JP2009099613A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体装置の製造方法は、p型窒化物半導体の表面に異種の表面層を形成する表面層形成工程と、その表面層の一部を除去してp型窒化物半導体の表面を露出させるエッチング工程と、エッチング工程後のp型窒化物半導体を加熱処理するアニール工程と、アニール工程後のp型窒化物半導体の表面に電極を形成する電極形成工程を備えている。前記アニール工程は、700℃から1200℃の窒素又は酸素雰囲気下で実施することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、上記の課題を解決する。本発明は、エッチング処理によるダメージを修復し、オーミックコンタクト性に優れたオーミック電極を形成可能な技術を提供する。
この温度条件によると、p型窒化物半導体がエッチング工程で受けたダメージを十分に修復し、オーミックコンタクト性により優れたオーミック電極を形成することが可能となる。
この製造方法によると、オーミック電極のコンタクト抵抗を顕著に低減することができる。
(形態1) 本発明は、窒化ガリウムを用いた半導体装置の製造方法に好適に適用することができる。
(形態2) 第1アニール処理は、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、ボディ電極等の金属電極を形成する前に行うことが好ましい。それにより、それらの電極の材料となる金属の融点よりも高い処理温度で行うことができる。
(形態3) ボディ電極のニッケル層を形成後、基板を600℃から800℃の窒素雰囲気下で熱処理する第2アニール処理を実施することが好ましい。
(形態4) ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、ボディ電極等の金属電極や配線を形成後、基板を窒素雰囲気下で熱処理するシンタ処理を実施することが好ましい。
本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、実施例1に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。図1に示すフローチャートに沿って、本発明に係る半導体装置の製造方法を説明する。
先ず、ステップS10では、図2に示すように、窒化ガリウム(GaN)基板8を準備する。窒化ガリウム基板8は、その表面が(0001)結晶面の単結晶体である。窒化ガリウム基板8は、p型不純物であるマグネシウム(Mg)がドープされており、p型半導体の特性を示すものである。
ステップS40では、ステップS30で形成した絶縁膜16にエッチング処理を行い、絶縁膜16の一部を選択的に除去することによって、図5に示すように絶縁膜16にコンタクトホール16aを形成する。コンタクトホール16aは、ボディ領域10に通じている。ステップS40で実施するエッチング処理は、ドライエッチングであってもよいし、ウエットエッチングであってもよい。本実施例では、エッチングの形状精度が高いドライエッチングを採用している。
第1アニール処理は、エッチング処理後のボディ領域10の表面から、エッチング処理によるダメージを除去するために行われる。詳しくは後述するが、第1アニール処理を実施することにより、後に形成するボディ電極30とボディ領域10とのオーミックコンタクト性が顕著に向上する。第1アニール処理は、各種の金属電極を形成する以前に行うことができるので、1000℃以上という非常に高温な条件で行うこともできる。
第1アニール処理を行った後、窒化ガリウム基板8を王水等で洗浄し、第1アニール処理で生成された表面生成物を除去しておく。
ステップS70では、図6に示すように、絶縁膜16にエッチング処理を行い、絶縁膜16の一部を選択的に除去することによって、コンタクトホール16b、16cを形成する。ここで、コンタクトホール16bはソース領域12に通じており、コンタクトホール16cはドレイン領域14に通じている。次いで、コンタクトホール16bを通じてソース領域12に接触するソース電極22と、コンタクトホール16cを通じてドレイン領域14に接触するドレイン電極24を形成する。ソース電極22とドレイン電極24は、n型領域であるソース領域12とドレイン領域14にそれぞれオーミックコンタクトする電極である。このようなn型領域へオーミックコンタクトする電極は、例えばチタン/アルミニウム/ニッケル/金(Ti/Al/Ni/Au)の積層構造によって形成することができる。これらの各金属は、例えば電子ビーム(EB)蒸着法によって成層することができる。
ステップS90では、図7に示すように、絶縁膜16の上にゲート電極18を形成する。ゲート電極18は、ボディ領域10のソース領域12とドレイン領域14の間に介在する部分に対向する範囲に形成する。ゲート電極18は、例えばアルミニウム(Al)によって形成することができる。
ゲート電極18の形成後、必要な電気配線(例えばソース電極22とボディ電極30を導通する電気配線)の形成を行う。
以上により、図7に示す構造を有する絶縁ゲート型の電界効果トランジスタを得ることができる。
ここで、図8、図9に破線で示すグラフX、Yは、第1アニール処理による効果を評価するための比較例を示している。一方のグラフX(As−grown)は、ボディ領域10の表面がエッチング処理によるダメージを受けていない場合のオーミックコンタクト性を示すものである。なお、グラフXが示す電流−電圧特性は、最初に準備する窒化ガリウム基板8にボディ電極30の形成のみを行って測定したものである。この場合のコンタクト抵抗は、0.0218Ω・cm2であった。他方のグラフY(As−etched)は、エッチング処理後に第1アニール処理を実施することなくボディ電極30を形成して測定したものであり、ボディ領域10の表面がエッチング処理によるダメージを受けたままの場合のオーミックコンタクト性を示すものである。グラフX、Yによって示されるように、ボディ領域10の表面がエッチング処理で受けるダメージによって、ボディ電極30とボディ領域10との間のオーミックコンタクト性は大幅に低下する。
図10は、実施例2に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。図10に示す実施例2の製造方法は、図1に示す実施例1の製造方法と比較して、第1アニール工程S50とボディ電極形成工程S60の間に、複数の処理S52、S54、S56が付加されている。以下、実施例2の製造方法について、主に実施例1の製造方法と異なる点を説明する。
ステップS50の第1アニール処理に続き、ステップS52では、ニッケル層30cを形成する。図11に示すように、ニッケル層30cは、コンタクトホール16aによって露出するボディ領域10に接触するように形成する。ニッケル層30cは、例えは10nmの厚みで形成する。ニッケル層30cは、例えば電子ビーム蒸着法によって形成する。
第2アニール処理は、ボディ領域10の表面を活性化するために行われる。ニッケルは、窒化物半導体中に存在する水素原子を低減し、窒化物半導体に含まれるp型不純物(例えばマグネシウム)の活性化率を高める機能を有する。本実施例の第2アニール処理はこの事象を利用するものであり、ニッケル層30cを形成した段階で窒化ガリウム基板8の加熱処理を行うことにより、ボディ領域10のホール密度を増加させるものである。
ステップS60では、図12に示すように、ボディ電極30のニッケル層30aと金層30bを形成する。金層30bは、ニッケル層30a上に形成する。ボディ電極30は、実施例1と同様に形成することができる。
ステップS70では、図12に示すように、ソース電極22とドレイン電極24を形成する。ソース電極22とドレイン電極24についても、実施例1と同様に形成することができる。
ステップS90では、図13に示すように、絶縁膜16の上にゲート電極18を形成する。ゲート電極18は、実施例1と同様に形成することができる。
以上により、図13に示す構造を有する絶縁ゲート型の電界効果トランジスタを得ることができる。
ここで、図14に破線で示すグラフX、Hは、第2アニール処理による効果を評価するための比較例(第2アニール処理が未実施)を示している。一方のグラフXは、図8、9に示すグラフXと同じく、ボディ領域10の表面がエッチング処理によるダメージを受けていない場合のオーミックコンタクト性を示すものである。他方のグラフHは、図9に示すグラフHと同じく、第1アニール処理を(酸素雰囲気下、1100℃、30秒)の条件で行った場合のオーミックコンタクト性を示す。即ち、グラフHは、第1アニール処理を最適条件で行った場合に得られるオーミックコンタクト性を示すものである。
上記した半導体装置の製造方法は、窒化ガリウムを用いた半導体装置のみならず、例えば窒化ガリウムアルミニウム(AlGaN)、窒化ガリウムインジウム(InGaN)等の他の窒化物半導体を用いた半導体装置の製造にも適用することができる。
上記した半導体装置の製造方法は、実施例で例示した構造の半導体装置のみならず、他の様々な構造の半導体装置の製造にも適用することができる。
上記した半導体装置の製造方法は、p型の窒化物半導体にオーミックコンタクトする電極を有する半導体装置の製造に好適に適用することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:ボディ領域
12:ソース領域
14:ドレイン領域
16:絶縁膜
16a、16b、16c:コンタクトホール
18:ゲート電極
22:ソース電極
24:ドレイン電極
30:ボディ電極
30a:ボディ電極のニッケル(Ni)層
30b:ボディ電極の金(Au)層
30c:第2アニール処理用のニッケル(Ni)層
Claims (3)
- 半導体装置の製造方法であって、
p型窒化物半導体の表面に、i型窒化物半導体とn型窒化物半導体と絶縁材料のうちのいずれかで構成される表面層を形成する表面層形成工程と、
その表面層の一部を除去してp型窒化物半導体の表面を露出させるエッチング工程と、
エッチング工程後のp型窒化物半導体を加熱処理するアニール工程と、
アニール工程後のp型窒化物半導体の表面に電極を形成する電極形成工程を備え、
前記アニール工程は、窒素と酸素の少なくとも一方の濃度が大気よりも高い雰囲気下において、700℃から1200℃の温度範囲で実施されることを特徴とする製造方法。 - 前記アニール工程は、1000℃から1100℃の温度範囲で実施されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記アニール工程と電極形成工程との間に、前記エッチング工程で露出させたp型窒化物半導体の表面にニッケル層を形成するニッケル層形成工程と、前記ニッケル層形成工程後のp型窒化物半導体を加熱処理する第2アニール工程と、前記第2アニール工程後のp型窒化物半導体から前記ニッケル層を除去するニッケル層除去工程と、をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
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