JP2009001575A - オゾン溶存グリセリン溶液を含む化粧料、医薬部外品、医薬(医薬品)等の外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 オゾン溶存グリセリン溶液を含む、無傷の皮膚または粘膜に用いられる外用剤であって、オゾンの濃度の初期値が少なくとも85ppmである、前記外用剤。
【選択図】なし
Description
また、特許文献3(特開2005−232094)には、オゾン溶存グリセリン溶液を用いた化粧水や美容液および創傷部への治療薬が記載されている。同文献には、とくにオゾン濃度が80ppm以上であれば殺菌能力を発揮することができ、オゾン濃度が500ppm以上であれば、創傷治癒効果を得ることができることについても記載されている。同文献には、とくにオゾン軟膏およびオゾンジェルの具体的な処方とともに、その創傷治癒効果について記載されている。
・手洗い等に用いるための、1%程度のグリセリン水溶液のオゾン酸化グリセリン(特許文献2)、および
・創傷治癒のためのオゾン軟膏およびオゾンジェル(特許文献3)
のみである。特許文献1には、オゾン含有外用剤の具体的な処方は全く記載されていない。
また、オゾンを含む化粧水等の効果は、上記のとおり溶媒であるグリセリンの濃度が限定されるため、一定の濃度以上の濃度のオゾンを含むものの効果の検討さえなされていない。むしろ、オゾンは酸化力を有するため、一般的には皮膚には悪影響を及ぼすことも懸念され、無傷の皮膚または粘膜に対しては、オゾンは適用しづらいとさえ考えられている。例えばマウスを用いた実験の結果から、オゾンは肺だけでなく,皮膚にも障害を与える恐れがあり、「とくに大都市では,他の環境有害物質との相乗作用も考えられるため,注意が必要」である旨記載されている(非特許文献1)。
また、同じくマウスを用いた実験の結果から、オゾンにより皮膚角質層内の細胞酸化代謝産物やストレス蛋白質の濃度が上昇する一方で、保護物質である抗酸化物質の濃度が低下することも明らかにされている(非特許文献1)。例えば、オゾン濃度1ppmの環境下では 2 時間後にトコフェロールとアスコルビン酸がそれぞれ80%ずつ,グルタチオンが45%減少した旨報告されている。
さらに、非特許文献1においては、オゾンのヒトに対する悪影響についても言及され、「オゾンにより、角質層内の不飽和脂肪酸が酸化し、バリア機能が損なわれて皮膚炎を生じる可能性がある」旨記載されている。とくに、スモッグが発生しやすい大都市や人口密集地域では、夏になるとオゾン濃度が0.1〜0.8ppmに達し、さらに炭化水素やたばこの煙、紫外線などの環境有害物質も加わると、相乗作用によりオゾンの悪影響が増大すると考えられている。
このため、これらに対する予防策として、非特許文献1には、ビタミンEやビタミンCなどの抗酸化物質を事前に塗布することによって、前記のような障害を緩和あるいは回避できる可能性について記載されている。一方において、同文献には、オゾンがより深部へ浸透することや全身的な影響を及ぼすことは考えられない旨も記載されている。
オゾンは上記のような利点を有する物質ではあるが、上記のような人体への悪影響や用いにくさがあるため、その外用剤としての適用は限られているのが現状である。
すなわち、本発明は、少なくとも以下の各発明に関する。
(1)オゾン溶存グリセリン溶液を含む、無傷の皮膚または粘膜に用いられる外用剤であって、オゾンの濃度の初期値が少なくとも85ppmである、前記外用剤。
(2)化粧料である、前記外用剤。
(3)水、保湿剤、増粘剤、防腐剤、界面活性剤、抗炎症剤、セラミドまたはその前駆体、ポリエチレングリコール、アロマオイルおよびエタノールの少なくとも1種をさらに含む、前記外用剤。
(4)保湿剤がヒアルロン酸Na、アセチルヒアルロン酸Naおよびそれらの誘導体の、少なくとも1種であり、増粘剤がキサンタンガムであり、防腐剤がフェノキシエタノールである、前記外用剤。
(5)界面活性剤がラウロイル硫酸Naであり、保湿剤がPCA−Naであり、抗炎症剤がグリチルリチン酸2Kであり、セラミドまたはその前駆体がセラミド1、セラミド3、セラミド6II、フィトスフィンゴシンおよびコレステロールの少なくとも1種であり、防腐剤がフェノキシエタノールである、前記外用剤。
(6)ポリエチレングリコール450およびポリエチレングリコール65Mの少なくとも1種をさらに含む、前記外用剤。
(7)エタノールおよび/または少なくとも1種のアロマオイルをさらに含む、前記外用剤。
(8)酸性水である水をさらに含む、請求項3〜7のいずれかに記載の外用剤、前記外用剤。
(9)皮膚または粘膜における、水分蒸散量の低減、しみの低減およびたるみの改善の1または2以上に用いられる、前記外用剤。
(10)皮膚または粘膜における、皮脂の除去、ターンオーバーの改善、抗酸化機能の亢進、にきびの低減または真菌の低減に用いられる、前記外用剤。
(11)上記いずれかの外用剤と、抗酸化物質またはアルカリ水とを含む外用剤とからなるキット。
(12)抗酸化物質が、ビタミンC類、ビタミンE類、グルタチオンおよびフラーレンの1種または2種以上である前記キット。
(13)皮膚または粘膜における、水分蒸散量の低減、しみの低減およびたるみの改善、皮脂の除去、ターンオーバーの改善、抗酸化機能の亢進、にきびの低減または真菌の低減の1または2以上の方法であって、本発明の前記外用剤を皮膚または粘膜に用いた後に、ビタミンC類、ビタミンE類、グルタチオンおよびフラーレンの1種または2種以上である抗酸化物質またはアルカリ水とを含む外用剤を前記皮膚または粘膜に用いる、前記方法。
(14)本発明の前記外用剤またはビタミンC類、ビタミンE類、グルタチオンおよびフラーレンの1種または2種以上である抗酸化物質またはアルカリ水とを含む外用剤を保存する方法であって、前記各外用剤を冷蔵もしくは冷凍することを含む、前記方法。
また、「皮膚または粘膜の健全性を高める」とは、上記それぞれの好ましくない状態を改善することを意味する。
(2)本発明の外用剤のうち、化粧料であるものによれば、皮膚または粘膜の健全性を高め、美容目的に用いることができる。
(3)本発明の外用剤のうち、水、保湿剤、増粘剤、防腐剤、界面活性剤、抗炎症剤、セラミドまたはその前駆体、ポリエチレングリコール、アロマオイルおよびエタノールの少なくとも1種をさらに含むものによれば、これら各種追加の成分の効果または該成分とオゾンとの相乗効果により、皮膚または粘膜の健全性をより一層高めることができる。
(4)保湿剤がヒアルロン酸Na、アセチルヒアルロン酸Naおよびそれらの誘導体の、少なくとも1種であり、増粘剤がキサンタンガムであり、防腐剤がフェノキシエタノールであるものによれば、保湿化粧水、保湿美容液として、皮膚または粘膜の健全性をより一層高めることができる。
(5)界面活性剤がラウロイル硫酸Naであり、保湿剤がPCA−Naであり、抗炎症剤がグリチルリチン酸2Kであり、セラミドまたはその前駆体がセラミド1、セラミド3、セラミド6II、フィトスフィンゴシンおよびコレステロールの少なくとも1種であり、防腐剤がフェノキシエタノールであるものによれば、保湿化粧水、保湿美容液として、皮膚または粘膜の健全性をより一層高めることができる。
(6)本発明の外用剤のうち、ポリエチレングリコール450およびポリエチレングリコール65Mの少なくとも1種をさらに含むものによれば、オゾンクリームとして、皮膚または粘膜の健全性をより一層高めることができる。
(7)本発明の外用剤のうち、エタノールおよび/または少なくとも1種のアロマオイルをさらに含むものによれば、エタノールまたは少なくとも1種のアロマオイルによる清涼効果により、より優れた使用感を伴って皮膚または粘膜の健全性を高めることができる。
(8)本発明の外用剤のうち、酸性水である水をさらに含むものによれば、より長期にわたり皮膚または粘膜の健全性を高めることができる。
(9)本発明の外用剤のうち、皮膚または粘膜における、水分蒸散量の低減、しみの低減およびたるみの改善の1または2以上に用いられるものによれば、これらの目的を確実に達成することができる。
(10)本発明の外用剤のうち、皮膚または粘膜における、皮脂の除去、ターンオーバーの改善、抗酸化機能の亢進、にきびの低減または真菌の低減に用いられるものによれば、これらの目的を確実に達成することができる。
(11)本発明の、上記いずれかの外用剤と、抗酸化物質またはアルカリ水とを含む外用剤とからなるキットものによれば、オゾンの反応を停止させ、過剰な酸化を防ぐことが可能となる。オゾンの効果をより好適に奏せしめることができる。
(12)本発明のキットのうち、抗酸化物質が、ビタミンC類、ビタミンE類グルタチオンおよびフラーレンの1種または2種以上であるものによれば、オゾンの反応を停止させることと合わせて、皮膚内にて消費された抗酸化物質を補給することが可能となる。これらの物質の還元作用により、皮膚または粘膜に対してより好ましい効果を奏せしめることができる。
(13)本発明の皮膚または粘膜における、水分蒸散量の低減等の方法によれば、オゾンの反応を停止させることと合わせて、皮膚内にて消費された抗酸化物質を補給することが可能となる。
(14)本発明の前記外用剤またはビタミンC類、ビタミンE類、グルタチオンおよびフラーレンの1種または2種以上である抗酸化物質またはアルカリ水とを含む外用剤を保存する方法によれば、これらの成分の酸化・還元反応を抑えることによって、同各成分のより長期の保存が可能となる。
本発明の外用剤は、その効果および使いやすさの観点から、化粧料としての用途が好ましい。
また、外用剤のうち、貼付剤のように支持体を有するものにおいては、「外用剤全体」とは、外用剤のうち支持体以外の部分全体に対する割合を意味する。
希釈剤としては、オゾンにより酸敗しにくいものが適しており、水、ポリエチレングリコール等が好適である。
一方、グリセリン濃度を高濃度の50%以上にすることによって、温感効果を発揮させることができ、また、一定時間後に洗い流すことでグリセリンが高濃度であることの刺激性を回避することができる。さらに、洗い流すことによって、オゾンによる酸化反応を停止させることもできる。この際、抗酸化物質やアルカリ水を用いると、オゾンによる酸化反応の停止がより迅速に行われるため好ましい。とくに、抗酸化物質を用いれば、皮膚において消費された抗酸化物質の補給を行うことができる。非特許文献1に記載されているように、事前にビタミンCやビタミンEを塗布した場合、本発明の外用剤を塗布した場合には、オゾンが分解されてしまうが、逆に、本発明の外用剤を使用した後に抗酸化物質を投与すれば、本発明の外用剤の所定の効果と合わせて、オゾンの反応を停止させ、失われた抗酸化物質を補給できるといった効果が奏される。
本発明の外用剤のうち医薬または医薬部外品として用いられるものは、オゾン溶存グリセリン溶液に加えて各種医薬成分または医薬部外品に用いられる成分を含んでもよい。
本発明の外用剤において、水は、例えば保湿やグリセリンの希釈のために用いられ、その種類はとくに限定されない。水として酸性水を用いると、オゾンの保存がより好適に行われるため好ましい。H型陽イオン交換樹脂を用いて調製した酸性の軟水を用いると、アストリンゼント効果および収斂による毛穴の開き改善効果も奏することができ、とくに好ましい。
水として、純水または超純水も上記のとおり好ましい。したがって、酸性純水は、とくに好ましい。また、水を電気分解して処理した中性もしくは酸性の水を用いることによって、肌への浸透をさらに向上せしめることが可能である。さらに、酸性の水においては、オゾンの分解が抑制される点においても好ましい。
本発明の外用剤において、保湿剤は、皮膚や粘膜の保湿に用いられ、その種類はとくに限定されない。保湿剤としては、保湿作用を有するものであれば何れも使用し得る。これらの成分としては、多価アルコール類、PCA−Na(ピロリドンカルボン酸ナトリウム)をはじめとしたNMF(天然保湿因子)、ヒアルロン酸やアセチルヒアルロン酸Naやその誘導体またはその塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、多糖類、高分子剤(増粘剤)等を挙げることができる。保湿剤の外用剤における配合量は、好ましくは外用剤全体の0.1〜1%である。
本発明の外用剤において、増粘剤は、剤の粘度の調整に用いられ、その種類はとくに限定されない。増粘剤としては、水溶性または水膨潤性高分子化合物が好ましく、キサンタンガム、ゼラチン、ペクチン、アガロース、アルギン酸塩、デキストリン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸及びその塩またはそれらの架橋体等の天然高分子若しくはその変性物又は合成高分子若しくはその架橋体等が挙げられる。これらの高分子は単独で用いても、複数の高分子を組み合わせて用いてもよい。キサンタンガムが最も好ましい。
これらの増粘剤の外用剤全体に対する含量は、外用剤に適度な粘度を付与し得る限りとくに制限はないが、外用剤全体の0.1〜1%が好ましい。
本発明の外用剤において、防腐剤は外用剤を清潔に保つために用いられ、その種類はとくに限定されない。防腐剤としては、フェノキシエタノール、パラオキシ安息香酸エステル(パラベン類)、安息香酸、サリチル酸及びその塩類、ソルビン酸及びその塩類、デヒドロ酢酸及びその塩類、クロルクレゾール、ヘキサクロロフェン、レゾルシン、パラオキシエノキサシン、塩酸シプロフロキサシン、ナリジクス、ノルフロキサシン、フレロキサシン、オフロキサシンが挙げられる。イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、臭化アルキルイソキノリウム、トリクロロカルバニド、ハロカルバン、感光素201号、トリクロサン、グレープシードエキス、塩酸ベンザルコニウム、フェノール、チモールが挙げられる。フェノキシエタノールが最も好ましい。
これらの防腐剤の外用剤全体に対する含量は、外用剤を清潔に保てる限りとくに制限はないが、外用剤全体の0.01〜1%が好ましい。
界面活性剤は、各種成分の剤中における相互に混じり合わない物質を溶け込んだ状態にするために用いられ、その種類はとくに限定されない。
界面活性剤としては、ラウロイル硫酸ナトリウム、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等の非イオン界面活性剤、アルキルサルフェート塩、ノルマルドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。ラウロイル硫酸ナトリウムが最も好ましい。
抗炎症剤は、皮膚または粘膜の炎症をより効果的に抑えるために用いられ、その種類はとくに限定されない。
抗炎症剤としては、各種ステロイド系抗炎症剤およびグリチルリチン酸またはその塩、アラントイン、オウゴンエキス等の非ステロイド系が挙げられる。これらのうち、グリチルリチン酸およびグリチルリチン酸2Kが好ましく、グリチルリチン酸2Kがとくに好ましい。
これらの抗炎症剤の外用剤全体に対する含量は、炎症を効果的に抑え得る限りとくに制限はない。
セラミドおよびその前駆体は、角質層の細胞と細胞の隙間を埋めてつなぎ合わせている脂質の約半分を占める主要な成分であり、豊富な水分を包接し、その水分が蒸発しないように働く一方で、外部からの刺激や細菌の進入を防ぐ作用を有する。
セラミドまたはその前駆体としては、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド6IIおよびフィトスフィンゴシン、コレステロール等が挙げられ、セラミド1、セラミド3、セラミド6IIおよびフィトスフィンゴシン、コレステロールを全て含むものが好ましい。
抗酸化物質・中和剤は限定されないが、例えば以下のものが挙げられる:
・ビタミンC類、ビタミンE類、セレニウム等のビタミン類、
・フラボノイド等の植物由来物質、
・カロテノイド(αカロチン、βカロチン、γカロチン)、リコピン、キサントフィル等の植物由来の抗酸化物質(SOD様物質)、アスタキサンチン等
・フラボノイド、ユビキノン、サポニンなどのテルペン類やイノシトール、カテキン、タンニン、アントシアニン、イソフラボン、
・ぶどう種子、イチョウ葉、海岸松樹皮(ピクノジェノール)等の植物由来のポリフェノール類、
・グルタチオン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン(DEA)、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン(TEA)、フラーレン(C60)。
抗酸化物質・中和剤の外用剤全体に対する含量は、外用剤のpHを好適に保ち得る限りとくに制限はない。
これらの成分の本発明の外用剤中における安定性は、空気中や水中に比較して顕著により良好となる。したがって、エタノールやアロマオイルを含む本発明の外用剤は、これらの成分によるより長期の清涼効果を付与し得るため好ましい。
水分蒸散量の低減、しみの低減およびたるみの改善の1または2以上によって、本発明の外用剤は、化粧料、医薬部外品、医薬品としての効果を奏し、とくに化粧料としての効果を奏する。
真菌の低減のために、抗真菌剤を本発明の外用剤にさらに加えてもよい。抗真菌剤としては、ビホナゾール、クロトリマゾール、ミコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、アムホテリシン、ピマリシン、ミカファンギンナトリウム、グリセオフルビン、エキサラミド、シクロピロクスオラミン、硝酸エコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸ミコナゾール、チオコナゾール、トルナフタート、ロールニトリンが挙げられる。
(1)本発明の外用剤を用いた反応後、水洗することで反応を停止させる(リーブオフ)、
(2)(1)によって古い角層を剥離せしめることによって、新しい細胞を露出させ、有効成分を角層から真皮へ吸収しやすくする、
(3)(2)によって有効成分を吸収させた後、ヒアルロン酸をはじめとした保湿成分で有効成分の保持と水分蒸散を防ぎ、細胞の賦活やモイスチャーバランスを改善し外敵や刺激から肌を守る、
といった一連の適用が好適である。
(1)肌の状態に合わせてオゾン濃度を可変にする、
(2)肌の状態に合わせて反応時間を設定する、
(3)酸化状態の細胞を抗酸化物質(ビタミンC、ビタミンE、グルタチオン、フラーレン等)および/またはアルカリ水の使用により中和する。
・オゾンの効果を高めるための処方(保湿剤、増粘剤、防腐剤、界面活性剤、抗炎症剤、セラミドまたはその前駆体、ポリエチレングリコール等を含有する処方)
・物質との反応性の予想外の低さから導かれた処方(エタノール・アロマオイルを含有する処方)、
・オゾン濃度を安定化させる処方(酸性水やpHを酸性側に傾けることができる原料を用いた処方)
が挙げられる。
また、これらの組み合わせによる効果が発現しやすい準備として、刺激の弱いクレンジング料や洗顔料を使用すること、またこれらの組み合わせによる効果をより高めることができる紫外線ケアアイテム、ファンデーション等メイク料を使用することが望ましいため、それらのキットとして構成されたものはより好ましい。
また、キットとしては、本発明の外用剤、とくに1種または2種以上の本発明の化粧料と、抗酸化物質またはアルカリ水とを含む外用剤とからなるキットを用いれば、オゾンによる酸化効果と抗酸化物質またはアルカリ水による還元作用との組み合わせにより、皮膚または粘膜のpHをより好適に調節することができる。本発明の外用剤と抗酸化物質またはアルカリ水を処理する量は、対象の年齢、肌の健全性の程度等または使用目的に応じて適宜希釈することができる。
抗酸化物質としては、上記に記載したものが用いられ、抗酸化物質がビタミンC類、ビタミンE類およびフラーレンの1種または2種以上であるキットは好ましい。
キットの形態としては、1種または2種以上の本発明の外用剤、および必要に応じて1種または2種以上の抗酸化物質またはアルカリ水からなる外用剤を、それぞれバイアル、瓶等の適当な容器に入れ、必要に応じて使用指示書を添付したものが例示される。
抗酸化剤は、例えば化粧水、美容液、クリーム、乳液、クレンジング、洗顔、紫外線防止剤、メイクアップ剤、軟膏、パック、テープおよび貼付剤等の形態によって用いることができる。
また、オゾン溶存グリセリン溶液は、グリセリンにオゾンの微小気泡を通気せしめることによって得られるところ、所望の濃度のもの、とくに100ppmを越える高濃度のものは、典型的には特許文献2または3に記載されている方法に従うことによって簡便に調製することができる。
オゾン溶存グリセリン溶液を原料として調製した下記3品を用い、下記のように試験を行った。
オゾン溶存グリセリン(オゾン濃度2000ppm)にフェノキシエタノールを投入し、ホモジナイザーによって攪拌し、そこにA液(組成は下記参照)を投入し、ホモジナイザーによってさらに攪拌する。その後PCA−Naを投入し、ホモジナイザーによって再度攪拌して、B液を得る。
超純水にグリチルリチン酸2Kを投入し、ホモジナイザーによって攪拌し、その後B液を全量投入し超純水を加え、加温しながらホモジナイザーにて攪拌し、オゾン保湿化粧水(実施例1)を得る。
(A液の組成)
ラウロイル硫酸Na 10ml
セラミド1 0.001g
セラミド3 0.5g
セラミド6II 0.5g
フィトスフィンゴシン 0.5g
コレステロール 0.5g
超純水 適量
合計 100ml
予めPEG450と500gのPEG65Mを混合し、該混合物にオゾン溶存グリセリン(オゾン濃度2000ppm)を投入し、ホモジナイザーによってゆっくりと攪拌し、オゾンクリーム(実施例3)を得る。
水分蒸散量は、右群で2週間後、4週間後に有意差が認められた。左群は有意差が認められなかった。弾力性(振幅最大値)は、右群、左群共に4週間後に有意差が認められた。弾力性(戻り率)は、右群、左群共に4週間後に有意差が認められた。弾力性(振幅最小値)は、いずれの群においても有意差はみられなかった。シミ面積は、塗布前と比較して、2週間後、4週間後に有意差が認められた(表2)。
水分蒸散量の右群は、塗布2週後(75.3%±9.9%)、塗布4週後(80.1%±21.2%)となった。塗布2週後と塗布4週後に有意差が認められた。左群は、塗布2週後(92.2%±20.0%)、塗布4週後(108.1%±38.3%)となり、有意差は認められなかった。右群と左群の比較では、塗布2週後と塗布4週後に有意差が認められた。
左群は、塗布2週後(104.9%±28.5%)、塗布4週後(92.0%±30.9%)となり、有意差は認められなかった。右群と左群の比較では、有意差は認められなかった。
(方法)
1.オゾン含有化粧水10mLにエタノール1mLを添加し、1分間スターラーで攪拌した (9.1%エタノール)。
2.室温に放置し、経時的にオゾン濃度を測定した。
(結果)
図1および2に示すとおり、化粧水にエタノールを入れた方がオゾン濃度の減少は小さかった。したがって、アルコール入りの化粧水等を本発明の外用剤と併用しても問題ない。また、濃度的にも問題はない。
なお、測定日および室内の温湿度は以下のとおりであった。
(方法)
エタノールの濃度を5%、10%および15%とした以外は実施例2と同様にして、経時的にオゾン濃度を測定した。
(結果)
エタノールの濃度は、オゾン濃度の減衰の程度にほとんど影響しなかった(図3)。
なお、測定日および室内の温湿度は以下のとおりであった。
(方法)
化粧水に代えて5%オゾン溶存グリセリン溶液を用いた以外は実施例3と同様にして、経時的にオゾン濃度を測定した。
(結果)
エタノールの濃度が低いほど、オゾン濃度の減衰の程度は小さかった(図4)。
なお、測定日および室内の温湿度は以下のとおりであった。
(方法)
保存温度を冷蔵、室温または40℃とし、エタノールをローズオイルまたはラベンダーオイルとした以外は実施例3と同様にして、経時的にオゾン濃度を測定した。
(結果)
保存温度が低いほど、オゾン濃度の減少は抑制された(図5〜7)。また、いずれの保存温度においても、オゾン濃度はローズオイルまたはラベンダーオイルの影響を受けなかった
(方法)
1.OGを精製水にて5倍に希釈し、OG40mL+精製水160mL=200mLを5分間スターラーにて攪拌した。
2.濃度を測定した(413.5ppm、pH4.45)。但し、コントロールとしては、実施例5のデータを用いた。
3.残りの110mLにローズオイルを3滴添加した。
4.容器を回しながら5分間手動にて振とう混和し、表面にオイルの固まりがないようにした。
5.試料として30mLずつ3個に小分けして保存した。
6.各々室温・冷蔵・40℃にて保存し、濃度の変化を測定した。
(結果)
いずれの保存温度においても、オゾン濃度はローズオイルの影響を受けなかった(図8)。
(方法)
1.OGを精製水にて5倍に希釈し、OG20mL+精製水80mL=100mLを5分間スターラーにて攪拌した。
2.濃度を測定した(413.5ppm、pH4.45)。但し、コントロールとしては、実施例5のデータを用いた。
3.残りの100mLにラベンダーオイルを3滴添加した。
4.容器を回しながら5分間手動にて振とう混和し、表面にオイルの固まりがないようにした。
5.試料として30mLずつ3個に小分けして保存した。
6.各々室温・冷蔵・40℃にて保存し、濃度の変化を測定した。
(結果)
オゾン濃度は、ラベンダーオイルの影響を受けなかった(図9)。
Claims (14)
- オゾン溶存グリセリン溶液を含む、無傷の皮膚または粘膜に用いられる外用剤であって、オゾンの濃度の初期値が少なくとも85ppmである、前記外用剤。
- 化粧料である、請求項1に記載の外用剤。
- 水、保湿剤、増粘剤、防腐剤、界面活性剤、抗炎症剤、セラミドまたはその前駆体、ポリエチレングリコール、アロマオイルおよびエタノールの少なくとも1種をさらに含む、請求項1または2に記載の外用剤。
- 保湿剤がヒアルロン酸Na、アセチルヒアルロン酸Naおよびそれらの誘導体、少なくとも1種であり、増粘剤がキサンタンガムであり、防腐剤がフェノキシエタノールである、請求項3に記載の外用剤。
- 界面活性剤がラウロイル硫酸Naであり、保湿剤がPCA−Naであり、抗炎症剤がグリチルリチン酸2Kであり、セラミドまたはその前駆体がセラミド1、セラミド3、セラミド6II、フィトスフィンゴシンおよびコレステロールの少なくとも1種であり、防腐剤がフェノキシエタノールである、請求項3または4に記載の外用剤。
- ポリエチレングリコール450およびポリエチレングリコール65Mの少なくとも1種をさらに含む、請求項3〜5のいずれかに記載の外用剤。
- エタノールおよび/または少なくとも1種のアロマオイルをさらに含む、請求項3〜6のいずれかに記載の外用剤。
- 酸性水である水をさらに含む、請求項3〜7のいずれかに記載の外用剤。
- 皮膚または粘膜における、水分蒸散量の低減、しみの低減およびたるみの改善の1または2以上に用いられる、請求項1〜8のいずれかに記載の外用剤。
- 皮膚または粘膜における、皮脂の除去、ターンオーバーの改善、抗酸化機能の亢進、にきびの低減または真菌の低減に用いられる、請求項1〜9のいずれかに記載の外用剤。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の外用剤と、抗酸化物質またはアルカリ水とを含む外用剤とからなるキット。
- 抗酸化物質が、ビタミンC類、ビタミンE類、グルタチオンおよびフラーレンの1種または2種以上である、請求項11に記載のキット。
- 皮膚または粘膜における、水分蒸散量の低減、しみの低減およびたるみの改善、皮脂の除去、ターンオーバーの改善、抗酸化機能の亢進、にきびの低減または真菌の低減の1または2以上の方法であって、請求項1〜10のいずれかに記載の外用剤を皮膚または粘膜に用いた後に、ビタミンC類、ビタミンE類、グルタチオンおよびフラーレンの1種または2種以上である抗酸化物質またはアルカリ水とを含む外用剤を前記皮膚または粘膜に用いる、前記方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の外用剤またはビタミンC類、ビタミンE類、グルタチオンおよびフラーレンの1種または2種以上である抗酸化物質またはアルカリ水とを含む外用剤を保存する方法であって、前記各外用剤を冷蔵もしくは冷凍することを含む、前記方法。
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