JP2009191128A - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ノニオン界面活性剤、
(B)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びアルカンスルホン酸塩からなる群から選ばれるアニオン界面活性剤、
(C)合成ヘクトライト型粘土鉱物、
(D)重量平均分子量1000以上のポリエチレングリコール、及び
(E)ホスホン酸系キレート剤
を含有し、
(A)と(B)との質量比が、(A)/(B)=100/1〜3/1である液体洗浄剤組成物。
【選択図】なし
Description
再汚染を防止する衣料用洗剤として、これまでに、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とを特定比率で組み合わせることで、再汚染防止性を高めた粒状洗剤組成物が知られている(特許文献1)。
5〜500nmの粒子サイズを有する粒子(スメクタイト等)を添加することにより再汚染を減少させる技術もまた知られている(特許文献2)。
(A)ノニオン界面活性剤、
(B)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びアルカンスルホン酸塩からなる群から選ばれるアニオン界面活性剤、
(C)合成ヘクトライト型粘土鉱物、
(D)重量平均分子量1000以上のポリエチレングリコール、及び
(E)ホスホン酸系キレート剤
を含有し、
(A)と(B)との質量比が、(A)/(B)=100/1〜3/1である液体洗浄剤組成物を提供する。
ノニオン界面活性剤は、本発明の液体洗浄剤組成物の保存安定性(液安定性)及び洗浄力の向上に有効である。
本発明において使用できるノニオン界面活性剤としては、衣料用液体洗浄剤組成物に通常使用されるものであれば特に制限なく使用することができる。一種単独で使用しても二種以上を併用してもよい。二種以上を併用するのが好ましい。
R−O−(CH2CH2O)n−H (1)
式(1)中、Rは直鎖もしくは分岐鎖状の炭素数10〜20、好ましくは12〜18、より好ましくは12〜15のアルキル基またはアルケニル基である。Rは、皮脂汚れ洗浄力の点から、炭素数12〜15のアルキル基またはアルケニル基、特にアルキル基であるのがとりわけ好ましい。アルキル基は、直鎖でも分岐鎖でも良い。
式(1)で表されるノニオン界面活性剤は、高級アルコ−ルにエチレンオキサイドを、アルカリ触媒等を用いた常法により付加反応させて得ることもできるし、市販品を使用することもできる。高級アルコ−ルとしては、直鎖1級アルコ−ル、分岐1級アルコ−ル、直鎖2級アルコ−ル等が挙げられる。
その他のノニオン界面活性剤としては、炭素数8〜18のアルキル基を有し、グルコースユニットの平均付加モル数1〜10のアルキルポリグルコシド、炭素数8〜18のアルキル基を有し、グリセリンユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルグリセリルエーテル、炭素数10〜20の脂肪酸ジエタノ−ルアミド等が挙げられる。
組成物の全量に対して、(A)ノニオン界面活性剤は、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%の量で含まれるのが好ましい。(A)の配合量がこの範囲にあると、組成物の保存安定性が向上する。
本願所定のアニオン界面活性剤は、本発明の液体洗浄剤組成物の再汚染防止性能の向上に有効である。一種単独で使用しても二種以上を併用してもよい。
本発明で用いる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩は、好ましくは炭素数8〜16、より好ましくは10〜14のアルキル基を有する。
本発明で用いるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、好ましくは炭素数10〜20、より好ましくは10〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数は好ましくは0.5〜8、より好ましくは1〜8である。アルキル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。
成分Bの塩は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、モノエタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミン等のアルカノ−ルアミン塩を示す。
組成物の全量に対して、(B)アニオン界面活性剤は、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%であり、更に好ましくは2〜5質量%の量で含まれるのが好ましい。(B)の配合量がこの範囲にあると、再汚染防止能が高くなる。(C)成分の分散安定性も良好である。
本発明の組成物中、(A)と(B)とは、質量比にして、(A)/(B)=100/1〜3/1、好ましくは70/1〜3/1、より好ましくは60/1〜3/1なる比率で含まれる。本発明で規定する下限以上にあると再汚染防止能が向上し、上限以下で、(C)成分の分散安定性を満足するものとなる。
合成ヘクトライト型粘土鉱物は、本発明の液体洗浄剤組成物の再汚染防止性能の向上に有効である。一種単独で使用しても二種以上を併用してもよい。
本発明で使用する「合成ヘクトライト型粘土鉱物」は、合成により得られる物質で、スメクタイト群に属し、特定の層状構造を有するものである。3八面体型(トリオクタヘドラル型)の2:1層状ケイ酸塩で、層荷電0.6〜0.2のものである。
天然スメクタイト型粘土鉱物と比べ、科学的に純粋/高純度であり、クオーツや結晶性シリカを含有していない。具体的には、天然物に多く含まれる不純物であるマンガンの量が20ppm以下である。不純物量が低いことにより、組成物の液安定性が向上する。(C)成分中のマンガン含有量の測定は、たとえば誘導結合高周波プラズマ分光分析(ICP分光分析(inductively coupled plasma spectrometry))により行うことができる。ICP分光分析は、たとえば以下の手順で行うことができる。まず、60質量%硝酸水溶液(原子吸光用、関東化学(株)製)をイオン交換水で希釈して5質量%硝酸水溶液を作成する。次に、(C)成分1.0gを5質量%硝酸水溶液に添加し、100mLにメスアップし、得られた(C)成分含有溶液を用いてICP分光分析装置(OPTIMA5300DV、(株)パーキンエルマー製)により、(C)成分中に含まれるマンガン含有量を測定する。
成分Cは、例えば粘土ハンドブック第二版(日本粘土学会編、技報堂出版株式会社(1987年発行)、P193−256)記載の水熱合成等による方法、および特公昭63−6486号公報、特公昭46−813号公報、特公昭51−33080号公報、特公昭61−12848号公報、特許3479676号等の方法により合成することにより調製できる。
組成物の全量に対して、(C)合成ヘクトライト型粘土鉱物は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%の量で含まれるのが好ましい。(C)の配合量がこの範囲にあると、再汚染防止効果があり、かつ液安定性も良好である。
重量平均分子量1000以上のPEGは、本発明の液体洗浄剤組成物の液安定性及び(C)成分の分散性向上に有効である。一種単独で使用しても二種以上を併用してもよい。
重量平均分子量は、1000〜5000であるのが好ましく、より好ましくは1000〜4000である。なお、本明細書において重量平均分子量は、装置 :LC−6A((株)島津製作所製),検出器 :RID−10A((株)島津製作所製),カラム :アサヒパックGF−510HQ(直径7.6mm×長さ0.3m;昭和電工(株)製),移動相 :水流速 :1mL/min温度 :30℃の条件の下、ゲル濾過クロマトグラフィにより測定できる。
ポリエチレングリコールの主な市販品としては、例えば、日油社のPEG#1000、PEG#1500、PEG#2000、PEG#3000、PEG#4000、三洋化成社のPEG−1000、PEG−1500、PEG−1540、PEG−2000、PEG−4000N、ライオン社のPEG #1000、PEG #1500、PEG #1540、PEG #4000等が挙げられる。これらの何れを使用しても同様の効果が得られる。
組成物の全量に対して、(D)は、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%の量で含まれるのが好ましい。(D)の配合量がこの範囲にあると、液外観が良好で、かつ液安定性も良好である。
ホスホン酸系キレート剤は、本発明の液体洗浄剤組成物の液安定性及び(C)成分の分散性向上に有効である。一種単独で使用しても二種以上を併用してもよい。
本発明において使用できるものとしては、具体的には、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸等の有機ホスホン酸誘導体が挙げられる。これらの中でも、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸が好ましく、特に1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸が好ましい。
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸の主な市販品としては、例えばオルブライトウィルソン社の製品名BRIQUEST ADPA、キレスト社の製品名キレストPH−210、モンサント社の製品名DEQUEST 2010等が挙げられる。これらの何れを使用しても同様の効果が得られる。
組成物の全量に対して、(E)は、好ましくは0.01〜0.2質量%、より好ましくは0.01〜0.1質量%の量で含まれるのが好ましい。(E)の配合量がこの範囲にあると、液外観が良好で、かつ液安定性も良好である。
本発明の液体洗浄剤組成物には、必要に応じてその他任意成分を配合することができる。具体的には、エタノール等のアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコ−ル系溶剤が挙げられる。この中でもエタノールが好ましい。
また、抑泡剤として、C8〜C22脂肪酸を0〜1%含有して良い。
さらに、洗浄力向上を目的として、リパ−ゼ、セルラ−ゼ、アミラ-ゼ、プロテア−ゼ等の酵素を0〜1質量%、酵素安定化を目的として、ホウ酸、ホウ砂、蟻酸又はその塩、塩化カルシウム・硫酸カルシウム等のカルシウム塩類0〜3質量%、風合い向上を目的として、ジメチルシリコ−ン、ポリエ−テル変性シリコ−ン、アミノ変性シリコ−ン等のシリコ−ンを0〜5質量%、白色衣料の白度向上を目的として、ジスチリルビフェニル型等の蛍光剤を0〜1質量%、液体洗浄剤組成物の着色を目的として、酸性染料等の色素を0.0001〜0.001質量%、香気安定化を目的として、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤を0.0001〜0.5質量%、防腐性を目的として、ケ−ソンCG/ICP等の抗菌剤を0〜0.05質量%配合することができる。また、芳香のための香料としては、特開2002-146399号公報記載の、香料成分、溶剤及び安定化剤を含有する香料組成物等が挙げられ、本発明の液体洗浄剤組成物中に0.01〜1質量%配合することができる。
さらに、pH調整剤として、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機酸及び無機塩基を配合することができ、本発明の液体洗浄剤組成物のpHとしては、皮脂汚れ洗浄力、保存後の洗浄力維持の観点から、6.0〜11.0が好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、汚れに直接塗って使用することもできるし、水に溶かして衣類を浸漬して使用することもできる。また、洗濯前処理剤として塗布後に適宜放置して、その後、アニオン界面活性剤を含有する洗濯液とともに洗浄しても良い。
〔成分(A)〕
A−1:アルコールエトキシレート
C12,14アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比で71/29の混合物、分岐率10質量%(商品名CO−1214、P&G製))224.4g、30質量%NaOH水溶液2.0gを、耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。
次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコ−ルを撹拌しながら酸化エチレン(ガス状)759.5gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコ−ルの液中に徐々に加えた。
酸化エチレンの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間未反応の酸化エチレンを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、p−トルエンスルホン酸(70質量%)を加えて中和し、A−1を得た。
A−1の合成方法において、C12,14アルコールに代えて、C12,13アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数13のアルコールとの質量比で55/45の混合物、分岐率50質量%、商品名「Safol23アルコ−ル」、Safol製))224.4gと、酸化エチレン(ガス状)763.4gとを用いた以外は、A−1の合成方法と同様の方法により合成した。
〔再汚染防止効果の評価〕
1)評価布の調整(前処理)
二槽式洗濯機(製品名:CW-C30A-H、三菱電機製)を用いて、B.V.D肌シャツ(株式会社フジボウアパレル)1kgを、ノニオン界面活性剤の20質量%水溶液(洗剤の標準仕様濃度)にて、40〜50℃の水道水で2回繰り返し洗濯を行った後、常温の水道水で充分すすぎ、室温で乾燥して評価布を調整した。
なお、上記の前処理は、浴比30倍、洗濯条件:洗濯10分間→注水すすぎ10分間の2回繰り返し、ノニオン界面活性剤としてラウリルアルコール1モルあたり平均15モルの酸化エチレンを付加させたアルコールエトキシレート(商品名:LMAO、ライオンケミカル製)を用いて行った。
2)再汚染度の評価
[使用試験の方法]
各例の液体洗浄剤組成物を容器(容量1000mLのポリエチレン容器に収納した評価用の洗剤と、前記評価布とを、各家庭に渡し、通常の洗濯の際に評価布を一緒に洗濯していただき、当該評価布を20回繰り返して洗濯した時点で回収する使用試験を行った。
かかる使用試験は、評価用の洗剤1サンプルにつき20の家庭(たとえば、洗剤4サンプルならば80の家庭)で行った。
また、洗濯の際、洗濯機のタイプとしてドラム式洗濯機を用いること、柔軟剤製品(その種類は限定せず)を用いること、を条件とした。
再汚染度ΔZの測定は、以下のようにして行った。
各家庭における使用試験の開始前の評価布をブランク(対照)とした。
このブランクの評価布と使用試験で回収した評価布について、測色色差計(日本電色工業株式会社製 1001-DP、レンズ30φ)を用いてZ値(反射率)を測定した。この際、評価布に含まれる蛍光剤の影響を遮断するフィルターを装着した。
評価布である肌シャツの前身ごろ四隅と後見ごろ中央1箇所との計5箇所を測定部位として、それらの平均値を各評価布のZ値とした。これらのZ値から、以下に示す式よりΔZを求めた。
ΔZ=(ブランクの評価布のZ値)−(使用試験後の評価布のZ値)
全20家庭から回収された評価布におけるΔZ値のうち、最大値と最小値を除いた、残り18家庭のΔZ値の平均値をその評価布の再汚染防止度ΔZとし、表2に示す基準で再汚染の防止効果を評価した。
洗浄剤50mLをガラス容器に充填し、50℃の条件下で4週間保管した後の液外観を以下の基準で目視判定した。
評価基準:
○:均一透明液体
×:分離・白濁・沈殿
Claims (4)
- (A)ノニオン界面活性剤、
(B)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びアルカンスルホン酸塩からなる群から選ばれるアニオン界面活性剤、
(C)合成ヘクトライト型粘土鉱物、
(D)重量平均分子量1000以上のポリエチレングリコール、及び
(E)ホスホン酸系キレート剤
を含有し、
(A)と(B)との質量比が、(A)/(B)=100/1〜3/1である液体洗浄剤組成物。 - (C)が、組成物の全量を基準にして、0.2〜3質量%の量で含まれる請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
- (A)が、下記式(1)で表されるノニオン界面活性剤である請求項1又は2記載の液体洗浄剤組成物。
R−O−(CH2CH2O)n−H (1)
(式中、Rは直鎖もしくは分岐鎖状の炭素数10〜20のアルキル基またはアルケニル基である。nはエチレンオキサイドの平均付加モル数を示し、3〜26の数である。) - (B)が、炭素数8〜16のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜20のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が0.5〜8であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、又は炭素数10〜20のアルキル基を有するアルカンスルホン酸塩である請求項1〜3のいずれか1項記載の液体洗浄剤組成物。
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