JP2009023694A - 注出口部付き自立袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】注出口部付き自立袋を、積層フィルムを用いて底部をガセット形式に形成し、上部の一部に注出口部をその両側を切り欠いて突出する形状に設け、注出口部を含むその近辺の少なくとも片面の積層フィルムに、該注出口部からその基部を越えて袋の内部側に向けて、外側に膨らむ半円筒状の膨らみ部を、半円筒状の雌型内に常温で積層フィルムを雄型で押し込む方法で設けると共に、該注出口部の基部の内部側の位置で、該膨らみ部の開口部を横切るようにテープ状シートを配置して開口部の両側部で積層フィルムに熱接着して構成する。
【選択図】図1
Description
このような問題を解決するために、例えば、注出口部のフィルムに種々の形状のエンボス加工を施して、注出口部の広がり、即ち、開口性を向上させた注出口部付き袋が提案されている。
只、このような詰め替え用パウチでも、注出口部の膨らみ部は熱成形により形成されているので、空パウチを束ねて長期保管すると、膨らみ部同士が重なり合って押しつぶす力が働くと同時に、経時的に熱成形の戻りが発生するため、膨らみ部が幅方向に僅かに広がると共に、高さは低くなり注出適性の向上効果が低下する傾向となり、更に、改善の余地があった。
しかし、熱収縮性フィルム自体は、注出口部の両面のフィルムの間にあるため、均一に加熱することが難しく、熱収縮がやや不安定となり、注出口部を確実に希望する筒状に開口させるという点では、まだ不十分であった。
即ち、請求項1に記載した発明は、袋の底部がガセット形式に形成され、上部の一部に狭い幅の注出口部が、その両側部が切り欠かれて突出する形状に設けられた積層フィルム製の注出口部付き自立袋において、該注出口部を含むその近辺の少なくとも片面の積層フィルムに、該注出口部からその基部を越えて袋の内部側に向けて、外側に膨らむ半円筒状の膨らみ部が、半円筒状の雌型内に常温で積層フィルムを雄型で押し込む方法で設けられると共に、該半円筒状の膨らみ部が、該注出口部の基部の内部側の位置で、該半円筒状の膨らみ部の開口部を横切るようにテープ状シートが配置され、該開口部の両側部で積層フィルムに熱接着されて固定されていることを特徴とする注出口部付き自立袋からなる。
請求項3に記載した発明は、前記テープ状シートの引張強さが、15〜150N/15mm幅であることを特徴とする請求項1または2に記載の注出口部付き自立袋である。
請求項4に記載した発明は、前記注出口部の先端側の開封位置に、易開封性手段として少なくともハーフカット線とノッチが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の注出口部付き自立袋からなる。
また、本発明において、前記注出口部からその基部を越えて袋の内部側に向けて設けられた前記膨らみ部を固定するために用いるテープ状シートは、自立袋の積層フィルムの内面のシーラント層に熱接着可能なものであれば特に限定はされないが、テープ状シートの熱接着を機械的に能率よく行うためには、適度の剛性と引張強さを有すると同時に巻きクセやカールのないことが必要である。
従って、テープ状シートは、プラスチック材料で形成した場合、その幅は5mm〜15mmの範囲が好ましく、厚みは150μm〜400μmの範囲が好ましい。
また、テープ状シートの引張強さは、15〜150N/15mm幅であることが好ましい。引張強さが15N/15mm幅未満の場合は、膨らみ部を固定(保持)する効果が不十分となるため好ましくなく、150N/15mm幅を越える場合は、既に十分な引張強さであり、その必要性がなく、むしろ経済性の点で不利となるため好ましくない。
尚、前記引張強さの測定は、JIS K7127プラスチックフィルム及びシートの引張試験方法に準じたものであり、試験装置にはテンシロン万能試験機〔(株)エー・アンド・デイ社製 型式:SAT−1150〕を用い、試験速度F:毎分50±5.0mmで測定したものである。
易開封性手段としては、ノッチのほかレーザー光照射などによるハーフカット線、あるいは、袋の積層フィルム中に一軸延伸フィルムを積層する方法(この場合、一軸延伸フィルムは、その延伸方向が注出口部の開封方向と一致するように積層する。)などがあり、本発明においては、ノッチとハーフカット線、またはノッチと一軸延伸フィルムの積層などのように複数を組み合わせて用いることが好ましい。
前記ハーフカット線は、直線状のハーフカット線に限らず、ミシン目状などの断続的なハーフカット線で設けることもできる。このようなハーフカット線は、1本でもよいが、引き裂きラインが外れた場合を想定して、中心のハーフカット線の両側に各1本〜各3本など複数のハーフカット線を平行に、または中心のハーフカット線に収斂する形状に、あるいは、複数の平行なハーフカット線とこれに斜めに交差する斜め方向のハーフカット線とを組み合わせた形状など、任意の形状に設けることができる。
このようなハーフカット線は、レーザー光照射により注出口部の開封位置の前後両面の積層フィルムに設けることが好ましく、ハーフカット線の深さは、少なくとも表面の基材層がカットされる深さであればよい。
(1)袋の底部がガセット形式に形成されているので、スタンディングパウチと同様な底部とすることができ、自立袋に優れた自立性を付与することができる。
(2)袋の上部の一部に狭い幅の注出口部が、その両側部が切り欠かれて突出する形状に設けられているので、自立袋に充填された液状の内容物を口径の小さなボトルなどの容器に移し替える場合でも、注出口部をボトルの口部に差し込んで注出できるので、内容物を外にこぼすことなく安全に移し替えることができる。
(3)注出口部付き自立袋が積層フィルム製であるため、積層フィルムの構成の選定により、優れた密封性、ガスバリヤー性、防湿性などの性能を付与することができ、内容物の保存性を高めることができる。
(4)前記注出口部を含むその近辺の少なくとも片面の積層フィルムに、該注出口部からその基部を越えて袋の内部側に向けて、外側に膨らむ半円筒状の膨らみ部が、半円筒状の雌型内に常温で積層フィルムを雄型で押し込む方法で設けられると共に、該半円筒状の膨らみ部が、該注出口部の基部の内部側の位置で、該半円筒状の膨らみ部の開口部を横切るようにテープ状シートが配置され、該開口部の両側部で積層フィルムに熱接着されて固定された構成としているので、前記半円筒状の膨らみ部は、熱成形により設けた場合のような経時的な戻りがなく、また、前記テープ状シートで固定されているので確実にその膨らみ形状が保持される。
また、前記半円筒状の膨らみ部は、少なくとも片面の積層フィルムに設けられているので、注出口部からその基部を越えて袋の内部側に向けて、半円筒状または円筒状の膨らみ部が形成されており、注出口部の先端部をその開封位置で切り取ることにより、注出口部が半円筒状または円筒状に保形性よく開口するようになる。
従って、内容物の注出の途中で注出口部が閉塞することもなく最後までスムーズに注出することができる。
請求項3に記載した発明によれば、請求項1または2に記載した発明の注出口部付き自立袋の構成において、前記テープ状シートの引張強さを、15〜150N/15mm幅とした構成としているので、請求項1または2に記載した発明の作用効果に加えて、前記半円筒状の膨らみ部を固定する効果を一層確実に得ることができる。
先ず、本発明の注出口部付き自立袋の製造に用いる積層フィルムは、前述したように、特に限定はされず、スタンディングパウチなどの自立袋に用いられている公知の積層フィルムはいずれも使用することができる。
また、自立袋の壁面に用いる積層フィルムと底面に用いる積層フィルムには、同じ構成の積層フィルムを用いてもよいが、必要に応じて異なる構成の積層フィルムを用いることもできる。
上記基材フィルム層、水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層、シーラント層などは、それぞれを単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成することもできる。
これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
前記無機酸化物の蒸着層は、単独の層で形成してもよいが、複数の層で形成することにより一層優れたガスバリヤー性を得ることができる。
また、前記無機酸化物の蒸着層は、その接着性を向上させ、或いは亀裂などの損傷を防止して優れたガスバリヤー性を有効に発揮させるため、その上下の面に接着性向上層、保護層、ガスバリヤー性向上層などの目的で、反応型アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シランカップリング剤を含有させたアクリル系樹脂、金属アルコキシドを含有させた水溶性高分子、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物などの樹脂層を設けて複合層としてガスバリヤー層を形成することができる。
前記強度向上層としては、前記基材フィルムのいずれかを適宜追加積層してもよく、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。
前記基材フィルム層とガスバリヤー層、遮光層、強度向上層との積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法、或いは、上記の樹脂を基材フィルム層またはガスバリヤー層などの積層面に押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。但し、内容物がシーラント層に浸透しやすいもの、またはそれを含むものの場合は、ドライラミネーション法で積層することが好ましい。
また、エチレン・αオレフィン共重合体でシングルサイト触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており、本発明の自立袋のように、底部にガセット部を設けて形成した自立袋や、通常のガセット袋などヒートシール部にフィルムの重なりの差による段差のある袋のシーラント層にはシール抜けによるピンホールの発生を防止できる点で適している。
図1は、本発明の注出口部付き自立袋の一実施例の構成を示す正面図である。
図2は、図1のX−X線の拡大断面図である。
図3は、本発明の注出口部付き自立袋において、注出口部からその基部を越えて袋の内部側に向けて、両面の積層フィルムに外側に膨らむ半円筒状の膨らみ部を設ける方法を説明する要部の図である。
また、前後の壁面の積層フィルム1a 、1b には、注出口部10からその基部(注出口部の基部を示す線B)を越えて袋の内部側に向けて、外側に膨らむ半円筒状の膨らみ部13a 、13b (図2も適宜参照)が、半円筒状の雌型内に常温で積層フィルム1a 、1b を雄型で押し込む方法で設けられると共に、その半円筒状の膨らみ部13a 、13b が、それぞれ注出口部10の基部(B)の内部側の位置で、半円筒状の膨らみ部13a 、13b の開口部を横切るようにテープ状シート14a 、14b が配置され、該開口部の両側部で積層フィルム1a 、1b に熱接着部(15a 、15b )、(15c 、15d )で熱接着されて固定されて構成されている。
尚、自立袋100の上部のうち、注出口部10を設けた部分を除く部分は、上部シール部8でヒートシールするが、この部分は内容物の充填口に使用するため、内容物の充填後にヒートシールして密封される。
このように固定された膨らみ部13a と膨らみ部13b とを、その開口部同士が対向するように重ね合わせて図1に示した注出口部付き自立袋100を作製することにより、自立袋100には、注出口部10からその基部(注出口部の基部を示す線B)を越えて袋の内部側に至る円筒状の膨らみ部を形成することができる。
尚、図2に示した位置(図1のX−X線断面の位置)では、膨らみ部13a と膨らみ部13b との間にはテープ状シート14a 、14b が介在しているが、注出口部10の先端部からその基部(B)までの領域にはテープ状シート14a 、14b は存在しないので、この部分では膨らみ部13a 、13b の開口部同士が接する構成で、一層円筒に近い形状となる。
(イ)は、自立袋の前後の壁面の積層フィルム1a 、1b のうち、一方の積層フィルム1a の内面の所定の位置、即ち、注出口部からその基部(B)を越えて袋の内部側に向けて適宜の長さとなる膨らみ部13a を設ける位置で、半円筒状の膨らみ部の形成予定部Sで示される領域のうち、注出口部10の基部(B)の内部側となる位置に、膨らみ部13a を横切るようにテープ状シート14a を配置し、その一方の端縁部を熱接着部15a で熱接着してテープ状シート14a を片持ち状態に熱接着する。
(ロ)は、前記半円筒状の膨らみ部13a を設けるために用いる雌型16a と雄型17a の断面形状を示したものであり、雌型16a には半円筒状の凹部が設けられ、雄型17a には半円筒状の凸部が設けられており、それぞれが上下運動することにより、両者の間に供給された積層フィルム1a に半円筒状の膨らみ部13a を形成できるように構成されている。この場合、積層フィルム1a はその内面のシーラント層が上側の雄型17a を向くように供給される。
(ハ)は、前記雌型16a と雄型17a とを積層フィルム1a の位置まで上昇または下降させて、雌型16a の凹部に雄型17a の凸部を挿入して積層フィルム1a に半円筒状の膨らみ部13a を形成させる。
この時、(ハ)の下側の上面図に示すように、雄型17a と雌型16a とは、それぞれ片側で熱接着されたテープ状シート14a の両側に、雄型17a と雄型17b 、および雌型16a と雌型16b (雌型の方は図示していない)のように分割して設けることができる。また、この膨らみ部13a の形成は、常温で行われるため、膨らみ部13a の両側の積層フィルム1a が雌型16a 、16b 内に引き込まれるようにして形成されるものである。
(ニ)は、前記(ハ)で形成した半円筒状の膨らみ部13a をその状態で固定するために、一方の端縁部が熱接着部15a で熱接着されたテープ状シート14a のもう一方の端縁部を熱接着部15b で熱接着して半円筒状の膨らみ部13a を固定したものである。
(1)積層フィルム(1a 、1b )の構成
(外側)二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルム)(厚み15μm)・印刷層/接着剤/酸化珪素蒸着層・二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、酸化珪素蒸着PETフィルム)(厚み12μm)/接着剤/線状低密度ポリエチレン(以下、L・LDPE)フィルム(厚み80μm)
上記各フィルムの貼り合わせは、ドライラミネーション法で行い、各フィルムの間の接着剤は、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤(乾燥時の塗布量3g/m2 )を使用したものである。
自立袋の外形寸法は、幅が135mmで、高さ(長さ)が230mmとし、底部のガセット部4の高さ、即ち、袋の底辺から底面の積層フィルム折り返し部(ガセット部の上端)2までの高さは38mmとした。
ガセット部4をヒートシールする船底形のシールパターンは、図示した通り、内側が両側から中央部にかけて円弧状に凹状となるシールパターンとした。
また、袋の両側の側部シール部6a 、6b の幅は各5mmとした。
注出口部10は、図示した形状で、注出口部シール部7に示した形状の最大部の幅が45mmで、最大部の長さが52mmとなる大きさに設けた。
細部については、ハーフカット線11を設けた位置の全幅が22mmで、ハーフカット線11から注出口部の基部を示す線Bまでの長さが23mm、注出口部10の先細り角度は略10°になるように設けた。
また、前記膨らみ部13a 、13b を固定するテープ状シート14a 、14b としては、幅が10mmで長さが36mm、厚みが0.3mmの直鎖状低密度ポリエチレン単層体のテープ状シートを用いて、注出口部の基部を示す線Bから内側に2mm離れた位置に、膨らみ部13a 、13b と直交する方向に膨らみ部13a 、13b の両側部近傍に熱接着して膨らみ部13a 、13b を固定した。
次いで、口径の小さなボトルの口部に注出口部を差し込んで内容物の移し替えを行ったところ、実施例1、2の各注出口部付き自立袋とも、注出口部の円筒状の広がりとその保形性がよく、注出の途中で注出口部が閉塞することもなく、最後までスムーズに内容物を移し替えることができた。
2 底面の積層フィルム折り返し部
3a 、3b 底面の積層フィルム切り欠き部
4 ガセット部
5 底部シール部
6a 、6b 側部シール部
7 注出口部シール部
8 上部シール部
9a 、9b 切り欠き部
10 注出口部
11 ハーフカット線
12 ノッチ
13a 、13b 膨らみ部
14a、14b テープ状シート
15a、15b、15c 、15d 熱接着部
16a 、16b 雌型
17a 、17b 雄型
B 注出口部の基部を示す線
S 半円筒状の膨らみ部の形成予定部
100 注出口部付き自立袋
Claims (4)
- 袋の底部がガセット形式に形成され、上部の一部に狭い幅の注出口部が、その両側部が切り欠かれて突出する形状に設けられた積層フィルム製の注出口部付き自立袋において、該注出口部を含むその近辺の少なくとも片面の積層フィルムに、該注出口部からその基部を越えて袋の内部側に向けて、外側に膨らむ半円筒状の膨らみ部が、半円筒状の雌型内に常温で積層フィルムを雄型で押し込む方法で設けられると共に、該半円筒状の膨らみ部が、該注出口部の基部の内部側の位置で、該半円筒状の膨らみ部の開口部を横切るようにテープ状シートが配置され、該開口部の両側部で積層フィルムに熱接着されて固定されていることを特徴とする注出口部付き自立袋。
- 前記テープ状シートが、厚み150μm〜400μmのポリエチレンもしくはポリプロピレンの単層体、または一方の面にポリエチレンもしくはポリプロピレンが積層された積層体で形成されていることを特徴とする請求項1記載の注出口部付き自立袋。
- 前記テープ状シートの引張強さが、15〜150N/15mm幅であることを特徴とする請求項1または2に記載の注出口部付き自立袋。
- 前記注出口部の先端側の開封位置に、易開封性手段として少なくともハーフカット線とノッチが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の注出口部付き自立袋。
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