液晶表示装置は、高精細、薄型、軽量、及び低消費電力等の優れた特長を有する平面表示装置であり、近年、表示性能の向上、生産能力の向上、及び、他の表示装置に対する価格競争力の向上に伴い、市場規模が急速に拡大している。
こうした液晶表示装置では、表示品位の改善が進む状況下において、視野角特性に関する問題として、白浮き等、表示輝度の階調依存性であるγ特性の視角依存性の問題が新たに顕在化してきている。
γ特性の視角依存性の問題とは、正面方向からの観測時におけるγ特性と、斜方向からの観測時におけるγ特性とが異なる問題である。正面方向からの観測時と斜方向からの観測時とでγ特性が異なるということは、階調表示状態が観測方向によって異なるということを意味する。このγ特性の視角依存性の問題は、写真等の画像を表示する場合、受信機が受信したテレビジョン放送を表示する場合等において、特に大きな問題となる。
上記γ特性の視角依存性の問題を改善するための技術としては、従来、マルチ絵素駆動と呼ばれる技術が提案されている(特許文献1参照)。マルチ絵素駆動とは、1つの表示絵素を、輝度の異なる2つ以上の副絵素に分割して構成することで、視野角特性、即ち、γ特性の視角依存性を改善する技術である。
以下では、マルチ絵素駆動の原理について、図8ないし図13を参照して説明を行う。
図8は、液晶表示装置の液晶表示パネルにおけるγ特性を示すグラフである。なお、図8に示すグラフにおいて、縦軸は輝度比であり、横軸は階調(電圧)である。図8に示すグラフにおいて、実線により示されている特性は、通常の駆動方式で駆動される液晶表示パネルを、正面方向から観測した場合におけるγ特性であり、こうしたγ特性を有する場合においては、最も正常な視認性が得られる。なお、ここで通常の駆動方式とは、1つの表示絵素が複数の副絵素に分割されない駆動方式のことを意味する。図8に示すグラフにおいて、破線により示されている特性は、通常の駆動方式で駆動される液晶表示パネルを、斜方向から観測した場合におけるγ特性であり、こうしたγ特性を有する場合においては、正常な視認性に対するγ特性のズレが生じている。なお、該ズレの度合いは、輝度比が0または1に近い部分で小さくなっており、輝度比が0または1に遠い部分で大きくなっている。つまり、該ズレの度合いは、明輝度及び暗輝度を示す部分では小さくなっており、中間調を示す部分では大きくなっている。このため、斜方向からの視認における中間調の表示輝度は非常に大きくなり、その結果、斜方向からの視認では、白浮き等が生じる。
一方、マルチ絵素駆動では、1つの表示絵素において目標となる輝度を得る場合に、該1つの表示絵素を構成する複数の副絵素における平均輝度を、該目標となる輝度とするように、絵素の駆動を制御する。マルチ絵素駆動では、正面方向から観測した場合におけるγ特性が、通常の駆動方式と同様の特性となる。つまり、マルチ絵素駆動では、正面方向から観測した場合におけるγ特性が、図8に示すグラフにおいて、実線により示されている特性となり、最も正常な視認性が得られる。一方で、マルチ絵素駆動では、斜方向から観測した場合におけるγ特性が、図8に示すグラフにおいて、一点鎖線により示されている特性となり、輝度のズレは低減される。これは、輝度のズレが小さい明輝度付近及び暗輝度付近の領域の表示を副絵素毎により行い、かつ、該副絵素の輝度の平均によって、中間調輝度の領域の表示を行うことによる。
次に、マルチ絵素駆動で駆動される液晶表示装置の表示絵素の構成例を、図9に示す。
図9に示すとおり、1つの表示絵素120は、副絵素121、122という複数の副絵素に分割されている。副絵素121は、TFT(Thin Film Transistor)123を介して走査線Gn及び信号線Smに接続されている。副絵素122は、TFT124を介して走査線Gn及び信号線Smに接続されている。TFT123、124のゲート電極は、互いに共通(同一)の走査線Gnに接続されている。また、TFT123、124のソース電極は、互いに共通(同一)の信号線Smに接続されている。
副絵素121は、液晶容量CLC100及び補助容量CCS100を有している。液晶容量CLC100及び補助容量CCS100はいずれも、一方の電極がTFT123のドレイン電極に接続されている。液晶容量CLC100の他方の電極は、対向電圧VCOM100に接続されている。補助容量CCS100の他方の電極は、補助容量配線125に接続されている。これにより、補助容量CCS100には、補助容量配線125から補助容量対向電圧(以下、CS電圧と称する)が印加され得る。
また、副絵素122は、液晶容量CLC101及び補助容量CCS101を有している。液晶容量CLC101及び補助容量CCS101はいずれも、一方の電極がTFT124のドレイン電極に接続されている。液晶容量CLC101の他方の電極は、対向電圧VCOM101に接続されている。補助容量CCS101の他方の電極は、補助容量配線126に接続されている。これにより、補助容量CCS101には、補助容量配線126から、上記補助容量CCS100に供給され得るCS電圧と異なるCS電圧が印加され得る。
図9に示す表示絵素120において、副絵素121、122のそれぞれに印加されるソース電圧及びCS電圧の波形の一例を図10に示す。
図9に示す構成を有する表示絵素120では、分割された複数の副絵素121、122に対して、それぞれ異なるCS電圧を印加する。これにより、TFT123のドレイン電極に印加される電圧は、TFT124のドレイン電極に印加される電圧とは異なる電圧となる。そして、副絵素121、122では、表示される階調も互いに異なることとなる。なおこの場合、CS電圧は、AC(alternating current)により駆動されることとなる。具体的に、TFT123、124のソース電極は、互いに同じゲートタイミングでオンされるが、TFT123、124のドレイン電極に接続されるCS電極(即ち、補助容量CCS100、CCS101)の電圧は、互いに異なるため、TFT123とTFT124とでは、実際に保持される電圧が異なることとなる。そして、これにより、副絵素121、122では、互いに異なる輝度、即ち、互いに異なる階調の表示が実現可能となる。
なお、補助容量配線125におけるCS電圧の振幅と、補助容量配線126におけるCS電圧の振幅とは、図10に示すとおり、互いに略同一の振幅及び周波数を有すると共に、位相が概ね180度異なる。また、次フレームにおいては、TFT123、124のソース電圧の反転に合わせて、CS電圧は反転する。こうしてCS電圧は、ACにより駆動されることとなる。
ここで、副絵素121に印加される電圧Va、及び副絵素122に印加される電圧Vbは、目標となる輝度を与える本来の印加電圧Vmに対して、
Vm=(Va+Vb)/2
という関係を満足する。このことから、上記目標となる輝度は、副絵素121、122の表示輝度の平均によって得られるということが分かる。
また、特許文献2には、水平走査期間の短い高精細の液晶表示パネルに対して、CS電圧の反転をフレーム周期より長い周期にて行う技術が開示されている。
高精細の液晶表示パネルにおいては、水平走査期間が短くなると共に、補助容量の数が多くなる。こうした液晶表示パネルでは、CS電圧を与えるための信号(補助容量駆動信号)の波形に鈍りが発生する。この波形鈍りの程度は、液晶表示パネル内の場所によって異なるため、副絵素電極へと印加される実効的な電圧も、該液晶表示パネル内の場所によって異なることとなる。これにより、液晶表示パネルでは、表示の輝度のムラが発生する問題が発生していた。
上記の問題を解決するため、特許文献2に開示されている技術では、CS電圧の振動周期を長くしている。これにより、特許文献2に開示されている技術では、上記表示の輝度のムラを低減している。
例えば、1フレーム毎にCS電圧の波形を反転させる場合は、図10に示すとおり、2種類のCS電圧波形(即ち、上記Va及びVbの基となるCS電圧波形)を用意する必要がある。
また、図11(a)・(b)のグラフでは、2フレーム毎にCS電圧の波形を反転させる例を示している。2フレーム毎にCS電圧の波形を反転させる場合は、位相が1フレーム分だけずれた波形を有するCS電圧をさらに用意する必要があるため、図11(a)・(b)のグラフに示すとおり、「VCSVtypeA1」〜「VCSVtypeA4」という4種類のCS電圧を用意する必要がある。また、この場合、液晶表示パネル上でのCS電圧の信号線は、図12に示すとおり、絵素の両端、かつ、補助容量配線150に直交する方向に、「CSVtypeA1」〜「CSVtypeA4」からなる幹線151が配置されている。そして、CS電圧は、幹線151から引き出された補助容量配線150により、各補助容量152へと供給されている。
また、図13には、液晶表示パネルのガラス基板における、補助容量駆動信号の配線を示す。
液晶表示パネル160のガラス基板161には、信号線Smに表示信号を供給するソースドライバ162と、走査線Gnに走査線駆動信号(走査線信号)を与えるゲートドライバ163と、が実装されている。ここでは、ゲートドライバ163として、ゲートドライバ163A、163Bが実装されている。
ソースドライバ162を制御する信号、ゲートドライバ163を制御する信号、及び補助容量駆動信号は、図示しないコントローラにて生成されて、ソースドライバ162に供給されている。このうち、ゲートドライバ163を制御する信号及び補助容量駆動信号は、ソースドライバ162のパッケージ上に設けられた配線164を通じて、ガラス基板161上の配線165に与えられている。さらに、このうち、ゲートドライバ163を制御する信号は、ガラス基板161上の配線165を通じて、ゲートドライバ163Aの入力端子に供給されている。
ゲートドライバ163Aは、上記走査線駆動信号を生成すると共に、次段のゲートドライバ163Bへと、上記制御信号(ソースドライバ162を制御する信号及びゲートドライバ163を制御する信号)を供給する。
補助容量駆動信号を供給するガラス基板161上の配線165は、基幹信号線として、基幹配線166を、走査線Gnと直交する方向に伸長している。そして、補助容量駆動信号は、基幹配線166から引き出された補助容量配線CSLにより、各補助容量CCSに供給されている。なお、図13に示す参照符号であって、説明を行っていない、参照符号「CLC」は液晶容量、参照符号「VCOM」は対向電圧である。
また、ゲートドライバ等の駆動用LSI(Large Scale Integration)の実装方法として、特許文献3には、例えばシリコンにより構成されたドライバソケット(いわゆる、インターポーザ基板)を使用して、狭ピッチで構成される駆動用LSIの出力端子を広げている、液晶ドライバ実装パッケージが開示されている。この液晶ドライバ実装パッケージによれば、LSIとパネルとの接続を中継する基材(いわゆる、テープキャリア)の端子ピッチが狭ピッチである必要がなくなるため都合が良い。
以下、この技術について、図14ないし図16を参照して説明を行う。
図14(a)は、特許文献3に係るICチップ実装パッケージの上面図であり、図14(b)は、同図(a)のG−G線における矢視断面図である。
特許文献3に係るICチップ実装パッケージの特徴は、ドライバソケット401にあると言える。
図15、図16は、ドライバソケット401を示す図である。図15(a)は、ドライバソケット401に集積回路である液晶ドライバ601が実装された状態を示す斜視図であり、図15(b)は、同図(a)のI1−I1線における矢視断面図である。さらに、図16は、該液晶ドライバ601が該ドライバソケット401に実装される様子を示す図である。
図15(a)、(b)に示すとおり、ドライバソケット401には、ドライバソケット‐フィルム(図14(b)のフィルム501参照)間バンプ402、ドライバ‐ドライバソケット間バンプ403、及びドライバソケット上配線405が設けられている。
ドライバソケット401のドライバ‐ドライバソケット間バンプ403は、ドライバソケット401と、液晶ドライバ601に設けられたドライババンプ404と、を接続する(図15(b)参照)。ドライバ‐ドライバソケット間バンプ403とドライババンプ404とにおけるバンプのピッチは略同ピッチであり、例えば20μm以下である。
一方、ドライバソケット401のドライバソケット‐フィルム間バンプ402は、ドライバソケット401とフィルム501に設けられた配線502とを接続している(図14(b)参照)。ドライバソケット‐フィルム間バンプ402のピッチは、例えば50μm以上となっており、ドライバ‐ドライバソケット間バンプ403とドライババンプ404とにおけるバンプのピッチよりも広い。
そして、図15(a)に示す液晶ドライバ601が設けられたドライバソケット401を、ドライバソケット‐フィルム間バンプ402を用いて、図14(b)に示すフィルム501に実装する。
ドライバソケット401を使用しない場合、実装を行うフィルム501におけるバンプのピッチとしては、液晶ドライバ601のドライババンプ404のピッチに合わせた、20μm以下のピッチが必要になるが、ドライバソケット401を使用した場合は、ドライバソケット401のドライバソケット‐フィルム間バンプ402のピッチである50μmとすることが可能となる。
特開2004−62146号公報(2004年2月26日公開)
特開2005−189804号公報(2005年7月14日公開)
国際公開番号 WO 2007/052761 A1(2007年5月10日公開)
本発明の一実施の形態について、図1ないし図7に基づいて説明すると以下の通りである。なお、説明の便宜上、すでに図面を用いて説明した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記してその説明を省略する。
図1は、本発明に係る表示装置に備えられる走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すゲートドライバ実装基板(走査線駆動装置)1は、インターポーザ基板(基板)3に、ゲートドライバ(集積回路)2が実装されて構成されている。
また、ゲートドライバ2は、コントロールロジック11A、11B、双方向シフトレジスタ12、レベルシフタ13、出力回路14、及びバッファ21を備える構成である。
ここからは、ゲートドライバ実装基板1に設けられている端子の機能について説明する。なお、ここで該ゲートドライバ実装基板1に設けられている端子は、図1において円形の部材として図示されている。また、該円形の部材に付されている符号(文字)は、該ゲートドライバ実装基板1に設けられている端子の端子名となる。該ゲートドライバ実装基板1に設けられている端子はいずれも、ゲートドライバ2とインターポーザ基板3とのそれぞれに設けられており、かつ、互いに同一の端子名を有する端子同士が接続されている。そしてこれにより、ゲートドライバ実装基板1では、外部から、入力される信号もしくは印加される電圧を、インターポーザ基板3を介してゲートドライバ2へと供給することが可能となっている。またこれにより、ゲートドライバ実装基板1では、ゲートドライバ2から、出力される信号もしくは印加される電圧を、インターポーザ基板3を介して外部へと供給することが可能となっている。そこで、ここでは、ゲートドライバ2に設けられている端子であるか、インターポーザ基板3に設けられている端子であるかに拘らず、ゲートドライバ実装基板1に設けられている各端子の説明を、端子名が異なるもの毎に行う。
端子「LBR」は、双方向シフトレジスタ12のシフト方向を示す制御信号が入力される入力端子である。端子「LBR」は、状態「H」と状態「L」とを有しており、当該制御信号に応じて、状態「H」と状態「L」とを切り替えることで、双方向シフトレジスタ12のシフト方向を制御する。そしてこれにより、出力回路14が出力する走査線駆動信号は、その走査方向が決定される。なお、出力回路14は、走査線駆動信号を、後述する端子「OG1」〜「OG272」に出力するために設けられている回路である。
端子「GSPOI」、「GSPIO」は、入力端子と出力端子とを、上記端子「LBR」に入力される制御信号に応じて切り替える機能を有するIO(Input/Output)端子である。上記端子「LBR」が状態「H」である場合は、端子「GSPOI」が入力端子となり、端子「GSPIO」が出力端子となる。一方、上記端子「LBR」が状態「L」である場合は、端子「GSPOI」が出力端子となり、端子「GSPIO」が入力端子となる。端子「GSPOI」、「GSPIO」のうち、入力端子の機能を有する端子は、双方向シフトレジスタ12の動作を開始させるための信号(以下、「走査開始信号」と称する)をゲートドライバ2に入力するための端子となる。また、端子「GSPOI」、「GSPIO」のうち、出力端子の機能を有する端子は、該走査開始信号を、ゲートドライバ2とカスケード接続された図示しない次段のゲートドライバへと出力するための端子となる。
端子「GCKOI」、「GCKIO」は、端子「GSPOI」、「GSPIO」と同様に、入力端子と出力端子とを、上記端子「LBR」に入力される制御信号に応じて切り替える機能を有するIO端子である。つまり、上記端子「LBR」が状態「H」である場合は、端子「GCKOI」が入力端子となり、端子「GCKIO」が出力端子となる。そして、上記端子「LBR」が状態「L」である場合は、端子「GCKOI」が出力端子となり、端子「GCKIO」が入力端子となる。端子「GCKOI」、「GCKIO」のうち、入力端子の機能を有する端子は、双方向シフトレジスタ12の駆動クロック信号をゲートドライバ2に入力するための端子となる。また、端子「GCKOI」、「GCKIO」のうち、出力端子の機能を有する端子は、該駆動クロック信号を、上記次段のゲートドライバへと出力するための端子となる。
端子「VGL」、「VGH」は、出力回路14を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。端子「VGL」に印加される該電源の電源電圧をvgl、端子「VGH」に印加される該電源の電源電圧をvghとする場合、vglは、vghよりも小さい。またこの場合、出力回路14は、上記走査線駆動信号を、vglからvghまでの振幅を有する信号として、端子「OG1」〜「OG272」に出力する。
端子「VCC」は、ゲートドライバ2を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。端子「GND」は、接地端子である。
端子「OG1」〜「OG272」(第2の端子)は、出力回路14からの走査線駆動信号を、ゲートドライバ実装基板1の外部へと出力する走査線駆動信号の出力端子である。表示装置に設けられる走査線が該端子「OG1」〜「OG272」に直接接続される、もしくは、該走査線と該端子「OG1」〜「OG272」とが配線等を介して接続されることにより、該端子「OG1」〜「OG272」から出力される上記走査線駆動信号は、該走査線に供給可能となる。そして、該走査線は、自身に供給された該走査線駆動信号に基づいて駆動される。なお、該端子「OG1」〜「OG272」は、1個の端子につき、1本の該走査線が接続可能である。つまり、該端子「OG1」〜「OG272」は、1個の端子につき、1本の該走査線に走査線駆動信号を供給することができる。本実施の形態では、ゲートドライバ実装基板1において、該端子「OG1」〜「OG272」のそれぞれに接続された計272本の走査線を駆動する例について説明するが、これに限定されない。即ち、本発明に係る走査線駆動装置では、該端子「OG1」〜「OG272」における少なくとも1個の端子に、該走査線が接続されない(即ち、走査線駆動装置において、計271本以下の走査線を駆動する)構成であっても構わない。
なお、本願図面では、便宜上、端子「OG1」〜「OG272」のうち、一部の端子について図示を省略している。
端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」(第3の端子)、「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」は、外部から補助容量駆動信号が入力される、補助容量駆動信号の入力端子である。端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」(第1の端子)は、補助容量配線(例えば、後述する図7の補助容量配線51)が直接接続される、もしくは、配線等を介して該補助容量配線と接続されることにより、補助容量駆動信号を、該補助容量配線に供給することができる、補助容量駆動信号の出力端子である。
端子「VCSH」、「VCSL」は、バッファ21を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。なお、端子「VCSH」、「VCSL」に印加される、該電源からの電源電圧は、
端子「VCSH」の電源電圧>端子「VCSL」の電源電圧
の関係を有する。
また、端子「OVCSH」、「OVCSL」は、バッファ21を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。ここで、端子「OVCSH」に印加される、該電源からの電源電圧は、上記端子「VCSH」の電源電圧と比較して数V高く、端子「OVCSL」に印加される、該電源からの電源電圧は、上記端子「VCSL」の電源電圧と比較して数V低く設定される。
ゲートドライバ2に設けられている端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」は、ゲートドライバ2に設けられている端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」と接続されている。また、ゲートドライバ2に設けられている端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」と、ゲートドライバ2に設けられている端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」と、の間には、バッファ21の入力端子が接続されている。バッファ21の出力端子は、ゲートドライバ2に設けられている端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」に接続されている。
図1に示すゲートドライバ実装基板1に入力された補助容量駆動信号は、端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」(もしくは、端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」)からバッファ21に入力される。バッファ21は、入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、波形が整形された補助容量駆動信号を、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」を介して上記補助容量配線へと出力する。ゲートドライバ実装基板1では、こうして、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を上記補助容量配線に供給し、当該補助容量配線に接続される補助容量を駆動する。なお、バッファ21として使用されるバッファは、入力のファン・イン数の調節、出力の駆動能力の向上等に使用するものである。入力用として使用されるバッファの多くは、シュミット・トリガ機能を有しており、入力信号の雑音除去、波形整形を行う。また、ここで「補助容量駆動信号の波形を整形する」処理とは、当該補助容量駆動信号に発生する鈍りを低減させる処理、当該補助容量駆動信号の振幅を増幅させる処理等の、当該補助容量駆動信号による補助容量の駆動を好適に行う処理、即ち、当該補助容量の駆動能力を向上させるための処理を意味する。一般的に上記のようなバッファは、上記シュミット・トリガ機能を有しており、該シュミット・トリガ機能により、「補助容量駆動信号の波形を整形する」処理を容易に実施することが可能である。
但し、バッファ21は、本発明に係る表示装置における必須の構成ではないため、省略可能である。バッファ21が省略される場合、ゲートドライバ実装基板1では、ゲートドライバ2に設けられている端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」と、ゲートドライバ2に設けられている端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」と、の間に、ゲートドライバ2に設けられている端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」が接続されることとなる。
インターポーザ基板3に設けられている端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」はそれぞれ、複数個の端子を有している。
また、図1に示すとおり、インターポーザ基板3に設けられている端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」は、インターポーザ基板3に設けられている端子「OG1」と端子「OG272」との間に適宜設けられている。また、図1に示すとおり、インターポーザ基板3に設けられている端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」は、インターポーザ基板3に設けられている端子「OG1」と端子「OG272」との間を除く部分に適宜設けられていてもよい。即ち、インターポーザ基板3に設けられている端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」は、少なくとも1個の端子が、インターポーザ基板3に設けられている端子「OG1」と端子「OG272」との間(即ち、複数個の端子「OG1」〜「OG272」におけるいずれか2個の端子間)に設けられている。そして、ゲートドライバ2に設けられている端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」はそれぞれ、インターポーザ基板3上に設けられた配線4により、インターポーザ基板3に設けられている全ての端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」に接続されている。
図2は、バッファ21の回路構成を示す図である。
図2に示すバッファ21Aは、入力端子211、2個のインバータ212A、212B、及び出力端子213が、この順番に直列接続されている構成である。
図2に示すバッファ21Aに設けられている、2個のインバータ212A、212Bはいずれも、電源ラインVCSHが、図1に示すゲートドライバ2に設けられている端子「VCSH」に接続され、電源ラインVCSLが、図1に示すゲートドライバ2に設けられている端子「VCSL」に接続される。
インバータ212Aは、端子「VCSH」からの電圧がソース端子に印加されるpチャネル型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)電界効果トランジスタ212APと、端子「VCSL」からの電圧がソース端子に印加されるnチャネル型のMOS電界効果トランジスタ212ANと、を備えるインバータ回路である。また、インバータ212Bは、端子「VCSH」からの電圧がソース端子に印加されるpチャネル型のMOS電界効果トランジスタ212BPと、端子「VCSL」からの電圧がソース端子に印加されるnチャネル型のMOS電界効果トランジスタ212BNと、を備えるインバータ回路である。
そして、図2に示すバッファ21Aは、上記の構成を有しているインバータ212A、212Bを、2段に接続して構成されている。
図3は、バッファ21の別の回路構成を示す図である。
図3に示すバッファ21Bは、図2に示すバッファ21Aの構成において、インバータ212Bのかわりに、インバータ回路212Cを備える構成である。インバータ回路212Cは、インバータ212Bの構成において、トランジスタ212BPのソース端子に接続されているスイッチSW1及び図1に示すゲートドライバ2に設けられている端子「OVCSH」に接続される電源ラインOVCSHをさらに備え、かつ、トランジスタ212BNのソース端子に接続されているスイッチSW2及び図1に示すゲートドライバ2に設けられている端子「OVCSL」に接続される電源ラインOVCSLをさらに備える構成である。
スイッチSW1、SW2は共に、例えば、c接点動作を行う単極の切替スイッチにより構成されるものである。スイッチSW1は、自身のオンオフを切り替えることで、トランジスタ212BPのソース端子が、端子「VCSH」に接続される状態と、端子「OVCSH」に接続される状態と、を切り替える。スイッチSW2は、自身のオンオフを切り替えることで、トランジスタ212BNのソース端子が、端子「VCSL」に接続される状態と、端子「OVCSL」に接続される状態と、を切り替える。
ここで、スイッチSW1は、入力端子211から入力される補助容量駆動信号の立ち上がりの瞬間から所定の時間だけ、トランジスタ212BPのソース端子が端子「OVCSH」に接続されている状態とし、それ以外の時間においては、トランジスタ212BPのソース端子が端子「VCSH」に接続されている状態とする。同様に、スイッチSW2は、上記補助容量駆動信号の立ち下がりの瞬間から所定の時間だけ、トランジスタ212BNのソース端子が端子「OVCSL」に接続されている状態とし、それ以外の時間においては、トランジスタ212BNのソース端子が端子「VCSL」に接続されている状態とする。
図3に示すバッファ21Bにおいて、スイッチSW1、SW2の切り替え動作を上述したとおりに制御する場合、上記バッファが出力する補助容量駆動信号は、図4に示す波形となる。
図4は、バッファ21Bにより、いわゆるオーバーシュート処理が実施された後の、補助容量駆動信号の波形を示すグラフである。なお、図4に示すグラフにおいて、縦軸は、上記補助容量駆動信号のレベルであり、横軸は、時間である。
スイッチSW1は、図4に波形を示す上記補助容量駆動信号の立ち上がりの瞬間T1から、当該立ち上がりの瞬間T1から所定時間経過後のT2までの間T3において、トランジスタ212BPのソース端子と、端子「VCSH」の電位よりも数V高い電位を有する端子「OVCSH」とを接続する。T3以外の時間において、スイッチSW1は、トランジスタ212BPのソース端子と、端子「VCSH」とを接続する。
同様に、スイッチSW2は、図4に波形を示す上記補助容量駆動信号の立ち下がりの瞬間T4から、当該立ち下がりの瞬間T4から所定時間経過後のT5までの間T6において、トランジスタ212BNのソース端子と、端子「VCSL」の電位よりも数V低い電位を有する端子「OVCSL」とを接続する。T6以外の時間において、スイッチSW2は、トランジスタ212BNのソース端子と、端子「VCSL」とを接続する。
図1に示すゲートドライバ2のバッファ21として、バッファ21Bを用いることにより、補助容量駆動信号に対しては、上述した図4に示すオーバーシュート処理が為される。これにより、図1に示すゲートドライバ2では、該オーバーシュート処理により、補助容量駆動信号の立ち上がりにおいては、出力されるべき電圧より高い電位を一旦出力し、その後、目的の電位を出力する。同様に、図1に示すゲートドライバ2では、上記オーバーシュート処理により、補助容量駆動信号の立ち下がり時においては、出力されるべき電圧より低い電位を一旦出力し、その後、目的の電位を出力する。これにより、補助容量及び液晶容量の充電時間を早め、目的の電圧に到達するまでの時間を短時間とすることができる。そして、これにより、図1に示すゲートドライバ2では、走査線の増加に起因して、補助容量の駆動時間が短くなる場合においても、対応が可能となる。即ち、図1に示すゲートドライバ2では、走査線の増加に起因して、補助容量の駆動時間が短くなる場合においても、補助容量を適切に駆動することができるため、表示の輝度のムラを低減し、表示のばらつきを少なくすることができる。
ここで、ゲートドライバ2において、走査線駆動信号を生成する原理の概要を説明する。
図1に示すゲートドライバ2の端子「LBR」には、該端子「LBR」を「H」状態または「L」状態とするための制御信号が供給される。これにより、ゲートドライバ2では、双方向シフトレジスタ12のシフト方向が決定され、これにより、走査線駆動信号の走査方向が決定される。ここでは、端子「LBR」を「H」状態とする場合を想定し、上記概要を説明する。この場合、出力回路14が出力する走査線駆動信号の走査方向、即ち、走査線駆動信号が供給される走査線の順番は、端子「OG1」に接続される走査線、端子「OG2」に接続される走査線、・・・、端子「OG272」に接続される走査線、となる。
垂直同期信号を基に生成された走査開始信号が、ゲートドライバ2の端子「GSPOI」から入力されると、双方向シフトレジスタ12は、ゲートドライバ2の端子「GCKOI」から入力される駆動クロック信号に同期してシフト動作を開始し、該シフト動作により、パルス信号である第1のパルスを生成する。この駆動クロック信号には、水平同期信号を基に生成された信号が使用される。
上記第1のパルスは、レベルシフタ13にて、上記電圧vglから上記電圧vghの振幅を有する信号へとレベル変換され、走査線駆動信号として、出力回路14から端子「OG1」に接続されている走査線へと出力される。次に、双方向シフトレジスタ12は、上記のシフト動作により、第1のパルスとは別のパルス信号である第2のパルスを生成する。この第2のパルスは、レベルシフタ13にて、上記電圧vglから上記電圧vghの振幅を有する信号へとレベル変換され、走査線駆動信号として、出力回路14から端子「OG2」に接続される走査線へと出力される。
即ち、双方向シフトレジスタ12は、上記のシフト動作により、第nのパルスとは別のパルス信号である第(n+1)のパルスを生成する。この第(n+1)のパルスは、レベルシフタ13にて、上記電圧vglから上記電圧vghの振幅を有する信号にレベル変換され、走査線駆動信号として、出力回路14から端子「OG(n+1)」に接続される走査線へと出力される。次に、双方向シフトレジスタ12は、上記のシフト動作により、第(n+1)のパルスとは別のパルス信号である第(n+2)のパルスを生成する・・・、という動作を、端子「OG272」に接続される走査線へとパルス(第272のパルス)に基づいて生成された走査線駆動信号が出力されるまで繰り返す。なお、双方向シフトレジスタ12の場合、「n」とは、1〜270の間の任意の自然数である。
上記の双方向シフトレジスタ12におけるシフト動作では、水平同期信号と同期する信号が使用されている。そのため、端子「OG1」〜「OG272」から出力する走査線駆動信号は、該水平同期信号の1周期毎に、走査線を1本駆動する。
上記のシフト動作が終了すると、即ち、端子「OG272」に接続される走査線へと走査線駆動信号を出力すると、ゲートドライバ2は、端子「GSPIO」から走査開始信号を出力すると共に、端子「GCKIO」から駆動クロック信号を出力する。該走査開始信号及び駆動クロック信号は、上記次段のゲートドライバに入力される。これにより、該次段のゲートドライバでは、ゲートドライバ2と同様の、走査線駆動装置における走査線駆動信号生成動作を開始する。例えば、ゲートドライバ2が、272本の走査線を駆動する場合、上記次段のゲートドライバでは、273本目の走査線から、274本目の走査線、275本目の走査線、・・・、といった具合に、走査線に走査線駆動信号を与える。
図5は、ゲートドライバ実装基板1が搭載された走査線駆動装置パッケージの外形を示す図である。ゲートドライバ実装基板1により、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置(例えば、後述する図7に示す液晶表示パネル40)に設けられた補助容量配線に補助容量駆動信号を供給する場合、及び、ゲートドライバ実装基板1により、該表示装置に設けられた走査線に走査線駆動信号を供給する場合、ゲートドライバ実装基板1は、図5に示す走査線駆動装置パッケージ30の形態で該表示装置に設けられてもよい。
なお、本発明に係る特徴点をより明確に図示するため、図5に示す走査線駆動装置パッケージ30では、補助容量駆動信号が通過する部材を透視した状態で図示している。
図5に示す走査線駆動装置パッケージ30は、テープ31に、ゲートドライバ実装基板1が実装された構成である。
なお、図5に示す走査線駆動装置パッケージ30において、端子部には、ゲートドライバ実装基板1の端子に対応する、表示装置の端子が設けられている。なお、端子部とは、走査線駆動装置パッケージ30において、ゲートドライバ実装基板1に設けられている端子の端子名と同一の符号(文字)が付されている部材であり、走査線駆動装置パッケージ30の右端部分に設けられている部材である。図5に示す走査線駆動装置パッケージ30に設けられている端子はいずれも、ゲートドライバ実装基板1に設けられている端子と、互いに同一の端子名を有する端子同士が接続されている。そしてこれにより、図5に示す走査線駆動装置パッケージ30では、ゲートドライバ実装基板1から、出力される信号もしくは電圧を、走査線駆動装置パッケージ30外部へと出力することが可能となっている。また、便宜上、図5では、補助容量駆動信号が通過する複数の配線(例えば、端子「CSVtypeA1R」と端子「CSVtypeA1L」とを接続する配線34)及び該配線周辺の配線を、1本の太線により図示している。
走査線駆動装置パッケージ30は、端子部の中央付近に端子「OG1」〜「OG272」が配置されており、該端子「OG1」〜「OG272」間(及び、該端子「OG1」〜「OG272」の両側)に、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」が適宜配置されている。その他の端子は、端子「OG1」〜「OG272」よりも、端子部の端部付近に配置されている。端子部の端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」は、端子部の端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」と、テープ31及びゲートドライバ実装基板1に設けられている配線34により接続されている。また、図示はされていないが、端子部に各2端子設けられている、端子「VGL」、端子「VGH」、端子「GND」、端子「LBR」、端子「VCC」、端子「VCSH」、端子「VCSL」、端子「OVCSH」、及び端子「OVCSL」はいずれも、当該2端子における、一方の端子と他方の端子とが、ゲートドライバ実装基板1における同一の端子名を有する端子を介して接続されている。端子「GSPOI」、「GSPIO」は、一方が入力端子となると他方が出力端子となる入出力関係を有する。即ち、端子「GSPOI」、「GSPIO」は、一方の端子から入力された信号を、他方の端子から出力する。端子「GSPOI」、「GSPIO」は、端子部の両端に配置されるのが好適である。また、端子「GCKOI」、「GCKIO」についても同様に、端子部の両端に配置されるのが好適である。
また、図6は、ゲートドライバ実装基板1の概観を示す図である。図6(a)は、ゲートドライバ2がインターポーザ基板3に実装された状態を示す斜視図であり、図6(b)は、ゲートドライバ2がインターポーザ基板3に実装される様子を示す図である。
図6(a)に示すとおり、インターポーザ基板3には、図示しないフィルム端子に接続される端子−基板間バンプ35と、基板上配線36とが設けられており、基板上配線36により、ゲートドライバ2と端子−基板間バンプ35とが接続されている。
入力側の端子−基板間バンプ35aは、ゲートドライバ実装基板1における補助容量駆動信号の入力端子(即ち、インターポーザ基板3の端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」、「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」)である。入力側の端子−基板間バンプ35aには、配線34(図5参照)が接続され、基板上配線36aにより、ゲートドライバ2における補助容量駆動信号の入力端子(即ち、ゲートドライバ2の端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」、「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」)に接続されている(図6(b)参照)。なお、ここでは便宜上、上記ゲートドライバ実装基板1における補助容量駆動信号の入力端子を1端子のみ図示しており、上記ゲートドライバ2における補助容量駆動信号の入力端子について図示を省略している。しかしながら、これらの入力端子は、ゲートドライバ2またはインターポーザ基板3に設けられている端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」、「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」の総数だけ、該ゲートドライバ2またはインターポーザ基板3に設けられているのは言うまでもない。
上記ゲートドライバ2における補助容量駆動信号の入力端子は、ゲートドライバ2内のバッファ21の入力端子に接続され、バッファ21の出力端子は、図示しないゲートドライバ2の端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」に接続される(図6(b)参照)。該ゲートドライバ2の端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」と、インターポーザ基板3の出力側のバンプ35bとは、基板上配線36bにより接続されるが、該バンプ35bは、走査線駆動信号が通過するパッド(バンプ)35c間に配置されているため、補助容量駆動信号が通過する基板上配線36bは、走査線駆動信号が通過する基板上配線36cと交差させる必要がある。このため、補助容量駆動信号が通過する基板上配線36bと、走査線駆動信号が通過する基板上配線36cとは、インターポーザ基板3上において交差するように、互いに異なる層に形成される。
なお、補助容量駆動信号を駆動するバッファ21は、図6(c)に示すとおり、インターポーザ基板3上に設けられてもよい。
インターポーザ基板3は、集積回路を製造する工程と同じ製造工程において製造されるため、配線層を2層にすること、及びバッファを設けることが可能である。
図7は、走査線駆動装置パッケージ30を、表示装置の基板へと実装した状態を示す図である。
なお、本発明に係る特徴点をより明確に図示するため、図7に示す液晶表示パネル(表示装置)40では、補助容量駆動信号が通過する部材を透視した状態で図示している。
また、図7では、本発明に係る表示装置として、表示装置に走査線駆動装置パッケージ30を2個実装する液晶表示パネル40について説明するが、これには限定されない。即ち、走査線駆動装置パッケージ30は、液晶表示パネル40の基板へと1個だけ実装されてもよいし、3個以上実装されてもよい。
以下、図7を用いて、本発明に係る表示装置の構成及び動作原理について説明する。
図7に示すとおり、液晶表示パネル40では、1つの表示絵素41が、複数の副絵素42、43に分割されている。また、副絵素42は、TFT44を介して走査線Gn及び信号線(データ線)Smに接続されている。また、副絵素43は、TFT45を介して走査線Gn及び信号線Smに接続されている。即ち、TFT44、45のゲート電極は、共通(同一)の走査線Gnに接続されている。また、TFT44、45のソース電極は、共通(同一)の信号線Smに接続されている。
副絵素42、43は、液晶容量と補助容量とを有している。これらの液晶容量及び補助容量は共に、一方の電極がTFT44、45のドレイン電極に接続されている。液晶容量の他方の電極は、対向電圧に接続されている。補助容量の他方の電極は、補助容量配線46、47に接続されている。これにより、副絵素42、43における補助容量には、補助容量配線46、47からCS電圧が印加され得る。即ち、副絵素42、43は、図9に示す副絵素121、122と同様の接続関係を有する。そのため、副絵素42における補助容量に印加されるCS電圧と、副絵素43における補助容量に印加されるCS電圧とは、互いに異なる電圧となり得る。
つまり、図7に示す表示絵素41は、図9に示す表示絵素120と同様の構成を有するものである。
液晶表示パネル40ではまず、図示しないコントローラから走査線駆動装置パッケージ30と同一の構成を有する走査線駆動装置パッケージ30Aへと、補助容量駆動信号、走査線駆動信号の基となるゲートドライバの制御信号(走査開始信号及び駆動クロック信号)、及び各種電源電圧が入力される。ここで、端子「LBR」は、端子「VCC」と接続されており、これにより、端子「LBR」は、上記「H」状態に固定される。なお、走査線駆動装置パッケージ30Aには、補助容量駆動信号が、端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」から入力される。また、端子「LBR」が「H」状態であるため、ゲートドライバの制御信号は、端子「GSPOI」、「GCKOI」から入力される。また、各種電源電圧は、端子「VGL」、「VGH」、「GND」、「VCC」、「VCSL」、「VCSH」、「OVCSL」、及び「OVCSH」から入力される。
ここで、図7において、端子「LBR」、「VGL」、「VGH」、「GND」、「VCC」、「VCSL」、「VCSH」、「OVCSL」、及び「OVCSH」は、互いに同一の端子名を有する端子同士が接続されている。また、図7に示すとおり、端子「GSPOI」は、端子「GSPIO」に接続されており、端子「GCKOI」は、端子「GCKIO」に接続されている。
同様に、図7に示すとおり、端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」は、端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」にそれぞれ接続されている。
そのため、走査線駆動装置パッケージ30Aに設けられている端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」と、走査線駆動装置パッケージ30Aと同一の構成を有する走査線駆動装置パッケージ30Bに設けられている端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」とを接続することで、液晶表示パネル40では、走査線駆動装置パッケージ30Aに入力される、補助容量駆動信号、ゲートドライバの制御信号、及び各種電源電圧を、当該走査線駆動装置パッケージ30Aから走査線駆動装置パッケージ30Bに供給することができる。
次に、液晶表示パネル40では、上記コントローラから入力された走査線駆動信号の基となる信号を用いて、上述した原理により、走査線駆動装置パッケージ30Aが走査線駆動信号を生成する。走査線駆動装置パッケージ30Aの端子「OG1」〜「OG272」は、液晶表示パネル40の走査線Gnにそれぞれ接続される。そして、走査線駆動装置パッケージ30Aは、端子「OG1」〜「OG272」に接続される各走査線Gnに走査線駆動信号を与える。
一方、上記コントローラから端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」に入力された補助容量駆動信号は、走査線駆動装置パッケージ30Aのゲートドライバ実装基板1に設けられているバッファ21を介して、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」から出力される。走査線駆動装置パッケージ30Aの端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」には、補助容量配線51が接続される。バッファ21から出力される、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号は、走査線駆動装置パッケージ30Aの端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」に接続されている当該補助容量配線51全てに与えられ、これにより、当該補助容量配線51に接続される補助容量が駆動される。
本発明に係る表示装置では、従来技術に係る表示装置のように、基幹配線を液晶表示パネル全体に設ける必要がない。従って、本発明に係る表示装置では、額縁の狭小化が実現可能であるという効果を奏する。
なお、本発明に係る表示装置は、走査線駆動装置内部で補助容量駆動信号を生成し、当該走査線駆動装置から各補助容量配線に供給する構成であってもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。