JP2009180783A - 液晶表示装置及びそれに用いるカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】高コントラストでかつ、 斜め視認性と正面視認性をともに改善した液晶表示装置を提供する。
【解決手段】(a)少なくとも基板上に、少なくとも赤色、緑色及び青色表示画素を備えるカラーフィルタと、(b)2枚の偏光板の内側に設けられた光学補償層とを具備する液晶表示装置において、前記カラーフィルタの赤色表示画素、緑色表示画素及び青色表示画素の厚み方向位相差値を、それぞれRRth 、GRth 及びBRth、前記光学補償層の赤色領域、緑色領域及び青色領域における厚み方向位相差値Rth(R)、Rth(G)、及びRth(B)とが下記の式(1)乃至式(3)を満たす液晶表示装置。
(1)|RRth+Rth(R )| ≦20 、(2)|GRth+Rth(G )| ≦20、
(3)|BRth+Rth(B )| ≦20
(RRth 、GRth 、およびBRth は、それぞれの画素の面内屈折率の平均から厚み方向屈折率を引いた値と、画素の厚み(nm)の積をそれぞれ表す。)
【選択図】図1
【解決手段】(a)少なくとも基板上に、少なくとも赤色、緑色及び青色表示画素を備えるカラーフィルタと、(b)2枚の偏光板の内側に設けられた光学補償層とを具備する液晶表示装置において、前記カラーフィルタの赤色表示画素、緑色表示画素及び青色表示画素の厚み方向位相差値を、それぞれRRth 、GRth 及びBRth、前記光学補償層の赤色領域、緑色領域及び青色領域における厚み方向位相差値Rth(R)、Rth(G)、及びRth(B)とが下記の式(1)乃至式(3)を満たす液晶表示装置。
(1)|RRth+Rth(R )| ≦20 、(2)|GRth+Rth(G )| ≦20、
(3)|BRth+Rth(B )| ≦20
(RRth 、GRth 、およびBRth は、それぞれの画素の面内屈折率の平均から厚み方向屈折率を引いた値と、画素の厚み(nm)の積をそれぞれ表す。)
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶表示装置及びそれに使用するカラーフィルタに関し、特には、厚み方向位相差値が最適化された液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、液晶分子の幾何学的異方性に基づく複屈折性を透過光量の制御に利用した装置であり、基本的には、光源、液晶セル、偏光板および光学補償層から構成される。液晶は非発光性であるため、光源が必要であって、その光源を内蔵する構造の透過型液晶表示装置と、外光を利用する反射型液晶表示装置の2つに大別される。透過型液晶表示装置では、二枚の偏光板を液晶セルの両側に具備し、一枚または二枚の光学補償層を液晶セルと偏光板との間に具備する構成である。また、反射型液晶表示装置においては、反射板、液晶セル、一枚の光学補償層、および一枚の偏光板がこの順に配置されている。液晶セルは、対抗する基板間に液晶分子が配向して狭持されており、対抗する基板の内面に配設した電極に電圧を加えることにより、液晶分子の配向状態を変化させて光の透過状態と遮光状態をスイッチングするしくみとなっている。
前記の液晶セルは、液晶分子の初期配向状態から電圧印加に伴う配向変化の仕方によって、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In-Plane Switching)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensated Bend)モード、STN(Supper Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、HAN(Hybrid Aligned Nematic)モードと称される動作表示モードの一つに対応した構成を有している。
また、偏光板は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素を拡散した後、延伸させて偏光性のあるフィルムとし、両側から透明なトリアセチルセルロースフィルム(以下、TACと記す)で挟んで製造する。
光学補償層には上記動作表示モードに応じていくつかのタイプが開発されているが、本発明の係わる、高視野角部分で表示特性が良好なIPSモードにおいては、屈折率楕円体の主軸方向の屈折率nx,ny,nzに対し、nx≧ny≧nzを満たす特性の二軸性位相差フィルムが望ましい旨開示されている(非特許文献1)。さらにnzの大きさが異なる2枚の二軸性のλ/2波長板を用いて互いの波長分散を補償しあうことで、黒表示における可視光領域の光漏れを小さく抑えた、広視野角なIPS液晶表示装置も教示されている(非特許文献2)。
近年、液晶表示装置は、その軽薄性ゆえの省スペース性、省電力性が好まれ、大型テレビとして急速な広がりを見せると同時に、輝度、コントラスト、全方位の視認性等の表示性能に関して、一段の高度化が要求されるものとなっている。
こうした要求に対しては、電圧無印加時の黒濃度が高く(高コントラスト)、かつ、広視野角表示が可能なノーマリーブラックモードのIPSやVAモードの液晶表示装置が、特に適合するものであって、上記の光学補償層は、正面から見た場合の黒表示時の色付きと斜めから見た場合の色ずれが最小となるように、屈折率nx,ny,nzの値が設定される。
ここで、IPSモード液晶表示装置に用いられる光学補償層は、上記に記載したように、nx≧ny≧nzである二軸性の位相差フィルムもしくはnx≒ny≒nzである光学補償機能がほとんど無視できる程度のTAC等のフィルムであって、これらのフィルムを使用した場合には、厚み方向位相差Rthは正で100以下の範囲となる。また、IPSモード液晶表示装置では、液晶分子は基板面内で回転するだけであって、厚み方向に位相差を生じるものでないため、これら二軸性位相差フィルムの厚み方向位相差は光漏れの原因となり、特に黒表示時に斜めから見た表示特性を悪化させることとなる。すなわち、斜めから見たときに、黒表示が黄色味付いたり、青色味付いたりするため、視認性に悪影響を及ぼす結果となる。
加えて、カラーフィルタを構成する赤色、緑色および青色の着色画素層の厚み方向位相差(以下、Rth(R)、Rth(G)、Rth(B)と記す)に関しては、それらが互いに相違すると、斜め方向から見たときの黒表示時に色付きが観察される。テレビとしての分光特性上の要請から着色画素層の厚さが決まるので、厚みを変化させることだけで厚み方向位相差を同一にすることは実際上困難である。
特に赤色、緑色および青色の着色画素層の厚み方向位相差値が、波長に対して単調に変化しない、すなわち、Rth(R)<Rth(G)>Rth(B)もしくはRth(R)>Rth(G)<Rth(B)といった、上に凸もしくは下に凸の関係にあると、波長に対して単調な波長分散性を示す光学補償層との組み合わせでは、近時求められる高度な表示品質のレベルで光学補償することができなくなる。具体的には、表示面に対して正面(垂直方向)からの視認性は良いが、45度など斜めからの視認性(以下、斜め視認性と記す)において、ある特定の色だけが光漏れすることで、黒表示時に 赤味や青味など、あるいは緑味などの色付きを生じさせることになる。
カラーフィルタのリタデーションは比較的小さいものであったため、これまでこの問題はあまり重要視されてこなかったが、高コントラストや広い視野角特性が要求される液晶テレビなどでは無視できないレベルとなってきた。特に、1000あるいは3000以上の高コントラストの液晶表示装置では、要求される黒表示の画質に高品質のものが求められ、カラーフィルタのリタデーションまで踏み込んで検討する必要性が出てきている。
これらの問題に対しては、TAC等のフィルムについては、Rthを低減させる粒子などを添加してほぼゼロに制御する低リタデーションTACフィルムの開発が挙げられる(例えば、特許文献1)。しかしながら、実際問題として、完全にはゼロにならず、微小な正の位相差が残るという問題は依然として残っている。また、これら低リタデーションTACフィルムは、特別な処理技術を要し、高価であるという切実な問題もある。
他方、着色画素を構成するマトリックス樹脂(例えば、アクリル樹脂やカルド樹脂)の側鎖に平面構造基を有する高分子を結合させるか、またはマトリックス樹脂中に、マトリックス高分子と正負逆の複屈折率をもつ複屈折低減粒子を分散させることで、カラーフィルタのリタデーション値を低減させる試みが開示されている(例えば、特許文献2,3)。しかしながら、TACフィルム等との相関等が考慮されていないため、満足すべき効果が得られていない。
また、高コントラスト液晶表示装置対応の、透明性に優れたアクリル樹脂をマトリックスとするカラーフィルタにおいても、必要とする高コントラスト値(1000以上、より好ましくは、3000以上)を維持したまま、斜め視認性を改善することは困難であった。
以上のように、従来から、視認性の改善の必要性は認識され、その手段についても検討されていたが、厚み方向位相差の小さいカラーフィルタが優れたカラーフィルタであると思い込んできた結果、各色の厚み方向位相差を黒表示に問題のないレベルまで最適化する
ことについては、厚み方向位相差を小さく設定すべきという解以外の解があるかというころまで踏み込んで検討することはなされなかった。
特開2006-249328号公報
特開2000-136253号公報
特開2000-187114号公報
石鍋他、SID Digest、1094ページ.2000年
石鍋他、Jpn.J.Appl.Phys.、41巻、4553ページ、2002年
ことについては、厚み方向位相差を小さく設定すべきという解以外の解があるかというころまで踏み込んで検討することはなされなかった。
このような状況下にあって、本発明者等は、カラーフィルタの有する厚み方向位相差値は、使用するマトリックス樹脂(たとえば、アクリル樹脂やカルド樹脂など)あるいはそれらに分散する顔料の違いに依存すること、さらには顔料の微細化の程度にも依存するということを見出した。
本発明は、こうした現状を踏まえてなされたものであって、その課題とするところは上記知見に基づき、赤色着色画素層、緑色着色画素層および青色着色画素層の厚み方向位相差値と光学補償層の厚み方向位相差値とを一体として考慮することで、表示面観察方向(法線方向)のみでなく、観察方向からおよそ45度ずれた斜め方向からの観察においても色味付がなく、かつ、正面(表示面法線方向)視認性の良いカラーフィルタを備えた液晶表示装置、特に、IPSモードの液晶表示装置を提供することである。
請求項1に記載の発明は、少なくとも透明基板と、少なくとも赤色表示画素、緑色表示画素および青色表示画素を備えるカラーフィルタと、光学補償層とを具備する液晶表示装置において、前記カラーフィルタの赤色表示画素の厚み方向位相差値RRth 、緑色表示画素の厚み方向位相差値GRth 、および青色表示画素の厚み方向位相差値BRth と、前記光学補償層の赤色領域における厚み方向位相差値Rth(R)、緑色領域における厚み方向位相差値Rth(G)、および青色領域における厚み方向位相差値Rth(B)とが下記の式(1)乃至式(3)を満たすことを特徴とする液晶表示装置である。
式(1): |RRth+Rth(R )| ≦20
式(2): |GRth+Rth(G )| ≦20
式(3): |BRth+Rth(B )| ≦20
(RRth 、GRth 、およびBRth は、それぞれの画素の面内屈折率の平均から厚み方向屈折率を引いた値と、画素の厚み(μm)の積を1000倍して得られる数値をそれぞれ表す。)
請求項2に記載の発明は、前記赤色表示画素の厚み方向位相差値RRth 、緑色表示画素の厚み方向位相差値GRth 、および青色表示画素の厚み方向位相差値BRth と、前記光学補償層の赤色領域における厚み方向位相差値Rth(R)、緑色領域における厚み方向位相差値Rth(G)、および青色領域における厚み方向位相差値Rth(B)とが下記の式(4)乃至式(5)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置である。
式(4): |RRth+Rth(R)−(BRth+Rth(B))| − |GRth+Rth(G)−(BRth+Rth(B) )| ≧0
式(5): |(RRth+Rth(R)−(BRth+Rth(B))| − |RRth+Rth(R)−(GRth+Rth(G))| ≧0
上記(1)から(5)のいずれか一つの不等式が満足されると、斜め方向から見た場合に、視野角補償がされた色ずれ、色つきのない黒表示を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、前記光学補償層がトリアセチルセルロース(TAC)からな
る透明保護膜であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の液晶表示装置である。
式(1): |RRth+Rth(R )| ≦20
式(2): |GRth+Rth(G )| ≦20
式(3): |BRth+Rth(B )| ≦20
(RRth 、GRth 、およびBRth は、それぞれの画素の面内屈折率の平均から厚み方向屈折率を引いた値と、画素の厚み(μm)の積を1000倍して得られる数値をそれぞれ表す。)
請求項2に記載の発明は、前記赤色表示画素の厚み方向位相差値RRth 、緑色表示画素の厚み方向位相差値GRth 、および青色表示画素の厚み方向位相差値BRth と、前記光学補償層の赤色領域における厚み方向位相差値Rth(R)、緑色領域における厚み方向位相差値Rth(G)、および青色領域における厚み方向位相差値Rth(B)とが下記の式(4)乃至式(5)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置である。
式(4): |RRth+Rth(R)−(BRth+Rth(B))| − |GRth+Rth(G)−(BRth+Rth(B) )| ≧0
式(5): |(RRth+Rth(R)−(BRth+Rth(B))| − |RRth+Rth(R)−(GRth+Rth(G))| ≧0
上記(1)から(5)のいずれか一つの不等式が満足されると、斜め方向から見た場合に、視野角補償がされた色ずれ、色つきのない黒表示を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、前記光学補償層がトリアセチルセルロース(TAC)からな
る透明保護膜であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の液晶表示装置である。
請求項1乃至請求項2の不等式を満たす光学補償層としてTACフィルムを特定するものである。また低価格のTACフィルムが光学補償層として使用できる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶表示装置に用いるカラーフィルターであって、該カラーフィルタの赤色表示画素、緑色表示画素および青色表示画素に含まれる着色顔料の1次粒子の粒子径d50は40nm以下であることを特徴とするカラーフィルターである。
顔料の1次粒子の粒子径d50を上記範囲に設定することにより、斜め方向からだけでなく、正面方向からの視認性の良い液晶表示装置を得ることができる。なお、粒子径d50とは、個数粒度分布の積算曲線において積算量が全体の50%に相当する粒子径(円相当径)を表している。
請求項5の発明は、前記赤色表示画素は、ジケトピロロピロール系赤色顔料及びアントラキノン系赤色顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種の赤色顔料、前記緑色表示画素は、ハロゲン化金属フタロシアニン系緑色顔料、アゾ系黄色顔料及びキノフタロン系黄色顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種の緑色顔料、前記青色表示画素は、金属フタロシアニン系青色顔料及びジオキサジン系紫色顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種の青色顔料を、含有することを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタである。
これらの顔料を使用し、かつ、顔料の一次粒子径を制御することで、各着色表示画素の厚み方向位相差を正負方向に変化させることが可能となる。
請求項6の発明は、前記液晶表示装置がIPS方式である請求項1乃至3に記載の液 晶表示装置である。
以上説明したように、本発明によれば、カラーフィルタを構成する赤色、緑色、および青色の着色画素層の厚み方向位相差値は、該着色画素を組成する顔料種を特定すること、また該顔料を微細化すること等で、正または負の値にわたり調製可能であることが分かった。このことにより、液晶表示装置を構成するカラーフィルタの光学的位相特性と他の光学部材の位相特性との整合を、着色画素ごとに図ることが可能となった。特に、本発明において、光学補償層の厚み方向位相差とカラーフィルタの厚み方向位相差の整合を図った結果、カラーフィルタの厚み方向位相値は従来の予想とは異なる範囲に最適な値を有することがわかった。その範囲にあっては、コントラスト値が1000以上、あるいは3000以上で、かつ、斜め方向および正面の視認性が優れた液晶表示装置を得ることができる。
また、本発明は低価格なTACフィルムに適合させたものであって、低価格で高品質な液晶表示装置を提供できる。
以下、本発明の経緯と要旨につき簡単に記し、引き続いて実施の形態につき説明する。
液晶表示装置に用いて好適なカラーフィルタ着色組成物は、 高コントラストを確保しやすいアクリル樹脂、カルド樹脂などのポリマーやモノマーを基材として、少なくとも有機溶剤、光重合性開始剤もしくは硬化剤に有機顔料を分散した液状の塗布液である。
これら着色組成物からなるカラーフィルタのリタデーションは、一般的な定法によるものでは、絶対値で0.01以下である。また、厚み方向位相差値Rthは、Rth(R)=Rth(G))=Rth(B)=0であることが望ましいとされてきた。(ここでR,G,Bは赤領域、緑領域、青領域における特定の波長を表す)。ところが、実際のカラーフィルタのリタデーションは、「緑色画素のRthが赤色画素より大きい値であるにもかかわらず、青色画素のRthが緑色画素より小さい値である組み合わせ」や、「緑色画素のRthが赤色画素より小さい値にもかかわらず、青色画素のRthが緑色画素より大きい値である組み合わせ」があって、これらとリタデーションの波長分散性が単調に変化する位相差板等の光学部材が組み合わされると、良好な斜め視認性を得ることができなかったということである。
本発明者は、このことから、カラーフィルタ以外の構成部材、例えばTACフィルムのリタデーション値の波長分散性を考慮すると、Rth(R)=Rth(G)=Rth(B)=0以外にも最適なカラーフィルタの厚み方向位相差が存在するのではないかということに想到した。そこで、まず、赤色、緑色および青色の着色組成物の厚み方向位相差が、着色組成物を組成するマトリックス樹脂材料、着色顔料等に依存しているのか、変化するとすればどの範囲でなのか等について、詳しく検討した。
その結果、赤色、緑色および青色の着色組成物からなるカラーフィルタ層のリタデーションはそれぞれ異なっており、赤色及び青色は正または負のリタデーションを示し、緑色は負のリタデーションを示し、かつ、調整可能であることを見出した。
したがって、IPSモード液晶表示装置で広く用いられる二軸性の位相差フィルムや、TACフィルムの場合は、これらのフィルムの厚み方向位相差値がゼロ以上で正の値を有することから、カラーフィルタにおいて各着色画素の厚み方向位相差Rtは負の値であることが望ましく、上記の結果を考慮すると、そのように最適化することが可能であるということが示唆された。
厚み方向位相差Rtは、実際には、液晶、偏光板、光学補償層、配向膜など光学部材との組み合わせの中で、最適な斜め視認性を得るように設定される必要がある。本例では、液晶、配向膜のリタデーションが他部材に比較して無視できるものとして、光学補償用TACフィルムとカラーフィルタの厚み方向位相差の組み合わせに絞って、正面視認性および斜め視認性を実験的に評価することで、最適範囲を画定した。
結論としては、TACフィルムとカラーフィルタの厚み方向位相差については、ある不等式を満たす場合(請求項1及び請求項2)に、良好な正面視認性、斜め視認性が達成でき、そのためには、顔料分散型の着色組成物からなるカラーフィルタの場合、当該顔料の1次粒子の粒度分布において、個数粒度分布の積算曲線において積算量が全体の50%に相当する粒子径d50が40nm以下であるのが好ましく、d50が30nm以下であるのがより好ましいということである(請求項4)。
また、赤色表示画素は、ジケトピロロピロール系赤色顔料及びアントラキノン系赤色顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種の赤色顔料を含むものであって、その使用量は、顔料の合計量を基準として、ジケトピロロピロール系赤色顔料が0〜100重量%、及びアントラキノン系赤色顔料が0〜66重量%であることが好ましい。さらに、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料にはC.I.Pigment Red 254、前記アントラキノン系赤色顔料にはC.I.Pigment Red 177を好適に用いることができる。
緑色表示画素は、ハロゲン化金属フタロシアニン系緑色顔料、アゾ系黄色顔料及びキノ
フタロン系黄色顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種の緑色顔料を含むもので、その使用量は、顔料の合計量を基準として、ハロゲン化銅フタロシアニン系緑色顔料が0〜100重量%、アゾ系黄色顔料及び/又はキノフタロン系黄色顔料が0〜60重量%であることが好ましい。さらに、前記ハロゲン化銅フタロシアニン系緑色顔料にはC.I.Pigment GReen 36、前記アゾ系黄色顔料にはC.I.Pigment Yellow 150、前記キノフタロン系黄色顔料にはC.I.Pigment Yellow 138を好適に用いることができる。
フタロン系黄色顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種の緑色顔料を含むもので、その使用量は、顔料の合計量を基準として、ハロゲン化銅フタロシアニン系緑色顔料が0〜100重量%、アゾ系黄色顔料及び/又はキノフタロン系黄色顔料が0〜60重量%であることが好ましい。さらに、前記ハロゲン化銅フタロシアニン系緑色顔料にはC.I.Pigment GReen 36、前記アゾ系黄色顔料にはC.I.Pigment Yellow 150、前記キノフタロン系黄色顔料にはC.I.Pigment Yellow 138を好適に用いることができる。
前記青色表示画素には、金属フタロシアニン系青色顔料及びジオキサジン系紫色顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むもので、その使用量は、顔料の合計量を基準として、銅フタロシアニン系青色顔料が0〜100重量%、ジオキサジン系紫色顔料が0〜50重量%であることが好ましい。さらに、前記銅フタロシアニン系青色顔料にはC.I.Pigment Blue 15:6、ジオキサジン系紫色顔料にはC.I.Pigment Violet 23を好適に用いることができる。
以下、カラーフィルタに係わる着色顔料、着色組成物、液晶表示装置の順で詳述し、最後に実施例において、請求項1及び請求項2のよってきたる理由に関し、図および表を用いて説明する。まず最初に、カラーフィルタについて説明する。
図1に示すように、本発明の液晶表示装置に用いて好適なカラーフィルタは、ガラス基板1上に遮光層であるブラックマトリクス2を具備し、少なくとも赤色(R)3、緑色(G)3’、および青色(B)3’’の3色の着色画素を備えている。なお、これら3色に限らず、さらに、補色の組み合わせでも良く、あるいは補色や他色を含んだ3色以上の多色のカラーフィルタであっても良い。
赤色画素には、例えば、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、279等の赤色顔料を用いることができ、黄色顔料や橙色顔料を併用することもできる。
黄色顔料としては、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、147、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、187、188、193、194、199、198、213、214等が挙げられる。
橙色顔料としては、C.I. Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられる。
黄色顔料としては、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、147、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、187、188、193、194、199、198、213、214等が挙げられる。
橙色顔料としては、C.I. Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられる。
赤色画素が、これら顔料のなかでジケトピロロピロール系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料のうち1種類以上を含む場合には、任意のRthを得ることが容易になるため好ましい。なぜなら、ジケトピロロピロール系赤色顔料は、その微細化処理を工夫することにより、Rthを正負のどちらにすることも可能で、その絶対値もある程度制御可能であり、また、アントラキノン系赤色顔料は、特別な微細化処理を施すことなく0に近いRthを得ることができるためである。その使用量は、顔料の合計重量を基準として、ジケトピロロピロール系赤色顔料を10〜90重量%、アントラキノン系赤色顔料を5〜70重量%と
することが、画素の色相や明度、膜厚、コントラスト等の点から好ましく、特に、コントラストに着目した場合、ジケトピロロピロール系赤色顔料を25〜75重量%、アントラキノン系赤色顔料を30〜60重量%とすることがより好ましい。
することが、画素の色相や明度、膜厚、コントラスト等の点から好ましく、特に、コントラストに着目した場合、ジケトピロロピロール系赤色顔料を25〜75重量%、アントラキノン系赤色顔料を30〜60重量%とすることがより好ましい。
また、赤色画素には色相を調整する目的で黄色顔料や橙色顔料を含有させることができるが、高コントラスト化の点からアゾ金属錯体系黄色顔料を用いることが好ましい。その使用量は、顔料の合計重量を基準として5〜25重量%であることが好ましく、5重量%未満の場合には、充分な明度向上などの色相調整ができず、30重量%を超える場合には、色相が黄味にシフトし過ぎるため、色再現性は悪くなる。
上記において、ジケトピロロピロール系赤色顔料としては、C.I.Pigment Red 254、アントラキノン系赤色顔料としては、」C.I.Pigment Red
177、アゾ金属錯体系黄色顔料としてはC.I.Pigment Yellow 150が、優れた耐光性、耐熱性、透明性、および着色力等の点から好適である。
177、アゾ金属錯体系黄色顔料としてはC.I.Pigment Yellow 150が、優れた耐光性、耐熱性、透明性、および着色力等の点から好適である。
緑色画素には、例えば、C.I.Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができ、黄色顔料を併用することもできる。黄色顔料としては、赤色画素のところで挙げた顔料と同様のものが使用可能である。
緑色画素では、これら顔料のなかでハロゲン化金属フタロシアニン系緑色顔料、アゾ系黄色顔料、及びキノフタロン系黄色顔料のうちの少なくとも1種を含むことが、任意のRthを得ることが容易になるため好ましい。なぜなら、ハロゲン化金属フタロシアニン緑色顔料は、中心金属を選択することにより、ある程度GRth を制御することが可能であり、アゾ系黄色顔料は、微細化処理に関わらず正のGRth を、キノフタロン系黄色顔料は、微細化処理に関わらず負のGRth が得られるからである。
その使用量は、顔料の合計重量を基準として、ハロゲン化金属フタロシアニン系緑色顔料を30〜90重量%、アゾ系黄色顔料を5〜60重量%、キノフタロン系黄色顔料を5〜60重量%とすることが、画素の色相や明度、膜厚等の点から好ましい。さらに、ハロゲン化金属フタロシアニン系緑色顔料を50〜85重量%、アゾ系黄色顔料を5〜45重量%、キノフタロン系黄色顔料を5〜45重量%とすることがより好ましい。
上記において、ハロゲン化金属フタロシアニン系緑色顔料としては、C.I.Pigment Green 7、36、およびハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、アゾ系黄色顔料としてはC.I.Pigment Yellow 150、キノフタロン系黄色顔料としてはC.I.Pigment Yellow138が、優れた耐光性、耐熱性、透明性、および着色力等の点から好適である。
青色画素には、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができ、紫色顔料を併用することもできる。紫色顔料としては、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が挙げられる。
青色画素が、これら顔料のなかで金属フタロシアニン系青色顔料と、ジオキサジン系紫色顔料のうち1種類以上を含む場合には、負から0に近いRthを得ることが容易になる。その使用量は、顔料の合計重量を基準として、金属フタロシアニン系青色顔料を40〜100重量%、ジオキサジン系紫色顔料を1〜50重量%とすることが、画素の色相や明度、膜厚等の点から好ましく、さらに、金属フタロシアニン系青色顔料を50〜98重量%、ジオキサジン系紫色顔料を2〜25重量%とすることがより好ましい。
上記において金属フタロシアニン系青色顔料としてはC.I.Pigment Blue 15:6、ジオキサジン系紫色顔料としてはC.I.Pigment Violet 23が、優れた耐光性、耐熱性、透明性、および着色力等の点から好適である。
また、無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いられる。さらに、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
着色画素に含まれる顔料は、カラーフィルタの高輝度化、高コントラスト化を実現させるため、微細化されていることが好ましく、平均一次粒子径が小さいことが好ましい。平均一次粒子径は、顔料を透過型電子顕微鏡で観察し、その写真の画像解析により算出できる。
顔料の平均一次粒子径は、40nm以下であることが好ましく、より好ましくは30nm以下であり、更に好ましくは20nm以下である。また、平均一次粒子径は5nm以上であることが好ましい。顔料の平均一次粒子径が40nmより大きい場合には、液晶表示装置の黒表示時の視認性が悪い。また、5nmより小さい場合は、顔料分散が難しくなり、着色組成物としての安定性を保ち、流動性を確保することが困難になる。その結果、カラーフィルタの輝度、色特性が悪化する。 特に、平均一次粒子径が40nmを超える有機顔料は、正面視認性に悪影響を与える。
顔料の平均一次粒子径および厚み方向位相差を制御する手段としては、顔料を機械的に粉砕して一次粒子径および粒子形状を制御する方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等がある。使用する合成法や顔料の化学的性質等により、適切な方法を選択して行うことができる。
顔料の平均一次粒子径および厚み方向位相差を制御する手段としては、顔料を機械的に粉砕して一次粒子径および粒子形状を制御する方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等がある。使用する合成法や顔料の化学的性質等により、適切な方法を選択して行うことができる。
以下に、それぞれの方法について説明するが、本発明のカラーフィルタを構成する着色画素層に含まれる顔料の一次粒子径および粒子形状の制御方法は、該方法のいずれを用いてもよい。
磨砕法は、顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、食塩等の水溶性の無機塩などの磨砕剤およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この処理をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に上記有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。
顔料と無機塩の比率は、無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下する。一般的には、顔料が1重量部に対して無機塩を1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部用いるのが良い。また、上記水溶性有機溶剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、通常は顔料1重量部に対して0.5〜30重量部の量で用いられる。
上記磨砕法についてさらに具体的には、顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し
、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して乾燥することにより、所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を得ることができる。
上記磨砕法についてさらに具体的には、顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し
、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して乾燥することにより、所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を得ることができる。
析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより一次粒子径の大きさおよび粒子形状が制御できる。一般に顔料は溶媒に溶けにくいため、使用できる溶媒は限られるが、例として濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸などの強酸性溶媒または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶媒などが知られている。
本法の代表例としては、酸性溶剤に顔料を溶解させた溶液を他の溶媒中に注入し、再析出させて微細粒子を得るアシッドペースティング法がある。工業的にはコストの観点から硫酸溶液を水に注入する方法が一般的である。硫酸濃度は特に限定されないが、95〜100重量%が好ましい。顔料に対する硫酸の使用量は特に限定されないが、少ないと溶液粘度が高くハンドリングが悪くなり、逆に多すぎると顔料の処理効率が低下するため、顔料に対して3〜10重量倍の硫酸を用いることが好ましい。なお、顔料は完全溶解している必要はない。溶解時の温度は0〜50℃が好ましく、これ以下では硫酸が凍結する恐れがあり、かつ溶解度も低くなる。高温すぎると副反応が起こりやすくなる。注入される水の温度は1〜60℃が好ましく、この温度以上で注入を始めると硫酸の溶解熱で沸騰して作業が危険である。これ以下の温度では凍結してしまう。注入にかける時間は顔料1部に対して0.1〜30分が好ましい。時間が長くなるほど一次粒子径は大きくなる傾向がある。
顔料の一次粒子径および粒子形状の制御は、アシッドペースティング法などの析出法とソルトミリング法などの磨砕法を組み合わせた手法を選択することにより、顔料の整粒度合を考慮しつつ行うことができ、さらにはこのとき分散体としての流動性も確保できることからより好ましい。
ソルトミリング時あるいはアシッドペースティング時には、一次粒子径および粒子形状制御に伴う顔料の凝集を防ぐために、下記に示す色素誘導体や樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を併用することもできる。また、一次粒子径および粒子形状制御を2種類以上の顔料を共存させた形で行うことにより、単独では分散が困難な顔料であっても安定な分散体として仕上げることができる。
ソルトミリング時あるいはアシッドペースティング時には、一次粒子径および粒子形状制御に伴う顔料の凝集を防ぐために、下記に示す色素誘導体や樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を併用することもできる。また、一次粒子径および粒子形状制御を2種類以上の顔料を共存させた形で行うことにより、単独では分散が困難な顔料であっても安定な分散体として仕上げることができる。
特殊な析出法としてロイコ法がある。フラバントロン系、ペリノン系、ペリレン系、インダントロン系等の建染染料系顔料は、アルカリ性ハイドロサルファイトで還元すると、キノン基がハイドロキノンのナトリウム塩(ロイコ化合物)になり水溶性になる。
この水溶液に適当な酸化剤を加えて酸化することにより、水に不溶性の一次粒子径の小さな顔料を析出させることができる。
この水溶液に適当な酸化剤を加えて酸化することにより、水に不溶性の一次粒子径の小さな顔料を析出させることができる。
合成析出法は、顔料を合成すると同時に所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を析出させる方法である。しかし、生成した微細顔料を溶媒中から取り出す場合、顔料粒子が凝集して大きな二次粒子になっていないと一般的な分離法である濾過が困難になるため、通常、二次凝集が起きやすい水系で合成されるアゾ系等の顔料に適用されている。
さらに、顔料の一次粒子径および粒子形状を制御する手段として、顔料を高速のサンドミル等で長時間分散すること(顔料を乾式粉砕する、いわゆるドライミリング法)により、顔料の一次粒子径を小さくすると同時に分散することも可能である。
また、本発明のカラーフィルタには、特に斜め視認性を改善する目的で、1色以上のカラーフィルタ着色組成物にリタデーション調整剤を添加することができる。リタデーショ
ン調整は、カラーフィルタ着色組成物を用いて、透明基板や反射性基板、半導体基板上に着色塗膜として形成したカラーフィルタの厚み方向の位相差を調整できる添加剤である。使用する化合物は、1000あるいは3000以上の高いコントラストを確保するために分散性の良い有機化合物であることが望ましい。具体的には、無機物など粒子形状のものも採用可能であるが、光散乱性や消偏性の観点から避けたほうが良い。また、複数色のカラーフィルタとして透明基板などの上に形成する場合、全色に添加しても良いが、1色ないし2色に限定して添加することが可能である。
ン調整は、カラーフィルタ着色組成物を用いて、透明基板や反射性基板、半導体基板上に着色塗膜として形成したカラーフィルタの厚み方向の位相差を調整できる添加剤である。使用する化合物は、1000あるいは3000以上の高いコントラストを確保するために分散性の良い有機化合物であることが望ましい。具体的には、無機物など粒子形状のものも採用可能であるが、光散乱性や消偏性の観点から避けたほうが良い。また、複数色のカラーフィルタとして透明基板などの上に形成する場合、全色に添加しても良いが、1色ないし2色に限定して添加することが可能である。
具体的には、一つ以上の架橋性基を有する平面構造基を有する有機化合物、メラミン樹脂、ポリフィリン化合物、および重合性液晶化合物から選択された1種以上を選択すれば良い。
通常、顔料や他の樹脂と正負逆の複屈折率をもつ平面構造基を有する粒子を添加するだけで、膜全体の厚み方向位相差を打ち消すことが可能であると考えられる。しかし、単に平面構造基をもつ粒子を添加するだけでは、粒子自体がランダムに配向してしまい、膜全体の厚み方向位相差への影響は小さいものとなってしまう。そこで本発明者らは鋭意調査の結果、該平面構造基の少なくとも1つ以上の架橋性基を持たせることで、膜全体の厚み方向位相差が大きく変化し十分な効果を発揮することを見出した。すなわち、例えば、フォトリソ工程での光硬化プロセスもしくは熱硬化プロセス中で架橋する官能基を有することで、平面構造基が自由に回転しないこと、および熱硬化時の収縮の際に平面構造基がより同じ方向に配向して固定されやすいことにより、効果的に位相差制御の機能を発現が可能となる。
平面構造基としては、芳香族環を少なくとも1つ以上有するものであり、単環式炭化水素では、フェニル基、クメニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、トリチル基など、多環式炭化水素ではペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ビフェニレン基、アセナフチレン基、フルオレン基、フェナントリル基、アントラセン基、トリフェニレン基、ピレン基、ナフタセン基、ペンタフェン基、ペンタセン基、テトラフェニレン基、トリナフチレン基などの公知の化合物を使用することができる。ヘテロ単環化合物では、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、トリアジン基など、ヘテロ多環化合物では、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シノリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、アクリジニル基、ポルフィリン基などの公知の化合物が例示でき、これらは、炭化水素基、ハロゲン基などの置換基を有するものであってもよい。
上記平面構造基に付属する少なくとも1つ以上の架橋性基としては、表1に示す不飽和重合性基(A、B、C、D、E、F)または官能基(I、J、K、L、M、N、O)または熱重合性基(G、H、P、Q、R、S、T、U)であることが好ましく、エポキシ基(G、H)がさらに好ましく用いられ、P〜Uが最も好ましく用いられる。また、不飽和重合性基では、エチレン性不飽和重合性基(A、B、C、D)であることがさらに好ましく、また、−CH2NHCOCH=CH2、−CH2NHCO(CH2) 7CH=CH(CH2)7CH3、−OCO(C6H4)O(CH2)6CH=CH2なども好適に用いられる。これらの架橋性基は、該平面構造基に少なくとも1つ以上の水酸基等の反応性官能基を有する場合に、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシイソシアネート、トリレン−2、4−ジイソシアネート等の上記反応性官能基と反応する官能基およびエチレン性不飽和基を有する化合物を公知の方法で反応させることによって容易に得られる。
また、上記以外に1,3,5−トリアジン環を有する化合物で例えば特開2001−166144号公報に記載のものを使用することができる。また下記一般式(7)に示す化合物も好んで用いられる。
または下記一般式(8)で表されるポルフィリン骨格を有する化合物を好ましく用いることができる。nは1〜20の整数であり、2であるものが好ましく用いられる。
本発明で用いる一般式(8)で表されるポルフィリン化合物の具体例を以下に記載する。R15〜R22におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などがあげられる。また、アルコキシ基およびチオアルキル基としては、特に限定されるものではないが、置換基中のアルキル基が炭素数1〜12の直鎖、分岐或いは環状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖、分岐或いは環状のアルキル基が特に好ましい。 Zは−CH2-、−N−を表す。
アルコキシ基中およびチオアルキル基中のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、neo−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、3−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,5,5−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、n−オクチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル4,5−ジメチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラエチルオクチル基、4−ブチルオクチル基、6,6−ジエチルオクチル基、n−トリデシル基、6−メチル−4−ブチルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、3,5−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2,4−ジメチルヘプチル基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシル基、1−シクロペンチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−シクロヘキシル−2,2−ジメチルプロピル基等が挙げられる。
置換もしく未置換のフェノキシ基の具体例としては、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2−エチルフェノキシ基、3−エチルフェノキシ基、4−エチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、4−アミノフェノキシ基、4−ジメチルアミノフェノキシ基、4−ジエチルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
置換もしく未置換のナフトキシ基の具体例としては、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基、ニトロナフトキシ基、シアノナフトキシ基、ヒドロキシナフトキシ基、メチルナフトキシ基、トリフルオロメチルナフトキシ基等が挙げられる。
置換もしく未置換のフェニルチオ基の具体例としては、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−エチルフェニルチオ基、3−エチルフェニルチオ基、4−エチルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基、4−アミノフェニルチオ基、4−ジメチルアミノフェニルチオ基、4−ジエチルアミノフェニルチオ基等が挙げられる。
置換もしく未置換のナフチルチオ基の具体例としては、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ニトロナフチルチオ基、シアノナフチルチオ基、ヒドロキシナフチルチオ基、メチルナフチルチオ基、トリフルオロメチルナフチルチオ基等が挙げられる。
Xは二種類以上の化合物(例えば、1,3,5−トリアジン環を有する化合物とポルフィリン骨格を有する化合物と)を併用してもよい。
上記の含平面構造基エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールAD型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物;例えば、フェノールノボラック型エポシキ化合物、クレゾールノボラック型エポシキ化合物等のノボラック型エポシキ化合物;例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル-p-アミノフェノール、トリグリシジル-m-アミノフェノール、テトラグリシジル-m-キシレンジアミン等のグリシジルアミン系エポキシ化合物;例えば、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート等のグリシジルエステル系エポキシ化合物;例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、グリシジルグリシドオキシアルヒダントイン等の複素還式エポキシ化合物などが例示できる。
一般式(9)にその例を示す。
一般式(9)にその例を示す。
フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類なども用いられる。ディスコティック液晶性分子としては、例えば特開平8−27284号公報に記載のものを使用できる。以下にその例を示す。
アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましく、アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましく、アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよい。
Rは、前記表1に示す不飽和重合性基(A、B、C、D、E、F)または官能基(I、J、K、L、M、N、O)または熱重合性基(G、H、P、Q、R、S、T、U)から選ばれる少なくとも一つ以上の架橋性基、もしくは該架橋性基で置換されたアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基である。不飽和重合性基では、エチレン性不飽和重合性基(A、B、C、D)であることがさらに好ましく、また、−CH2NHCOCH=CH2、−CH2NHCO(CH2)7CH=CH(CH2)7CH3、−OCO(C6H4)O(CH2)6CH=CH2なども好適に用いられる。
次に、本発明のカラーフィルタの各色画素を形成するために用いられる着色組成物について説明する。
各色画素を形成するために用いられる着色組成物に含まれる顔料担体は、顔料を分散させるものであり、透明樹脂、その前駆体、またはそれらの混合物により構成される。
透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、その前駆体には、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
顔料担体は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、30〜700重量部、好ましくは60〜450重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂とその前駆体との混合物を顔料担体として用いる場合には、透明樹脂は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂の前駆体は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、10〜300
重量部、好ましくは10〜200重量部の量で用いることができる。
重量部、好ましくは10〜200重量部の量で用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば, ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。
また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
透明樹脂の前駆体であるモノマーおよびオリゴマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化する場合には、光重合開始剤等が添加される。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェ
ニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリルs
−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−sトリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。
光重合開始剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化する場合には、光重合開始剤等が添加される。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェ
ニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリルs
−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−sトリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。
光重合開始剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。増感剤は、光重合開始剤100重量部に対して、0.1〜60重量部の量で含有させることができる。
さらに、着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。多官能チオールは、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.2〜150重量部、好ましくは0.2〜100重量部の量で用いることができる。
さらに、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
溶剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
溶剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
着色組成物は、1種または2種以上の顔料を、必要に応じて上記光重合開始剤と共に、顔料担体および有機溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて製造することができる。
また、2種以上の顔料を含む着色組成物は、各顔料を別々に顔料担体および有機溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
また、2種以上の顔料を含む着色組成物は、各顔料を別々に顔料担体および有機溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
顔料を顔料担体および有機溶剤中に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、顔料誘導体等の分散助剤を含有させることができる。
分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体および有機溶剤中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。
分散助剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体および有機溶剤中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。
分散助剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
樹脂型顔料分散剤としては、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。
樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
色素誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物であり、用いる顔料の色相に近いものが好ましいが、添加量が少なければ色相の異なるものを用いても良い。
有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用できる。
特に、塩基性基を有する色素誘導体は、顔料の分散効果が大きいため、好適に用いられる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用できる。
特に、塩基性基を有する色素誘導体は、顔料の分散効果が大きいため、好適に用いられる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびその
メチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で含有させることができる。
メチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で含有させることができる。
また、着色組成物には、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.01〜100重量部の量で含有させることができる。
着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、インクジェット用インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストの形態で調製することができる。着色レジストは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または感光性樹脂と、モノマーと、光重合開始剤と、有機溶剤とを含有する組成物中に色素を分散させたものである。顔料は、着色組成物の全固形分量を基準(100重量%)として5〜70重量%の割合で含有されることが好ましい。より好ましくは、20〜50重量%の割合で含有され、その残部は、顔料担体により提供される樹脂質バインダーから実質的になる。着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
前記カラーフィルタ中の赤色画素、緑色画素、および青色画素は、透明基板上に、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、上記の各色着色組成物を用いて形成される。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、液晶パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化アンチモンなどの金属酸化物の組み合わせからなる透明電極が形成されていてもよい。
印刷法による各着色画素の形成は、上記各種の印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
インクジェット法は、微細な複数の吐出口(インクジェットヘッド)を各色ごとに揃えたインクジェット装置にて、 透明基板もしくはTFTなどアクティブ素子を形成した基板に直接印刷形成する方法である。
フォトリソグラフィー法により各色画素を形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。
乾燥した膜に対し、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
乾燥した膜に対し、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明の液晶表示装置に用いて好適なカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の透明基板に転写させる方法である。
次に、液晶表示装置について説明する。
図2は、カラーフィルタを備えた液晶表示装置の概略断面図である。液晶表示装置4は、液晶テレビ用のTFT駆動型液晶表示装置の典型例であって、離間対向して配置された一対の透明基板5および6を備え、それらの間には、ネマチック液晶が封入されている。液晶は、IPSモードに対応する配向状態をとっている。第1の透明基板5の内面には、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ7が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層8が形成されている。透明電極層8の上には、配向層9が設けられている。また、透明基板5の外面には、光学補償層を構成に含む偏光板10が形成されている。
他方、第2の透明基板6の内面には、上記に記載したフォトリソグラフィ法によるカラーフィルタ11が形成されている。カラーフィルタ11を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示はしないが、図1参照)により分離されている。カラーフィルタ11は、必要に応じて透明保護膜(図示せず)により被覆され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層12が形成され、透明電極層12を被覆する配向層13が設けられている。また、透明基板6の外面には、偏光板14が貼り付けられている。なお、偏光板10の下方には、三波長ランプ15を備えたバックライトユニット16が設けられている。
以下、上記に記載の部材、構成を用いた具体的な実施の例を記す。なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。また、顔料の記号はカラーインデックスナンバーを示し、例えば、「PR254」は「C.I.Pigment Red 254」を、「PY150」は「C.I.Pigment Yellow 150」を表す。使用した色素誘導体を表2に示す。
実施例および比較例で用いた微細化顔料を以下の方法により調製した。そして、得られた顔料を透過型電子顕微鏡(日本電子社製「JEM−1200EX」)により観察し、撮影した画像解析により、顔料の一次粒子径を算出した。ここで言う一次粒子径は、個数粒度分布の積算曲線において積算量が全体の50%に相当する粒子径(円相当径)を表す。
[調製例1]
ジケトピロロピロール系赤色顔料PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB-CF」;R−1)100部、色素誘導体(D−1)18部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部のソルトミリング処理顔料(R−2)を得た。
得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
ジケトピロロピロール系赤色顔料PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB-CF」;R−1)100部、色素誘導体(D−1)18部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部のソルトミリング処理顔料(R−2)を得た。
得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
[調製例2]
アントラキノン系赤色顔料PR177(チバスペシャリティケミカルズ社製「クロモフタルレッドA2B」)100部、色素誘導体(D−2)8部、粉砕した食塩700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。
この混合物を温水4000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、102部のソルトミリング処理顔料(R−3)を得た。得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
アントラキノン系赤色顔料PR177(チバスペシャリティケミカルズ社製「クロモフタルレッドA2B」)100部、色素誘導体(D−2)8部、粉砕した食塩700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。
この混合物を温水4000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、102部のソルトミリング処理顔料(R−3)を得た。得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
[調製例3]
スルホン化フラスコにtert−アミルアルコール170部を窒素雰囲気下において装填する。ナトリウム11.04部を添加し、そしてこの混合物を92〜102℃に加熱した。
溶融したナトリウムを激しく撹拌しながら100〜107℃に一晩保持した。得られた溶液に、4−クロロベンゾニトリルの44.2部およびジイソプロピルスクシナートの37.2部を80℃において、tert−アミルアルコールの50部中に溶解した溶液を、80〜98℃において2時間かけて導入した。導入後、この反応混合物を80℃においてさらに3時間撹拌し、そして同時にジイソプロピルスクシナートの4.88部を滴下添加する。
この反応混合物を室温に冷却し、メタノールの270部、水200部、および濃硫酸48.1部の20℃の混合物へ添加し、20℃において攪拌を6時間続ける。
この赤色混合物を濾過し、残留物をメタノールと水とで洗浄した後、80℃で乾燥して、
46.7部の赤色顔料(R−4)を得た。得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
スルホン化フラスコにtert−アミルアルコール170部を窒素雰囲気下において装填する。ナトリウム11.04部を添加し、そしてこの混合物を92〜102℃に加熱した。
溶融したナトリウムを激しく撹拌しながら100〜107℃に一晩保持した。得られた溶液に、4−クロロベンゾニトリルの44.2部およびジイソプロピルスクシナートの37.2部を80℃において、tert−アミルアルコールの50部中に溶解した溶液を、80〜98℃において2時間かけて導入した。導入後、この反応混合物を80℃においてさらに3時間撹拌し、そして同時にジイソプロピルスクシナートの4.88部を滴下添加する。
この反応混合物を室温に冷却し、メタノールの270部、水200部、および濃硫酸48.1部の20℃の混合物へ添加し、20℃において攪拌を6時間続ける。
この赤色混合物を濾過し、残留物をメタノールと水とで洗浄した後、80℃で乾燥して、
46.7部の赤色顔料(R−4)を得た。得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
[調製例4]
ハロゲン化銅フタロシアニン系緑色顔料PG36(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。
この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117部のソルトミリング処理顔料(G−1)を得た。
得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
ハロゲン化銅フタロシアニン系緑色顔料PG36(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。
この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117部のソルトミリング処理顔料(G−1)を得た。
得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
[調製例5]
塩化アルミニウム356部および塩化ナトリウム6部の200℃の溶融塩に、亜鉛フタロシアニン46部を溶解し、130℃まで冷却し1時間攪拌した。反応温度を180℃に昇温し、臭素を1時間あたり10部で10時間滴下した。その後、塩素を1時間あたり0.8部で5時間導入した。この反応液を水3200部に徐々に注入したのち、濾過、水洗して107.8部の粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の1分子内に含まれる平均臭素数は14.1個、平均塩素数は1.9個であった。得られた粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。
この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117部のソルトミリング処理顔料(G−2)を得た。
得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
塩化アルミニウム356部および塩化ナトリウム6部の200℃の溶融塩に、亜鉛フタロシアニン46部を溶解し、130℃まで冷却し1時間攪拌した。反応温度を180℃に昇温し、臭素を1時間あたり10部で10時間滴下した。その後、塩素を1時間あたり0.8部で5時間導入した。この反応液を水3200部に徐々に注入したのち、濾過、水洗して107.8部の粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の1分子内に含まれる平均臭素数は14.1個、平均塩素数は1.9個であった。得られた粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。
この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117部のソルトミリング処理顔料(G−2)を得た。
得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
[調製例6]
セパラブルフラスコに水150部を仕込み、さらに攪拌しながら35%塩酸63部を仕込み、塩酸溶液を調製した。発泡に注意しながらベンゼンスルホニルヒドラジド38.7部を仕込み、液温が0℃以下になるまで氷を追加した。冷却後、30分かけて亜硝酸ナトリウム19部を仕込み、0〜15℃の間で30分撹拌した後、ヨウ化カリウムでんぷん紙で着色が認められなくなるまでスルファミン酸を仕込んだ。
さらにバルビツール酸25.6部を添加後、55℃まで昇温し、2時間そのまま撹拌した。
さらにバルビツール酸25.6部を投入し、80℃まで昇温したのちpHが5になるまで水酸化ナトリウムを投入した。
さらに80℃で3時間撹拌した後、70℃まで下げ、濾過、温水洗浄を行った。得られたプレスケーキを1200部の温水にリスラリーした後、80℃で2時間攪拌した。その後、そのままの温度で濾過を行い、80℃の水2000部で温水洗浄を行い、ベンゼンホンアミドが濾液側へ移行していることを確認した。得られたプレスケーキを80℃で乾燥し、アゾバルビツール酸ジナトリウム塩61.0部を得た。
次いで、セパラブルフラスコに水200部を仕込み、さらに撹拌しながら、得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末8.1部を投入して分散した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温した、メラミン5.7部、ジアリルアミノメラミン1.0部を添加した。さらに、塩化コバルト(II)6水和物6.3部を水30部に溶解した緑色溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。
その後pHを5.5に調整し、さらにキシレン4部、オレイン酸ナトリウム0.4部、水16部をあらかじめ攪拌してエマルジョン状態とした溶液20.4部を添加し、さらに4時間加温撹拌した。70℃まで冷却後、速やかに濾過し、無機塩が洗浄できるまで70℃
温水洗を繰り返した。その後、乾燥、粉砕の工程を経て、14部のアゾ系黄色顔料(Y−2)を得た。得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
セパラブルフラスコに水150部を仕込み、さらに攪拌しながら35%塩酸63部を仕込み、塩酸溶液を調製した。発泡に注意しながらベンゼンスルホニルヒドラジド38.7部を仕込み、液温が0℃以下になるまで氷を追加した。冷却後、30分かけて亜硝酸ナトリウム19部を仕込み、0〜15℃の間で30分撹拌した後、ヨウ化カリウムでんぷん紙で着色が認められなくなるまでスルファミン酸を仕込んだ。
さらにバルビツール酸25.6部を添加後、55℃まで昇温し、2時間そのまま撹拌した。
さらにバルビツール酸25.6部を投入し、80℃まで昇温したのちpHが5になるまで水酸化ナトリウムを投入した。
さらに80℃で3時間撹拌した後、70℃まで下げ、濾過、温水洗浄を行った。得られたプレスケーキを1200部の温水にリスラリーした後、80℃で2時間攪拌した。その後、そのままの温度で濾過を行い、80℃の水2000部で温水洗浄を行い、ベンゼンホンアミドが濾液側へ移行していることを確認した。得られたプレスケーキを80℃で乾燥し、アゾバルビツール酸ジナトリウム塩61.0部を得た。
次いで、セパラブルフラスコに水200部を仕込み、さらに撹拌しながら、得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末8.1部を投入して分散した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温した、メラミン5.7部、ジアリルアミノメラミン1.0部を添加した。さらに、塩化コバルト(II)6水和物6.3部を水30部に溶解した緑色溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。
その後pHを5.5に調整し、さらにキシレン4部、オレイン酸ナトリウム0.4部、水16部をあらかじめ攪拌してエマルジョン状態とした溶液20.4部を添加し、さらに4時間加温撹拌した。70℃まで冷却後、速やかに濾過し、無機塩が洗浄できるまで70℃
温水洗を繰り返した。その後、乾燥、粉砕の工程を経て、14部のアゾ系黄色顔料(Y−2)を得た。得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
[調製例7]
銅フタロシアニン系青色顔料PB15:6(東洋インキ製造社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部のソルトミリング処理顔料(B−1)を得た。得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
銅フタロシアニン系青色顔料PB15:6(東洋インキ製造社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部のソルトミリング処理顔料(B−1)を得た。得られた顔料の一次粒子径を表3に示す。
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で下記のモノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
スチレン 60.0部
メタクリル酸 60.0部
メタクリル酸メチル 65.0部
メタクリル酸ブチル 65.0部
アゾビスイソブチロニトリル 10.0部
滴下後、さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて樹脂溶液を合成した。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%となるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
メタクリル酸 60.0部
メタクリル酸メチル 65.0部
メタクリル酸ブチル 65.0部
アゾビスイソブチロニトリル 10.0部
滴下後、さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて樹脂溶液を合成した。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%となるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
(c)顔料分散体の調製
表4に示す組成(重量比)の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して各色顔料分散体を得た。
表4に示す組成(重量比)の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して各色顔料分散体を得た。
以下の市販の化合物をリタデーション調整剤として使用した。
メラミン化合物 ・・・日本カーバイド工業製(商品名ニカラックMX−750)
重合性液晶(LC)
次いで、表5に示す組成(重量比)の混合物を均一に撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して各色レジストを得た。
表5に示した各色レジストを組み合わせて、下記に示す方法により、カラーフィルタを作製した。
[実施例1]
まず、赤色レジスト(RR−5)をスピンコート法により、予めブラックマトリックスが形成されてあるガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。さらに、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状の赤色画素を形成した。
次に、緑色レジスト(GR−4)を使用し、同様に緑色画素を形成し、さらに、青色レジスト(BR−3)を使用し、青色画素を形成し、カラーフィルタを得た。各色画素の形成膜厚はいずれも2.0μmであった。
(g)各色塗膜の色度、分光透過率、厚み方向位相差値、およびコントラストの測定
[色度、分光透過率]
XYZ表色系色度図における色度は、分光光度計(オリンパス社製「OSP−200」)を用いて測定した。表5に示した各色レジストより作製された各色塗膜の色度を表6に示す。
[色度、分光透過率]
XYZ表色系色度図における色度は、分光光度計(オリンパス社製「OSP−200」)を用いて測定した。表5に示した各色レジストより作製された各色塗膜の色度を表6に示す。
[厚み方向位相差値Rth]
カラーフィルタの各着色画素層の厚み方向位相差値は、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の3色の着色画素3を備えたカラーフィルタに、可視域(たとえば 光の波長 380nmから780nmの範囲)の透過光ピーク域の波長を含む連続した光を正面および複数の傾斜した角度から照射し、分光エリプソメータなどの位相差測定装置を用いて測定した。また、TACなどのフィルムの厚み方向位相差値も同様の方法で測定した。
カラーフィルタの各着色画素層の厚み方向位相差値は、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の3色の着色画素3を備えたカラーフィルタに、可視域(たとえば 光の波長 380nmから780nmの範囲)の透過光ピーク域の波長を含む連続した光を正面および複数の傾斜した角度から照射し、分光エリプソメータなどの位相差測定装置を用いて測定した。また、TACなどのフィルムの厚み方向位相差値も同様の方法で測定した。
具体的には、透過型分光エリプソメータ(日本分光社製「M−220」)を用いて、塗膜を形成した基板の法線方向から45°傾けた方位より、400nmから700nmの範囲で5nmおきの波長で測定し、エリプソパラメータであるδを得た。
△=δ/360×λより位相差値△(λ)を算出し、この値を用いて、3次元屈折率を算出し、下記の式(6)より厚み方向位相差値(Rth)を算出した。但し、赤色着色画素では610nm、緑色着色画素では550nm、青色着色画素では450nmの波長で測定を行った。
(式6): Rth={(nx+ny)/2-nz}×d
式中、nxは着色画素層の平面内のx方向の屈折率であり、nyは着色画素層の平面内のy方向の屈折率であり、nzは着色画素層の厚み方向の屈折率であり、nxをnx≧nyとする遅相軸である。dは着色画素層の厚み(nm)である。表5に示した各色レジストより作製された各色塗膜の厚み方向位相差値Rthを表6に示す。
△=δ/360×λより位相差値△(λ)を算出し、この値を用いて、3次元屈折率を算出し、下記の式(6)より厚み方向位相差値(Rth)を算出した。但し、赤色着色画素では610nm、緑色着色画素では550nm、青色着色画素では450nmの波長で測定を行った。
(式6): Rth={(nx+ny)/2-nz}×d
式中、nxは着色画素層の平面内のx方向の屈折率であり、nyは着色画素層の平面内のy方向の屈折率であり、nzは着色画素層の厚み方向の屈折率であり、nxをnx≧nyとする遅相軸である。dは着色画素層の厚み(nm)である。表5に示した各色レジストより作製された各色塗膜の厚み方向位相差値Rthを表6に示す。
[コントラスト]
塗膜を形成した基板の両側に偏光板を重ね、偏光板が平行時の輝度(Lp)と直交時の輝度(Lc)との比、Lp/Lcをコントラスト(C)として算出した。
なお、輝度は、色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)を用い、2°視野の条件で測定し、偏光板には、透明保護膜としてのTACフィルム、PVAにヨウ素を拡散して延伸した偏光膜、光学補償層、ガラス基板に貼り付けるための粘着層の4層構造からなるものを使用した。
表5に示した各色レジストより作製された各色塗膜のコントラストを表6に示す。
塗膜を形成した基板の両側に偏光板を重ね、偏光板が平行時の輝度(Lp)と直交時の輝度(Lc)との比、Lp/Lcをコントラスト(C)として算出した。
なお、輝度は、色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)を用い、2°視野の条件で測定し、偏光板には、透明保護膜としてのTACフィルム、PVAにヨウ素を拡散して延伸した偏光膜、光学補償層、ガラス基板に貼り付けるための粘着層の4層構造からなるものを使用した。
表5に示した各色レジストより作製された各色塗膜のコントラストを表6に示す。
(f)で作成したカラーフィルタ上に、定法により透明ITO電極層を形成し、その上に
ポリイミド配向層を形成した。このガラス基板の他方の表面に偏光板を形成した。さらに、別のガラス基板上にTFTアレイおよび画素電極を形成し、裏面にTACフィルム、偏光膜、TACフィルム、粘着層の構造からなる偏光板を貼付した。この2枚のガラス基板を電極層同士が対面するよう対向させ、スペーサビーズを用いて両ガラス基板の間隔を一定に保ちながら位置合わせし、液晶組成物注入用開口部を残すように周囲を封止剤で封止した。次に、開口部から液晶組成物を注入し、その後開口部を封止した。
前記偏光板には広視野角表示が可能な光学補償層を設けた。この光学補償層の厚み方向位相差値は450nmで37μm(Rth(B)とする)、550nmで42μm(Rth(G)とする)、630nmで51μm(Rth(R)とする)であった。このようにして作製した液晶表示装置をバックライトユニットと組み合わせて液晶パネルを得た。
[実施例2]
赤色レジストを(RR−5)から(RR−6)に、緑色レジストを(GR−4)から(GR−5)に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を得た。
赤色レジストを(RR−5)から(RR−6)に、緑色レジストを(GR−4)から(GR−5)に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を得た。
[比較例1]
赤色レジストを(RR−5)から(RR−1)に、緑色レジストを(GR−4)から(GR−1)に、青色レジストを(BR−3)から(BR−1)に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を得た。
赤色レジストを(RR−5)から(RR−1)に、緑色レジストを(GR−4)から(GR−1)に、青色レジストを(BR−3)から(BR−1)に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を得た。
[比較例2]
赤色レジストを(RR−5)から(RR−2)に、緑色レジストを(GR−4)から(GR−3)に、青色レジストを(BR−3)から(BR−1)に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を得た。
赤色レジストを(RR−5)から(RR−2)に、緑色レジストを(GR−4)から(GR−3)に、青色レジストを(BR−3)から(BR−1)に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を得た。
[比較例3]
赤色レジストを(RR−5)から(RR−3)に、青色レジストを(BR−3)から(BR−2)に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を得た。
赤色レジストを(RR−5)から(RR−3)に、青色レジストを(BR−3)から(BR−2)に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を得た。
[比較例4]
赤色レジストを(RR−5)から(RR−4)に、緑色レジストを(GR−4)から(GR−2)に、青色レジストを(BR−3)から(BR−2)に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を得た。
赤色レジストを(RR−5)から(RR−4)に、緑色レジストを(GR−4)から(GR−2)に、青色レジストを(BR−3)から(BR−2)に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を得た。
[比較例5]
緑色レジストを(GR−4)から(GR−5)に、青色レジストを(BR−3)から(BR−2)に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を得た。
緑色レジストを(GR−4)から(GR−5)に、青色レジストを(BR−3)から(BR−2)に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を得た。
(j)液晶表示装置の黒表示時の視認性評価
作製した液晶表示装置を黒表示させ、液晶パネルの法線方向(正面)および法線方向から45°傾けた方位(斜め)より漏れてくる光(直交透過光;漏れ光)の量を目視観察した。
評価ランクは○(優)、△(良)、×(可)、の官能評価であるが、表7に結果を示した。
作製した液晶表示装置を黒表示させ、液晶パネルの法線方向(正面)および法線方向から45°傾けた方位(斜め)より漏れてくる光(直交透過光;漏れ光)の量を目視観察した。
評価ランクは○(優)、△(良)、×(可)、の官能評価であるが、表7に結果を示した。
であった。
さらに、実施例1および実施例2のカラーフィルタを備えた液晶表示装置では、表6から分かるように正面での高コントラスト化が達成されているため、正面方向においても視認性が良好な液晶表示装置となっている。これに対し、比較例1ないし5から得られるカラーフィルタを備えた液晶表示装置では、赤色着色画素、緑色着色画素、および青色着色画素層の厚み方向位相差値と光学補償層の対応する値が、同様の式のいずれをも満たさないので、赤色画素、緑色画素、および青色画素の厚み方向の位相差のバランスが悪く、斜め方向において色ずれが生じ、視認性が不良となった。
以上の結果より、請求項1および請求項2の有効性が示された。
1・・・ガラス基板
2・・・ブラックマトリックス
3・・・赤着色画素
3’・・・緑着色画素
3’’・・青着色画素
4・・・液晶表示装置
5、6・・・透明基板
7・・・TFTアレイ
8、12・・・透明電極
9、13・・・配向層
10、14・・・偏光板 (光学補償層を含む)
11・・・カラーフィルタ
15・・・三波長ランプ
16・・・バックライトユニット
2・・・ブラックマトリックス
3・・・赤着色画素
3’・・・緑着色画素
3’’・・青着色画素
4・・・液晶表示装置
5、6・・・透明基板
7・・・TFTアレイ
8、12・・・透明電極
9、13・・・配向層
10、14・・・偏光板 (光学補償層を含む)
11・・・カラーフィルタ
15・・・三波長ランプ
16・・・バックライトユニット
Claims (6)
- 少なくとも透明基板と、少なくとも赤色表示画素、緑色表示画素および青色表示画素を備えるカラーフィルタと、光学補償層とを具備する液晶表示装置において、前記カラーフィルタの赤色表示画素の厚み方向位相差値RRth 、緑色表示画素の厚み方向位相差値GRth 、および青色表示画素の厚み方向位相差値BRth と、前記光学補償層の赤色領域における厚み方向位相差値Rth(R)、緑色領域における厚み方向位相差値Rth(G)、および青色領域における厚み方向位相差値Rth(B)とが下記の式(1)乃至式(3)を満たすことを特徴とする液晶表示装置。
式(1): |RRth+Rth(R )| ≦20
式(2): |GRth+Rth(G )| ≦20
式(3): |BRth+Rth(B )| ≦20
(RRth 、GRth 、およびBRth は、それぞれの画素の面内屈折率の平均から厚み方向屈折率を引いた値と、画素の厚み(nm)の積をそれぞれ表す。) - 前記赤色表示画素の厚み方向位相差値RRth 、緑色表示画素の厚み方向位相差値GRth 、および青色表示画素の厚み方向位相差値BRth と、前記光学補償層の赤色領域における厚み方向位相差値Rth(R)、緑色領域における厚み方向位相差値Rth(G)、および青色領域における厚み方向位相差値Rth(B)とが下記の式(4)乃至式(5)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
式(4): |RRth+Rth(R)−(BRth+Rth(B))| − |GRth+Rth(G)−(BRth+Rth(B) )| ≧0
式(5): |(RRth+Rth(R)−(BRth+Rth(B))| − |RRth+Rth(R)−(GRth+Rth(G))| ≧0 - 前記光学補償層がトリアセチルセルロース(TAC)からなる透明保護膜であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の液晶表示装置。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶表示装置に用いるカラーフィルターであって、該カラーフィルタの赤色表示画素、緑色表示画素および青色表示画素に含まれる着色顔料の1次粒子の粒子径d50は40nm以下であることを特徴とするカラーフィルタ。
(粒子径d50とは、個数粒度分布の積算曲線において積算量が全体の50%に相当する粒子径(円相当径)を表す)。 - 前記赤色表示画素は、ジケトピロロピロール系赤色顔料及びアントラキノン系赤色顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種の赤色顔料、前記緑色表示画素は、ハロゲン化金属フタロシアニン系緑色顔料、アゾ系黄色顔料及びキノフタロン系黄色顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種の緑色顔料、前記青色表示画素は、金属フタロシアニン系青色顔料及びジオキサジン系紫色顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種の青色顔料を、含有することを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ。
- 前記液晶表示装置がIPS方式であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
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-
2008
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