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JP2009019221A - 高い清浄性を有する低Al含有鋼およびその製造方法 - Google Patents

高い清浄性を有する低Al含有鋼およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い溶接性や優れた靱性の確保のために、Alの含有量が0.004〜0.01%という低い値であるにも拘わらず高い清浄性を有する低Al含有鋼を提供する。
【解決手段】C:0.0015〜0.8%、Si:0.01〜0.8%、Mn:0.1〜2%、NiとCrの合計:0.01〜11%、Al:0.004〜0.01%、O:0.0025%以下、B:0.0035%未満、Nb:0.1%未満、P:0.015%未満、S:0.0035%未満を含有し、残部はFeおよび不純物からなる化学組成で、鋼中における介在物が、質量%で、SiO2を1〜12%含有し、残部はAl酸化物およびMn酸化物のうちの1種以上からなるものである高い清浄性を有する低Al含有鋼。
【選択図】図2

Description

本発明は、高い清浄性を有する低Al含有鋼およびその製造方法に関し、詳しくは、清浄度を改善して清浄性を高めた低Al含有鋼とその鋼を安定して製造することができる溶鋼の精錬方法に関する。
溶鉄、特に溶鋼中のAlは脱酸元素として広く用いられ、製品としての鋼(以下、「鋼材」ともいう。)の低酸素化に寄与している。しかしながら、Alで十分な脱酸を行うには、溶鋼中のAl含有量(以下、溶鋼中のAl含有量を「Al濃度」ということがある。同様に、溶鋼中の元素Xの含有量を「X濃度」ということがある。)を0.02〜0.06%の範囲としてAlを用いることが一般的である。これは、Alによる脱酸を安定化させるためである。
さらに、Alは溶鋼の加熱処理にも広く用いられている。すなわち、溶鋼にAlを添加し、さらに溶鋼に酸素を添加することによって溶鋼内でAlを酸化させ、この酸化熱を利用して溶鋼温度を上昇させるのである。上記の技術はAlの強い脱酸力を利用したものである。
以上の様に、Alは脱酸や溶鋼加熱に用いられるが、前述したように、Al濃度は0.02〜0.06%の範囲とするのが一般的であった。
そして、上記のAl濃度制御および溶鋼加熱処理は、二本の浸漬管を有し、溶鋼を環流させるRH式真空脱ガス装置(以下、「RH」という。)で行われることが多く、例えば特許文献1および特許文献2にその技術が開示されている。
しかしながら、全ての鋼種において、上記の一般的な0.02〜0.06%というAl濃度での処理を行うことにより、鋼材中に高い量のAlを含むことが許容されるというものではない。
例えば、溶接性や靱性の向上、さらには、介在物が起点となる欠陥の低減を目的とする鋼材については、Alの含有量が0.004〜0.01%と低いことが要求される場合が多く、Alの含有量が低いことに加えて、高い清浄性も同時に要求されることも多い。
上記の0.004〜0.01%という低い量のAlを含有する鋼材を製造する場合にも、RHにおいて溶鋼に酸素を添加する方法が用いられるが、Al濃度、すなわち、溶鋼中のAl含有量が低下するために、Alによる脱酸作用が不安定になる。
したがって、前記のような低Al含有鋼の製造に際しては、一般に、Alによる脱酸作用の不安定を解消するために、通常のいわゆる「Al脱酸鋼」よりもRHでの処理時間を長くし、かつ酸素ガスの上吹き量を増加させることが行われている。
特開2002−30330号公報 特開平9249910号公報
前記特許文献1や特許文献2で提案された技術を適用しても、0.004〜0.01%という低い量のAlを含有する鋼材を製造する場合には、RHでの処理時間を長くし、かつ酸素ガスの上吹き量を増加させることが必要となって、製造コストの上昇を避けられないことが多かった。
しかも、低Al含有鋼の製造に際しては、安定した脱酸処理を行うために、RHにおける溶鋼の環流時間を延長することになるが、そうしたことを行っても製品としての鋼の清浄度、つまり、鋼材の清浄度にバラツキが生じて、清浄性が安定しないものであった。
すなわち、同一のAl濃度の場合には、RHにおける環流時間を一定時間確保すれば、脱酸が安定して、介在物の浮上除去が促進されるため、清浄性は安定すると考えられるが、こうした処置を施しても、低Al含有鋼の場合には、良好な清浄性を安定して確保することができず、このため、高い溶接性や優れた靱性を有する0.004〜0.01%というAl含有量の低い鋼材を安定かつ安価に供給することが困難であった。
そこで、本発明の目的は、高い溶接性や優れた靱性の確保のために、Alの含有量が0.004〜0.01%という低い値であるにも拘わらず高い清浄性を有する低Al含有鋼とその鋼を安定して製造することができる溶鋼の精錬方法を提供することである。
一般に、清浄度は脱酸平衡で決定される溶鋼中の酸素含有量(酸素濃度)と脱酸反応で生じた介在物の溶鋼中残留の総和で決まる。したがって、溶鋼中の脱酸元素の含有量、具体的にはAl濃度が一定で、介在物除去を支配するRHでの処理時間が一定であれば、清浄度にバラツキが生じて清浄性が不安定になることは原理的には生じるものではない。
しかしながら、現実には、Al濃度およびRHでの処理時間が一定であっても、清浄度にバラツキが生じて清浄性に不安定さが認められることから、工業規模の大型反応容器内では、Al濃度を低減すると何らかの原因により、脱酸平衡が不安定になっていると考えられる。
そこで、本発明者らは、低Al濃度域での脱酸反応と酸素濃度変化について検討し、その結果種々の知見を得て本発明を完成させた。
本発明の要旨は、下記(1)および(2)に示す高い清浄性を有する低Al含有鋼ならびに(3)〜(7)に示す高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法にある。
(1)質量%で、C:0.0015〜0.8%、Si:0.01〜0.8%、Mn:0.1〜2%、NiとCrの合計:0.01〜11%、Al:0.004〜0.01%、O:0.0025%以下、B:0.0035%未満、Nb:0.1%未満、P:0.015%未満、S:0.0035%未満を含有し、残部はFeおよび不純物からなる化学組成で、鋼中における介在物が、質量%で、SiO2を1〜12%含有し、残部はAl酸化物およびMn酸化物のうちの1種以上からなるものであることを特徴とする高い清浄性を有する低Al含有鋼。
(2)質量%で、C:0.0015〜0.8%、Si:0.01〜0.8%、Mn:0.1〜2%、NiとCrの合計:0.01〜11%、Al:0.004〜0.01%、O:0.0025%以下、B:0.0035%未満、Nb:0.1%未満、P:0.015%未満、S:0.0035%未満、Ca:0.0028%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなる化学組成で、鋼中における介在物が、質量%で、SiO2を1〜12%含有し、残部はCa−Al酸化物およびCa−Mn酸化物のうちの1種以上からなるものであることを特徴とする高い清浄性を有する低Al含有鋼。
(3)二本の浸漬管を有し、溶鋼を環流させるRH式真空脱ガス装置にて、溶鋼にAlを添加し、引き続き酸素ガスを上吹きして溶鋼中のAl含有量を0.004〜0.01%とする低Al含有鋼の製造方法であって、酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に、溶鋼1トン当たり0.005〜0.02kgのAlを溶鋼に添加することを特徴とする高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法。
(4)酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に溶鋼1トン当たりに添加するAl量が、下記(1)式を満足するものであることを特徴とする上記(3)に記載の高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法。
−0.833[Al]+0.022≧M≧−0.833[Al]+0.015・・・・・(1)。
なお、(1)式においてMおよび[Al]は、それぞれ、
M:酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に溶鋼1トン当たりに添加するAl量(kg)、
[Al]:質量%で、0.004〜0.01%の範囲にある、酸素ガス上吹き処理終了後の溶鋼中のAl含有量の目標値、
を表す。
(5)酸素ガス上吹き処理終了後、溶鋼1トン当たりCa純分で0.05〜0.17kgのCaまたはCa合金を溶鋼に添加することを特徴とする上記(3)または(4)に記載の高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法。
(6)上記(1)または(2)に記載された高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法であって、AlおよびOを除く化学組成が請求項1に記載されたものである溶鋼を、RH式真空脱ガス装置にて処理することを特徴とする上記(3)または(4)に記載の高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法。
(7)上記(2)に記載された高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法であって、Al、OおよびCaを除く化学組成が請求項2に記載されたものである溶鋼を、RH式真空脱ガス装置にて処理することを特徴とする上記(5)に記載の高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法。
以下、上記(1)および(2)に示す高い清浄性を有する低Al含有鋼に係る発明ならびに(3)〜(7)に示す高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法に係る発明を、それぞれ、「本発明(1)」〜「本発明(7)」という。また、総称して「本発明」ということがある。
本発明の低Al含有鋼は、Alの含有量が0.004〜0.01%という低い値であるにも拘わらず高い清浄性を有する。このため、溶接性および靱性に優れる。なお、本発明の低Al含有鋼のうちでもCaを含むものは、高い清浄性を維持したままで介在物の球状化がなされているので、より一層良好な特性を有する。これら本発明の低Al含有鋼は、本発明の方法によって安価に製造することができる。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
(A)鋼の化学組成
先ず、本発明の高い清浄性を有する低Al含有鋼における化学組成とその限定理由について述べる。なお、以下の説明において、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
C:0.0015〜0.8%
Cは、弱い脱酸作用を有する元素である。その含有量が0.0015%未満では、脱酸作用が十分でなく、予備脱酸が不安定となる。一方、Cの含有量が高くなると脱酸力が強くなり過ぎ、特に、0.8%を超えると、RHなどの減圧反応装置ではその影響が無視できなくなって介在物制御が不安定となる。したがって、Cの含有量を0.0015〜0.8%とした。なお、Cの含有量は0.01〜0.35%とすることが好ましい。
Si:0.01〜0.8%
Siは、脱酸作用を有する元素である。しかしながら、本発明のような低Al含有鋼の場合には、Siの含有量が0.01%未満では十分な脱酸効果が得られず、逆に、Siの含有量が0.8%を超えると、その影響が大きくなってSiO2の含有量の高い介在物となる。したがって、Siの含有量を0.01〜0.8%とした。なお、Siの含有量は0.05 〜 0.35%とすることが好ましい。
Mn:0.1〜2%
Mnは、強度向上作用および脱酸作用を有する。しかしながら、Mnの含有量が0.1%未満では、鋼に所望の強度を具備させることができない。一方、Mnの脱酸力はSiよりも弱いものの、Mnの含有量が多くなり、特に、2%を超えると、脱酸反応に及ぼす影響が大きくなるので介在物中に多量のMnOが生成し、清浄度が高くなって清浄性が低下する。したがって、Mnの含有量を0.1〜2%とした。なお、Mnの含有量は0.3〜1.5%とすることが好ましい。
NiとCrの合計:0.01〜11%
NiおよびCrは、鋼の機械的性質や耐食性を高める作用を有する。しかしながら、NiとCrの含有量の合計で0.01%未満の場合には効果が得られない。なお、NiおよびCrは、脱酸作用に影響しないものの酸素活量に影響を及ぼすので、両者の含有量の合計が多くなり、特に、11%を超えると、溶鋼中の酸素の含有量である酸素濃度が増加するため清浄性が低下する。したがって、NiとCrの含有量の合計を0.01〜11%とした。
Al:0.004〜0.01%
Alは、脱酸作用を有する。しかしながら、Alの含有量が0.004%未満では、その効果が得られない。一方、Alの含有量が高くなり、特に、0.01%を超えると、溶接性や靱性の低下、さらには、介在物が起点となる欠陥の発生を招くことがある。したがって、Alの含有量を0.004〜0.01%とした。なお、Alの含有量は 0.006〜0.009%とすることが好ましい。
O:0.0025%以下
O(酸素)の含有量が0.0025%を超えると介在物の個数が多くなり、清浄度が高くなって清浄性の低下をきたす。したがって、Oの含有量を0.0025%以下とした。なお、Oの含有量は0.0018%以下とすることが好ましい。
B:0.0035%未満
Bは、比較的強い脱酸力を有する元素であり、その含有量が高くなって、特に、0.0035%以上になると、介在物形態が変化して介在物中のSiO2の含有量が過度に低下する場合がある。したがって、Bの含有量を0.0035%未満とした。なお、Bの含有量は0.0015%以下とすることが好ましい。
Nb:0.1%未満
Nbは、凝固過程で炭窒化物を形成する元素である。Nbの含有量が高くなって、特に、0.1%以上になると、前記の介在物の個数が多くなり、清浄度が高くなって清浄性の低下をきたすとともに、機械的性質の低下も招く場合がある。したがって、Nbの含有量を0.1%未満とした。なお、Nbの含有量は0.05%以下とすることが好ましい。
P:0.015%未満
Pは、中心偏析しやすい元素である。その含有量が高くなり、特に、0.015%以上になると、中心偏析が著しくなって、機械的性質、なかでも靱性の大きな低下を招く。したがって、Pの含有量を0.015%未満とした。なお、Pの含有量は0.01%以下とすることが好ましい。
S:0.0035%未満
Sは、凝固過程で硫化物を形成する元素である。Sの含有量が高くなって、特に、0.0035%以上になると、前記の介在物の個数が多くなり、清浄度が高くなって清浄性の低下をきたすとともに、耐食性や機械的性質の低下を招く場合がある。したがって、Sの含有量を0.0035%未満とした。なお、Sの含有量は0.0015%以下とすることが好ましい。
上記の理由から、本発明(1)に係る高い清浄性を有する低Al含有鋼は、C、Si、Mn、NiとCr、Al、O、B、Nb、P、Sを上述した範囲で含有し、残部はFeおよび不純物からなる化学組成であることと規定した。
本発明に係る高い清浄性を有する低Al含有鋼には、必要に応じて、上記本発明(1)におけるFeの一部に代えて、Ca:0.0028%以下を含有するものとすることができる。すなわち、介在物を球状化してより優れた特性を得るために、前記の量のCaを、本発明(1)の高い清浄性を有する低Al含有鋼におけるFeの一部に代えて、含有してもよい。以下、このことに関して説明する。
Ca:0.0028%以下
Caは、介在物を球状化する作用を有するので、この目的のために含有させてもよい。しかしながら、Caの含有量が多くなり、特に、0.0028%を超えると、CaによるSiO2の還元が進行して介在物中におけるSiO2の含有量が低下し、後述するように、清浄度が高くなって清浄性の低下を招く。したがって、添加する場合のCaの含有量を0.0028%以下とした。
前記したCaの効果を確実に得るためには、Caの含有量を0.0004%以上とすることが好ましい。このため、添加する場合のより望ましいCa含有量は0.0004〜0.0028%である。
上述の理由から、本発明(2)に係る高い清浄性を有する低Al含有鋼は、C、Si、Mn、NiとCr、Al、O、B、Nb、P、S、Caを既に述べた範囲で含有し、残部はFeおよび不純物からなる化学組成であることと規定した。
なお、Ti、V、Mo、WおよびCuはその含有量が、それぞれ、0.025%未満、0.1%未満、0.3%未満、2%未満および0.5%未満であれば、介在物組成に影響を及ぼすことがない。したがって、Ti:0.025%未満、V:0.1%未満、Mo:0.3%未満、W:2%未満およびCu:0.5%未満のうちの1種以上の元素を、本発明(1)および本発明(2)の高い清浄性を有する低Al含有鋼の機械的性質や耐食性など各種特性を向上させるために含有させてもよい。
(B)鋼中の介在物
本発明(1)の高い清浄性を有する低Al含有鋼においては、鋼中における介在物が、質量%で、SiO2を1〜12%含有し、残部はAl酸化物およびMn酸化物のうちの1種以上からなるものでなければならない。
また、本発明(2)の高い清浄性を有する低Al含有鋼では、鋼中における介在物が、質量%で、SiO2を1〜12%含有し、残部はCa−Al酸化物およびCa−Mn酸化物のうちの1種以上からなるものでなければならない。
上記の規定は、本発明者らが行った調査結果に基づくものであり、以下、本発明(1)の場合を例に挙げて、詳しく説明する。
本発明者らは、先ず、Alの含有量を0.004〜0.01%の間で種々変化させて、前記(A)項で述べた本発明(1)の化学組成を有する各種の鋼を150kgるつぼ内で溶解した。そして、凝固後の鋼について、鋼中介在物の量と組成の関係を走査型電子顕微鏡を用いて詳細に調査した。なお、介在物の量は倍率を1000倍として、走査型電子顕微鏡で約7cm2の試料表面を観察し、介在物の個数を計測する方法で評価し、また、組成はEPMAにて評価した。さらに、介在物量の比較のために、Alの含有量が0.035%の鋼における介在物の個数を1とした「介在物個数指数」を求めた。
その結果、下記(a)〜(c)の事項が明らかになった。
(a)Alの含有量が同一でも、介在物の個数に差が認められる。このことは、0.004〜0.01%という低い量のAl含有域で清浄度にバラツキが生じることを裏付けるものである。
(b)同一のAl含有量の場合に、介在物が多い鋼と少ない鋼とでは、介在物の組成に差が生じている。すなわち、介在物が多い鋼中に存在する介在物が極めてSiO2の含有量の少ないAl主体のAl-Si-Mn系もしくはAl-O系、またはSiO2の含有量の多いSi主体のSi-Al-Mn-Oであるのに対し、介在物が少ない鋼中に存在する介在物は特定の範囲のSiO2を含有したAl-Si-Mn-O系である。
(c)上記(b)の介在物が少ない鋼中に存在する介在物中のSiO2を定量すると、SiO2の含有量は、質量%で、1〜12%である。つまり、前記(A)項で述べた本発明(1)の化学組成の場合においては、介在物中のSiO2の含有量を1〜12%とすることで清浄性が高くなり、逆に、介在物中のSiO2の含有量が1%未満と低いかまたは12%を超えて高い場合には清浄性が低下した。
なお、図1に、介在物中のSiO2の含有量(質量%)と前記介在物個数指数との関係の一例を示す。なお、図1においては、介在物中のSiO2の含有量の単位は「%」で表記した。
上記の事項は次のように理解することができる。
すなわち、製品としての鋼におけるAlの含有量が0.1%を超えて高い場合は、溶鋼中のAl含有量であるAl濃度も高いため脱酸反応が安定化し、溶鋼中では常に同一の酸素濃度および介在物量となる。しかしながら、製品としての鋼におけるAlの含有量が低下するとAl濃度も低下するため、溶鋼中のSi含有量であるSi濃度の影響を受けやすくなる。なお、上記のSi濃度の影響の程度は再現性に乏しく、強く影響を受ける場合と影響が小さい場合があるが、これは、Al脱酸前の僅かな介在物量の差に起因すると考えられる。
すなわち、Al濃度が低い場合でも、平衡論上はAl23が安定であるが、この場合、脱酸平衡は「Al−O」平衡となるため、Al濃度の低下に伴って、酸素濃度が単調に増加する。
一方、Al脱酸前の介在物量が多い場合は、総体的にAlが不足するため、速度論的に「Al−O」平衡とはならずに、「Al−Si−O」平衡となる。この時、介在物はAl23から「Al23−SiO2」に変化し、Al23およびSiO2の活量は低下する。この結果、酸素濃度が低下するため介在物量が低減される。
そして、さらにAlが総体的に不足すると「Si−O」平衡が優勢となり、介在物中におけるSiO2の含有量が増加することで、SiO2の活量が増加する。このため、酸素濃度が増加し、その結果、介在物量が再び増加に転ずる。
上記のことは、Alの含有量が0.004〜0.01%という低い鋼の場合には、Al脱酸だけではなく、「Al−Si」複合脱酸を考慮する必要があり、そして、複合脱酸により最も酸素濃度が低下する時の介在物の組成が、介在物中のSiO2の含有量が1〜12%であることを示すものである。したがって、鋼中における介在物が、質量%で、SiO2を1〜12%含有し、残部はAl酸化物およびMn酸化物のうちの1種以上からなるものであれば、本発明(1)に係る高い清浄性を有する低Al含有鋼が得られることになる。
同様の理由で、Ca処理する場合について、鋼中における介在物が、質量%で、SiO2を1〜12%含有し、残部はCa−Al酸化物およびCa−Mn酸化物のうちの1種以上からなるものであれば、本発明(2)に係る高い清浄性を有する低Al含有鋼が得られることになる。Caは酸素活量を低減することは可能であるが、酸素濃度を大きく低減することが困難であることは相互作用助係数から理解できる。よって、Caを用いても酸素濃度を低減する、すなわち、介在物量を低減するには前述したSi-Al-O平衡を活用する必要がある。したがって、Ca処理を行う場合でも介在物中のSiO2の含有量の適正範囲は変化しないと考えられる。
(C)製造方法
高い清浄性を有する低Al含有鋼は、得られた各鋼材における介在物を観察して、清浄度が目標とする値以下の清浄性に優れたものだけを選別する方法によって得ることができるが、この場合の歩留まりは極めて低いものとなってしまう。
また、介在物をより積極的に制御する方法として、スラグまたはフラックスを利用して取鍋精錬を行う方法があるが、製造コストの増加を招いてしまう。
そこで、本発明者らは、良好な生産性と高い歩留まりを確保し、しかも、清浄度が目標とする値以下の清浄性に優れた低Al含有鋼を安定して得るための方法として、Al濃度を最も容易に制御できるRHを用いた処理について検討した。その結果、下記(d)および(e)の事項が明らかになった。
(d)既に「(B)鋼中の介在物」の項で述べたように、清浄性にバラツキが生じるのは低Al濃度域で脱酸平衡が、速度論的に「Al−O」または「Al−Si−O」のいずれか一方に偏向するためである。このため、反応速度を制御して、上記の脱酸平衡を一定にすれば、清浄性にバラツキが生じることを抑止できる。
(e)反応速度を制御する方法はいくつかあるが、鋼の精錬において最も簡便な方法は反応物質の溶鋼中の含有量を制御することである。しかしながら、本発明が対象とする低Al含有鋼の場合、溶鋼中のAl含有量であるAl濃度を高めることはできない。
そこで、検討を行った結果、下記(f)の事項が明らかになった。
(f)脱酸平衡が偏向するのは低Al濃度域特有の現象である。このため、低Al濃度域になった時点、すなわち、酸素ガス上吹き終了直前の適正な時期に適正量のAlを溶鋼に添加することで、脱酸の偏向を制御できる。すなわち、溶鋼へのAlの添加量が多すぎれば低Al含有鋼が製造できないだけではなく、介在物がAl23となってしまう。また、溶鋼へのAlの添加量が少なすぎれば、介在物中でのSiO2の含有量が極めて少なくなってしまう。さらに、酸素ガス上吹き終了前における溶鋼へのAl添加時期が、早すぎれば添加するAlの効果が消失し、逆に、遅すぎれば添加したAlがそのまま鋼中に残留してしまう。そして、上述のいずれの場合にも、鋼の清浄度は高くなって、所望の高い清浄性を有する鋼を得ることができない。したがって、脱酸平衡は、完全に「Al−O」系に変化させるのではなく、少量のSiを影響させた「Al−Si−O」系に偏向させることで清浄性を高める必要がある。
そこで、本発明者らはさらに、酸素ガス上吹き処理終了直前に溶鋼へ添加するAl量とその添加時期について検討するために、溶鋼実験装置を用いて溶鋼1トンにAlを添加した後で酸素ガスを上吹きし、次いで、酸素ガス上吹き処理終了前に、溶鋼へ添加するAl量を0.001〜0.03kg、つまり、溶鋼1トン当たり0.001〜0.03kgの範囲で、また、その添加時期を酸素ガス上吹き処理終了前5〜0minの範囲で、それぞれ変化させ、凝固後の鋼について、鋼中介在物量を調査した。なお、酸素ガス上吹き処理終了後の溶鋼中のAl含有量(Al濃度)は0.005〜0.0075%とした。
なお、鋼中介在物の量は倍率を1000倍として、走査型電子顕微鏡で約7cm2の試料表面を観察し、介在物の個数を計測する方法で評価した。また、介在物量の比較のために、既に「(B)鋼中の介在物」の項で述べたAlの含有量が0.035%の鋼における介在物の個数を1とした「介在物個数指数」を求めた。
図2に、上記の調査結果を示す。なお、図2においては、酸素ガス上吹き処理終了前の時間を「上吹き終了までの時間」と表記した。この時間が「0」とは、酸素ガス上吹き処理終了と溶鋼へのAl添加とが同時であったことを意味する。図2の右の各数値は、各マークについて、それぞれ、溶鋼へ添加したAl量が0.001〜0.03kg、つまり、溶鋼1トン当たり0.001〜0.03kgのいずれかであることを示す。
図2から、下記(g)および(h)の事項が明らかになった。
(g)Alの添加量によらず、酸素ガス上吹き処理終了の2min前よりも早く溶鋼へAlを添加した場合、または、溶鋼へのAl添加時期が、酸素ガス上吹き処理終了の前1min未満の遅い場合は、介在物個数指数が大きく清浄性に劣る。
上記の(g)は、溶鋼へのAl添加時期が早すぎる場合、また逆に、遅すぎる場合のいずれであっても、脱酸偏向に影響を与えることができないことを示している。
(h)溶鋼へのAl添加時期を、酸素ガス上吹き処理終了の前1〜2minとした場合は、介在物個数指数の減少が認められるが、その減少が生じるのは、溶鋼へ添加したAl量が0.005〜0.02kg、つまり、溶鋼1トン当たり0.005〜0.02kgの範囲にある場合だけである。
上記の(h)は、既に述べたように、溶鋼へのAlの添加量が多すぎれば、介在物がAl23となってしまい、また、溶鋼へのAlの添加量が少なすぎれば、介在物中でのSiO2の含有量が極めて少なくなってしまって、いずれの場合にも、鋼の清浄度が高くなるからである。
以上のことから、本発明(3)においては、二本の浸漬管を有し、溶鋼を環流させるRH式真空脱ガス装置にて、溶鋼にAlを添加し、引き続き酸素ガスを上吹きする処理に際し、「酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に、溶鋼1トン当たり0.005〜0.02kgのAlを溶鋼に添加すること」と規定した。
次に本発明者らは、図2において、Alの含有量が0.035%の鋼における介在物の個数を1として求めた介在物個数指数が0.8〜0.9程度で、前記通常のいわゆる「Al脱酸鋼」よりも清浄性に優れる場合があることから、低Al含有鋼の場合であっても脱酸平衡を「Al−Si−O」系に適正に制御すればさらに高い清浄化効果が得られると推測するに至った。
本発明(3)は、低Al濃度域で溶鋼中に少量のAlを添加することが特徴であるから、厳密には、酸素ガス上吹き処理後のAl濃度によって、溶鋼中に添加すべきAlの適正量が変化するはずである。
そこで、本発明者らは、前述の場合と同様の方法で、すなわち、溶鋼実験装置を用いて溶鋼1トンにAlを添加した後で酸素ガスを上吹き処理し、次いで、酸素ガス上吹き処理終了前に、溶鋼へ添加するAl量を0.005〜0.02kg、つまり、溶鋼1トン当たり0.005〜0.02kgの範囲、また、その添加時期を酸素ガス上吹き処理終了前2〜1minの範囲として、酸素ガス上吹き処理終了後の溶鋼中のAl含有量(Al濃度)を種々変化させ、凝固後の鋼について、鋼中介在物量を調査した。
なお、鋼中介在物の量は倍率を1000倍として、走査型電子顕微鏡で約7cm2の試料表面を観察し、介在物の個数を計測する方法で評価した。また、介在物量の比較のために、既に述べたAlの含有量が0.035%の鋼における介在物の個数を1とした「介在物個数指数」を求めた。
その結果、下記(i)の事項が明らかになった。
(i)酸素ガス上吹き処理終了後のAl濃度と溶鋼中へのAl添加量によって介在物個数指数0.8〜0.95が得られる場合がある。
そこで、回帰分析して、図3を得た。なお、図3では、酸素ガス上吹き処理終了後のAl濃度を「最終Al濃度」、その単位を「%」で、また、「介在物個数指数」を「介在物指数」、Al添加量の単位を「kg/ton」と表記した。図中における実線と破線はそれぞれ、Mを酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に溶鋼1トン当たりに添加するAl量(kg)、[Al]を質量%で、0.004〜0.01%の範囲にある、酸素ガス上吹き処理終了後の溶鋼中のAl含有量の目標値として、M=−0.833[Al]+0.022のラインおよびM=−0.833[Al]+0.015のラインを示す。
図3から、下記(j)の事項が明らかになった。
(j)介在物個数指数0.8〜0.95が得られるのは、前記(1)式、「−0.833[Al]+0.022≧M≧−0.833[Al]+0.015」の式を満足する場合である。
以上のことから、本発明(4)においては、酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に溶鋼1トン当たりに添加するAl量が、前記(1)式を満足するものであることと規定した。
上述のとおり、本発明(3)や本発明(4)によって、清浄度を改善して清浄性を高めた低Al含有鋼を得ることができるが、生成する介在物は、塊状またはクラスター状のAl−Si−O系介在物である。しかしながら、鋼種によっては、介在物の球状化が必要とされる場合がある。
一般に、介在物の球状化に対しては、Ca処理が広く用いられており、その最適条件も既に多数のものが開発されている。そして、本発明(3)および本発明(4)における酸素ガス上吹き処理後の脱酸、介在物状態は安定しているので、Ca処理を適用することができる。
ただし、既に(f)項で述べたように、脱酸平衡は、完全に「Al−O」系に変化させるのではなく、少量のSiを影響させた「Al−Si−O」系に偏向させる必要があるため、Caの添加量と溶鋼中のCaの含有量であるCa濃度は任意ではない。例えば、Ca添加量が多すぎるとCa濃度が高くなりすぎるため、CaによるSiO2還元が進行し介在物中でのSiO2の含有量が極めて少なくなってしまう。一方、Ca濃度が低すぎると介在物の球状化が図れない。
そこで、本発明者らは、前述の場合と同様の方法で、すなわち、溶鋼実験装置を用いて溶鋼1トンにAlを添加した後で酸素ガスを上吹き処理し、次いで、酸素ガス上吹き処理終了前に、溶鋼へ添加するAl量を0.005〜0.02kg、つまり、溶鋼1トン当たり0.005〜0.02kgの範囲、また、その添加時期を酸素ガス上吹き処理終了前2〜1minの範囲として、酸素ガス上吹き処理終了後の溶鋼中のAl含有量(Al濃度)を種々変化させるとともに、酸素ガス上吹き処理終了後、Caの純分が変化するようにCaまたはCa合金を添加し、凝固後の鋼について、Ca含有量、介在物中のSiO2の含有量(質量%)および介在物の球状化率を調査した。
なお、介在物中のSiO2の含有量(質量%)は、EPMAにより測定し、また、介在物の量を倍率を1000倍として、走査型電子顕微鏡で約7cm2の試料表面を観察し、介在物の個数を計測する方法で求め、下記の式によって介在物の球状化率を評価した。なお、式中の「球状介在物」とは短径と長径の比である「長径/短径」の値が1.3未満の介在物を指す。
介在物の球状化率(%)=(球状介在物個数)/(観察した介在物個数)×100。
上記の調査結果を整理して、図4に、溶鋼1トン当たりに添加したCa純分での量(kg)が介在物の球状化率に及ぼす影響を示す。また、図5に、溶鋼1トン当たりに添加したCa純分での量(kg)が、Ca含有量および介在物中のSiO2の含有量(質量%)に及ぼす影響を示す。
なお、図4および図5においては、溶鋼1トン当たりに添加したCa純分での量を「Ca添加量(kg/ton)」と表記した。
図4から下記(k)の事項が、また、図5から下記(l)の事項が明らかになった。
(k)溶鋼1トン当たりCa純分で0.05kg以上のCaまたはCa合金を溶鋼に添加することによって、介在物の球状化率を100%とすることができる。
(l)溶鋼1トン当たりCa純分で0.17kg以下のCaまたはCa合金を溶鋼に添加することによって、介在物のSiO2の含有量を、前記「(B)鋼中の介在物」の項で述べた1質量%以上とすることができる。そして、上記Ca純分で0.05〜0.17kg/トンのCaまたはCa合金を溶鋼に添加することによって、Ca含有量を0.0004〜0.0028%とすることができる。
したがって、介在物の球状化率、介在物組成およびCa含有量を同時に満足するには、溶鋼1トン当たりCa純分で0.05〜0.17kgのCaまたはCa合金を溶鋼に添加することが必要である。
以上のことから、本発明(5)においては、本発明(3)または本発明(4)の製造方法において、酸素ガス上吹き処理終了後、溶鋼1トン当たりCa純分で0.05〜0.17kgのCaまたはCa合金を溶鋼に添加することと規定した。
なお、本発明(1)または本発明(2)に係る高い清浄性を有する低Al含有鋼は、AlおよびOを除く化学組成が本発明(1)に記載されたものである溶鋼を、RH式真空脱ガス装置にて処理することを特徴とする本発明(3)または本発明(4)の製造方法である本発明(6)によって製造することができる。
また、本発明(2)に係る高い清浄性を有する低Al含有鋼は、Al、OおよびCaを除く化学組成が本発明(2)に記載されたものである溶鋼を、RH式真空脱ガス装置にて処理することを特徴とする本発明(5)の製造方法である本発明(7)によって製造することができる。
以下、本発明の製造方法について、具体的に、「転炉→RH→連続鋳造」というプロセスを用いて、さらに詳しく説明する。
先ず、転炉での処理を終了した後、溶鋼を取鍋内に出鋼する。なお、Alの添加は出鋼時に行ってもよいし、次工程のRHで行ってもよい。
次に、取鍋をRHへ移送し、RHでの処理を開始する。RHでは、成分調整、脱ガスなどの処理を適宜実施してよいが、溶鋼に酸素ガスを上吹き処理する前に、本発明(3)または本発明(4)の場合には溶鋼の化学組成を、Al濃度およびO濃度を除いて所望の鋼組成に調整し、また、本発明(5)の場合には溶鋼の化学組成を、Al濃度、O濃度およびCa濃度を除いて所望の鋼組成に調整する。
さらに、本発明(6)の場合には溶鋼の化学組成を、Al濃度およびO濃度を除いて具体的に本発明(1)または本発明(2)の鋼組成に調整し、本発明(7)の場合には溶鋼の化学組成を、Al濃度、O濃度およびCa濃度を除いて具体的に本発明(2)の鋼組成に調整する。
この後、溶鋼にAlを添加し、次に、RHでの酸素ガス上吹き処理を行う。
なお、溶鋼へのAlの添加量は、溶鋼内でAlを酸化させ、この酸化熱を利用して溶鋼温度を所望の温度まで上昇させるのに必要な量と酸素ガス上吹き処理後の目標とする溶鋼中のAl含有量であるAl濃度から決定することができる。この場合、個々のRHごとに、Alと酸素の反応効率およびお昇熱速度は異なるものの、それらは各RHにおける操業実績から容易に求めることができる。そして、その操業実績を基にしてAl添加量を決定し、溶鋼に添加する。ただし、上述のとおり、溶鋼への上記のAl添加は酸素ガス上吹き処理前に行わなければならない。
上記溶鋼へのAlの添加の後に、酸素ガス上吹き処理を開始する。
酸素ガス上吹き処理は、上吹きランスを介して行うが、ランスノズルの形状は特に規定する必要はなく、どのようなものでもよい。ただし、酸素と溶鋼中のAl含有量であるAl濃度の反応効率を安定させるためには、ジェット動圧が高いノズルを用いるのが望ましい。
また、酸素流量は溶鋼1トン当たり0.06〜0.18m3(Normal)/minとすることが望ましい。これは、酸素流量が少ないほど、脱酸は安定するももの、溶鋼1トン当たり0.06m3(Normal)/min未満であれば処理時間が長くなって昇熱速度が遅くなるので酸素量が増加してコストの上昇を招いてしまうからである。一方、酸素流量が大きいほど処理時間は短縮できるが、酸素ガス上吹き処理末期の脱酸平衡が不安定になり、特に、溶鋼1トン当たり0.18m3(Normal)/minを超えると、酸素ガス上吹き処理末期の脱酸平衡が極めて不安定になってしまう場合があるためである。
さらに、ランスと真空槽内溶鋼表面との鉛直距離は1〜4mであることが望ましい。これは、上記の距離が1m未満の場合には、溶鋼からの飛沫飛散でランスが損耗しやすくなり、また、4mを超えて大きい場合には、湯面でのジェット動圧が低下して、反応効率が低下する場合があるためである。
上述のようにして、溶鋼へAlを添加した後で、上吹きランスを介して酸素ガスを溶鋼表面に吹き付ける。そして次に、酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に、溶鋼1トン当たり0.005〜0.02kgのAlを溶鋼に添加する。この後、酸素ガス上吹き処理を終了する。
上記の処理の後、連続鋳造すれば、凝固後の鋼として、鋼中における介在物が、質量%で、SiO2を1〜12%含有し、残部はAl酸化物およびMn酸化物のうちの1種以上からなり、しかも、AlとOの含有量がそれぞれ、0.004〜0.01%および0.0025%以下である高い清浄性を有する低Al含有鋼が得られる。
なお、上記の場合において、酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に溶鋼1トン当たりに添加するAl量が、前記の(1)式を満足すれば、清浄度が改善されてより一層清浄性の高い低Al含有鋼を得ることができる。
したがって、酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に溶鋼1トン当たりに添加するAl量は、前記の(1)式を満足するものであることが好ましい。
なお、酸素ガス上吹き処理終了後に再度Alを添加することは好ましくない。これは、「Al−Si−O」系に偏向させた脱酸平衡が、Alの添加によって再び不安定化し、清浄度が高くなって良好な清浄性を確保できなくなるからである。
同様の理由で、酸素ガス上吹き処理終了後にSiを添加することも好ましくないが、他の成分元素に関して、酸素ガス上吹き処理終了に添加することによって成分調整してもよい。
なお、酸素ガス上吹き処理終了後は、環流処理を引き続き行うことが望ましい。これは、酸素ガス上吹き処理終了後に環流処理を行うことによって、酸素との反応で生成した介在物の浮上分離がなされるために、一層良好な清浄性が得られるためである。
特に、上記環流処理の時間が5min以上であれば、より優れた清浄性を確保することができ、12min以上であれば、極めて良好な清浄性を確保することができる。
なお、上記環流処理の時間は、生産効率やコストの面から、20minを上限とすればよい。
酸素ガス上吹き処理終了後、溶鋼1トン当たりCa純分で0.05〜0.17kgのCaまたはCa合金を溶鋼に添加してもよい。この際の添加方法は、一般的なインジェクション法やワイヤ−法でよい。
上記のCa合金とは、CaSi、CaAlやFeCaなどのCa合金の他に、CaOなどのフラックスと混合した金属CaまたはCa合金を含むものを指す。
なお、CaまたはCa合金の添加速度は、Ca純分で溶鋼1トン当たり0.03〜1.0kg/minであることが望ましい。添加速度が溶鋼1トン当たり、0.03kg/min未満の場合は、溶鋼中のCa活量を十分に高めることができないため、また、1.0kg/minを超えて大きい場合は、溶鋼中のCa活量が大きくなりすぎるため、それぞれ、鋼中介在物の量と組成が適正な条件から外れてしまう場合がある。
次に、スラグについて説明する。
一般に、高い清浄性を有する鋼を製造する場合には、スラグ中のFeOやMnOなどの低級酸化物濃度は低い方が望ましいことはよく知られているが、本発明においてもスラグ中のFeOとMnOの合計濃度は6%以下であることが望ましい。
また、本発明において、スラグ中のCaOとAl23の質量比は1〜2.5であることが望ましい。
本発明は、溶鋼内反応を活用するものであって、スラグ−溶鋼間反応は用いないためスラグの影響は小さいが、上記スラグ組成範囲以外では、鋳込み中にスラグから再酸化を受けて、清浄度が大きくなって清浄性が低下する場合がある。なお、スラグ組成の調整方法としては、転炉出鋼時にスラグ改質剤を添加する方法や、RH処理前に取鍋精錬装置にて溶鋼−スラグを撹拌する方法がある。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
20種類の溶鋼250トンを転炉で精錬し、取鍋をRHへ移送し、RHで処理を開始した。
表1に示す鋼1〜8および鋼12〜19は、RH処理開始直後に各種合金を添加して、AlおよびO以外の成分を所定の値に調整した。次いで、溶鋼にAlを添加した後、上吹きランスから酸素ガスを38m3(Normal)/min(溶鋼1トン当たり0.152m3(Normal)/min)で4〜10min間上吹き処理した。なお、酸素ガス上吹き処理中に、表2に示す条件でAlの量と添加時期を変化させて溶鋼へのAl添加を行い、酸素ガス上吹き処理終了後に8min間環流を行ってから、連続鋳造してスラブを作製した。
また、表1に示す鋼9〜11および鋼20は、RH処理開始直後に各種合金を添加して、Al、OおよびCa以外の成分を所定の値に調整した。次いで、上記の鋼1〜8および鋼12〜19の場合と同様に、溶鋼にAlを添加した後、上吹きランスから酸素ガスを38m3(Normal)/minで4〜10min間上吹き処理した。なお、酸素ガス上吹き処理中に、表2に示す条件でAlの量と添加時期を変化させて溶鋼へのAl添加を行い、酸素ガス上吹き処理終了後、表2に示すように、Ca純分で0.01〜0.20kgのCaまたはCa合金を溶鋼に添加し、さらに、8min間環流を行ってから、連続鋳造してスラブを作製した。
Figure 2009019221
Figure 2009019221
上記のようにして得た各スラブについて、鋼中介在物の量と組成の関係を走査型電子顕微鏡を用いて調査した。すなわち、介在物の量は倍率を1000倍として、走査型電子顕微鏡で約7cm2の試料表面を観察し、介在物の個数を計測する方法で評価し、また、組成はEPMAにて評価した。
さらに、介在物量の比較のために、既に「(B)鋼中の介在物」の項で述べたAlの含有量が0.035%のいわゆる「Al脱酸鋼」における介在物の個数を1とした「介在物個数指数」を求め、また、Ca処理した試験番号9〜11および試験番号20について、下記の式によって介在物の球状化率を求めた。
介在物の球状化率(%)=(球状介在物個数)/(観察した介在物個数)×100。
なお、既に述べたように、「球状介在物」とは短径と長径の比である「長径/短径」の値が1.3未満の介在物を指す。
表3に、上記の各試験結果をまとめて示す。
Figure 2009019221
表3から、本発明(1)または本発明(2)の条件を満たす試験番号1〜11の場合、低Al含有鋼であっても、その介在物個数指数は0.81〜1.03で、いわゆる「Al脱酸鋼」と同等またはそれ以上の清浄性を有することが明らかである。
そして、上記試験番号1〜11のうちでも、その製造条件が本発明(4)の条件を満たす試験番号4〜11は、特に清浄性に優れることが明らかである。
さらに、上記試験番号4〜11のうちでも、Ca処理の条件が本発明(5)の条件を満たす試験番号9および試験番号10の場合、介在物の球状化率は100%であり、より優れた特性が確保できる。
これに対して、本発明(1)または本発明(2)の条件から外れた試験番号12〜20の場合、その介在物個数指数は1.22〜2.10で、いわゆる「Al脱酸鋼」と比べて劣ることが明らかである。
本発明の低Al含有鋼は、Alの含有量が0.004〜0.01%という低い値であるにも拘わらず高い清浄性を有する。このため、溶接性および靱性に優れる。なお、本発明の低Al含有鋼のうちでもCaを含むものは、高い清浄性を維持したままで介在物の球状化がなされているので、より一層良好な特性を有する。これら本発明の低Al含有鋼は、本発明の方法によって安価に製造することができる。
介在物中のSiO2の含有量(質量%)と介在物個数指数との関係の一例を示す図である。なお、介在物中のSiO2の含有量の単位は「%」で表記した。 酸素ガス上吹き処理終了前に溶鋼1トン当たりに添加するAl量とその添加時期が介在物個数指数に及ぼす影響を示す図である。なお、酸素ガス上吹き処理終了前の時間を「上吹き終了までの時間」と表記した。この図2の右の各数値は、各マークについて、それぞれ、溶鋼へ添加したAl量が0.001〜0.03kg、つまり、溶鋼1トン当たり0.001〜0.03kgのいずれかであることを示す。 酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に溶鋼1トン当たりに添加するAl量と酸素ガス上吹き処理終了後のAl濃度が介在物個数指数に及ぼす影響を示す図である。なお、図中では、酸素ガス上吹き処理終了後のAl濃度を「最終Al濃度」、その単位を「%」で、また、「介在物個数指数」を「介在物指数」、Al添加量の単位を「kg/ton」と表記した。 溶鋼1トン当たりに添加したCa純分での量(kg)が介在物の球状化率に及ぼす影響を示す図である。なお、図中では、溶鋼1トン当たりに添加したCa純分での量を「Ca添加量(kg/ton)」と表記した。 溶鋼1トン当たりに添加したCa純分での量(kg)が、Ca含有量および介在物中のSiO2の含有量(質量%)に及ぼす影響を示す図である。なお、図中では、溶鋼1トン当たりに添加したCa純分での量を「Ca添加量(kg/ton)」と表記した。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.0015〜0.8%、Si:0.01〜0.8%、Mn:0.1〜2%、NiとCrの合計:0.01〜11%、Al:0.004〜0.01%、O:0.0025%以下、B:0.0035%未満、Nb:0.1%未満、P:0.015%未満、S:0.0035%未満を含有し、残部はFeおよび不純物からなる化学組成で、鋼中における介在物が、質量%で、SiO2を1〜12%含有し、残部はAl酸化物およびMn酸化物のうちの1種以上からなるものであることを特徴とする高い清浄性を有する低Al含有鋼。
  2. 質量%で、C:0.0015〜0.8%、Si:0.01〜0.8%、Mn:0.1〜2%、NiとCrの合計:0.01〜11%、Al:0.004〜0.01%、O:0.0025%以下、B:0.0035%未満、Nb:0.1%未満、P:0.015%未満、S:0.0035%未満、Ca:0.0028%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなる化学組成で、鋼中における介在物が、質量%で、SiO2を1〜12%含有し、残部はCa−Al酸化物およびCa−Mn酸化物のうちの1種以上からなるものであることを特徴とする高い清浄性を有する低Al含有鋼。
  3. 二本の浸漬管を有し、溶鋼を環流させるRH式真空脱ガス装置にて、溶鋼にAlを添加し、引き続き酸素ガスを上吹きして溶鋼中のAl含有量を0.004〜0.01%とする低Al含有鋼の製造方法であって、酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に、溶鋼1トン当たり0.005〜0.02kgのAlを溶鋼に添加することを特徴とする高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法。
  4. 酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に溶鋼1トン当たりに添加するAl量が、下記(1)式を満足するものであることを特徴とする請求項3に記載の高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法。
    −0.833[Al]+0.022≧M≧−0.833[Al]+0.015・・・・・(1)。
    なお、(1)式においてMおよび[Al]は、それぞれ、
    M:酸素ガス上吹き処理終了の1〜2min前に溶鋼1トン当たりに添加するAl量(kg)、
    [Al]:質量%で、0.004〜0.01%の範囲にある、酸素ガス上吹き処理終了後の溶鋼中のAl含有量の目標値、
    を表す。
  5. 酸素ガス上吹き処理終了後、溶鋼1トン当たりCa純分で0.05〜0.17kgのCaまたはCa合金を溶鋼に添加することを特徴とする請求項3または4に記載の高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法。
  6. 請求項1または2に記載された高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法であって、AlおよびOを除く化学組成が請求項1に記載されたものである溶鋼を、RH式真空脱ガス装置にて処理することを特徴とする請求項3または4に記載の高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法。
  7. 請求項2に記載された高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法であって、Al、OおよびCaを除く化学組成が請求項2に記載されたものである溶鋼を、RH式真空脱ガス装置にて処理することを特徴とする請求項5に記載の高い清浄性を有する低Al含有鋼の製造方法。
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