JP2009145262A - シートのたるみ評価方法および評価装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空間を移送されるシート1の表面にタッチローラー2を押し当て、該タッチローラーの変位量を測定することにより、タッチローラーを押し当てた位置におけるシートのたるみを評価する。
【選択図】図8
Description
[1] 空間を移送されるシートの表面にタッチローラーを押し当て、該タッチローラーの変位量を測定することにより、タッチローラーを押し当てた位置におけるシートのたるみを評価する工程を含むことを特徴とするシートのたるみ評価方法。
[2] 前記シートの幅方向に複数の測定点を設け、各測定点においてタッチローラーの変位量を測定して、幅方向のたるみプロファイルを作成することを特徴とする[1]に記載のシートのたるみ評価方法。
[3] 前記複数の測定点にそれぞれタッチローラーを押し当てて、各タッチローラーの変位量を測定することにより、幅方向のたるみプロファイルを作成することを特徴とする[2]に記載のシートのたるみ評価方法。
[4] 前記シートの幅方向にタッチローラーを移動させて前記複数の測定点におけるタッチローラーの変位量を測定することにより、幅方向のたるみプロファイルを作成することを特徴とする[2]に記載のシートのたるみ評価方法。
[5] 前記タッチローラーの変位量を、接触式の力センサー、または接触式もしくは非接触式の変位センサーにより測定することを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載のシートのたるみ評価方法。
[6] 前記力センサーが、歪みセンサー、またはピエゾを利用した圧電センサーであることを特徴とする[5]に記載のシートのたるみ評価方法。
[7] 前記変位センサーが、レーザ光、赤外光もしくは超音波を利用した測距センサー、磁気センサー、差動トランス、またはリニアゲージであることを特徴とする[5]に記載のシートのたるみ評価方法。
[8] 前記タッチローラーの変位量の測定を、タッチローラーを支持する部材にかかる歪みを計測することにより行うことを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載のシートのたるみ評価方法。
[9] 前記タッチローラーが板バネの一端に固定されており、該板バネの他端に歪センサー付き支持体が固定されており、該歪センサーにより支持体の歪みを計測することによりタッチローラーの変位量を測定することを特徴とする[8]に記載のシートのたるみ評価方法。
[10] 第一ローラーと該第一ローラーから離れた位置に第二ローラーを設置し、前記シートを第一ローラーと第二ローラーが同方向に回転するように接触させながら、第一ローラーから第二ローラーへ向けて移送し、前記タッチローラーを第一ローラーと第二ローラーとの区間に配置することを特徴とする[9]に記載のシートのたるみ評価方法。
[11] 前記タッチローラーによる変位量の測定前に、前記タッチローラーを何にも接触しない状態で前記第一ローラーの直下に移動させ、次いで前記歪みセンサーによる前記支持体の歪みを計測しながら前記タッチローラーを上方向に垂直移動させ、前記タッチローラーが前記第一ローラーに接触して歪みの計測値が変化し始める点をもって、前記歪みセンサーの零点とすることを特徴とする[10]に記載のシートのたるみ評価方法。
[12] 前記タッチローラーによる変位量の測定前に、前記タッチローラーを何にも接触しない状態で前記第一ローラーの直下に移動させ、次いで前記歪みセンサーによる前記支持体の歪みを計測しながら前記タッチローラーを上方向に垂直移動させ、前記タッチローラーが前記第一ローラーに接触して歪みの計測値が変化し始める点から、垂直方向移動量を数段階に変位させて歪みの計測値を読み取り、次いでこの読み取り値が前記タッチローラーの変位量となるように利得パラメータを補正して、前記歪みセンサーの感度合わせとすることを特徴とする[10]または[11]に記載のシートのたるみ評価方法。
[13] 張力センサーを用いてシートの張力を測定し、測定した張力により前記タッチローラーの変位量の測定結果を補正することを特徴とする[10]〜[12]のいずれか一項に記載のたるみ評価方法。
[14] シートを移送するために互いに離れた位置に設置された2つのローラー、該2つのローラー間に移送されるシートの表面に押し当てることができるタッチローラー、該タッチローラーのシート面に垂直な方向の変位量を測定する手段を含むシートのたるみ評価装置。
[15] 前記タッチローラーが板バネの一端に固定されており、該板バネの他端に歪センサー付き支持体が固定されており、該支持体に支持体の歪みを計測する歪センサーが設置されていることを特徴とする[14]に記載のシートのたるみ評価装置。
(評価対象となるシート)
本発明のたるみ評価方法は、シートのたるみを張力がかかった状態で(例えば移送しながら)評価する方法である。シートは、使用されるまでの間のさまざまな段階で移送される。例えば、シートを製造後にロール状に巻き取ったり、巻き取られたシートを別の巻き芯に巻き替えたり、ロール状のシートを使用時に引き出したりする際に、シートは長手方向に移送される。また、シートに表面処理を施したり、シートを対象物に適用したりする際にもシートは移送される。このように空間を移送されるシート、すなわち連続したシートであってローラー等を介して長手方向に移送されるシートに対して、本発明のたるみ評価方法は幅広く適用することができる。本発明のたるみ評価方法はシートを移送しながら適用することが可能であることから、実際のシート製造ラインやシート加工ラインに適用しやすく、工業上の利用可能性が高いという特徴を有する。
(タッチローラーと変位量測定機構)
本発明の評価方法では、空間を移送中のシートの表面にタッチローラーを押し当てる。
(制御機構と出力機構)
次に、タッチローラーの変位量測定機構に対する制御機構と出力機構について説明する。ここでは一例として、図4の変位量測定機構に対する制御機構と出力機構について図6を参照しながら説明する。
(シートのたるみ評価手順)
変位量測定機構、制御機構、出力機構を備えた装置を用いて、タッチローラーを空中を移送されるシートの表面に押し当ててシートのたるみを評価する手順を具体的に説明する。ここでは説明の便宜上、シートの移送方向をx方向、シートの幅方向(シート面内における移送方向に直交する方向)をy方向、シート面に直交する方向をz方向とする。また、変位量測定機構として図4に示す機構を例にとって説明する。
(測定位置)
本発明のたるみ評価方法によれば、移送されるシートの所望の位置でたるみを評価することができる。例えば、移送されるシートの中央部のたるみをモニターしたい場合は、シート中央部にタッチローラーを押し当ててたるみを評価することができる。また、シートの複数箇所のたるみを同時にモニターしたい場合は、タッチローラーを測定箇所の数だけ用意して連続的に複数箇所のたるみを評価することができる。このとき、シートの幅方向にタッチローラーを適当な間隔を空けて配置して測定すれば、幅方向のたるみプロファイルを得ることができる。例えば、幅500mmのシートのたるみを評価するために、幅方向に5個のタッチローラーを並設して本発明を実施することができる。
(評価)
本発明にしたがって得られたタッチローラーの変位量に基づいて、シートのたるみを評価することができる。ここでいう評価とは、たるみに関するシートの価値を判断することを指し、極めて広い概念を意味する。例えば、タッチローラーの変位量の絶対値に応じてたるみの大きさを評価してもよいし、タッチローラーの変位量の変動幅に基づいてたるみの振れ幅を評価してもよい。また、温度や湿度などの条件を変えて測定したときのタッチローラーの変位量に基づいて環境によるたるみの変化を評価してもよいし、シートを構成する材料の違いによるタッチローラーの変位量の測定結果の違いに基づいて材料のたるみ易さを評価してもよい。
(実施例1)
厚み80μm、幅3,300mmのポリプロピレン製シートを第一ローラーR1,第二ローラーR2を介して図8のAに示す方向へ85mm/秒の速度で移送させた。図4に示すタッチローラーを8台用意し、図8のBに示す方向からシートに押し当てた。8台のタッチローラーは、移送されるシートを図8のBに示す方向から見た図9(a)のP1〜P8に示す箇所にそれぞれ押し当てた。P1〜P8にタッチローラーを配置にすれば、第一ローラーR1と第二ローラーR2の間隔が短くても測定が可能であり、限られたスペースを有効に効率よく利用することができる。また、第一ローラーR1と第二ローラーR2の間隔を短くできれば、たるみ測定精度を一段と高めることができる。8台のタッチローラーはそれぞれ零点補正および感度補正済みであり、いずれもコロの幅は50mmである。タッチローラーのシート接触側表面は中央部が平面で両側部に向かってテーパーが施されている。また、タッチローラーはシートパスラインから5mm上方に移動させることにより押し当てた。移送されるシートによりタッチローラーが下方に押し下げられたとき、押し下げ量1mmあたり歪センサーは増幅器を介して1Vを出力するように調整した。この状態で各タッチローラーの変位量を40分間にわたって測定し、その平均値を計算し、横軸にP1〜P8の幅方向のシート端部からの距離をとり、縦軸に各箇所におけるタッチローラーの平均変位量をとったグラフを表示させ、幅方向のたるみプロファイルを得た。
(実施例2)
P1〜P8の代わりに、図9(b)のP11〜P18の箇所に各タッチローラーを押し当てたこと以外は、実施例1と同様にして計測を行い、幅方向のたるみプロファイルを得た。図9(b)のP11〜P18に示すように互い違いにタッチローラーを押し当てることにより、タッチローラー同士の接触を避けながら幅方向の間隔が密なたるみプロファイルが得やすくなり、より精密な幅方向のたるみ評価が可能になる。
(実施例3)
P1〜P8の固定点でタッチローラーを押し当てる代わりに、2台のタッチローラーを用意して図9(c)のQ1とQ2の領域において各タッチローラーを往復させたこと以外は、実施例1と同様にして計測を行い、幅方向のたるみプロファイルを得た。往復回数は1回/分とした。このとき、2台のタッチローラーは互いに同じ方向に移動して、2台の間隔が常に一定に維持されるようにして互いの接触を回避した。このような態様を採用することにより、少ない台数のタッチローラーで効率よくたるみ評価を行うことが可能になる。
(実施例4)
Q1とQ2の領域の代わりに、図9(d)に示すQ11とQ12の領域を往復させたこと以外は、実施例3と同様にして計測を行い、幅方向のたるみプロファイルを得た。このような態様を採用することにより、2台のタッチローラーの接触を回避しながら互いに自由にタッチローラーを往復させることができる。
(実施例5)
P1〜P8の代わりに、幅方向の中央部にタッチローラーを1台押し当てたこと以外は、実施例1と同様にして計測を行った。タッチローラーの変位量の1分ごとの平均値を計算し、横軸に時間、縦軸に各時間におけるタッチローラーの平均変位量をとったグラフを表示させ、長手方向のたるみプロファイルを得た。この態様を採用することにより、長手方向のたるみの変化を知ることができる。
(実施例6)
実施例1〜5のそれぞれについて、温度条件および/または湿度条件を変更して同じシートのたるみプロファイルを得た。これによって、シートが置かれた環境条件の変化によってシートのたるみがどのように変化するのかを知ることができる。また、いったん温度条件および/または湿度条件を変更した後に、再び元の条件に戻して再測定を行うことにより、たるみ変化の復元性(可逆性)やたるみの解消具合を評価することができる。
(その他)
上記実施例1〜5のたるみ評価をそれぞれ複数回実施したが、いずれも再現性は良好であった。また、ロール状のシートを展開し、巻き上げ、再び展開し、巻き上げて、それぞれの状況でたるみ評価を実施したところ、いずれもほぼ同じ結果が得られた。また、たるみ評価後のシート表面を観察したが、表面に傷つきは見られず、シートの変形等も認められなかった。
2 タッチローラー
3 回転体
4 軸
5 軸支持体
6 板バネ
7 支持板
8 水平板
9 垂直板
10 固定板
11 測距離センサー
12 光(レーザ)
13 歪センサー
14 z方向移動用モーター
15 スクリュー
16 x方向移動用モーター
17 スクリュー
18 回転軸
21 制御機構
22 出力機構
23 CPU
24 A/Dコンバーター
25 モータードライバー
26 ディスプレイ
27 プリンター
28 張力センサー
29 A/Dコンバーター
30 バックアップローラー
31 シートパスライン
Claims (15)
- 空間を移送されるシートの表面にタッチローラーを押し当て、該タッチローラーの変位量を測定することにより、タッチローラーを押し当てた位置におけるシートのたるみを評価する工程を含むことを特徴とするシートのたるみ評価方法。
- 前記シートの幅方向に複数の測定点を設け、各測定点においてタッチローラーの変位量を測定して、幅方向のたるみプロファイルを作成することを特徴とする請求項1に記載のシートのたるみ評価方法。
- 前記複数の測定点にそれぞれタッチローラーを押し当てて、各タッチローラーの変位量を測定することにより、幅方向のたるみプロファイルを作成することを特徴とする請求項2に記載のシートのたるみ評価方法。
- 前記シートの幅方向にタッチローラーを移動させて前記複数の測定点におけるタッチローラーの変位量を測定することにより、幅方向のたるみプロファイルを作成することを特徴とする請求項2に記載のシートのたるみ評価方法。
- 前記タッチローラーの変位量を、接触式の力センサー、または接触式もしくは非接触式の変位センサーにより測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシートのたるみ評価方法。
- 前記力センサーが、歪みセンサー、またはピエゾを利用した圧電センサーであることを特徴とする請求項5に記載のシートのたるみ評価方法。
- 前記変位センサーが、レーザ光、赤外光もしくは超音波を利用した測距センサー、磁気センサー、差動トランス、またはリニアゲージであることを特徴とする請求項5に記載のシートのたるみ評価方法。
- 前記タッチローラーの変位量の測定を、タッチローラーを支持する部材にかかる歪みを計測することにより行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のシートのたるみ評価方法。
- 前記タッチローラーが板バネの一端に固定されており、該板バネの他端に歪センサー付き支持体が固定されており、該歪センサーにより支持体の歪みを計測することによりタッチローラーの変位量を測定することを特徴とする請求項8に記載のシートのたるみ評価方法。
- 第一ローラーと該第一ローラーから離れた位置に第二ローラーを設置し、前記シートを第一ローラーと第二ローラーが同方向に回転するように接触させながら、第一ローラーから第二ローラーへ向けて移送し、前記タッチローラーを第一ローラーと第二ローラーとの区間に配置することを特徴とする請求項9に記載のシートのたるみ評価方法。
- 前記タッチローラーによる変位量の測定前に、前記タッチローラーを何にも接触しない状態で前記第一ローラーの直下に移動させ、次いで前記歪みセンサーによる前記支持体の歪みを計測しながら前記タッチローラーを上方向に垂直移動させ、前記タッチローラーが前記第一ローラーに接触して歪みの計測値が変化し始める点をもって、前記歪みセンサーの零点とすることを特徴とする請求項10に記載のシートのたるみ評価方法。
- 前記タッチローラーによる変位量の測定前に、前記タッチローラーを何にも接触しない状態で前記第一ローラーの直下に移動させ、次いで前記歪みセンサーによる前記支持体の歪みを計測しながら前記タッチローラーを上方向に垂直移動させ、前記タッチローラーが前記第一ローラーに接触して歪みの計測値が変化し始める点から、垂直方向移動量を数段階に変位させて歪みの計測値を読み取り、次いでこの読み取り値が前記タッチローラーの変位量となるように利得パラメータを補正して、前記歪みセンサーの感度合わせとすることを特徴とする請求項10または11に記載のシートのたるみ評価方法。
- 張力センサーを用いてシートの張力を測定し、測定した張力により前記タッチローラーの変位量の測定結果を補正することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載のたるみ評価方法。
- シートを移送するために互いに離れた位置に設置された2つのローラー、該2つのローラー間に移送されるシートの表面に押し当てることができるタッチローラー、該タッチローラーのシート面に垂直な方向の変位量を測定する手段を含むシートのたるみ評価装置。
- 前記タッチローラーが板バネの一端に固定されており、該板バネの他端に歪センサー付き支持体が固定されており、該支持体に支持体の歪みを計測する歪センサーが設置されていることを特徴とする請求項14に記載のシートのたるみ評価装置。
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