以下、本発明の一実施形態に係る表示装置及び映像視聴システムが図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同様の構成要素に対して同様の符号が付されている。また、説明の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、単に本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とするものであり、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
<第1実施形態>
(映像視聴システムの構成)
図1は、第1実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。図2は、図1に示される映像視聴システムを概略的に示す模式図である。図1及び図2を参照しつつ、映像視聴システムの概略的な構成が説明される。
映像視聴システム100は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像(以下、Lフレーム画像と称される)と、右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像(以下、Rフレーム画像と称される)とを含むフレーム画像を表示する表示装置200と、表示装置200が表示するLフレーム画像及びRフレーム画像の視聴を補助する眼鏡装置300とを備える。眼鏡装置300は、視聴者が左眼でLフレーム画像を視聴し、右眼でRフレーム画像を視聴するように、表示装置200によるLフレーム画像及びRフレーム画像の表示に同期した立体視補助動作を行う。この結果、視聴者は、眼鏡装置300を通じて、表示装置200が表示するフレーム画像(Lフレーム画像及びRフレーム画像)を立体的に知覚する(視聴者は、Lフレーム画像及びRフレーム画像中で表現されたオブジェクトを、Lフレーム画像及びRフレーム画像が映し出される表示面に対して、飛び出たように或いは引っ込んだように知覚する)。
視力矯正用の眼鏡と同様の形状をなす眼鏡装置300は、視聴者の左眼前に配設される左眼シャッタ311と、視聴者の右眼前に配設される右眼シャッタ312とを含む光学シャッタ部310を備える。左眼シャッタ311は、表示装置200がLフレーム画像を表示しているときに開き、表示装置200がRフレーム画像を表示しているときに閉じる。右眼シャッタ312は、表示装置200がLフレーム画像を表示しているときに閉じ、表示装置200がRフレーム画像を表示しているときに開く。表示装置200がLフレーム画像を表示しているときに、Lフレーム画像から視聴者の左眼へ透過する光路が開かれる一方で、Lフレーム画像から視聴者の右眼へ透過する光路が閉じられるので、視聴者は左眼のみでLフレーム画像を視聴する。同様に、表示装置200がRフレーム画像を表示しているときに、Rフレーム画像から視聴者の右眼へ透過する光路が開かれる一方で、Rフレーム画像から視聴者の左眼へ透過する光路が閉じられるので、視聴者は右眼のみでRフレーム画像を視聴する。本実施形態において、左眼シャッタ311は、左眼フィルタとして例示される。また、右眼シャッタ312は、右眼フィルタとして例示される。左眼フィルタ及び右眼フィルタとして、表示装置200が表示する映像から視聴者の左眼へ到達する光の量(以下、左眼光量と称される)及び視聴者の右眼へ到達する光の量(以下、右眼光量と称される)を調整可能に形成された他の光学素子が用いられてもよい。例えば、左眼フィルタ及び右眼フィルタとして、視聴者の左眼及び右眼へ透過する光を偏光する偏光素子(例えば、液晶フィルタ)や光量を調整可能な他の光学素子が好適に用いられる。左眼フィルタは、Lフレーム画像の表示に同期して、左眼光量を増大させる一方で、Rフレーム画像の表示に同期して、左眼光量を低減させるように制御される。同様に、右眼フィルタは、Rフレーム画像の表示に同期して、右眼光量を増大させる一方で、Lフレーム画像の表示に同期して、右眼光量を低減させるように制御される。
表示装置200は、映像信号処理部210、液晶駆動部220、表示部230、第1制御部250、第2制御部240を備える。
映像信号処理部210には、基本となる垂直同期周波数を有する映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される。映像信号処理部210は、入力された左眼用映像信号(以下、L信号と称される)と右眼用映像信号(以下、R信号と称される)とを、基本となる垂直同期周波数のK倍(Kは自然数)の周波数で、交互に出力する。本実施形態では、入力された60Hzの映像信号が、120HzのL信号及びR信号に変換される。変換を通じて得られたL信号及びR信号は、液晶駆動部220へ出力される。加えて、映像信号処理部210は、L信号及びR信号の出力に同期して、第1制御部250に制御信号を出力する。
表示部230は、バックライト232を備える。第1制御部250は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、表示部230のバックライト232を制御する。映像信号処理部210は、L信号及びR信号の出力に同期して、第2制御部240を制御するための制御信号を出力する。第2制御部240は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、光学シャッタ部310を制御する。第1制御部250及び/又は第2制御部240へ出力される制御信号は、映像信号処理部210による変換後のL信号及び/又はR信号自体であってもよい。代替的に、L信号及び/又はR信号の120Hzの垂直同期信号であってもよい。
以下の説明において、L信号に含まれる一の垂直同期信号と、該一の垂直同期信号に続いて入力される後の垂直同期信号との間の映像情報を含む映像信号は、Lフレーム画像信号と称される。また、R信号に含まれる一の垂直同期信号と、該一の垂直同期信号に続いて入力される後の垂直同期信号との間の映像情報を含む映像信号は、以下の説明において、Rフレーム画像信号と称される。Lフレーム画像信号は、Lフレーム画像を表現するために用いられる。同様に、Rフレーム画像信号は、Rフレーム画像を表現するために用いられる。本実施形態において、Lフレーム画像信号及び/又はRフレーム画像信号は、フレーム画像信号として例示される。
表示部230は、上述のバックライト232に加えて、液晶を用いてLフレーム画像とRフレーム画像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネル231を備える。液晶パネル231は、幅方向(主走査方向)および上下方向(副走査方向)にマトリックス状に整列された画素P(図3)を備える。バックライト232は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、液晶パネル231に光を照射する。液晶駆動部220は、主走査方向及び副走査方向にフレーム画像信号(Lフレーム画像信号又はRフレーム画像信号)を走査し、液晶パネル231の画素に対応する液晶を駆動する。図2に示されるように、液晶パネル231の幅方向は、フレーム画像信号の主走査方向として例示される。液晶パネル231の上下方向は、フレーム画像信号の副走査方向として例示される。液晶駆動部220は、Lフレーム画像信号とRフレーム画像信号とを交互に走査する。この結果、液晶パネル231にLフレーム画像及びRフレーム画像が時間的に交互に表示される。
映像信号処理部210は、1つのLフレーム画像に対応して、第1画像信号と、第1画像信号に後続する第2画像信号とを生成して液晶駆動部220へ出力する。同様に、映像信号処理部210は、1つのRフレーム画像に対応して、第1画像信号と、第1画像信号に後続する第2画像信号とを生成して液晶駆動部220へ出力する。第1画像信号は、映像信号処理部210に入力されたフレーム画像信号(Lフレーム画像信号及びRフレーム画像信号)より低い解像度の画像を表し、液晶パネル231の表示面の全ての画素に書き込まれる輝度データ(つまり全ての画素を駆動する信号)を含む。第2画像信号は、液晶パネル231の表示面の画素のうち一部の画素に書き込まれる輝度データを含み、当該一部の画素以外の残余画素に書き込まれる輝度データを含まない。本実施形態において、フレーム画像信号に基づき、第1画像信号と第2画像信号とを生成する映像信号処理部210は、生成部として例示される。
第1画像信号及び第2画像信号は、液晶駆動部220にそれぞれ入力される。液晶駆動部220は、第1画像信号に基づき、液晶パネル231の表示面に亘って液晶を駆動させる第1走査動作と、第2画像信号に基づき、液晶パネル231の表示面に亘って液晶を駆動させる第2走査動作と、を実行する。尚、第2走査動作は、第1走査動作の後に実行される。液晶駆動部220により実行される第1走査動作では、第1画像信号に含まれる輝度データが液晶パネル231の表示面の全ての画素に書き込まれる。言い換えると、第1走査動作では、第1画像信号に含まれる輝度データに基づき、液晶パネル231の表示面の全ての画素に対応する液晶が駆動される。液晶駆動部220により実行される第2走査動作では、書き込まれる輝度データが第2画像信号に含まれている、液晶パネル231の表示面の一部の画素には、輝度データが書き込まれ、書き込まれる輝度データが第2画像信号に含まれていない当該一部の画素以外の残余画素には、輝度データが書き込まれず、残余画素については、書き込み済みの輝度データが保持される。言い換えると、第2走査動作では、第2画像信号に含まれる輝度データに基づき、液晶パネル231の表示面の一部の画素に対応する液晶が駆動され、一部の画素以外の残余画素に対応する液晶について新たに駆動されずに、前回の走査動作(例えば第1走査動作)で駆動された状態が保持される。
上述の如く、第1画像信号は、フレーム画像信号より低い解像度の画像を表すので、液晶駆動部220は、フレーム画像信号に基づき液晶パネル231の表示面に亘って液晶を駆動させる走査動作よりも、第1走査動作を短期間で実行することができる。この結果、第1走査動作が実行された後であっても、左眼シャッタ311が開く前又は右眼シャッタ312が閉じる前に実行される第2走査動作のための十分に長い時間が確保されることとなる。また、第2画像信号は、液晶パネル231の表示面の画素のうち一部の画素に書き込まれるデータを含み、当該一部の画素以外の残余画素に書き込まれるデータを含まないため、同様に、フレーム画像信号に基づき液晶パネル231の表示面に亘って液晶を駆動させる走査動作よりも、第2走査動作を短期間で実行することができる。
液晶駆動部220は、第1画像信号及び第2画像信号に含まれる垂直同期信号及び水平同期信号にしたがって、第1画像信号及び第2画像信号を、液晶パネル231が表示可能な形式に変換する。液晶駆動部220は、液晶パネル231上のフレーム画像の表示ごとに変換された第1画像信号及び第2画像信号のフレーム画像信号を用いて、第1走査動作と第2走査動作とをそれぞれ実行する。
上述の液晶駆動部220による液晶の駆動によって、液晶パネル231は、入力された第1画像信号と第2画像信号とに応じて、背面から入射する光を変調する。この結果、液晶パネル231は、左眼で視聴されるように作成されたLフレーム画像と、右眼で視聴されるように作成されたRフレーム画像とを交互に表示する。液晶パネル231には、例えば、IPS(In Plane Switching)方式や、VA(Vertical Alignment)方式やTN(Twisted Nematic)方式といった様々な駆動方式が好適に適用される。
バックライト232は、液晶パネル231の背面から液晶パネル231の表示面に向けて光を照射する。本実施形態において、バックライト232として、面発光するように二次元配列された複数の発光ダイオード(LED)(図示せず)が用いられている。代替的に、バックライト232として、面発光するように配列された複数の蛍光管が用いられてもよい。バックライト232として用いられる発光ダイオードや蛍光管は、液晶パネル231の縁部に配設され、面発光を生じさせてもよい(エッジタイプ)。
第1制御部250は、映像信号処理部210から出力された120Hzの制御信号を基準に発光制御信号を出力する。バックライト232は、発光制御信号に基づき明滅可能である。
第2制御部240は、眼鏡装置300の光学シャッタ部310を、Lフレーム画像及びRフレーム画像の表示周期に合わせて制御する。第2制御部240は、左眼シャッタ311を制御するための左眼用のフィルタ制御部241(以下、Lフィルタ制御部241と称される)と、右眼シャッタ312を制御するための右眼用のフィルタ制御部242(以下、Rフィルタ制御部242と称される)とを備える。液晶パネル231がLフレーム画像及びRフレーム画像を、例えば、120Hzで交互に表示するとき、Lフィルタ制御部241は、左眼シャッタ311が60Hzの周期で左眼光量を調整する(増減させる)ように眼鏡装置300を制御する。同様に、Rフィルタ制御部242は、右眼シャッタ312が60Hzの周期で右眼光量を調整する(増減させる)ように眼鏡装置300を制御する。
図2に示される如く、本実施形態において、表示装置200は、Lフレーム画像の表示に同期する第1同期信号を送信する第1送信部243と、Rフレーム画像の表示に同期する第2同期信号を送信する第2送信部244とを備える。また、眼鏡装置300は、左眼シャッタ311と右眼シャッタ312との間に配設される受信部320を備える。受信部320は、第1同期信号及び第2同期信号を受信する。第1同期信号の波形は、好ましくは、第2同期信号の波形と異なる。受信部320は、受信された同期信号の波形に基づき、第1同期信号と第2同期信号とを識別する。かくして、眼鏡装置300は、第1同期信号に基づき、左眼シャッタ311を動作させる。また、眼鏡装置300は、第2同期信号に基づき、右眼シャッタ312を動作させる。表示装置200と眼鏡装置300との間の同期信号の無線通信並びに眼鏡装置300による同期信号(第1同期信号及び第2同期信号)の内部処理に対して、既知の他の通信技術並びに既知の他の信号処理技術が用いられてもよい。代替的に、表示装置200と眼鏡装置300との間の同期信号(第1同期信号及び第2同期信号)の通信が、有線式に行われてもよい。また、左眼用映像の表示に同期する第1同期信号を送信する第1送信部243と、右眼用映像の表示に同期する第2同期信号を送信する第2送信部244とを共通化して1つの送信部としてもよい。この場合、左眼用映像の表示及び右眼用映像の表示は、共通化された同期信号の立ち上がりに交互に同期されてもよい。
Lフィルタ制御部241及びRフィルタ制御部242は、映像信号処理部210からの制御信号を基準とし、左眼シャッタ311による左眼光量の増減周期の位相及び右眼シャッタ312による右眼光量の増減周期の位相を決定する。Lフィルタ制御部241及びRフィルタ制御部242は、決定された位相に従い、第1同期信号及び第2同期信号を出力する。左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312それぞれは、第1同期信号及び第2同期信号に基づき、Lフレーム画像の表示及びRフレーム画像の表示に同期して、左眼光量及び右眼光量を増減させる。
第2制御部240は、液晶パネル231の応答特性並びに表示されるLフレーム画像とRフレーム画像との間のクロストーク(相互干渉)を考慮して、左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312それぞれが左眼光量及び右眼光量を増大させている期間(以下、光量増大期間と称される)の長さと、光量増大期間のタイミング(位相)を決定する。Lフィルタ制御部241は、左眼光量に対する光量増大期間の長さ及びタイミングを制御する。Rフィルタ制御部242は、右眼光量に対する光量増大期間の長さ及びタイミングを制御する。
映像信号処理部210の120Hzの制御信号に基づき動作する第1制御部250は、左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312による光量調整の動作に同期してバックライト232を発光させる発光制御信号を出力する。バックライト232は、発光制御信号に基づき、明滅することができる。尚、本実施形態において、バックライト232は、第1制御部250の制御下で、常時点灯している。したがって、視聴者がフレーム画像を視聴することができる視聴期間のタイミング及び長さは、眼鏡装置300の光学シャッタ部310の動作によって定められる。
代替的に、第1制御部250は、第2制御部240によって調整される光量増大期間中の一部の期間或いは光量増大期間と略一致する期間において、バックライト232を点灯させ、他の期間においてバックライト232を消灯させてもよい。このような第1制御部250によるバックライト232の明滅制御下において、視聴者がフレーム画像を視聴することができる視聴期間のタイミング及び長さは、バックライト232の明滅動作によって定められる。
(基本的な走査動作)
図3は、液晶パネル231の一部を概略的に示す模式図である。図4は、入力されるフレーム画像信号で規定される目標輝度に対し、第1走査動作及び第2走査動作で設定される目標輝度及び各走査動作後に液晶パネルに表示される輝度を表形式で概略的に示す図である。図5は、液晶駆動部220が行う走査動作を示す概略的なグラフである。図5(a)は、第1画像信号に基づく第1走査動作を示す。図5(b)は、第2画像信号に基づく第2走査動作を示す。図5は、ゲート線L1乃至L12までの走査動作が示されている。図5(a)及び図5(b)の横軸は、ゲート線L1乃至L12までの走査動作を行っている時間軸である。図5(a)及び図5(b)の縦軸は、液晶パネル231の副走査方向の位置を表す。図1、図3乃至図5を用いて、第1実施形態における基本的な走査動作が概略的に説明される。
図3に示されるように、液晶パネル231は、主走査方向に延びる複数のゲート線と、副走査方向に延びる複数のデータ線と、を含む。図3には、副走査方向に整列したゲート線L1乃至L16及び主走査方向に整列したデータ線M1乃至M32が示されている。各ゲート線L1乃至L16と各データ線M1乃至M32との交点には、画素P及び画素Pに対応する液晶(図示せず)がそれぞれ割り当てられる。各ゲート線L1乃至L16と各データ線M1乃至M32とに印加される電圧に応じて、液晶の駆動量が定められる。
図4に示されるように、ゲート線L1乃至L12のデータ線Mにおける画素に対し、フレーム画像信号でそれぞれ目標輝度I1乃至I12が規定されている。このとき、第1走査動作では、副走査方向に隣接して整列した2個の画素を含む画素グループが設定される。すなわち、例えばゲート線L1,L2に対応する画素を含む画素グループが設定され、例えばゲート線L11,L12に対応する画素を含む画素グループが設定される。
第1走査動作では、映像信号処理部210は、画素グループごとに、後述する選択処理によって選択された画素に対応する目標輝度(選択輝度)が、画素グループに含まれる画素の共通する駆動輝度(等価輝度)として設定されるように、第1画像信号を生成する。液晶駆動部220は、映像信号処理部210により生成された第1画像信号に基づき第1走査動作を実行し、画素グループに含まれる全ての画素(つまりデータ線M上の全ての画素)を駆動する。すなわち、例えばゲート線L1,L2に対応する画素は、それぞれ、目標輝度I1,I2から選択された選択輝度I1に基づき駆動される。言い換えると、例えばゲート線L1,L2に対応する画素のうちで選択されたゲート線L1に対応する画素の目標輝度I1が選択輝度I1として設定される。同様に、例えばゲート線L11,L12に対応する画素は、それぞれ、目標輝度I11,I12から選択された選択輝度I11に基づき駆動される。言い換えると、例えばゲート線L11,L12に対応する画素のうちで選択されたゲート線L11に対応する画素の目標輝度I11が選択輝度I11として設定される。ゲート線L1,L2及びデータ線Mに対応する画素には、選択輝度I1に対応する電圧が印加されて、当該画素に対応する液晶が駆動される。また、ゲート線L11,L12及びデータ線Mに対応する画素には、選択輝度I11に対応する電圧が印加されて当該画素に対応する液晶が駆動される。
続く第2走査動作では、2個の画素を含む画素グループがさらに分割されて、1個の画素を含むサブグループが設定される。映像信号処理部210は、第1走査動作において選択されなかった画素(つまり本実施形態では選択輝度が目標輝度に一致しなかった画素)のみを含むサブグループの画素が駆動され、第1走査動作において選択された画素(つまり本実施形態では選択輝度が目標輝度に一致した画素)を含むサブグループの画素は駆動されずに、そのまま保持されるように、第2画像信号を生成する。この実施形態では、サブグループは画素を1個のみ含むため、映像信号処理部210は、第1走査動作において選択されなかった画素が駆動され、第1走査動作において選択された画素は駆動されずに、そのまま保持されるように、第2画像信号を生成する。そして、液晶駆動部220は、映像信号処理部210により生成された第2画像信号に基づき第2走査動作を実行し、一部のサブグループに含まれる画素(つまりデータ線M上の一部の画素)を駆動する。本実施形態において、駆動される一部のサブグループが駆動サブグループとして例示される。
すなわち、例えばゲート線L1に対応する画素は、第1走査動作において選択されているため、第2走査動作では、駆動されないように第2画像信号が生成され、第1走査動作の状態で保持される。一方、ゲート線L2に対応する画素は、第1走査動作において選択されていないため、フレーム画像信号の目標輝度I2に基づき駆動されるように第2画像信号が生成される。つまり、第2走査動作では、ゲート線L2及びデータ線Mに対応する画素には、目標輝度I2に対応する電圧が印加されて、当該画素に対応する液晶が駆動される。
図4に示されるように、第1画像信号に基づく第1走査動作の実行後には、液晶パネル231には、画素グループごとに、それぞれフレーム画像信号の目標輝度I1,I3,・・・,I11に基づく画像が表示される。また、第2画像信号に基づく第2走査動作の実行後には、液晶パネル231には、画素ごとに、フレーム画像信号の目標輝度I1,I2,・・・,I12に基づく画像、つまり入力されたフレーム画像信号に基づく画像が表示される。
第1画像信号は、上述の如く、副走査方向に隣接して整列した2個の画素の輝度を等しくする。本実施形態において、ゲート線L2t−1,L2t上の画素の輝度は等しく設定される(tは、自然数)。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線L2t−1,L2t上に同時に第1画像信号を書き込むことができる。この結果、ゲート線L2t−1,L2t上の画素に対応する液晶は、同時に駆動される。
第2画像信号は、上述の如く、ゲート線L2t−1上の画素は駆動されずに保持され、ゲート線L2t上の画素が駆動されるように、生成される。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線L2,L4,・・・の順で、順次書き込みを行う。
図5に示されるように、本実施形態において、第1走査動作を行う液晶駆動部220は、第1画像信号により、2つのゲート線L2t−1,L2tの組に同時に信号の書き込みを行うので、ゲート線L12までの書き込みを完了するまでの第1走査動作の期間T1は、ゲート線L1乃至L12に順次書き込みを行う場合に比べて半分となる。同様に、第2走査動作を行う液晶駆動部220は、第2画像信号により、ゲート線L2tにのみ画像信号の書き込みを行い、ゲート線L2t−1には画像信号の書き込みを行わず、ゲート線L2t−1に対応する画素は、第1走査動作の状態が保持されるので、ゲート線L12までの書き込みを完了するまでの第2走査動作の期間は、第1走査動作の期間T1に等しくなる。比較的短期間で行われる第1走査動作及び第2走査動作によって、液晶パネル231の液晶の駆動が表示面全体に亘って短期間で実行されるので、表示面下部領域におけるクロストークが低減される。
図6は、第1実施形態における、基本的な走査動作による画素の輝度の変化を表す概略的なタイムチャートである。図1、図5及び図6を用いて、画素の輝度変化が説明される。
図6のセクション(A)には、X番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間、X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間及び(X+1)番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間が示されている。以下の説明において、右眼期間における画素の輝度変化が説明される。
図6のセクション(B)には、第1走査動作及び第2走査動作が示される。右眼期間の第1走査期間において、液晶駆動部220は、第1画像信号を用いて、第1走査動作を実行する。図5に関連して説明された如く、液晶駆動部220は、1つの奇数番号のゲート線に対応する画素と、1つの偶数番号のゲート線に対応する画素の液晶と、を1つの組として、同時に駆動する。この結果、第1画像信号は、ゲート線(L1,L2)の組、ゲート線(L3,L4)の組、・・・・、ゲート線(L2t−1,L2t)の組に順次書き込まれる。右眼期間の第2走査期間において、液晶駆動部220は、第2画像信号を用いて、第2走査動作を実行する。図5に関連して説明された如く、液晶駆動部220は、ゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素に順次、第2画像信号の輝度データを書き込む。図5に関連して説明された如く、第1走査期間と第2走査期間とは同じ長さとなっている。
図6のセクション(C)は、光学シャッタ部310の開閉動作を示す。左眼シャッタ311は、第2走査動作の完了後、且つ、右眼期間が開始される前までの期間において開く。また、右眼シャッタ312は、第2走査動作の完了後、且つ、左眼期間が開始される前までの期間において開く。
図6のセクション(D)は、ゲート線L1とデータ線Mとの交点に位置する画素の輝度の変化を表す。図6のセクション(E)は、ゲート線L2とデータ線Mとの交点に位置する画素の輝度の変化を表す。
ここで、直前の左眼期間においてLフレーム画像の表示に用いられたLフレーム画像信号は、ゲート線L1に対応する画素に対して「100」の目標輝度を規定し、ゲート線L2に対応する画素に対して「90」の目標輝度を規定しているとする。したがって、図6に示されるように、右眼期間の第1走査動作では、セクション(D)に示される画素の輝度は、「100」から変動を開始し、セクション(E)に示される画素の輝度は、「90」から変動を開始する。また、右眼期間においてRフレーム画像の表示に用いられるRフレーム画像信号は、ゲート線L1に対応する画素に対して「50」の目標輝度を規定し、ゲート線L2に対応する画素に対して「10」の目標輝度を規定しているとする。つまり、図4において、I1=50、I2=10であるとする。
セクション(D)に示される画素の輝度は、第1走査動作が開始されると、「100」の輝度から「50」の目標輝度(駆動輝度)に向けて変動を開始し、第2走査動作が開始される直前には、例えば「65」の輝度に到達する。セクション(D)に示される画素は、第2走査動作では駆動されずに保持されるため、第1走査動作における輝度変動が継続される。
セクション(E)に示される画素の輝度は、第1走査動作が開始されると、「90」の輝度から「50」の目標輝度(駆動輝度)に向けて変動を開始し、第2走査動作が開始される直前には、例えば「55」の輝度に到達する。
第2走査動作が開始されると、セクション(E)に示される画素の輝度は、「55」の輝度から「10」の目標輝度(駆動輝度)に向けて変動を開始し、「10」の目標輝度に近づく。
(異なる走査動作)
図1、図3乃至図6を用いて説明された如く、第1実施形態では、目標輝度を駆動輝度に設定した基本的な走査動作が実行される。代替的に、第1実施形態では、目標輝度と異なる輝度を駆動輝度に設定した走査動作を実行してもよい。以下、第1実施形態において上述の基本的な走査動作と異なる走査動作を実行する場合が説明される。
(映像信号処理部)
図7は、本実施形態に従う表示装置200の映像信号処理部210の機能構成を概略的に示すブロック図である。図1及び図7を用いて、映像信号処理部210が説明される。
映像信号処理部210は、第1等価部211、第1選択部212、第1遅延部213、第2等価部214、第2遅延部215、第3遅延部216、第1補正部217、第2補正部218、第2選択部219及び出力部221を備える。
第1等価部211及び第2等価部214は、後述される等価処理を行う。液晶駆動部220は、等価処理を通じて得られた第1画像信号を、上述の如く比較的短期間で液晶パネル231の表示面に亘って走査する。第1遅延部213,第2遅延部215及び第3遅延部216は、入力された信号をそれぞれ遅延させて出力する。第1補正部217及び第2補正部218は、後述されるオーバードライブ処理を行う。オーバードライブ処理によって、画素の輝度は比較的短期間で変化する。第1選択部212及び第2選択部219は、複数の入力信号を走査期間(第1画像信号が走査される第1走査期間,第2画像信号が走査される第2走査期間)に合わせて選択的に出力する。出力部221は、第1画像信号及び第2画像信号を液晶駆動部220に出力する。
(等価処理(選択処理))
図8は、等価処理として例示される選択処理を通じて設定される画素の輝度変化を示す図である。図1、図3、図7及び図8を用いて、選択処理が説明される。
図8(a)、7(b)には、ゲート線L1乃至L4とデータ線M1及びM2とのそれぞれの交点に対応する画素P1乃至P8が示されている。図7に示される如く、第1等価部211にはフレーム画像信号(Lフレーム画像信号及びRフレーム画像信号)が直接的に入力される。また、フレーム画像信号は、第1遅延部213を介して、第2等価部214に入力される。第1等価部211及び第2等価部214は、副走査方向に隣接して整列した複数の画素を含む画素グループ(図8(a)、7(b)中、点線で囲まれる画素の組)を設定する。図8(a)には、データ線M1上に隣接して整列した画素P1,P2の組を含む画素グループG1、データ線M1上に隣接して整列した画素P3,P4の組を含む画素グループG2、データ線M2上に隣接して整列した画素P5,P6の組を含む画素グループG3及びデータ線M2上に隣接して整列した画素P7,P8の組を含む画素グループG4が示されている。図8(b)には、データ線M1上に隣接して整列した画素P1,P2,P3,P4の組を含む画素グループG5、画素P1,P2の組を含むサブグループG51、及び画素P3,P4の組を含むサブグループG52が示され、データ線M2上に隣接して整列した画素P5,P6,P7,P8の組を含む画素グループG6、画素P5,P6の組を含むサブグループG61、及び画素P7,P8の組を含むサブグループG62が示されている。
本実施形態では、図8(a)に示されるように、副走査方向に隣接して整列した2個の画素からなる組に対して、上述の選択処理がなされる。代替的に、副走査方向に隣接して整列した2を超える数(例えば図8(b)に示される4個)の画素からなる組に対して、上述の選択処理がなされてもよい。この実施形態については後述される。
図8(a)中の各画素内に示された数値は、画素に対して割り当てられた輝度を示す。フレーム画像信号は、例えば、画素P1,P3に対して、「50」の輝度を規定し、画素P2,P4に対して、「10」の輝度を規定し、画素P5,P7に対して、「80」の輝度を規定し、画素P6,P8に対して、「60」の輝度を規定している。第1等価部211及び第2等価部214は、各画素グループG1,G2,G3,G4内で輝度を選択する。第1等価部211及び第2等価部214は、奇数番号のゲート線上の画素P1,P3,P5,P7に対して規定された輝度を選択し、画素グループG1,G2,G3,G4内の他の画素P2,P4,P6,P8にそれぞれ割り当てる。言い換えると、第1等価部211及び第2等価部214は、例えば画素グループG1に含まれる複数の画素P1,P2のうちで画素P1を選択し、その選択された画素P1に対してフレーム画像信号が規定した輝度を選択する。したがって、画素グループG1内の画素P1,P2並びに画素グループG2内の画素P3,P4の輝度は、「50」に設定される。また、画素グループG3内の画素P5,P6並びに画素グループG4内の画素P7,P8の輝度は、「80」に設定される。
代替的に、第1等価部211及び第2等価部214は、偶数番号のゲート線上の画素P2,P4,P6,P8に対して規定された輝度を選択し、画素グループG1,G2,G3,G4内の他の画素P1,P3,P5,P7にそれぞれ割り当てるようにしてもよい。また、代替的に、第1等価部211及び第2等価部214は、フレーム画像信号が画素グループ内の画素に対して定めた輝度のうち、大きい方或いは小さい方を選択してもよい。更に代替的に、第1等価部211及び第2等価部214は、他の適切な基準に基づき、第1画像信号を生成するための輝度を選択してもよい。図3に示される如く、上述の選択処理は、ゲート線L1乃至L16と各データ線M1乃至M32との交点に対応する全ての画素Pに対して実行される。本実施形態において、フレーム画像信号が画素Pそれぞれに対して規定する輝度は、目標輝度として例示される。本実施形態において、第1等価部211及び第2等価部214によって選択された輝度は、選択輝度として例示される。本実施形態において、例えば画素グループG1に含まれる複数の画素P1,P2のうちで選択された画素P1は、特定画素として例示される。
以下、第1画像信号を走査するための第1走査動作及び第2画像信号を走査するための第2走査動作が更に説明される。
第1等価部211及び第2等価部214は、フレーム画像信号に対して、上述の選択処理を行い、選択信号を出力する。
図7に示される如く、選択信号は、第1選択部212,第1補正部217及び第2補正部218へ入力される。第1補正部217は、選択輝度に対する補正値を規定する補正信号を第2選択部219に出力する。第2補正部218は、フレーム画像信号が規定する目標輝度に対する補正値を規定する補正信号を第2選択部219に出力する。
図9は、出力部221の処理を概略的に示す図である。図7及び図9を用いて、出力部221の処理が説明される。図9は、図8に関連して説明された選択処理によって生成された選択信号に対する出力部221の処理を示す。
図9(a)は、第1画像信号を出力する出力部221の処理を示す。図9(b)は、第2画像信号を出力する出力部221の処理を示す。
第1画像信号の走査が行われる第1走査期間において、第1選択部212は、選択信号を出力部221に出力し、第2選択部212は、第1補正部217によって生成された補正信号を出力部221に出力する。出力部221は、選択信号が規定する選択輝度と、第1補正部217によって生成された補正信号が規定する補正値とを加算する。
図9(a)に示される如く、第1補正部217によって生成された補正信号は、画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に対して、等しい補正値を規定する。図9(a)において、画素グループG1内の画素P1,P2に対して、「C1」の補正値が規定されている。画素グループG2内の画素P3,P4に対して、「C2」の補正値が規定されている。画素グループG3内の画素P5,P6に対して、「C3」の補正値が規定されている。画素グループG4内の画素P7,P8に対して、「C4」の補正値が規定されている。かくして、出力部221は、画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に共通する等価輝度を規定する第1画像信号を生成する。本実施形態において、選択輝度と第1補正部217によって生成された補正信号が規定する補正値との加算によって規定される輝度は等価輝度として例示される。
図7に示される如く、フレーム画像信号は、第1選択部212及び第2補正部218に入力される。第2画像信号の走査が行われる第2走査期間において、第1選択部212は、フレーム画像信号を出力部221に出力する。第2補正部218は、画素ごとに個別に補正値を設定する。図9(b)に示される如く、画素P1乃至P8に対して、補正値D1乃至D8がそれぞれ規定されている。補正値D1乃至D8は、それぞれ異なる輝度値であってもよい。第2補正部218は、補正値D1乃至D8を規定する補正信号を第2選択部219に出力する。
第2選択部219は、第2補正部218によって生成された補正信号を出力部221に出力する。出力部221は、フレーム画像信号が規定する目標輝度と、第1補正部217によって生成された補正信号が規定する補正値とを加算する。したがって、第1画像信号と異なり、第2画像信号は、画素ごとに異なる輝度を規定してもよい。但し、図3乃至図5に関連して説明された如く、第2走査期間において、出力部221は、ゲート線L1,L3,・・・上の画素に対する信号を出力せず、ゲート線L2,L4,・・・上の画素に対する信号のみを出力する。図9(a)及び図9(b)それぞれに示される画素P1乃至P8中に示された輝度値は、第1走査期間及び第2走査期間における駆動輝度として例示される。
(信号出力)
図10は、映像信号処理部210中の信号の出力図である。図11は、第1走査期間における映像信号処理部210中の信号の出力を表す概略的なブロック図である。図12は、第2走査期間における映像信号処理部210中の信号の出力を表す概略的なブロック図である。図3、図8乃至図12を用いて、映像信号処理部210中の信号の出力が説明される。
図10には、X番目のLフレーム画像を表示するための左眼期間、X番目のRフレーム画像を表示するための右眼期間、(X+1)番目のLフレーム画像を表示するための左眼期間及び(X+1)番目のRフレーム画像を表示するための右眼期間が示されている。以下の説明において、X番目のRフレーム画像を表示するための右眼期間における信号の出力が説明される。尚、他の期間においても、X番目のRフレーム画像を表示するための右眼期間における信号の出力の原理は同様に適用される。以下の説明において、X番目のLフレーム画像は、先行フレーム画像として例示される。また、X番目のRフレーム画像は、後続フレーム画像として例示される。
図11に示される如く、X番目のRフレーム画像信号SRx(2)が映像信号処理部210に入力されると、第1走査期間において、第1等価部211は、図3及び図8に関連して説明された選択処理を実行し、選択信号SRx(1)を生成並びに出力する。選択信号SRx(1)は、第1選択部212、第1補正部217及び第2遅延部215へ入力される。図10乃至図12に関連する説明において、第1等価部211及び第2等価部214は、図3及び図8に関連して説明された選択処理を行う。
第1遅延部213は、直前のX番目のLフレーム画像を表示するための左眼期間において、X番目のLフレーム画像信号SLx(2)を取得している。第1遅延部213は、Lフレーム画像信号SLx(2)を遅延させ、後続のX番目のRフレーム画像を表示するための右眼期間の第1走査期間に第2等価部214及び第2補正部218へ出力する。本実施形態において、X番目のLフレーム画像を表示するためのLフレーム画像信号SLx(2)は、先行フレーム画像信号として例示される。X番目のRフレーム画像を表示するためのRフレーム画像信号SRx(2)は、後続フレーム画像信号として例示される。
第2等価部214は、図3及び図8に関連して説明された選択処理を実行し、選択信号SLx(1)を生成並びに出力する。選択信号SLx(1)は、第1補正部217及び第3遅延部216へ入力される。
第1補正部217は、選択信号SRx(1)及び選択信号SLx(1)に基づき、第1補正信号CRx(1)を生成する。図9に関連して説明された如く、第1補正信号CRx(1)が画素グループ内の画素に対して規定する補正値は等しい。補正信号CRx(1)は、第2選択部219へ出力される。
第1選択部212及び第2選択部219は、同期して、選択信号SRx(1)及び第1補正信号CRx(1)をそれぞれ出力部221へ出力する。図9に関連して説明された如く、出力部221は、選択信号SRx(1)が規定する選択輝度と第1補正信号CRx(1)が規定する補正値とを加算し、第1画像信号IRx(1)を生成する。第1画像信号IRx(1)は、液晶駆動部220へ出力される。
図12に示される如く、X番目のRフレーム画像信号SRx(2)は、第1等価部211だけでなく、第1選択部212へ入力される。第2走査期間において、第1選択部212は、Rフレーム画像信号SRx(2)を出力する。
X番目のRフレーム画像信号SRx(2)は、更に、第2補正部218に入力される。第2遅延部215は、第1走査期間において取得された選択信号SRx(1)を遅延させ、第2走査期間において、遅延された選択信号SRx(1d)として、第2補正部218へ出力する。第3遅延部216は、第1走査期間において取得された選択信号SLx(1)を遅延させ、第2走査期間において、遅延された選択信号SLx(1d)として、第2補正部218へ出力する。第2補正部218には、第1遅延部213からLフレーム画像信号SLx(2)が更に入力される。第2補正部218は、Rフレーム画像信号SRx(2),Lフレーム画像信号SLx(2),選択信号SRx(1d)及び選択信号SLx(1d)を用いて、図9に関連して説明された補正値を決定し、第2補正信号CRx(2)を第2選択部219に出力する。
第1選択部212及び第2選択部219は、同期して、Rフレーム画像信号SRx(2)及び第2補正信号CRx(2)をそれぞれ出力部221へ出力する。図9に関連して説明された如く、出力部221は、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度と第2補正信号CRx(2)が規定する補正値とを加算し、第2画像信号IRx(2)を生成する。第2画像信号IRx(2)は、液晶駆動部220へ出力される。本実施形態において、第1画像信号IRx(1)及び第2画像信号IRx(2)に含まれる各画素に対する信号は、書き込みデータとして例示される。また、図3乃至図5に関連して説明された如く、第2画像信号IRx(2)は、ゲート線L1,L3,・・・上の画素に書き込む輝度データを含まず、ゲート線L2,L4,・・・上の画素に書き込む輝度データを含む。
(オーバードライブ処理)
第1補正部217及び第2補正部218による補正値の算出並びに出力部221による加算処理は、オーバードライブ処理として例示される。図11に関連して説明された如く、第1補正部217は、第1画像信号IRx(1)の走査が行われる第1走査期間におけるオーバードライブ処理に寄与する。図12に関連して説明された如く、第2補正部218は、第2画像信号IRx(2)の走査が行われる第2走査期間におけるオーバードライブ処理に寄与する。
(第1補正部)
図13は、第1補正部217が格納する第1補正テーブルの概念図である。図1、図8、図9、図11及び図13を用いて、第1補正部217が説明される。
第1補正部217は、第1補正信号を生成するための第1補正テーブル222を格納する。第1補正部217には、上述の如く、第1等価部211からの選択信号SRx(1)及び第2等価部214からの選択信号SLx(1)が入力される。上述の如く、第2等価部214は、第1遅延部213によって遅延されたフレーム画像信号に基づき、選択信号SLx(1)を出力する。図13に示される第1補正テーブル222中の第1等価部211からの入力に対応する座標軸は、第1等価部211からの選択信号SRx(1)が規定する現行選択輝度を示す。第1補正テーブル222中の第2等価部214からの入力に対応する座標軸は、第2等価部214からの選択信号SLx(1)が規定する先行選択輝度を示す。
第1補正部217は、第1等価部211からの選択信号SRx(1)に規定される現行選択輝度と、第2等価部214からの選択信号に規定される先行選択輝度SLx(1)と、に基づき、画素P1乃至P8それぞれに対して、第1補正値を決定し、第1補正値の情報を含む第1補正信号CRx(1)を第2選択部219へ出力する。尚、図9に関連して説明された如く、第1補正部217は、画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に対して、等しい値の第1補正値を規定する。第1補正値の絶対値は、例えば、現行選択輝度と先行選択輝度との差が大きいほど、大きくなるように設定される。また、現行選択輝度が先行選択輝度よりも大きいならば、第1補正値は、正の値に設定される。現行選択輝度が先行選択輝度より小さいならば、第1補正値は負の値に設定される。後述されるように、選択された第1補正値に応じて、第1走査期間中に達成される画素P1乃至P8の輝度が変動する。
図11に示される如く、第1走査期間において、出力部221には、第1等価部211によって生成された選択信号SRx(1)及び第1補正部217によって生成された第1補正信号CRx(1)が入力される。
出力部221は、第1等価部211によって生成された選択信号SRx(1)が規定する現行選択輝度と、第1補正信号CRx(1)が規定する第1補正値と、を加算する。上述の如く、現行選択輝度が先行選択輝度よりも大きいならば、第1補正値は、正の値に設定されるので、出力部221によって算出された加算値は、現行選択輝度よりも大きくなる。現行選択輝度が先行選択輝度よりも小さいならば、第1補正値は、負の値に設定されるので、出力部221によって算出された加算値は、現行選択輝度よりも小さくなる。上述の如く、第1等価部211は、画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に対して、等しい値の現行選択輝度を規定している。また、第1補正部217は、画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に対して、等しい値の第1補正値を規定している。したがって、画素グループG1,G2,G3,G4内の現行選択輝度と第1補正値との加算値は等しい値となる。第1走査動作が行われる第1走査期間において、出力部221は、算出された加算値の情報を含む第1画像信号IRx(1)を液晶駆動部220へ出力する。本実施形態において、現行選択輝度と第1補正値との加算値は、第1走査期間における駆動輝度として例示される。
液晶駆動部220は、第1画像信号IRx(1)に基づき、液晶パネル231の液晶を駆動する。上述の如く、第1画像信号IRx(1)が画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に対して規定する駆動輝度は等しい値である。第1走査期間において、液晶駆動部220は、画素グループG1内で等しく設定された駆動輝度に向けて、画素P1,P2それぞれに対応する液晶を同時に駆動する。また、液晶駆動部220は、画素グループG3内で等しく設定された駆動輝度に向けて、画素P5,P6それぞれに対応する液晶を同時に駆動する。ゲート線L1,L2に対応する水平同期信号に基づき、ゲート線L1,L2に対応する画素に対する液晶の駆動が開始される。この結果、液晶駆動部220は、画素グループG2内で等しく設定された駆動輝度に向けて、画素P3,P4それぞれに対応する液晶を同時に駆動する。また、液晶駆動部220は、画素グループG4内で等しく設定された駆動輝度に向けて、画素P7,P8それぞれに対応する液晶を同時に駆動する。本実施形態において、第1補正値と現行選択輝度とに基づいて決定された駆動輝度は、等価輝度として例示される。
(第2補正部)
図14は、第2補正部218が格納する第2補正テーブルの概念図である。図1、図12乃至図14を用いて、第2補正部218が説明される。
第2補正部218は、第2補正信号を生成するための第2補正テーブル223を格納する。第2補正テーブル223は、第2走査動作が開始されるときに画素が達成している輝度に対する期待値を決定するための期待値テーブル224と、期待値とフレーム画像信号とに基づき、第2走査が行われるときの駆動輝度を決定するための決定テーブル225と、を含む。本実施形態において、液晶駆動部220は、第1走査動作及び第2走査動作の2回の走査動作を行う。したがって、期待値テーブル224は、2回目の走査動作である第2走査動作が開始されるときに画素が達成している輝度に対する期待値に関する期待値データを格納する。
後述される実施形態の如く、液晶駆動部が2回以上の第2走査動作を行うならば、期待値テーブルは、各走査動作が行われるときに画素が達成している輝度に対する期待値に関する期待値データを格納してもよい。また、後述される実施形態の如く、液晶駆動部が第2走査動作を行った後に第3走査動作を行うならば、期待値テーブルは、第3走査動作が行われるときに画素が達成している輝度に対する期待値に関する期待値データをさらに格納してもよい。また、第2補正部218は、テーブルに代えて演算式又は関数を備え、演算式又は関数により期待値を算出するようにしてもよい。
期待値テーブル224は、第1遅延部213からのLフレーム画像信号SLx(2)、第2遅延部215からの選択信号SRx(1d)及び第3遅延部216からの選択信号SLx(1d)が入力される入力テーブル226を含む。
入力テーブル226には、上述の如く、第1遅延部213からのLフレーム画像信号SLx(2)、第2遅延部215からの選択信号SRx(1d)及び第3遅延部216からの選択信号SLx(1d)が入力される。図14に示される入力テーブル226中の第2遅延部215からの入力に対応する座標軸は、第2遅延部215からの選択信号SRx(1d)が規定する現行選択輝度を示す。入力テーブル226中の第3遅延部216からの入力に対応する座標軸は、第3遅延部216からの選択信号SLx(1d)が規定する先行選択輝度を示す。尚、第2遅延部215からの選択信号SRx(1d)が規定する現行選択輝度及び第3遅延部216からの選択信号SLx(1d)が規定する先行選択輝度は、図13に関連して説明された現行選択輝度及び先行選択輝度と等しい値である。
図15は、先行するLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度と後続のRフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度との差異が与える画素の輝度変化に対する影響を概略的に示すグラフである。図8、図14及び図15を用いて、入力テーブル226が更に説明される。
図15中、水平方向に延びる直線HLは、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度を示す。図15中の曲線CV1は、先行するLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度と後続のRフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度との差異が小さいときの画素の輝度変化を表す。図15中の曲線CV2は、先行するLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度と後続のRフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度との差異が大きいときの画素の輝度変化を表す。尚、時間「0」における曲線CV1,CV2の値は、それぞれ、先行するLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度に相当する。図15に示される如く、先行するLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度と後続のRフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度との差異が小さいとき、画素の輝度は、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度に比較的早期に到達する。一方、先行するLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度と後続のRフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度との差異が大きいとき、画素の輝度がRフレーム画像信号SRx(2)の目標輝度に到達するまでの期間は長くなる。
図14に示される如く、入力テーブル226は、第1遅延部213から入力される先行のLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度に対応する座標軸を備える。
第2補正部218は、第1遅延部213から入力されるLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度、第2遅延部215からの選択信号SRx(1d)が規定する現行選択輝度及び第3遅延部216からの選択信号SLx(1d)が規定する先行選択輝度に基づき、画素P1乃至P8それぞれに対して、期待値を決定する。
決定テーブル225は、第2走査期間に出力される第2補正値のデータを格納する。決定テーブル225中のフレーム画像信号(Rフレーム画像信号SRx(2))の入力に対応する座標軸は、フレーム画像信号(Rフレーム画像信号SRx(2))が規定する目標輝度を示す。決定テーブル225中の期待値テーブル224からの入力に対応する座標軸は、期待値テーブル224から抽出された輝度の期待値(即ち、第1走査期間中に達成すると期待される画素の輝度)を示す。第2補正部218は、目標輝度と輝度の期待値と、に基づき、画素P1乃至P8それぞれに対して、第2補正値を決定し、第2補正値の情報を含む第2補正信号CRx(2)を第2選択部219へ出力する。
図12に示される如く、第2走査期間において、出力部221には、Rフレーム画像信号SRx(2)及び第2補正部218によって生成された第2補正信号CRx(2)が入力される。
出力部221は、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度と、第2補正信号CRx(2)が規定する第2補正値と、を加算し、第2走査期間で用いられる駆動輝度を決定する。第2走査動作が行われる第2走査期間において、出力部221は、算出された駆動輝度の情報を含む第2画像信号IRx(2)を液晶駆動部220へ出力する。但し、図3乃至図5に関連して説明された如く、第2画像信号IRx(2)は、ゲート線L1,L3,・・・上の画素に対する駆動輝度の情報を含まず、ゲート線L2,L4,・・・上の画素に対する駆動輝度の情報のみを含む。
液晶駆動部220は、第2画像信号IRx(2)に基づき、液晶パネル231の液晶を駆動する。第2画像信号IRx(2)に基づく液晶の駆動の結果、画素P2,P4,P6,P8の輝度は、駆動輝度に向けて変動する。
(輝度データの変動)
図16は、第1走査期間に出力される信号が含む輝度のデータを示す。図8、図13及び図16を用いて、第1走査期間中の輝度のデータの変化が説明される。図16中の表は、データ線Mに沿って整列した画素の輝度を表す。尚、以下の説明において、第1等価部211及び第2等価部214は、選択処理を行っている。
第1等価部211に入力されるX番目のRフレーム画像信号SRx(2)は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素に対して、「50」の輝度を示している。また、Rフレーム画像信号SRx(2)は、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素に対して、「10」の輝度を示している。
第1等価部211は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素の輝度を基準に、図8に関連して説明された選択処理を行い、選択信号SRx(1)を生成する。つまり、本実施形態では、第1等価部211は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素を特定画素として選択する。この結果、選択信号SRx(1)は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素及び偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素の両方に対して、「50」の輝度を示す。選択信号SRx(1)は、第1選択部212及び第1補正部217に出力される。第1選択部212は、出力部221へ選択信号SRx(1)を出力する。
X番目のRフレーム画像を表示するための右眼期間の第1走査期間において、第1遅延部213は、直前のX番目のLフレーム画像を表示するために左眼期間において取得されたLフレーム画像信号SLx(2)を出力する。Lフレーム画像信号SLx(2)は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素に対して、「100」の輝度を示している。また、Lフレーム画像信号SLx(2)は、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素に対して、「90」の輝度を示している。Lフレーム画像信号SLx(2)は、第2等価部214へ入力される。
第2等価部214は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素の輝度を基準に、図8に関連して説明された選択処理を行い、選択信号SLx(1)を生成する。この結果、選択信号SLx(1)は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素及び偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素の両方に対して、「100」の輝度を示す。選択信号SLx(1)は、第1補正部217に出力される。
図13に関連して説明された如く、第1補正部217は、選択信号SRx(1),SLx(1)に基づき、第1補正テーブル222を用いて、第1補正信号CRx(1)を生成する。第1補正部217は、選択信号SRx(1)が示す現行選択輝度と、等価信号SLx(1)が示す先行選択輝度とに基づき、画素それぞれに対して第1補正値を決定する。図16に示される選択信号SRx(1)は、データ線Mに沿う全ての画素に対し、「50」の現行選択輝度を示し、選択信号SLx(1)は、データ線Mに沿う全ての画素に対し、「100」の先行選択輝度を示しているので、第1補正部217は、データ線Mに沿う全ての画素に対し、「−5」の第1補正値を定め、第1補正信号CRx(1)を生成する。第1補正信号CRx(1)は、その後、第2選択部219を介して、出力部221へ出力される。
出力部221は、選択信号SRx(1)が指し示す輝度と、第1補正信号CRx(1)が指し示す第1補正値と、を画素それぞれについて加算する。図16に示される選択信号SRx(1)は、データ線Mに沿う全ての画素に対し、「50」の輝度を示し、第1補正信号CRx(1)は、データ線Mに沿う全ての画素に対し、「−5」の第1補正値を示しているので、出力部221から出力される第1画像信号IRx(1)は、データ線Mに沿う全ての画素に対し、「45」の駆動輝度を規定する。
図17は、第2走査期間に出力される信号が含む輝度のデータを示す。図1及び図17を用いて、第2走査期間中の輝度のデータの変化が説明される。図17中の表は、データ線Mに沿って整列した画素の輝度を表す。
X番目のRフレーム画像信号SRx(2)は、第1選択部212及び第2補正部218に入力される。第1選択部212は、第2走査期間に、Rフレーム画像信号SRx(2)を出力部221へ出力する。
第1走査期間において、第1等価部211が出力した選択信号SRx(1)は、第2遅延部215に入力される。第2遅延部215は、選択信号SRx(1)を遅延させ、第2走査期間において、選択信号SRx(1d)として、出力する。尚、選択信号SRx(1)が画素それぞれに規定する輝度及び選択信号SRx(1d)が画素それぞれに規定する輝度は等しい。
第1走査期間において、第2等価部214が出力した選択信号SLx(1)は、第3遅延部216に入力される。第3遅延部216は、選択信号SLx(1)を遅延させ、第2走査期間において、選択信号SLx(1d)として、出力する。尚、選択信号SLx(1)が画素それぞれに規定する輝度及び選択信号SLx(1d)が画素それぞれに規定する輝度は等しい。
第2遅延部215は、選択信号SRx(1d)を第2補正部218へ出力する。選択信号SRx(1d)は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素及び偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素に対して、「50」の輝度をそれぞれ示している。
第3遅延部216は、選択信号SLx(1d)を第2補正部218へ出力する。選択信号SLx(1d)は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素及び偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素に対して、「100」の輝度をそれぞれ示している。
上述の如く、第1遅延部213は、第2走査期間において、X番目のLフレーム画像信号SLx(2)を第2補正部218に出力する。Lフレーム画像信号SLx(2)は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1(tは自然数)上の画素に対して、「100」の輝度を規定し、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2t(tは自然数)上の画素に対して、「90」の輝度を規定している。
図14に関連して説明された如く、第2補正部218は、第1等価部211及び第2等価部214が規定した選択輝度、及び先行するフレーム画像信号が規定する目標輝度に基づき、期待値を決定する。Lフレーム画像信号SLx(2)が偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2t(tは自然数)上の画素に対して規定する輝度は、Lフレーム画像信号SLx(2)が奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1(tは自然数)上の画素に対して規定する画素を下回るので、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2t(tは自然数)上の画素が第2走査動作開始時において達成している輝度は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1(tは自然数)上の画素が第2走査動作開始時において達成している輝度よりも低いことが予想される。したがって、第2補正部218Dは、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1(tは自然数)上の画素に対して決定された期待値よりも小さな期待値を偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2t(tは自然数)上の画素に対して決定する。
上述の如く、Rフレーム画像信号SRx(2)は、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2t(tは自然数)上の画素に対して、「10」の輝度を規定している。また、第2補正部218は、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2t(tは自然数)上の画素に対して「50」の期待値を設定している。したがって、第2補正部218は、「10」の輝度と「50」の期待値とを比較し、「−5」の第2補正値を、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2t(tは自然数)上の画素に対して決定する。
第2補正部218は、上述の如く、第2補正値の情報を含む第2補正信号CRx(2)を、第2選択部219を介して、第2選択部219へ出力する。出力部221は、Rフレーム画像信号SRx(2)が指し示す輝度と、第2補正信号CRx(2)が指し示す第2補正値と、を画素それぞれについて加算し、第2画像信号IRx(2)を生成並びに出力する。生成された第2画像信号IRx(2)は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1(tは自然数)上の画素に対しては、駆動輝度を規定していない。また、第2画像信号IRx(2)は、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2t(tは自然数)上の画素に対して「5」の駆動輝度を規定している。
図18は、図16及び図17に関連して説明された信号処理に基づく画素の輝度の変化を表す概略的なタイムチャートである。図1、図5、図8、図9、図16乃至図18を用いて、画素の輝度変化が説明される。
図18のセクション(A)には、X番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間、X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間及び(X+1)番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間が示されている。以下の説明において、右眼期間における画素の輝度変化が説明される。
図18のセクション(B)には、第1走査動作及び第2走査動作が示される。右眼期間の第1走査期間において、液晶駆動部220は、第1画像信号IRx(1)を用いて、第1走査動作を実行する。図5に関連して説明された如く、液晶駆動部220は、1つの奇数番号のゲート線に対応する画素と、1つの偶数番号のゲート線に対応する画素の液晶と、を1つの組として、同時に駆動する。この結果、第1画像信号IRx(1)は、ゲート線(L1,L2)の組、ゲート線(L3,L4)の組、・・・・、ゲート線(L2t−1,L25)の組に順次書き込まれる。右眼期間の第2走査期間において、液晶駆動部220は、第2画像信号IRx(2)を用いて、第2走査動作を実行する。図5に関連して説明された如く、液晶駆動部220は、ゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素に順次、第2画像信号IRx(2)の輝度データを書き込む。図5に関連して説明された如く、第1走査期間と第2走査期間とは同じ長さとなっている。
図18のセクション(C)は、光学シャッタ部310の開閉動作を示す。左眼シャッタ311は、第2走査動作の完了後、且つ、右眼期間が開始される前までの期間において開く。また、右眼シャッタ312は、第2走査動作の完了後、且つ、左眼期間が開始される前までの期間において開く。
図18のセクション(D)は、ゲート線L1とデータ線Mとの交点に位置する画素の輝度の変化を表す。図18のセクション(E)は、ゲート線L2とデータ線Mとの交点に位置する画素の輝度の変化を表す。
図16及び図17に関連して説明された如く、直前の左眼期間においてLフレーム画像の表示に用いられたLフレーム画像信号SLx(2)は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素に対して、「100」の目標輝度を規定している。したがって、セクション(D)に示される画素の輝度は、「100」から変動を開始する。Lフレーム画像信号SLx(2)は、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素に対して、「90」の目標輝度を規定している。したがって、セクション(E)に示される画素の輝度は、「90」から変動を開始する。
図16に関連して説明された如く、第1画像信号IRx(1)は、データ線Mに沿う画素全てに対して、「45」の駆動輝度を設定する。したがって、第1走査動作がなされると、データ線Mに沿う画素の輝度は、「45」の駆動輝度に向けて、変動を開始する。
第1走査動作の結果、第2走査動作が開始される直前には、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素の輝度は、第2補正部218の決定テーブル225を用いて決定された「60」の輝度の期待値に到達する、或いは、「60」の輝度の期待値に近似する。同様に、第1走査動作の結果、第2走査動作が開始される直前には、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素の輝度は、第2補正部218の決定テーブル225を用いて決定された「50」の輝度の期待値に到達する、或いは、「50」の輝度の期待値に近似する。
図3乃至図5に関連して説明された如く、第2画像信号IRx(2)は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素に対して、駆動輝度を設定しない。したがって、第2走査動作がなされると、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素は、第1走査動作における輝度変動が継続され、第2走査動作が実行される間に「50」の目標輝度にさらに近づき、右眼シャッタ312が開かれるときには、目標輝度に到達している。
第2画像信号IRx(2)は、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素に対して、「5」の駆動輝度を規定している。したがって、第2走査動作がなされると、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素は、「5」の駆動輝度に向けて、変動を開始する。「5」の駆動輝度は、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度「10」を下回るので、偶数番号のゲート線L2,L4,・・・,L2tに対応する画素の液晶は、比較的大きな駆動力で駆動される。したがって、右眼シャッタ312が開かれるときには、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度「10」に十分に近づけられている。
図18のセクション(E)に示される如く、ゲート線L2に対応する画素は、右眼シャッタ312が開かれるときには、「10」の目標輝度に略到達している。
このように、図18に示される走査動作では、目標輝度と異なる輝度が駆動輝度に設定されてオーバードライブ処理が行われているため、図6に示される基本的な走査動作に比べて、画素の輝度をより早く目標輝度に近づけることができる。したがって、液晶パネル231の表示面のクロストークをより一層低減することができるため、図6に示される基本的な走査動作より、図18に示される走査動作の方が好ましい。
尚、クロストークの更なる改善は、眼鏡装置300のシャッタ部310の開閉制御及び/又はバックライト232の点灯制御によっても達成可能である。例えば、クロストークの量は、眼鏡装置300の左眼シャッタ311が開くタイミング及び右眼シャッタ312が開くタイミングがそれぞれ遅延されることにより、低減される。左眼シャッタ311が開くタイミング及び右眼シャッタ312が開くタイミングの遅延は、結果として、左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312の短縮化をもたらし、視聴者が知覚する光量が低減することもある。バックライト232の光量の増大により、左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312の短縮化に起因する視聴者が知覚する光量の低減は、補填されうる。かくして、クロストークの一層の低減化が好適に図られる。
(第1実施形態の効果)
図19は、比較例において、入力されるフレーム画像信号で規定される目標輝度に対し、第1及び第2走査動作で設定される目標輝度を表形式で概略的に示す図である。図19には、図4と同様に、ゲート線L1乃至L12の目標輝度が示されている。図20は、図19に示される比較例において実行される走査動作を示す概略的なグラフである。図20(a)は、図19に示される比較例における第1走査動作を示す。図20(b)は、図19に示される比較例における第2走査動作を示す。図20には、図5と同様に、ゲート線L1乃至L12の走査動作が示されている。図20(a)及び図20(b)の横軸は、ゲート線L1乃至L12までの走査動作を行っている時間軸である。図20(a)及び図20(b)の縦軸は、液晶パネルの副走査方向の位置を表す。図4、図5、図19及び図20を用いて、比較例に対する第1実施形態の効果が説明される。
図19に示される比較例において、フレーム画像信号で規定された目標輝度は、図4に示される第1実施形態と同様である。すなわち、図19に示されるように、ゲート線L1乃至L12のデータ線Mにおける画素に対し、フレーム画像信号でそれぞれ目標輝度I1乃至I12が規定されている。また、図19に示される比較例において、第1走査動作は、図4に示される第1実施形態と同様である。すなわち、図19に示されるように、第1走査動作において、ゲート線L2t−1,L2t上の画素の目標輝度は等しく設定される(tは、自然数)。したがって、図19に示される比較例においても、液晶駆動部により、ゲート線L2t−1,L2t上に同時に信号が書き込まれる。この結果、ゲート線L2t−1,L2t上の画素に対応する液晶は、同時に駆動される。
したがって、図5(a)と図20(a)とを比較して分るように、第1走査動作では、第1実施形態及び比較例のいずれも、液晶駆動部により、2つのゲート線L2t−1,L2tの組に同時に信号の書き込みが行われるので、ゲート線L1乃至L12の書き込みを完了するまでの第1走査動作の期間T1は、変わらない。
一方、第2走査動作については、図19に示される比較例は、図4に示される第1実施形態と異なっている。すなわち、図19に示される比較例では、第2走査動作において、フレーム画像信号(Lフレーム画像信号及びRフレーム画像信号)に基づいて、全てのゲート線L1,L2,・・・上の画素を駆動する。したがって、ゲート線L1,L2,・・・に順次書き込みが行われる。このため、比較例では、図20(b)から分るように、第2走査動作の期間T2は、第1走査動作の期間T1より長くなっている。
図4及び図19に示されるように、第1実施形態及び比較例のいずれも、第2走査動作後に液晶パネルに表示される画像は、フレーム画像信号で規定される目標輝度I1,I2,・・・に対応するものとなっている。しかしながら、第2走査動作の期間が、第1実施形態と比較例とで大きく異なっている。すなわち、図5(b)に関連して説明された如く、第1実施形態では、第2走査動作の期間は、第1走査動作の期間と同じT1になっているのに対して、比較例では、駆動する画素数が第1実施形態の2倍であることから、第2走査動作の期間T2は、第1走査動作の期間T1の2倍になっている。したがって、第1実施形態によれば、図19に示される比較例よりも第2走査動作が早期に終了するので、液晶パネル231の表示面の下部領域におけるクロストークを、比較例に比べて低減することができる。
(その他)
なお、上記第1実施形態では、出力部221から出力される第2画像信号IRx(2)において、出力部221は、奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素に対して駆動輝度を設定しないようにしている。そして、出力部221の上流側、例えば第2補正部218では、第2走査動作において保持される奇数番号のゲート線L1,L3,・・・,L2t−1に対応する画素についても、決定テーブル225を用いて輝度の期待値を決定している。代替的に、例えば第2走査動作で保持される画素については、輝度の期待値を決定するのを省略してもよい。この点については、以降の実施形態でも同様である。すなわち、次に実行される走査動作で保持される画素については、直前に実行された走査動作で達成される輝度の期待値を決定するのを省略してもよい。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、液晶駆動部220は、1回の第2走査動作を実行しているが、これに限られず、N回(Nは2以上の整数)の第2走査動作を実行するようにしてもよい。以下に説明する第2実施形態では、液晶駆動部220は、2回(N=2)の第2走査動作を実行する。液晶駆動部220がN回の第2走査動作を実行する場合には、映像信号処理部210は、N個の第2画像信号を生成すればよい。この場合、液晶駆動部220は、N個の第2画像信号をそれぞれ液晶パネル231の表示面に亘って走査する第2走査動作を、1個目の第2画像信号からN個目の第2画像信号まで順番にN回実行すればよい。さらに、液晶駆動部220は、n回目(nは2以上N以下の整数)の第2走査動作では、(n−1)回目の第2走査動作において第2画像信号の輝度データが書き込まれていない画素の一部の画素である駆動画素に輝度データを書き込み、駆動画素以外の画素に輝度データを書き込まないようにしてもよい。
なお、第2実施形態及び後述される各実施形態では、例えば図6に示される基本的な走査動作と、例えば図18に示されるオーバードライブ処理を用いた走査動作とのいずれの走査動作を実行してもよい。但し、上記第1実施形態で説明されたように、液晶パネル231の表示面のクロストークをより一層低減することができるため、図6に示される基本的な走査動作より、図18に示される走査動作の方が好ましい。
図21は、第2実施形態において、入力されるフレーム画像信号で規定される目標輝度に対し、第1走査動作及び2回の第2走査動作で設定される目標輝度を表形式で概略的に示す図である。図22は、液晶駆動部220が行う走査動作を示す概略的なグラフである。図22(a)は、第1画像信号に基づく第1走査動作を示す。図22(b)は、第2画像信号に基づく1回目の第2走査動作を示す。図22(c)は、異なる第2画像信号に基づく2回目の第2走査動作を示す。図22は、ゲート線L1乃至L12までの走査動作が示されている。図22(a)乃至図22(c)の横軸は、ゲート線L1乃至L12までの走査動作を行っている時間軸である。図22(a)乃至図22(c)の縦軸は、液晶パネル231の副走査方向の位置を表す。第1実施形態と同様の要素に対して、同様の符号が割り当てられている。以下において説明されない要素に対し、第1実施形態に係る説明が好適に援用される。図1、図8(b)、図21及び図22を用いて、第2実施形態における第1走査動作及び第2走査動作が説明される。
図21に示されるように、第1実施形態と同様に、ゲート線L1乃至L12のデータ線Mにおける画素に対し、フレーム画像信号でそれぞれ目標輝度I1乃至I12が規定されている。第1走査動作では、第1実施形態と異なり、副走査方向に隣接して整列した4個の画素を含む画素グループが設定される。すなわち、例えば図8(b)に示されるように、ゲート線L1,L2,L3,L4に対応する画素P1,P2,P3,P4を含む画素グループG5が設定される。
第1走査動作では、映像信号処理部210は、画素グループごとに、図8(a)に関連して説明された選択処理によって選択された選択輝度が、画素グループに含まれる画素の共通する目標輝度として設定されるように、第1画像信号を生成する。液晶駆動部220は、映像信号処理部210により生成された第1画像信号に基づき第1走査動作を実行し、画素グループに含まれる全ての画素(つまりデータ線M上の全ての画素)を駆動する。すなわち、例えばゲート線L1,L2,L3,L4に対応する画素(例えば図8(b)では画素グループG5に含まれる画素)は、それぞれ目標輝度I1,I2,I3,I4から選択された選択輝度I1に基づき駆動される。言い換えると、選択輝度I1は、ゲート線L1,L2,L3,L4に対応する画素の組(例えば図8(b)では画素グループG5)に含まれる4個の画素のうちで、選択されたゲート線L1に対応する画素に対してフレーム画像信号が規定した目標輝度である。同様に、例えばゲート線L9,L10,L11,L12に対応する画素は、それぞれ目標輝度I9,I10,I11,I12から選択された選択輝度I9に基づき駆動される。言い換えると、選択輝度I9は、ゲート線L9,L10,L11,L12に対応する画素の組に含まれる4個の画素のうちで、選択されたゲート線L9に対応する画素に対してフレーム画像信号が規定した目標輝度である。
続く1回目の第2走査動作では、4個の画素を含む画素グループがさらに分割されて、2個の画素を含むサブグループが設定される。すなわち、例えば図8(b)に示されるように、画素グループG5はさらに分割されて、ゲート線L1,L2に対応する画素P1,P2を含むサブグループG51と、ゲート線L3,L4に対応する画素P3,P4を含むサブグループG52とが設定される。
1回目の第2走査動作では、映像信号処理部210は、第1走査動作において選択されなかった画素のみを含むサブグループの画素が駆動され、第1走査動作において選択された画素を含むサブグループの画素は駆動されずに、そのまま保持されるように、1個目の第2画像信号を生成する。液晶駆動部220は、映像信号処理部210により生成された1個目の第2画像信号に基づき、1回目の第2走査動作を実行し、一部のサブグループに含まれる画素(つまりデータ線M上の一部の画素)を駆動する。
すなわち、例えばゲート線L1,L2,L3,L4に対応する画素のうちゲート線L1に対応する画素は、第1走査動作において、フレーム画像信号の目標輝度I1と一致する選択輝度I1に基づき駆動されている。そこで、1回目の第2走査動作では、映像信号処理部210は、ゲート線L1に対応する画素(選択された画素)を含むゲート線L1,L2に対応する画素の組が駆動されないように、1個目の第2画像信号を生成し、それらの画素は、第1走査動作が実行された状態で保持される。一方、ゲート線L3,L4に対応する画素は、第1走査動作において選択されておらず、それぞれ目標輝度I3,I4と異なる選択輝度I1に基づき駆動されている。そこで、1回目の第2走査動作では、映像信号処理部210は、ゲート線L3,L4に対応する画素を、それぞれ目標輝度I3,I4から選択された選択輝度I3に基づき駆動されるように、1個目の第2画像信号を生成する。
続く2回目の第2走査動作では、2個の画素を含むサブグループがさらに分割されて、1個の画素を含むサブグループが設定される。映像信号処理部210は、第1走査動作及び1回目の第2走査動作において選択されなかった画素のみを含むサブグループの画素が駆動され、第1走査動作又は1回目の第2走査動作において選択された画素を含むサブグループの画素は駆動されずに、そのまま保持されるように、2個目の第2画像信号を生成する。この2回目の第2走査動作では、上記第1実施形態の第2走査動作と同様に、サブグループは画素を1個のみ含む。つまり、2個目の第2画像信号は、上記第1実施形態における第2画像信号と同様に生成され、2回目の第2走査動作は、上記第1実施形態における第2走査動作と同様に実行されることとなる。
例えばゲート線L1に対応する画素は、第1走査動作において選択され、フレーム画像信号の目標輝度I1と一致する選択輝度I1に基づき駆動されているため、駆動されないように2個目の第2画像信号が生成され、1回目の第2走査動作に引き続いて、そのまま保持される。一方、ゲート線L2に対応する画素は、第1走査動作において選択されておらず、フレーム画像信号の目標輝度I2と一致しない選択輝度I1に基づき駆動され、1回目の第2走査動作では駆動されずに保持されているため、一度も選択されていない。つまり一度もフレーム画像信号の目標輝度I2に基づき駆動されていない。そこで、ゲート線L2に対応する画素は、フレーム画像信号の目標輝度I2に基づき駆動されるように、2個目の第2画像信号が生成される。本実施形態において、駆動される一部のサブグループが駆動サブグループとして例示される。
第1画像信号は、上述の如く、副走査方向に隣接して整列した画素の輝度を等しくする。本実施形態において、ゲート線L4t−3,L4t−2,L4t−1,L4t上の画素の輝度は等しく設定される(tは、自然数)。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線L4t−3,L4t−2,L4t−1,L4t上に同時に第1画像信号を書き込むことができる。この結果、ゲート線L4t−3,L4t−2,L4t−1,L4t上の画素に対応する液晶は、同時に駆動される。
1個目の第2画像信号は、上述の如く、ゲート線L4t−3,L4t−2上の画素は駆動されずに保持され、ゲート線L4t−1,L4t上の画素が等しい輝度で駆動されるように、生成される。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線L4t−1,L4t上の画素に、同時に1個目の第2画像信号を書き込むことができる。
2個目の第2画像信号は、上述の如く、ゲート線L2t−1上の画素は駆動されずに保持され、ゲート線L2t上の画素が駆動されるように、生成される。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線L2,L4,・・・の順で、順次、2個目の第2画像信号を書き込む。
図22に示されるように、本実施形態において、第1走査動作を行う液晶駆動部220は、第1画像信号により、4つのゲート線L4t−3,L4t−2,L4t−1,L4tの組に同時に信号の書き込みを行う。したがって、全てのゲート線L1,L2,・・・に順次、信号を書き込む場合の期間(すなわち図19に示される比較例の第2走査動作の期間T2)に比べて、第1走査動作の期間T3は1/4となる。つまり、期間T3は、第1実施形態の第1走査動作の期間T1に比べて半分となる。
1回目の第2走査動作を行う液晶駆動部220は、1個目の第2画像信号により、2つのゲート線L4t−1,L4tの組に同時に信号の書き込みを行い、かつ2つのゲート線L4t−3,L4t−2の組は駆動しない。したがって、1回目の第2走査動作の期間は、第1走査動作の期間と同じT3になる。
一方、2回目の第2走査動作を行う液晶駆動部220は、ゲート線L2,L4,・・・の順で、順次、2個目の第2画像信号を書き込む。したがって、全てのゲート線L1,L2,・・・に順次、信号を書き込む場合の期間(すなわち図19に示される比較例の第2走査動作の期間T2)に比べて、2回目の第2走査動作の期間T1は1/2となる。つまり、第1実施形態の第1走査動作及び第2走査動作の期間T1と同じになる。比較的短期間で行われる第1走査動作及び2回の第2走査動作によって、液晶パネル231の液晶の駆動が表示面全体に亘って短期間で実行されるので、表示面下部領域におけるクロストークが低減される。
(第2補正部)
上記第1実施形態では、上述の如く、第1走査期間と第2走査期間とは同じ長さであった。これに対して、この第2実施形態では、図22に関連して説明された如く、第1走査期間と1回目の第2走査期間とは同じT3であるが、2回目の第2走査期間T1はT1>T3と直前の1回目の第2走査期間に比べて長くなっている。このため、第2補正部218において、画素が達成している輝度の期待値を決定するためには、以下に説明するように、画素の位置による調整が必要となる。
また、図21に関連して説明された如く、第2実施形態では、2回目の第2走査動作において画素を駆動する際に、当該画素が、全ての画素を駆動する第1走査動作で駆動された後、1回目の第2走査動作で保持されていたか否かの相違が存在する。すなわち、例えばゲート線L2に対応する画素は、第1走査動作において、フレーム画像信号の目標輝度I2と一致しない選択輝度I2に基づき駆動された後、1回目の第2走査動作では駆動されずに保持され、2回目の第2走査動作において、目標輝度I2に基づき駆動される。一方、ゲート線L4に対応する画素は、1回目の第2走査動作において、フレーム画像信号の目標輝度I4と一致しない選択輝度I3に基づき駆動された後、直後の2回目の第2走査動作で目標輝度I4に基づき駆動される。このため、第2補正部218において、画素が達成している輝度の期待値を決定するためには、以下に説明するように、保持期間による調整も必要となる。
図23は、第2実施形態において第2補正部218が格納する第2補正テーブルの概念図である。図1及び図23を用いて、第1実施形態と異なる点を中心として第2補正部218が説明される。
第2実施形態の第2補正部218の期待値テーブル224は、入力テーブル226に加えて、駆動輝度が決定される画素の副走査方向位置及び保持期間に基づき、入力テーブル226からの出力値を調整するための調整テーブル227を含む。
第2補正部218は、第2実施形態では、入力テーブル226により求めた期待値を仮期待値とする。第2補正部218は、入力テーブル226により求めた仮期待値を調整テーブル227により調整して、期待値を決定する。
図24(a)は、画素の位置に起因する走査動作の差異を説明する模式図、図24(b)は、保持期間に起因する走査動作の差異を概略的に説明する模式図である。図1、図12、図14、図17、図22及び図24を用いて、画素の位置及び保持期間に起因する走査動作の差異が説明される。
図22に関連して説明された如く、第2実施形態では、第1走査動作及び1回目の第2走査動作は、2回目の第2走査動作よりも短期間で行われる。1回目の第2走査動作の後2回目の第2走査動作が開始されるまでの期間において、液晶は、図12、図14及び図17に関連して説明された駆動輝度に向けて駆動される。
図24(a)には、駆動輝度に向けて液晶が駆動される期間SP1,SP2が示されている。期間SP1は、比較的早期に駆動される液晶パネル231の上部の液晶が駆動輝度に向けて駆動されている期間を示す。期間SP2は、比較的遅く駆動される液晶パネル231の下部の液晶が駆動輝度に向けて駆動されている期間を示す。図24(a)に示される如く、期間SP2は、期間SP1より長くなる。
図24(b)には、駆動輝度に向けて液晶が駆動される期間SP11,SP12が示されている。ゲート線L2に対応する画素は、図21に関連して説明された如く、第1走査動作で駆動された後、1回目の第2走査動作では駆動されずに保持され、2回目の第2走査動作で駆動されている。すなわち、期間SP11は、第1走査動作により駆動されている期間を示し、保持期間(第2走査期間)を含む。一方、ゲート線L4に対応する画素は、図21に関連して説明された如く、第1走査動作で駆動された後、続く1回目の第2走査動作でも駆動され、さらに2回目の第2走査動作でも駆動されている。すなわち、期間SP12は、1回目の第2走査動作により駆動されている期間を示し、保持期間は含まれていない。図24(b)に示される如く、期間SP11は、期間SP12より長くなる。なお、図24(a)に関連する説明から明らかなように、画素の位置に起因する分は期間SP11より期間SP12の方が長いが、ゲート線L2,L4は近接しているため、その差異による影響は小さい。
図25は、画素の位置が与える画素の輝度変化に対する影響を概略的に示すグラフである。図1、図9、図12、図14、図17、図23乃至図25を用いて、入力テーブル226が更に説明される。
図25中、水平方向に延びる直線HLは、駆動輝度を示す。図25中の曲線CVは、図12、図14及び図17に関連して説明された駆動輝度に向けて変動する画素の輝度を表す。上述の如く、液晶パネル231の上部の液晶は、期間SP1の間、駆動輝度に向けて駆動される。この結果、液晶パネル231の上部の画素は、「AB1」の輝度を達成する。一方、液晶パネル231の下部の液晶は、期間SP2の間、駆動輝度に向けて駆動される。この結果、液晶パネル231の下部の画素は、「AB2」の輝度を達成する。液晶パネル231の下部の画素は、液晶パネル231の上部の画素よりも駆動輝度に近い値となっている。保持期間に起因する期間SP11,SP12の差異についても、図25に関連して説明された期間SP1,SP2と、同様に考えることができる。
図23に示される如く、期待値テーブル224は、調整テーブル227を含む。調整テーブル227は、画素の位置情報2271と、画素の保持期間情報2272とを含む。画素の位置情報2271は、駆動輝度が決定される画素の副走査方向における位置を表す情報を含む。画素の保持期間情報2272は、駆動輝度が決定される画素の保持期間を表す情報を含む。第2補正部218は、調整テーブル227の画素の位置情報2271と画素の保持期間情報2272とを用いて、図25に関連して説明された画素の位置及び保持期間に起因する達成輝度の差異を減少させるように仮期待値を調整し、期待値を決定する。本実施形態において、第2補正部218は、第1等価部211及び第2等価部214が規定した選択輝度、先行するフレーム画像信号が規定する目標輝度、並びに画素の位置及び保持期間に基づき、期待値を決定する。代替的に、第2補正部218は、選択輝度に代えて又は加えて、画素の輝度に影響する他の因子(例えば、液晶パネル231の温度分布)に基づき、期待値を決定してもよい。
その結果、第2補正部218は、例えば図17において、ゲート線L2tの期待値を「50」に代えて、例えば「40」とし、第2補正信号CRx(2)のゲート線L2tの補正値を「−5」に代えて、例えば「0」とする。つまり、第2補正部218は、画素の副走査方向の位置及び画素の保持期間に応じて、駆動輝度を変更する。これによって、より好適に、画素の輝度を所望の輝度に近づけることができる。
第2実施形態では、映像信号処理部210は、第1走査動作において選択された画素は、第2走査動作では駆動されず、第1走査動作の状態が保持されるように、第2画像信号を生成する。本実施形態において、第1走査動作において選択された画素は、特定画素として例示される。
また、第2実施形態では、液晶駆動部220は、2回(N=2)の第2走査動作を実行しているが、n回目(nは2以上N以下の整数)に第2走査動作が実行されるn個目の第2画像信号は、1回目から(n−1)回目までの第2走査動作において選択された画素を駆動するデータを含まない。当該画素については、n回目の第2走査動作では、前回駆動された走査動作の状態が保持される。本実施形態において、1回目から(n−1)回目までの第2走査動作において選択された画素は、特定画素として例示される。
<第3実施形態>
上記第2実施形態では、液晶駆動部220は、2回(N=2)の第2走査動作を実行しているのに対し、第3実施形態では、液晶駆動部220は、3回(N=3)の第2走査動作を実行する。以下、第1及び第2実施形態との相違点を中心に、第3実施形態が説明される。
図26は、第3実施形態において、入力されるフレーム画像信号で規定される目標輝度に対し、第1走査動作及び3回の第2走査動作で設定される目標輝度を表形式で概略的に示す図である。図27は、液晶駆動部220が行う走査動作を示す概略的なグラフである。図27(a)は、第1画像信号に基づく第1走査動作を示す。図27(b)は、1個目の第2画像信号に基づく1回目の第2走査動作を示す。図27(c)は、2個目の第2画像信号に基づく2回目の第2走査動作を示す。図27(d)は、3個目の第2画像信号に基づく3回目の第2走査動作を示す。図27は、ゲート線L1乃至L12までの走査動作が示されている。図27(a)乃至図27(d)の横軸は、ゲート線L1乃至L12までの走査動作を行っている時間軸である。図27(a)乃至図27(d)の縦軸は、液晶パネル231の副走査方向の位置を表す。図1、図26及び図27を用いて、第3実施形態における第1走査動作及び第2走査動作が概略的に説明される。
図26に示されるように、ゲート線L1乃至L12のデータ線Mにおける画素に対し、フレーム画像信号でそれぞれ目標輝度I1乃至I12が規定されている。第1走査動作は、第2実施形態と同様に実行されるため、図21及び図22に関連する第2実施形態に係る説明が好適に援用される。
映像信号処理部210は、続く1回目乃至3回目の第2走査動作では、画素グループの4個の画素のうち、第1走査動作において選択されなかった3個の画素が、1個ずつ順次選択されて駆動され、それ以外の選択されない画素は駆動されずに、そのまま保持されるように、1個目乃至3個目の第2画像信号を生成する。液晶駆動部220は、映像信号処理部210により生成された1個目乃至3個目の第2画像信号に基づき、1回目乃至3回目の第2走査動作を実行し、データ線M上の一部の画素を駆動する。
すなわち、第1走査動作において、例えばゲート線L1,L2,L3,L4の組に対応する画素のうちゲート線L1に対応する画素が選択されて、フレーム画像信号の目標輝度I1と一致する選択輝度I1に基づき駆動されている。そこで、1回目の第2走査動作では、映像信号処理部210は、ゲート線L1以外のゲート線L2,L3,L4に対応する画素のうちゲート線L3に対応する画素が選択されて目標輝度I3に基づき駆動され、ゲート線L3以外の画素が駆動されないように、1個目の第2画像信号を生成する。1回目の第2走査動作で駆動されない画素は、第1走査動作の状態のまま保持される。
続く2回目の第2走査動作では、映像信号処理部210は、1回目の第2走査動作までに一度も選択されていない画素のうち1個の画素が選択されて駆動され、それ以外の画素は駆動されず、そのまま保持されるように、2個目の第2画像信号を生成する。そして、液晶駆動部220は、映像信号処理部210により生成された2個目の第2画像信号に基づき2回目の第2走査動作を実行し、データ線M上の一部の画素を駆動する。
すなわち、例えばゲート線L1,L2,L3,L4の組に対応する画素のうち、ゲート線L1に対応する画素は第1走査動作において選択されて目標輝度I1に基づき駆動され、ゲート線L3に対応する画素は1回目の第2走査動作において選択されて目標輝度I3に基づき駆動されている。そこで、2回目の第2走査動作では、映像信号処理部210は、ゲート線L2に対応する画素が選択されて目標輝度I2に基づき駆動され、ゲート線L2以外の画素が駆動されないように、2個目の第2画像信号を生成する。2回目の第2走査動作で駆動されない画素は、前回に実行された走査動作の状態で保持される。
続く3回目の第2走査動作では、映像信号処理部210は、2回目の第2走査動作までに一度も選択されていない画素が選択されて駆動され、それ以外の画素は駆動されず、そのまま保持されるように、3個目の第2画像信号を生成する。そして、液晶駆動部220は、映像信号処理部210により生成された3個目の第2画像信号に基づき3回目の第2走査動作を実行し、データ線M上の一部の画素を駆動する。
すなわち、例えばゲート線L1,L2,L3,L4の組に対応する画素のうち、ゲート線L1に対応する画素は第1走査動作において選択されて目標輝度I1に基づき駆動され、ゲート線L3に対応する画素は1回目の第2走査動作において選択されて目標輝度I3に基づき駆動され、ゲート線L2に対応する画素は2回目の第2走査動作において選択されて目標輝度I2に基づき駆動されている。そこで、3回目の第2走査動作では、映像信号処理部210は、残っているゲート線L4に対応する画素が選択されて目標輝度I4に基づき駆動され、ゲート線L4以外の画素が駆動されないように、3個目の第2画像信号を生成する。3回目の第2走査動作で駆動されない画素は、前回に実行された走査動作の状態で保持される。ゲート線L5,L6,L7,L8の組等の他のゲート線の組についても同様に、図26に示される如く、第1走査動作及び3回の第2走査動作が実行される。なお、1回目乃至3回目の第2走査動作で駆動される画素の順番は、図26に示される順番に限られない。
第1画像信号は、上述の如く、副走査方向に隣接して整列した画素の輝度を等しくする。本実施形態において、ゲート線L4t−3,L4t−2,L4t−1,L4t上の画素の輝度は等しく設定される(tは、自然数)。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線L4t−3,L4t−2,L4t−1,L4t上に同時に第1画像信号を書き込むことができる。この結果、ゲート線L4t−3,L4t−2,L4t−1,L4t上の画素に対応する液晶は、同時に駆動される。
1個目の第2画像信号は、上述の如く、ゲート線L4t−3,L4t−2,L4t上の画素は駆動されずに保持され、ゲート線L4t−1上の画素のみが駆動されるように、生成される。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線L3,L7,・・・の順で、順次、1個目の第2画像信号を書き込む。
2個目の第2画像信号は、上述の如く、ゲート線L4t−3,L4t−1,L4t上の画素は駆動されずに保持され、ゲート線L4t−2上の画素のみが駆動されるように、生成される。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線L2,L6,・・・の順で、順次、2個目の第2画像信号を書き込む。
3個目の第2画像信号は、上述の如く、ゲート線L4t−3,L4t−2,L4t−1上の画素は駆動されずに保持され、ゲート線L4t上の画素のみが駆動されるように、生成される。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線L4,L8,・・・の順で、順次、3個目の第2画像信号を書き込む。
図27に示されるように、本実施形態において、第1走査動作を行う液晶駆動部220は、第1画像信号により、4つのゲート線L4t−3,L4t−2,L4t−1,L4tに対応する画素に同時に信号の書き込みを行う。したがって、全てのゲート線L1,L2,・・・に順次、信号を書き込む場合の期間(すなわち図19に示される比較例の第2走査動作の期間T2)に比べて、第1走査動作の期間T3は1/4となる。つまり、期間T3は、第1実施形態の第1走査動作の期間T1に比べて半分となる。
1回目の第2走査動作を行う液晶駆動部220は、1個目の第2画像信号により、ゲート線L4t−1に対応する画素に順次信号の書き込みを行い、かつ3つのゲート線L4t−3,L4t−2,L4tに対応する画素は駆動しない。したがって、1回目の第2走査動作の期間は、第1走査動作の期間と同じT3になる。
2回目の第2走査動作を行う液晶駆動部220は、2個目の第2画像信号により、ゲート線L4t−2に対応する画素に順次信号の書き込みを行い、かつ3つのゲート線L4t−3,L4t−1,L4tに対応する画素は駆動しない。したがって、2回目の第2走査動作の期間は、第1走査動作の期間と同じT3になる。
3回目の第2走査動作を行う液晶駆動部220は、3個目の第2画像信号により、ゲート線L4tに対応する画素に順次信号の書き込みを行い、かつ3つのゲート線L4t−3,L4t−2,L4t−1に対応する画素は駆動しない。したがって、3回目の第2走査動作の期間は、第1走査動作の期間と同じT3になる。
このように、第3実施形態では、短期間で行われる第1走査動作及び3回の第2走査動作によって、液晶パネル231の液晶の駆動が表示面全体に亘って短期間で実行されるので、表示面下部領域におけるクロストークが低減される。
(第2補正テーブル)
第3実施形態では、図27に関連して説明された如く、第1走査期間と3回の第2走査期間とは、全て同じT3となっている。したがって、第3実施形態の第2補正部218では、第2実施形態に関連して説明されたような画素の位置による調整は必要ではない。
一方、図26に関連して説明された如く、第3実施形態では、1回目乃至3回目の第2走査動作により画素を駆動する際に、当該画素の保持期間、つまり、全ての画素を駆動する第1走査動作で駆動された後、駆動されずに保持されていた保持期間が相違する。すなわち、例えばゲート線L3に対応する画素は、第1走査動作において、フレーム画像信号の目標輝度I3と一致しない選択輝度I1に基づき駆動された後、保持されることなく1回目の第2走査動作で駆動される。例えばゲート線L2に対応する画素は、第1走査動作において、フレーム画像信号の目標輝度I2と一致しない選択輝度I1に基づき駆動された後、1回目の第2走査動作では駆動されずに保持され、2回目の第2走査動作において、目標輝度I2に基づき駆動される。例えばゲート線L4に対応する画素は、第1走査動作において、フレーム画像信号の目標輝度I4と一致しない選択輝度I1に基づき駆動された後、1回目及び2回目の第2走査動作では駆動されずに保持され、3回目の第2走査動作において、目標輝度I4に基づき駆動される。このため、第2実施形態に関連して説明された如く、第2補正部218において、画素が達成している輝度の期待値を決定するためには、保持期間による調整が必要となる。
図28は、第3実施形態において第2補正部218が格納する第2補正テーブルの概念図である。第2実施形態と同様の要素に対して、同様の符号が割り当てられている。図1及び図28を用いて、第2実施形態と異なる点を中心として第2補正部218が説明される。
図28に示される如く、期待値テーブル224は、調整テーブル227を含む。調整テーブル227は、画素の保持期間情報2272を含む。画素の保持期間情報2272は、駆動輝度が決定される画素の保持期間を表す情報を含む。第2補正部218は、調整テーブル227の画素の保持期間情報2272を用いて、図25に関連して説明された保持期間に起因する達成輝度の差異を減少させるように仮期待値を調整し、期待値を決定する。
第3実施形態では、映像信号処理部210は、第1走査動作において選択された画素は、第2走査動作では駆動されず、第1走査動作の状態が保持されるように、第2画像信号を生成する。本実施形態において、第1走査動作において選択された画素は、特定画素として例示される。
また、第3実施形態では、液晶駆動部220は、3回(N=2)の第2走査動作を実行しているが、n回目(nは2以上N以下の整数)に第2走査動作が実行されるn個目の第2画像信号は、1回目から(n−1)回目までの第2走査動作において選択された画素を駆動するデータを含まない。当該画素については、n回目の第2走査動作では、前回駆動された走査動作の状態が保持される。本実施形態において、1回目から(n−1)回目までの第2走査動作において選択された画素は、特定画素として例示される。
<第4実施形態>
上記第2及び第3実施形態では、液晶駆動部220は、N回(N=2,3)の第2走査動作を実行しているのに対し、第4実施形態では、液晶駆動部220は、1回の第2走査動作を実行した後、第3走査動作を実行する。以下、第1及び第2実施形態との相違点を中心に、第4実施形態が説明される。
図29は、第4実施形態において、入力されるフレーム画像信号で規定される目標輝度に対し、第1、第2及び第3走査動作で設定される目標輝度を表形式で概略的に示す図である。図30は、液晶駆動部220が行う走査動作を示す概略的なグラフである。図30(a)は、第1画像信号に基づく第1走査動作を示す。図30(b)は、第2画像信号に基づく第2走査動作を示す。図30(c)は、第3走査動作を示す。図30は、ゲート線L1乃至L12までの走査動作が示されている。図30(a)乃至図30(c)の横軸は、ゲート線L1乃至L12までの走査動作を行っている時間軸である。図30(a)乃至図30(c)の縦軸は、液晶パネル231の副走査方向の位置を表す。図1、図29及び図30を用いて、第4実施形態における第1、第2及び第3走査動作が概略的に説明される。
図29に示されるように、ゲート線L1乃至L12のデータ線Mにおける画素に対し、フレーム画像信号でそれぞれ目標輝度I1乃至I12が規定されている。図29に示されるように、第1走査動作は、上記第2実施形態と同様に実行されるため、図21及び図22に関連する第2実施形態に係る説明が好適に援用される。
続く第2走査動作も、図29に示されるように、上記第2実施形態における1回目の第2走査動作と同様に実行されるため、図21及び図22に関連する第2実施形態に係る説明が好適に援用される。
続く第3走査動作では、映像信号処理部210は、フレーム画像信号(Lフレーム画像信号及びRフレーム画像信号)に基づいて、全てのゲート線L1,L2,・・・上の画素を駆動するように、液晶駆動部220を制御する。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線L1,L2,・・・に順次書き込みを行う。
したがって、図30(a)に示されるように、第1走査期間T3は、全てのゲート線L1,L2,・・・に順次信号を書き込む場合の期間(すなわち図30(c)に示される第3走査動作の期間T2)に比べて、1/4となる。同様に、図30(b)に示されるように、第2走査期間T3は、全てのゲート線L1,L2,・・・に順次信号を書き込む場合の期間(すなわち第3走査動作の期間T2)に比べて、1/4となる。
このように、第4実施形態では、短期間で行われる第1走査動作及び第2走査動作によって、液晶パネル231の液晶の駆動が表示面全体に亘って短期間で実行されるので、表示面下部領域におけるクロストークが低減される。また、第4実施形態では、第2走査動作の実行後、フレーム画像信号に基づき全ての画素を駆動する第3走査動作を実行している。したがって、液晶のカップリングの影響等によって第2走査動作の保持期間中に生じ得る輝度ムラ等を低減することができる。
(第2補正テーブル)
第4実施形態では、図30に関連して説明された如く、第3走査期間T2は、第1及び第2走査期間T3に比べて長くなっている。したがって、第4実施形態の第2補正部218では、第2実施形態に関連して説明された画素の位置による調整が必要となる。
また、図29に関連して説明された如く、第4実施形態では、第3走査動作により画素を駆動する際に、当該画素の保持期間、つまり、全ての画素を駆動する第1走査動作で駆動された後、駆動されずに保持されていた保持期間が相違する。すなわち、例えばゲート線L1,L2に対応する画素は、第1走査動作において選択輝度I1に基づきそれぞれ駆動され、第2走査動作で保持された後、第3走査動作において目標輝度I1,I2に基づきそれぞれ駆動される。一方、例えばゲート線L3,L4に対応する画素は、第1走査動作において選択輝度I1に基づきそれぞれ駆動された後、保持されることなく第2走査動作で選択輝度I3に基づきそれぞれ駆動され、さらに第3走査動作において目標輝度I3,I4に基づきそれぞれ駆動される。このため、第2実施形態に関連して説明された如く、第2補正部218において、画素が達成している輝度の期待値を決定するためには、保持期間による調整が必要となる。
以上のように、第4実施形態では、画素の位置及び保持期間による調整が必要となるため、第4実施形態の第2補正部218は、図23に関連して説明された第2補正テーブル223を格納している。
<第5実施形態>
上記第1乃至第4実施形態では、第1等価部211及び第2等価部214は、等価処理として選択処理を行っている。これに対して、第5実施形態では、第1等価部211及び第2等価部214は、等価処理として、選択処理に代えて平均化処理を行っている。
(等価処理(平均化処理))
図31は、液晶パネル231の一部を概略的に示す模式図である。図32は、等価処理として例示される平均化処理を通じて設定される画素の輝度変化を示す。図1、図7、図31及び図32を用いて、平均化処理が説明される。
液晶パネル231は、主走査方向に延びる複数のゲート線と、副走査方向に延びる複数のデータ線と、を含む。図31には、副走査方向に整列したゲート線L1乃至L16及び主走査方向に整列したデータ線M1乃至M32が示されている。各ゲート線L1乃至L16と各データ線M1乃至M32との交点には、画素P及び画素Pに対応する液晶(図示せず)がそれぞれ割り当てられる。各ゲート線L1乃至L16と各データ線M1乃至M32とに印加される電圧に応じて、液晶の駆動量が定められる。
図32(a)、33(b)には、ゲート線L1乃至L4とデータ線M1及びM2とのそれぞれの交点に対応する画素P1乃至P8が示されている。第1等価部211及び第2等価部214は、副走査方向に隣接して整列した複数の画素を含む画素グループ(図32(a)、33(b)中、点線で囲まれる画素の組)を設定する。図32(a)には、データ線M1上に隣接して整列した画素P1,P2,P3,P4の組を含む画素グループG11と、データ線M2上に隣接して整列した画素P5,P6,P7,P8の組を含む画素グループG12とが示されている。図32(b)には、さらに、画素グループG11が分割された、画素P1,P2の組を含むサブグループG13と、画素P3,P4の組を含むサブグループG14と、画素グループG12が分割された、画素P5,P6の組を含むサブグループG15と、画素P7,P8の組を含むサブグループG16とが示されている。
図32(a)中の各画素内に示された数値は、画素に対して割り当てられた輝度を示す。フレーム画像信号は、例えば、画素P1,P3に対して、「50」の輝度を規定し、画素P2,P4に対して、「10」の輝度を規定し、画素P5,P7に対して、「80」の輝度を規定し、画素P6,P8に対して、「60」の輝度を規定している。第1等価部211及び第2等価部214は、各画素グループG11,G12内で輝度を平均化する。第1等価部211及び第2等価部214は、画素グループG11中の画素P1,P2,P3,P4に対して規定された「50」の輝度、「10」の輝度、「50」の輝度、及び「10」の輝度を平均化し、「30」の輝度を画素P1,P2,P3,P4に設定する。第1等価部211及び第2等価部214は、画素グループG12中の画素P5,P6,P7,P8に対して規定された「80」の輝度、「60」の輝度、「80」の輝度、及び「60」の輝度を平均化し、「70」の輝度を画素P5,P6,P7,P8に設定する。図31に示される如く、上述の平均化処理は、ゲート線L1乃至L16と各データ線M1乃至M32との交点に対応する全ての画素Pに対して実行される。本実施形態において、フレーム画像信号が画素グループ内の画素に対して規定した目標輝度の平均値は、平均輝度として例示される。
本実施形態では、第2補正部218は、選択輝度に代えて、第1等価部211及び第2等価部214が規定した平均輝度に基づき、期待値を決定する。この点以外の映像信号処理部210における動作は、上記第1実施形態に係る説明が好適に援用される。
第5実施形態では、液晶駆動部220は、第4実施形態と同様に、1回の第2走査動作を実行した後、第3走査動作を実行する。以下、第1及び第4実施形態との相違点を中心に、第5実施形態における走査動作が説明される。
図33は、第5実施形態において、入力されるフレーム画像信号で規定される目標輝度に対し、第1、第2及び第3走査動作で設定される目標輝度を表形式で概略的に示す図である。図1、図31乃至図33を用いて、第5実施形態における第1、第2及び第3走査動作が概略的に説明される。
図33に示されるように、上記第1実施形態と同様に、ゲート線L1乃至L12のデータ線Mにおける画素に対し、フレーム画像信号でそれぞれ目標輝度I1乃至I12が規定されている。第1走査動作では、副走査方向に隣接して整列した4個の画素を含む画素グループが設定される。すなわち、例えば図32(a)に示されるように、ゲート線L1,L2,L3,L4に対応する画素P1,P2,P3,P4を含む画素グループG11が設定される。
第1走査動作では、映像信号処理部210は、画素グループごとに、図31及び図32に関連して説明された平均化処理によって求められた平均輝度が、画素グループに含まれる画素の共通する目標輝度として設定されるように、第1画像信号を生成する。液晶駆動部220は、映像信号処理部210により生成された第1画像信号に基づき第1走査動作を実行し、画素グループに含まれる全ての画素(つまりデータ線M上の全ての画素)を駆動する。すなわち、例えばゲート線L1,L2,L3,L4に対応する画素の組(画素グループ)は、それぞれ目標輝度I1,I2,I3,I4が平均された平均輝度に基づき駆動される。同様に、例えばゲート線L9,L10,L11,L12に対応する画素の組は、それぞれ目標輝度I9,I10,I11,I12が平均された平均輝度に基づき駆動される。
続く第2走査動作では、4個の画素を含む画素グループがさらに分割されて、2個の画素を含むサブグループが設定される。すなわち、例えば図32(b)に示されるように、画素グループG11はさらに分割されて、ゲート線L1,L2に対応する画素P1,P2を含むサブグループG13と、ゲート線L3,L4に対応する画素P3,P4を含むサブグループG14とが設定される。
第2走査動作では、映像信号処理部210は、一方のサブグループの画素が駆動され、他方のサブグループの画素が駆動されずに、そのまま保持されるように、第2画像信号を生成する。映像信号処理部210は、駆動するサブグループの画素は、図31及び図32に関連して説明された平均化処理によって求められた平均輝度が、サブグループに含まれる画素の共通する目標輝度として設定されるように、第2画像信号を生成する。液晶駆動部220は、映像信号処理部210により生成された第2画像信号に基づき、第2走査動作を実行し、一部のサブグループに含まれる画素(つまりデータ線M上の一部の画素)を駆動する。
すなわち、例えばゲート線L1,L2,L3,L4に対応する画素の組(画素グループ)のうち、ゲート線L1,L2に対応する画素の組(サブグループ)は、第2走査動作では駆動されずに保持される一方、ゲート線L3,L4に対応する画素の組(サブグループ)は、それぞれ目標輝度I3,I4が平均された平均輝度に基づき駆動される。同様に、例えばゲート線L9,L10,L11,L12に対応する画素の組(画素グループ)のうち、ゲート線L9,L10に対応する画素の組(サブグループ)は、第2走査動作では駆動されずに保持される一方、ゲート線L11,L12に対応する画素の組(サブグループ)は、それぞれ目標輝度I11,I12が平均された平均輝度に基づき駆動される。本実施形態において、駆動される一部のサブグループが駆動サブグループとして例示される。
続く第3走査動作では、映像信号処理部210は、フレーム画像信号(Lフレーム画像信号及びRフレーム画像信号)に基づいて、全てのゲート線L1,L2,・・・上の画素を駆動するように、液晶駆動部220を制御する。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線L1,L2,・・・に順次書き込みを行う。
図33と図29とを対比すると分るように、第5実施形態において液晶駆動部220が行う走査期間は、図30に関連して説明された第4実施形態と同様になる。したがって、図30(a)に示されるように、第1走査期間T3は、全てのゲート線L1,L2,・・・に順次信号を書き込む場合の期間(すなわち図30(c)に示される第3走査動作の期間T2)に比べて、1/4となる。同様に、図30(b)に示されるように、第2走査期間T3は、全てのゲート線L1,L2,・・・に順次信号を書き込む場合の期間(すなわち第3走査動作の期間T2)に比べて、1/4となる。
このように、第5施形態では、短期間で行われる第1走査動作及び第2走査動作によって、液晶パネル231の液晶の駆動が表示面全体に亘って短期間で実行されるので、表示面下部領域におけるクロストークが低減される。また、第5実施形態では、平均輝度が用いられているので、画素グループに含まれる全ての画素に対してフレーム画像信号が規定する目標輝度から大きく乖離しない輝度に設定することができる。また、第5実施形態では、第2走査動作までは、各画素が目標輝度と異なる平均輝度に基づき駆動されているが、第2走査動作の実行後、フレーム画像信号に基づき全ての画素を駆動する第3走査動作を実行しているため、フレーム画像信号で規定されている目標輝度を実現することができる。
上述の如く、第5実施形態において液晶駆動部220が行う走査動作は、図30に関連して説明された第4実施形態と同様になる。したがって、第5実施形態でも、第4実施形態と同様に、画素の位置による調整及び画素の保持期間による調整が必要になる。このため、第5実施形態の第2補正部218は、図23に関連して説明された第2補正テーブル223を格納している。
なお、第5実施形態の第1及び第2走査動作において用いる平均輝度は、図33に示されるものに限らない。以下、第5実施形態の異なる形態が説明される。
図34は、第5実施形態の異なる形態において、入力されるフレーム画像信号で規定される目標輝度に対し、第1、第2及び第3走査動作で設定される目標輝度を表形式で概略的に示す図である。図1及び図34を用いて、第5実施形態との相違点が説明される。
第1走査動作では、例えばゲート線L1,L2,L3,L4に対応する画素の組(画素グループ)は、それぞれ目標輝度I1,I2が平均された平均輝度に基づき駆動される。同様に、例えばゲート線L9,L10,L11,L12に対応する画素の組(画素グループ)は、それぞれ目標輝度I9,I10が平均された平均輝度に基づき駆動される。
続く第2走査動作では、例えばゲート線L1,L2,L3,L4に対応する画素の組(画素グループ)のうち、ゲート線L1,L2に対応する画素の組(サブグループ)は、第2走査動作では駆動されずに保持される一方、ゲート線L3,L4に対応する画素の組(サブグループ)は、それぞれ目標輝度I3,I4が平均された平均輝度に基づき駆動される。同様に、例えばゲート線L9,L10,L11,L12に対応する画素の組(画素グループ)のうち、ゲート線L9,L10に対応する画素の組(サブグループ)は、第2走査動作では駆動されずに保持される一方、ゲート線L11,L12に対応する画素の組(サブグループ)は、それぞれ目標輝度I11,I12が平均された平均輝度に基づき駆動される。
続く第3走査動作では、第5実施形態と同様に、映像信号処理部210は、フレーム画像信号に基づいて、全てのゲート線L1,L2,・・・上の画素を駆動するように、液晶駆動部220を制御し、液晶駆動部220は、ゲート線L1,L2,・・・に順次書き込みを行う。
(上記各実施形態の効果)
図35は、例えば第4実施形態又は第5実施形態における第1走査動作、第2走査動作及び第3走査動作によって得られる空間スペクトルを概略的に示すグラフである。図36は、第1走査動作、第2走査動作及び第3走査動作によって描かれるオブジェクトを例示する。図36(a)は、第1走査動作によって描かれるオブジェクトを示す。図36(b)は、第2走査動作によって描かれるオブジェクトを示す。図36(c)は、第3走査動作によって描かれるオブジェクトを示す。
第4実施形態において、第1走査動作では画素4個ごとに輝度が設定されている。第2走査動作では画素2個ごとに、輝度が設定されるか又は第1走査動作の輝度が保持されている。第3走査動作では画素ごとに輝度が設定されている。したがって、先行の走査動作によって描かれるオブジェクトよりも後続の走査動作によって描かれるオブジェクトの解像度が高い。この点は、他の実施形態でも同様である。すなわち、例えば第1実施形態において、第1走査動作では画素2個ごとに輝度が設定され、第2走査動作では画素1個ごとに、輝度が設定されるか又は第1走査動作の輝度が保持されている。したがって、先行の走査動作(第1走査動作)によって描かれるオブジェクトよりも後続の走査動作(第2走査動作)によって描かれるオブジェクトの解像度が高い。オブジェクトの解像度が高いならば、空間周波数は高くなる。オブジェクトの解像度が低いならば、空間周波数は低くなる。
一般的に、空間周波数が低い領域ほど、クロストークが視聴者に知覚されやすい。図36に示されるように、早期に行われる第1走査動作によって、低い空間周波数の領域の描画が達成される。後続の第2走査動作及び第3走査動作によって、高い空間周波数の領域の描画が順次なされる。したがって、液晶の応答が不十分であっても、クロストークが知覚されやすい領域の描画は、早期に完了しているので、視聴者はほとんどクロストークを知覚しない。かくして、クロストークを生じにくい液晶パネル231の駆動が達成される。
上述の様々な実施形態において、先行するフレーム画像の輝度レベルや画素の位置といった様々な要素に基づき、液晶を駆動するための駆動輝度が設定される。駆動輝度の設定に用いられた様々な要素に加えて、他の要素が考慮されてもよい。例えば、液晶パネルの温度分布及び/又は液晶の応答速度や画素の輝度に影響する他の要素が、駆動輝度を設定するために用いられてもよい。
また、上述の様々な実施形態では、左眼用映像信号及び右眼用映像信号が入力され、立体的に知覚される映像を表示する表示装置200としているが、これに限られない。本発明は、通常の映像信号が入力され、平面的に知覚される映像を表示する通常の表示装置に適用することができる。この表示装置は、図1に示される表示装置200において、第2制御部240を省略し、映像信号処理部210には、左眼用映像信号及び右眼用映像信号に代えて、通常の映像信号が入力されるように構成すればよい。