を繰り返しても、紫外線源の位置調整を不要とすることもできる。
当然、本発明は、乾式洗浄機能付の紫外線樹脂硬化装置としても実現できる。
市販されている紫外線樹脂硬化装置は、内部に硬化対象樹脂を少なくとも有する対象物を載置可能な硬化用筐体と、硬化用筐体に設けられた紫外線透過窓と、紫外線源とを必須とするが、必要に応じ、対象物を加熱する加熱手段と、筐体内部を減圧する減圧手段を設けると良い。
また、例えばキセノン(Xe)で封入された低圧水銀ランプにおいては、水銀の輝線と共にキセノン(Xe)の輝線も放射されうる。特にキセノン(Xe)の波長172nmの輝線は、酸素分子を1D状態の酸素原子と3P状態の酸素原子に分解することから、1段階で酸素分子から高エネルギー状態の1D状態の酸素原子を生成する点で、本願発明に相乗効果をもたらす。
〔ウエハ処理条件〕
図示しない照度計を用いて高さを調整し、1枚ごとにウエハWfへの照度を調整する。
ウエハWfは1枚ごとに、大気圧下で室温での搬入後、減圧と温度上昇を開始する。3000Paの減圧下、プレート温度110℃となったのちに3分間の紫外線照射を行い、パターニングされたレジストRの紫外線硬化処理を行う。この後冷却及び減圧を解除し、ウエハWfを搬出する。
まず、比較のため、上記のウエハ処理条件で、ウエハ処理作業を1000回(ウエハ1000枚)実施した後に、ホットプレート15上の照度を計測した。紫外線源30の位置を1枚目のウエハWfを処理した際の位置としたところ、照度は1枚目のウエハWfを処理した際の照度の85%に低下していた。石英窓20の内面201には、有機溶剤で洗浄可能な、赤褐色の有機物が付着していた。
〔実験1〕
上記のウエハ処理条件で、ウエハ処理作業を25回(ウエハ25枚)実施した後に、筐体内に酸素を2L/分(標準状態)で供給しながら紫外線照射を5分行った。以上の作業をウエハ1000枚分、即ち40回繰り返した。この後、ホットプレート15上の照度を計測したところ、紫外線源30の位置を1枚目のウエハWfを処理した際の位置としても、照度は1枚目のウエハWfを処理した際の照度から低下していなかった。
〔実験2〕
上記のウエハ処理条件で、ウエハ処理作業を1回(ウエハ1枚)実施した後に、筐体内に酸素を2L/分(標準状態)で供給しながら紫外線照射を30秒行った。以上の作業をウエハ1000枚分、即ち1000回繰り返した。この後、ホットプレート15上の照度を計測したところ、紫外線源30の位置を1枚目のウエハWfを処理した際の位置としても、照度は1枚目のウエハWfを処理した際の照度から低下していなかった。
尚、実験1及び2を、酸素ボンベ50に替えて圧縮空気のボンベにつなぎ替えて実施しても、ほぼ同様の結果が得られた。
10:硬化用筐体
15:ホットプレート(加熱手段)
20:紫外線透過窓(石英窓)
201:紫外線透過窓の硬化用筐体内部側の面(内面)
30:紫外線源(低圧水銀ランプ)
40:減圧手段(減圧用ポンプ)
41、51、61:開閉バルブ
50:酸素ボンベ
60:排気手段
Claims (4)
- 紫外線透過窓を有し、内部に硬化対象樹脂を少なくとも有する対象物を載置可能であって、且つ内部を減圧可能とした硬化用筐体と、紫外線源とを有する紫外線樹脂硬化装置内部の乾式洗浄方法であって、
前記硬化用筐体内部に酸素ガス、又は酸素を含有する化学種のガスを導入しつつ、前記紫外線源から前記紫外線透過窓を介して当該前記硬化用筐体内部の酸素ガス、又は酸素を含有する化学種のガスに、励起、活性化又は分解その他の化学反応を生じさせて、
主として前記紫外線透過窓の前記硬化用筐体内部側に付着した有機汚染物質を分解し除去することを特徴とする紫外線樹脂硬化装置内部の乾式洗浄方法。 - 前記紫外線源の発する光には、少なくとも波長254nm及び185nmの水銀の輝線が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の紫外線樹脂硬化装置内部の乾式洗浄方法。
- 前記導入するガスは酸素ガスであり、紫外線によりオゾンを前記硬化用筐体内部に発生させて前記紫外線透過窓の前記硬化用筐体内部側に付着した有機汚染物質を分解し除去することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紫外線樹脂硬化装置内部の乾式洗浄方法。
- 内部に硬化対象樹脂を少なくとも有する対象物を載置可能な硬化用筐体と、
前記硬化用筐体に設けられた紫外線透過窓と、
紫外線源と、
前記硬化用筐体内部に、酸素ガス、又は酸素を含有する化学種のガスを導入する手段とを有することを特徴とする乾式洗浄機能付き紫外線樹脂硬化装置。
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