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JP2009188290A - 電力用半導体装置 - Google Patents

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JP2009188290A
JP2009188290A JP2008028574A JP2008028574A JP2009188290A JP 2009188290 A JP2009188290 A JP 2009188290A JP 2008028574 A JP2008028574 A JP 2008028574A JP 2008028574 A JP2008028574 A JP 2008028574A JP 2009188290 A JP2009188290 A JP 2009188290A
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Kenichi Matsushita
憲一 松下
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Abstract

【課題】オン電圧が低い電力用半導体装置を提供する。
【解決手段】IEGTである電力用半導体装置において、コレクタ電極上にp型コレクタ層13、n型バッファー層14、n型ベース層15をこの順に設け、n型ベース層15上に、n型ベース層15の上面に平行な方向に沿ってメインセル21及びダミーセル22を交互に設ける。また、メインセル21とダミーセル22との間にトレンチゲート電極18を設ける。メインセル21においては、p型ベース層23を設け、その上層部分の一部にn型エミッタ層24を設ける。そして、ダミーセル22においては、トレンチゲート電極18が延びる方向に沿って、p型ダミー層26とn型ダミー層27とを交互に設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力用半導体装置に関し、特に、絶縁ゲートバイポーラ型の電力用半導体装置に関する。
従来より、電力用半導体装置として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)が開発されている。IGBTにおいては、コレクタ電極上に、p型コレクタ層及びn型ベース層がこの順に積層され、その上に複数本のストライプ状のトレンチゲート電極が設けられている。そして、トレンチゲート電極間の領域にはp型ベース層が設けられており、このp型ベース層の上層部分の一部に、エミッタ電極に接続されたn型エミッタ層が設けられている。IGBTにおいては、トレンチゲート電極に正電位が印加されることにより、p型ベース層が導通し、n型エミッタ層から電子が導入されると共にp型コレクタ層から正孔が導入されて、コレクタ電極とエミッタ電極との間にバイポーラ電流が流れる。
しかしながら、このようなIGBTにおいては、耐圧を高くすると、オン電圧が増加するという問題点がある。そこで、IGBTのオン電圧を低減するために、n型エミッタ層を、トレンチゲート電極間の領域のうち一部の領域のみに形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、トレンチゲート電極間の領域のうちの一部の領域だけが電流を流すメインセルとして機能し、他の領域は導電に寄与しないダミーセルとなる。この結果、n型ベース層内の正孔が排出されにくくなり、相対的に電子の注入量が増加する。この効果を、電子注入促進(IE)効果という。この効果により、n型ベース層における上層部分、すなわちp型ベース層側の部分のキャリア濃度が向上し、オン抵抗が低下し、オン電圧が低くなる。このような構造の半導体装置を、IEGT(Injection Enhanced Gate Transistor:注入促進型絶縁ゲートトランジスタ)という。
このIEGTにおいては、ある臨界点までは、ダミーセルの割合を増やし、メインセルの割合を減らすほど、電子注入促進効果が増大する。しかしながら、ダミーセルの割合を臨界点を超えて増加させると、かえってオン電圧が増加するという問題がある。
特開2002−100770号公報
本発明の目的は、オン電圧が低い電力用半導体装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、コレクタ電極と、エミッタ電極と、前記コレクタ電極に接続されたp型コレクタ層と、前記p型コレクタ層上に設けられたn型ベース層と、前記n型ベース層上に前記n型ベース層の上面に平行な方向に沿って配列されたメインセル及びダミーセルと、前記メインセルと前記ダミーセルとの間に設けられたトレンチゲート電極と、を備え、前記メインセルは、p型ベース層と、前記p型ベース層の上層部分の一部に形成され、前記エミッタ電極に接続されたn型エミッタ層と、を有し、前記ダミーセルは、p型ダミー層と、n型ダミー層と、を有することを特徴とする電力用半導体装置が提供される。
本発明によれば、オン電圧が低い電力用半導体装置を実現することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る電力用半導体装置の半導体部分を例示する斜視図であり、
図2は、本実施形態に係る電力用半導体装置を例示する断面図であり、
図3は、本実施形態に係る電力用半導体装置を例示する上面図であり、
図4は、図3に示すA−A’線による断面図であり、
図5は、図3に示すB−B’線による断面図である。
本実施形態に係る電力用半導体装置は、IEGTである。
図1〜図5に示すように、本実施形態に係る電力用半導体装置1においては、金属又は合金からなるコレクタ電極11が設けられており、コレクタ電極11上には、半導体部分12が設けられている。換言すれば、コレクタ電極11は、半導体部分12の下面上の全面に形成されている。半導体部分12は、半導体材料、例えば、シリコンにより形成されており、アクセプタ及びドナーがそれぞれ局所的に導入されることにより、以下に説明するように、導電型がp型のp型層と導電型がn型のn型層とが3次元的に配置されている。
半導体部分12の最下層部分、すなわち、コレクタ電極11に接する部分には、p型コレクタ層13が設けられている。これにより、p型コレクタ層13はコレクタ電極11に接続されている。半導体部分12におけるp型コレクタ層13上の部分には、n型バッファー層14が設けられており、その上には、n型ベース層15が設けられている。n型ベース層15のドナー濃度は、n型バッファー層14のドナー濃度よりも低い。
一方、半導体部分12の上層部分には、半導体部分12の上面側から複数本の溝状のトレンチ16が相互に平行に形成されている。トレンチ16の下端はn型ベース層15に到達している。トレンチ16間の領域の幅は一定ではなく、相対的に狭い領域と相対的に広い領域とが交互に配列されている。各トレンチ16の内面上には、例えばシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜17が形成されており、各トレンチ16の内部には、例えばポリシリコンからなるトレンチゲート電極18が埋設されている。これにより、トレンチゲート電極18は、ゲート絶縁膜17によって半導体部分12から絶縁されている。また、トレンチゲート電極18は、電力用半導体装置1の図示しない領域でゲート電極(図示せず)に接続されている。
そして、半導体部分12におけるトレンチ16間の領域のうち、相対的に狭い領域はメインセル21となっており、相対的に広い領域はダミーセル22となっている。すなわち、メインセル21及びダミーセル22の形状はそれぞれストライプ状であり、n型ベース層15上においてn型ベース層15の上面に平行な方向に沿って交互に配列されており、トレンチゲート電極18はメインセル21とダミーセル22との間に設けられている。例えば、ダミーセル22の幅は、メインセル21の幅の2〜5倍程度である。
メインセル21においては、p型ベース層23が設けられている。p型ベース層23はn型ベース層15に接しており、本実施形態においては、p型ベース層23とn型ベース層15との界面はトレンチ16の下端と略同じ高さに位置している。また、p型ベース層23の上層部分には、トレンチ16が延びる方向に沿って複数のn型エミッタ層24が断続的に形成されている。すなわち、メインセル21の上面においては、トレンチ16が延びる方向に沿って、p型ベース層23とn型エミッタ層24とが交互に配列されている。そして、例えば、この配列方向におけるp型ベース層23の長さは、n型エミッタ層24の長さよりも長い。
一方、ダミーセル22においては、トレンチ16が延びる方向に沿って、p型ダミー層26とn型ダミー層27とが交互に配列されている。すなわち、p型ダミー層26及びn型ダミー層27はそれぞれ、ダミーセル22を幅方向に横断しており、ダミーセル22の両側に配置された2つのゲート絶縁膜17の双方に接している。また、p型ダミー層26とn型ダミー層27との界面はトレンチ16の下端と略同じ高さに位置している。p型ダミー層26とn型ダミー層27とは相互に接しており、且つ、いずれもn型ベース層15に接している。すなわち、n型ダミー層27は、n型ベース層15及びp型ダミー層26の双方に接している。
そして、後述するように、メインセル21は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)として機能する。このため、メインセル21におけるp型ベース層23及びn型エミッタ層24の不純物濃度及び配列周期は、このMOSFETに要求される性能に応じて決定される。一方、ダミーセル22におけるp型ダミー層26及びn型ダミー層27の不純物濃度は、空乏層が十分に広がることができる濃度とされている。また、p型ダミー層26及びn型ダミー層27の長さは、これらの不純物濃度に応じて決定される。例えば、各p型ダミー層26に含まれるアクセプタ量と、各n型ダミー層27に含まれるドナー量とが、相互に等しくなるように決定される。
このように、メインセル21におけるp型ベース層23及びn型エミッタ層24の不純物濃度及び配列周期と、ダミーセル22におけるp型ダミー層26及びn型ダミー層27の不純物濃度及び配列周期とは、相互に異なる思想に基づいて決定されるため、一般的には、両者は一致しない。例えば、メインセル21におけるp型ベース層23及びn型エミッタ層24の不純物濃度は、ダミーセル22におけるp型ダミー層26及びn型ダミー層27の不純物濃度よりも高く、p型ベース層23及びn型エミッタ層24の配列周期は、p型ダミー層26及びn型ダミー層27の配列周期よりも短い。
なお、p型ダミー層26及びn型ダミー層27は、半導体部分12の上面における所定の領域にそれぞれアクセプタ及びドナーを注入することにより形成してもよいが、n型ベース層15を半導体部分12の上面まで形成しておき、その一部にアクセプタを注入することによりp型ダミー層26を形成し、アクセプタを注入しなかったp型ダミー層26間の領域をn型ダミー層27としてもよい。
また、半導体部分12上には、絶縁膜28が設けられており、絶縁膜28上にはエミッタ電極29が設けられている。絶縁膜28におけるメインセル21の直上域には、メインセル21が延びる方向に延びる溝状の開口部28aが形成されており、エミッタ電極29は、開口部28aを介してp型ベース層23及びn型エミッタ層24に接続されている。一方、p型ダミー層26及びn型ダミー層27は、絶縁膜28によってエミッタ電極29から絶縁されている。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る電力用半導体装置1の動作について説明する。
図6は、本実施形態に係る電力用半導体装置の動作を例示する断面図である。
なお、図6においては、電子の流れeを矢印付きの実線で模式的に示し、正孔の流れhを矢印付きの破線で模式的に示している。
図6に示すように、エミッタ電極29に例えば接地電位を印加し、コレクタ電極11に接地電位よりも高い電位を印加した状態で、トレンチゲート電極18に接地電位よりも高い電位を印加すると、p型ベース層23におけるゲート絶縁膜17に接する領域に反転層(図示せず)が形成される。これにより、メインセル21に形成されたMOSFETがオン状態となり、n型エミッタ層24からこの反転層を介してn型ベース層15に電子が流れる。そして、これと共に、p型コレクタ層13からn型バッファー層14を介してn型ベース層15に正孔が流れる。この結果、コレクタ電極11とエミッタ電極29との間でバイポーラ電流が流れる。
このとき、エミッタ電極29はメインセル21のみに接続されており、ダミーセル22には接続されていないため、図6に破線hで示すように、n型ベース層15内の正孔は、ダミーセル22を介しては半導体部分12の外部に排出されず、メインセル21を介してのみ半導体部分12の外部に排出される。このように、電力用半導体装置1においては、導電に寄与するメインセル21が間引かれており、メインセル21間には導電に寄与しないダミーセル22が設けられているため、正孔に対する障壁が形成され、正孔のp型ベース層23への流れ込み量が少なくなっている。これにより、相対的にn型エミッタ層24を介した電子の注入量が多くなり、n型ベース層15におけるp型ベース層23側の部分のキャリア濃度が高くなる。この結果、オン抵抗が低くなり、オン電圧が低くなる。
また、電力用半導体装置1においては、ダミーセル22にn型ダミー層27が設けられているため、n型エミッタ層24からp型ベース層23を介してn型ベース層15内に導入された電子が、n型ダミー層27内を伝導してダミーセル22の幅方向中央部に向けて広がる。このため、電力用半導体装置1においては、メインセル21及びダミーセル22の配列方向における電子の広がり抵抗が低い。これにより、n型ベース層15におけるダミーセル22の中央部の直下域に、電子が到達しにくいデッドスペースが形成されることがなく、n型ベース層15の全体を伝導領域として有効に利用することができる。この結果、オン抵抗が低くなる。
一方、トレンチゲート電極18に接地電位が印加されると、p型ベース層23から反転層が消失して、メインセル21に形成されたMOSFETがオフ状態となる。これにより、コレクタ電極11とエミッタ電極29との間の電圧が上昇し、n型ダミー層27には、コレクタ電極11からp型コレクタ層13、n型バッファー層14及びn型ベース層15を介して正電位が伝わる。一方、p型ダミー層26は、ゲート絶縁膜17を介してトレンチゲート電極18とカップリングしているため、トレンチゲート電極18に印加された接地電位に対して、それほど大幅には電位が上昇しない。
この結果、n型ベース層15及びn型ダミー層27とp型ダミー層26との間の関係では、n型ベース層15及びn型ダミー層27に相対的に正の電位が印加され、p型ダミー層26に相対的に負の電位が印加される。これにより、n型ベース層15及びn型ダミー層27とp型ダミー層26とのpn接合面には逆バイアスが印加され、このpn接合面からn型ベース層15、n型ダミー層27及びp型ダミー層26の内部に向けて空乏層が広がる。この結果、電力用半導体装置1の耐圧が向上する。
次に、本実施形態の効果について説明する。
上述の如く、本実施形態によれば、ダミーセル22内にn型ダミー層27が設けられているため、電子がn型ダミー層27内を伝導することができ、メインセル21及びダミーセル22の配列方向における電子の広がり抵抗が低く、オン抵抗が低い。
また、本実施形態においては、トレンチゲート電極18の形状がストライプ状であり、p型ダミー層26及びn型ダミー層27は、トレンチゲート電極18が延びる方向に沿って交互に配列されている。これにより、n型ダミー層27は、ダミーセル22を幅方向に横断しているため、電子をメインセル21及びダミーセル22の配列方向に伝導する効果が高い。また、メインセル21及びダミーセル22の配列方向と、p型ダミー層26及びn型ダミー層27の配列方向並びにn型エミッタ層24の配列方向とが相互に直交しているため、それぞれの配列周期について微細化が容易である。
更に、n型ダミー層27はn型ベース層15及びp型ダミー層26の双方に接しているため、上述の電子を伝導する効果が高い。
このように、本実施形態によれば、ダミーセル22内にn型ダミー層27を設けることにより、オン電圧を低減させることができる。これにより、ダミーセルの割合を増やすことができ、電子注入促進効果をより一層増大させ、電子電流を更に増加させることが可能となる。この結果、オン電圧がより一層低減する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7は、本実施形態に係る電力用半導体装置を例示する断面図である。
図7に示すように、本実施形態に係る電力用半導体装置2は、前述の第1の実施形態に係る電力用半導体装置1(図1参照)と比較して、トレンチ16がより深く形成されており、トレンチゲート電極18がより低い位置まで延出されている。また、ダミーセル22のp型ダミー層26及びn型ダミー層27(図1参照)も、トレンチゲート電極18の下端の位置まで深く形成されている。一方、メインセル21におけるp型ベース層23の深さは、前述の第1の実施形態と同様である。従って、p型ダミー層26及びn型ダミー層27の下面並びにトレンチゲート電極18の下端は、n型ベース層15とp型ベース層23との界面よりも下方に位置しており、p型コレクタ層13側から見て、p型ベース層23はトレンチゲート電極18よりも引っ込んだ位置にある。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、トレンチゲート電極18がp型ベース層23よりも下方まで延出されているため、n型ベース層15の一部は、トレンチゲート電極18間の領域に位置する。この部分は、p型ベース層23に流入する正孔が必ず通過する部分であるが、電界があまりかからず、正孔をp型ベース層23に向けて移動させる力が弱い。このため、正孔の移動に対して障壁が形成され、電子注入促進効果がより一層増大する。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図8は、本実施形態に係る電力用半導体装置を例示する断面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る電力用半導体装置3は、前述の第1の実施形態に係る電力用半導体装置1(図1参照)と比較して、n型ベース層15とp型ベース層23との間に、n型キャリアストップ層31が設けられている点が異なっている。すなわち、n型キャリアストップ層31は、p型コレクタ層13とp型ベース層23との間に設けられており、p型コレクタ層13側から見て、p型ベース層23を覆うように設けられている。n型キャリアストップ層31のドナー濃度は、n型ベース層15のドナー濃度よりも高い。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、ドナー濃度がn型ベース層15のドナー濃度よりも高いn型キャリアストップ層31が、p型コレクタ層13とp型ベース層23との間に設けられているため、正孔がp型ベース層23内に流入する際の障壁が形成され、電子注入促進効果がより一層増大する。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図9は、本実施形態に係る電力用半導体装置を例示する断面図である。
図9に示すように、本実施形態に係る電力用半導体装置4は、前述の第3の実施形態に係る電力用半導体装置3(図8参照)と比較して、n型キャリアストップ層31がn型ベース層15上の全面に設けられている点が異なっている。すなわち、p型コレクタ層13側から見て、n型キャリアストップ層31は、メインセル21及びダミーセル22の双方を覆っている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第3の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、n型キャリアストップ層31は、正孔の障壁として機能すると共に、電子をメインセル21及びダミーセル22の配列方向に伝導する経路としても機能する。これにより、電子注入促進効果をより一層向上させると共に、電子の広がり抵抗を低減させ、オン電圧をより一層低減させることができる。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第3の実施形態と同様である。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図10は、本実施形態に係る電力用半導体装置を例示する断面図である。
図10に示すように、本実施形態は、前述の第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせた例である。すなわち、本実施形態に係る電力用半導体装置5においては、トレンチゲート電極18の下端がn型ベース層15とp型ベース層23との界面よりも下方に位置しており、また、n型ベース層15とp型ベース層23との間にn型キャリアストップ層31が設けられている。これにより、電子注入促進効果をより一層向上させることができる。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図11は、本実施形態に係る電力用半導体装置を例示する断面図である。
図11に示すように、本実施形態は、前述の第2の実施形態と第4の実施形態とを組み合わせた例である。すなわち、本実施形態に係る電力用半導体装置6においては、トレンチゲート電極18の下端がn型ベース層15とp型ベース層23との界面よりも下方に位置している。また、トレンチゲート電極18の下端を結ぶ仮想的な平面に沿って、n型キャリアストップ層31が設けられている。n型キャリアストップ層31は、トレンチゲート電極18間の領域であってp型ベース層23の直下の領域にも進入している。すなわち、p型コレクタ層13側から見て、n型キャリアストップ層31は、メインセル21及びダミーセル22の双方を覆っている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
これにより、本実施形態によれば、電子注入促進効果がより一層向上すると共に、n型キャリアストップ層31を介してメインセル21及びダミーセル22の配列方向に電子が移動しやすくなるため、n型ベース層15の全体を導電領域として有効に利用することができ、オン電圧が低下する。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
例えば、メインセル21におけるn型エミッタ層24の配設位置は前述の例に限定されず、エミッタ電極29に接続され、p型ベース層23及びトレンチゲート電極18と共にトランジスタを構成するような位置に設けられていればよく、例えば、p型ベース層23の上層部分における両側部、すなわち、ゲート絶縁膜17に接する領域にストライプ状に設けられていてもよい。また、ダミーセル22におけるp型ダミー層26とn型ダミー層27との位置関係も前述の例に限定されない。更に、メインセル21とダミーセル22との間だけでなく、メインセル21の内部又はダミーセル22の内部にもトレンチゲート電極が設けられていてもよい。更にまた、n型キャリアストップ層31の形成位置も前述の例に限定されず、p型コレクタ層13とp型ベース層23との間のいずれかの位置に設けられていればよい。
本発明の第1の実施形態に係る電力用半導体装置の半導体部分を例示する斜視図である。 第1の実施形態に係る電力用半導体装置を例示する断面図である。 第1の実施形態に係る電力用半導体装置の半導体部分を例示する上面図である。 図3に示すA−A’線による断面図である。 図3に示すB−B’線による断面図である。 第1の実施形態に係る電力用半導体装置の動作を例示する断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る電力用半導体装置を例示する断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る電力用半導体装置を例示する断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る電力用半導体装置を例示する断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る電力用半導体装置を例示する断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る電力用半導体装置を例示する断面図である。
符号の説明
1、2、3、4、5、6 電力用半導体装置、11 コレクタ電極、12 半導体部分、13 p型コレクタ層、14 n型バッファー層、15 n型ベース層、16 トレンチ、17 ゲート絶縁膜、18 トレンチゲート電極、21 メインセル、22 ダミーセル、23 p型ベース層、24 n型エミッタ層、26 p型ダミー層、27 n型ダミー層、28 絶縁膜、28a 開口部、29 エミッタ電極、31 n型キャリアストップ層、e 電子の流れ、h 正孔の流れ

Claims (5)

  1. コレクタ電極と、
    エミッタ電極と、
    前記コレクタ電極に接続されたp型コレクタ層と、
    前記p型コレクタ層上に設けられたn型ベース層と、
    前記n型ベース層上に前記n型ベース層の上面に平行な方向に沿って配列されたメインセル及びダミーセルと、
    前記メインセルと前記ダミーセルとの間に設けられたトレンチゲート電極と、
    を備え、
    前記メインセルは、
    p型ベース層と、
    前記p型ベース層の上層部分の一部に形成され、前記エミッタ電極に接続されたn型エミッタ層と、
    を有し、
    前記ダミーセルは、
    p型ダミー層と、
    n型ダミー層と、
    を有することを特徴とする電力用半導体装置。
  2. 前記n型ダミー層は、前記n型ベース層及び前記p型ダミー層の双方に接していることを特徴とする請求項1記載の電力用半導体装置。
  3. 前記トレンチゲート電極の形状はストライプ状であり、
    前記p型ダミー層及び前記n型ダミー層は、前記トレンチゲート電極が延びる方向に沿って交互に配列されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電力用半導体装置。
  4. 前記トレンチゲート電極の下端は、前記n型ベース層と前記p型ベース層との界面よりも下方に位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電力用半導体装置。
  5. 前記p型コレクタ層と前記p型ベース層との間に設けられ、ドナー濃度が前記n型ベース層のドナー濃度よりも高いn型キャリアストップ層をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電力用半導体装置。
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