JP2009186941A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリーニング部材と像担持体との潤滑性を維持するためにトナー像をクリーニング部材に供給する工程を行う場合において、転写部材のトナーによる汚れを抑制することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1と、転写部材5と、転写部材5に転写のための電圧を印加する電源51と、クリーニング部材7aと、定着装置6と、を有し、転写材Pに定着されるべき出力用画像Iとは別に、クリーニング部Cにトナーを供給するためのトナー供給用画像Sを像担持体上に形成し、該トナー供給用画像Sを転写部Nを通過させてクリーニング部Cへと供給する動作を行い、トナー供給用画像Sを形成する像担持体1上の領域は、像担持体1の移動方向において、転写材Pが転写部Nを通過している間に転写部Nを通過し且つ出力用画像Iが形成されない位置に設定される構成とする。
【選択図】図6
【解決手段】像担持体1と、転写部材5と、転写部材5に転写のための電圧を印加する電源51と、クリーニング部材7aと、定着装置6と、を有し、転写材Pに定着されるべき出力用画像Iとは別に、クリーニング部Cにトナーを供給するためのトナー供給用画像Sを像担持体上に形成し、該トナー供給用画像Sを転写部Nを通過させてクリーニング部Cへと供給する動作を行い、トナー供給用画像Sを形成する像担持体1上の領域は、像担持体1の移動方向において、転写材Pが転写部Nを通過している間に転写部Nを通過し且つ出力用画像Iが形成されない位置に設定される構成とする。
【選択図】図6
Description
本発明は、像担持体上に形成したトナー像を転写材上に転写して定着させることで画像を形成する、電子写真方式を利用したプリンタ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
従来、例えばプリンタなどの電子写真方式を利用した画像形成装置では、像担持体としての回転する電子写真感光体(感光体)上にトナー像を形成して、紙などの転写材上に感光体上のトナー像を転写する。感光体から転写材へのトナー像の転写は、感光体の表面に圧接して転写部を形成する転写部材に所定の電圧を印加することで静電的に行われる。そして、上記工程を繰り返す過程で、転写材に転移せずに感光体上に残った転写残トナーを除去する必要がある。感光体は、一般的に、回転可能なドラムとされ、又転写部材は一般的に回転可能なローラ(転写ローラ)とされる。
転写工程後に感光体上に残留した転写残トナーを除去する手段として、クリーニング部材としてのファーブラシやブレードで掻き取る方法がある。生産性、コスト、性能の面から、クリーニング部材としては、ポリウレタンゴムなどの弾性体からなるクリーニングブレード(弾性体ブレード)が主流となっている。クリーニングブレードは、通常、感光体の表面の移動方向に対してカウンター方向、即ち、支持部に対して自由端が感光体の表面の移動方向の上流側を向くように、感光体の表面に圧接して配置されている。このクリーニングブレードをそのまま感光体に圧接して配置し、感光体を回転させると、クリーニングブレードの凝着力が大きいために、クリーニングブレードの先端が感光体に巻き込まれて捲れてしまうことがある。そこで、クリーニングブレードを用いたクリーニング装置では、クリーニングブレードに潤滑剤を塗布することが多い。
回転する感光体とクリーニングブレードとの間に常に隙間が生じないように当接させることによって、感光体上の転写残トナーはほぼ100%クリーニングされる。しかしながら、クリーニングブレードに塗布された潤滑剤は微小な範囲では塗りムラが生じたり、通紙により次第に剥がれてしまったりする。そのため、クリーニングブレードの先端のエッジ部が感光体に巻き込まれ、すぐに復元するといった現象(スティックスリップ現象)を繰り返すことがある。そして、感光体とクリーニングブレードの先端のエッジ部の当接が不安定になり、数μmから数十μmの隙間が生じることがある。やがて、その隙間からトナー抜けが起こり、帯電部材の汚染や、画像品質の低下などのクリーニング不良に起因した問題が生じやすくなる。特にトナーの粒径分布が均一でない場合、小粒径のトナーが隙間からすり抜けやすい。或いは、球形状の重合トナーなども、トナーの離型性が良いことにより、比較的わずかな隙間でもすり抜けが起こりやすく、クリーニング不良を起こす原因となる。
一方で、長期間に亘る使用において、転写材としての紙から運ばれてくる紙粉や埃といった異物がクリーニングブレードと感光体との間に挟まり、これらの異物がある一定以上堆積した場合にクリーニング不良を起こし易くなる。この場合にも、感光体とクリーニングブレードとの間の摩擦抵抗が大きく関与する。摩擦抵抗が小さいほど異物の許容範囲が広がり、クリーニング性は良好に維持される。
これらの問題の対策のために、一般的には、クリーニングブレードと感光体の材質として両者の間の摩擦抵抗ができるだけ低摩擦抵抗になるようなものを選択したり、クリーニングブレードの当接圧や当接角度を適宜調節したりすることによって対応がなされている。
しかし、それでも不十分な場合は、特許文献1に代表されるように、摩擦抵抗を抑制するための潤滑粒子を供給する手段を設ける場合もある。
又、同じような効果をより安価に実現する方法としては、特許文献2に代表されるような方法が提案され、実用化されている。つまり、画像形成を行っていないタイミング(即ち、転写材が転写部に存在しない期間)において、感光体上に形成したトナー像を、感光体上に担持させたままクリーニングブレードと感光体との間(クリーニング部)に送り込み、潤滑粒子として機能させる。これによって、摩擦力を抑制し、クリーニング不良を抑制する。クリーニングブレードと感光体との間に送り込むために感光体上に形成されるトナー像は、感光体の長手方向(回転軸方向)に連続する帯状の画像(黒帯画像)などとされる。
特開平11−288194号公報
特開2005−148303号公報
しかしながら、上述したような、感光体上に形成した黒帯画像を、転写材が転写部に存在しないタイミングでクリーニングブレードの位置まで供給する方法では、次に述べるような問題点がある。
即ち、黒帯画像が転写部材に接触して通過する際に、転写部材を汚してしまうことがある。少しでも転写部材の汚れを軽減するために、黒帯画像のトナーが転写部を通過するタイミングで、トナーの正規の帯電極性と同極性のバイアス(以下、「転写クリーニングバイアス」という。)を転写部材に印加する。或いは、別途クリーニング時間を設けて転写クリーニングバイアスを転写部材に印加して汚れを除去することにより、転写部材に付着するトナーは軽減される。
しかしながら、正規の帯電極性とは逆極性に帯電した微量のトナーが転写部材に付着したまま残る場合や、物理的に転写部材の表面にトナーが吸着して残る場合がある。特に、転写部材としての転写ローラの弾性層に発泡性のゴムなどを用いているような構成では、発泡セル内にトナーが入り込んで残ってしまうことが多い。
一方で、クリーニングブレードにトナーを供給する工程は頻度が多いほど感光体のクリーニング性を良好に維持できる。しかし、その頻度が多すぎると、クリーニングブレードによって感光体から除去されて回収トナー容器に回収されるトナーが増え、又トナーの消費量も増える。従って、その工程は、一般的には、数十枚に1回程度の頻度で行われる。しかし、そのような頻度であっても、数千枚程度の通紙によって、転写部材上には徐々にトナー汚れが蓄積してしまう。そして、トナー汚れの蓄積は転写部材の電気抵抗値の上昇に繋がる。転写部材の電気抵抗値が上昇すると、低温低湿環境下で高抵抗の転写材が通紙されるようなケースでは、転写電流が不足したり、紙に対して均一に電荷を付与できなくなったりして、転写不良や転写ムラなど画像不良の原因となる。又、転写部材上のトナー汚れの蓄積量が多いと、後続の転写材の裏面を汚してしまう問題が発生することがある。特に、厚紙や封筒などを用いる場合は、転写材が転写ニップで受ける圧力が大きくなるので、その圧力の影響で転写材の裏面が汚れやすい。
従って、本発明の目的は、クリーニング部材と像担持体との潤滑性を維持するためにトナー像のトナーをクリーニング部材に供給する工程を行う場合において、転写部材のトナーによる汚れを抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する移動可能な像担持体と、前記像担持体に接触して転写部を形成し、前記像担持体の移動に伴って前記転写部を通過する転写材上に前記像担持体上からトナー像を転写させる転写部材と、前記転写部材に前記転写のための電圧を印加する電源と、前記像担持体の移動方向において前記転写部より下流側において前記像担持体に接触してクリーニング部を形成し、該クリーニング部において前記像担持体上からトナーを除去するクリーニング部材と、前記転写材上に転写されたトナー像を前記転写材に定着させる定着装置と、を有し、前記転写材に定着されるべき出力用画像とは別に、前記クリーニング部にトナーを供給するためのトナー供給用画像を前記像担持体上に形成し、該トナー供給用画像を前記転写部を通過させて前記クリーニング部へと供給する動作を行い、前記トナー供給用画像を形成する前記像担持体上の領域は、前記像担持体の移動方向において、前記転写材が前記転写部を通過している間に前記転写部を通過し且つ前記出力用画像が形成されない位置に設定されることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、クリーニング部材と像担持体との潤滑性を維持するためにトナー像のトナーをクリーニング部材に供給する工程を行う場合において、転写部材のトナーによる汚れを抑制することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
(1)画像形成装置
先ず、本発明に係る画像形成装置の一実施例の全体構成について説明する。
(1)画像形成装置
先ず、本発明に係る画像形成装置の一実施例の全体構成について説明する。
図1は本実施例の画像形成装置の概略構成図である。本実施例では、画像形成装置100は、電子写真方式のレーザービームプリンタである。
画像形成装置100は、トナー像を担持する移動可能な像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)1を有する。感光ドラム1は、OPC(有機光導電体)、アモルファスSe、アモルファスSiなどの感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の素管上に形成されてなる。本実施例では、感光ドラム1は、負帯電特性のOPC感光体である。
感光ドラム1の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ2、露光手段としての露光装置(レーザースキャナー)3、現像手段としての現像装置4、転写手段を構成する転写ローラ5、クリーニング手段としてのクリーニング装置7などが配置されている。転写ローラ5は、感光ドラム1に接触して転写ニップ(転写部)Nを形成し、感光ドラム1の移動に伴って転写ニップNを通過する転写材P上に感光ドラム1上からトナー像を転写させるための回転体で構成される転写部材である。
本実施例では感光ドラム1と、感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びクリーニング装置7と、が一体にカートリッジ化され、プロセスカートリッジ10を構成している。プロセスカートリッジ10は、画像形成装置100の本体に対して着脱可能とされている。
画像形成動作において、感光ドラム1は、図示矢印R1方向(時計方向)に回転駆動され、先ず、その表面が帯電ローラ2によって負極性の所定の電位に一様に帯電される。次に、帯電した感光ドラム1の表面は、画像情報に応じてON/OFF制御された露光装置3からのレーザビームLによる走査露光が施される。これにより、感光ドラム1上に静電潜像(静電像)が形成される。この静電潜像は、露光箇所の電位の絶対値が帯電電位の絶対値に比べて低くなることによって形成される。
次に、感光ドラム1上の静電潜像は、現像装置4によってトナーが供給されることで現像(可視化)される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。本実施例ではジャンピング現像方式を用いた。又、本実施例では、現像装置4にて用いられる現像剤としてのトナーの正規の帯電極性は負極性であり、イメージ露光、反転現像によって現像が行われる。つまり、一様に帯電させた感光ドラム1上の露光により電荷が減衰した部分に、感光ドラム1の帯電極性と同極性に帯電したトナーを付着させることで、静電潜像がトナー像として現像される。
又、本実施例では、現像工程時には、現像電圧出力手段としての現像バイアス電源41(図10)から、現像装置4に対して、交流電圧と直流電圧とを重畳したバイアス電圧が印加される。現像バイアスは、より詳しくは、現像装置4が備える、トナーを感光ドラム1へと搬送する現像部材(現像剤担持体)に印加される。そして、感光ドラム1上の画像部と現像電圧の直流成分の電位との電位差によって、現像装置4において負極性に帯電されたトナーが、現像装置4から感光ドラム1上の静電潜像に転移する。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写ローラ5の作用により、転写材(記録材)P上に転写される。転写ローラ5は、感光ドラム1の表面に圧接して転写ニップNを形成する。転写材Pは、所定のタイミングで転写ニップNに搬送される。ここで、感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と転写材Pの先端の書き出し位置が合致するように、転写材Pの搬送経路に設けられたトップセンサ8にて転写材Pの先端が検知され、タイミングが合わされている。所定のタイミングで搬送された転写材Pは、感光ドラム1と転写ローラ5とによって一定の加圧力で挟持されて搬送される。又、転写ローラ5には、転写ローラ5に転写のための電圧を印加するための転写電圧出力手段として転写バイアス電源51(図10)が接続されている。そして、転写工程時には、転写ローラ5には、転写バイアス電源51からトナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)のバイアス電圧が印加される。これにより、感光ドラム1上から転写材P上へトナー像が静電的に転写される。
トナー像が転写された転写材Pは、感光ドラム1の表面から分離され、定着手段としての加熱定着装置6へと搬送される。加熱定着装置6では、転写材1上のトナー像が、熱や圧力の作用を受けて転写材P上に定着される。
一方、転写工程時に転写材P上に転写されずに感光ドラム1上に残留した転写残トナーは、クリーニング装置7が備えるクリーニング部材としてのクリーニングブレード7aによって、感光ドラム1の表面より掻き取られて除去される。クリーニングブレード7aによって除去されたトナーは、クリーニング装置7が備える回収トナー容器7c内に回収される。クリーニングブレード7aの作用についての詳細は後述する。クリーニング工程が終了した後、再び感光ドラム1の表面の帯電工程に入る。
又、加熱定着装置6内には排紙センサ9が設けられており、転写材Pがトップセンサ8と排紙センサ9との間で詰まるなどした際に、それを検知することができるようになっている。
(2)クリーニングブレード
図2は、本実施例で使用するクリーニングブレードの構成を示す。
図2は、本実施例で使用するクリーニングブレードの構成を示す。
クリーニングブレード7aは、感光ドラム1の移動方向において転写ニップNより下流側において感光ドラム1に接触してクリーニング部Cを形成し、該クリーニング部Cにおいて感光ドラム1上からトナーを除去するクリーニング部材である。
図2に示すように、本実施例では、クリーニングブレード7aは、幅Wが約10mm、長さLが約240mmのブレード(板)形状である。ここで、長さLは、感光ドラム1の長手方向(回転軸方向)の寸法であり、幅Wは長さLの方向と直交する方向の寸法である。クリーニングブレード7aは、一方の端部7a1が支持部材7bにより保持され、もう一方の端部(以下「自由端」という。)7a2のエッジ部(以下「当接エッジ」という。)7a3が、感光ドラム1の表面に、感光ドラム1の長手方向に沿って当接されている。クリーニングブレード7aは、感光ドラム1の表面の移動方向に対してカウンター方向、即ち、支持部材7bによる支持部に対して自由端7a2が感光ドラム1の表面の移動方向の上流側を向くように感光ドラム1の表面に圧接して配置されている。このクリーニングブレード7aと感光ドラム1の表面との接触部がクリーニング部Cである。
クリーニングブレード7aの材料としては、ポリウレタンゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム又はフッ素ゴムなどの弾性体が挙げられるが、クリーニング性及び耐久性などに優れたポリウレタンゴムが多く使用される。本実施例では、クリーニングブレード7aとしてポリウレタンゴムにて作製されたものを用いた。
クリーニングブレード7aの当接エッジ7a3が感光ドラム1の表面に当接した状態で感光ドラム1が回転することにより、感光ドラム1の表面上の転写残トナーや、紙粉などの感光ドラム1の表面に付着した異物が、クリーニングブレード7aにより掻き取られる。掻き取られた転写残トナー及び異物は、自然落下することにより回収トナー容器7c内に蓄積される。
又、感光ドラム1の表面とクリーニングブレード7aとの摺動抵抗を下げる目的で、当接エッジ7a3の近傍には、潤滑剤(潤滑層)7dが塗布されていても良い(図3)。潤滑剤7dとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)や、より抵抗の低いフッ化黒鉛などのフッ素系化合物を用いることができる。或いは、潤滑剤7dは、シリコーン系の微粒子や二硫化モリブデンなどの固体潤滑材をエチルアルコールなどの溶剤に分散させた溶液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。
このような潤滑剤7dが塗布されてあっても、塗布ムラによって長手方向の摩擦抵抗が不均一になったり、図3に示すように通紙と共に潤滑剤7dが部分的に剥がれ落ちたりする。これにより、潤滑性が損なわれ、当接エッジ7a3が、図3中の矢印で示すように振動しながらスティックスリップを起こし、クリーニング不良が発生することがある。
つまり、図3に示すように、スティックスリップの発生する瞬間に、クリーニングブレード7aと感光ドラム1との当接面に数μmから数十μmの隙間が発生する。そのような隙間を、粒径の小さいトナーや潤滑性に優れた球形状のトナーなどがすり抜ける。このすり抜けたトナーTは、帯電ローラ2に付着して帯電不良を引き起こすことがある。又、このすり抜けたトナーTは、感光ドラム1上に付着したまま次回の転写工程時に転写材Pに転写され、スジ状の汚れとなって目立つことがある。これらの現象をまとめてクリーニング不良という。
特に、紙粉などの異物がクリーニングブレード7aと感光ドラム1の表面との間に挟まった状態で溜まる場合は、常に隙間が空いた状態となり、より進んだクリーニング不良となる場合がある。
(3)本実施例のクリーニング方法
上述のようなクリーニング不良を抑制する手段として、図4に示すように、感光ドラム1上に形成したトナー像のパターン(トナー供給用画像)を転写材P上に転写されないようにして、クリーニングブレード7aの当接エッジ7a3の近傍に定期的に供給する。詳しくは後述するが、典型的には、トナー供給用画像は、感光ドラム1の長手方向の略全域に亘って形成する。そして、このトナー供給用画像のトナー粒子Tを潤滑剤として機能させる。
上述のようなクリーニング不良を抑制する手段として、図4に示すように、感光ドラム1上に形成したトナー像のパターン(トナー供給用画像)を転写材P上に転写されないようにして、クリーニングブレード7aの当接エッジ7a3の近傍に定期的に供給する。詳しくは後述するが、典型的には、トナー供給用画像は、感光ドラム1の長手方向の略全域に亘って形成する。そして、このトナー供給用画像のトナー粒子Tを潤滑剤として機能させる。
これにより、クリーニングブレード7aと感光ドラム1の表面との摺動性を、クリーニングブレード7aと感光ドラム1とが接触するクリーニング部Cの長手方向(感光ドラム1の長手方向に沿う方向)の略全域に亘って均一にすることが可能となる。従って、クリーニングブレード7aと感光ドラム1の表面との密着性が良好となり、クリーニング不良を抑制することができる。特に、通常の画像形成動作では、感光ドラム1の長手方向両端部には、余白部や画像が存在しない領域が多いため、転写残トナーも少なく、感光ドラム1とクリーニングブレード7aとの摺動抵抗が大きくなってクリーニング不良が発生しやすい。上述のようにして潤滑剤としてのトナー粒子をクリーニング部Cの長手方向の略全域に亘ってクリーニングブレード7aに供給することで、効果的にクリーニング不良の発生を抑えることができる。このような、潤滑剤としてのトナー粒子をブレード近傍に送り込む工程を、「トナー供給工程」と呼ぶことにする。
ここで、従来の方法では、図5に示すように、トナー供給工程を、転写材Pが転写ニップNに存在しないタイミング、即ち、紙間や前回転、後回転中などに行っていた。紙間とは、複数の転写材に対する連続した画像形成における転写材と転写材との間の期間である。又、前回転、後回転とは、それぞれ画像形成動作の前、後における感光ドラム1の回転を伴う準備動作の期間である。即ち、従来の方法では、トナー供給工程において、トナー供給用画像は、感光ドラム1の表面の移動方向において、転写材Pが転写部Nを通過している間に転写部Nを通過する感光ドラム1上の領域以外の領域に形成していた。しかし、このような従来の方法では、転写ローラ5にトナー汚れが蓄積することがあった。
つまり、図5に示すように、従来、転写ローラ5の汚れを軽減するために、トナー供給用画像Sが転写ニップNを通過するタイミングで、トナーの正規の帯電極性と同極性の転写クリーニングバイアスを転写ローラ5に印加することなどが行われる。しかしながら、正規の帯電極性とは逆極性に帯電した微量のトナーが転写ローラ5に付着したまま残る場合や、物理的に転写ローラ5の表面にトナーが吸着して残る場合がある。そして、画像形成装置の使用によりトナー供給工程が行われるのに伴って、徐々に転写ローラ5にトナー汚れが蓄積していくことがある。
そこで、本実施例では、画像形成装置100は、トナー供給工程を、次のようにして行う。
図6は、本実施例によるトナー供給工程の際の転写ニップNの近傍の模式図を示す。即ち、トナー供給工程では、転写材Pに定着されるべき出力用画像Iとは別に、クリーニング部Cにトナーを供給するためのトナー供給用画像Sを感光ドラム1上に形成する動作を行う。そして、トナー供給工程では、このトナー供給用画像Sを、転写ニップNを通過させてクリーニング部Cへと供給する動作を行う。特に、本実施例では、トナー供給用画像Sを形成する感光ドラム1上の領域は、感光ドラム1の移動方向において、転写材Pが転写ニップNを通過している間に転写ニップNを通過し且つ出力用画像Iが形成されない位置に設定される。このトナー供給用画像Sのトナーが、クリーニングブレード7aに供給され、潤滑剤として利用される。
具体的には、図6に示すように、トナー供給用画像Sを形成する領域としては、転写材Pの搬送方向後端の余白に相当する感光ドラム1上の領域を用いることができる。同様に、トナー供給用画像Sを形成領域としては、転写材Pの搬送方向先端の余白に相当する感光ドラム1上の領域を用いることができる。
つまり、通常の画像形成動作では、転写ニップNを通過する転写材Pの移動方向及びそれに直交する方向における各端部よりも転写材Pの内側に収まるように感光ドラム1上に出力用画像Iを形成する。この場合、転写材Pの画像転写面上において、転写材Pの移動方向の先端部、後端部、左端部及び右端部のそれぞれから内側に、画像を形成することのできない所定の領域(余白)が設定された、所謂、「縁有り画像」が形成される。尚、一般に、転写材Pの移動方向の先端部、後端部、左端部、及び右端部に関して余白が設けられるが、このうち少なくとも1つの余白が設けられていなくてもよい。
このような余白が設けられる場合には、転写材Pの搬送方向先端の余白又は同方向後端の余白に相当する感光ドラム1上の領域にトナー供給用画像を形成することが好ましい。これにより、詳しくは後述するが、感光ドラム1の長手方向の略全域に亘って連続した帯状のトナー供給用画像を容易に形成することができる。
又、画像形成装置100が受信する画像情報に基づいて、転写材Pの範囲において出力用画像Iが存在しない部分を特定し、その部分の感光ドラム1上の領域にトナー供給用画像を形成することができる。例えば、転写材Pの搬送方向に直交する方向において出力用画像Iが全くない領域があれば、その領域を用いることで、感光ドラム1の長手方向の略全域に亘って連続した帯状のトナー供給用画像を形成することができる。この方法は、転写材Pの搬送方向の先端の余白及び/又は同方向後端の余白がない場合に特に有効である。
このように、好ましくは、本実施例では、トナー供給用画像Sは、感光ドラム1上において、転写ニップNで転写Pと接触する領域内で且つ出力用画像Iが形成されない領域に形成される。
次に、本実施例における、転写ローラ5に印加するバイアス制御について説明する。
先ず、図6に示すように、通常の画像パターンである出力用画像Iを転写材P上に転写する際は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の所定のプリント中転写バイアスを転写ローラ5に印加する。即ち、転写工程時には、転写ニップNに、正規の帯電極性に帯電したトナーを感光ドラム1側から転写ローラ5側(転写材P側)に向かわせる方向の電界が形成される。
これに対して、トナー供給用画像Sが転写ニップNを通過するタイミングにおいては、転写バイアスをオフとするか、又は、より望ましくはトナーの正規の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)のバイアスを転写ローラ5に印加する。即ち、トナー供給用画像Sを転写ニップNを通過させる時には、転写ニップNに、正規の帯電極性に帯電したトナーを転写ローラ5側(転写材P側)から感光ドラム1側に向かわせる方向の電界が形成される。これにより、感光ドラム1上のトナー供給用画像Sのトナーが可能な限り転写材P上に転写されないようにする。
このように、本実施例では、転写バイアス電源51は、トナーの正規の帯電極性と同極性の電圧を転写ローラ5に対して出力する第1の電圧出力部と、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を転写ローラ5に対して出力する第2の電圧出力部と、を有する。
尚、図5、6中のプリント中転写バイアスは、感光ドラム1上から転写材P上にトナーを転写させる時の転写バイアスであり、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である。又、図5、6中の待機中バイアスは、プリント中転写バイアスと同極性ではあるが、その絶対値がプリント中転写バイアスよりも小さく設定されており、転写ニップNに転写材Pがないときに印加されるバイアスである。待機中バイアスの印加は任意である。
次に、本実施例における、トナー供給用画像の大きさとパターンについて説明する。
トナー供給用画像Sの感光ドラム1の長手方向の幅は、画像形成装置100の最大通紙幅の範囲に設定するのが好ましい。最大通紙幅とは、その画像形成装置100において使用することができる転写材Pの搬送方向と直交する方向(感光ドラム1の長手方向)の幅の最大値である。但し、転写材Pの左右の余白部分については、トナー供給用画像の形成が可能であれば行い、例えばレーザースキャナーのマスクなどにより露光不可能な場合などには形成しなくてもよい。この場合には、トナー供給用画像の長手方向の幅は最大通紙幅より狭い範囲に設定される。つまり、好ましくはクリーニング部Cの長手方向の略全域にトナー供給用画像のトナーを潤滑剤として供給して、クリーニングブレード7aと感光ドラム1との間の潤滑性の維持に関して従来と同等以上の効果を達成することができればよい。
又、トナー供給用画像の転写材Pの搬送方向の幅及び画像パターンについては、トナー供給工程を行う頻度とクリーニングブレード7aが必要とする潤滑性に応じて、適宜調整すればよい。当然、トナー供給用画像の転写材Pの搬送方向の幅は、トナー供給工程を実行するときに転写ニップNを通過する転写材Pの搬送方向における、当該トナー供給用画像を形成可能な余白や、画像情報から判断された部分の幅によって制限される。
本実施例では、50枚のプリント毎に転写材Pの搬送方向の幅が2.0mmのベタ黒画像(最大濃度レベルの画像)を形成してトナー供給工程を行えば充分であることが実験的に確認された。
図10は、本実施例の画像形成装置100の概略制御態様を示す。画像形成装置100が備える制御手段としてのコントローラ11は、パーソナルコンピュータなどの外部機器200から入力され、画像処理部13によって処理された画像情報信号に従って、画像形成装置100の画像形成動作に係る各部の動作を統括的に制御する。例えば、コントローラ11は、帯電バイアス電源21、現像バイアス電源41及び転写バイアス電源51の電圧出力のオン/オフのタイミングや出力電圧値を制御し、又、露光装置3や定着装置6の動作タイミングなどを制御する。特に、本実施例に関連して、コントローラ11は、トナー供給工程を制御する。即ち、コントローラ11は、トナー供給工程を所定の間隔で実行させると共に、トナー供給工程において、トナー供給用画像を感光ドラム1上の上記所定の位置に形成するべく、帯電バイアス電源21、露光装置3、現像バイアス電源41などを制御する。又、コントローラ11は、トナー供給工程において、トナー供給用画像Sが転写ニップNを通過するように上記所定のタイミングで転写バイアス電源51の出力電圧を切り替える。コントローラ11は、制御部、演算部、記憶部を備えた演算制御回路によって構成され、記憶手段であるメモリ12に記憶されたプログラム、データに従って、上述の如き制御を実行する。
(4)従来例との比較
次に、本実施例の効果を従来例と比較する実験を行った。上記条件に従い、50枚のプリント毎に、転写材Pの搬送方向の幅が2mmのトナー供給用画像Sを形成するトナー供給工程を、次の(A)、(B)の方法に従って行った。
次に、本実施例の効果を従来例と比較する実験を行った。上記条件に従い、50枚のプリント毎に、転写材Pの搬送方向の幅が2mmのトナー供給用画像Sを形成するトナー供給工程を、次の(A)、(B)の方法に従って行った。
(A)本実施例として、50枚目の転写材Pの後端余白部に相当する感光ドラム1上の位置にトナー供給用画像Sを形成し、トナー供給工程を行った場合。
(B)従来例として、50枚目プリント後の後回転中にトナー供給工程を行った場合。
上記(A)、(B)について、耐久試験として全部で10,000枚のプリントを行い、その後、次の(i)〜(iv)の各項目について比較した。
(i)通紙後の転写ローラ5のトナー汚れ
(ii)転写ローラ5のトナー汚れに伴う転写ローラ5の電気抵抗の上昇
(iii)転写ローラ5のトナー汚れに伴う高抵抗紙に対する転写性
(iv)転写ローラ5のトナー汚れに伴う封筒を通紙した際の裏汚れ
(i)通紙後の転写ローラ5のトナー汚れ
(ii)転写ローラ5のトナー汚れに伴う転写ローラ5の電気抵抗の上昇
(iii)転写ローラ5のトナー汚れに伴う高抵抗紙に対する転写性
(iv)転写ローラ5のトナー汚れに伴う封筒を通紙した際の裏汚れ
転写ローラ5の電気抵抗の上昇は、転写ローラ5に電圧を印加した時に流れる電流を測定することによって評価した。電気抵抗の上昇量が小さい場合には電気抵抗の上昇が「無い」と判断し、所定以上の電気抵抗の上昇が認められた場合には、電気抵抗の上昇があったものと判断した。
尚、裏汚れの確認に封筒を用いたのは、転写材Pの厚みで転写材Pが転写ニップNで受ける圧力が大きくなり、転写ローラ5に汚れがある場合にこれが転写材Pの裏面に付着しやすいためであり、厳しい条件での評価を行うことができるからである。
又、上記(A)(B)ともに、トナー供給用画像Sのトナーが転写ニップNを通過する際は、転写ローラ5に約−1000Vの負極性のバイアス(転写クリーニングバイアス)を印加し、転写ローラ5側にトナー供給用画像Sのトナーが引き付けられないようにした。
結果を下記表1に示す。
表1に示す結果から明らかなように、従来例ではトナー汚れに伴う転写ローラ5の電気抵抗の上昇が認められ、又画像も転写ムラが確認された。
これに対し、本実施例では、転写材Pの搬送方向後端の余白に相当する感光ドラム1上の領域にトナー供給用画像Sを形成する。これによって、転写ローラ5を汚すことが無く、それが原因となる問題が抑制されていることがわかる。
又、本実施例では、トナー供給用画像Sが転写ニップNを通過している間に転写クリーニングバイアスを転写ローラ5に印加しているので、転写材Pの搬送方向後端の余白部を汚すことも無い。従って、効果的にクリーニングブレード7aと感光ドラム1との摺動性を良好に保つことが可能である。
このように、本実施例によれば、画像形成装置100は、感光ドラム1とクリーニングブレード7aとの間からトナーがすり抜けて発生するクリーニング不良を抑制するために、トナー供給工程を行う。トナー供給工程では、感光ドラム1上に、感光ドラム1の長手方向に沿って形成したトナー供給用画像Sをクリーニングブレード7aに定期的に供給し、クリーニングブレード7aと感光ドラム1との良好な潤滑性を維持する。そして、本実施例では、このトナー供給工程においてトナー供給用画像Sを、転写材Pが転写ニップNに存在する間に転写ニップNを通過し且つ出力用画像Iが形成されない感光ドラム1上の位置に形成する。これにより、転写ローラ5をトナーで汚してしまう不具合を抑制することができる。又、転写ローラ5のトナー汚れを抑制できるので、トナー汚れに伴う転写ローラ5の電気抵抗の上昇、更にこの電気抵抗の上昇に伴う画像不良や転写材Pの裏面のトナー汚れを抑制することが可能である。
又、トナー供給用画像Sを、出力用画像Iが存在しない、転写材Pの搬送方向先端の余白や同方向後端の余白に形成することで、通常のプリント画像を乱すこともない。又、トナー供給用画像Sが転写ニップNを通過する間は、転写ローラ5に印加するバイアスをオフするか、トナーの正規の帯電極性と同極性のバイアスを印加する。これにより、転写材Pの方にトナーが転写されることを防ぐことができるので、トナー供給用画像Sのトナーによって転写材Pの表面を汚すこともない。
以上説明したように、本実施例によれば、クリーニングブレード7aと感光ドラム1との潤滑性を維持するためにトナー像をクリーニングブレード7aに供給する工程を行う場合において、転写ローラ5のトナーによる汚れを抑制することができる。従って、画像形成装置100の使用量が増加しても、良好な画像を出力することができる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、トナー供給工程時に感光ドラム1上に形成するトナー供給用画像Sのパターンを、以下に説明するように、実施例1とは異ならせる。
転写材Pとして平滑紙、光沢紙、厚紙、高抵抗紙などの特殊紙を用いた場合などには、次のような現象を抑制することが望ましい場合がある。即ち、トナー供給工程においてトナー供給用画像Sのパターンとしてベタ黒画像の帯を形成すると、転写クリーニングバイアスを印加していても、転写材P上にわずかにトナー供給用画像Sのパターンが転写されて付着し、トナー汚れとなって現れる場合がある。
そこで、本実施例では、トナー供給用画像Sは、単位面積当たりのトナー量が当該画像形成装置100における最大濃度レベルの画像よりも小さい画像とする。即ち、本実施例では、トナー供給用画像Sのパターンとして、横線や縦線、或いは図7に示すような孤立ドットで形成される、ハーフトーン画像を用いることができる。これにより、転写材Pに付着しにくくなり、汚れとして目立たなくなる。特に、トナー供給用画像Sを、複数の孤立ドットの集合により形成することが、転写材Pへのトナーの付着を抑制しやすく、又仮に微量のトナーが付着したとしてもそれが目立ちにくいことから好ましい。これは、次のような理由によるものと考えられる。
即ち、感光ドラム1上に形成されるトナー像を断面的に見たとき、ベタ黒画像では、図8(a)に示すように、トナーの載り量が多く、又その高さは高い。特に、その画像パターンのエッジ部分にトナーの盛り上がりが見られることが多い。従って、転写ニップNを通過する時に転写ローラ5にトナーの正規の帯電極性と同極性のバイアスを印加しても、トナーの載り量の多いところでは、その部分のトナーが物理的に転写材P上に付着してしまうことがある。又、転写材Pとして平滑紙、光沢紙、高抵抗紙など、搬送中に画像形成装置100の搬送部材などと摩擦することでトナーと逆極性に帯電しやすい転写材Pを用いる場合には、特に、上記トナー載り量の多い部分のトナーが転写されやすくなる。
これに対して、例えば孤立ドットなどのハーフトーン画像では、図8(b)に示すように、トナーの載り量や、その高さは低減する。そのため、そのトナーは、転写材Pに付着しにくく、又微量に付着したとしても汚れとしては目立たないため、問題とならない。
尚、ハーフトーン画像でトナー供給用画像Sのパターンを構成すると、クリーニングブレード7aに供給されるトナーの量が減ることが考えられる。しかし、この場合は、可能な範囲でパターンの幅を転写材Pの搬送方向において広くするか、或いはトナー供給工程の頻度を上げることによりその影響を可及的に少なくすることができる。
又、トナー供給用画像Sの画像パターンをハーフトーン画像とする他にも、次のような方法によって、トナーの載り量が少なくなるように調整することができる。即ち、帯電工程や現像工程で印加するバイアスを増減させ、感光ドラム1の表面に形成される静電潜像の電位をコントロールすることによって、トナー供給用画像Sの濃度が薄くなるように調整することができる。これにより、トナー供給用画像Sを、ベタ黒画像パターンであっても、トナーの載り量が少なくなるように調整することができ、画像パターンによりハーフトーン画像とした場合と同様の効果を得ることができる。
より詳しくは、図9に示すように、次のような方法によって達成することができる。即ち、帯電工程で印加する電圧をトナーの帯電極性(本実施例では負極性)側にシフトさせることで、露光後の感光ドラム1の電位を下げる。又、現像バイアスの直流成分(現像電位)をトナーの帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)側にシフトさせることによって、露光電位(画像部電位)と現像電位との電位差(現像コントラスト)を小さくする。或いは、露光装置3による露光Lの光量を、パルス信号を調整することなどにより減ずることで、現像コントラストを小さくすることも可能である。つまり、感光ドラム1上のトナー像は、感光ドラム1上の画像部の電位と感光ドラム1にトナーを供給する現像部材との間の電位差により、帯電したトナーを現像部材から感光ドラム1上の画像部に転移させることで形成される。そして、トナー供給用画像Sの形成時の上記電位差を、最大濃度画像の形成時よりも小さくすることができる。
尚、上述した孤立ドットなどのハーフトーン画像でトナー供給用画像Sのパターンを形成しながら、上述のような感光ドラム1の電位のコントロールを同時に行って画像濃度を下げることもできる。これにより、転写材Pへのトナー供給用画像Sの付着や、その付着したトナーが目立つのを抑制する効果を、より高めることができる。
以上、本実施例によれば、実施例1と同様の効果を達成できる。更に、本実施例では、トナー供給用画像Sのパターンをハーフトーン画像、とりわけ孤立ドットで形成されるようなハーフトーンとすることで、トナーの載り量や高さを抑制できる。これにより、転写材Pに高抵抗紙、厚紙、平滑紙、光沢紙といった様々なメディアを用いても、トナー供給用画像Sのトナーが転写材Pの表面に付着して汚れとして現れることを抑制することができる。又、トナー供給用画像Sを形成する際に、帯電手段及び現像手段に印加するバイアスをコントロールし、画像濃度を薄くすることによっても、トナーの載り量や高さを軽減することができる。孤立ドットなどのハーフトーン画像のパターンの使用と、帯電手段及び現像手段に印加するバイアスのコントロールとを併用すれば、転写材Pの表面に付着することを更に軽減することが可能となる。従って、画像形成装置100の使用量が増加しても、クリーニング不良が発生せず、良好な画像を出力することができる。
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 転写ローラ
6 加熱定着装置
7 クリーニング装置
7a クリーニングブレード
I 出力用画像
P 転写材
S トナー供給用画像
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 転写ローラ
6 加熱定着装置
7 クリーニング装置
7a クリーニングブレード
I 出力用画像
P 転写材
S トナー供給用画像
Claims (6)
- トナー像を担持する移動可能な像担持体と、
前記像担持体に接触して転写部を形成し、前記像担持体の移動に伴って前記転写部を通過する転写材上に前記像担持体上からトナー像を転写させる転写部材と、
前記転写部材に前記転写のための電圧を印加する電源と、
前記像担持体の移動方向において前記転写部より下流側において前記像担持体に接触してクリーニング部を形成し、該クリーニング部において前記像担持体上からトナーを除去するクリーニング部材と、
前記転写材上に転写されたトナー像を前記転写材に定着させる定着装置と、
を有し、
前記転写材に定着されるべき出力用画像とは別に、前記クリーニング部にトナーを供給するためのトナー供給用画像を前記像担持体上に形成し、該トナー供給用画像を前記転写部を通過させて前記クリーニング部へと供給する動作を行い、
前記トナー供給用画像を形成する前記像担持体上の領域は、前記像担持体の移動方向において、前記転写材が前記転写部を通過している間に前記転写部を通過し且つ前記出力用画像が形成されない位置に設定されることを特徴とする画像形成装置。 - 前記電源は、前記トナー供給用画像が前記転写部を通過する間は、前記転写部材に対して、前記転写のための電圧と逆極性の電圧を印加するか又は電圧を印加しないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記トナー供給用画像が形成される前記像担持体上の領域は、前記転写材の搬送方向先端の余白又は同方向後端の余白に相当する領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記トナー供給用画像は、単位面積当たりのトナー量が当該画像形成装置における最大濃度レベルの画像よりも小さい画像であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー供給用画像は、複数の孤立ドットの集合により形成されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体上のトナー像は、前記像担持体上の画像部の電位と前記像担持体にトナーを供給する現像部材との間の電位差により、帯電したトナーを前記現像部材から前記像担持体上の画像部に転移させることで形成され、前記トナー供給用画像の形成時の前記電位差は、最大濃度画像の形成時よりも小さいことを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
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JP2012042818A (ja) * | 2010-08-20 | 2012-03-01 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2013200351A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2017037126A (ja) * | 2015-08-07 | 2017-02-16 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置、画像形成システムおよび制御方法 |
-
2008
- 2008-02-08 JP JP2008029750A patent/JP2009186941A/ja active Pending
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