JP2009144636A - 排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン1の排気管20に接続されて前段酸化触媒38及びパティキュレートフィルタ40を収容した上流側ケーシング42と、筒状をなして上流側ケーシング42の下流側に配置され、アンモニア選択還元型NOx触媒42及び後段酸化触媒44を収容した下流側ケーシング36とを連通路34によって連通する。連通路34は、その途中部分に第1屈曲部48を有して一端が下流側ケーシング36の側面部に接続されており、第1屈曲部48は、屈曲角度θが120°以下に設定されると共に、連通路34の径rに対して連通路34の中心軸線における屈曲半径Rの比R/rが0.8以上に設定された所定屈曲形状を有する。
【選択図】図2
Description
例えば、ディーゼルエンジン等のエンジンから排出される排気中には、大気汚染物質であるパティキュレートやNOx(窒素酸化物)などが含まれている。そこでパティキュレートについては、エンジンの排気通路にパティキュレートフィルタを設け、排気中に含まれるパティキュレートをパティキュレートフィルタで捕集し、大気中にパティキュレートが放出されないようにする技術が従来より知られている。
そして、このようなパティキュレートの捕集及びNOxの還元を効率的に行うため、パティキュレートフィルタ及びアンモニア選択還元型NOx触媒を組み合わせ、排気浄化装置として用いるようにしたものが、例えば特許文献1などによって提案されている。
更に、上流側ケーシングと下流側ケーシングとを連通する連通路には、連通路内の排気中に尿素水を噴射供給する尿素水インジェクタが設けられている。尿素水インジェクタから噴射された尿素水は、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、アンモニア選択還元型NOx触媒に還元剤として供給される。
また、上記排気浄化装置において、上記連通路が複数の屈曲部を有している場合には、少なくとも排気の流動経路として上記第2ケーシングに最も近い屈曲部が上記所定屈曲形状を有するのが好ましい(請求項2)。
また、請求項3の排気浄化装置によれば、屈曲部が上記所定屈曲形状を有することにより連通路内における排気流動の偏りの度合いが低く抑えられるので、連通路内の排気中に供給された尿素水或いはこの尿素水から生成されたアンモニアが第2ケーシング内に収容されているアンモニア選択還元型NOx触媒に流入する際の偏りの度合いを低くすることが可能となり、アンモニア選択還元型NOx触媒の排気浄化効率を良好に維持することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る排気浄化装置が適用された4気筒の車載用ディーゼルエンジン(以下、エンジンという)の全体構成図を示しており、図1に基づき本発明に係る排気浄化装置の構成を説明する。
エンジン1は各気筒共通の高圧蓄圧室(以下コモンレールという)2を備えており、図示しない燃料噴射ポンプから供給されてコモンレール2に蓄えられた高圧の燃料を、各気筒に設けられたインジェクタ4に供給し、各インジェクタ4からそれぞれの気筒内に燃料が噴射される。
排気管20はターボチャージャ8のタービン8bを経た後、排気絞り弁26を介して排気後処理装置28に接続されている。また、タービン8bの回転軸はコンプレッサ8aの回転軸と連結されており、タービン8bが排気管20内を流動する排気を受けてコンプレッサ8aを駆動するようになっている。
次に、排気後処理装置28の構成について、図2及び図3に基づき詳細に説明する。図2は排気後処理装置の概略構成を示す平面図であり、図3は排気後処理装置の概略構成を示す側面図である。
尿素水インジェクタ46から噴射された尿素水は、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、SCR触媒42に供給される。SCR触媒42は供給されたアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを浄化して無害なN2とする。なお、このときアンモニアがNOxと反応せずにSCR触媒42から流出した場合には、このアンモニアが後段酸化触媒44によって酸化され、無害なN2となってテールパイプ30から大気中に放出されるようになっている。
図4は、第1屈曲部48の屈曲形状を示す構造図であるが、図4に示すように第1屈曲部48は、連通路34の中心軸線における屈曲半径がRとなるように連通路34を屈曲させることによって形成されており、屈曲角度、即ち第1屈曲部48より上流側における連通路34の中心軸線を下流側へ延長する方向と、第1屈曲部48より下流側における連通路34の中心軸線を下流側へ延長する方向とのなす角度がθ(°)となっている。
屈曲角度θ及び比R/rを物理的に実現可能な範囲で様々に変化させながらシミュレーションを行って分散度VARを求め、得られた分散度VARと屈曲角度θとの関係を表したものが図5に示すグラフである。図5に示すように、屈曲角度θに対して分散度VARは図中のハッチング部分に分布しており、屈曲角度θを徐々に増大していった場合に、屈曲角度θが120°に達するまでは屈曲角度θの増加に対して比較的低い値の領域で緩やかに分散度VARが増大し、屈曲角度θが120°を上回ると分散度VARが急激に増大し始めることがわかる。即ち、屈曲角度θを120°以下とすることにより、分散度VARを比較的低い値に抑えることができる。
即ち、上記実施形態では、下流側ケーシング36にSCR触媒42を収容し、連通路34の第1屈曲部48に上記所定屈曲形状を適用することにより、連通路34から下流側ケーシング36に流入する排気の流れの偏りの度合いを低く抑えると共に、尿素水インジェクタ46から供給された尿素水或いはこの尿素水から生成されたアンモニアがSCR触媒42に流入する際の偏りの度合いを低く抑えるようにしたが、下流側ケーシング36に収容される排気浄化手段はSCR触媒42に限定されるものではない。
即ち、上述したように連通路34の第1屈曲部48に上記所定屈曲形状を適用することにより、連通路34から下流側ケーシング36に流入する排気の流れの偏りの度合いを低く抑えることができるので、下流側ケーシング36内の第2排気浄化手段に排気が流入する際の排気の偏りの度合いを低く抑えることができる。従って、第2排気浄化手段における排気の分布や温度分布が大きく偏ることもなく、第2排気浄化手段の排気浄化効率を良好に維持することができる。
また、上記実施形態として示した上流側ケーシング32と下流側ケーシング36との配置は一例であって、排気浄化特性や周辺の構造などに応じてそれぞれの配置を適宜変更することが可能である。また、連通路34の形状、並びに上流側ケーシング32及び下流側ケーシング36における連通路34の接続位置も上記実施形態に限られるものではなく、適宜変更することが可能である。従って、第1屈曲部48と第2屈曲部50とを、上記実施形態のように同一平面上で屈曲させずに、それぞれ独立した平面上で屈曲させてもよいし、第1屈曲部48及び第2屈曲部50とは別の箇所において更に連通路32を屈曲させるようにしてもよい。
更に、上記実施形態では、エンジン1を4気筒のディーゼルエンジンとしたが、エンジン1の気筒数及び形式はこれに限定されるものではなく、様々なエンジンの排気浄化装置に本発明を適用することが可能である。
20 排気管(排気通路)
32 上流側ケーシング(第1ケーシング)
34 連通路
36 下流側ケーシング(第2ケーシング)
38 前段酸化触媒(第1排気浄化手段)
40 パティキュレートフィルタ(第1排気浄化手段)
42 アンモニア選択還元型NOx触媒(第2排気浄化手段)
44 後段酸化触媒(第2排気浄化手段)
46 尿素水インジェクタ(尿素水供給手段)
48 第1屈曲部(屈曲部)
Claims (3)
- エンジンの排気通路に介装され、上記エンジンの排気を浄化する第1排気浄化手段を収容した第1ケーシングと、
筒状をなして上記第1ケーシングの下流側の上記排気通路に介装され、上記エンジンの排気を浄化する第2排気浄化手段を収容した第2ケーシングと、
上記第1ケーシングと上記第2ケーシングとを連通し、上記第1ケーシングから排出された排気を上記第2ケーシングに案内する連通路とを備え、
上記連通路は、その途中部分に屈曲部を有して一端が上記第2ケーシングの側面部に接続され、
上記屈曲部は、屈曲角度が120°以下に設定されると共に、上記連通路の径に対して上記連通路の中心軸線における屈曲半径の比が0.8以上に設定された所定屈曲形状を有することを特徴とする排気浄化装置。 - 上記連通路は複数の屈曲部を有しており、少なくとも排気の流動経路として上記第2ケーシングに最も近い屈曲部が上記所定屈曲形状を有することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
- 上記連通路を介し上記第1ケーシングから上記第2ケーシングへと流動する排気中に尿素水を供給する尿素水供給手段を更に備え、
上記第2排気浄化手段は、上記尿素水供給手段によって供給された尿素水から生成されるアンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒であることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
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