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JP2009001773A - 半導体加工用テープ - Google Patents

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洋洙 李
Taihei Sugita
大平 杉田
Yuichi Sumii
佑一 炭井
Yasuhiko Oyama
康彦 大山
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Abstract

【課題】真空加熱工程を有する半導体の加工時において半導体に貼付してこれを保護するための半導体加工用テープを提供する。
【解決手段】真空加熱工程を有する半導体の加工時において半導体に貼付してこれを保護するための半導体加工用テープであって、基材の少なくとも一方の面に、光硬化型粘着剤100重量部に対して平均粒子径が7nm〜2μmであるフュームドシリカを5〜20重量部含有する粘着剤層を有するものである半導体加工用テープである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、真空加熱工程を有する半導体の加工時において半導体に貼付してこれを保護するための半導体加工用テープに関する。
半導体の製造においては、加工時に半導体の取扱いを容易にし、破損したりしないようにするために半導体加工用テープを貼付することが行われている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合に、厚膜ウエハを支持板に接着して補強する際に両面粘着テープが用いられる。また、所定の厚さに研削された薄膜ウエハを個々のICチップにダイシングする際にも、ダイシングテープと呼ばれる粘着テープが用いられる。
半導体加工用テープには、加工工程中に半導体を強固に固定できるだけの高い粘着性とともに、工程終了後には半導体を損傷することなく剥離できることが求められる。これに対して特許文献1には、紫外線等の光を照射することにより硬化して粘着力が低下する光硬化型粘着剤を用いた粘着テープが開示されている。このような粘着テープは、加工工程中には確実に半導体を固定できるとともに、紫外線等を照射することにより容易に剥離することができる。
しかしながら、このような光硬化型粘着剤を用いた粘着テープを、化学蒸着法(CVD)法による薄膜形成工程やスパッタリング工程等の真空下で加熱する工程を有する半導体の加工時に用いた場合には、紫外線等を照射する前であっても加熱工程時に剥離してしまうことがあるという問題があった。このような剥離は、とりわけ非着面に回路等の凹凸が形成されている場合に顕著であった。
特開平5−32946号公報
本発明は、真空加熱工程を有する半導体の加工時において半導体に貼付してこれを保護するための半導体加工用テープを提供することを目的とする。
本発明は、真空加熱工程を有する半導体の加工時において半導体に貼付してこれを保護するための半導体加工用テープであって、基材の少なくとも一方の面に、光硬化型粘着剤100重量部に対して平均粒子径が7nm〜2μmであるフュームドシリカを5〜20重量部含有する粘着剤層を有するものである半導体加工用テープである。
以下に本発明を詳述する。
粘着テープを半導体の表面に貼着する場合、通常は気泡等を噛み込まないように減圧下で貼着工程を行うことが行われる。しかしながら、完全に気泡を噛み込まなくすることは極めて困難である。とりわけ非着面に回路等の凹凸が形成されている場合には、凹凸の近傍に気泡が残存することは不可避である。このような気泡は通常の工程では問題にならないものであるが、化学蒸着法(CVD)法による薄膜形成工程やスパッタリング工程等の真空下で加熱する工程において真空下に置かれることにより膨張して、剥離しようとする圧力となる。一方、一般に粘着剤は温度が上昇するに従って粘着力が低下する傾向がある。従来の光硬化型粘着剤を用いた粘着テープを真空加熱工程を有する半導体の加工時に用いた場合に剥離する原因は、真空加熱により気泡が膨張することにより発生した剥離圧力に対して、高温により粘着力が低下した粘着剤が抗しきれないことにあると考えられた。
本発明者らは、鋭意検討の結果、粘着剤層中に特定の平均粒子径のフュームドシリカを特定の割合で配合することにより、真空加熱工程を有する半導体の加工時に用いた場合であっても剥離の発生を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
従来の考え方では、シリカを配合した粘着剤層は弾性率(E’又はG’)が上昇する(硬くなる)ことから、むしろ粘着力が低下すると考えられていた。しかしながら、驚くべきことに、フュームドシリカを配合した粘着剤層は高温時の剥離強度が著しく向上して、気泡が膨張することにより発生した剥離圧力がかかっても容易には剥離しない。この理由については明らかではないが、疑似架橋である海島構造が高温での構成を維持しながら流動成分が接着力を維持すると考えられる。
本発明の半導体加工用テープは、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有する。
本発明の半導体加工用テープは、一方の面にのみ粘着剤層が形成された片面粘着テープであってもよく、両面に粘着剤層が形成された両面粘着テープであってもよい。
上記基材としては特に限定されないが、光を透過又は通過するものであることが好ましく、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
上記粘着剤層は、光硬化型粘着剤とフュームドシリカとを含有する。
上記光硬化型粘着剤としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、必要に応じて光重合開始剤を含んでなる光硬化型粘着剤を用いたもの等が挙げられる。
このような光硬化型粘着剤からなる粘着剤層は、光の照射により粘着剤層の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下する。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記多官能オリゴマー又はモノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5,000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。このようなより好ましい多官能オリゴマー又はモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フュームドシリカの平均粒子径の下限は7nm、上限は2μmである。7μm未満のフュームドシリカは現実的に入手できておらず、2μmを超えると、物性の評価以前に、粘着剤の特性である細かな分散ができなくなる。好ましい下限は15μm、好ましい上限は1μmである。
上記フュームドシリカの配合量は、上記光硬化型粘着剤100重量部に対する下限が5重量部、上限が20重量部である。5重量部未満であると、真空加熱下での剥離を防止する効果が不充分であり、20重量部を超えると、室温下での粘着剤をフィルム上に塗工することや適切は粘着力を出すのが困難となり、均一にフュームドシリカを粘着剤中に練り込めない。好ましい下限は8重量部、好ましい上限は15重量部である。
上記粘着剤層は、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤を含有してもよい。このような気体発生剤を含有する上記粘着剤層に光を照射すると、光硬化型粘着剤が架橋硬化して粘着剤層全体の弾性率が上昇し、このような硬い粘着剤層中で発生した気体は粘着剤層から接着界面に放出され接着面の少なくとも一部を剥離することから、より容易に粘着テープを剥離することができる。
上記気体発生剤としては特に限定されないが、例えば、アジド化合物、アゾ化合物等が挙げられる。なかでも、本願発明の半導体加工用テープが真空加熱工程を有する半導体の加工時に用いられることを勘案すると、耐熱性に優れるアジド化合物が好適である。
上記アジド化合物としては特に限定されず、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド;3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマー(GAP)等のアジド基を有するポリマー等が挙げられる。
上記粘着剤層は、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的でイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、帯電防止剤、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。更に、粘着剤の安定性を高めるために熱安定剤、酸化防止剤を配合してもよい。
本発明の半導体加工用テープを製造する方法としては特に限定されず、例えば、基材上に、上記粘着剤等をドクターナイフやスピンコーター等を用いて塗工する等の従来公知の方法を用いることができる。
本発明の半導体加工用テープは、真空加熱工程を有する半導体の加工時において半導体に貼付してこれを保護するために好適に用いることができる。本発明の半導体加工用テープでは、室温においては半導体に対して高い粘着力を有し、真空下で加熱した場合であっても充分に高い粘着力を維持することができる。従って、化学蒸着法(CVD)法による薄膜形成工程やスパッタリング工程等の真空下で加熱する工程において真空下に置かれることにより非着面に残留し気泡が膨張することにより剥離圧力が発生しても、容易には剥離してしまうことがない。
本発明によれば、真空加熱工程を有する半導体の加工時において半導体に貼付してこれを保護するための半導体加工用テープを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)光硬化型粘着剤の調製
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体からなる光硬化性粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。
ブチルアクリレート 79重量部
エチルアクリレート 15重量部
アクリル酸 1重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
(2)粘着剤層用組成物溶液の調製
得られた光硬化性粘着剤の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、フュームドシリカ(トクヤマ社製、MT10:平均粒子径15nm)10重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)0.2重量部、ポリイソシアネート0.5重量部を混合し粘着剤層用組成物溶液を調製した。
(3)半導体加工用テープの製造
得られた粘着剤層用組成物溶液を、片面にコロナ処理を施した厚さ75μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのコロナ処理上に乾燥皮膜の厚さが約15μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、粘着剤層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、半導体加工用テープを得た。
(実施例2〜5、比較例1〜5)
フュームドシリカの種類及び配合量を表1に示したようにした以外は実施例1と同様にして粘着剤層用組成物溶液を調製し、これを用いて半導体加工用テープを製造した。
(評価)
実施例1〜5及び比較例1〜5で製造した半導体加工用テープについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(耐真空加熱性の評価)
得られた半導体加工用テープを裏面研削用テープとして用い、回路が形成された厚さ200μmのシリコンウエハに常温真空中で貼り付けた。次いで、真空貼り合わせ機中に静置し、100Pa、130℃の条件下20分間真空加熱処理した。
試験は、各々の半導体加工用テープについて10個ずつ行い、処理中に剥離の起こらなかった数を求めた。
Figure 2009001773
本発明によれば、真空加熱工程を有する半導体の加工時において半導体に貼付してこれを保護するための半導体加工用テープを提供することができる。

Claims (2)

  1. 真空加熱工程を有する半導体の加工時において半導体に貼付してこれを保護するための半導体加工用テープであって、
    基材の少なくとも一方の面に、光硬化型粘着剤100重量部に対して平均粒子径が7nm〜2μmであるフュームドシリカを5〜20重量部含有する粘着剤層を有するものである
    ことを特徴とする半導体加工用テープ。
  2. 粘着剤層は、更に気体発生剤を含有することを特徴とする半導体加工用テープ。

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