しかしながら、特許文献2に開示された技術では、以下のような問題点が生じるおそれがある。即ち、第1サブフィールド期間における低解像度のライン走査に続く第2サブフィールド期間では、既に第1サブフィールド期間で対応する画像信号が供給された一の走査線を除く他のしかも大部分の走査線を、ライン走査する必要がある。このため、第2サブフィールド期間で、不規則な選択が行われる事態が生じ得る。特に、第2サブフィールド期間では走査線の選択回数が、第1サブフィールド期間における走査線グループの選択回数と比較して著しく多くなる。従って、第1及び第2サブフィールド期間で、走査線の選択に係る動作が相異なることに加え、第2サブフィールド期間における動作が複雑高度且つ煩雑となり、特に、要求される走査速度が著しく高速化しかねないという技術的問題点が生じる。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、走査線の選択を簡略化させ或いは走査速度を低下させつつ、FS方式による表示装置の駆動を行うことが可能な表示装置の駆動方法及び回路、該駆動回路を備えた電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた電子機器を提供することを課題とする。
本発明の第1の表示装置の駆動方法は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及びデータ線と、該走査線及びデータ線の交差に対応して形成される複数の画素部と、複数の単位色に相当する光を時分割で前記画素部に供給可能な光源とを備える表示装置を駆動する表示装置の駆動方法であって、フレーム画像を構成する前記単位色毎のフィールド画像の各々を、前記単位色毎のフィールド期間の各々が分割されてなる第1から第n(但し、nは2以上の自然数)サブフィールド期間に対応して前記走査線別に示す画像信号を、前記データ線に供給する画像信号供給工程と、前記第1サブフィールド期間に、前記走査線のうちm(但し、mは2以上の自然数)本の走査線からなるグループに含まれる第i(但し、iはm以下の自然数)走査線に対応する前記画像信号の供給に同期して、前記グループ別にまとめて走査信号を前記走査線に供給することで、前記データ線に沿った方向に、前記グループ単位のライン走査を実行する第1走査工程と、前記第2サブフィールド期間に、前記グループに含まれる第j(但し、jはiと異なるm以下の自然数)走査線に対応する前記画像信号の供給に同期して、前記第j走査線に走査信号を供給することで、前記グループ単位のライン走査と同一走査速度で、前記第j走査線を走査対象とする所定本数おきのライン走査を実行する第2走査工程とを備える。
本発明の第1の表示装置の駆動方法によれば、例えば液晶装置である表示装置は、次のようにFS方式で駆動される。
即ち、一方で、例えばRGBの単位色毎のフィールド画像の各々を第1から第nサブフィールド期間に対応して走査線別に示す画像信号は、例えばデータ線駆動回路、又はデータ信号若しくは画像信号供給装置によって、データ線に供給される。
他方で、先ず第1走査工程によって、第1サブフィールド期間に、走査信号は、m本の走査線からなるグループに含まれる第i走査線に対応する画像信号の供給に同期して、グループ別にまとめて走査線に供給される。これにより、典型的にはデータ線に沿った方向(例えば、Y方向或いは縦方向)に相隣接するm本のグループ単位での、謂わば低解像度のライン走査が実行される。この際、最終的に表示されるべき走査線別の画像信号と走査線とが正規に合致しているのは、m本の走査線のうち第i走査線のみである。即ち、この時点における解像度は、データ線に沿った方向について本来のフィールド画像の解像度に対して1/mに対応する。但し、例えば風景、人物像、アニメーション、コンピュータ画像等々の人間が視察可能な画像においては、データ線に沿って並ぶ複数の画素間における、表示すべき画像の輝度や色彩の差は、一般に小さい。従って、この時点で、或いは後続の第2走査工程の後に、光源による光の供給を行うことで、このような低解像度のサブフィールド画像を表示しても、視覚上は相応に理解可能な画像となる。
尚、好ましくは、この第1走査工程を行っている最中には、光源による光の供給を行わないでよく、実際にこのような低解像度の画像は、表示されなくてよい。
次に第2走査工程によって、第2サブフィールド期間に、走査信号は、グループに含まれる第j走査線に対応する画像信号の供給に同期して、第j走査線に供給される。これにより、グループ単位のライン走査と同一走査速度で、第j走査線を走査対象とする所定本数おきのライン走査が実行される。この際、最終的に表示されるべき走査線別の画像信号と走査線とが正規に合致しているのは、m本の走査線のうち第i及び第j走査線の2本である。
このように、第2走査工程後における解像度は、データ線に沿った方向について本来のフィールド画像の解像度に対して2/mに対応するものへと向上されている。よって、この時点で、光の供給を行うことで、第1走査工程の直後より顕著に解像度に勝るサブフィールド画像を表示できる。
尚、この第2走査工程の最中に、光の供給を行わないことで、実際にこのような画像は、表示されなくてもよい。即ち、第3サブフィールド以降で解像度を更に高めた上で、光の供給を行うことで、第2走査工程の直後より解像度に勝るサブフィールド画像を表示してもよい。但し、光源による光の供給を遅らせると、表示画像が暗くなるので、解像度と輝度とに係る装置仕様や要望に応じて、どの時点から光を供給するかを決めればよい。
しかも、第j走査線を走査対象とする第2走査工程では、第1走査工程におけるグループ単位のライン走査と同一走査速度で、所定本数おきのライン走査が実行される。このため、走査信号の供給については、一定の走査速度で行えばよいので、走査信号の供給に係る装置構成及び制御動作は、簡単或いは容易なもので済む。例えば、後述のイネーブル信号を用いれば、一定の走査速度でのライン走査は簡単に実行可能となる。この際、前述の背景技術の如く、第2サブフィールド期間以降で可変或いは高速のライン走査は不要である。特に、第2サブフィールド期間或いはそれ以降では、第1サブフィールド期間とは異なり、グループにつき一本ずつ走査線を走査すればよいので、そのための装置構成及び制御動作は、基本的に簡単或いは容易なもので済む。
他方で、画像信号の供給タイミングについてもサブフィールド期間毎に走査線別の画像信号を順次供給すれば済むので、画像信号の供給に係る装置構成及び制御動作も、基本的に簡単或いは容易なもので済む。
以上のように走査線の選択を簡略化でき、走査速度を相対的に低下させつつ或いは走査速度の高速化を抑制しつつ、FS方式による表示装置の駆動を行える。
本発明の第1の表示装置の駆動方法の一態様では、前記第3サブフィールド期間以降に、前記走査線のうち、前記第i及び第j走査線を含むライン走査済みの走査線を除く、他の走査線に対応する前記画像信号の供給に夫々同期して、前記他の走査線に走査信号を順次供給することで、前記同一走査速度で、前記他の走査線を走査対象とする所定本数おきのライン走査を順次実行する後続走査工程を更に備え、前記後続走査工程では、前記フィールド期間毎に、前記走査線の全てに対して対応する前記画像信号の供給が実行されるまで前記ライン走査が実行される。
この態様によれば、後続走査工程によって、第3サブフィールド期間以降に、走査信号は、従前のサブフィールド期間で既に対応する画像信号の供給が実行されたライン走査済みの走査線を除く、他の走査線に対応する画像信号の供給に夫々同期して、他の走査線に順次供給される。
典型的には、第3サブフィールド期間に、走査信号は、第1及び第2サブフィールド期間で既に対応する画像信号の供給が実行された第i及び第j走査線を除く、第k(但し、kはi又はjと異なる自然数)走査線に対応する画像信号の供給に同期して、第k走査線に供給される。更に、第4サブフィールド期間に、走査信号は、第1、第2及び第3サブフィールド期間で既に対応する画像信号の供給が実行された第i、第j及び第k走査線を除く、第L(但し、Lはi、j又はkと異なる自然数)走査線に対応する画像信号の供給に同期して、第L走査線に供給される。更に、同様のライン走査が、対応する画像信号が供給されていない、各グループ中の残余の走査線を対象にして行われる。
後続走査工程では、フィールド期間毎に、走査線の全てに対して対応する画像信号の供給が実行されるまで、このようなライン走査が、走査対象が変更されつつ繰り返して実行される。
よって、後続走査工程では、最終的に表示されるべき走査線別の画像信号と走査線とが正規に合致しているのは、後のサブフィールド期間になればなるほど、多くなり、ついには、全ての走査線について合致を見る。
このように、後続走査工程により得られる解像度は、データ線に沿った方向について顕著に向上されている。よって、後続走査工程の任意の時点で、光の供給を行うことで、第1走査工程の直後より顕著に解像度に勝るサブフィールド画像を表示できる。言い換えれば、同一フィールド期間中には、後続走査工程におけるサブフィールド期間別のライン走査が実行されるに連れて、視覚上は解像度が徐々に向上してくる。よって、走査速度を高めることで、第1走査工程直後のサブフィールド画像の存在により(或いはこれに加えて第2走査工程直後のサブフィールド画像の存在により)、視覚上で低解像度との印象を殆ど与えないようにすることも可能である。
しかも、他の走査線を走査対象とする後続走査工程では、第1走査工程におけるグループ単位のライン走査と同一走査速度で、所定本数おきのライン走査が実行される。このため、走査信号の供給については、一定の走査速度で行えばよいので、走査信号の供給に係る装置構成及び制御動作は、非常に簡単或いは容易なもので済む。特に、第3サブフィールド期間或いはそれ以降では、第1サブフィールド期間とは異なり、第2サブフィールドと同様に、グループにつき一本ずつ走査線を走査すればよいので、そのための装置構成及び制御動作も、非常に簡単或いは容易なもので済む。
本発明の第2の表示装置の駆動方法は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及びデータ線と、該走査線及びデータ線の交差に対応して形成される複数の画素部と、複数の単位色に相当する光を時分割で前記画素部に供給可能な光源とを備える表示装置を駆動する表示装置の駆動方法であって、フレーム画像を構成する前記単位色毎のフィールド画像の各々を、前記単位色毎のフィールド期間の各々が分割されてなる第1から第n(但し、nは2以上の自然数)サブフィールド期間に対応して前記走査線別に示す画像信号を、前記データ線に供給する画像信号供給工程と、前記第1サブフィールド期間に、前記走査線のうちm(但し、mは2以上の自然数)本の走査線からなるグループに含まれる第i(但し、iはm以下の自然数)走査線に対応する前記画像信号の供給に同期して、前記グループ別にまとめて走査信号を前記走査線に供給することで、前記データ線に沿った方向に、前記グループ単位のライン走査を実行する第1走査工程と、前記第2サブフィールド期間に、前記グループに含まれる第j(但し、jはiと異なるm以下の自然数)走査線に対応する前記画像信号の供給に同期して、前記グループから前記第i走査線を除外し且つ前記第j走査線を含めた残余のグループ別にまとめて走査信号を供給することで、前記グループ単位のライン走査と同一走査速度で、前記残余のグループ単位のライン走査を実行する第2走査工程とを備える。
本発明の第2の表示装置の駆動方法によれば、例えば液晶装置である表示装置は、次のようにFS方式で駆動される。
即ち、一方で、例えばRGBの単位色毎のフィールド画像の各々を第1から第nサブフィールド期間に対応して走査線別に示す画像信号は、例えばデータ線駆動回路、又はデータ信号若しくは画像信号供給装置によって、データ線に供給される。
他方で、先ず第1走査工程によって、第1サブフィールド期間に、走査信号は、m本の走査線からなるグループに含まれる第i走査線に対応する画像信号の供給に同期して、グループ別にまとめて走査線に供給される。これにより、典型的にはデータ線に沿った方向(例えば、Y方向或いは縦方向)に相隣接するm本のグループ単位での、謂わば低解像度のライン走査が実行される。この際、最終的に表示されるべき走査線別の画像信号と走査線とが正規に合致しているのは、m本の走査線のうち第i走査線のみである。即ち、この時点における解像度は、データ線に沿った方向について本来のフィールド画像の解像度に対して1/mに対応する。但し、例えば風景、人物像、アニメーション、コンピュータ画像等々の人間が視察可能な画像においては、データ線に沿って並ぶ複数の画素間における、表示すべき画像の輝度や色彩の差は、一般に小さい。従って、この時点で、或いは後続の第2走査工程の後に、光源による光の供給を行うことで、このような低解像度のサブフィールド画像を表示しても、視覚上は相応に理解可能な画像となる。
尚、好ましくは、この第1走査工程を行っている最中には、光源による光の供給を行わないでよく、実際にこのような低解像度の画像は、表示されなくてよい。
次に第2走査工程によって、第2サブフィールド期間に、走査信号は、グループに含まれる第j走査線に対応する前記画像信号の供給に同期して、グループから第i走査線を除外し且つ第j走査線を含めた残余のグループ別にまとめて、供給される。これにより、グループ単位のライン走査と同一走査速度で、残余のグループ単位のライン走査が実行される。典型的には、m本の走査線のうち、第i走査線を除くm−1本の走査線を残余のグループとして、一本おきの或いは一本間引かれた形式でのライン走査が実行される。この際、最終的に表示されるべき走査線別の画像信号と走査線とが正規に合致しているのは、m本の走査線のうち第i及び第j走査線の2本である。
このように、第2走査工程後における解像度は、データ線に沿った方向について本来のフィールド画像の解像度に対して2/mに対応するものへと向上されている。よって、この時点で、光の供給を行うことで、第1走査工程の直後より顕著に解像度に勝るサブフィールド画像を表示できる。
尚、この第2走査工程の最中に、光の供給を行わないことで、実際にこのような画像は、表示されなくてもよい。即ち、第3サブフィールド以降で解像度を更に高めた上で、光の供給を行うことで、第2走査工程の直後より解像度に勝るサブフィールド画像を表示してもよい。但し、光源による光の供給を遅らせると、表示画像が暗くなるので、解像度と輝度とに係る装置仕様や要望に応じて、どの時点から光を供給するかを決めればよい。
しかも、第2走査工程では、第1走査工程におけるグループ単位のライン走査と同一走査速度で、残余のグループ単位のライン走査が実行される。このため、走査信号の供給については、一定の走査速度で行えばよいので、走査信号の供給に係る装置構成及び制御動作は、簡単或いは容易なもので済む。例えば、後述のイネーブル信号を用いれば、一定の走査速度でのライン走査は簡単に実行可能となる。この際、前述の背景技術の如く、第2サブフィールド期間以降で可変或いは高速のライン走査は不要である。
他方で、画像信号の供給タイミングについてもサブフィールド期間毎に走査線別の画像信号を順次供給すれば済むので、画像信号の供給に係る装置構成及び制御動作も、基本的に簡単或いは容易なもので済む。
以上のように走査線の選択を簡略化でき、走査速度を相対的に低下させつつ或いは走査速度の高速化を抑制しつつ、FS方式による表示装置の駆動を行える。特に、第i走査線に対応する画像信号が最後のライン走査まで残る上述した本発明の第1の表示装置の駆動方法と比べて、走査線毎の画素に対して供給される画像信号は、各走査線に対応する画像信号でなくとも、より近くに位置する走査線に対応する画像信号に逐次置き換えられていく分だけ、解像度がより早期に高められる。
本発明の第2の表示装置の駆動方法の一態様では、前記第3サブフィールド期間以降に、前記走査線のうち、前記第i及び第j走査線を含むライン走査済みの走査線を除く、他の走査線に対応する前記画像信号の供給に夫々同期して、前記残余のグループから前記第j走査線を除外し且つ前記他の走査線を含めた更に残余のグループ別にまとめて走査信号を順次供給することで、前記同一走査速度で、前記更に残余のグループ単位のライン走査を順次実行する後続走査工程を更に備え、前記後続走査工程では、前記フィールド期間毎に、前記走査線の全てに対して対応する前記画像信号の供給が実行されるまで前記ライン走査が実行される。
この態様によれば、後続走査工程によって、第3サブフィールド期間以降に、走査信号は、従前のサブフィールド期間で既に対応する画像信号の供給が実行されたライン走査済みの走査線を除く、他の走査線に対応する画像信号の供給に夫々同期して、該ライン走査済みの走査線を除外し且つ該他の走査線を含めた“更に残余のグループ”別にまとめて順次供給される。
典型的には、第3サブフィールド期間に、走査信号は、第1及び第2サブフィールド期間で既に対応する画像信号の供給が実行された第i及び第j走査線を除く、第k(但し、kはi又はjと異なる自然数)走査線に対応する画像信号の供給に同期して、第k走査線を含む“更に残余のグループ”に供給される。ここでは“更に残余のグループ”とは、m本の走査線のうち、第i及び第j走査線を除くm−2本の走査線となる。更に、第4サブフィールド期間に、走査信号は、第1、第2及び第3サブフィールド期間で既に対応する画像信号の供給が実行された第i、第j及び第k走査線を除く、第L(但し、Lはi、j又はkと異なる自然数)走査線に対応する画像信号の供給に同期して、第L走査線を含む“更に残余のグループ”に供給される。ここでは“更に残余のグループ”とは、m本の走査線のうち、第i、第j及び第k走査線を除くm−3本の走査線となる。更に、同様のライン走査が、対応する画像信号が供給されていない、各グループ中の残余の走査線からなる“更に残余のグループ”を対象にして行われる。
後続走査工程では、フィールド期間毎に、走査線の全てに対して対応する画像信号の供給が実行されるまで、即ち“更に残余のグループ”を構成する走査線の本数が1本となってのライン走査が完了されるまで、このようなライン走査が、走査対象が変更されつつ繰り返して実行される。
よって、後続走査工程では、最終的に表示されるべき走査線別の画像信号と走査線とが正規に合致しているのは、後のサブフィールド期間になればなるほど、多くなり、ついには、全ての走査線について合致を見る。
このように、後続走査工程により得られる解像度は、データ線に沿った方向について顕著に向上されている。よって、後続走査工程の任意の時点で、光の供給を行うことで、第1走査工程の直後より顕著に解像度に勝るサブフィールド画像を表示できる。言い換えれば、同一フィールド期間中には、後続走査工程におけるサブフィールド期間別のライン走査が実行されるに連れて、視覚上は解像度が徐々に向上してくる。よって、走査速度を高めることで、第1走査工程直後のサブフィールド画像の存在により(或いはこれに加えて第2走査工程直後のサブフィールド画像の存在により)、視覚上で低解像度との印象を殆ど与えないようにすることも可能である。
しかも、他の走査線を含めた“更に残余のグループ”を走査対象とする後続走査工程では、第1走査工程におけるグループ単位のライン走査と同一走査速度で、所定本数おきのライン走査が実行される。このため、走査信号の供給については、一定の走査速度で行えばよいので、走査信号の供給に係る装置構成及び制御動作は、非常に簡単或いは容易なもので済む。
本発明の第1又は第2の表示装置の駆動方法の他の態様では、前記第1サブフィールド期間に、前記光源により前記光が供給されず、前記第2サブフィールド期間以降に、前記光源により前記光が供給される。
この態様によれば、サブフィールド画像における解像度が最も低い第1サブフィールド期間には、光源による光の供給を行わないことで、画像表示が行われない。続いて、サブフィールド画像における解像度が顕著に高められた第2サブフィールド期間以降には、光源による光の供給を行うことで、画像表示が行わる。よって、解像度と明るさとを実践上適度に両立させることが可能となる。
本発明の第1の表示装置の駆動回路は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及びデータ線と、該走査線及びデータ線の交差に対応して形成される複数の画素部と、複数の単位色に相当する光を時分割で前記画素部に供給可能な光源とを備える表示装置を駆動する表示装置の駆動回路であって、フレーム画像を構成する前記単位色毎のフィールド画像の各々を、前記単位色毎のフィールド期間の各々が分割されてなる第1から第n(但し、nは2以上の自然数)サブフィールド期間に対応して前記走査線別に示す画像信号を、前記データ線に供給する画像信号供給手段と、前記第1サブフィールド期間に、前記走査線のうちm(但し、mは2以上の自然数)本の走査線からなるグループに含まれる第i(但し、iはm以下の自然数)走査線に対応する前記画像信号の供給に同期して、前記グループ別にまとめて走査信号を前記走査線に供給することで、前記データ線に沿った方向に、前記グループ単位のライン走査を実行し、前記第2サブフィールド期間に、前記グループに含まれる第j(但し、jはiと異なるm以下の自然数)走査線に対応する前記画像信号の供給に同期して、前記第j走査線に走査信号を供給することで、前記グループ単位のライン走査と同一走査速度で、前記第j走査線を走査対象とする所定本数おきのライン走査を実行する走査手段とを備える。
本発明の第1の表示装置の駆動回路は、上述した本発明の第1の表示装置の駆動方法と同様に、走査線の選択を簡略化でき、走査速度を相対的に低下させつつ或いは走査速度の高速化を抑制しつつ、FS方式による表示装置の駆動を行える。
尚、本発明の第1の表示装置の駆動回路においても、上述した本発明の第1の表示装置の駆動方法における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明の第2の表示装置の駆動回路は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及びデータ線と、該走査線及びデータ線の交差に対応して形成される複数の画素部と、複数の単位色に相当する光を時分割で前記画素部に供給可能な光源とを備える表示装置を駆動する表示装置の駆動回路であって、フレーム画像を構成する前記単位色毎のフィールド画像の各々を、前記単位色毎のフィールド期間の各々が分割されてなる第1から第n(但し、nは2以上の自然数)サブフィールド期間に対応して前記走査線別に示す画像信号を、前記データ線に供給する画像信号供給手段と、前記第1サブフィールド期間に、前記走査線のうちm(但し、mは2以上の自然数)本の走査線からなるグループに含まれる第i(但し、iはm以下の自然数)走査線に対応する前記画像信号の供給に同期して、前記グループ別にまとめて走査信号を前記走査線に供給することで、前記データ線に沿った方向に、前記グループ単位のライン走査を実行し、前記第2サブフィールド期間に、前記グループに含まれる第j(但し、jはiと異なるm以下の自然数)走査線に対応する前記画像信号の供給に同期して、前記グループから前記第i走査線を除外し且つ前記第j走査線を含めた残余のグループ別にまとめて走査信号を供給することで、前記グループ単位のライン走査と同一走査速度で、前記残余のグループ単位のライン走査を実行する走査手段とを備える。
本発明の第2の表示装置の駆動回路は、上述した本発明の第2の表示装置の駆動方法と同様に、走査線の選択を簡略化でき、走査速度を相対的に低下させつつ或いは走査速度の高速化を抑制しつつ、FS方式による表示装置の駆動を行える。
尚、本発明の第2の表示装置の駆動回路においても、上述した本発明の第2の表示装置の駆動方法における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明の第1又は第2の表示装置の駆動回路と、前記走査線及びデータ線と、前記画素部と、前記光源とを備える。
本発明の電気光学装置によれば、上述した本発明の第1又は第2の表示装置の駆動回路と同様に、走査線の選択を簡略化でき、走査速度を相対的に低下させつつ或いは走査速度の高速化を抑制しつつ、FS方式による表示装置の駆動を行える。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を具備してなる。
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品位な表示を行うことが可能な、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下では、本発明に係る駆動方法及び回路、更には本発明に係る駆動方法により駆動される電気光学装置、並びに電子機器の各実施形態について図を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態では、表示装置の一例である電気光学装置として、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例に挙げて説明する。
<第1実施形態>
先ず、液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに、図1は、液晶装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は、液晶パネルの電気的な構成を示すブロック図である。
図1に示すように、液晶装置は、主要部として、液晶パネル100、光源200、コントローラ500、フレームメモリ600、及び電源回路700を備える。
コントローラ500は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の論理演算回路を含んで構成される。具体的には、コントローラ500には、画像信号供給回路502、タイミング制御回路504、及び光源制御回路506が含まれる。
コントローラ500には、水平同期信号Hs及び垂直同期信号Vs、ドットクロックDCLK、並びに表示データR−DATA、G−DATA及びB−DATAが供給される。これらの各種の供給信号は、例えば液晶装置外のビデオデッキ等の外部装置(図示省略)で生成されるか、このような外部装置からのソース信号に基づいて液晶装置内の回路(図示省略)で生成されて、コントローラ500に供給される。
画像信号供給回路502には、水平同期信号Hs、垂直同期信号Vs及びドットクロックDCLK、並びに表示データR−DATA、G−DATA及びB−DATAが供給される。
ここに、本実施形態では、一例として、表示データR−DATA、G−DATA及びB−DATAが、1枚のカラーのフレーム画像を構成する複数の単位色のフィールド画像として、R、G、Bの3色の各々のフィールド画像を表示するための画像データであることを前提とする。即ちこの場合、R画像(即ちRフィールド画像)を表示するための表示データR−DATA、G画像(即ちGフィールド画像)を表示するための表示データG−DATA、及びB画像(即ちBフィールド画像)を表示するための表示データB−DATAがコントローラ500に供給される。
画像信号供給回路502は、例えば、表示データR−DATA、G−DATA及びB−DATAに基づいて、1枚のカラーのフレーム画像を表示するための1フレーム(即ちフレーム期間)毎に、R、G、Bの各々の画像を順次にフィールド(即ちフィールド期間)毎に表示するための3種のフィールドデータ(即ちフィールド画像を示す画像データ)を生成する。画像信号供給回路502は、生成した3種のフィールドデータをフレームメモリ600に一時的に蓄積し、1フィールドを構成する各サブフィールドで3種のフィールドデータのうち、対応する色(R、G、Bのうちの一色)の画像を表示するためのフィールドデータを、ライン走査用の順番で読み出す。
画像信号供給回路502は、読み出した1種のフィールドデータに対して所定の処理を行い、一の走査線に対して走査信号が供給される周期に同期して、走査線に沿った画素行毎の、即ち走査ライン毎の画像信号Vdを生成する。ここにいう所定の処理として例えば、画像信号供給回路502では、1種のフィールドデータをシリアル−パラレル変換して、N相、例えば6相(N=6)の画像信号Vd1〜Vd6を生成してもよい。更に、画像信号供給回路502では、生成した画像信号Vdの電位を、所定の周期(例えば、一の走査線に対して走査信号が供給される周期、1サブフィールド周期、或いは1フィールド周期、1フレーム周期)で所定の基準電位に対して正極性(+)及び負極性(−)に反転した後、画像信号Vdを出力するようにしてもよい。
タイミング制御回路504は、各種タイミング信号を出力するように構成されている。具体的には、タイミング制御回路504は、水平同期信号Hs、垂直同期信号Vs及びドットクロックDCLKに基づいて、Yクロック信号CLY(及びその反転信号である反転Yクロック信号CLYinv)、Xクロック信号CLX(及びその反転信号である反転Xクロック信号XCLinv)、YスタートパルスDY及びXスタートパルスDXが生成される。更に、タイミング制御回路504において、後述する走査信号の出力タイミングを決定する4種のイネーブル信号ENB1〜ENB4が生成される。
これら各種タイミング信号は、タイミング制御回路504から出力され、コントローラ500内の各部に加えて、後述する液晶パネル100に搭載される内部駆動回路の各部においても使用される。
また、光源200は、その詳細な内部構成については図示を省略してあるが、複数の単位色として、R、G、Bの3色の各々の各色毎に、R、G、Bの各々に相当する光を時分割で、液晶パネル100の各画素部に供給可能なように構成される。具体的には、光源200は、例えば複数の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)から構成されており、複数のLEDは夫々、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)に相当する光を時分割で出射する。即ち、複数のLEDは、発光期間が互いに重ならないように、夫々周期的に光を出射する。出射された光は、例えば合成プリズム等によって合成されて、液晶パネル100へと照射される。尚、一つの光源200から色調が異なる複数の光が、時分割で出射されるようにしてもよい。
光源制御回路506は、1フレームにおける各フィールドで、光源200の動作を制御する。
また、電源回路700は、所定の共通電位LCCの共通電源を液晶パネル100に供給する。液晶パネル100においては、例えば、画素部毎に設けられた画素電極と対向するように対向電極が形成されるが(詳細は後述する)、電源回路700より対向電極に共通電源LCCが供給される。なお、電源回路700は、コントローラ500内に設けられるようにしてもよい。
次に、図2を参照して液晶パネル100における電気的な構成について説明する。
図2において、液晶パネル100における画像表示領域10aには、複数の走査線11a及び複数のデータ線6aが互いに交差して配線され、これら交差に対応して画素に対応する画素部9がマトリクス状に設けられている。画素部9は、走査線11a及びデータ線6aの各々に電気的に接続されている。
図2において、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域には、データ線駆動回路101及びサンプリング回路7、並びに走査線駆動回路104が設けられている。
走査線駆動回路104は、本発明に係る「走査手段」の一例を構成し、タイミング制御回路504より、Yクロック信号CLY(及び反転Yクロック信号CLYinv(図示せず))、YスタートパルスDYが供給される。走査線駆動回路104は、YスタートパルスDYが入力されると、Yクロック信号CLY及び反転Yクロック信号CLYinvに基づくタイミングで走査信号を順次生成して走査線11aに出力する。
より具体的には、後述するように、Yクロック信号CLY(反転Yクロック信号CLYinv)、及びYスタートパルスDYが供給されることによって、基本的な線順次の水平走査が可能となっている。更に、走査線駆動回路104は、タイミング制御回路504より供給されたイネーブル信号ENB1〜ENB4に基づくタイミングで、後述するような順序で走査信号を出力する。
データ線駆動回路101には、タイミング制御回路504より、Xクロック信号CLX(及び反転Xクロック信号CLXinv(図示せず))、XスタートパルスDXが供給される。そして、データ線駆動回路101は、XスタートパルスDXが入力されると、Xクロック信号CLX(及び反転Xクロック信号CLXinv)に基づくタイミングで、サンプリング信号S1、…、Snを生成して順次に出力する。
サンプリング回路7は、画像信号線6から画像信号が供給されるデータ線6aを選択するためにデータ線6a毎に設けられたスイッチング素子(即ち、サンプリングスイッチ)71からなり、そのスイッチング動作は、データ線駆動回路101からのサンプリング信号S1、…、Snによってタイミング制御されるように構成されている。
サンプリング回路7には、画像信号Vdが、画像信号供給回路502により6相にシリアル−パラレル変換、即ち相展開された画像信号Vd1〜Vd6として、6本の画像信号線6を介して供給される。6本の画像信号線6は夫々、画像信号Vdの入力端子(後述する外部回路接続端子)から、データ線駆動回路101の周囲を迂回して引き回され、データ線6aの配列方向(即ち、X方向)に沿って配線されている。
サンプリング回路7において、N個、本実施形態では6個のサンプリングスイッチ71を1群とし、1群に属するサンプリングスイッ71には夫々、サンプリング信号Si(i=1、2、・・・、n)が入力される。1群に属するサンプリングスイッチ71は、N本、本実施形態では6本のデータ線6aを1群とし、1群に属するデータ線6aに対し、サンプリング信号Siに応じて、画像信号Vdをサンプリングして供給する。即ち、1群に属するサンプリングスイッチ71を介して、1群に属するデータ線6aと画像信号線6が電気的に接続される。従って、本実施形態では、画像表示領域10aに配線された複数のデータ線6aを1群に属するデータ線6a毎に駆動するため、駆動周波数が抑えられる。
なお、このように1群のデータ線6aに画像信号が供給される構成に限られず、各データ線6a毎に順次に画像信号が供給されるように構成してもよい。
ここに、本実施形態では、本発明に係る「画像信号供給手段」の一例が、コントローラ500における画像信号供給回路502、並びに液晶パネル100内に搭載されたデータ線駆動回路101及びサンプリング回路7を含んで構成される。
図2において、電源回路700から共通電源として供給される共通電位LCCは、対向電極に電気的に接続される入力端子(後述する上下導通端子)106に供給される。共通電位LCCは、各画素部9の画素電極との電位差を適正に保持して液晶保持容量を形成するための対向電極の基準電位となる。
ここに、図2に示す画素部9の電気的な構成について、図3を参照して説明する。ここに図3は、本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
図2において、画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素部9の夫々には、図3に示すように、画素電極9a及びTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。データ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続され、TFT30のゲートに走査線11aが電気的に接続されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されている。
所定のタイミングで、走査線11aに走査線駆動回路104からの走査信号がパルス的に印加されると、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号Vdが所定のタイミングで画素電極9aに書き込まれる。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号Vdに対応する印加電圧は、対向電極との間で一定期間保持される。
液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。
ここで保持された画像信号Vdがリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。蓄積容量70は、画像信号Vdの供給に応じて各画素電極9aの電位を一時的に保持する保持容量として機能する容量素子である。蓄積容量70の一方の電極は、画素電極9aと並列してTFT30のドレインに接続され、他方の電極は、定電位となるように、電位固定の容量線300に接続されている。蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性が向上し、コントラスト向上やフリッカの低減といった表示特性の向上が可能となる。
次に、図1から図3に加えて、図4から図9を参照して液晶装置の動作について説明する。
先ず、図4を参照して、図2に示す走査線駆動回路104の詳細な構成について説明する。図4には、走査線駆動回路104の構成の一例を示してある。なお、図2において画像表示領域10aを挟んで向かい合う2つの走査線駆動回路104は、好ましくは互いに同様の構成を有する。以下では、2つの走査線駆動回路104のうち一方に着目して、その構成を詳細に説明する。
図4において、走査線駆動回路104の主要部には、Yクロック信号CLY(及び反転Yクロック信号CLYinv)並びにYスタートパルスDYが入力されるシフトレジスタ141と、各走査線11aに対応して設けられるAND回路142とが含まれる。
本実施形態では、4本の走査線11aを1群とする走査線グループ毎にシフトレジスタ141の出力がなされると共に、各走査線グループにおける走査線11aは夫々、4種のイネーブル信号ENB1〜ENB4のいずれかに基づいて、対応するAND回路142により選択されて、走査信号G1、・・・、Gmが供給される。例えば、イネーブル信号ENB1〜ENB4を同時に供給すれば、シフトレジスタ141の出力信号SR1に対応して、走査線グループに対し、走査信号G1〜G4が同時に供給される。或いは、イネーブル信号ENB1〜ENB4を順次に供給すれば、シフトレジスタ141の出力信号SR1に対応して、走査線グループに対し、走査信号G1〜G4が順次に供給される。
次に、FS方式による1枚のカラーのフレーム画像を表示する場合の液晶装置の動作について、より詳細に説明する。ここに、図5は、1フレームにおける走査線の垂直走査(即ち一画面の走査)を説明するためのタイミングチャートである。図6は、走査線駆動回路の動作を説明するためのタイミングチャートであり、図7は、1フィールドにおける走査線の選択を説明するための模式図である。図8は、第1実施形態における画像信号が各画素に書き込まれていく様子を示す、画像表示領域の図式的な拡大平面図である。
尚、以下では、説明を簡略化して本発明の特徴について理解を容易にするために、図7に示すように、走査線11aの総本数m=8とし、シストレジスタ141の出力信号SR1〜SR2に応じて、走査信号G1〜G8が供給されるものとして説明する。実際には、既に図4に示したように、シフトレジスタ141の出力信号SR1〜SR1/mに応じて、より多くの走査信号G1〜Gmが供給される。
図5に示すように、1枚のカラーのフレーム画像を表示するための1フレームは、時間時上でR、G、Bの3色の各々の画像を表示するためのRフィールド、Gフィールド、及びBフィールドに分割されている。即ち、本実施形態では、典型的な一例として、1枚のカラーのフレーム画像を表示するために、複数の単位色としてR、G、Bの3色の各々のフィールド画像が、各フィールドで順次に表示される。
ここで、図5におけるRフィールド、Gフィールド、及びBフィールドの各々の1フィールドあたりの液晶装置の動作について、図6及び図7を参照して説明する。
図6に示すように、1フィールドは時間軸上で、等間隔である第1から第4(n=4)サブフィールドSF1〜SF4に分割されている。
図6において、第1から第4サブフィールドSF1〜SF4の各々では、走査線駆動回路104において、シフトレジスタ141から順次に、1水平走査期間毎に出力信号SR1及びSR2が出力される。ここでは、走査線11aの総本数m=8として説明するため、この場合に限って、出力信号SR1及びSR2は、1水平走査期間毎に交互に出力されることとなる。
図6において、第1から第4サブフィールドSF1〜SF4のうち、第1サブフィールドSF1では、4種のイネーブル信号ENB1〜ENB4は、1水平走査期間毎に一斉にローレベルからハイレベルに立ち上がる。
ここに、図5から図7において、図中の記号マル1〜記号マル8は、1フィールドにおける走査信号Gj(但し、j=1、2、3、・・・、m、ここではm=8)の出力順序及びこれに対応する走査線11aの選択順序を示している。即ち、1フィールドにおいて走査信号Gjが、記号マル1は第1番目に出力されることを意味しており、記号マル2は、第2番目に出力されることを意味しており、以下記号マル3〜記号マル8も夫々同様の出力順序を意味する。なお、この点については、後述する各図についても同様である。
図6において、第1サブフィールドSF1では、最初の1水平走査期間で、出力信号SR1及び4種のイネーブル信号ENB1〜ENB4に基づいて、走査信号G1〜G4が一斉に出力され、続いて、次の1水平走査期間で、出力信号SR2及び4種のイネーブル信号ENB1〜ENB4に基づいて、走査信号G5〜G8が一斉に出力される。このように第1サブフィールドでは、4本の走査線11aが属する走査線グループの単位で、縦方向にライン走査が実行される。
図7(a)に示すように、第1サブフィールドSF1では先ず、走査信号G1が供給される走査線に対応する画像信号が、図1に示す画像信号供給回路502からデータ線6aに供給される。すると、4本の走査線11aからなる走査線グループに対応する4行の画素行(上側4行)に対して、走査信号G1に対応する同一の画像信号が書き込まれることになる。
即ち、図8の第1サブフィールドSF1にあるように、画像表示領域10aにおいて、太線で囲まれた4本の走査線からなる走査線グループSGに対応する4行の画素行に対する低解像度の書き込みが行われる。即ち、これらの4行の画素行中、1番上の走査線に対応する画素行だけが、各画素に付与された記号“T”で示されるように、本来供給されるべき画像信号が書き込まれる。それ以外の3本の走査線に対応する3行の画素行に対しては、各画素に付与された記号“〃”で示されるように、本来供給されるべきではない画像信号(しかし、走査線が近いが故に、ある程度似ている画像信号)が暫定的に書き込まれる。
続いて図7(a)に示すように、第1サブフィールドSF1では更に、走査信号G5が供給される走査線に対応する画像信号が、図1に示す画像信号供給回路502から、データ線6aに供給される。すると、4本の走査線11aからなる走査線グループに対応する4行の画素行(下側4行)に対して、走査信号G5に対応する同一の画像信号が書き込まれることになる。
即ち、図8の第1サブフィールドSF1にあるように、画像表示領域10aにおいて、太線で囲まれた4本の走査線からなる走査線グループSGに対応する4行の画素行に対する低解像度の書き込みが行われる。即ち、これらの4行の画素行中、1番上の走査線に対応する画素行だけが、本来供給されるべき画像信号が書き込まれる。それ以外の3本の走査線に対応する3行の画素行に対しては、本来供給されるべきではない画像信号が暫定的に書き込まれる。
第1サブフィールドSF1では、以上のように走査線グループに対応する4行の画素行毎に、同一の画像信号Vdが供給されることにより、画像表示領域10aにおいては、R、G、Bのうち対応する一の色の低解像度のサブフィールド画像を表示することが可能となる。この時点における解像度は、図8中で、太線で囲まれた4つの画素からなる縦長の矩形領域により規定される。
ここに好ましくは、図5に示すように、第1サブフィールドSF1における画像信号Vdの書き込み期間が開始され、且つ終了されるまでは、図1に示す光源制御回路506は、光源200を消灯させる。従って、第1サブフィールドSF1における書き込み期間中に、画像が表示されることはない。
次に、第1サブフィールドSF1に続く、第2から第4サブフィールドSF2〜SF4の各々では、図5及び図6に示すように、4種のイネーブル信号ENB1〜ENB4のうち、3種のイネーブル信号ENB2〜ENB4のいずれか一つが、1水平走査期間毎にローレベルからハイレベルに立ち上がる。
第2サブフィールドSF2では、図5及び図6に示すように、供給順序が第3番目及び第4番目となる走査信号G2及びG6が夫々順次に、1水平走査期間毎に出力される。
図7(b)に示すように、第2サブフィールドSF2では先ず、走査信号G2が供給される走査線に対応する画像信号が、図1に示す画像信号供給回路502からデータ線6aに供給される。すると、上側4本の走査線11aからなる走査線グループについては、上から2行目の画素行に対して、走査信号G2に対応する画像信号が書き込まれることになる。
即ち、図8の第2サブフィールドSF2にあるように、画像表示領域10aにおいて4本の走査線からなる走査線グループSGに対応する4行の画素行中、太線で囲まれた上から2行目に対し、各画素に付与された記号“T”で示されるように、本来供給されるべき画像信号が書き込まれる。他方で、一番上の行については、既に第1サブフィールドSF1で本来供給されるべき画像信号が書き込まれる。それら以外の2本の走査線に対応する下側2行の画素行に対しては、各画素に付与された記号“〃”で示されるように、本来供給されるべきではない画像信号が暫定的に書き込まれた状態が継続している。
続いて図7(b)に示すように、第2サブフィールドSF2では更に、走査信号G6が供給される走査線に対応する画像信号が、図1に示す画像信号供給回路502から、データ線6aに供給される。すると、下側4本の走査線11aからなる走査線グループについては、上から2行目の画素行に対して、走査信号G6に対応する画像信号が書き込まれることになる。
即ち、図8の第2サブフィールドSF2にあるように、画像表示領域10aにおいて4本の走査線からなる走査線グループSGに対応する4行の画素行中、太線で囲まれた上から2行目に対し、本来供給されるべき画像信号が書き込まれる。他方で、一番上の行については、既に第1サブフィールドSF1で本来供給されるべき画像信号が書き込まれる。それら以外の2本の走査線に対応する下側2行の画素行に対しては、本来供給されるべきではない画像信号が暫定的に書き込まれた状態が継続している。
同様に、図5、図6及び図7(c)に示すように、第3サブフィールドSF3では、供給順序が第5番目及び第6番目となる走査信号G3及びG7が夫々順次に、1水平走査期間毎に出力される。これにより、図8の第3サブフィールドSF3にあるように、走査信号G3及びG7に対応する太線で囲まれた画素行に対して、本来供給されるべき画像信号が書き込まれる。
同様に、図5、図6及び図7(d)に示すように、第4サブフィールドSF4では、供給順序が第7番目及び第8番目となる走査信号G4及びG8が夫々順次に、1水平走査期間毎に出力される。これにより、図8の第4サブフィールドSF4にあるように、走査信号G4及びG8に対応する太線で囲まれた画素行に対して、本来供給されるべき画像信号が書き込まれる。
以上説明したような第2から第4サブフィールドSF2〜SF4の各々で、画像信号Vdの書き込みが行われることで、各画素部の画素電極9aの電位は、第1サブフィールドSF1で暫定的に書き込まれた画像信号Vdに基づく電位から、本来書き込まれるべき画像信号Vdに基づく電位となる。
ここに好ましくは、図5に示すように、各フィールドでは、第1サブフィールドSF1における画像信号Vdの書き込み期間が終了された後から、或いは、第2サブフィールドSF2における画像信号Vdの書き込み期間が開始される前から、図1に示す光源制御回路506は、光源200を点灯させる。従って、第2サブフィールドSF2以降では、表示画像は、その解像度が低解像度から本来の解像度へと向上されながら、表示される。尚、光源200の点灯期間の終了は、第4サブフィールドの後の帰線期間T0の終了時とする。
このように画像表示領域10aでは、第4サブフィールドSF4における画像信号Vdの書き込みが終了した後、各画素部において、R、G、Bのうち対応する一の色のフィールド画像を、本来の解像度で、即ち高解像度で表示することが可能となる。この高解像度での表示に至る以前に、第1サブフィールドSF1における画像信号Vdの書き込みが終了した後、各画素部において、R、G、Bのうち対応する一の色のフィールド画像を、低解像度で表示することが可能となる。
ここで図8及び図9を参照して、低解像度のライン走査を第1サブフィールドSF1で実行することによる効果について検討を加える。ここに、図9は、低解像度のライン走査なしとした場合における、画像信号が画素に書き込まれていく様子を示す、図8と同趣旨の拡大平面図である。
図9に示すように、第1サブフィールドSF1で、低解像度のライン走査を行うことなく、単純に走査線グループの一番上の行に相当する、太線で囲まれた画素行に対して、本来の画像信号が書き込まれるとする。この場合、第2サブフィールドSF2から第4サブフィールドSF4での画像信号の書き込み動作自体は、図8及び図9から分かるように同一である。しかしながら、図9においては、ライン走査の順番が回ってくるまで、暫定的な画像信号が供給されない。このため、第4サブフィールドSF4が終わるまで、何ら書き込みが行われていない画素行が残ってしまう。この書き込みが行われていない画素については、従前のフィールドによる画像信号が残存していたり、帰線期間に黒一色等にリセットされた画像信号が残存していたりするので、図8の場合と比べて、解像度が劣ると共に明るさも劣ることとなる。
これに対して、本実施形態によれば、図5〜図8に示したように、第1サブフィールドで低解像度のライン走査を行うので、任意の時点における解像度が大なり小なり高いことになる。このように、本実施形態によれば、明るさと解像度とをバランスよく向上させることが可能である。
以上図5から図9を参照して説明したように液晶装置が駆動されることにより、図5におけるRフィールドでは、明るさと解像度とにバランスの取れたR画像が画像表示領域10aに表示される。同様に、図5におけるGフィールドでは、明るさと解像度とにバランスの取れたG画像が画像表示領域10aに表示され、図5におけるBフィールドでは、明るさと解像度とにバランスの取れたB画像が画像表示領域10aに表示される。
特に、画像表示領域10aにおいて順次に表示されるR画像、G画像、及びB画像を視覚により観察した場合、視覚(人間の目)における時間的分解能の限界により、R画像、G画像、及びB画像が混色された1のカラー画像として感知される。ここに、R画像、G画像、及びB画像の各々については、各フィールドにおける光源200の点灯開始時から終了に向かって、複数の画素部において暫定的な画像信号に基づき電圧印加される画素部の割合は少なくなっていくため、低解像度の部分が視認される割合は低くなる。よって、第1〜第3サブフィールドに表示される画像における解像度の低下は、3色の画像が混ざってなる一枚のカラー画像として認識される実際の視覚上では、かなり或いは殆ど目立たないようにできる。
加えて、本実施形態によれば、特許文献1に開示されたように複数の光源を配置させなくても、複数の画素部に対して共通の光源200から各フィールドで対応する色の光を供給し、且つ光源200の点灯期間をより長く確保することが可能となる。
尚、1フレーム毎に、R、G、及びBフィールドは時間軸上に所定の順序で配置させることが可能である。
次に、図10及び図11を参照して、本実施形態に対する比較例について説明する。図10は、比較例について、1フィールドにおいて画素部を駆動するための各種信号の経時的変化を示すタイミングチャートであり、図11は、比較例について、1フィールドにおける走査線の選択を説明するための模式図である。尚、以下では、比較例について本実施形態と異なる点についてのみ説明する。
比較例では、図10に示すように、1フィールドを時間軸上で、長さの相異なる第1及び第2サブフィールドSF1及びSF2に分割する。
第1サブフィールドSF1では、走査線駆動回路104(図4参照)において、最初の1水平走査期間で、シフトレジスタ141の出力信号SR1及び4種のイネーブル信号ENB1〜ENB4に基づいて、第1番目の走査信号G1〜G4が一斉に出力され、続いて、次の1水平走査期間で、出力信号SR2及び4種のイネーブル信号ENB1〜ENB4に基づいて、第2番目の走査信号G5〜G8が一斉に出力される。
一方、図1に示す画像信号供給回路502では、第1サブフィールドSF1では、1水平走査期間毎に第1画像信号Vd1kを生成する。
よって図11(a)に示すように、第1サブフィールドSF1では、第1番目の走査信号G1〜G4に基づいて、第1番目の走査線グループに対応する4行の画素行に属する画素部に第1画像信号Vd1kが書き込まれ、第2番目の走査信号G5〜G8に基づいて、第2番目の走査線グループに対応する4行の画素行に属する画素部に第1画像信号Vd1kが書き込まれる。
続いて、第2サブフィールドSF2では、第3から第5番目の走査信号G2〜G4が夫々順次に、1水平走査期間毎に出力され、第6から第8番目の走査信号G6〜G8が夫々順次に、1水平走査期間毎に出力される。
従って、第2サブフィールドSF2では、各走査線グループにおいて、一本目の走査線11aをおいて、走査信号G2〜G4又は走査信号G6〜G8が夫々供給され、第2画像信号Vd2kが供給されていない走査線11aが順次に選択される。
一方、図1に示す画像信号供給回路502は、第2サブフィールドSF2で、1水平走査期間毎に第2画像信号Vd2kを生成する。
よって図11(b)に示すように、第3から第5番目の走査信号G2〜G4並びに第6から第8番目の走査信号G6〜G8に応じて、各走査線グループでは一本目の走査線11aをおいて、二本目から四本目までの走査線11aが夫々選択され、これらの走査線11aに対応する各行の画素部に第2画像信号Vd2kが書き込まれる。
従って、比較例においては、第2サブフィールドSF2では、各走査線11aの選択が規則的に所定の本数おきになされず、第1サブフィールドSF1と比較して第2サブフィールドSF2の走査線の選択回数も多くなる。よって、第1及び第2サブフィールドSF1及びSF2で、走査線11aの選択に係る動作が煩雑となり、且つ第2サブフィールドSF2で走査線11aを選択するための走査速度が著しく高速化するという問題点が生じる。
これに対して、前述の如く本実施形態によれば、第1サブフィールドと長さが同じで且つ等間隔の第2から第4サブフィールドSF2〜SF4の各サブフィールドで、走査線11aの規則的な選択が可能となり、第2から第4サブフィールドSF2〜SF4の各サブフィールドで、走査線11aの選択にかかるタイミングが複雑化するのを防止することができる、言い換えればより簡略化させることが可能となる。また、第2から第4サブフィールドSF2〜SF4の各サブフィールドで走査線11aの選択を行うことで、各サブフィールドで走査線11aの走査速度が著しく高速化するのを防止することができる。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、液晶装置においてFS方式により、より明るく高精細な画像をより容易に表示させることが可能となる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図12から図15を参照して説明する。第2実施形態では、1フィールドにおける第2サブフィールド以降の走査線の選択が、第1実施形態とは異なっている。従って、以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ図を参照して説明し、第1実施形態と同様の構成については、図1から図5を参照して説明すると共に、図13から図12において同一の符号を付して示し、重複する説明を省略することもある。
ここに、図12は、第2実施形態について、1フレームにおける走査線の垂直走査を説明するためのタイミングチャートである。図13は、第2実施形態における走査線駆動回路の動作を説明するためのタイミングチャートであり、図14は、第2実施形態について、1フィールドにおける走査線の選択を説明するための模式図である。図15は、第2実施形態における画像信号が各画素に書き込まれていく様子を示す、図9と同趣旨の拡大平面図である。
尚、以下では、説明を簡略化して本発明の特徴について理解を容易にするために、図14に示すように、走査線11aの総本数m=8とし、シストレジスタ141の出力信号SR1〜SR2に応じて、走査信号G1〜G8が供給されるものとして説明する。実際には、図4に示したように、シフトレジスタ141の出力信号SR1〜SR1/mに応じて、より多くの走査信号G1〜Gmが供給される。
図12に示すように、第2実施形態では、1フレームを構成するRフィールド、Gフィールド、及びBフィールドの各々について、1フィールドは、第1から第4(n=4)サブフィールドSF1〜SF4に分割されている。第1サブフィールドSF1における動作は、4本の走査線グループの単位で低解像度のライン走査が行われており、第1実施形態のそれと同様である。
図12に示すように、第2サブフィールドSF2では、走査線グループ毎に、第1サブフィールドSF1で本来供給されるべき画像信号が既に供給された画素行に対応する1本の走査線を除く、残り3本の走査線グループ(即ち「残余のグループ」)の単位で、ライン走査が行われる。第3サブフィールドSF3では、走査線グループ毎に、第1及び第2サブフィールドSF1及びSF2で本来供給されるべき画像信号が既に供給された画素行に対応する2本の走査線を除く、残り2本の走査線グループ(即ち「残余のグループ」)の単位で、ライン走査が行われる。更に、第4サブフィールドSF4では、走査線グループ毎に、第1から第3サブフィールドSF1〜SF3で本来供給されるべき画像信号が既に供給された画素行に対応する3本の走査線を除く、残り1本の走査線グループ(即ち「残余のグループ」)の単位でライン走査が行われている。
図13に示すように、第1サブフィールドSF1では、1水平走査期間毎に、走査線駆動回路104(図4参照)において、シフトレジスタ141の出力信号SR1及びSR2の各々のハイレベルとなる期間に、4種のイネーブル信号ENB1〜ENB4に基づいて、第1番目の走査信号G1〜G4が一斉に出力され、続いて、第2番目の走査信号G5〜G8が一斉に出力される。
従って、第1サブフィールドSF1では、図14(a)に示されるように、第1実施形態と同様に、各画素部に画像信号Vdが供給されることにより、R、G、Bのうち対応する一の色の低解像度の画像を表示することが可能となる。
図13において、第2から第4サブフィールドSF2〜SF4の各々では、4種のイネーブル信号ENB1〜ENB4のうち、3種のイネーブル信号ENB2〜ENB4のうちいずれか一つ、及び該一のイネーブル信号と共に他のイネーブル信号も1水平走査期間毎にローレベルからハイレベルに立ち上がる。
より具体的には、第2サブフィールドSF2では、一のイネーブル信号ENB2と、他のイネーブル信号ENB3及びENB4とが1水平走査期間毎に一斉にローレベルからハイレベルに立ち上がり、第3サブフィールドSF2では、一のイネーブル信号ENB3と、他のイネーブル信号ENB4とが1水平走査期間毎に一斉にローレベルからハイレベルに立ち上がる。なお、第4サブフィールドSF4では、一のイネーブル信号ENB4のみが1水平走査期間毎にローレベルからハイレベルに立ち上がる。
従って、第2サブフィールドSF2では、第3番目の走査信号G2〜G4及び第4番目の走査信号G6〜G8が夫々順次に、1水平走査期間毎に出力される。第3サブフィールドSF3では、第5番目の走査信号G3及びG4と、第6番目の走査信号G7及びG8とが夫々順次に、1水平走査期間毎に出力される。第4サブフィールドSF4では、第7番目の走査信号G4及び第8番目の走査信号G8が夫々順次に、1水平走査期間毎に出力される。
図14(b)に示すように、第2サブフィールドSF2では先ず、走査信号G2が供給される走査線に対応する画像信号が、図1に示す画像信号供給回路502からデータ線6aに供給される。すると、上側4本の走査線11aからなる走査線グループのうち、この走査信号G2に対応する画素行を含むと共に走査信号G1に対応する画素行を含まない3行の画素行(即ち「残余のグループ」)に対して、走査信号G2に対応する画像信号が書き込まれることになる。
即ち、図15の第2サブフィールドSF2にあるように、画像表示領域10aにおいて、太線で囲まれた3本の走査線に対応する3行の画素行に対する低解像度の書き込みが行われる。即ち、これらの3行の画素行中、1番上の走査線に対応する画素行だけが、各画素に付与された記号“T”で示されるように、本来供給されるべき画像信号が書き込まれる。それ以外の2行の画素行に対しては、各画素に付与された記号“〃”で示されるように、本来供給されるべきではない画像信号(しかし、走査線がより近いが故に、かなり似ている画像信号)が暫定的に書き込まれる。
この際、暫定的に書き込まれる画像信号は、第1サブフィールドSF1で暫定的に書き込まれた画像信号と比べて、より近くに位置する走査線に対応している分だけ、本来供給されるべき画像信号に近いものと考えることができ、よって、第2サブフィールドSF2でのライン走査が完了すると、顕著に解像度が向上する。
図14(b)に示すように、第2サブフィールドSF2では続いて、走査信号G6が供給される走査線に対応する画像信号が、図1に示す画像信号供給回路502からデータ線6aに供給される。すると、下側4本の走査線11aからなる走査線グループのうち、この走査信号G6に対応する画素行を含むと共に走査信号G5に対応する画素行を含まない3行の画素行(即ち「残余のグループ」)に対して、走査信号G6に対応する画像信号が書き込まれることになる。
即ち、図15の第2サブフィールドSF2にあるように、画像表示領域10aにおいて、太線で囲まれた3本の走査線に対応する3行の画素行に対する低解像度の書き込みが行われる。即ち、これらの3行の画素行中、1番上の走査線に対応する画素行だけが、本来供給されるべき画像信号が書き込まれる。それ以外の2行の画素行に対しては、本来供給されるべきではない画像信号が暫定的に書き込まれる。
同様に、図12、図13及び図14(c)に示すように、第3サブフィールドSF3では、供給順序が第5番目及び第6番目となる走査信号G3及びG7が夫々順次に、1水平走査期間毎に出力される。これにより、図15の第3サブフィールドSF3にあるように、走査信号G3及びG7に対応する太線で囲まれた2行の画素行に対して、本来供給されるべき画像信号が書き込まれる。
同様に、図12、図13及び図14(d)に示すように、第4サブフィールドSF4では、供給順序が第7番目及び第8番目となる走査信号G4及びG8が夫々順次に、1水平走査期間毎に出力される。これにより、図15の第4サブフィールドSF4にあるように、走査信号G4及びG8に対応する太線で囲まれた一行の画素行に対して、本来供給されるべき画像信号が書き込まれる。
以上説明したような第2から第4サブフィールドSF2〜SF4の各々で、画像信号Vdの書き込みが行われることで、各画素部の画素電極9aの電位は、第1サブフィールドSF1で暫定的に書き込まれた画像信号Vdに基づく電位から、本来書き込まれるべき画像信号Vdに基づく電位となる。
このように画像表示領域10aでは、第4サブフィールドSF4における画像信号Vdの書き込みが終了した後、各画素部において、R、G、Bのうち対応する一の色のフィールド画像を、本来の解像度で、即ち高解像度で表示することが可能となる。この高解像度での表示に至る以前に、第1サブフィールドSF1における画像信号Vdの書き込みが終了した後、各画素部において、R、G、Bのうち対応する一の色のフィールド画像を、低解像度で表示することが可能となる。
以上図12から図15を参照して説明したように液晶装置が駆動されることにより、図12におけるRフィールドでは、明るさと解像度とにバランスの取れたR画像が画像表示領域10aに表示される。同様に、図12におけるGフィールドでは、明るさと解像度とにバランスの取れたG画像が画像表示領域10aに表示され、図12におけるBフィールドでは、明るさと解像度とにバランスの取れたB画像が画像表示領域10aに表示される。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、液晶装置においてFS方式により、より明るく高精細な画像をより容易に表示させることが可能となる。
<電気光学装置>
次に、上述したような各実施形態が適用される電気光学装置の構成について、図16及び図17を参照して説明する。ここに図16は、本実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図であり、図17は、図16のH−H´線断面図である。尚、以下では本発明の電気光学装置の一例として、駆動回路内蔵型のTFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
図16及び図17において、本実施形態に係る液晶装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板等の透明基板である。対向基板20も、TFTアレイ基板10と同様に、透明基板である。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されている。TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素電極が設けられた画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材56が散布されている。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。尚、サンプリング回路7は、データ線駆動回路101と同様に、TFTアレイ基板10の一辺に沿って且つ額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられる。
TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図17において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜16が形成されている。画素電極9aは、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電膜からなり、配向膜16は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。他方、対向基板20上には、格子状又はストライプ状の遮光膜23が形成された後に、その全面に亘って対向電極21が設けられており、更には最上層部分に配向膜22が形成されている。対向電極21は、ITO膜などの透明導電膜からなり、配向膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で所定の配向状態をとる。
尚、図16及び図17に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
<電子機器>
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。ここに図18は、プロジェクタの構成例を概略的に示す平面図である。以下では、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。
図18に示されるように、プロジェクタ1100内部には、RGBの3原色に夫々対応したLED110R、110G及び110Bが設けられている。LED110R、110G及び110Bは、例えば60Hzの周期で夫々順次に光を投射する。LED110R、110G及び110Bから射出された投射光は、夫々合成プリズム1300に入射した後、ライトバルブとしての液晶パネル1200に対して出射される。
液晶パネル1200の構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給される信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、液晶パネル1200によって変調された光は、投射レンズ1400を介して投影される。これにより、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
本実施形態に係るプロジェクタ1100では、R、G、Bの各原色に対応するLED110R、110G及び110Bが設けられているため、カラーフィルタを設けなくともよい。よって、コストの削減が可能な他、投射光がカラーフィルタを通過しないため、高輝度が得られる。
尚、図18を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う表示装置の駆動方法及び駆動回路、並びに電気光学装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
6a…データ線、7…サンプリング回路、9…画素部、11a…走査線、100…液晶パネル、101…データ線駆動回路、104…走査線駆動回路、200…光源、502…画像信号供給回路、506…光源制御回路